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殿様の試写室

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エスコバル 楽園の掟 -2- Paradise Lost


エスコバル 楽園の掟
-2-
Paradise Lost

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(C)2014 Chapter 2 - Orange Studio - Pathe Production - Norsean Plus S.L - Paradise Lost Film A.I.E - Nexus Factory - Umedia - Jouror Developpement


本作を観る前は「麻薬王かあ」などと思っていました。
でも、デル・トロだから期待していいのかなあ、
と半信半疑で臨んだとの。
これがああた、すごいのなんのって。

作品の冒頭
ブラインド越しの薄暗い陽ざしの逆光の中に浮かび上がる
締まりなく肉のついた背中
巨万の富を得て
贅沢な暮らしと引き換えに得た身体。

と薄明かりの中の背中だけで
その男の人生を語っているのであります。

最初からがっつり捕まえられてしまいました。

さあ、エスコバルという男。
そして、
彼を間近に見て、その人生を表裏から語ることになったカナダ人ニック。
いったいエスコバルはどんな人生を生き
ニックはなにを見たのでしょうか。

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ストーリー
カナダ人サーファーのニックは兄と共にコロンビアを訪れた。
目の前に広がる青い海、白い砂浜。まさに楽園だった。
ある日、ニックは街で美しい女性マリアに出会い、一目で恋に落ちる。
大勢の男たちになにか指示を出す彼女。
男たちが巨大な垂れ幕を拡げ、そこには・・・

マリアには父のように敬慕する大切な叔父がいる。
その垂れ幕の中で微笑む男パブロ・エスコバルだ。
国会下院議員に当選し、国民から慕われ、世界7位の大富豪。
だが、
彼はコロンビア最大の麻薬カルテルのボスという裏の顔の持主でもあった。

そんなエスコバルが実の娘のように可愛がる姪のマリア。
彼女が連れてきた恋人ニックを暖かくファミリーに迎え入れる。

優しく穏やかなファミリー。
そこはエスコバルの楽園であり、王国であった。
だが、王国で甘い日々を過ごす内に
ニックの中に小さな黒い雲が湧き出してきていた。
やがて暗雲は彼の心を覆い尽くし、恐怖と不安が高まっていく……

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なんて言ったらいいでしょう。
そうだ、ガルシア・マルケスの世界なんです!
生も光も死も罪も一つに織り込まれ、どこか神話のような。
家族という血の結束。

が、しかし
それだけならレジェンドで終わってしまうかもしれない
エスコバルという稀有な存在を
他者の目を通してみつめさせるところがすごいです。
脚本も書いたアンドレア・ディ・ステファノ監督
いい仕事しています。

そして、ジョシュ・ハッチャーソン。
登場の瞬間から「こいつ、ただものじゃないぞ」と感じました。
24歳とは思えない、なんとも楽しみな俳優さんです。

麻薬王の話というだけで、ちょっとひいてしまったことを
深く恥じ入るとのであります。

もう一度ガルシア・マルケスを読みたくなりました。
中米コロンビア。
乾いた大地に吸い込まれていく死者たちの血。
同時に家族の中に連綿と流れ続ける血脈の血。
流される血と流れる血。
血の二面性を考えさせられた映画でした。






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☆2016年3月11日に更新しました。あの日から5年。亡くなった方々のご冥福をお祈り申し上げます。
そして、希望の火が燃え続けますように☆

エスコバル 楽園の掟
監督・脚本/アンドレア・ディ・ステファノ、製作総指揮/ベニチオ・デル・トロ、ジョシュ・ハッチャーソン、モーリッツ・ボーマン、製作/ディミトリ・ラッサム、撮影/ルイ・サンサーンズ
出演
ベニチオ・デル・トロ/パブロ・エスコバル、ジョシュ・ハッチャーソン/ニック、クラウディア・トレイザック/マリア、ブラディ・コーベット/ディラン、カルロス・バルデム/ドラゴ、アナ・ジラルド/アン
2016年3月12日(土)シネマサンシャイン池袋他全国順次公開
2015年、フランス・スペイン・ベルギー・パナマ合作、119分、日本字幕/岩辺いずみ
http://www.movie-escobar.com/

by Mtonosama | 2016-03-11 05:23 | 映画 | Comments(8)
Commented by poirier_AAA at 2016-03-13 20:28
少し前、イザベル・アジェンデの書いた彼女の一族の話を読んだのですけど、これが南米なんだよなぁと思いながら読みました。ものを判断するときの価値観が、自分が慣れ親しんだものとかな〜り違う。善悪とか美醜とか、正反対のものが渾然と混ざり合っているというか。。。。よくわからないから余計に惹かれるのかもしれませんけど。

