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殿様の試写室

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サイの季節 -2- Fasle kargadan


サイの季節
-2-
Rhino Season
Fasle kargadan

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『サイの季節』。
どういう意味があるのでしょう。
なにかの寓意でしょうか。
わかりません。

『亀も空を飛ぶ』の時はタイトルからガメラを連想してしまいました。
ガメラ。150歳のとのにも同年輩の方々にもとても懐かしい怪獣です(よね)。
1965年に大映が公開した特撮映画『大怪獣ガメラ』に出てきました。

話がそれました。
しかし、いまだになぜ『亀も空を飛ぶ』なのかはよくわかりません。
ただ衝撃的なラストシーンから、
本来地を這う存在である亀が空を飛ぶことへの恐怖や、
やがて落ちていく悲しさをあらわしているのだろうか、と感じました。
あ、そういえば本作でも亀が空から落ちてきた!

ゴバディ監督の作品の底には戦争や理不尽な国家への強い怒りが流れています。
いえ、こんなありふれた表現では片づけられない
深くて根源的な絶望に似た存在が息づいているような気がします。

そういう作品ですから、ストーリーはあってないようなもの。
ゴバディ監督の胸に渦巻く絶望感のイメージを
その映像から感じとる作品なのだろう、
と思います。
でも、ストーリーは当試写室のお約束ですから、いきます。

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ストーリー
1977年、革命前王政下イランの首都・テヘラン
詩集「サイの最後の詩」を出版したクルド系イラン人の詩人サヘル・ファルザンは
美しい妻ミナ・ダラクシャニと幸せな日々を過ごしていた。

ミナの家に運転手として雇われていたアクバルはミナに想いを寄せている。
ある日、彼はその想いをとうとう告白。
その結果、職を解かれることに。

1979年、イラン・イスラム革命
政治体制が一変。
サヘルは「反体制的な詩を書いた」としてミナと共に逮捕される。
裁判の結果、サヘルは国家転覆罪として禁固30年が言い渡された。
ミナにも夫との共謀罪として禁固10年の刑が。
別々の刑務所に収監された夫婦。
2人を密告し、事実無根の罪で陥れた人物こそ誰あろう
今や新政府の指導者的存在となった運転手のアクバルだった。
アクバルは自分の権力を利用し、ミナの早期釈放を持ちかけるが、
彼女はきっぱりと拒絶、刑務所に留まることを決意。
逆上したアクバルは卑劣な行動に出る。

10年後
ミナは刑期を終え、獄中で産んだ双子と共に出所した。
夫サヘルの釈放を待ちわびるミナだったが、政府から夫の死を告げられる。
彼が埋葬されたという荒涼とした墓地で慟哭するミナ。

2009年イラン
30年経ってサヘルも出所。サヘルは生きていた。
30年間、拷問に耐え、生き延びてきた。
だが、政府による嘘と偽の墓によって、生きながらの死者であった。
そんなサヘルを生かし続けたのは再愛の妻ミナに会うという強い想い。
やがて彼女の居場所を知る。彼女は双子と共にトルコで暮らしているという。
サヘルはイスタンブールへ旅立つ。

2010年イスタンブール
ミナは彫師として、夫サヘルの詩をタトゥとして彫り込むことをなりわいとしていた。
だが、未だ彼の死を悼み続ける彼女の近くには
彼らの仲を引き裂いたアクバルの影がつきまとっている。
一方、サヘルは港町でミナを発見するが、近づくことはできない。
なぜなら、サヘルは死んだ人間だからだ。
サヘルは亡霊のように漂うばかりだった……

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せっかちなとのは「早くミナに声をかければいいのに」とイライラしながら観ていました。
そうはいかないんですねぇ。
うーん、なんと深い絶望なのでしょう。
『ペルシャ猫を誰も知らない』を観た後は
もう少し監督の映画制作環境は好転するかと思っていましたが――

