ブログトップ | ログイン

殿様の試写室

mtonosama.exblog.jp

殿が観た最新映画をいち早くお知らせ!

裁かれるは善人のみ -2- Leviathan


裁かれるは善人のみ
 -2-
Leviathan


f0165567_5212497.jpg

©2014Pyramide/LM


荒涼という言葉を目で確かめてみたいとお思いでしたら、
是非とも本作をご覧ください。

例えば、とのが思う荒涼とした世界は
「嵐が丘」に出てくるようなヒースが生い茂り、
冷たい風が吹きつける曇天下の大地みたいなイメージでした。

でも、そんなのまだまだ。
本作と比べれば、乙女の憧れ(テヘッ)。
抒情性が漂っています。

本作は容赦ない荒涼感ですものねぇ。

藤原新也さんが、アジアは貧困だが、それは豊饒な貧困だ、
みたいなことを何かに書いていましたが、
本作の中の貧困には豊饒さなど薬にしたくともまったくありません。
絶望的な荒涼です。

荒漠とした舞台に加え、このタイトル。
オリジナルタイトルの“リヴァイアサン”。
リヴァイアサンといえばホッブズです。
読んではいませんが、高校時代、試験前に暗記した記憶があります。

トーマス・ホッブズ著「リヴァイアサン」
1651年に刊行された政治哲学書。
人間は自然の状態に置かれたままでは争いを起こしてしまう生きものとし、
その混乱状態を避けるため、「個人」は「国家」に権利を譲渡し、
社会契約を結んだと定義。
国家は社会による保護を確立し、個人を守り、介入。
この保障と引き換えに人間は自由を国家に委譲する。

ふーん、そうだったのか。

これは17世紀の考え方だけれど、
21世紀の今だってどうなるかわかりませんね。

さあ、一体どんなお話なのでしょうか。

f0165567_523258.jpg

ストーリー
入り江に面した小さな町。
モスクワから遠く離れた寂しい田舎町だ。
自動車修理工場を営むコーリャは若い妻リリア、
亡妻との間に生まれた息子ロマと共に
住み慣れた家に暮らしている。
思春期のロマは継母であるリリアに心を開かず反抗的だ。

1年後に選挙を控えた強欲な市長ヴァディムは
権力にものを言わせ、コーリャの土地を買収しようと画策している。

祖父の代からの土地と家を守りたいコーリャは
市長と争うべく、戦友でもある弁護士のディーマをモスクワから呼び寄せる。
ディーマは市長の悪事の証拠をつかみ、
コーリャの件から手をひくように言い、
市長に350万ルーブルを支払わせることに同意させるのだが……

f0165567_5244071.jpg

と、ここで終わりならめでたしめでたしなのですが、
そうは問屋が卸さないのが悲劇の悲劇たる所以でございます。
悪辣な市長。
優しい顔をしながら、
神にすがるコーリャや市長すらも掌の上で転がす司祭。
若い継母リリアの苦悩。
少年の懊悩。
妻に裏切られるコーリャの苦悩。

あらゆる悲劇が錯綜し、
これでもかと襲いかかる時、
それでも人は雄々しく生きられるのでしょうか。

心が折れてしまった人々の前に
沈みかけたまま残骸をさらす廃船と
海岸に打ち上げられ巨大な白い骨となったクジラが
抗いきれない苦しみそのものとなって横たわります。







今日もポチッとお願いできればうれしゅうございます。
↓↓↓↓↓

にほんブログ村
☆10月31日に更新しました。もう明日は11月です。まさに光陰矢のごとしであります☆

裁かれるは善人のみ
監督/アンドレイ・ズビャギンツェフ、脚本/アンドレイ・ズビャギンツェフ、オレグ・ネギン、製作/アレクサンドル・ロドニャンスキー、セルゲイ・メルクモフ、共同製作/マリアナ・サルダーロワ、製作指揮/エカテリーナ・マラクーリナ、撮影/ミハイル・クリチマン
出演
アレクセイ・セレブリャコフ/コーリャ、エレナ・リャドワ/リリア、ウラディミール・ヴドヴィチェンコフ/ディーマ、ロマン・マディアノフ/市長、セルゲイ・ポホダーエフ/ロマ、アンナ・ウコロワ/アンジェラ、アレクセイ・ロージン/パーシャ
10月31日(土)より新宿武蔵野館ほか全国順次ロードショー
2014年、ロシア、140分、日本語字幕/大西公子、字幕監修/井上徹、配給/ビターズ・エンド、http://www.bitters.co.jp/zennin/

by Mtonosama | 2015-10-31 05:32 | 映画 | Comments(16)
Commented by なえ at 2015-10-31 23:00 x
「リバイアサン」てそんな内容とは知りまへんどした。権利も自由も国家に譲渡したら、人間に対する動物の立場と同じですやん。つーか、安保関連法、TPP、マイナンバー制度等々、日本は「リバイアサン」国家かも(;_:)

