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殿様の試写室

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永遠のこどもたち EL ORFANATO

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© Rodar y Rodar Cine y Televisión, S.L / Telecinco Cinema, S.A., 2006

永遠のこどもたちEl Orfanato

だ・る・ま・さ・ん・が・こ・ろ・ん・だ
オニになった子がそう言って後ろを振り向くまでに、背後の子ども達がオニに近づき、タッチして逃げる。
よく遊んだものです。殿が幼少の頃は「だるまさんがころんだ」と呼んでいたような。
地方によって呼び名もルールも違うのでしょうが、スペインにもこの遊びがあります。
「1、2、3、壁を叩け」
そして、オニの背中に後ろの子どもの手が伸びる…

郊外の私鉄駅の階段下には薄暗い拡がりがあって、そこには家に帰れなくなった子ども達が暮らしている…
そんな小説を読んだこともあります。

日常の奥にひそやかに蠢くこの世ならぬものたち。
それが幼い子どもたちであれば、怖ろしいだけではなく、なぜか哀しさも感じさせます。
そして、大人になってしまった自分に罪悪感を覚えるのです。

「永遠のこどもたち」はこれが初めての長編映画監督となるバルセロナ生まれのJ.A.バヨナの作品です。
短編映画やミュージック・ビデオなどで活躍していたバヨナ監督の才能に驚き、この映画の製作を担当したのが「パンズ・ラビリンス」(‘06)の監督にして
ダーク・ファンタジーの名手ギレルモ・デル・トロ。
本作はバヨナ監督の長編映画デビュー作でありながら、スペイン映画界のアカデミー賞にあたるゴヤ賞で史上初となる14部門でのノミネート、
新人監督賞・オリジナル脚本賞・美術賞など7部門で受賞するという栄誉に輝いた作品です。
更にアカデミー賞外国語映画賞スペイン代表作品にも選ばれました。

          冒頭、スクリーンには空が映し出されます。スペインの空と雲。
          やがてカメラはその視線を下げ、糸杉の陰気な木立や古びた遊具などを映し、
          大きな古い館の前でその動きを止めます。
          海に近いその館は昔孤児院だった建物です。
          ラウラはこの孤児院で仲の良い友達に恵まれ、幸せな子供時代を過ごしました。
          30年後、彼女は長い間、閉鎖されていたその建物を買い取り
          夫のカルロスと7歳の息子シモンと移り住んできました。
          体の弱いシモンのためにも、障害を持つ子供達のためのホームとしてその館を再建しようとしたのです。
          ある日、開園準備で忙しいラウラの元にソーシャルワーカーと称してベニグナという老女がやってきました。
          ベニグナはシモンが養子であることや難病のことなど誰も知らないはずの事実を話し始めます。気味悪く思ったラウラは早々に追い払いました。
          ところが、その夜、物音で目を覚ました彼女が庭に下りていくと物置から出て行く老女の姿が。
          一方、開園の日が近づくにつれてシモンの様子がおかしくなってきました。
          ラウラの目には見えない空想上の友達に、トマスと名前までつけて絵に描いて見せたりするのです。
          ホームが始まればシモンの空想癖もおさまっていくだろうと考えていたラウラも次第に不安が拡がっていきます。
          そして、いよいよホームオープンの日、事件が起きたのです…

光と影、生と死、そして大人と子ども。スペインの気候のように陰影のはっきりとした主題をかかえながら、
古びた館の内側で「光」は「闇」に、「生」は「死」に、「大人」は「子ども」に取り込まれ、渾然一体となっていきます。
ジグソーパズルを一枚一枚嵌め込むように緻密な展開、積み上げた積み木を一気に崩すような大胆さ。そして、もの哀しくも安らかなラスト。
あるときは怖くて声をあげそうになりながら、また、あるときは謎が明らかになっていく過程にうなずきつつ、バヨナ・ワールドにすっぽりとはまりこんでしまいました。
なんと言ったらいいのでしょうか、ちょっと怖いおとぎ話?スペイン版ホーンテッド・マンション?
怖いのだけれど、優しい。どきどきするのだけれど、涙が出そうになる。
大人になってしまった昔の子どもを、心からしみじみとさせ、怖がらせてくれる映画です。

監督/J.A.バヨナ、脚本/セルヒオ・G・サンチェス、製作/ギレルモ・デル・トロ
キャスト
べレン・ルエダ/ラウラ、カルロス/フェルナンド・カヨ、ロジェ・プリンセプ
12月20日より、シネカノン有楽町・渋谷アミューズCQNほかにて公開
www.eien-kodomo.com
by mtonosama | 2008-12-08 06:00 | 映画 | Comments(6)
Commented by すっとこ at 2008-12-08 14:12 x
いやーん。
何?何?何が起きるの?

怖そうな超常現象のようなホラーーのような
メルヘンのような夢物語みたいな

なんだか滅茶苦茶すっとこが好きそうな映画であります。

いやーん。
何?何?何が起きてしまうの?
Commented by ライスケーキ at 2008-12-08 20:58 x
これはホラー映画なのかな。 ただ怖いだけのホラー映画は余り好きではないのだけれど、「緻密な展開」「哀しくも安らかなラスト」と言う言葉に惹かれます。  ヘンリー・ジェイムスの「ねじの回転」のような作品なのかな。 バヨナ・ワールド見てみたいです。
Commented by との at 2008-12-08 21:21 x
いやーんなすっとこさん
何が起きるのかは内緒です。
でも、パンズ・ラビリンスの好きなすっとこさんなら
絶対好きなはずです。
だけど、ちょっと怖くてびくびくしちゃうから観終わって肩がこるから、ご用心。
Commented by との at 2008-12-08 21:27 x
ライスケーキさん
ホラーとは違うような。
昔「ハロウィーン」というちょっと怖いマンガばかり載せた雑誌
があったことご存じですか?今もあるのかな?
あんな傾向(といっても「ハロウィーン」を読んだことがないとわからないか)なんですが。
あ、あと石森章太郎の「龍神池」(大昔の作品です)
という感じ。怖いけど、懐かしくて、しみじみとした作品ですよ。
Commented by ひざ小僧 at 2008-12-13 16:05 x
ホラーといえば血がドバーッというイメージなので、頭が混乱してしまう殿の推薦文であった。サスペンスとかミステリーではなくてやっぱりホラー? 「シックス・センス」みたいに科学では証明されていない、とか現実ではでないとかいう意味合いなのでしょうか。
Commented by との at 2008-12-13 21:31 x
ひざ小僧さん

ホラーとは「怪奇な趣向で恐怖を感じさせることを狙った娯楽作品」
と広辞苑にはありました。
この怪奇な趣向というのがミソでありますな。

チェーンソーを抱えた怖いおにいさんも
氷のような輝きを見せる鋭いナイフの刃も出てこないけど

とても怖い映画です。でも、哀しい映画でもあります。