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三里塚のイカロス -1- The Fall of Icarus:Narita Stories


三里塚のイカロス
-1-

The Fall of Icarus:Narita Stories

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(C)2017 三里塚のイカロス製作委員会


三里塚
成田市の南東部。かつては佐倉七牧のひとつ。
取香(とっこう)牧と呼ばれる原野の一部。
地名は佐倉城、あるいは香取郡多古町の中村檀林から
三里目の距離にあることに由来するともいわれている。
明治期に入り,宮内省の下総御料牧場が創設されたが、
1969年(昭和44)閉場となり,跡地は成田国際空港となった。
https://blogs.yahoo.co.jp/diftuiheiji/18874819.html

ここには三里塚闘争のことは一言も触れられてはいませんが、
今から半世紀前、
三里塚闘争という闘いがありました。

この闘争は
関ケ原の戦いのように教科書にこそ載ってはいません。
しかし、国家権力を相手に
農民たちが先祖代々の土地と生活を守るために立ち上がり、
市民、学生も共に集結した闘いです。

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1966年7月成田に新空港を建設することが閣議決定され、
これに先立つ6月に地元農民たちは反対同盟を結成したのでした。

50年前には
ベトナム戦争もありました。
いま雑貨好きの女子たちが訪れるホーチミン市やハノイ市。

ホーチミン市は昔サイゴンという名でした。
サイゴン川を越えて頭上をロケット砲が
飛んできましたし、
緑豊かなハノイの路上には当時
タコつぼと言われる一人用の防空壕が掘られていました。
爆撃があった時には皆そこに潜り込んだものです。

まるで見てきたようなことを言っていますが、
そこはそれ、150歳ですので。

当時、日本では
若者たちがベトナム反戦を旗印に
1968年には世界的な動きでもあった
学生運動に燃えていました。

彼らが三里塚に向かったのはある意味、当然の流れでした。

ところで気にはなるのは本作のタイトルです。
なぜ『三里塚のイカロス』なのでしょう。

イカロス
イカロスとはギリシャ神話に登場する人物の一人。
蜜蝋で固めた翼によって飛ぶ力を得るが、
太陽に接近し過ぎて、翼が溶けてなくなり、墜落して死んだ。
イカロスの物語は
人間の傲慢さやテクノロジーを批判する神話として有名であると共に
手の届かない理想を抱いたものの寓話として語られる。

150歳としては三里塚に集まった人たちを
イカロスになぞらえることに
一抹の寂しさを感じざるを得ません。
若い頃なら平気だったし、
かっこいいと思ったかもしれませんが・・・

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『三里塚のイカロス』は
「映画芸術」日本映画ベストテン第3位、
日本映画ペンクラブ文化映画部門第2位、
「キネマ旬報」文化映画ベストテン第4位に輝いた
『三里塚に生きる』('14)の姉妹編です。
http://mtonosama.exblog.jp/23299573/ http://mtonosama.exblog.jp/23315643/

『三里塚に生きる』は大津幸四郎(’14没)と代島治彦との共同監督で、
あの時、国家と闘った農民の人生を中心に描かれています。

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一方『三里塚のイカロス』では
農民と共に闘った若者たちを描いています。
撮られなくてはならなかった映画です。

監督は代島治彦。
登場するかつての若者は
25年にわたって三里塚闘争の責任者だった岸宏一さん。
農民支援に入った農家の息子と結婚した
秋葉恵美子さん、前田深雪さん、加藤秀子さん。
義勇兵として闘いに参加した元国鉄労働者・中川憲一さん。
三里塚闘争をテレビで観て、
京都から駆けつけた当時高校生だった活動家・平田誠剛さんです。
農民運動家や元空港公団職員などもいます。

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監督は彼らを三里塚の地に呼び、
あの日々のこと、その後の50年のことを
じっくりと聞き出しています。

あの日々を記録として残すかのように
語りたくても語れなかったことを
彼らは語りました。
彼らにとってもこの映画は遺言のつもりだったのかもしれません。

さあ、今では60代、70代になった彼らの言葉を聞いてみましょう。

続きは次回までお待ちくださいませ。



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☆8月15日に更新しました。いつも応援してくださってありがとうございます☆

三里塚のイカロス
製作・監督・編集/代島治彦、撮影/加藤孝信、整音・音響効果/滝澤修、音楽/大友良英、写真/北井和夫、アニメ作画/下田昌克、アニメ編集/竹内洋祐、演奏/坂田明、山崎比呂志、江藤直子、北陽一郎、今込治、木村仁哉、大友良英
出演
加瀬勉、岸宏一、秋葉恵美子、秋葉義光、前田深雪
9月9日(土)シアターイメージフォーラム他全国順次公開
日本、カラー&白黒、140分、配給/ムヴィオラ、スコブル工房

by Mtonosama | 2017-08-15 06:36 | 映画 | Comments(2)
Commented by なえ at 2017-08-16 19:17 x
三里塚!
150歳の私たちには、ある感慨のある名前ですね。
感慨というには苦いですが。
あれほど過激に走らざるを得なかったのか、他に方法は
なかったのだろうかとか、老婆の心は老婆心で揺れるので
あります。

ほんと、何でイカロスなのか?希望的解釈としては「自由に空を飛ぶ権利をもぎ取られた人達」なんて?

Commented by Mtonosama at 2017-08-17 06:45
♪なえさん

なつかしいし、語らなくてはいけないのに、臆してしまう自分がいるというのはどうしたことでしょう。

この映画で語った人たちは勇気があると思います。自分をイカロスだと思ったから語れなかった、あるいは、語ったということではあってほしくないような・・・

と常にもまして(ププ)真面目な150歳です。