ブログトップ | ログイン

殿様の試写室

mtonosama.exblog.jp

殿が観た最新映画をいち早くお知らせ!

三里塚のイカロス -2- The Fall of Icarus:Narita Stories


三里塚のイカロス
-2-

The Fall of Icarus:Narita Stories

f0165567_5464424.jpg

(C)2017 三里塚のイカロス製作委員会


60年代、70年代のBGMというと
ある人にとっては黛ジュンの「天使の誘惑」だったり、
由紀さおりの「夜明けのスキャット」だったり、
それぞれに想いがあって決めかねてしまいます。

本作の音楽は大友良英のフリージャズでした。
あの時代の焦り、混沌を表現するBGMとして
これ以上ふさわしいものはないかもしれません。

f0165567_5504780.jpg

加瀬勉
三里塚の空港反対運動を指導した農民運動家。

「一番びっくりしたのは、命がけで我々のために闘ってくれる人が現れた――
血を流してまでも農民を助けてくれた人っていないわけですよ。
そういう意味では歓迎しましたね」


岸宏一
1981年から2006年まで25年間三里塚現地責任者を務めた。

「三里塚闘争をどう維持していくのか。
その思考自体が間違いだといわれれば、もう僕としては言葉がないですけど。
僕としてはどういう風に三里塚闘争を維持し、継続し、
勝利させていこうかという風に問題を立てて、過ごしてきましたけど」


秋葉恵美子
69年、辺田部落の秋葉義光さんと結婚。
支援で三里塚入りした女子大生と地元農民との結婚は初めて。

「週刊新潮なんて世間知らずのお嬢さんがすぐ逃げ出すだろうみたいなことを
書いてあってね。そのとき、新聞や週刊誌っていい加減なことを書くなって
思った。どう書かれたって『私は私だから見ててよ』って思ったけど」


秋葉義光
元空港反対同盟青年行動隊員。1997年に移転を決意。

「動かざるを得なかった。そうじゃなかったら村が消えていくでしょう。
一本釣りされていく人たちを目の当たりにした時、これはもう無理だと思った。
だったら辺田という部落はどうしても残しておきたかった」


前田深雪
68年に中郷部落の前田勝男さんの家に援農に入り、71年に結婚。

「1969年11月16日に佐藤訪米阻止闘争があり、私は副隊長でした。
火炎瓶は持たなかったのですが、ポケットに石を入れていたので捕まりました。
で、拘置所生活が1年以上になって。
その最初の頃に、勝男さんが会いに来たんですね」


吉田喜朗
「(71年第一次強制代執行阻止闘争を)2月に見て、3月1日から三里塚に入ったかな。
婦人行動隊が鎖で自分を縛っているところとか少年行動隊をTV報道で観て
居ても立ってもいられなかった。
穴掘り現闘の決め台詞は『この穴はベトナムに通じている』ってやつ。
フォークソングを歌いながら穴を掘った」


平田誠剛
「夢を見るんですよ。夢の中で管制塔を占拠して成功してるんです。
壊して、捕まらないで帰ってきてるのに、
隊長が『どうも壊しそこなったような気がする。もう一回行くぞ』って言うんですよ」


中川憲一
「気持ちは志願兵、義勇兵、助っ人です。
百姓の闘いを助っ人するという気持ち。
で、その気持ちがひとつになって勝利を収めたのが
78年3.26空港包囲占拠の闘いだったと今でも思っています」


前田信夫
元空港公団職員・用地買収を担当。
1992年11月11日、自宅を爆破され、中核派が犯行声明。

「何も悔いはないです。ただ、いろいろ危ない目にあったとか、
死にそうになったとか、思い出としてはそういうことしかないです。
空港建設で亡くなった人はかわいそうだったなぁとか、
石橋さんはじめ、農家の人はかわいそうだったことを思い出しますね」


加藤秀子
1984年に天神峰の北原派加藤清の長男と結婚。
97年に加藤清は土地を売却し移転することを発表。

「移転を決めてからは全国から押し寄せてきて、
脅しみたいな言葉を吐いていくという形です。
いつ火をつけられるかわからない感じで。
忘れられないです。だからそういうことは人に言わず封印しています」


いろいろありました。
彼らはイカロスだったのでしょうか……

f0165567_5515715.jpg

実はここに登場する岸宏一さんは大学の先輩です。
彼は今年3月26日にスキーからの帰りに遭難しました。
スキーは指導者級の腕前でした。
身体は見つかっていません。

その知らせを受けたのは5月に入ってからのこと。
その頃、本作の試写状もきました。
本作に岸さんが出演することは以前から知っていました。
「おれ、代島監督から出演依頼を受けたんだ」
と本人が言っていたからです。