市長、本当に悪ごっすい顔してますね。予告編の最後「打ちのめされるロードショー」て、売り込むためにはどうなと言わはりますやんと笑ってまいましたわ。

横から失礼します。
びなちゃんさん、チャト君決まってよかったですね!2カ月保護後リリースした子は元気ですか?今夜は一段と寒くなって野良の子たちはどうしてるかなあと心配になります。
Commented by Mtonosama at 2015-11-01 06:13
♪なえさん

リヴァイアサン国家・・・
そんなんいやや~~~!

17世紀の契約が今に生きるんやったら、やってられまへんがな。
辺野古で政府がやろうとしてることは17世紀以前の横暴さやないかいな。

「打ちのめされるロードショー」って言ってました?
わたしのPC、音が聞こえへんのどす(-_-;)
でもね、確かに打ちのめされます。打ちのめされた観客が起き上がる時、何かが起きるのかもしれません。
だったらいいな。

野良の子たち、しっかり猫団子つくって乗りきってね。

Commented by びなちゃん at 2015-11-01 13:46 x
私は、予告編冒頭の、Bitters endと言うんが、気になりましたよ。
隣りの隣りの某国も大変な国ですが、国によっては宗教が入るとまたヤヤコシイことになりますね。
我が国は宗教が入らなくても、聞く耳を持たない人たちがいて虚しい。

<なえさん、お気づかいありがとうございます。チャト君は最後3組位に声を掛けられて幸せな選択をされました。で、リリースしたオバちゃん猫は三日後にまた胸が腫れ膿を持ってしまい病院行き。また、外猫部屋に舞い戻っています…はあ。外猫部屋に使い捨てカイロを使う季節がやってきました。外猫が命を全うするまで、仕事は辞められません。猫貯金もしてますけど。でも、また増えるんですよね。近所の猫おばさん達もそれぞれ家庭の事情があるのでやれるところまでやると言うことですねえ。ありがとうございました。なえさんもボチボチやっておくれなされまし。
Commented by Mtonosama at 2015-11-01 14:39
♪びなちゃんさん

ビターズ・エンドというのはこの映画を配給する会社です。

神さんというお方は罪作りなお方です。
というか、信仰する人間や信仰の家の人が知らず知らずのうちに
ヤヤコシイことにしているんでしょうか。

聞く耳持たない人たっくさんいますね。
あることには耳傾けるけど、あることには一切耳を傾けない。
困ったお人達ですわ。

オバちゃん猫、なんで胸に膿がたまっちゃったんですか?
びなちゃんさんもなえさんもゆるゆるやってくださいね。
猫にも人にもきつい季節が近づいていますから。
ご自愛ください。
Commented by なえ at 2015-11-01 20:41 x
「打ちのめされるロードショー」って、音じゃなく、字で出てただけです。誤解するいい方してすんまへん<(_ _)>

「打ちのめされた観客が起き上がる時、何かが起きるのかもしれません。」 
そっか、やられ続けを見ているうちに、「何をこのやろう!」と捨て身の力が沸き上がってくるのかも。そう、悪は滅びるのだ!
しやろか?

<びなちゃんさん
その子はもう年だから、世間の風には弱いのかも(;_:)できたらお家の子になってくれたらいいですね。私は保護猫や地域猫をやっている友達のお手伝いをちょこっとしてるだけで、びなちゃんさんみたいに直接活動してる訳ではありません。でも仕事も減っていくので今後は活動をしていきたいと思っています。色々教えてくださいね!
Commented by Mtonosama at 2015-11-02 05:41
♪なえさん

「打ちのめされるロードショー」確認しました。
こちらこそ早とちりでごめんやす<(_ _)>

悪は滅びるべし。継続は力なり、であります。
涙目治療の折、涙腺に生理的食塩水を通しながら、
眼科医は「大分開いてきましたね。継続は力なり、です」といつも言います。

なえさんもびなちゃんさんも偉いです。
そっか、その子は世間の風に弱いのか・・・
「継続は力なり」です。頑張ってくださいね。
Commented by 打ちのめされるすっとこ at 2015-11-02 12:27 x
やったーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!

