エリザのために -1- Bacalaureat
エリザのために
-1-
Bacalaureat
(C)Mobra Films - Why Not Productions - Les Films du Fleuve – France 3 Cinema 2016
ルーマニアの映画です。
ルーマニアと聞いて連想するのは
やはり、チャウシェスク大統領夫妻が処刑される映像です。
1989年にポーランドで民主的な政権が成立した際、
ルーマニアにもこのような動きが波及することを恐れたチャウシェスクは、
ワルシャワ条約機構軍による軍事介入をソ連に要請した。
(「プラハの春」の時とは真逆!)
しかし、ソ連のゴルバチョフはこの要求を一蹴し、
チャウシェスクは事実上ソ連に見限られる形となった。
彼はなおも権力の維持を図ろうとするが、
首都ブカレストを含めて全国規模で暴動が勃発。
ソ連の介入がないことが確定的となったため、
ルーマニア国軍もチャウシェスク政権に反旗を翻した。
同年12月に起きたルーマニア革命でチャウシェスクは完全に失脚し、政権は崩壊。
12月25日、逃亡先のトゥルゴヴィシュテにおいて、
革命軍の手によって妻エレナとともに公開処刑(銃殺刑)された。
https://matome.naver.jp/odai/2141121646879065101
あれから30年近く経とうとしています。
すっかり民主化され、独自の国づくりを図っているとばかり思っていました。
ルーマニアの監督クリスティアン・ムンジウは
『4ヶ月、3週と2日』(’07)で、チャウシェスク政権末期1987年のルーマニアを舞台に
妊娠したクラスメートの違法な中絶を助けようと走り回る主人公の一日を描きました。
彼は、この映画で第60回カンヌ国際映画祭のコンペティション部門に選ばれ、
ルーマニアに初のパルムドールをもたらした監督です。
更に、第65回カンヌ国際映画祭では
『汚れなき祈り』で女優賞と脚本賞を受賞。
本作『エリザのために』は第69回カンヌ国際映画祭で監督賞を受賞した作品。
卒業試験に娘を合格させようと違法なコネとツテを使い、
奔走する親の姿を描きました。
あの激しい流血の日々を経て、
ルーマニアは新しい国づくりを着々と進めているとばかり思っていました。
ところが、ルーマニア社会にはびこるのは
違法な口利き、コネ、裏工作、袖の下。
手術の順番がコネで入れ替えられ、
医者に謝礼を渡すのは常識で、
卒業試験の解答用紙はなぜか警察署長の手に渡り、
娘の卒業試験の合格が危うくなれば
ツテのある副市長があることを交換条件に
試験官に口利きしてくれる・・・
そんな社会を憎み、真面目に生きてきた一人の医師。
愛娘をこんな国で生きていかせるわけにはいかないと
イギリス留学をさせようとするのですが―――
おっと、ここでばらしてしまってはいけませんね。
とのが敬愛するダルデンヌ兄弟監督も
共同プロデューサーとして参画する本作。
さあ、いったいどんな映画なのでしょう。
続きは次回まで乞うご期待でございますよ。
続
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☆2017年1月26日に更新しました。いつも応援して下さってありがとうございます☆
エリザのために
監督・脚本/クリスティアン・ムンジウ、撮影/トゥドル・ヴラディミール・パンドゥル、共同プロデューサー/パスカル・カシュト、グレゴァル・ソルラ、ヴィンセント・マラヴァル、ジャン・ラバディ、ジャン=ピエール&リュック・ダルデンヌ、プロデューサー/クリスティアン・ムンジウ
出演
アドリアン・ティティエニ/ロメオ、マリア・ドラグシ/エリザ、リア・ブグナル/マグダ、マリナ・マノヴィッチ/サンドラ
2017年1月28日(土)新宿シネマカリテ、ヒューマントラストシネマ有楽町ほか全国順次公開
2016年、ルーマニア、フランス、ベルギー、カラー、ルーマニア語、128分、後援/ルーマニア大使館、配給/ファインフィルムズ、http://www.finefilms.co.jp/eliza/
チャウシェスク!この独裁政権が倒れたニュースには
拍手を送ったもんです。
「すっかり民主化され、独自の国づくりを図っているとばかり思っていました」って、私も思ってましたが、え!?ということは・・・どんな社会も、悪や腐敗に無関係というわけではないけれど、「あの激しい流血の日々を経て、ルーマニアは新しい国づくりを着々と進めているとばかり思って」いたので、残念です。
ところでダルデンヌ兄弟監督というのは、以前紹介のあった
「サンドラの~」の監督ですね。そうだ、この映画も見ようと
思ってそのままだった~(*_*)。
医師の娘は果たして無事に留学できるのでしょうか??
(きっと簡単にはいかないに違いないよと思いつつ、、、)次回を楽しみにしています。
タコ坊主はどうでした?
チャウシェスクねえ。人間というのは死ぬときは本当にあっけないものです。あれだけブイブイ言わせていたのが、夫婦もろともボロ布のようになってしまうんですから。あの画像はトラウマみたいに残っています。だからこそ、未だにコネや口利きやら、自分の権力を利用して自分や家族や身内の便宜をはかる社会のまま、というのになんかショックを受けてしまいました。
私ももう一度「サンドラ~」観てほっこりしようかな。とりあえずはひかちゃんのモフモフ触ってショックを和らげよ(^-^;
主人公は不正に腹を立てていたからこそ、娘を留学させようとした筈だったんです。娘も成績優秀だったのに、バカロレアの前日に事件に遭ったことから、夢が狂い始めてきます。そして、父は旧体制の遺していった悪習に自ら身を染めていく・・・
わからないじゃないけど、悲しいなあ。流された革命の血はなんだったのか。
あ、すいません。コメントでばらしてしまったでしょうか。ズキッと刺さる映画でした。