ブログトップ | ログイン

殿様の試写室

mtonosama.exblog.jp

殿が観た最新映画をいち早くお知らせ!

偉大なるマルグリット -2- Marguerite


偉大なるマルグリット
-2-
Marguerite

f0165567_556764.jpg

(C)2015 - FIDELITE FILMS - FRANCE 3 CINEMA - SIRENA FILM - SCOPE PICTURES - JOUROR CINÉMA - CN5 PRODUCTIONS - GABRIEL INC.


舞台となる1920年代のパリ。
第一次世界大戦が終わった解放感と高揚から
狂騒の時代( Les années folles)と呼ばれた時代です。
ピカソやシャガール、ダリが活躍し、
アヴァンギャルドやシュールレアリズム、アールデコが盛り上がり、
禁酒法を逃れて大勢のアメリカ人が到来し、ポップカルチャーをもたらしました。

マルグリットの美声(?)さえ別にすれば
音楽もファッションもインテリアも十二分に楽しめる映画です。
マルグリットの毛皮コートも
パリ郊外の草原を駆け抜けるカブリオーレも
最高にかっこいいんですから。

さあ、いったいどんなお話なのでしょう。

ストーリー
1920年9月、マルグリット・デュモン男爵夫人の豪奢な邸宅。
いつものように慈善音楽会が華やかに開催されていた。
若い新聞記者ボーモンと無名の画家キリルは
塀を乗り越え、屋敷の中に忍び込み、招待客の貴族たちに紛れ込んだ。
新人歌手のアゼルが美声を披露した後、
いよいよ本日の主人公マルグリットの登場である。
孔雀の羽根を頭に飾り、堂々と客の前に現れた彼女は
「夜の女王のアリア」を歌い出した・・・

呆然とするボーモンとキリル。
新人歌手のアゼルは思わず周囲を見回す。
そして失笑を漏らす。

ああ、マルグリットはとてつもない音痴だったのだ。

f0165567_5571515.jpg

礼儀正しい貴族たちは拍手喝采を送るが、
勝手を知った客は既に別室へ避難。
マルグリットの夫ジョルジュもわざと遅刻。

翌朝の新聞には
ボーモンが書いた「心をわし掴みにする歌声だ」との評が載る。
確かに一度聴いたら忘れることができない歌声であるのは事実・・・
実はこの記事はボーモンが大金持ちのマルグリットに
接近したいがために書いたものだった。
だが、マルグリットは大喜び。
執事のマデルボスに車を出させ、パリに向かう。

夫のジョルジュはどうしてもそんな妻を理解できず、
妻の友人フランソワーズと浮気していた。
夫に相手にされないマルグリットは
もうひとつの生き甲斐である撮影会で心を紛らわせる。
憧れのオペラのヒロインに扮した彼女を撮るのは執事マデルボス。
邸宅内にはそんな彼女のポートレートがあちこちに飾られていた。

そんな折、
マルグリットはボーモン達からパリの音楽祭に出演しないかと誘われる。
必死で止める夫ジョルジュ。
マルグリットは戦没者に捧げるイベントだといわれ、
ラ・マルセイエーズを歌う。
だが、その音楽祭はボーモン達が仕掛けた反社会的な催し。
警察に踏み込まれ
マルグリットは新聞にデカデカと載ってしまった。
貴族の慈善クラブから除籍されるマルグリット。

だが、この事件をきっかけに
彼女は本物のお客の前で歌う喜びを知ってしまった。
パリでリサイタルを開くことを決意するマルグリット。
ジョルジュはなんとか阻止しようとする。
しかし、彼女だけが知らないあの真実を告げることだけはできない。
有名オペラ歌手ペッジーニを教師に雇い、
レッスンに励むマルグリット。
さあ、どうなる……

f0165567_5582126.jpg

いや、マルグリットの歌う「夜の女王のアリア」にはまいりました。
あまりの音程に笑ってしまいました。
が、しかし
音痴って色弱などと同じように、
音を認識する何かが欠けているということなのかもしれない、と気づきました。

この映画を観ているときの居心地の悪さは
マルグリットの湛える欠損感覚のようなものから出ているのでしょう。
脳内の音認識分野の欠落
そして
夫の愛を得られない欠落感・・・

ああ、いまわかった!

