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殿様の試写室

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夏をゆく人々-1- Le meraviglie


夏をゆく人々
-1-
Le meraviglie
The Wonders

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(C)2014 tempesta srl / AMKA Films Pro ductions / Pola Pandora GmbH / ZDF/ RSI Radiotelevisione svizzera SRG SSR idee Suisse


『夏をゆく人々』。
いくら猛暑のさなかにあろうとも、
〈夏〉という言葉には郷愁があります。
〈夏〉は田舎や祖父母、家族、灼けた砂利道、朱色のグラジオラスなどと共に
逃げ水の中でゆらゆらと揺れているようです。

そんなとき、この酷暑と湿気と目に汗がしみる痛みも忘れ、
ただただ懐かしさだけが脳内エクスタシーとして一瞬の涼風を運んでくれます。

おっと、それではあまりに日本的なイメージでしょうか。

本作の原題”le meraviglie”は「奇跡」を意味するイタリア語です。
アリーチェ・ロルヴァケル監督によれば
「言葉で表現できないようなもの」「不思議な世界への扉のようなもの」
なのだそうです。
というわけでイタリア映画であります。

アリーチェ・ロルヴァケル監督
1981年フィレンツェ生まれ。ドイツ人の父とイタリア人の母を持つ。
本作で主人公の母親役として出演するアルバ・ロルヴァケルは実姉。
ドキュメンタリーから映画製作をスタートし、2011年『天空のからだ』(イタリア映画祭上映題)で
長編映画デビュー。
第2作目の本作『夏をゆく人々』で2014年カンヌ国際映画祭グランプリ受賞。32歳。
『Checosamanca』(‘06 日本未公開 ドキュメンタリー)
『天空のからだ』(‘11)
『夏をゆく人々』(‘14)
『9×10 novanta』(‘14 日本未公開 ドキュメンタリー)
『De Djess』(‘15 日本未公開 短編)

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舞台はイタリア中部・トスカーナ州の人里離れた田舎町。
昔ながらの方法で養蜂業を営む一家の物語です。
自然との共存を目指し、少し(いえ、かなり)頑固なドイツ人の父ヴォルフガング。
4人の娘の世話と苦しいやりくりを明るくこなすイタリア人の母アンジェリカ。
長女ジェルソミーナ。彼女は父に厳しく養蜂を教えられ、彼女がいなければこの家の生計はなりたちません。
要領の良い次女のマリネッラ、そして、まだまだやんちゃな三女ルーナと四女カテリーナ。
もうひとり、この家に身を寄せる女性ココもいます。

美しい海、村のあちこちに残るエトルリア文明の遺跡。
家もまばらで、道もぬかるみ、原っぱが拡がっています。
大昔の話ではないし、かといって現代の話とも思えません。
ロルヴァケル監督は“1968年以降の政治の季節が終わった後”の頃の話と言っています。

ま、微妙な時代のお話ですね。
年代的には違いますが、監督の子ども時代を反映した作品です。
監督自身、ドイツ人とイタリア人との混血で、実家も養蜂を営んでいたそうです。

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遠い太古のエトルリア文明と
おそらくその頃からさして変わらない方法で作られているこの家のハチミツ。
古代と現代が共存しつつ、徐々に現代性が古代や近代を圧倒していく時代が
ジェルソミーナの目と成長を通じて描かれています。

ジェルソミーナといえばフェデリコ・フェリーニ監督のあの名作『道』の主人公の名前。
ジュリエッタ・マシーナ演じたあの純真無垢なジェルソミーナを彷彿とさせることも、
本作の持つ不思議な時代性の理由かもしれません。

しかし、32歳の若い監督が150歳の心の琴線に触れる映画をよくぞつくってくれました。

さあ、いったいどんなお話でしょうか。
続きは次回まで乞うご期待でございますよ。



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☆8月20日に更新しました。いつも応援してくださってありがとうございます☆

