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殿様の試写室

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ダゲレオタイプの女 -2- LA FEMME DE LA PLAQUE ARGENTIQUE


ダゲレオタイプの女

-2-

LA FEMME DE LA PLAQUE ARGENTIQUE

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(C)FILM-IN-EVOLUTION - LES PRODUCTIONS BALTHAZAR - FRAKAS PRODUCTIONS - LFDLPA Japan Film Partners - ARTE France Cinema


その昔、写真を撮られると魂が抜かれる、とか
三人で写真を撮ると真ん中に位置した人は早死にする、とか
150歳のとのは子どもの頃、写真にまつわる迷信の類をよく聞かされました。

今のカメラでは
魂が抜かれるなど、考えつきもしません。
でも、ダゲレオタイプのカメラで撮影するために長時間拘束されていれば
失神なんてこともありましょう。

失神って魂が抜けちゃうことですよね。

写真=真を写す

さあ、真を写しとった後に残るのは、真実でありましょうか。
それとも、うつせみでありましょうか――

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ストーリー
その屋敷は工事現場が拡がる古い路地の一角にあった。
ジャンが屋敷内のスタジオに入っていくと、
そこにいたのは気難しそうな顔をした写真家のステファン。
ジャンは撮影助手として採用された。
スタジオ内には奇妙なカメラや器具が並ぶ。
それはダゲレオタイプのカメラ。
170年前のものでその技術は滅びたが、
ステファンはここで再現しているのだ。

写真のモデルとしてブルーのドレスをまとうステファンの娘マリー。
ジャンはその手、腰、頭を拘束器具で固定する。

マリーの夢は植物園で働くこと。
家から遠く離れたトゥールーズの植物園での面接が決まった。
マリーはジャンに喜びを伝える。
父のことは気になるが、彼女は自分の道を進むつもりだった。

棺に納められた赤ん坊の遺体を撮影するステファン。
マリーはそれを視て涙を浮かべる。
ジャンに心を許し始めていたマリーは
自分と同じようにダゲレオタイプのモデルを
していた母が屋敷内の温室で自殺したことを告白する。

ある日のこと、写真資材を買うためにパリ市内にでかけたジャンは
ステファンの知人ヴァンサンから声をかけられる。
ヴァンサンと一緒にいたのは不動産業を営むトマ。
ステファンの館は再開発地区の中心にあるので、600万ユーロで売れるという――

ある晩のこと、ステファンは自分の名を呼ぶ声を聞いたような気がした。
振り返ると女の影が地下へ降りていく。
同じ頃、マリーは気配を感じてスタジオを覗くが、
その途端、何者かに押されたように階段から転げ落ちる。

ステファンは何の処置も施さず嘆くばかり。
ジャンはマリーを病院に連れていくため車を走らせるのだが……

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西洋人が西洋の風景と西洋の建物の中で演じる怪談。
ホラーというとどうしてもおどろおどろしい感じがしますが、
本作におどろおどろしさはありません。

幽霊やお化けって
西洋と日本ではその表現も解釈もずいぶん違うのではないのではないでしょうか。
気味悪さへの感覚も違うように思います。

その点、本作はれっきとした怪談 Kwaidanであります。

父親のために自分の夢も諦め、
失神するまでその身を拘束具で締め付けさせるマリー。
「お前に永遠を与えたのになぜ俺を恨むのだ」と
妻の亡霊に叫ぶステファン。
そして、マリーへの愛に身を焦がし、窶れていくジャン。
東海道四谷怪談の伊右衛門や
牡丹灯籠の新三郎やお露そのものではありませんか。

外国のホラーといえば
スプラッターと思っていらっしゃる方には
案外新鮮なホラー映画かもしれません。
あ、違いました。
Kwaidanです。






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ダゲレオタイプの女
監督・脚本/黒沢清、プロデューサー/吉武美知子、ジェローム・ドプフェール、共同製作/ジャン・イブ・ルーバン、定井勇二、オリヴィエ・ペール、レミ・ビュラ、フランス語翻案/カトリーヌ・パイエ、エレオノール・マムーディアン、脚本コンサルタント/黒沢弘美、撮影/アレクシ・カヴィルシーヌ、製作/FILM-IN-EVOLUTION、LES PRODUCTIONS BALTAZAR、共同製作/FRAKAS ORODUCTIONS、ビターズ・エンド、ARTE FRANCE CINÉMA
出演
タハール・ラヒム/ジャン、コンスタンス・ルソー/マリー、オリヴィエ・グルメ/ステファン、マチュー・アマルリック/ヴァンサン、マリック・ジディ/トマ、ヴァレリ・シビラ/ドゥーニーズ、ジャック・コラール/ルイ
10月15日(土)ヒューマントラストシネマ有楽町、新宿シネマカリテほか全国ロードショー
2016年、フランス=ベルギー=日本、131分、http://bitters.co.jp/dagereo/

by Mtonosama | 2016-10-07 05:18 | 映画 | Comments(8)
Commented by すっとこ at 2016-10-07 18:50 x
うおおおおおおおおおおおおおおおおおお!

