ブログトップ | ログイン

殿様の試写室

mtonosama.exblog.jp

殿が観た最新映画をいち早くお知らせ!

ヴィオレット ある作家の肖像 -2- Violette


ヴィオレット ある作家の肖像
-2-
Violette

f0165567_6271281.jpg

©TS PRODUCTIONS-2013

本作はヴィオレットとボーヴォワールという女性が主人公の映画ですから、
ファッションも見応えがあります。
両作家のキャラクターがしっかり出ていて楽しいですよ。
ヴィオレットは鼻が大きくてエキセントリックでちょっぴりブサ子ちゃん
と、失礼な設定なのですが、
実はスタイルはモデル並みで、
ブランドから服を提供してもらったり、
ファッション誌に寄稿するなど
おしゃれな女性だったといいます。
ボーヴォワールのファッションと見比べるのも
この映画のもうひとつの楽しみ方といえそうです。

f0165567_6282745.jpg

ストーリー
第1章 モーリス
1942年、戦時下のフランス。
ヴィオレットはモーリスと共にパリを逃れ、
“夫婦”と偽ってノルマンディに疎開しながら闇屋をして生計を立てていた。
モーリスは挫折した作家で同性愛者。
ある日、闇の肉を仕入れていたヴィオレットは逮捕される。
釈放されて帰ってきた彼女を見ても気遣いひとつ見せず、彼女の愛を拒むモーリス。
歎く彼女に「書くことで想いを吐き出せ!」と言い放つのだった。
「母は私の手を握らなかった・・・」
書き始めるヴィオレット。初めての小説となる「窒息」だった。
ある日、彼女はシモーヌ・ボーヴォワールという女性の書いた
「招かれた女」という小説を手にした…

第2章 シモーヌ
闇商売で生活するヴィオレットだったが、
服や装飾品にばかり金をつぎ込み、部屋は貧しく汚い。

ボーヴォワールの家をつきとめたヴィオレットは
着飾った彼女が出てくるのを待ち伏せし、
自分が書いた小説「窒息」を読んでほしいと無理矢理押しつけた。
最初はまったく相手にしないボーヴォワールだったが、
ヴィオレットの才能を確信した彼女は出版の支援を約束する…

第3章 ジャン
小説「窒息」が出版された。
かつての恋人エルミーヌにそれを贈呈しようと会いにでかけたヴィオレット。
だが、エルミーヌはもう一度関係を求める彼女を拒むのだった。

ボーヴォワールを介してヴィオレットは作家ジャン・ジュネと親しくなる。
ヴィオレットは彼の「薔薇の奇蹟」を、ジュネは彼女の「窒息」を絶賛した。
ある日、ジュネは「窒息」の信奉者だというジャック・ゲランを連れてきた。
大金持ちの手稿収集家であり、香水屋である。
私生児のヴィオレット。金持ちだが同じく私生児のゲラン。両親を知らないジュネ。
奇妙に気の合う3人だった…

第4章 ジャック
ボーヴォワールへの激しい愛情を書いた「飢えた女」をジュネに見せるヴィオレット。

その頃ボーヴォワールは「第二の性」を書くことに全精力を集中させていた。
一方ヴィオレットはジュネが制作する映画のためにゲランの別荘に滞在する。
母親役を与えられたヴィオレットだが、
実の母への屈折した想いを抱く彼女は
“母”を演じることで不安定になり、現場から逃げ出す。
そして、心配して声をかけるゲランに思わず愛を告白する。
同性愛者のゲランは彼女の愛を拒絶。
その代わり「飢えた女」に出資し、出版することを約束するのだった…

第5章 ベルト
以前と同じ、薄汚れた部屋に暮らすヴィオレットを母ベルトが訪ねてきた。
体調の悪いヴィオレットに「それは更年期」だと教える母。

ボーヴォワールの家に向かったヴィオレットは大家から追い払われる。
ある日、ジュネの芝居稽古を観にいった彼女はそこにボーヴォワールの姿を発見。
「私を避けている」と彼女をなじるヴィオレット。
彼女は「『飢えた女』は素晴らしいが私に愛を求めないでほしい」と告げる・・・

