ヒトラーの忘れもの -1- LAND OF MINE
ヒトラーの忘れもの
-1-
LAND OF MINE
(C)2015 NORDISK FILM PRODUCTION A/S & AMUSEMENT PARK FILM GMBH & ZDF
ああ、もう少年と聞くだけで心が騒ぎます。
自分、少年フェチだったのか・・・
今回、当試写室で上映するのは『ヒトラーの忘れもの』です。
オリジナルタイトルは“Land of Mine”
“地雷の国”です。
第二次世界大戦後にデンマークに置き去りにされた
ドイツの少年兵たちを描いた作品で、
デンマークの人たちですらあまり知らなかった史実。
その監督・脚本を担当したのはマーチン・サントフリートです。
マーチン・サントフリート監督
1971年デンマーク出身。
演出・脚本を独学で学び、編集マンとしてキャリアをスタート。
さまざまなドキュメンタリー映画の編集を手がけてきたが、
初めて監督した『Angels of Brooklyn(原題)』(‘02)が
ロバート賞(デンマーク・アカデミー賞)最優秀長編ドキュメンタリー賞受賞。
『Applause(原題)』(’09)で各方面から高い評価を受ける。
本作はニコライ・リー・コスを主演に迎えた
『Dirch(原題)』(‘11)に続く作品。
現在、ジャレット・レト、浅野忠信出演の『The Outsider(原題)』を準備中。
ジャンルとしてはナチものですが、
13、14歳の少年もドイツ軍であればナチなんでしょうか。
ま、そうなんでしょうねえ・・・
この映画の舞台はデンマーク。
デンマークからドイツにつながるユトランド半島の西海岸は
北海に沿って遠浅の海岸線が続く美しい地形です。
でも、第二次世界大戦はこの海岸線を変えてしまいました。
1939年に勃発した第二次世界大戦は
1941年6月に独ソ戦が始まり、12月には日本も参入し、
日独伊の枢軸国と英米ソの連合国とが対立する形になりました。
そして、1942年ドイツ軍は
大西洋側からの英米軍の侵攻に備え、
スカンディナヴィア半島からピレネー山脈に至る海岸線に
「大西洋の壁」と呼ばれる防御線を築き始めました。
総延長約2600km。
(北海道から沖縄までの日本列島の総延長が3000kmです)
この長い防御線にナチスドイツは砲台、トーチカを築き、
無数の地雷を埋めたのです。
デンマークの西海岸は「大西洋の壁」の内、400kmを占め、
そこに埋められた地雷は約150万個と言われています。
デンマークに駐屯した20万人のドイツ将兵の内19万人程は
1945年6月までに武装解除され、ドイツに戻されました。
しかし、1万人を超える兵士は「捨てられた敵国人」として
兵籍を外され、デンマークに残されて様々な任務に充てられました。
さて、大戦末期のこと。
ドイツの徴兵年齢は10代半ばまで下げられました。
日本でいえば、中学2~3年の少年たちです。
こうした少年兵たちがデンマークで
150万個に及ぶ地雷撤去作業に従事させられたのです。
本来なら、ドイツ将兵にもジュネーブ協定が適用され、
地雷除去の強制というような作業は禁止される筈でした。
ところが、第二次大戦中、デンマークはドイツの保護国であり、
ジュネーブ条約の適用外であったことから、
この少年兵たちの悲劇が生まれました―――
舞台は美しい白い砂浜と青い海。
そして、登場するのは少年たち。
それも細いうなじが子ども子どもした幼い少年兵です。
美しい白い砂浜に埋まった地雷。
この皮肉な対比が観る者をひきつけてやみません。
さあ、いったいどんなお話でしょうか。
続きは次回までお待ちくださいませ。
乞うご期待でございます。
続
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☆12月7日に更新しました。いつも応援して下さってありがとうございます☆
ヒトラーの忘れもの
脚本・監督/マーリン・サントフリート、プロデューサー/ミケール・クリスチャン・リークス、撮影/カミラ・イェルム・クヌスン
出演
ローラン・ムラ/カール・レオポルド・ラスムスン、ミゲル・ボー・フルスゴー/エベ大尉、ルイス・ホフマン/セバスチャン・シューマン、ジョエル・バズマン/ヘルムート・モアバッハ、エーミール・ベルトン/エルンスト・レスナー、オスカー・ベルトン/ヴェルナー・レスナー
12月17日(土)シネスイッチ銀座他にて全国順次ロードショー
2015年、デンマーク・ドイツ、カラー、101分、ドイツ語・デンマーク語・英語、日本語字幕/吉川美奈子、配給/キノフィルムズ/木下グループ
捕虜でも人道的扱いをされるべきところ、
その「デンマークはドイツの保護国であり、
ジュネーブ条約の適用外」ということで、どうなと
されてしまったということでしょうか?
いつも社会の弱者が一番に犠牲にされますね。
「どれほど多くの庶民が死ななければならないのか、
自分たちが一番の被害者だと分かるまでに」とボブ・
ディラン風に言いたくなります。
その友人の方、臨死体験されたんですか!?
「どうなとされてしまった」んですね。
日本兵のシベリア抑留と同じ感じなんでしょうか。
でも、この映画はラストシーンに全てがこめられています。
感動しちゃった!!
臨死体験。
そうなんです。彼女、オーストリアにいるときに手術して危ない目にあったのですが、その時に臨死体験したと言ってました。
彼女は私たちが会った3年前に夫を亡くしたのですが、「いつも私の 右肩のところで見ていてくれるから寂しくないよ」とも言いました。大学時代はそうでもなかったけど、結構霊感の強い人なんです。
でも、彼女の「死ぬときはとっても気持ちがいいんだから」という言葉は死への恐怖を和らげてくれています。
海岸線に沿って地雷を埋めるなんて、
それをまた少年たちに掘り起こさせるなんて、
大人って一体何をやっているんでしょう?本当にどうしようもないですよね。戦争には絶対に反対です。
少年に地雷除去作業をさせるなんて、
かわいそうとか、悲惨とかじゃなくて、
これが戦争なんですね。
こんな事は戦争を始めた輩がやれば
良いんです。
何で 戦争が無くならないんだろう。
人は亡くなる時、脳から気持ちの良くなる
物質ーーードーパミンだったかなーーーを
出すそうです。
だから、死は怖くない。
テレビの「脳科学」番組でやっていました。
人って良く出来てますね。
私も100歳過ぎたから 死ぬときは
「ありがとう」って死にたいなどと
時々考えるようになりました。
歳はとりたくないね。
男の子を持つ親にとってはつらい映画です。
指の間から覗くように観た101分でした。
それだけにラストには感動!
あ、こんなこと言ってはいけないのかも・・・
フランスではもう公開されたのでしょうか?
もう十数年前のことになりますが、カンボジアに行った時、アンコールワットで多くの子供たちが物乞いをしていました。彼らの中には手や足を無くし、車をつけた板に乗って移動している子もいました。子どもだけではなく老人も不自由な体で物乞いをしていました。
地雷はとても残虐な兵器です。子どもたちの未来を奪う兵器だと聞いたことがあります。
ナチスが埋めたからナチスの少年兵が撤去する・・・
筋が通っていればそれでいいのか。
言葉を失います。