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殿様の試写室

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不屈の男 アンブロークン -2- Unbroken


不屈の男
アンブロークン
-2-
Unbroken

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(c)2014 UNIVERSAL STUDIOS


ルイ・ザンペリーニはイタリア移民の子として育ち、
一時ぐれかけたこともありますが、
陸上選手としての才能を見いだされます。
1936年のベルリン・オリンピック5000メートル走では
驚異的なラップタイムをたたき出しました。

そして、時代は第二次世界大戦に。
彼も空軍爆撃手となります。
しかし、彼を乗せた爆撃機が太平洋上に不時着。
47日間の漂流の末、日本軍にみつかり、捕虜として東京の大森収容所に。

かつては1940年に予定されていた東京オリンピックへの出場を望んでいた
ザンペリーニにとっては皮肉な形で実現した東京行きでありました。

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ストーリー
1943年4月、南太平洋上で救助作業に向う途中、
ルイ・ザンペリーニを含む11人の乗組員を乗せたグリーン・ホーネット号は
エンジントラブルを起こし、海に突っ込み、8人が海の藻屑と消えた。

ルイとキャプテン・フィル、そして後部砲手マックは
救命ボートに乗り、果てしもない漂流に乗り出した。
襲いかかるサメや容赦なく照りつける太陽、
日本の爆撃機による機銃掃射に耐えたが、
マックは33日目に死亡。
ルイとフィルはお互いに励まし合いながら47日間漂流し、
最終的にはマーシャル諸島まで流された。
だが、そこに待っていたのは日本軍だった。
・・・
その後、ルイが送られたのは大森収容所。
そこで待っていたのが“バード”と呼ばれ、恐れられていた収容所長渡辺伍長だった。

ある日ルイは自分が戦死したことになっていると告げられ、
米本国向けの放送ラジオ・トーキョーで自らの生存を伝えるように要請された。

無事に放送を終えたルイは
アメリカを誹謗し、日本軍を称賛する放送をするように説得を受けた。
断固それを拒否したルイは再び大森収容所へ。
戻ってきたルイに「私と同じように意志が強いな」と優しく声をかける渡辺。
「しかし、お前は敵だ」と捕虜の全員にルイを殴るよう命令。
ルイに対するびんたは日が暮れるまで続いた。

1944年クリスマス。渡辺が昇進して大森を去ることが発表される。

同年末。激しい空襲に見舞われ、消火活動に駆り出される捕虜たち。
屋根の上からは赤く燃え盛る東京の街が見える。
終戦が近いと喜ぶ捕虜たち。
だが、連合軍が勝てば捕虜は殺される……

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いやはやバードこと渡辺伍長のサディスティックな懲罰。
演じるは本作が映画デビューとなるミュージシャンMIYAVI。
先日亡くなったデヴィッド・ボウイをもっと尖らせた一見美しい顔立ち。

この美しい顔から次々と繰り出される言葉や残虐な行為には
驚きを通り越して病的なものを感じます。
戦争が彼をこうしたのか、
なにか心の病を抱えているのか。

とにかくこんな男に目をつけられたルイ・ザンペリーニこそ災難です。
映画では正々堂々と彼と向き合い、
収容所生活の代わりに提案されたアメリカ合衆国への裏切りも
断固拒否して闘い抜いた不屈の男として生き抜いた強い男の生き方が描かれています。

でも、映画の終わりに
ルイもしばらくはPTSDを抱えていたとあるように、
ただただアンブロークンなだけではいられなかったと思います。

反日映画とも思わないし、
ルイ・ザンペリーニの不屈の闘志を讃美しようとも思いません。

でも、バードこと渡辺伍長を精神病理学的に
つきつめていくと何が見えてくるのか、
そんなことが気になって仕方ない作品でした。





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☆2016年2月1日に更新しました。いつも応援して下さって本当にありがとうございます☆

不屈の男 アンブロークン
監督/アンジェリーナ・ジョリー、脚本/ジョエル・コーエン&イーサン・コーエン、リチャード・ラグラヴェネーズ、ウィリアム・ニコルソン、原作/ローラ・ヒレンブランド、プロデューサー/アンジェリーナ・ジョリー、クレイトン・タウゼント、マシュー・ベール、アーウィン・ストフ、撮影/ロジャー・ディーキンス、美術/ジョン・ハットマン
出演
ジャック・オコンネル/ルイ・ザンペリーニ、ドーナル・グリーソン/フィル、MIYAVI/渡辺、ギャレット・ヘドランド/フィッツジェラルド、フィン・ウィットロック/マック
2016年2月6日(土)シアター・イメージフォーラム他全国順次ロードショー
2014年、アメリカ、カラー、137分、日本語字幕/戸田奈津子、配給/ビターズ・エンド、http://unbroken-movie.com/

by Mtonosama | 2016-02-01 05:23 | 映画 | Comments(8)
Commented by すっとこ at 2016-02-01 10:07 x
ふぅぅぅーーーーーーーーーーーーむ!