横ですが
びなちゃん、茶トラんの新しいお家が
決まって良かったですね!

でも
外猫オバちゃんのお胸が化膿しちゃったのね。
どこかの悪いノラ野郎に引っかかれたのかしら。
きっと痛いよね、早く痛いのが治りますように!
びなちゃん、応援しとりますよ。

あら なんだか映画カラ入れ話題が飛んでしまいました。
“打ちのめされるロードショー”は、自分も
ドッキリしてもうたです。
打ちのめされに観に行きたいです!

ドキドキしながら力強くポチッと!!
Commented by びなちゃん at 2015-11-02 14:52 x
映画に関係なくてごみんなさい。

オバチャン猫はきっと他の猫に引っかけれたのかもですね。外猫同志仲がよくても爪が爪が内猫のように切るわけにいかんし。性格がよくて内猫に昇格させたいのはヤマヤマなんですが。

ビターエンドは映画会社でしたか。了解しました。
Commented by Mtonosama at 2015-11-02 16:42
♪打ちのめされるすっとこさん

打ちのめされてくださいませ。
わたしも打ちのめされ、しばらく立ち上がれませんでした。
元気なのはひかちゃんだけですぅ^_^;

ドキドキポチッをありがとうございます。
Commented by Mtonosama at 2015-11-02 16:45
♪びなちゃんさん

外猫の爪切るのは難しいですわねぇ。
うちなんて内猫なのに爪切れないですもん。
猫飼いの皆さんは寝てる内に切ってしまうとおっしゃいますが、
ひかちゃんはこういうときだけ神経質な令嬢に様変わりし、すぐに起きてしまいます(-_-;)

Commented by ライスケーキ at 2015-11-02 19:06 x
「裁かれるのは善人のみ」
真面目に誠実に暮らしている善人が住みやすい世の中になりますように。

安保関連法、TPP、辺野古、金持ち優遇税制、マイナンバー・・・。
民意に反して あれよあれよと言う間に世の中が変わってしまう。

マイナンバーカードを作っちゃいけませんよ。
あれ作って使うと、個人情報がバレバレ。
賢い善人になりましょう。
Commented by poirier_AAA at 2015-11-03 00:10
予告編の中にフランスでの評の言葉が出てきたのでもしやと思ったのですが、やっぱり1年前に公開されてました。うーん、全然知らないうちに見逃してるし。。。がっかり。

気を取り直して、今週は「真珠のボタン」を観に行ってきます。
あと是枝監督の最新作も公開中なんですよ。
Commented by Mtonosama at 2015-11-03 05:33
♪ライスケーキさん

本当に世の中変わってきて、荒涼とした気分です。

善人だけど、根がおバカなので賢い善人になれるかなぁ(-_-;)
Commented by Mtonosama at 2015-11-03 05:38
♪poirier AAAさん

残念、見逃しましたか。

『真珠のボタン』ご覧になるのですね。こちらは「海」篇です。
深い世界をお楽しみくださいね。
是枝監督の最新作って『海街ダイアリー』ですね?
もう、近所を散歩でもしているような気分になるほど、
近場が撮影されていました。
あ、もしかしてうろついてる私が映っているかも(^_-)
Commented by kogarinta at 2015-11-06 13:10
こんにちは。
見ごたえのある作品でしたね。
あらゆる悲劇が襲いかかり、それでも漫然と運命に従うしかない、ヨブ的な状況のロシアの民が胸を苦しめました。
TBさせていただきました。
Commented by Mtonosama at 2015-11-07 13:54
♪kogarintaさん

こんにちは。
ありがとうございます。いやあ、本当に見応えのあり過ぎる映画でした。観た後もなかなか立ち直れなかったです。

アメリカで実際にあった事件が下敷きとはいいますが、しっかりロシア映画になっていましたね。つらく重い作品です。
TBありがとうございました。