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殿様の試写室

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マルタのやさしい刺繍 Die Herbstzeitlosen

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c)2006 Buena Vista International (Switzerland)
マルタのやさしい刺繍

Die Herbstzeitlosen

ニューヨークを舞台にした「セックス・アンド・ザ・シティ」が話題ですが、
「マルタのやさしい刺繍」はスイス版SATCつまり“Sex and the City”
といったら無理がありましょうか。
はい、ちょっと苦しいですね。
でも、女性4人が主人公であるというところは同じです。
恋も、自立も、夢の実現も共通しています。
違うのは主人公がすべてシルバー・エイジであること。
その内の3人が後期高齢者だということだけなのですが。

     さて、ここでドイツ語講座です。
     die Herbstzeitlose.これは単数形です。
     原題はdie Herbstzeitlosenと複数形になっています。
     長年連れ添った夫を亡くして意気消沈していた80歳のマルタが
     ランジェリーショップの起業を決意し、
     3人の女性がそれを支えるという複数の女たちの物語だからです。
     と、たいそうに言うほどのドイツ語講座ではありませんが。

     Die Herbstzeitlose ―― 直訳すれば「秋がないこと」ですが、
     これは『夢中』『華やかな青春』という花ことばを持つユリ科の植物コルチカムのこと。
     庭園の花の多くが終わってしまった秋になって
     コルチカムは花をつけるのでドイツ語ではこのように呼ばれるのだそうです。
     球根を窓辺でもキッチンでも、その辺に転がしておけば
     優しいピンクや紫色の花を咲かせる植物で、
     手間いらずの花ですから一度はその球根を買ったことのある人も
     多いのではないでしょうか。

この映画の舞台は穴あきチーズとヨーデルでおなじみのエメンタール地方のトル―プ村。
絵のように美しいアルプスの村です。
しかし、とかく美しいものにはトゲがある。
伝統的な産業であるチーズつくりとヨーデルの村といえば、
ま、保守的な土地柄ではあります。

     9か月前に夫を亡くしたマルタはひきこもり状態。
     息子が牧師をつとめる教会にも行かなくなり、
     夫と営んできた雑貨屋の商売にも身が入りません。
     心配したリージ、フリーダ、ハン二の3人はなんとか彼女を元気づけようとしていました。
     ひょんなことからこの3人、マルタは裁縫が得意だったことを知り、
     村の合唱団の団旗の修理を依頼します。
     渋々承知したマルタは3人と連れだって、
     ベルンへと修理用の生地を買いにでかけます。

     久しぶりの都会で目にした美しいレースやランジェリー。
     そこで、マルタは忘れていた昔の夢を思い出します。
     そう、それは自分でデザインし、美しい刺繍をほどこしたランジェリーのお店を持つこと。
     思い立ったが吉日です。
     マルタは息子で牧師のヴァルターには内緒で、
     雑貨屋をランジェリーショップへと改装し始めました。

     手伝ってくれるのはアメリカ大好きの未婚の母リージただひとり。
     老人ホームで優雅で充実した日々を送る老独身貴族フリーダも、
     村の保守党員である息子に夫ともども施設に入れられようとしているハン二も
     「なんで下着屋?」と最初は理解を示しません。
     友人ですら、こうなのですから、村の男たちの反発ぶりといったら。

     さあ、マルタの夢のランジェリーショップ。
     その結末や、いかに…

          小さな字が読みにくいとか、腰が痛いとか、すぐ疲れるとか、
          これが歳をとるってことだから、仕方ないよね。
          今更新しいこと始めるなんて、だるいし。
          恋、この歳で?

          などと、歳のせいにして諦めかけている時、
          このおばあちゃんたちに会うと
          「こんなことじゃいけないな」
          という気持ちになります。

     もちろん、彼女たちだって、家族や近所とのしがらみや、
     何より自分たちが持ち続けた価値観から完全に自由というわけではありません。
     時折、見せるとまどいや悲しみの表情でそれがわかります。
     この映画は決して、スーパーおばあちゃんの映画ではありません。
     ただ、長く生きてきた分
     「なるようにしかならないさ、でも、それって必ずしも悪くないんだよ」
     ということを若い人より知っていて、
     それでも、頑張るときには頑張る普通のおばあちゃんの物語です。

夢を実現させるマルタ。
老いても子に従わない人生を選ぶハン二。
新しいパートナーをみつけるフリーダ。
挫折を秘めながらも友のためにつくすリージ。

さ、あなたはどのタイプですか?
4人のうちの誰かになりきってみましょうか。
きっと、歳をとるのは悪くないような気がしてきますから。

監督/ベティナ・オべルリ
キャスト
マルタ/シュテファ二―・グラーザー、フリーダ/アンネマリー・デューリンガー、リージ/ハイジ¬=マリア・グレスナー、ハンニ/モニカ・グプサー
10月中旬シネスイッチ銀座他全国順次公開
http://www.alcine-terran.com/maruta/

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by Mtonosama | 2008-09-08 06:29 | 映画 | Comments(5)
Commented by すっとこ猫 at 2008-09-08 21:21 x
やっぱり女性はしなやかだね!
   
   きのう見た仏映画「誰にも言わないで」
         アメリカ公開用題名:Tell no one
   ある熟年カップルのある種純愛の話だったけど
   とにかく出てくる女性陣が全員カッコ良かったの。
   それも若くない女性たちが素敵だったんです。

とつらつら思ってた翌日にこのブログ開けたので
シルバー英字の女性たちの物語・・・ヒャッホーィ!
てなもんです。

いいなあ。ランジャリー屋を80歳から始めるかあ。
見る前からハッピ-エンディングが予想されます。
Commented by との at 2008-09-09 06:23 x
ヒャッホーィ!すっとこ猫さん
かの地で仏映画を観るということは、
もしかして字幕英語?
そりゃそうですよね。

先日、ある英語の堪能な日本人女性が
同じ仏映画を英語版字幕と日本語字幕とでご覧になり
「日本語字幕ってずいぶん省略が多いわー」
ですと。

殿も昨日仏映画を観たけど、フランス人の1/5くらいしか
わかってないかも。

とはいえ、おばあちゃんたちのこの映画、
疲れたときにはいいですわ。
Commented by ライスケーキ at 2008-09-09 20:45 x
こういう映画好きです。 普通の人達、普通のおばちゃん達を主人公にした映画。 まわりを探したらいるかもしれない人達、スイスに行ったら会えるかもしれない人達、そんな人達を主人公にした映画、好きです。  でも、写真を見たら かなり高齢のーーー80歳かぁーーーご様子ですね。  「夢を語れなくなったら青春じゃない。」なんて言いますが、彼女達は青春まっただ中ですね。 私も最近高齢の人達と話す機会が多いけれど、夢を持っている人は若いです。 「夢を持っていれば、歳を取るのも そんなに悪くないな。」なんて考えている 今日この頃です。
Commented by ひざ小僧 at 2008-09-14 08:45 x
写真のどの人物がマルタか。私の見たところでは左
から二人目の白髪のレディー。品が良くて持ってるバッグのセンスが情熱の発露のように思えるから。
なんで下着屋? と私も思うけど、きっとそこがみそなのね。
Commented by との at 2008-09-15 05:38 x
ピンポ~ン!!そうです。大当たりです。
なるほど、バッグに目をつけましたか。
でも、下着屋じゃなくて、ラン・ジェリー・ショップですから…
スイス名物、
男もすなる刺繍に目をつけたマルタ・ママでございます。