この映画も是非見てみたいです。こちらでは2014年に公開されたようなので、図書館で探してみます〜。
Commented by ライスケーキ at 2016-03-13 21:14 x
私はエスコバルより、ニックの生き方の方に
興味があります。

恋人の家族がこんなだったら・・・。
長いものには巻かれろ ですか。
自分の価値観を大切にしますか。

本当の Paradiseは どこにあるのでしょう。
Commented by なえ at 2016-03-13 21:42 x
恐おすなあ。「愛があれば」なんて言葉など木端微塵に
ぶっ飛んでまいますなあ。蟻地獄に落ち込んで、自分の今までの価値観など何の役にも立たない絶望地獄。

きじ志郎のお見合いは、見合い前に破綻しました(;_;)
きじ志郎のトライアルに関して、元野良なので脱走には
十分注意してもらいたい、里親・環境に慣れるまでは
ケージに入れてほしい、とお願いしたところ「閉じ込めておかなければならない、という部分がどうしても難しいので、辞退させていただきたい」と。里親候補さんの先住猫さんは
自由に外に出してはるのです。これは元野良のきじ志郎に
とって最適の状況。最適ではあるけれど、里親・環境に
慣れるまでは家に閉じこめてもらわないと脱走したら
終わりです。そこを詰めたかったのですが、その点が
負担に思われたようです。
ご縁がなかったということですね(-_-)。

Commented by Mtonosama at 2016-03-14 20:46
♪poirier AAAさん

今日一日インターネットがつながらず、お返事も遅れ、更新も遅れてしまいました。先ほど漸く復帰しました。

そうなんです。南米ってボリビアやペルーには私たちとよく似た顔の人がいたりしますが、全然違うんですよね。南米の作家には惹きつけられます。

本作もデル・トロさんのアクの強さに圧倒されます。
Commented by Mtonosama at 2016-03-14 20:50
♪ライスケーキさん

インターネットが通じないというのはとても不安なものです(-_-;)

ニック役の俳優、若いに似ず落ち着いた良い俳優さんでしたよ。
パラダイスはどこにあるのかなあ?
以前あるドイツ人が自分は死んでも天国には行きたくない、
だって地獄に行ったら個性的な人がいっぱい行っているから
退屈しないよ、天国は退屈だからな、って言ってましたが・・・
Commented by Mtonosama at 2016-03-14 20:52
♪なえさん

きじ志郎くん、拝見しましたよ。
可愛いですねえ♡
めっちゃ可愛い猫さんなのに、どうしてそういうことになるんでしょう。
これはきっとなえさんのところに置いておくように、という
猫神さまのご意志ではないでしょうか。
Commented by すっとこ at 2016-03-15 03:55 x
南米って 言い知れぬ深さが有りますよね。

ドノソの “夜のみだらな鳥” という題からして
魅惑的な小説にはまり

「誰の心にも
狼が吼え
夜のみだらな鳥の啼く
暗い森が潜んでいる」
って一節も 暗唱したというに

あらら 内容を きれいさっぱり忘れてますがね。

でも いいの。
夜のみだらな背中のトロ様に ポチッと!!
Commented by Mtonosama at 2016-03-16 20:53
♪すっとこさん

おや、すっとこさんのコメントが隠れていた。

そうなんです。南米って深いですよね。
大昔、イースター島に行った時、そこで出会った日本人青年が
「南米には憂いを秘めた人が多いです。
ブラジルのあの陽気さは特別かもしれない」
って言ってました。
暗記まではしてないけど、南米の小説好きです。
すっとこさんはいいなあ。
思い立てばボリビアやペルーに簡単に足をのばせますもんね。