試写を観にいく時、
冷静に観ることができるかどうか不安でした。
でも、岸さんはとてもタフな人なので、
「大丈夫、絶対に帰ってくる」と思い込むことで
試写を観る勇気を奮い起こしました。

試写場で代島監督にお会いしました。
監督も「岸さん、初日の舞台挨拶に出るって言っていましたよ」
と話してくれました。

試写が終わったら、後ろの座席から
「俺、良かっただろ」
と岸さんが声をかけてくるかもしれないと思っていました。

でも、声はかからず、
6月25日には偲ぶ会も行われました。
会場に岸さんのリュックだけがどこにも傷の無いきれいな姿で置かれていました。

岸さん、ラストシーンは本当に素晴らしかったです。

未だにしらーっと帰ってくるような気がしてならず、
岸さんが作品中で語った言葉が遺言だとはどうしても思えません。

岸さん、帰ってきて、また半年に一度の同窓会を仕切ってください。




今日もポチッとお願いします。
↓↓↓↓↓

にほんブログ村
☆8月18日に更新しました。いつも応援してくださってありがとうございます☆

三里塚のイカロス
製作・監督・編集/代島治彦、撮影/加藤孝信、整音・音響効果/滝澤修、音楽/大友良英、写真/北井和夫、アニメ作画/下田昌克、アニメ編集/竹内洋祐、演奏/坂田明、山崎比呂志、江藤直子、北陽一郎、今込治、木村仁哉、大友良英
出演
加瀬勉、岸宏一、秋葉恵美子、秋葉義光、前田深雪
9月9日(土)シアターイメージフォーラム他全国順次公開
日本、カラー&白黒、140分、配給/ムヴィオラ、スコブル工房

by Mtonosama | 2017-08-18 06:16 | 映画 | Comments(6)
Commented by アイスケーキ at 2017-08-18 16:22 x
私も あの頃は「空港建設反対」と思っていましたが、
今は、成田から旅立つのが楽しみになっちゃっています。

高尾山の自然をまもるため、トンネル建設に反対だったのに、
圏央道が出来て移動が楽になり、ハッピーと思っちゃっています。

我ながら 情けないです。

先輩は 反対闘争で活躍し、
今は山にいらっしゃるんですね。
彼らしい 生き方だったのかもしれません。
ご冥福を お祈りいたします。

Commented by すっとこ at 2017-08-19 07:17 x
うおおおおおおおおおおおおおおおおおお!

身辺慌ただしく ご無沙汰しておりました。

岸先輩 ふらっと現れて欲しいですね!
どこかの雪の穴のなかで
「この穴はベトナムに通じている」とか
呟いておらっしゃりそうですね。

ああ 三里塚闘争。最後まで一軒残った家が
ありましたね。
当時の若者のエネルギーの噴出ったら。

すっとこもかつてのBFが赤軍で全国指名手配
となりまして、すっとこに連絡あるかもと
神奈川県警からも警視庁からも 刑事が何度
も来ましたっけ。

そんな時代でしたね。
お互い150歳ですものね。
Commented by Mtonosama at 2017-08-19 07:38
♪アイスケーキさん

ありがとうございます。
ふっと思い出し、アイスケーキさんのコメにも涙がにじみました。

こんな形で人がいなくなることを初めて経験しました。いまだに信じられません。
Commented by Mtonosama at 2017-08-19 07:41
♪すっとこさん

お~、お久しぶりです。お忙しい中、ありがとうございます。

最後まで一軒残っている家は本作にも出てきます。

あ~、なんも言えねえ!(古いか)
Commented by なえ at 2017-08-19 13:08 x
国家というのは国民の幸福、安全、安寧を守るのが責務と
思えるのに、その「牙」がよく分かった時代だったとも言えますね。今はその牙が牙と分からないほどに管理されてるのかも。

ほんの2,3年下の人たちでさえ、あの時代の「熱」は
理解できないみたいです。でも150歳は知っている。本当にあの頃は空気が熱かった!それを経験できた時代に遭遇したのは本当に幸運だったと思います。

すっとこさん
元BFが赤軍派にいて指名手配で刑事が何度も来たって!?
そら、すっとこさんも張込まれて、今もブログを見に来てるかも
Commented by Mtonosama at 2017-08-19 16:24
♪なえさん

そうそう、昔は牙も爪も剥き出しでした。
いまは交番へ行っても警察へ行ってもお巡りさんは親切です。

この映画の試写に行ったときも試写会場が分からず、
途中にあった警察署で道を訊ねました。
とっても丁寧に教えてくれました。
それは私が一般人だったから?
一般人なら大丈夫か。
いえいえ、そうではありません。
穏やかに微笑んでいるかに見える国家も口を開ければ鋭い牙が
のぞいているもんね。
150歳は昔見たことをなかなか忘れることができません。