エレファント・ソング-1- Elephant Song
エレファント・ソング
-1-
Elephant Song
(C)Sebastien Raymond
またもやグザヴィエ・ドランの登場です。
一旦好きになるとしつこいとのであります。
醜女(しこめ)の深情ってヤツ?
グザヴィエ・ドラン。今回は俳優としての登場。
監督としての評価が高いグザヴィエですが、
実は、彼、監督業より俳優業の方がお気に入りなんだそうです。
監督をやって、自分も出演すれば、両方できるのにな・・・
でも、先日当試写室で上映したグザヴィエ監督作『Mommy/マミー』
http://mtonosama.exblog.jp/23915924/ http://mtonosama.exblog.jp/23926931/
には登場していませんでした。
『わたしはロランス』にも出ていませんでした。
『Mommy/マミー』や『わたしはロランス』には
容姿や年齢が合うキャストがなかったからということです。
脚本も書くのだから、無理矢理自分の役を作っちゃえばいい、
と、とのなどは俗人なので考えますが、
グザヴィエくんにとって映画への情熱の中心はあくまでも演技。
心技体
なんていうとお相撲みたいですが、彼にとっての映画もそう。
まずはキャストに合った「体」がないといけないのだと思います。
そんなグザヴィエが
「この主人公は僕だ。この役を僕にやらせてほしい」
と出演を熱望したのが本作『エレファント・ソング』。
主人公マイケルは、
オペラ歌手である母が自殺した後、ずっと精神病院に入院している象にこだわる青年。
本作は『トム・アット・ザ・ファーム』と同じく
http://mtonosama.exblog.jp/23216811/ http://mtonosama.exblog.jp/23232949/
戯曲「エレファント・ソング」を原作とする心理劇です。
周囲の人間を翻弄しつつ、痛ましいほどに愛を求める青年マイケルを
まるで自らの分身であるかのごとく熱演しています。
戯曲「エレファント・ソング」
1978年オタワ出身のニコラス・ビヨンの処女戯曲。
2004年にストラトフォード・フェスティバルで初上演。
パリのプチ・モンパルナス劇場で100回以上上演された。
最新の舞台ではモリエール賞2部門にノミネートされている。
今回の映画化にあたり、ビヨン本人が脚本を書き、
カナダのアカデミー賞カナダ・スクリーン・アワード2015で脚色賞を受賞。
戯曲では80年代という設定でしたが、映画では60年代半ばになっています。
60年代はまだまだ精神病者にとってはつらい時代。
ジャック・ニコルソンの鬼気迫る演技が衝撃的だった『カッコーの巣の上で』(’76)
のロボトミー(前部前頭葉切裁術)も行われていたし、
監禁なども普通に行われた時代でした。
さてさて、そんなすごい時代の精神病院を舞台に、
すごい脚本とすごい俳優を使った本作を監督したのはシャルル・ビナメ。
シャルル・ビナメ監督
1949年、ケベック州出身。計8本の長編作品を撮っている。
『Eldrado』(’95)を含む三部作はカンヌ国際映画祭監督週間の特別賞を受賞した他、
監督及びスタッフが数々の国際映画賞を受賞。
薄暗い冬の曇天のもと、繰り広げられる心理劇。
一人の医師の失踪を核に患者マイケルと精神病院院長との間に展開される会話。
限られた空間での出来事でありながら観客の視線をひきつけてやまない作品であります。
続きは次回まで乞うご期待ください。
続
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エレファント・ソング
監督/シャルル・ビナメ、原作・脚本/ニコラス・ビヨン、撮影/ピエール・ギル
出演
グザヴィエ・ドラン/マイケル・アリーン、グリーン院長/ブルース・グリーンウッド、キャサリン・キーナー/ピーターソン看護士長、キャリー=アン・モス/オリビア、コルム・フィオール/ローレンス医師、ガイ・ネイドン/ジョーンズ医師
6月6日(土)新宿武蔵野館、渋谷アップリンクほか全国順次ロードショー
2014、カナダ、100分、配給/アップリンク、特別協力/ケベック州政府在日事務所、後援/カナダ大使館、http://www.uplink.co.jp/elephantsong/
「断捨理」とか「ときめく片付け」とか「明日死んでもいい片付け」
とかの話題に
心ざわめく自分だからでせうか。
冒頭のスチル写真の部屋に
「なんてスッキリした部屋なんだろう!」
と思ってしまったわたしはどこかオカシイですか?
次回のストーリー聞くのが怖いような映画みたい。
でも聞きたい!
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すっとこさんも片づけにときめいておられるので?
画像は60年代の精神病院の病室ですから、
家具は最低限ベッドだけあればいいってことですよね。
このブルーの勝った色調に物憂げな男性の後ろ姿。
魅かれませんこと?
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