文字の大きさが直りましたね。

なんか ちょっと残念(おいこら)。
デカ文字が売りの 他にない類を見ない
ビッグブログで あり続けて欲しかった
ような・・・。

銀盤写真のモデル、拘束される過程から
すでにエロい、もとい 艶かしいですよね。

今日のポチッと! は こちらも普通の手で
打ちますね。通常大きさの笑。
Commented by Mtonosama at 2016-10-08 08:40
♪すっとこさん

なんだったんでしょうねえ。あのデカ文字。
今はブログ画面全体が大きいんですけど・・・

直し方わかるんだけど、その際に肝心かなめとなるツールバーが消えちゃって出てこないんだよね(-_-;)

そうそう、拘束されるところ相当エロい。
おっと~、すっとこさん、S入ってる?

今日もポチッをありがとうございました。

Commented by ライスケーキ at 2016-10-08 14:59 x
字が元のサイズに戻りました。
やはり、こっちも方が落ち着くかな。

スプラッターもホラーも嫌いだけど、
Kwaidanは、面白いかも。

昔は、写真撮ってもらうのも
大変でしたね。
Commented by Mtonosama at 2016-10-08 16:37
♪ライスケーキさん

なんにもしないのに字のサイズが戻りました。
なんだったんでしょうね。

飼い主の言うことをきかないなんてひかちゃん並みのPCですわ。
Commented by なえ at 2016-10-08 23:44 x
文字の大きさに翻弄されたのは、それはやはり「ゲロゲロタイプの女」、あ、ちがった、「ゲゲゲの女」の呪いでしょう。
私もpoirier_AAAさんと同感でもうちょっとマシなタイトルなかったのかと思います。

秋になって友達が癌で亡くなり、別の友達は癌が見つかり、治療のために仕事をすべて辞めました。そういう年代になったんだなあとつくづく思います。

びなちゃんさん
何てことでしょう!そんな急変するって!?パニックになられたのでは?外猫は色々な病気に感染している可能性は大なので、そういうこともあるのかもしれません。4年と3カ月、でもびなちゃんさんに存分に甘えられて幸せだったと思います。きっと最後にありがとうを言いたくて帰宅を待ってたんでしょうね。
Commented by びなちゃん at 2016-10-09 02:39 x
くまさん、猫の事でコメント欄わお借りします🙇
<なえさん
お言葉ありがとうございます。でも辛くて彼女が残した外の爪研ぎの痕や寝ていた籠などもう堪りません。 
急にとは言っても思うにオカシイ兆候はあったのです。数日食欲が無かった、鼻が白くなっていたなどなど。甘えてきてるときにもっと相手してあげれば良かったと後悔だらけです。
獣医いわく黄疸が耳と鼻(白く見えてたのは黄疸だったのです。もう一月以上はそうなっていた。)獣医に、朝イチで連れて来てたら助かりましたかと聞きましたが、この黄疸の状態だと難しかったろうと。
肝臓からか血液からの黄疸だそうです。エイズだったのでそれも影響してたか?病院のケアクラブに彼女は入ってたので毎月ただで診察出来る特典があったのにしてませんでした。
実は内猫も二匹ここ一月の同時に体調悪くそちらに気をとられていたというのも後悔です。
はあ。多頭飼いは愛情のかけ方と管理が手薄になってしまいますね。
はあ、沢山聞いて欲しい事、有りすぎです。ここまでにします。残った猫達の世話を全うします。  
ありがとうございました。           ギ    デ
Commented by Mtonosama at 2016-10-09 05:31
♪なえさん

ダゲレオタイプ――評判悪いですなあ。
私は気に入ってるタイトルなんですけど(^-^;

お友達のことご愁傷様です。
親や祖父母が亡くなるのは順番からいっても仕方ないことですが、
友人が亡くなるのは本当につらいです。
私は親友の死と母の死が重なってへなへなと腰が砕けました。
今、友人がガン治療中です。彼女の場合、飼い犬も具合が悪くなり、
自分のこと以上に犬の看護に心を配っているとのこと。
私も今日ガン検診に行ってきました。
Commented by Mtonosama at 2016-10-09 05:35
♪びなちゃんさん

爪とぎのあとや籠・・・
そういうのが一番辛いですね。

言葉もありません。
できるだけのことはなさったと思います。
どうぞ、ご自分を責めないように。

by Mtonosama