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殿様の試写室

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君がくれたグッドライフ -2- Tour de Force


君がくれたグッドライフ
-2-
Tour de Force

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(C)2014 Majestic Filmproduktion GmbH / ZDF


良い映画を作るのに年齢なんて関係ないのと同様、
死について考えるのも高齢者や思春期男女の専売特許じゃありません。
生きるということ自体、死への過渡期なんですから。
生も死も含めて人生です。

と、いきなり重いか。

トロント、ロカルノ映画祭をはじめ、
ヨーロッパからアメリカまで世界各国のフィルム・フェスティバルで上映された
話題作が本作『君がくれたグッドライフ』です。
年に1度、自転車で旅に出ることにしている6人の仲間。
行先は毎回持ち回りで決めます。
今年の行き先を決めるのはハンネスとキキの夫婦ですが・・・

さあ、出発します。

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ストーリー
出発の朝、自宅の窓から外を眺めるハンネス――
年に1度仲間たちと出かける自転車旅行は今日で15回目を迎える。
メンバーは妻のキキ、弟のフィン、最近夫婦関係がぎくしゃくしているドミとマライケ、
もう一人は未だ独身のミヒャエル、そして、ハンネスの6人だ。
ハンネスとキキが決めた行き先をべルギーと知って
「なんでベルギーなの?『タンタンの冒険』とチョコレートしかないのに」
と文句をいう面々。

翌日、ハンネスの兄家族の家に立ち寄り、皆で食事。
席上ドミが、ハンネスに「子どもはまだなのか?」と訊ねる。
と、突然泣き崩れるハンネスの母。
そして、ハンネスはキキに促され、
「父親と同じ筋委縮性側索硬化症(ALS)を発症し、余命宣告を受けた」
と打ち明ける。
ベルギーへ行くのは、彼の地では尊厳死が法的に許されているから――というのだ。

家族の中で唯一そのことを知らされていなかった弟フィンは怒り、
母も、命のつきるまで生きてほしいと願う。
だが、父のときのような辛く大変な思いを
家族みんなに負わせたくないというハンネスの意志は固かった。
マライケも旅をやめさせるよう、キキに頼むが、
「ハンネスにはみんなとの旅が大切なの。一緒に来てくれない?」
と応えるキキ。

翌朝、母の車に乗って出かけようとしたハンネスの前に
旅の支度をした仲間たちが立った。
一緒に旅を続けるというのだ。
仲間たちの想いは複雑だったが、
ハンネスの希望を受けとめようと決めたのである。
だが、そこには弟フィンの姿はなかった。

ハンネスは兄と甥に別れを告げ、
母とはベルギーで落ち合うことに決め、自転車に跨った。
街を抜け、山道にさしかかった頃
フィンが追いつく。
「なぜ兄貴は闘わないんだ!?」
と想いをぶつけるフィンだった――

思うようにならない身体を鞭打ちながら
懸命に旅を続けるハンネスの姿に
仲間たちの当初のぎこちなさも薄れていく。

だが、ハンネスの症状は日を経るごとに悪化。
キキと漕ぐタンデムの速度も遅れがちに……

いや、覚悟の死を迎えるハンネスに立ち会う妻や母、友人たちの気持はいかばかりか。
ハンネスの目的地は死。
そして、彼の最期を見届けるために旅をする家族や友人。
これは酷です。

実はとのも少し前に友人から
「私が不治の病になったら一緒にスイスへ行って」
と言われました。スイスも尊厳死ができる国なんです。
「私が死んだら一人で帰ってね」って・・・
もちろん、彼女は不治の病でもなんでもないんですが。

いろいろ考えることの多い映画です。
身近にALSの患者さんを知っているので、
私自身はハンネスに生きることを選んでほしいと思いました。
安楽死、尊厳死は医師の手を借りた自殺だとも思います。

病気治療を経済効率で考える欧米ではありますが、
経済に弱いとのはなかなか付いていけません。

皆さまはどのようにお考えになるでしょうか。





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君がくれたグッドライフ
監督/クリスティアン・チューベルト、脚本/アリアーネ・シュレーダー、脚色/クリスティアン・チューベルト、製作/フロリアン・ガレンベルガー、ベンヤミン・ヘルマン、撮影/ニョ・テ・チャウ
出演
フロリアン・ダーヴィト・フィッツ/ハンネス、ユリア・コーシッツ/キキ、ユルゲン・フォーゲル/ミヒャエル、ミリアム・シュタイン/ザビーネ、フォルカー・ブルッフ/フィン、ヴィクトリア・マイヤー/マライケ、ヨハネス・アルマイヤー/ドミ、ハンネローレ・エルスナー/イレーネ
5月21日(土)ヒューマントラストシネマ有楽町、YEBISU GARDEN CINEMAほかロードショー
2014年、ドイツ、95分、カラー、日本語字幕/吉川美奈子、配給/ショーゲート
http://goodlife-movie.com/

by Mtonosama | 2016-05-16 05:23 | 映画 | Comments(8)
Commented by poirier_AAA at 2016-05-16 06:05
少し前にヤフーニュース経由だったか、スイスでの尊厳死のレポートを読みました。

激痛に苦しむだけの余生は耐えられないから尊厳死を選ぶとインタビューされた人は言い、配偶者も彼女の気持ちを尊重すると言っていました。

それを読んで自分はどうするかなと考えてしまいました。自分が死病を得た方だったらひょっとしたら選択することもあるかもしれない(可能性はないとは言えません)。でも配偶者がもし尊厳死を選んだら、そして自分の眼の前で注射によって死ぬとしたら、それは受け入れられるだろうか?と。

難しいですね。一人一人が生や死をどう考えるかってことですものね。そして身近な人の選択を自分が受け入れられるかってことなんですよね。。。。うーん、答えはすぐには出せません。
Commented by すっとこ at 2016-05-16 13:19 x
えええええーーーーーーーーーーーーーーん!

