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殿様の試写室

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七夜待

七夜待(ななよまち)
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(c)2008『七夜待』製作委員会

     河瀬直美という監督名に惹かれて「七夜待」を観にいきました。
     昨年「殯(もがり)の森」でカンヌ映画祭グランプリを受賞したあの監督です。
     授賞式の様子をテレビで見ましたが、
     ドレスも素敵で外国人たちの中でも臆することなく堂々としていて
     進化する日本女性を感じました。

          「七夜待」。なんとなく艶めいたタイトルのこの映画
          主役は長谷川京子、舞台はタイです。
          カンヌで新人監督賞を受賞した「萌の朱雀」(‘96)でも
          「沙羅双樹」(‘03)でも
          その舞台は河瀬監督の故郷である奈良だったのですが。

          それがなぜタイ?そして、なぜ、あの超美系の長谷川京子?
          腑に落ちないながらも
          スクリーンに広がるタイのむせかえるようなジャングルと
          肌にまとわりつく感じの湿気に圧倒されて見入ってしまいました。

      

      彩子30歳はひとりタイに来た。雑踏にもまれながら観光案内所を探し
      その職員が話すわかりにくい英語を必死に聞き取ろうとする。
      駅前に止まっているタクシーに乗り、宿泊予定のホテル名を運転手に告げた後
      疲労から寝入ってしまう。
      目を覚ました時、車は山道を走っていた。
      とっさに身の危険を感じ、荷物も持たず、彩子は車から逃げ出す。
       辿りついたのはジャングルにぽつんと建った一軒の民家。
      テラスも屋内も緑陰に蔽われたその家では
      アマリとトイのタイ人母子とフランス人が彩子を出迎えるが、言葉はまるで通じない。 
      ただ、アマリが施してくれるマッサージが
      ささくれ立った彩子の心と身体を優しくほぐしていくのだった…

           って、タイ古式マッサージの映画ですか。

      ジャングルと泥色の河の流れという亜熱帯特有の景色の中に
      時折挿まれる見慣れた日本の風景=奈良。
      ジャングルと奈良の寺が交錯し、彩子がタイにやってきた理由が暗示されますが
      はっきりとはわかりません。

           タイ語、フランス語。映画の中で彩子が遭遇する言葉の壁。
           これは俳優だけではなく、
           撮影現場でスタッフたちも体験したカオス状態だったということです。
           長谷川京子もフランス人俳優もタクシードライバーを演じたタイ人俳優も皆、
           監督から知らされるのはその日の行動だけ。
           セリフもなく、互いの関係も、物語の展開も知らされない中で
           演じなればならなかったといいますから、
           これはまさに筋書きのない人生といったものです。
           自分が俳優ではないことを心から感謝してしまいました。

     言葉も通じず、先行きのわからない人生を生きる人間たちの緊張を
     ゆるくほどいてくれるのがタイ古式マッサージということなのでしょうか?

     だとしたら、古式マッサージ。観るだけでなく、体験した方が良さそうです。

監督/河瀬直美、脚本/狗飼恭子 河瀬直美、撮影監督/キャロリーヌ・シャンプティエ

キャスト
長谷川京子/彩子、グレゴワール・コラン/グレッグ
キッティポット・マンカン/タクシー運転手、轟ネーッサイ/アマリ、轟ヨウヘイ/トイ

11月1日、シネマライズ、新宿武蔵野館ほか全国ロードショー
www.nanayomachi.com
by mtonosama | 2008-10-13 06:11 | 映画 | Comments(8)
Commented by ライスケーキ at 2008-10-13 22:02 x
「もがりの森」見たけれど何が言いたいのだか理解出来なかった。 この映画も「セリフもなく、互いの関係も物語の展開も知らされていない」なかで演じられた映画、なんて 私には出来そうにない。  どうも「進歩する日本女性」にはついて行けない 私です。
Commented by との at 2008-10-14 06:26 x
ライスケーキさん

確かに進歩する女性監督はどう変わろうとしているのか、ですね。
理解を求めているのではなく、
感じるだけでいいよ、と言っているような。

一部のコアなファンの映画になっていくのでしょうかね。
よくわかりません。
でも、タイの雰囲気はじわーっと暑苦しく迫ってきて
嫌いじゃありません。

東南アジア好きのとの
Commented by ひざ小僧 at 2008-10-14 10:13 x
いつもタイトルには惹かれる河瀬映画。でも「わからないんだろうなきっと」で流していて、今回もそうなりそう。殿様ご紹介の作品の中で、これほど食指が動かなかったこともありません。授賞式のあのドレス姿も好かんかったし。見てみたら意外と良い? のでしょうか?
Commented by との at 2008-10-14 10:55 x
何度も見たら、意外にいい…かも
とひとりごつ殿。

長谷京は美人だけど。

ま、まずはタイ古式マッサージを試してみましょうよ。
Commented by すっとこ at 2008-10-16 01:01 x
ご無沙汰でした。
ひと様のPC借りてたもので殿様の試写室まで
たどりつけませなんだ。

タイ古式マッサージ、ワット・ポー寺院スタイルなら習ったことがあります。「2人でやるヨガ」と言われていてマッサージする方もされる方も汗かくんです。あとは宮廷スタイルとかチェンマイスタイルとか
あるらしいです。

マッサージ場面だけでも見てみたい映画ですなあ。
Commented by mtonosama at 2008-10-16 06:29
すっとこさん
おかえりなさい!

この映画のマッサージは「二人ヨガ」の方です。
樹下でマッサージ、良いでしょうなぁ。
しかし、河瀬監督の意図がようわかりません。
Commented by まゆみん at 2008-10-18 09:42 x
単純すぎる私には、こういった作品は苦手。タイトルには興味津々、惹かれるものがあるのは確かですが・・・。カンヌ受賞後のNHKインタビューの時も、河瀬監督かなり生意気なことしゃべっていたし。生理的に好かないかも。いつも楽しみにしている殿samanのご紹介作品なのに、ごめんね! 河瀬ワールドへの第一歩は、まずは初期作品から観ないとたどりつかないような気がします。トホホ・・・
でもタイ料理大好き。タイ古式マッサージもやってみたいです。
Commented by mtonosama at 2008-10-19 15:50
まゆみんさん

河瀬監督を好きじゃない人って多いですよね。
彼女の自信たっぷりのコメントには私も驚きました。

自分の生み出した作品へのあそこまでの自信---
羨ましいような気もします。