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殿様の試写室

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ターナー、光に愛を求めて -1- Mr.Turner


ターナー、光に愛を求めて
-1-
Mr.Turner

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(C)Thin Man Films


生家が画材・額縁屋だったので
ターナーと聞くと陳列棚に並んでいた色とりどりのポスターカラーを思い出します。

きっとその絵具会社・ターナー色彩会社は
英国ロマン主義の巨匠ジョゼフ・マロード・ウィリアム・ターナーから
会社の名前をとったのでしょうね。

その名は絵具会社の名前につけられるほど有名でも
ジョゼフ・マロード・ウィリアム・ターナーの素顔は謎に包まれています。

とのはターナー=風景画家くらいにしか認識しておらず、
好きな画家の部類には入っていませんでした。
きっちりした風景画を描く人、
だから、あんまり面白くない人と思い込んでいました。

ああ、なんと無知で愚かな自分。

ジョゼフ・マロード・ウィリアム・ターナー

1755年ロンドン、コヴェント・ガーデンの理髪店を営む家に生まれる。
8歳の時、5歳の妹が死去。この頃から母が精神を病む。
その母との関係が後の女性関係に大きな影響を与えたといわれる。
14歳でイギリス美術界最大の権威を誇るロイヤル・アカデミーに入学。風景画の制作に打ち込む。
特に海辺や山岳地帯の風景に傾倒し「旅の画家」として各地を回る。
24歳でロイヤル・アカデミーの準会員に選出される。
この時期、サラ・ダンビーという未亡人と交際を開始。二女をもうけるが、共に暮らすことはなかった。
1802年史上最年少の27歳でロイヤル・アカデミーの正会員に選ばれる。
その2年後、母親が精神病院で亡くなる。
1807年、ロイヤル・アカデミーの遠近法教授に就任。
1829年、最大の理解者であった父が他界。
同じ頃、船乗りの妻ソフィア・ブースの家に間借り。間もなく夫を亡くしたソフィアと交際を開始。
1845年、70歳でロイヤル・アカデミーの院長代理に。
晩年、伝統的な表現方法から大きく逸脱した画風は批判されることもあり、
作品を手元におくことを好んだ。
1851年、ソフィアの家で死去。享年76歳。

遺言で彼専用のギャラリーを作ることを条件に全作品を英国に寄贈。
現在、テート・ブリテン美術館の一角にターナー専用の展示室が増設され、
ナショナル・ギャラリーには「カルタゴを建設するディド」と「霧のなかを昇る太陽」
が、ターナーが尊敬したクロード・ロランの作品と並べて展示されている。

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床屋の息子に生まれ、正統な学校教育も受けず、
生涯一度も結婚することなく、名前と身分を偽って旅をするターナー。

特に初期のかっちりした風景画を描いた人物と
同じ人間とは思えないようなターナーの奇妙な人となり。

本作ではその画業の後半25年間を描き出しています。
そして、短躯短足、人三化七、容貌魁偉(ごめんなさい)な
ターナーを演じたティモシー・スポール。
見事に謎の画家の謎の部分を演じきりました。

とのはなぜか画家を描いた映画とは相性が悪く、
『クリムト』(‘06)の時などハッと気づいたら眠っていました。
クリムトもどちらかといえば美しくはない殿方であります。
そのことはよく知ってもいたのですが。
それにしても、あのように美しく官能的な絵を描く方があのお顔とおつむでは・・・
画家は映画で観るよりも、その作品を美術館で観る方が良いな、
とこの時はつくづく思ったものです。

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しかし、本作に関しては画家のご面相がどんなにひどくても
その画業をよく知らなくても、最後までひきつけられてしまいました。
ターナーを演じたのはティモシー・スポール。
『ハリー・ポッター』シリーズのピーター・ペティグリュー役といえば
「ああ」と頷かれる方も多いのでしょうか。

ターナーの作品は、
後期になると、輪郭はあいまいになり、影のように滲み、
光に溶け込むようなタッチの作品に変わっていきます。
まさに光の画家です。

ティモシー・スポールはこの画家を演じるために自身2年間絵を習ったとか。
本作では彼がキャンバスに向うその筆づかいにもご注目いただきたいところ。

監督はマイク・リー。
『ネイキッド』(‘93)でカンヌ国際映画祭監督賞、
『秘密と嘘』でカンヌ国際映画祭パルム・ドール受賞、
『ヴェラ・ドレイク』(‘04)ではヴェネチア国際映画祭金獅子賞を受賞した
イギリスを代表する監督です。
本作ではカンヌ国際映画祭主演男優賞、芸術貢献賞を受賞、
アカデミー賞4部門にノミネートされました。