前回コメ欄のやり取りの中で 殿様から
「最後は注射で」とネタバレ頂戴して
おったので 覚悟を決めてストーリー紹介
を読むことが出来ました。

父親と同じ死に至る病を発症。父の長い
苦しみを見ていたからこそ 自らは尊厳死
を選ぶためにベルギーへ。

これで思い出したのはある知人のケース。
母親の乳がんに付き添っているうちに自分
にもシコリがあるのを発見。同病と診断。
しかし彼女は母の手術、抗がん剤治療、化学
療法、の経過と母の苦しみそして終焉に立ち
あったので、自分は一切の治療を拒否。

玄米と青菜の食餌療法だけにしました。

そして普通に家族4人で暮らしていてある日
「入院する」と自分で言いだしてそれから
1週間で旅立たれたそうです。

後から話を聞いてお線香あげに行ったら
ご主人様が「妻は立派でした」って。

その話を思い出しました。これも一種の
尊厳死かも、と思いながらポチッと!!

Commented by Mtonosama at 2016-05-17 05:12
♪poirier AAAさん

痛かったらイヤだな、とか、母や父は苦しくなかったのだろうか、とよく想います。
23年前、オーストリアのグラーツに住んでいた大学時代の友人が悪性リンパ腫で亡くなりました。実は彼女の亡くなる前年、彼女を訪ね、ウィーン、グラーツに遊びました。その頃は全然元気だったんですよ。彼女、その数年前にも死に瀕したことがあり、臨死体験をしています。その体験を語ってから「死ぬ時ってとっても気持が良いのよ。だから、身近な人が死に赴く時、名前を呼んだりしないでそのまま行かせてあげて」と言いました。母が亡くなったその年、その月に亡くなった彼女の言葉は慰めにも励みにもなり、死の痛みへの恐怖もやわらげてくれました。
私自身は死ぬまで生きようという気持を持ってはいますが、どうでしょう・・・
父の最晩年、高カロリーの点滴で無理矢理生かされていた時、「普通の輸液に変えてください」と医師にお願いしたのは間違ってはいないと思いつつも、父を殺したような気がしてとてもつらかったです。

それぞれの体験に応じたメメント・モリを強いられる映画かもしれません。
Commented by Mtonosama at 2016-05-17 05:28
♪すっとこさん

いろんな生き方、死に方があるものですね。
自分は「どう死ぬか」は「どう生きるか」と同様、難しいです。「どう生きるか」も「どう死ぬか」も自分一人で決められることではなく、他者との関係や、大きくいえば社会や環境との関わりの中で決められるものなのかも知れないから。

それにしても「妻は立派でした」と言うおつれあいの愛と敬意。素晴らしいですね。

ポチッをどうもありがとうございます。
Commented by なえ at 2016-05-17 18:38 x
考えれば考えるほど、難しいですね。
自分がハンネスの立場だったら、夫がハンネスと同じことを
言ったら、それをどう受け止めるのか、受け入れる事ができるのか。

私の両親は最後は人工呼吸器をいれました。特に母の場合は
最後まで意識があったのですが、呼吸器を入れると物も食べられないし話すこともできません。それで筆談をしてました。その時甘い紅茶が飲みたいと書いたのですが、「ごめん、お母さん、呼吸器を入れたので飲んだり食べたりできひんの。」と
言うと理解したのかどうか、諦めたように目をつぶって寝てしまいました。呼吸器を入れたことで、返って母を苦しめてしまったのではないかと辛かったですが、入れなかったら入れなかったことで後悔したと思います。

正解はないように思います。その時その時の最良と思える選択をするしかないのかもしれません。
Commented by との at 2016-05-18 04:56 x
♪なえさん

親を看取ることはつらいですね。
父は末期ガンを宣告されたのですが、腸の癒着を解消する手術だけは受けました。その手術の後、奇跡のように元気な日々が続きましたが、ある日を境にみるみる弱っていきました。
その元気な日々はまるで『レナードの朝』のようでした。あの日々が過ごせただけ良かったのかな、と思います。
一方、母は朝になったら亡くなっていました。65歳でした。4年前に手術したガンも「もう大丈夫だね」と言っていた矢先、あろうことか心筋梗塞でした。
思い出してしまったよ~。みんなこういう悲しみを繰り返し経験して、大人になっていくんですね。
Commented by ライスケーキ at 2016-05-19 00:00 x
母は97歳。 施設に入っていましたが、何時ものように、
軽くお昼を食べて、30分後
眠るように息を引き取りました。
父は88歳。 食べられなくなって入院。
「尊厳死協会」に入っていましたが、
それは認められずーーーそれはそうですよね
日本では殺人罪になってしまいますからーーー
点滴の管を付け、どんどんやせ細り、何も話せず、
ただ息をしているだけで、6っか月後に亡くなりました。

私には、どんな死が訪れるか分かりませんが、
「安らかな死を妨げる濃厚な医療」は望みません。

最近「欧米には寝たきり老人はいない」と言う本を読みました。
「ホントなの?」と思うと共に、
いろいろ考えさせられました
Commented by Mtonosama at 2016-05-20 06:38
♪ライスケーキさん

お母様は97歳だったんですね。
眠るように息をひきとる・・・羨ましいです。

お父様の最期、見守る家族はおつらかったですね。

この映画、明るく描かれてはいますが、観客は主人公の死に触発され、自分の家族の死、そして、自分の死を考えざるを得なくなってしまいます。