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殿様の試写室

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殿が観た最新映画をいち早くお知らせ!

ダライ・ラマ14世 -2-


ダライ・ラマ14世
-2-

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©Buenos film

ダライ・ラマ14世の前で
緊張した面持ちで手を合わせる信者たち、あるいは信者ではない人たち。
その一人一人の体に手を添え、優しい言葉をかけ、
さらに、緊張を笑顔に変えるユーモア溢れる一言を発する法王。
花が咲くように笑う人々を見ていると、なぜか泣けてきてしまいました。

これに似たようなことがあったぞ、と暫し考えました。
寂聴師の法話でした。
あるいは
阪神・淡路大震災の折、長田の瓦礫の前で一輪の水仙をたむけておられた皇后の姿でした。

なんなのでしょう。
キリスト教でアガぺの愛という言葉がありますが、
真に相手を思う気持は映画やテレビのカメラを通り抜けて見る者の胸に迫るものなのですね。

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さて、2007年11月に来日なさったダライ・ラマ14世。
この時から、薄井父子はいつも法王と一緒です。
息子・一議氏は法王のユーモアや人間味あふれる様子を間近に見て、
映像化を真剣に考えるようになりました。

そして、2008年。
チベット亡命政権からも作品化が了承され、いよいよ撮影が始まります。

冒頭シーンには驚きました。
原宿で、東大赤門の前で、渋谷で、
大勢の普通の人が法王に質問します。失礼な質問もあります。
例えば、「法王がもし髪を伸ばせるとしたらどんな髪型にしますか?」
おいおい、それはないでしょう?
などと、まじめなとのはこっそりスクリーンに向って抗議の声をあげました。

すると、法王は頭の上に両掌を立ててモヒカン状にし、
「こういうのも良いでしょ」などと答えるのです。
良い人だ!

法王を前に緊張しまくっているチベット女子留学生を励まし、
最後に彼女達の茶髪を指して「あなたたちの金色の毛はいつから生えてきたのですか?」
と訊ね、照れ笑いさせたり。

もう天性の〈楽しい人〉オーラを発しています。

カメラは法王の来日時の様子だけではなく、
法王が普段お住まいになっていらっしゃるチベットダラム亡命政権の所在地ダラムサラや
チベット国境近くの街ラダックも映し出していました。

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ダラムサラにはチベット子ども村という学校があります。
法王が何よりも大切にしてきた教育とチベット仏教。
取材はそこで学ぶ子どもたちにも向います。
「勉強は好きですか?」
すると子どもたちは皆「好きです」と答え、
将来は「社会の役に立つことをしたい」と言うのです。

カメラを前にしているから、だけではなく、
彼ら彼女達の真剣で賢そうな目は真実を語っていることがわかります。

日本の若い人たちは
「勉強は嫌い。なんのために勉強するって?良いところに就職するためでしょ」
と答えます。

これ、上っ面の対比じゃないんです。

何が幸せで、人はどう生きるべきか。
私たちは本当に大切なものをどこかに置き忘れているのかもしれません。

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8年前にチベットへ行きました。
バスの中から車道を五体投地しながら進む人々を見た時、
この人たちはこれほどまでに現世に絶望しているのかと思いました。
輪廻転生に期待をかけるからこそ、
現世では五体投地のような己に厳しい祈りの姿勢をとるのか、と神妙な気持になりました。

本作でもラダックという町で1000人もの人が麓から山へ向かって五体投地で進む様子が
撮影されていました。

3000メートル、4000メートルの高地です。
このように厳しい土地でありながら、さらに政治的な問題も抱えるチベット。

この地の抱える問題にいまも勇気と知恵をもって向き合い続ける法王を心から尊敬します。

法王が日本人に向けておっしゃった「もっと英語を勉強して世界に出てください」
「一点から見るだけでなくいろんな視点から眺めてください」という言葉を
今更ながら噛みしめ、努力していきたいと思いました。

あ、それから法王のようなユーモアはどんなところでも絶対に必要だと思います。

いつも以上に真面目になってしまったとのであります。





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☆5月22日に更新しました。いつも応援してくださってありがとうございます☆

ダライ・ラマ14世
企画・撮影/薄井一議・薄井大還、監督・構成・編集/光石富士朗、語り/柄本佑
5月30日(土)ユーロスペース他にて全国順次公開
2014年、日本、カラー、116分、特別協力/ダライ・ラマ法王日本代表部事務所
http://www.d14.jp/

by Mtonosama | 2015-05-22 06:35 | 映画 | Comments(4)
Commented by すっとこ at 2015-05-22 20:43 x
なーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーんでか!

と思うのは ダライラマ14世が亡命し続けて
いなくてはいけない、チベットの国の在り方なん
です。
影響の大き過ぎる彼が自国に住めないジレンマ。

“亡命政権”という名称そのものが矛盾の固まり
ですわよね。

「おい、プッチーくんはどう思う?」と問うても
陽のあたるソファーでアンモニャイト(@びなちゃんさん)
のプッチーくんなのでした。

力強いポチッはいつも通り!
Commented by Mtonosama at 2015-05-23 07:00
♪すっとこさん

チベットを旅したとき、どんな高いところにある寺院にも
すべて破壊の跡が残っていました。
中原の地からチベットまで行けば高山病だって出るだろうに、
執念でもあるかのように破壊した人々の心に想いを致すと
なんか寒々しくなります。

今日も力強いポチッをありがとうございました。
Commented by びなちゃん at 2015-05-23 23:10 x
本当に、ユーモアは大切ですね。辛い時にこそ。あ~そんな状態になったら、その気持ちをもてるかなあ。150歳にならないと駄目?

1の方のコメント、寂聴さん、病気から復活されましたね。新刊も出ましたし…何だか、見てるだけで、ほっこりとした、力をもらえます。
ダライラマさんの法話は、ユーチューブで、訳付きでみることが出来ました。
Commented by Mtonosama at 2015-05-24 07:07
♪びなちゃんさん

いやいや150歳になっても法王の境地に至れるものではありませんわ。

しかし、良い時代になりましたなぁ。
法王のお話をユーチューブで聴くことができるんですね。
ああ、長生きして良かった。

寂聴さんといえば、以前、京都ひとり旅をした折、
嵯峨野をあてもなく歩いておりましたら、
突然、目の前に寂庵が現れびっくりしました。
門の外から怪しげに覗きこみましたが、寂聴さんにお会いすることはありませんでした。