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殿様の試写室

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ターナー、光に愛を求めて -2- Mr.Turner


ターナー、光に愛を求めて
-2-
Mr.Turner

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(C)Thin Man Films


海に向ってきり立つ白亜の断崖。
夕日に彩られた柔らかな山の稜線。
穏やかな海、荒れた海。

本作では旅する画家、ターナーの歩いた風景を追体験できるのであります。
まさに眼福ここに極まれりです。

72歳のマイク・リー監督が今回初めて使ったデジタルカメラ。
映像もまたターナーの作品同様、光に溢れ、
これは映画か絵画かと思わずため息がもれます。

しかし、その美しさを浮ついたものにせず、地についた映像として見せるのは
ティモシー・スポールが演じるターナー画伯の現実感溢れる短い足とこもったような発声。

ターナーの醜さ(敢えて言ってしまいましょう)と美しい自然がこうまで溶け合うとは!
これを神秘といわずしてなんといいましょう。

さあ、ターナー画伯の人生を覗いてみましょう。

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ストーリー
19世紀、ビクトリア時代の英国。
オランダスケッチ旅行から帰ってきたターナーは優しく父に迎え入れられる。
父は息子に代わって絵具やキャンバスを調達し、
アトリエも兼ねる住居に設けたギャラリーで息子の絵を買いに来た客をもてなす。
秘書として、助手として、ターナーを支えていた。

最愛の父と家政婦のハンナと暮らすターナーだったが、
実は公にしていない娘が二人いた。未亡人のダンビー夫人との間にできた娘だ。
だが、彼女との関係が終わってからは金銭的な援助もせず、会いにいくこともなかった。

ある日パトロンである大貴族エグルモント卿の屋敷で贅沢な時間と空間を楽しんだ後、
ターナーは旅に出る。船に乗って辿りついたのは港町マーゲイト。
ふらりと立ち寄った宿の窓から拡がる光溢れる海に創作意欲をかきたてられる。
宿の主人ブース夫妻は親切な人々だったが、
ターナーは旅先では偽名を用いるという習慣をここでも押し通した。

旅から戻ったターナーの許に自然科学者サマヴィル夫人が訪ねてくる。
ターナーの父は理髪師だったが、知識人であるサマヴィル夫人とも互角の会話を楽しむ教養人。
学校教育を受けていないターナーに読み書きを教えたのも父だった。
父同様50代になっても知識欲と好奇心の旺盛なターナーは
夫人が見せてくれたプリズムの実験に夢中になる。
ロイヤル・アカデミーの講義でも夫人の事件に触発され、
色彩と光についても持論を展開するのだった。
だが、科学と美術を結びつけることなど及びもつかない芸術家たちは呆然とするばかり。

その頃、ターナーには大きな心配事があった。
父の持病の気管支炎がひどくなっていたのだ。
父はいまわの際にターナーの母親を精神病院で死なせたことを
悔いていると告げ、息をひきとる。
優しい父の死を受け入れ難く、娼館で娼婦をスケッチしながら慟哭するターナー。
傷心の彼は再び港町マーゲイトを訪れ、
やはり夫を亡くしたブース夫人をいたわることで自らも慰められるのだった。

年に一度のロイヤル・アカデミーの展覧会が近づいていた。
壁一面に作品が展示された会場。
最後の仕上げをする画家たちにアドバイスするターナーだったが、
自分の作品の隣に並ぶ最大のライバル・コンスタブルの絵を見て思わぬ行動に出る。
なんとすっかり完成した自作に真っ赤な絵具をたっぷり含んだ筆を押しつけたのだ。
「せっかくの傑作が台無しだ!」会場は騒然となる……

ライバル・コンスタブルとの一件をはじめ、
「吹雪 沖合の蒸気船」で荒れ狂う嵐の海を体験するために
船のマストに体を縛りつけたというエピソードも描かれ、
絵画ファンにも見応えのある作品であります。

しかし、なんといっても見どころはターナーの奇妙な人となりとその人生でありましょう。
謎が多いといわれるターナーのその謎の部分を見事に演じ切った
ティモシー・スポールに脱帽であります。

身勝手で、不器用で、愛を知らないターナー。
その作品がビクトリア英国画壇に認められたがために
ロイヤル・アカデミーでも重鎮として位置していましたが、
晩年には印象派の萌芽ともいえる独自の画風のため、画壇での評価も様々だったターナー。
本当のところは描くことが好きで好きで仕方がない変人だったのでしょう。

