台湾萬歳 -1-
台湾萬歳
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(C)「台湾萬歳」マクザム/太秦
台湾映画はドキュメンタリーも劇映画もいろいろ観てきました。
どれもゆったりとした大らかさが感じられますし、
懐かしい感じがして好きです。
昨年11月当試写室で上映した『湾生回家』は
http://mtonosama.exblog.jp/26768412/
http://mtonosama.exblog.jp/26813602/
日本占領時代に台湾に暮らした日本人たちが
台湾に寄せる想いを綴った
ホァン・ミンチェン(黄銘正)監督の作品。
これも印象深い映画でした。
今回、当試写室で上映するのは
酒井充子監督の台湾三部作の最終章
『台湾萬歳』です。
三部作第一章『台湾人生』(’08)
日本の統治下にあった1895年から1945年の間の台湾では、
同化政策として日本語教育を強要され、
日本人として生きる世代が生まれました。
青春時代を日本の統治下で過ごした
“日本語世代”と呼ばれる5人の台湾人に
当時の様子や戦後の国民党独裁時代についてインタビューを行い、
台湾と日本の密接な歴史を振り返った作品です。
続く『台湾アイデンティティ』(’13)では
第二次世界大戦、二二八時代、白色テロという歴史のうねりによって
人生を歩み直さなくてはならなくなった6人の台湾人を通し
台湾の戦後の埋もれた時間を描き出しました。
当試写室でも2013年6月と7月に上映しています。
http://mtonosama.exblog.jp/19923846/
http://mtonosama.exblog.jp/19944481/
そして最終章『台湾萬歳』では
時代は変わっても台湾の海や大地に向き合い、
生きている人々が描かれています。
前二作が
変わりゆく台湾を老人たちの言葉を通して
描いたものだとしたら、
本作は
何があっても変わらない
台湾の芯のようなものを描き出した作品です。
本作の舞台となったのは
台湾の原風景が色濃く残る台東縣。
台東縣は台湾南東部にある人口22万5千人の地域で
アミ族、ブヌン族、タオ族など
多様な民族が暮らしています。
台湾には原住民族が暮らしていましたが、
17世紀以降、大陸から漢民族の移住が活発化。
為政者はオランダ、鄭成功親子三代、清、日本
と移り変わりました。
鄭成功
1624年8月27日 - 1662年6月23日
中国明代の軍人、政治家。
日本の平戸で父・鄭芝龍と日本人の母・田川マツの間に生まれた。
日本名は福松。
清に滅ぼされようとしている明を擁護し
抵抗運動を続け、
台湾に渡り、鄭氏政権の祖となった。
様々な功績から隆武帝は明の国姓である「朱」と
称することを許したことから国姓爺とも呼ばれていた。
近松門左衛門の「国性爺(こくせんや)合戦(かっせん)」は彼を題材にした作品。
台湾・中国では民族的英雄として描かれており、
特に台湾ではオランダ軍を討ち払ったことから、
孫文、蒋介石とならぶ「三人の国神」の一人として尊敬されている。
Wikipediaより
台東縣で暮らす人々の生活の中心には
「祈り」「命への感謝」「家族」があります。
Formosa
「美しい島」
台湾
美しい島というのはその大地を指すだけではありません。
東日本大震災の時には
台湾から200億円を超える義援金が寄せられました。
1895年から1945年までの半世紀にわたる
日本の統治時代には嫌なことも数々あったと思われるのに、
それでも彼らが示してくれた想いには
頭が下がります。
さあ、いったいどんなお話でしょうか。
続きは次回までお待ちくださいませ。
続
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☆7月12日に更新しました。
台湾萬歳
監督/酒井充子、エグゼクティブプロデューサー/菊池笛人、統括プロデューサー/小林三四郎、プロデューサー/小関智和、陳韋辰、撮影/松根広隆
出演
張旺仔、許功賜、潘春連、柯俊雄ほか
7月22日(土)ポレポレ東中野ほか全国順次公開
2017年、日本、カラー、93分、製作/マクザム、太秦、配給/太秦、http://taiwan-banzai.com/