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殿様の試写室

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ザ・ダンサー -2- La Danseuse


ザ・ダンサー
-2-

La Danseuse

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(C)2016 LES PRODUCTIONS DU TRESOR - WILD BUNCH - ORANGE STUDIO -
LES FILMS DU FLEUVE - SIRENA FILM



モダンダンスの祖といえば
本作にも登場する
イサドラ・ダンカンだとばかり
思っていました。
でも、その世界では
3人の女性の名が挙げられます。
それが本作の主人公ロイ・フラー(1862~1928)
イサドラ・ダンカン(1877~1927)
ルース・セント・デニス(1879~1968)
皆アメリカ人です。

フラーもダンカンも
ヨーロッパで有名になり、
その後もヨーロッパを中心に活躍しました。
とてもフランス的な2人なのに
フラーはシカゴ、
ダンカンはサンフランシスコの出身。

ダンスが目を瞠るほどきれいです。
さあ、時代の先端を走った女性たちは
どんな生き方をしたのでしょう。

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ストーリー
父を亡くした
マリー=ルイーズ・フラーは
NYで暮らす母を頼って田舎町を後にする。

幼い頃から女優を夢見ていた彼女は
母の目を盗んでは
オーディションに出かけるようになった。
ようやくつかんだ役はたった3分の出番。
ところが、
本番で、落ちそうになったスカートの
裾をつまんで回転すると観客から拍手喝采。

それが天啓だった。
彼女の頭には
衣装と舞台装置のアイデアが
次から次へと浮かんでくる。
それをスケッチして衣装を作り、
ダンサー名もロイ・フラーに改名。

自らデザインした衣装をまとい
舞台デビューを果たすロイ。
幕間の5分間だけだったが・・・
大半の客はロビーに出ていたけれど、
残っていた客は彼女のダンスに大喝采を送る。
その中に
運命の人、ルイ・ドルセー伯爵がいた。

しかし、母親に止められて
舞台を休まざるを得なかったロイは
劇場をクビになってしまう。
しかも、彼女が考案したダンスを
別の女優が勝手に踊っていた。
ルイに相談すると
彼の弁護士から
フランスには「特許」があるが
アメリカにはないのだと教えられる。

パリへ旅立つロイ。
旅費はルイの机の上にあった金を無断で借りた。

パリに着いたロイは
有名なフォリー・ベルジェールへ直行。
支配人には門前払いされたものの
ロイの舞台装置のデッサンに感心した
マネージャーのガブリエルの後押しの
おかげで採用される。

自ら設計した4色の照明に照らされ
幻想的に舞うロイ。
翌朝の新聞には絶賛の評が。
ロイは一夜でスターになる。

そこに現れたのがルイ。
彼はアメリカ人の富豪女性と
離婚し、帰国していたのだ。
その日から
ルイのシャトーで2人の共同生活が始まる。
ロイは練習場所が、
ルイはロイの金が必要だったからだ。

やがてルイの計らいで
オペラ座公演が決まる。
ロイを慕って集まった若いダンサーの中から
イサドラ・ダンカンを抜擢。

凝った衣装と舞台装置によって
観客を感動させるロイとは違い
イサドラはその存在と美しい姿で
優美に舞い、人々を魅了する天性のダンサーだった。

イサドラへの複雑な思い、
重い衣装に耐えてきた肩の痛み、
強い照明に痛めつけられた瞳、
バレエの殿堂オペラ座が放つ
無言のプレッシャー―――

ロイはこの試練をどのように
切り抜けていくのか……

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もう、陶然としてしまいました。

そのロイ・フラーを演じたのは
ミュージシャンのソーコ。
ロイ・フラーのダンスを研究するダンサー
ジョディ・スパーリングの大特訓を受けての出演です。

映画の中でも
ダンスが終わり、精も根もつきはてたフラーが
舞台の袖から担架で運ばれるシーンがあります。

重い棒を肩に支えて
衣装を操るため、
体力を消耗し、3日おきにしか
踊れなかったというハードなダンスです。
それをソーコは見事に自らのものとしました。

あ、そうそう、
ロイに見いだされ、
後に最大のライバルにもなる
イサドラ・ダンカンを演じたのは
ジョニー・デップとヴァネッサ・パラディの娘
リリー=ローズ・デップ。
1999年生まれの18歳ですが、
あどけない顔立ちの中に
時折光る妖艶な美しさは
七光りを越えています。

ダンス好きには見逃せない映画ですよ。





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ザ・ダンサー
監督・脚本/ステファニー・ディ・ジュースト、
共同・脚本/トマ・ビドカン、撮影/ブノワ・ドビー、
美術/カルロス・コンティ、衣装/アナイス・ロマン
出演
ソーコ/ロイ・フラー、ギャスパー・ウリエル/ルイ・ドルセー伯爵、リリー=ローズ・デップ/イサドラ・ダンカン、メラニー・ティエリ/ガブリエル、フランソワ・ダミアン/マルシャン
6月3日(土)新宿ピカデリー、シネスイッチ銀座、Bunkamuraル・シネマ他にてロードショー
2016年、フランス・ベルギー、仏語・英語、108分、日本語字幕/横井和子、配給/コムストック・グループ、配給協力/キノフィルムズ、
http://www.thedancer.jp/

by Mtonosama | 2017-05-28 06:43 | 映画 | Comments(4)
Commented by なえ at 2017-05-30 19:40 x
私もイサドラ・ダンカンの名前は知ってましたが、彼女のことは初めて知りました。踊りを色々な角度から効果的に演出する
まさに総合芸術家だったんですね。

体力的にきつそー。若い力のある時しかできないかも。でもすごく迫力あるし、本物を見たかったなあ。今はこのフラー流を受け継いでる人はいないのかしらね。

1枚目の写真で三味線を引いてる人は川上音二郎はんどすか?
この頃に既に東西の交流があったなんて、芸術に国境なしということでせうか?

京都はいつやるのかな?ただ、今ちょっと仕事が増えて、自転車操業の毎日だす~(@_@)
Commented by ライスケーキ at 2017-05-30 21:19 x
今観ても斬新なダンスですね。
素晴らしい。

リリー・ローズ・デップ。
これからが、楽しみです。
ちゃんと親の才能を受け継いでいるのが、
素晴らしい。
それなりの教育も受けたんでしょうね。
Commented by Mtonosama at 2017-05-31 05:49
♪なえさん

お仕事が多いのは結構でんな。合間を縫ってちびっとでも観に行く時間があるとええですけど。パリ万博とかあったりしましたから、日本の音二郎さんとか陶芸品とか欧州に拡がっていったのではないでっしゃろか。それにしても宮殿で踊るフラーさんの横にお三味を弾く男性をみつけはったんはすごい(^^♪

主演のソーコさんが出演にあたり、フラーのダンスを習ったというから、今でも観られるかも。すごい重労働なんだっていうけど、いまなら軽い道具があるかもしれませんね。
綺麗だった♡
Commented by Mtonosama at 2017-05-31 05:51
♪ライスケーキさん

リリー・ローズ・デップ。おとうさん似ですね。お母さんも女優さんだから親の十四光といわれないように本来の才能を伸ばしていってほしいものです。才能を受け継ぐって何にもまさる宝だよなぁ。羨ましい。

by Mtonosama