さあ、知ってるようで知らないJ・M・W・ターナー。
何が起こるか、どうなるのか、予想以上に惹きつけられる映画です。

続きは次回までお待ち下さいませ。



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☆6月18日に更新しました。いつも応援してくださってありがとうございます☆

ターナー、光に愛を求めて
監督・脚本/マイク・リー、撮影/ディック・ポープ、美術/スージー・デイヴィス、音楽/ゲーリー・ヤーション、製作総指揮/マイケル・セイント・ジーン、マルタ・グルナート
出演
ティモシー・スポール/ジョセフ・マロード・ウィリアム・ターナー、ポール・ジェッソン/ウィリアム・ターナー・シニア、ドロシー・アトキンソン/ハンナ・ダンビー、マリオン・ベイリー/ソフィア・ブース、レスリー・マンヴィル/メアリー・サマヴィル、ルース・シーン/サラ・ダンビー、ジョシュア・マグワイア/ジョン・ラスキン
6月20日(土)Bunkamuraル・シネマ、ヒューマン・トラストシネマ有楽町ほか全国順次公開
2014年、英・仏・独、英語、150分、日本語字幕/古田由紀子、後援/ブリティシュ・カウンシル、英国政府観光庁、配給/アルバトロス・フィルム、
http://www.cetera.co.jp/turner/

by Mtonosama | 2015-06-18 06:00 | 映画 | Comments(7)
Commented by ライスケーキ at 2015-06-18 19:25 x
わぁー、この映画観たかったんです。

東京で開催されたターナー展も観に行きました。
細面の繊細な青年が、ターナーだと
勝手に想像していたのですが、ちょっと違ったみたい。

でも、彼の生き方、あの絵が生まれた背景知りたいです。

次回 待っています。
Commented by poirier_AAA at 2015-06-18 22:36
この映画、わたしは見逃してしまったのですが、劇場で予告編だけは何度か見ています。その予告編、わずか数分の映像だというのに本当に素晴らしく美しくて、あぁこれは見ないとと一瞬で気持ちが決まりました。(それなのに見逃してしまうんだから、ばかばかばか。。。。)友達は気に入って2回も見に行ったそうです。

殿様がどんなふうに紹介して下さるか、楽しみにしています〜。
Commented by Mtonosama at 2015-06-19 07:01
♪ライスケーキさん

細面の繊細な自画像は彼のライバル・コンスタブルをイメージ
して描いたものらしいですよ。
憧れていた人の顔を見てガッカリというのは、
遠い昔ならサイモンとガーファンクルですかね・・・(遠い目)

いや、なんともひきつけられる映画です。
是非ご覧くださいませ。
Commented by Mtonosama at 2015-06-19 07:05
♪poirierAAAさん

あらら、見逃してしまわれたんですか・・・
それは残念。
2回ご覧になったお友達の気持よくわかります。

ビクトリア時代のイギリスの静かな雰囲気って好きなんですが、空気感と絵画と演技、すべてが最高でした。
映画の醍醐味ってやつかもしれません。

チャンスがあったら是非大きなスクリーンでご覧になってくださいね。
Commented by すっとこ at 2015-06-20 19:14 x
おおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!

「嵐を観察するために大揺れの船のマストに自身を
縛り付けた」画家ですね!
この映画、機内で観たのどしたえ。

びっくらこくのは彼の名を冠した現代の”ターナー賞”
のことどす。ちょうど滞在中の1900年代終わりに
その年のターナー賞をテート美術館へ見に行ったの
どすが。

”私のベッド”たらいう女性芸術家の作品は


Commented by すっとこ at 2015-06-20 19:25 x
済みませぬ。
文章書き直したら 画面がフリーズ。続きです。

ターナー賞の作品は
本物ベッドのまわりに煙草の吸殻山盛り、使用済み
コン○ーム、汚れた下着の散乱した部屋の再現で

毎年物議を醸しだすターナー賞の面目躍如たるもの
がありましたんどす。
「芸術が美しいだけでなく見る人にショックを与える」
ものならば、ターナー賞はその最たるものでしょう。
50歳以下のイギリス人に限る、という審査基準もどこ
か偏屈なターナーっぽい?

ターナーは死してなお 現代のアート・シーンに影響を
与えてる、ってとこでしょうか。
その、きちゃない部屋がテート美術館で、ある光を放っておりました。そうそう、作家のジェフリー・アーチャーも見に来てました。彼のキャメル色のフラノコートが実に素晴らしい仕立てでした!(そこか)

今日も力いっぱいポチッ!

Commented by Mtonosama at 2015-06-20 21:01
♪すっとこさん

ええなぁ、見てるんですね。
ターナーって当時としては結構とがってますから、
その現代のターナー賞ってのもすごかったんでしょうね。
良い子ちゃんの150歳には刺激的過ぎるかも。

今日もポチッとありがとうございました。