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殿様の試写室

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パリよ、永遠に -2- Diplomatie


パリよ、永遠に
-2-
Diplomatie

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(C)2014 Film Oblige - Gaumont - Blueprint Film - Arte France Cinema


コルティッツ将軍とノルドリンク総領事の
丁々発止、あるいは、手練手管を弄した会話から成り立つ本作『パリよ、永遠に』。
なにせ原題はDiplomatie(=外交)ですから。

本作『パリよ、永遠に』の原作は、戯曲“Diplomatie”。
シェリル・ジェリー作の大ヒット舞台劇です。
『パリは燃えているか』でも取り上げられている2人の男のエピソードが
1944年8月25日の未明から夜明けまでの一晩に凝縮されています。

ああ言えばこう言う。こう言えばああ返す
の応酬で目も離せず、息をつくヒマもありません。
舞台はナポレオン3世が情事に使った部屋と隠し階段つきの伝統あるホテルの一室。
なんといってもパリは歴史の大舞台です。
そんな都を切羽詰まった小男の思い込みと狂気で破壊されてなるものか――

ということで
ノルドリンク総領事を演ずるはアンドレ・デュソリエ。
コルティッツ将軍はニエル・アレストリュプ。
二人ともフランスの名優であります。

そして、監督はフォルカー・シュレンドルフ。
こちらはドイツ人。
ちなみに彼『ハンナ・アーレント』の監督であるマルガレーテ・フォン・トロッタの夫君です。
http://mtonosama.exblog.jp/20634449/  http://mtonosama.exblog.jp/20659388/

いや、しかし、もしも1944年8月25日にパリが燃えてしまっていたら、
このような取り合わせの映画すら存在しえなかったことでありましょう。
さあ、いったいどんなお話なのでしょうか。

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ストーリー
1944年8月25日深夜
ホテルを見上げる一人の男。

バルコニーにはガウンを着た男が夜のパリに目をやっている。
給仕とフランス語を交わすが、その後、軍服姿の部下にドイツ語で指令を出す。
そう、彼はホテル ル・ムーリスに駐留するパリ防衛司令官
ディートリヒ・フォン・コルティッツ将軍だ。
彼は連合軍が防衛線を突破し、パリ市街に近づいているとの電報を手にする。
連合軍の進撃にレジスタンスは湧き立つ。
ドイツの敗北は目前に迫っていた。

フランス人建築技師ランヴァンが将軍の部屋に呼ばれる。
ヒトラーの計画した「パリ壊滅作戦」を実行するためだ。
爆破箇所は市内33本の橋、ノートルダム寺院、ルーブル美術館、オペラ座・・・
ランヴァンの説明を聞くコルティッツ将軍。

一人部屋に残った将軍がベルリンからの電話を受けたと同時に部屋の明かりが消える。
再び明かりが灯った時、そこに男が立っていた。

男はパリで生まれ育ったスウェーデン総領事ラウル・ノルドリンク。
誰にも気づかれずに部屋へ来たのはナポレオン3世が愛人との逢瀬を楽しむために
作った秘密の階段を利用したからだという。
ノルドリンクは更に続ける。
「停戦を提案するために来た」。

司令官として命令には絶対服従のコルティッツ将軍。
自らの故郷でもあるパリを絶対に破壊から守りたいノルドリンク総領事。
二人の男の死力をつくした舌戦が始まった……

もちろん皆さまもご存知のようにパリは残り、
今もその美しい姿で旅行者を迎えてくれています。

本作の見どころは結末ではなく、Diplomatieの経過なのであります。
ノルドリンク総領事の虚実をないまぜにした説得。
パリ壊滅作戦の無謀さを知りつつも、軍人として、夫として、父として、
ノルドリンクの提案を受け入れがたいコルティッツ将軍。
二人の男の必死さと策略と本音と嘘とがきしむように観客に迫ります。

暗闇に沈んだパリの街。
そして、朝日に照らされて拡がるパリのパノラマ。
こればっかりは舞台を超えた映画ならではの展開でありましょう。

数百万の白兵戦にもまさる二人の男の一夜の外交によってパリは救われました。

ノルドリンク総領事はいかなる名優にも劣らない一世一代の演技を
歴史という大舞台で演じたのでありましょう。


(最初の音が大きいのでお気をつけください)



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☆2015年2月24日に更新しました。いつも応援してくださってありがとうございます☆

パリよ、永遠に
監督/フォルカー・シュレンドルフ、脚色・脚本・ダイアローグ/シリル・ジェリー、フォルカ―・シュレンドルフ、原案/戯曲「DIPLOMATIE」シリル・ジェリー
出演
アンドレ・デュソリエ/総領事ラウル・ノルドリンク、ニエル・アレストリュプ/ディートリヒ・フォン・コルティッツ将軍、ブルクハルト・クラウスナー/エーベルナッハ将軍、シャルリー・ネルソン/コンシェルジュ
3月7日(土)よりBunkamuraル・シネマ、ヒューマントラストシネマ有楽町ほか全国ロードショー
2014年、仏・独、83分、字幕翻訳/丸山垂穂、提供/日活、後援/在日フランス大使館、アンスティテュ・フランセ日本、ユニフランス・フィルムズ、東京ドイツ文化センター、配給/東京テアトル
http://paris-eien.com/

by Mtonosama | 2015-02-24 06:47 | 映画 | Comments(10)
Commented by poirier_AAA at 2015-02-25 23:07
もう、誰もコメントしてないのはどういうわけでしょう!?
この狸とキツネの化かし合い、じゃない、老獪な外交のプロと百戦錬磨の指揮官の腹の探り合いの面白さったらないんですから。