アメリカのある大学が心理実験として
学生集団の半数を収容者、半数を看守と
して 実際の刑務所で暮らさせたところ

すぐに看守グループは威圧的になり
一方 収容者グループは卑屈になって
いったと言います。

人間てそうなのでしょうか?

自分だってどうなるか、わかったもん
じゃあ ありませんよ。

アンジャリーナ ジョリーが どう描いたか
興味はおおいにありますのう!

興味に満ちてポチッ!!
Commented by Mtonosama at 2016-02-01 15:03
♪すっとこさん

看守グループと囚人グループに分ける実験。
ドイツ映画で「エス」というのがありました。
私の好きなモーリッツ・ブライプトロイ君が出ていたんですの♡

双六を2人で対戦させ、1人にはさいころを2個持たせ、
もう1人には1個しか持たせないという実験もあるそうです。
これなんて2個持ってた方が有利に決まっているのに、
2個のさいころを振って勝ち進む方は
1個しか持ってなくて絶対勝てない相手をバカにするようになるんですって。

人間ってどうしようもない生きものでありますわねえ。

興味に満ちたポチッをありがとうございます。
Commented by なえ at 2016-02-01 15:29 x
世の中には九死に一生を得るという数奇な運命をたどる人って
いるんですね。先ずそれにびっくり。リンチにめげず祖国を裏切らない
不屈の精神もすごい。私なんかすぐ裏切るなあ。

ただアメリカ型のスーパーヒーローて何だかうさんくさいなあと
思う今日この頃。監督が映画で何を訴えようとしていたのか、
どこかにプロパガンダがあるのか、見てみないと分かりませんが。

でも「反日ということで上映館がなかなかみつからない事態となっていました。」とこれこそが、病的で今の最も重大な問題ではないのか!と
思います。
Commented by Mtonosama at 2016-02-01 16:59
♪なえさん

ほんとにこんなひどい目に会ってなんで裏切らないかなあと軟弱な私も思いました。

ザンパーニさん、PTSDにもなったっていうから、このバード渡辺のリンチは半端じゃないです。

でも、なにかっていうとすぐにやってくる右の方々も怖いですね。
戦争はもっと怖いです。
Commented by ライスケーキ at 2016-02-03 23:17 x
すっとこさんの心理実験の話 興味深く読みました。

戦争って人を狂わせるんですね。
でも、人類の歴史で戦争をしていなかった時代って
あったんだろうか。
今も どこかで戦争をしている。

でもザンペリーニさん 長野五輪の聖火ランナーに
なったんですね。
彼のことは何も知らなかったけれど、平和の尊さを
感じます。

これも 観てから語りたい映画ですね。
Commented by Mtonosama at 2016-02-04 06:03
♪ライスケーキさん

是非ドイツ映画『es』もご覧ください。
まさにすっとこさんがコメントなさった看守と囚人に分かれた実験を
サスペンスフルに描いた作品です。DVD屋さんにあればいいけど。

そうなんです。ザンペリーニさん、長野オリンピックでバード渡辺が
いじめぬいた直江津収容所のあったところを聖火を掲げて走ったんですって!
Commented by poirier_AAA at 2016-02-04 22:15
「es」観たことがありますが、途中で気持ち悪くなってしまって最後までみられませんでした。えっ、人間ってこういうものなの?と思って。

人の中にはもちろん掛け値なしのいいところもあれば、残酷になろうと思えばいくらでもなれるような冷酷非情な部分もあるということでしょうか?戦争って、人を殺して評価される場ですから、そういう普段は表に出せないような本性が炸裂しやすいのかもしれませんね。

お化けより心霊現象より生きてる人間の方が何倍も怖いと思います。でも、そうやって怖い時に手を取り合う相手もまた生きてる人間なんですよね。
Commented by Mtonosama at 2016-02-05 20:23
♪poirierAAAさん

「es」ご覧になりましたか。
なんか実験通りっていうのは寂しいっていうか、情けないっていうか、ああ、人間って・・・という感じですね。

最近、日本では小さな子どもが親に殺される事件が続けて起きました。昨日は去年13歳の少年が殺された事件で10~15年の刑が出ました。なんていったらいいのか打ちのめされるような気分です。