監督が抱える国家への怒りと悲しみと絶望。
それはストーリーの合間に挿入される、どこまでも続く茫漠とした大地を歩み去る男の姿に
仮託して描かれているかのようです。

そこにはサイが横たわっていました。



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☆6月30日に更新しました。いつも応援してくださり、本当にありがとうございます☆

サイの季節
監督・脚本・製作/バフマン・ゴバディ、撮影/トゥラジ・アスラニ、編集/ヴァレリー・ロワズルー、音楽/カイハン・カルホル、視覚効果/ファルボッド・ホシティナット
出演
べヘルーズ・ボスキー/現在のサヘル、モニカ・ベルッチ/ミナ、ユルマズ・エルドガン/アクバル、カネル・シンドルク/若い頃のサヘル、べレン・サート/ミナの双子の娘、アーラシュ・ラバフ/ミナの双子の息子
7月11日(土)シネマート新宿ほか全国順次公開
2012年、イラク・トルコ、93分、カラー、ペルシャ語・トルコ語・英語、日本語字幕/大西公子、配給/エスパース・サロウ
http://rhinoseason-espacesarou.com/

by Mtonosama | 2015-06-30 06:05 | 映画 | Comments(12)
Commented by なえ at 2015-06-30 16:28 x
時の権力者の思惑や他国の干渉で翻弄される民衆の
理不尽な運命・・・いつまで続くのでしょうね。
日本だって安倍内閣の好きにさせてたらどうなっていくか、
他人事ではありません!

ガメラでなく、私はモスラを覚えてますわん。

横でしかも今頃すみませんが
すっとこさぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁんんん!
保護猫または預かり猫ロス症候群!
そーなんですよ!
心にポッカリ穴のあいた埋めようのない欠落感。

でもあの子が幸せになってくれるなら、私は身を引くわ。
忍ぶ恋、耐える愛!遠い空からあの子の幸せを祈ってじっと
見護る愛なのですう~!

2週間のトライアル期間が終わって今日正式譲渡となりました。今やななちゃんはリリーちゃんになり飼い主さんのお膝で
寝るのが日課とか。そら、よかったなー(`´)

Commented by すっとこ at 2015-06-30 20:12 x
むうううううううううううううーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーむ!

ところどころに挿入される荒野を行く男。
彼方に横たわるサイ。

なんだか”キリマンジャロの雪”を思い出しました。
なぜそこに豹が横たわっていたか誰も知らない・・・。

さて。
横ですが なえさん。
ななちゃんは名前もリリーちゃんと変わったのですか。
報われない愛は究極の真実の愛、ですわね。
  いやいや、保護していた、という事実は
  決して報われないのではなく。でもなぜか
  「報われない」思いを抱いてしまうのはなぜ。
  里親さんの膝で丸まってる、と聞いて胸かき
  むしられるこの想い。幸せを願った相手が願い
  どおりに幸せになっているのに。置いてけぼり
  にされたようなこの渦巻く想いは。

おっと。横の話が長くなりました。
こういう、訳の分からない映画、結構好きなので
観たいなぁ。この女優さんも時々見かけますね。

力強くポチッ!
Commented by ライスケーキ at 2015-06-30 20:18 x
う~ん、新政府の指導者(?)許せない。

世の中許せないことが沢山ある。

でも、でも 私に何ができるんでしょう。

監督が感じたと同じ、
「国家への怒りと悲しみと絶望」。
私たちも こんな気持ちにならなくてすむよう、
祈るばかりです。
Commented by Mtonosama at 2015-07-01 10:26
♪なえさん

そうですよぉ。私たちはこうはなりたくない。
絶対に。

リリーちゃんに改名とな?
おばあちゃんちにいた猫もリリーって言う名前だったなぁ。

まだまだ心揺れる日々なのですね。
お辛いでしょうが耐えておくれやす<(_ _)>
Commented by Mtonosama at 2015-07-01 10:33
♪すっとこさん

豹もきっとなんか事情があってキリマンジャロの上まで
登ってきたんですよね。
でも、豹の気持と状況はなんとなくわかる気がするけど、
サイの気持はわからない。
あの分厚い皮膚の下にいろんなもの隠しているんでしょうか。