それにアンドレ・デュソリエ、本当にいいんですよ、もうっ。

それにしても、ホテルの部屋にきちんとしたバーセットがないと格好がつかない話ですよね。ミニ冷蔵庫から小さいボトルを出して開けて飲んだのじゃ、この渋さは出ません。部屋の格と俳優の格と酒の格がバランスよくて、そういうところも気持ちよかったです。

予告編の日本語タイトルのが可愛いのと、背景がパステル・トリコロールなことにびっくりしました。そういう乙女心をくすぐる要素は全然ない、ひたすら渋い映画だったから良かったのだけれどなぁ、、、、、日本のマーケティング戦略って、なんか変ですよね。
Commented by Mtonosama at 2015-02-26 06:18
♪poirier AAAさん

コメントありがとうございます。

そうですね。ホテルも大事なキャストですね。
バーカウンターもそうだし、両開きの窓もそう、きわめつけは隠し階段!

ナポレオン3世も逢い引きに使ったホテルの小部屋っていうところがパリの持つ歴史を小声で教えてくれる感じでした。

私、ドイツ将軍の人の良さが好きです。
狸とキツネというなら彼はまさに狸。
このおふたり、フランスの誇る至宝なんて予告編にも出てきましたが、さすがですね。
Commented by すっとこ at 2015-02-26 21:46 x
あああああああああああああああああああああああああああああああああああ!

コメント遅れて叱られちゃいましたテヘッ。

このスェーデン総領事がいらっしゃらなかったら
私達は今のパリを見ることは出来なかったのですね。

日本の京都も空襲予定地だったのを ここを訪れたこと
のあるアメリカ政府高官(軍事関係者だったかも)の
強い助言によって 対象からはずされたと聞いたこと
があります。

いつの世も“後世に残るターニング・ポイント”に立ち
会うのは”一個人の熱狂”であるなぁ、と思いました。
そして爺様・・・素敵っ!

今日はポチッと押してからコメント書いてます。
Commented by Mtonosama at 2015-02-27 12:28
♪すっとこさん

やはり爺様にいきますか^m^

若い男好きのとのだけど、この映画に関しては爺様派のすっとこさんにつき従っていきますわ。

押してからのコメントありがとうございます。

追伸 また風邪っぴきのとのです。もしかしたら花粉症がぶり返したかもしれないのだけれど。
Commented by なえ at 2015-03-01 12:10 x
今頃やって来て、すんまへんm(__)m
この映画ぜひみたいです!
「理性」と「良心」の勝利ですね。説得した
総領事の説得も素晴らしかったのでしょうが、
それを理性的に受け入れた将軍の人間性を
称えたい!家族が処刑されても、未来の歴史と
世界市民の平和と幸福を選択するなんて、ううっ
(感動の涙)

「永遠のゼロ」が日本アカデミー賞取ったって!?レベルが
違いすぎますがな!日本の軍は正に狂気でしたもんね。
特攻隊は行く分の燃料しか積まなかった、て聞いてますもんね。
Commented by Mtonosama at 2015-03-01 19:09
♪なえさん

おこしやす~♪

「永遠のゼロ」ね。
原作は読んだけど、『探偵ナイトスクープ』に関わった百田さんのお作ですからストーリーテラーであることは疑いませんが、でもね、思想性は問われますわなぁ。

同じ「永遠」でも『パリよ、永遠に』はやっぱ大人の映画です。
こういう外交、学んでほしいわぁ。
単に戦略だけの外交じゃないところがいいです。
こういう解決法を追及してほしいものですわ。
Commented by kogarinta at 2015-04-20 12:54
こんにちは。
当ブログにもご訪問&コメントを下さりありがとうございました。
そう、映画でなければ表現できない、議論の変遷に伴い移り変わるパリの風景…!素晴らしい見せ方だったと思います。
ここなつ
Commented by Mtonosama at 2015-04-20 14:10
♪kogarintaさん

こちらこそ、いつもTBありがとうございます。
本作必見ですよね。

GWに入り、良い映画もいろいろ公開になります。
どれを観ようか迷ってしまう嬉しい困惑の季節の始まりですね。
Commented by kogarinta at 2015-04-23 16:25
こんにちは。
>GWに入り、良い映画もいろいろ公開になります。
どれを観ようか迷ってしまう嬉しい困惑の季節の始まりですね。
正におっしゃる通りなのですが、こちらはシネマート六本木閉館イベントとして、「香港電影天堂」という上映がGWから始まりますので、本当に本当に、観るべき作品が多過ぎて困っております。
Commented by Mtonosama at 2015-04-23 17:25
♪kogarintaさん

こんにちは。
ああ、そうですね。シネマート六本木閉館してしまいますね。
好きな映画館ですし、あそこで試写もよく観るので残念です。