ブログトップ | ログイン

殿様の試写室

mtonosama.exblog.jp

殿が観た最新映画をいち早くお知らせ!

光のノスタルジア Nostalgia de la luz


光のノスタルジア
Nostalgia de la luz


f0165567_5491247.jpg

(C)Atacama Productions (Francia), Blinker Filmproduktion y WDR (Alemania), Cronomedia (Chile) 2010


『光のノスタルジア』。
素敵なタイトルです。惹かれます。
最近びっくりさせられる映画が多くて困ってしまいます。

前回、当試写室で上映した『顔のないヒトラーたち』でも
知らなかった意外なドイツ史に驚かされました。

しかし、本作もすごいです。

ドキュメンタリー映画ですが、
星の視座から地球を見る映画なんです。

f0165567_5543048.jpg


壮大な新星の誕生。
漆黒の宇宙に輝く星雲。
筆舌につくしがたい圧倒的な宇宙。
もう、とのの舌ったらずな言葉では言い表せませんわ。

これはもう映像ならではの世界です。

宇宙と一体化してビッグバンでメラメラと拡がる星々と共に
飛び散った視線が
南米チリのアタカマ砂漠に移ります。

そして、砂漠の砂を掘る人々をズームアップします。
そこに埋められているのはチリ独裁政権下の政治犯として殺された人々の遺体。

f0165567_5505435.jpg

一国の政治的犯罪を星の視座で眺める。
こんな手法があったとは・・・
なんと壮大な!
もう究極の3Dです。
というか、観客の精神をも自由自在に操る3Dプラス1の世界!

監督はパトリシア・グスマン。
ラテン・アメリカを代表するドキュメンタリー映画作家です。

パトリシア・グスマン
1941年チリ、サンチャゴ・デ・チリ出身。
マドリッドの公立映画学校でドキュメンタリー映画を学ぶ。
多くの国際映画祭でいくつもの賞を受賞。
アジェンデ時代の政府とその崩壊を描いた三部作、全5時間のドキュメンタリー
『チリの戦い』は米誌「シネアスト」で
「世界で最も優れた10本の政治映画のうちの1本」と評された。
ピノチェトによるクーデターの後、逮捕され、
サンチャゴのナショナル・スタジアムに2週間監禁され、処刑の恐怖を味わった。
1973年にチリを出国し、キューバ、スペイン、フランスと移り住み、
多くの作品を発表し続けている。
1997年に始まったサンチャゴ・チリ国際ドキュメンタリー映画祭の
創設者であり、同映画祭の代表。

『光のノスタルジア』は2010年カンヌ国際映画祭でプレミアム上映され、
同年、ヨーロッパ映画賞最優秀ドキュメンタリー映画賞を受賞しました。
同時上映される『真珠のボタン』も2015年ベルリン国際映画祭で銀熊賞脚本賞を受賞。
グスマン監督はこの2作品を2部作と位置付けています。

f0165567_5533598.jpg

舞台は宇宙とアタカマ砂漠。
砂漠もまた地球がただの星だった頃から変わらずにあり、
そこに拡がる世界はそれ自体宏大な宇宙のようです。

しかし、そこには2000年以上前の村の廃墟があり、
19世紀に炭鉱夫たちが置き去りにした列車が砂の中に埋もれかけています。
死体も埋まっています。

チリ北部、太平洋とアンデス山脈の間にあるアタカマ砂漠。
ここは世界中から天文学者が集まる場所です。
なぜかといえば、
世界で最も乾燥したこの地は大気の揺らぎや湿気がなく
天体観察に非常に適しているから。

砂と空のはざまにあって何万光年、何百万光年もかなたの星々を観察する人々と
その足元で独裁政権下に行方不明になった息子や夫の遺骨を探し続ける女性たち。

宇宙的な時間にとっては
極小に過ぎないかもしれない数十年の時が
それでも併存するアタカマ砂漠です。

このような視線でとらえた映画は初めて観ました。
150年生きても知らないことは多いものです。







今日もポチッとお願いできればうれしゅうございます♪
↓↓↓↓↓
にほんブログ村 映画ブログ 新作映画・試写会へ
にほんブログ村
☆10月4日に更新しました。いつも応援してくださってありがとうございます☆

光のノスタルジア
監督・脚本/パトリシア・グスマン、プロデューサー/レナート・サッチス、撮影/カテル・ジアン、天文写真/ステファン・ガイザード、製作/アタカマ・プロダクションズ
10月10日(土)より岩波ホールほか全国順次公開
フランス、ドイツ、チリ、2010年、スペイン語・英語、90分、配給/アップリンクhttp://www.uplink.co.jp/nostalgiabutton/

by Mtonosama | 2015-10-04 06:03 | 映画 | Comments(6)
Commented by すっとこ at 2015-10-04 18:46 x
うわああああああああああああああああああああああ!

まただよ!
「お住まいの国では この動画は見られません」

ま、いっか。
動画にまさる殿様の名調子があるから。

しかし凄い視座・視点!
こんな映画作る人って当局から目を付けられるの
では?
と思ったら や・は・り!

投獄されてあわや処刑、の経験がおありなのですね。

それでも国外へ出て
我が祖国の犯罪を糾弾し続ける勇気と熱狂。
・・・
思い出しましたよ。
「砂漠が美しいのは どこかに井戸を隠しているから」

星の王子様へ、力強くポチッ!
Commented by Mtonosama at 2015-10-05 05:39
♪すっとこさん

え~~~~~~~~~~~~~!?
また見られませんでしたか・・・
残念。言葉にまさるすばらしい映像なんですがねぇ。
あ、映画を見ればいいか。NYで公開されますように。

弾圧をはねのけ、更にこのように美しい映画を創り出す人って
惚れっちゃいますわよ。

あ、そうそう『星の王子さま』がCGアニメで映画になってますよ。
見に行かなくっちゃ。
力強いポチッをありがとうございます。
Commented by ライスケーキ at 2015-10-05 20:29 x
この映画にも興奮しています。

世の中、知れば知るほど 知らないことだらけ。

でも、その知らない世界を見せてくれる
「映画」つて素晴らしいですね。

その「映画」を紹介してくれる
「殿様の試写室」に乾杯!!

Commented by なえ at 2015-10-05 23:33 x
学生時代に「サンチャゴに雨が降る」の映画を見ました。あの時代を
身を持って経験し生き抜いてきた人だからこそ、宇宙的視点から見ても許されない過去の暴虐を訴え続けられるんでしょうか。

「星の王子様」のミュージカル映画を昔見ました。王子さまはめちゃ可愛かったし、色々な歌が今も時々蘇って来ます。誰の作曲?振り付けはボブ・フォッシーで、見た目は好みではないけど(ババアに言われたないと向こうも言うやろけど)踊りはカッコよかった!ヘビ役でヘビのうねうねした感じが気持ち悪いのに、また見たくなるような~。
Commented by Mtonosama at 2015-10-06 07:00
♪ライスケーキさん

もうね、震えました。すごい作品だなぁ、と思って。
弱音などはいてはいられない、と思いました。

いつもありがとうございます。
Commented by Mtonosama at 2015-10-06 14:28
♪なえさん

「サンチャゴに雨が降る」って、映画の中に収容中の体育館で抵抗の歌を歌い、兵士に撲殺された人物が出てくるそうですね。この体育館に本作のパトリシア・グスマン監督もいたんだ!皆、闘っていたんだなぁ・・・

「星の王子様」のミュージカルですか!?うねうねした感じのヘビか。どうも星の王子様のヘビは象を呑み込んで帽子になっちゃった形しか思いつかないので、うねうねは想像つきませんわ^_^;