となるとカトリーヌ・フロの演技はただものじゃありません。
もちろん音を外して歌う演技だけをいっているのではなく。

彼女の孤独感が
孤独とはまるで関係のない音痴を通じて
沁み出しているから、居心地の悪さを感じたんだ。

音痴は自分が音を外していることがわからない。
そもそも音を外していることがわからないから音痴なんですね。

おもしろうて、やがて悲しき・・・

いや、深いぞ。この映画。





マルグリットのために今日もポチッとお願いします。
↓↓↓↓↓

にほんブログ村
☆2016年2月28日に更新しました。いつも応援してくださってありがとうございます☆

偉大なるマルグリット
監督、脚色、脚本/グザヴィエ・ジャノリ、脚本協力/マルシア・ロマーノ、撮影/グリン・スピーカート-SBC、製作総指揮/クリスティーヌ・ドゥ・ジェケル、アルテミオ・ベンキ
出演
カトリーヌ・フロ/マルグリット、アンドレ・マルコン/ジョルジュ・デュモン、ミシェル・フォー/アドス・ベッジーニ、クリスタ・テレ/アゼル、デニス・ムブンガ/マデルポス、シルヴァン・デュエード/リュシアン・ボーモン、オベール・フェノワ/キリル・フォン・プリースト、ソフィア・ルブット/フェリシテ(髭女)、テオ・チョルビ/ディエゴ
2月27日(土)シネスイッチ銀座、YEBISU GARDEN CINEMAほか全国ロードショー
2015年、フランス、129分、日本語字幕/古田由紀子、配給/キノフィルムズ、http://www.grandemarguerite.com/

by Mtonosama | 2016-02-28 06:04 | 映画 | Comments(7)
Commented by poirier_AAA at 2016-02-28 21:28
この映画、わたし2回も観に行ってしまいました。

マルグリットの悲劇でもあるのですけど、面白かったのは無邪気なマルグリットを前にするとまわりの人の本性がはっきり現れてくるところでした。穏やかそうな人がものすごく冷酷なことを言ったり、逆に狡っからい人が意外な思いやりや真面目さを見せたり。マルグリットに真実を告げらないという自分の弱さが、逆に自分につきささってくるんですよねぇ。。。

最後の方で、一瞬マルグリットが正しい音程を捉えたときは鳥肌が立ちました。しばらくあの曲ばっかり聞いていましたよ。
Commented by Mtonosama at 2016-02-29 05:49
♪poirier AAAさん

わたしは最初この映画を観てかなりとまどいました。
音痴なのに、慈善音楽界でトリを取ったり、コンサートを開けるのは
お金持ちだからなんだ、と思って反感も抱いたし、
「自分の声が周囲と違ってたら普通歌わないでしょっ」と思っていたから。
「いやいや金持ちだから許されるという観方は逆偏見でしょ」
などと考えながら観ていたので、
どんなスタンスで見ればいいかわからず、困っていました。

自称音痴はたくさんいても、本物の音痴をよく知らなかったからです。

弱いものを目の前にすると人間って残酷なんだなとあらためて思いました。
poirierAAAさんは二回ご覧になったのですね。
私も音痴がある種の欠損であるかもしれないと気づいた今、
もう一度この映画を観てみたいと思っています。
でも、やっぱりpoirierAAAさんは音楽をなさるからすごいなあ。

Commented by Ich at 2016-02-29 10:52 x
はじめまして^^ 梨の木さまのブログより貴嬢を知りました。よろしくお願い申し上げます。
この映画、私も観て最後正しい音程が写し出された瞬間に驚きと共にあー! 
初日、空いた時間に楽しんでまいりました。(http://grimm.exblog.jp/より)
Commented by Ich at 2016-02-29 10:56 x
ごめんなさい・・・貴殿ですか?
Commented by Mtonosama at 2016-02-29 13:27
♪Ichさま

Ichさま。いらっしゃいませ。嬉しいです。
こちらこそよろしくお願い致します。
私、貴殿ではありませんが、貴嬢でもありません^_^;

先ほどIchさんのブログにお邪魔させていただきましたが、
おっしゃる通り、この映画には一抹の寂しさがありますよね。
笑うつもりでいたら笑えない、そして、寂しいという不思議な映画でした。

ところで、Ichさんはドイツ語に関係がおありですか?
私は長い間ドイツ語学校に通い、一昨年自主卒業しました。
なので梨の木さんのところでIchさんのネームをおみかけしては気になっていました。
どうぞ、これからもよろしくお願いします。
Commented by すっとこ at 2016-03-01 00:17 x
うわわわわわわわわわわわわわわわわ!

音痴の自分は
正直に言いますけど

殿様が「音痴を今までご理解なかった」
ことに驚きました!

そうなんです、「全ての音痴はマルグリット」
なんです、自分の音痴が、外れた音が分かり
ません。
外れてるのが分からない為に 結果として
合わせようもない訳なんです。

そうですね、ある種の欠損 、合ってると思い
ますですよ。

この映画をきっかけに音痴への世間の理解が
深まりますように。

偉大なるマルグリットへ 応援のポチッ!!
Commented by Mtonosama at 2016-03-01 06:12
♪すっとこさん

はい、恥ずかしながら音痴とは調子っぱずれなりと理解していました。前回すっとこさんがおっしゃっていた「音痴は自分が歌がうまいと思っている」ということを聞き、「自分の歌が調子っぱずれとは決して思っていないがゆえに音痴である」ということは存じませんでした。お恥ずかしうございます。だから、本作を観て、金持ちというのは音痴でもコンサートを開くのかと不快に思う部分もあったのです。おっしゃるように音痴への理解が広まることを切望致しますです。自らの無知を恥じつつ、すっとこさんのポチッをありがたく受け止めます。