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殿様の試写室

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ある天文学者の恋文 -1- Correspondence


ある天文学者の恋文 
-1-
Correspondence

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(C)COPYRIGHT 2015 - PACO CINEMATOGRAFICA S.r.L.


漱石先生「夢十夜」の第一夜。
真っ白な百合が鼻の先で骨に徹(こた)へる程匂った。
そこへ遥かの上からほたりと露が落ちたので、
花は自分の重みでふらふらと動いた。
自分は首を前へ出して、冷たい露の滴(したた)る、
白い花辨(はなびら)に接吻した。
自分が百合から顔を離す拍子に思はず、
遠い空を見たら、暁の星がたった一つ瞬(またた)いていた。
「百年はもう来ていたんだな」と此の時始めて気が附いた。

「星の王子さま」
夜になったら星を眺めてね。
ぼくの星はとても小さいから、どこにあるか教えてあげるわけにはいかない。
だけどそのほうがいい。
ぼくの星は……星のうちのどれか一つだということだから。
それできみは星全部を眺めるのが好きになる。

「自分」が見た星も
「きみ」が眺める星も
何億年も前に燃え尽きた星の光かもしれないのに
ここで眺める私たちにとって
星は生きて輝く星でしかありません。

星と同じように、
死んだ人も
愛する人を想う気持ちが強ければ
語りかけ、何かを贈ることができるのですね。

死んでしまった星が今この地球に住む私たちに
その時の光を届けているように―――

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天文学は無機的な科学と神秘な世界が
ひとつになったような不思議な学問です。

と、いきなりそんなことを言うのは
タイトルの天文学という言葉を聞いて
(原題はCorrespondenceですけれど)
『光のノスタルジア』
http://mtonosama.exblog.jp/24535828/
というものすごいドキュメンタリー映画を思い出したからです。

巨大な望遠鏡から見える超新星の誕生、暗黒の宇宙に怪しく輝く星雲、
そうした星々の光が
観客の視線を南米アタカマ砂漠の下に埋められた遺骨へと導きます。
チリ軍政の圧政下で殺された人々の遺骨です。
数億光年と数十年前の出来事
壮大な宇宙と幾十あるいは幾百体かの遺骨・・・
星の視点で虐殺の過去を暴いたその独自性、壮大さにぶっ飛びました。

本作『ある天文学者の恋文』は
やはりぶっ飛ばされる恋愛映画です。

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天文学を学ぶ女子学生に突如告げられる恋人の訃報。
が、しかし
彼女はまさにその時、彼からのメールに微笑みを浮かべているところだったのです――



監督は名作『ニュー・シネマ・パラダイス』のジュゼッペ・トルナトーレ。
最近では『鑑定士と顔のない依頼人』(’13)でも満足させてくれました。

ジュゼッペ・トルナトーレ
1956年5月27日生まれ
イタリア・シチリア島のバゲリーア出身の映画監督。
16歳の時に舞台演出家としてキャリアをスタートさせ、
以後ドキュメンタリーの短編映画やTV番組を監督する。
1986年『“教授”と呼ばれた男』(日本劇場未公開)で
初めて劇映画 のメガホンをとった。
1989年『ニュー・シネマ・パラダイス』が、
カンヌ国際映画祭の審査員特別グランプリや
アカデミー外国語映画賞を受賞するなど
世界的に大ヒットし、一躍イタリアを代表する監督として名をはせる。
1995年『明日を夢見て』ではベネチア国際映画祭の審査員特別賞を受賞。
1998年『海の上のピアニスト』
2000年『マレーナ』
2006年「題名のない子守唄」
2009年『シチリア!シチリア!』
2013年『鑑定士と顔のない依頼人』でイタリアのアカデミー賞にあたる
ダビッド・デ・ドナティッロ賞の作品賞と監督賞を受賞。

90年代前半には、古典映画の修復作業に従事。
映画界での貢献が認められ、98年にイタリア政府から勲章コメンダトーレを叙勲された。
http://eiga.com/person/38920/