そして、なえさんと同じく報われない愛に身もだえするすっとこさん。
耐えてね。
ところでリリーっておばあちゃんちの猫の他にもどこかで
聞いた気がするけど。

今日も力強いポチッをありがとうございました。
Commented by Mtonosama at 2015-07-01 10:35
♪ライスケーキさん

ほんとに毎日毎日怒っているようですよね。

いい加減にしてほしいわい(--〆)
Commented by すっとこ at 2015-07-01 12:02 x
殿様。
すっとこは時々自分を”リリー”と名乗っております。

なえさん。
わたしもリリーで あいすみませぬ。
Commented by びなちゃん at 2015-07-01 14:59 x
あ~、くまさ~ん
もう、暗い、そして救いようのない、映画は辛い~い!よ~
サイは絶滅危惧種の象徴…

今現実に、生きて行くことにある沢山の辛さ。悲惨な情報は満ち溢れている。そして何とも言いにくい不安。
こんなこと言ってはイケないんでしょう。こうして問題提起していくことの大事さは、勿論分かるのですが…

ちょっと、最近、沈潜していました。でも、先週末に、京都の三室戸寺で、空から谷に途切れなく啼きわたる鶯の声と、境内の、蓮の花の開花に浸ってきましたよ。しばらくは、思い出して元気になれそう…
>なえさん、お気持ちよくわかります。心ゆくまで、ロスって下さいね。

Commented by なえ at 2015-07-01 19:34 x
殿様、すっとこさん

リリーちゃんて名前、私好きです♪可愛い響きがありますね!そこは先住猫さんがチェリーというので、何か花の
名前を考えてはったそうです。でも口の悪い友達が「チェリーにリリーてキャバレーみたいやな」て(笑)。リリーのいる
にゃんこキャバレーなら常連になりますわ~。大体リリーさんて寅さんの彼女の名前ですがな。

びなちゃんさん
サイは絶滅危惧種の象徴なんですか?ということは絶望の季節で、救いはないということ?(;_:)

三室戸寺~、ウン十年前結婚当初宇治市の近くに住んでました。多分行ってると思うのですが、記憶が・・・万福寺が
好きでした。

皆さん、保護猫とかするとその後のロスの季節があるのですね。でも回復してきてます。他の飼い猫に癒されてます。
猫のことは猫にまかせろ、かな?
Commented by Mtonosama at 2015-07-01 20:20
♪すっとこさん

リリー、あるいはリーリー?
しゃれた名前でいいなぁ。
わたしなぞ殿あるいは熊。
漢字一字で書けるのはいいけど、しゃれてないよぉ~^_^;
Commented by Mtonosama at 2015-07-01 20:28
♪びなちゃんさん

サイは絶滅危惧種の象徴ですか・・・

今日は「サイの季節」とは正反対の「ジュラシック・ワールド」の試写を観てきました。
これなんかホントの絶滅種なのに、あいかわらず大暴れしてました。恐竜の目ってワニ目なの。ひかちゃんもワニ目だし。
小さい肉食恐竜が一致団結して史上最強の肉食恐竜に挑むところなんざ、
ひかちゃんを見てるみたいで健気さに泣けてきました。
「ジュラシック・ワールド」観て泣くんだもんなぁ。

蓮の花が咲いているお寺に一日中ウグイスの声が響くなんて
極楽浄土ですね。
鎌倉では光則寺の蓮の花がきれいだけど、ウグイスは鳴いていませんでした。
Commented by Mtonosama at 2015-07-01 20:36
♪なえさん

保護猫も期間が長くなると別れはつらいでしょうね。
以前見ていた野良猫ブログの中にボランティアさんに頼まれて
数日保護したというものがありましたが、
その方の場合はロスはなかったようです。
でも、みんな保護猫を預かりお世話したり、つらい想いしたり、偉いなぁ。

璃里衣って書いてりりーって読むお子さんが近くにいます。
チェリーやリリーが「おひとつどうぞ」って水割り作ってくれるスナック(ふるっ!)に行きたいですぅ。