ソニータ -2- SONITA
ソニータ
-2-
SONITA
ロクサレ・ガエム・マガミ監督が
2年半かけて撮影した本作
ソニータには誕生時から公的な記録がないので
正確な年齢はわかりませんが、
彼女が16歳から18歳位になるまで
撮影されました。
ヒジャブの下に強い意志を感じさせる
大きな瞳が光るソニータ。
子ども支援団体では
アフガニスタンから出国するときの
様子を寸劇で表現したり、
同級生の前でラップを歌ったり、
心の傷を癒すと同時に
ティーンエイジャーらしい希望にも燃える
ソニータや共に学ぶ女の子たち。
でも、
16歳になったソニータを待ち受けていたのは
夢とは程遠い現実でした。
アフガニスタンに住む母親は
彼女を見知らぬ男性に嫁がせようとしていました。
親に言われるままに結婚することが
アフガニスタンの古くからのしきたり。
母親自身、ソニータよりももっと若い頃、
同じように結婚しています。
夫のことをおじさんとしか
呼べなかったのに、
16歳の娘を結婚させることには
なんの疑問も感じていません・・・
母親はソニータの兄の結納金を得るため、
9,000ドルで彼女を結婚させようとしているのです。
ソニータには結婚する気は
さらさらありません。
でも、
家族との関係も失いたくはありません。
「嫌なら逃げちゃえ!」というのは
違う文化圏に生きる人間の発想でしょうか。
アフガニスタンでは18歳未満で約半数の女性が
結婚するといわれています。
アフガニスタン独立人民委員会によると
60~80%の女性が
親の決めた相手と結婚しています。
強制婚です。
まるで人身売買ではありませんか。
ソニータが保護されている団体の女の子たちも
次々と結納金と引き換えの結婚が決まっていきます。
ソニータがラップにするのも
自分を含めたアフガニスタンの少女たちの
悩みや悲しみや怒り―――
実は、
ここから彼女の運命に転換が訪れます。
そして、
監督自身もこの転換に大きく関わっていくのです。
監督は「撮れ高OK!」
で済ますわけにはいきませんでした。
ソニータの母親がテヘランにやってきました。
でも、それはソニータを連れ戻すため。
久しぶりの母子の対面ではありますが、
感激だけでは終わりません。
だって、
ソニータの運命がかかっているのです。
ここで、
監督はソニータの運命に関わってしまいました。
ドキュメンタリーなら強制結婚の実態を描く
ということで映画は完成です。
でも、監督はソニータを
置き去りにすることができませんでした。
そして、
ソニータに協力して
ミュージックビデオを制作しました。
彼女と共にストーリーや
イメージを考え、
完成したビデオをYou Tubeにアップしました。
それが広がり、
ソニータの人生が変わりました。
彼女はアメリカの学校に
留学することになったのです。
2014年ノーベル平和賞を受けた
マララ・ユサフザイさんを思い出しました。
勇気、実行力、夢―――
すごいなあ、と思います。
自分を変えるのは自分。
そして、
大人のちょっとした協力。
じわじわと感動に浸される映画でした。
終
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☆10月17日に更新しました。いつも応援してくださってありがとうございます☆
ソニータ
監督/ロクサレ・ガエム・マガミ、製作総指揮/ゲルト・ハーク、制作/TAG/TRAUM
出演
ソニータ・アリザデ、ロクサレ・ガエム・マガミ
10月21日(土)アップリンク渋谷公開
2015年、91分、スイス・ドイツ・イラン、後援/国連難民高等弁務官(UNHCR)駐日事務所、Girl Power、ハリウッド化粧品、http://unitedpeople.jp/sonita/
これ 少し前まで 日本でも
似たような状況にありましたね。
親が相手を決めて 甚だしい場合は
結婚式で初めて相手に会う・・・
という。
統計によると
見合い結婚の方が 恋愛結婚よりも
離婚率が低いとか。
ソニータや他の子は シェルターに
居ながら 母親が結納金目当ての結婚を
させようとしたら従ってしまうの?
どうやらソニータは例外のようですが。
監督はどんな関わり方を?
ソニータがラッパーとして世に出るのを
助けた?まさか恋人になった?
ソニータがどうやって夢をかなえたか。
それがこの映画の見せ場なんです。
残念ながら監督が恋人になったということではありません。
監督は女性だし・・・といっても、女性が恋人同士というのは
ありえない話ではないですけどね。
しかし、ユーチューブの威力はすごい!
ソニータの話題はピコ太郎並みの勢いで広がり、
彼女はアメリカ留学し、夢をかなえようとしちゃうんだから。
ソニータは たまたまyoutubeに 乗って
映画にまでなって、夢に近づけるけれど、
多くのアフガンの少女は望まない道を
歩くのでしょうね。
難民として、生きるだけで大変かもしれない。
最近は災害難民なんて言葉もある。
災害の多い日本。
私達もいつ難民にならないとも限らない…。
そんな事を考える 今日此の頃です。
おばさんは知らないリアーナを大好きなソニータはいまどきの女の子。
それが難民となり、前近代的な習慣に縛られていることが不思議な感じです。
でも、彼女がファーストペンギンになって他の女の子たちに希望と勇気を与えてくれたかな、と思います。