さあ、本作は果たして天文学という学問の映画なのか、
それとも死者からの伝言という霊界の映画なのか、

そんなわけはありません。

巨匠ジュゼッペ・トルナトーレの3年ぶりの新作です。
次回まで乞うご期待でございますよ。



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☆9月1日に更新しました。もう9月!台風の被害を受けた皆様、心よりお見舞い申し上げます☆

ある天文学者の恋文
監督・脚本/ジュゼッペ・トルナトーレ、音楽/エンニオ・モリコーネ、撮影/ファビオ・ザマリオン
出演
ジェレミー・アイアンズ/エドワード・フィーラム教授、オルガ・キュリレンコ/エイミー・ライアン、ショーナ・マクドナルド/エドの娘・ヴィクトリア、パオロ・カラブレージ/島の舟乗り・オッタヴィオ、アンナ・サヴァ/島の女・アンジェロ、イリーナ・カラ/エイミーの母親
9月22日(木・祝)ロードショー
イタリア、英語、122分、カラー、字幕/松浦美奈、配給/GAGA、後援/イタリア大使館http://gaga.ne.jp/tenmongakusha/
by Mtonosama | 2016-09-01 06:07 | 映画 | Comments(6)
Commented by すっとこ at 2016-09-02 22:00 x
えっえええええええええええええええええ!

夢十夜

でもなく

星の王子さま

でもなく

いったい どげな話

なんでしょかーーーーーーーっ!


疑問符でいっぱいのまま力強くポチッと❣️
Commented by なえ at 2016-09-02 22:19 x
写真の女子学生が見ているのはテレビ電話?この男性は
恋人じゃないですね?お父さんぐらいの年齢ですよね。
時空を越えたロマンスじゃないですね?
「死者からの伝言という霊界の映画」の方がこの暑さには
いいかも。

タコとのそもそもですが
ウチの裏庭の剪定はいつもタコ院の庭を通ってさせてもらってました。タコが越してきて1,2年の時「自分の庭を通らないでくれ」と。家の構造上難しいので(もとは所有者が同じ)、昔からさせてもらってたと説明を兼ねて話し合いを申し出てたのですが、たまたま出会った時にタコが「お宅のことはお宅の敷地内で解決してくれ、うちの庭を通ることはまかりならん!」と問答無用の言い方。怒り心頭に発したなえ夫婦は
夜中に大きなタコ壺を準備して・・・ちゃう、ちゃう!
そっちがその気なら、とそれ以来一切剪定を止めてそれは9年続きました。なぜ9年で止まったかというと、それは寺号に。
Commented by Mtonosama at 2016-09-03 08:03
♪すっとこさん

夢十夜も星の王子様も関係なく
ただ、星の研究者(?)あるいは星を愛する男女の恋物語?

なかなかそそられる映画です。
私としてはエジンバラの風景が懐かしいです。
ポチッをどうもありがとうございます。 
Commented by Mtonosama at 2016-09-03 08:09
♪なえさん

おとうさん、あるいはおじいさんのような歳の恋人ってのも
今の若い女子にはありなのかも。

タコ坊主で腹立つ日常にはこんなロマンチックな映画で心和ませてください。

9年剪定しないままの庭ってまさに茂れる宿の八重葎ですね。
そもそも同じ大家さん(でしたよね)の土地に後入りしてきたタコがどうしてそんなに威張るんだ?
寺号楽しみにしてます。
Commented by アイスケーキ at 2016-09-03 20:59 x
ジュゼッペ・トルナトーレ。
好きな監督さんです。

「星と同じように、死んだ人も
愛する人を思う気持ちが強ければ
語りかけ、何かを贈ることが出来るのですね。」
良い言葉ですのう。

寺回「ぶっ飛ばされる」ストーリー
楽しみにしています。
Commented by Mtonosama at 2016-09-04 07:30
♪アイスケーキさん

トルナトーレ監督、作品発表の度に度胆を抜いてくれます。

内容もそうですが、
今回はイタリア湖水地方の風景やエディンバラの街並みにも
心躍ります。