夏をゆく人々
監督・脚本/アリーチェ・ロルヴァケル、撮影/エレーヌ・ルヴァン、製作/カルロ・クレスト=ディナ、カール・バウムガルトナー、ティジアナ・スダニ、マイケル・ウェバー
出演
マリア・アレクサンドラ・ルング/ジェルソミーナ、サム・ルーウィック/父ヴォルフガング、アルバ・ロルヴァケル/母アンジェリカ、ザビーネ・ティモテオ/ココ、アニェーゼ・グラツィアーニ/マリネッラ、ルイス・ウイルカ・ログローニョ/マルティン、エヴァ・レア・パーチェ・モロー/ルーナ、マルガレーテ・ティ―ゼル/少年更生係イルデ、アンドレ・M・ヘンニック、モニカ・ベルッチ/TV司会ミリー・カテナ
8月22日(土)より岩波ホールにて公開
2014年、イタリア、111分、カラー、イタリア・スイス・ドイツ合作、字幕/吉岡芳子、配給/ハーク、配給協力/アークエンタテインメント、http://www.natsu-yuku.jp/

by Mtonosama | 2015-08-20 06:24 | 映画 | Comments(4)
Commented by なえ at 2015-08-21 17:33 x
夏の終わりって、いいですね。あんなに猛威をふるっていた夏にどこか陰りが出て来て切ない感じがして、多分季節の中で一番好きかな?昔好きだった夏の終わりを悼む詩がありましたが・・・え~、150歳の今やしっかり思い出せませぬ^_^;

養蜂業が傍若無人な現代の企業に追いやられて行くのは一つの夏の終わりでしょうか。あのモンサント!ミツバチ大量死はここの農薬が原因と言われているし、ベトナム戦争で枯葉剤生産で大儲けをし、今また遺伝子組み換え作物を開発販売してるとんでもな企業!あ~怒りとともに暑さがぶり返してきた~!やはり「さよなら人類」かも。
Commented by ポン姫 at 2015-08-21 21:23 x
なーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーんか

胸のつぶれそうな哀しい予感と
打ちのめされる幸福感とが
手をつないで
静かに歩いてゆく
後ろ姿が 見える 映画のみたいニャン・・・。

ポン姫はネすっとこさん宅にあと二泊三日なの。
そしたらプッチー王子が二週間弱お泊まりだって。

なんだか猫民宿みたいね〜。
ひかちゃん、どう思う?
では今日も肉球でポチッと!
Commented by Mtonosama at 2015-08-22 07:10
♪なえさん

そうそう朝夕にはヒグラシがカナカナカナカナと鳴く声が聞こえてきたり。昼間もアブラゼミやクマゼミの猛烈な声に負けそうになりながらもツクツクボウシが鳴いていたり。
(といっても引越した今はヒグラシの声は聞こえませんが(/_;)

ヘルマン・ヘッセの「九月」という詩が150歳の乙女心をそそります。

それにしてもモンサント。自国の農民をいたみつけるのみならず、インドの農民を自殺に追い込み、なによりも多くの消費者に健康被害を与え、さらにミツバチや赤トンボも絶滅に追い込もうとしているのだ。許せない。

先日、銀座のビルの屋上で養蜂をしている方のお話を聞きました。ミツバチのミツ収集先は銀座の並木と皇居の樹木。銀座にありながら農薬は使われていないミツを味わうことができます。でも、やっぱり銀座ブランドは高いのは残念。
農薬やめる道を選びたいですわ。
Commented by Mtonosama at 2015-08-22 07:17
♪ポン姫さま

そうなんだ。短期お泊りだったのね。
それでもきっとバイバイするときには胸のつぶれそうな思いをするのかなぁ。あたしはまだ経験不足だからわからないけど。

すっとこさんも寂しいでしょうけど、プッチー王子とまた会えるから良かったですね。

あたし、一昨日初めての朝帰りをしたのよ。
飼い主が留守の間に動作の緩慢な夫の人の足元をすり抜け、冒険してきたわよ。帰ってきた飼い主は夫の人に怒りまくっていたけどね。ああ楽しかったわ。
肉球ポチッをありがとうございました。
ひか