ヴィオレットの部屋を初めてボーヴォワールが訪問。
「第二の性」を届けにきたのだ。
そこには“第二の性が第一だと証明したヴィオレットに”と献辞が記されていた。
センセーショナルな成功をおさめる「第二の性」。
一方「飢えた女」は一向に売れなかった…

第6章 フォコン
旅に出たヴィオレットは南仏プロヴァンスのフォコンという村に空き家を見つけた。
彼女は周囲の自然から霊感を受けたかのように「破壊」を完成。
だが、出版社は作品中のエロチックな描写を削除するように告げる。
ボーヴォワールも抗議したが、決定が覆ることはなかった。
傷心のヴィオレットは入院。入院費を払うというゲランをボーヴォワールは退ける。
ボーヴォワールは「友情ではなく義務として彼女を援助するから」という。
退院し、母と共に帰宅したヴィオレットは
出版社からの毎月の入金が実はボーヴォワールによるものだということを知った…

第7章 私生児
ヴィオレットはある日ルネという煉瓦職人と出会い、恋に落ちる。
だが、その出会いや彼との関係をも書き記す彼女。
1000ページにも及ぶ「私生児」を書きあげた彼女はボーヴォワールに原稿を届ける。
ところが、ボーヴォワールの様子が普段とは違っていた。
彼女の母が亡くなったのだ。
その姿を見て「母を失ったら生きてはいけない」とつぶやくヴィオレット。
「私生児」を書き上げ、母への想いと孤独を受け入れたヴィオレットだった。

1972年、プロヴァンスの明るい光の中。
やっと自分の居場所をみつけた彼女は65歳で死去。
その8ヶ月後、母ベルトも死んだ…

f0165567_6292297.jpg


ああ、なんて不器用な人生なのでしょう。
そして、正直な生き方なのでしょう。

ボーヴォワールもまた強いだけでなく
思わぬ脆さと意地の悪さとどっちつかずの優しさを持つ
一筋縄ではいかない女性だったのですね。

生きるってことは本当に大変なことなんだ・・・

6章までのフォコンに出会うまでのヴィオレットの格闘ともいえる日々。
しかし
フォコンに拡がる陽光やみなぎる緑。
この村の自然がヴィオレットに与えた穏やかな心と生活が
これまで緊張して観てきた観客にも安らぎを与えてくれるのでした。





今日もポチッとお願いします。
↓↓↓↓↓

にほんブログ村
☆12月9日に更新しました。いつも応援してくださってありがとうございます☆

ヴィオレット
監督/マルタン・プロヴォ、脚本/マルタン・プロヴォ、マルク・アブデルヌール、
ルネ・ド・セカティ、撮影/イヴ・カープ、衣装/マドリーヌ・フォンテーヌ
出演
エマニュエル・ドゥヴォス/ヴィオレット、サンドリーヌ・キベルラン/ボーヴォワール、オリヴィエ・グルメ/ゲラン、カトリーヌ・イジェル/ベルト(母)、ジャック・ボナフェ/ジャン・ジュネ、オリヴィエ・ピィ/モーリス・サックス、ナタリー・リシャール/エルミーヌ、スタンレー・ヴェベール/ルネ
12月19日(土)より岩波ホールほか全国順次公開
2013年、フランス映画、フランス語、カラー、字幕/松岡葉子、配給/ムヴィオラ
http://www.moviola.jp/violette/

by Mtonosama | 2015-12-09 06:39 | 映画 | Comments(2)
Commented by すっとこ at 2015-12-12 23:35 x
うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!

これは愛に飢えたヒトの物語。
身につまされちゃうなぁ。

香水のゲランやら同性愛者って多いのですね。

ヴィオレット自身もボーボワールへ 尊敬と友情を
もっと超えた愛情を求めたようだし。

ああ 人間でいる、ってどーゆーこと?

謎は謎のまま 遅ればせながらのポチっ!!
Commented by Mtonosama at 2015-12-13 13:04
♪すっとこさん

おお、すっとこさん、コメントありがとうさんでございます。
ヴィオレットさんにとってもうれしいコメントでございましょう。

人間ってさぁ、悲しいよね。
ヴィオレットさんのように男にも女にも母親にも愛を求めて報われないってさ・・・
でも、母親って本当は娘のことをいつも想っているんだけど、
それを受け入れるのには時期とか時間が必要なのかな。

ポチッをどうもありがとうございます<(_ _)>