笑う故郷 -2- El Ciudadano Ilustre
笑う故郷
-2-
El Ciudadano Ilustre
本作はノーベル賞作家が故郷に帰るお話ですが、
この作家、ダニエル・マントバーニは
スウェーデン国王から文学賞メダルを受けた
その授賞式のスピーチで
「これは喜びよりも作家として衰退のしるしだ」
などと挑発的なことを言うんです。
文学賞受賞の理由として
マントバーニは次のように紹介されます。
「小説で扱う普遍的なテーマの数々は
ある町の物語を通して展開されます。
20年間、彼は読者をかの地へと誘ってきました。
そこでは彼の創造力が大いに発揮されます。
溢れんばかりの独創性と実話を交えた奇抜なストーリー。
示唆に富み、豊かで、明白で、
時に重苦しい描写が物語を紡ぎます」
ん?この紹介を見ると
同じく南米出身のノーベル文学賞作家
ガルシア=マルケスの「百年の孤独」を思い出します。
この舞台であるマコンドは
ガルシア・マルケスの生まれ故郷コロンビアの
アラカタカルをモデルにしていますし。
ま、この際、こちらの作家はおひきとりいただき、
マントバーニ氏にご登場いただきましょうか。
ストーリー
アルゼンチン出身の作家ダニエル・マントバーニは
ノーベル文学賞授賞式にいた。
だが、スピーチで挑戦的な言葉を述べる。
会場は一瞬凍りついたが、
その後大きな拍手に変わる。
それから5年、
彼は1作も作品を発表せず、外との関りも持たず、
バルセロナの自邸で隠遁生活を送っていた。
そこへ舞い込んだ1通の手紙。
アルゼンチンのサラスという町から
「名誉市民」の称号を贈りたいという知らせだった。
その町は彼が20代の頃飛び出して以来、
40年以上帰ったことのない生まれ故郷だった。
次の週、スペインからアルゼンチンへ飛んだダニエル。
飛行場に迎えにきたのはラモンという男一人だけ。
サラスまでの近道を知っているという
彼の運転で出発するが、途中でパンク。
野宿をすることに――
翌日ホテルに到着したダニエルは
消防隊のパレードに参加させられる。
寂れた街並みを見物人もないまま進む消防車。
それでも、美の女王から「名誉市民」の受ける
授与式には大勢のサラス市民が集まった。
彼の誕生から現在までをまとめた
ショートムービーまで上映され、
思わず落涙するダニエル。
「これはノーベル賞よりも価値のある名誉です」
とまで述べるのだった。
だが、
そんな彼を待っていたのは
故郷の人々からのとんでもない〈歓迎〉だった……
笑ってばかりはいられない
ちょっと不気味な歓迎に思わずひいてしまいます。
作家と町の人との関係で
ふっと思い出したのが車谷長吉でした。
この方、故郷や親戚のことを作品中に描き、
結構ドタバタしたと聞いています。
書かれた人は自分のことだと思うし、
作家は「そうじゃない。これは創作だ」というし、
どっちやねん!と突っ込みたくなりますが、
洋の東西を問わないお話ではあります。
思わぬラストに「う~ん、こうきたか」でありました。
終
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笑う故郷
監督・/撮影/ガストン・ドゥプラット、マリアノ・コーン、脚本/アンドレス・ドゥプラット、美術/マリア・エウヘニア・スエリオ、音楽/トニ・M・ミル、製作総指揮(アルゼンチン)/ヴィクトリア・アイゼンシュタット、製作総指揮(スペイン)/マヌエル・モンソン、フェルナンド・リエラ、エドゥアルド・エスクデロ
出演
オスカル・マルティネス/ダニエル・マントバーニ、ダディ・ブリエバ/アントニオ、アンドレア・フリへリオ/イレーヌ(アントニオの妻)、ノラ・ナバス/ヌリア(ダニエルの秘書)、マヌエル・ビセンテ/市長、ベレン・チャバンネ/フリア
9月16日(土)より岩波ホールにてロードショー
2016年、アルゼンチン=スペイン、スペイン語、カラー、117分、日本語字幕/杉田洋子、
配給/パンドラ、http://www.waraukokyo.com/
こう来たか」
が殿様の〆の言葉ですか。
いったいどういう“来かた”なのやら。
作家とは因業な商売ですのう。
どの作家にも「あの小説のモデルは自分だ」
と主張する人物がいるそうですね。
すっとこも【ニューヨーク恋物語】
だったでしょうか?
これは小説ではなく大昔のテレビドラマで
田村正和扮する素敵なオジ様の「モデルは
自分だ」と主張する殿方にお会いしたこと
が有りますが
田村正和 と言うよりは
田村正和に化けそこなったタヌキ
でありましたっけ。ああビックリ。
こう来たか」
↑私だったら、実は町中で企んだ「ドッキリカメラ」とか?(関西人の考えそうなこと)
もしそうなら、よっぽど暇な何の娯楽もない町どすなあ。
6日に引っ越しです。ドタバタジタバタの日々です。
そんならコメントなんか書くな!(私も暇人?)
うーーーーーーーん、そうなのさ。
なんとも意外な結末をこのおしゃべり150歳が話したいのはやまやまなれど、
それをいったらおしまいなのよ。
しかし、田村正和が演じた役は自分がモデルと言い張るタヌキおじさんも大した自信家だわねぇ。
訳わかりませんが、
ライスケーキに、戻ります。
ノーベル賞作家ダニエル・マントバーニさん
初めて名前をききました。
マントバーニ楽団なら知っていますが…。
古いですねぇ。
「笑う故郷」だから楽しい映画なんでしょうね。