それもこれも鬼才ティモシー・スポールの名演のもたらすところ。
今後ターナーの作品を観る機会があるとしたら
ティモシーの姿が浮かび上がってくるに違いありません。






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☆6月21日に更新しました。いつも応援していただき、ありがとうございます☆

ターナー、光に愛を求めて
監督・脚本/マイク・リー、撮影/ディック・ポープ、美術/スージー・デイヴィス、音楽/ゲーリー・ヤーション、製作総指揮/マイケル・セイント・ジーン、マルタ・グルナート
出演
ティモシー・スポール/ジョセフ・マロード・ウィリアム・ターナー、ポール・ジェッソン/ウィリアム・ターナー・シニア、ドロシー・アトキンソン/ハンナ・ダンビー、マリオン・ベイリー/ソフィア・ブース、レスリー・マンヴィル/メアリー・サマヴィル、ルース・シーン/サラ・ダンビー、ジョシュア・マグワイア/ジョン・ラスキン
6月20日(土)Bunkamuraル・シネマ、ヒューマン・トラストシネマ有楽町ほか全国順次公開
2014年、英・仏・独、英語、150分、日本語字幕/古田由紀子、後援/ブリティシュ・カウンシル、英国政府観光庁、配給/アルバトロス・フィルム、
http://www.cetera.co.jp/turner/

by Mtonosama | 2015-06-21 06:33 | 映画 | Comments(6)
Commented by なえ at 2015-06-21 12:36 x
私もターナーて作品の印象では毒にも薬にもならないような
目立たないタイプの人かと思ってたら!ゲェ~、こんな
ブスオとは!で、『ハリー・ポッター』シリーズのピーター・ペティグリュー役の人でしたか~。でもあの時でも、こんな
卑しいエゲツない顔はメーキャップのせいだと思ってたのに
ヒョー、メーキャップなしで地でいってたんか!

作品と作家の落差で言えば、私は「檸檬」の梶井基次郎です。
て古すぎる!

すっとこさんのターナー賞のコメントも笑けすぎ~。
そのおかげで保護猫ロスも軽くなりました。ありがとう
ございました!

て、話が前後しましたが、保護猫ななちゃん、先週火曜に
里親さんに拉致されていきました。ウチでは飼うわけには
いかないのだからと、淡々とお世話してるつもりだったのに
保護猫ロスになってしまいましたわ。
Commented by Mtonosama at 2015-06-21 16:08
♪なえさん

うわぁ~~~~~~~~っ!
梶井基次郎、いま検索してビックリ!!
こういうご面相とは知らなんだ。
宮澤賢治もすごいお顔だけど、
梶井基次郎さん、「檸檬」とのギャップあり過ぎです。
ショック。

ななちゃん、里親さん、良いお方なんですよね。
でも、寂しいですね。

すっとこさんもプッチー王子様を
しばらくお世話なさっていて、
里親さんにもらわれていった時は相当ショックで、
ハチミツ色の王子の幻影が目の前をよぎったりしたそうです。

早く保護猫ロス症候群を克服して下さいませ。
Commented by ライスケーキ at 2015-06-21 22:34 x
ターナーさん、コンスタブルさんとライバルだったんですか。
画風が違うから、それぞれで良いのになぁと、思いますが、
まぁ、同じ時代の同じ風景画家だから そういう事になるんですね。

この映画 是非映画館で観たいです。
ご紹介 ありがとうございました。。
Commented by Mtonosama at 2015-06-22 04:26
♪ライスケーキさん

ライバルがいてこその成長でありましょうか。
映画の中の有名なエピソードも
この名優なればこその演技できわだってました。

是非ご覧ください。
イギリスの風景も素敵でした。
Commented by すっとこ at 2015-06-25 05:39 x
にゃーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーんと!

なえさんも預り猫ロス症候群?

わかるわかるわかる・わかります!
正式里親さんチでどう暮らしておるか
淋しがってはないだろうか。
しあわせそうなら、それはそれで良いのだけど。

許されない愛に身を焦がすような、身分違いの恋に
胸かきむしられるような、なんなの!この感情!

おっと、いけない。
ターナーさんの生涯の話でした。

風景が素晴らしい映画ですね!
イギリス英語も悔しいけど(聞き取れないけど)
素敵ですね!

力強くポチッです!!
Commented by Mtonosama at 2015-06-25 06:17
♪すっとこさん

預かり猫ロス症候群。重症になると大変!
すっとこさんもなえさんも早く立ち直ることをお祈り申し上げます<(_ _)>

『ターナー』、きれいな映像ですよね。
機内の映像はどうでした?
最近飛行機に乗ってないから忘れちゃった(;O;)

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