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殿様の試写室

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殿が観た最新映画をいち早くお知らせ!

カテゴリ:映画( 1018 )


アランフェスの
麗しき日々
-1-

Les BEAU JOURS d’ARANJUEZ

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(C)2016-Alfama Films Production-Neue Road Movies


当試写室では本日
ヴィム・ヴェンダースの最新作
『ベルリン・天使の詩』(‘88 日本公開)
以来30年ぶりとなるペーター・ハントケとの
コラボレーションである
『アランフェスの麗しき日々』を
上映します。

ペーター・ハントケ
1942年オーストリア生まれ。
グラーツ大学で法律学を専攻するが、
1966年小説「雀蜂」で
作家デビューした直後に中退。
同年、戯曲処女作「観客罵倒」を
フランクフルトで上演、
出演者4人が最初から最後まで
観客を罵倒し続けるという
前代未聞の演出構成で
センセーションを巻き起こした。
その時、ハントケは
当時のビートルズの
マッシュルームカットを
真似していたため
「文学界のポップスター」
と言われた。
小説、戯曲、詩、放送劇、
フランス文学翻訳と
様々な分野で活動。
ちなみに本作
『アランフェスの麗しき日々 夏のダイアローグ』も
フランス語で書かれた戯曲である。

『3枚のアメリカのLP』(‘69)の
脚本執筆を皮切りに
『ゴールキーパーの不安』(‘72原作/台詞)
『まわり道』(‘75原作/脚本)
『ベルリン・天使の詩』(‘87脚本)、
そして
『アランフェスの麗しき日々』
(‘16原作戯曲)と
5度にわたり
ヴィム・ヴェンダース監督と
コラボを組んでいる。

78年にはヴェンダース監督の
プロデュースのもと
76年発表の小説
「左ききの女」を
自らの脚本・監督で映画化。
また、
母親の自殺を扱った
「幸せではないが、もういい」(‘72)や
「ゆるやかな帰郷」(‘79)、
母方の祖父の故郷
スロヴェニアを旅する
「反復」(’86)など
自伝的な小説も少なくない。

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1996年の紀行文
「ドナウ、サーヴェ、モラヴィア、ドリナ河畔への冬の旅」
ではユーゴスラヴィア紛争に関して
ヨーロッパのメディアは
偏った報道をしていると批判。
それが親セルビア的で
あることから物議を醸した。
現在はフランス在住。

あ、そうそう、
本作に出演している
ソフィー・セミンは
ハントケ夫人です。

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長々とご紹介してしまいましたが、
オーストリア出身のこの作家、
実は同国グラーツに在住していた
大学時代の友人に教えてもらいました。
本はなかなか手をつけられず
本棚の中で変色し、
友人は45歳の若さで
亡くなってしまいました。
ゆみちゃん、ごめんなさい。
ちゃんと読むからね。

すいません。
また私事に走ってしまいました。

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監督自身
「100%思いのままに撮った
生涯で初めての映画だ」
という本作。

その理由は
戯曲が題材だからであり、
映画がフランス語で展開されるからであり、
”ナチュラル・デプス“3Dで
撮影されたからであり、
映画の舞台が
女優サラ・ベルナールの邸宅だけ
だったからであり、
たった10日間で制作されたから。

でも、
一番大きな理由は
自分の意図がそのまま
最終型に至った
初の作品だからです。

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やるべきことを
やってきた巨匠だからこそ
できたのでしょうね。

映像作家として
これ以上の幸せはないでしょう。

正直なところ
観客はかなり当惑しますが・・・

さあ、一体どんな映画なのでしょう。
続きは次回まで
乞うご期待でございます。



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アランフェスの麗しき日々
監督・脚本/ヴィム・ヴェンダース、プロデューサー/パウロ・ブランコ、ギアン=ピエロ・リンゲル、
撮影/ブノワ・デビ
出演
レダ・カテブ、ソフィー・セミン、イェンス・ハルツ、ニック・ケイブ
12月16日(土)EBISU GARDEN CINEMA他全国順次ロードショー
2016年、フランス、ドイツ、ポルトガル、フランス語、ドイツ語、英語、97分

by Mtonosama | 2017-12-14 05:31 | 映画 | Comments(1)

ヒトラーに屈しなかった国王
-2-

Kongens nei

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(C)2016 Paradox/Nordisk Film Production/Film Väst/Zentropa Sweden/Copenhagen Film Fund/Newgrange Pictures


オスロ郊外の王族居住区の
雪の積もった庭園で
小さな孫息子と遊ぶ
優しそうなおじいちゃん。

可愛くて、可愛くて
もう食べちゃいたい位
メロメロな様子。

え、この好々爺が王様?

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ストーリー

1940年4月8日
息子オラフ皇太子が
孫と戯れる国王に告げる。
「ドイツ軍が
ノルウェーへの侵攻を開始した」と。

オスロ南方のオスカースボルグ要塞では
いまだ政府からの命令が届かない中、
エリクセン司令官はドイツの攻撃に備え
準備を整えつつあった。

4月9日
午前0時
オスロ王室で
兄のデンマーク王・クリスチャン10世に
電話をする国王へ
ドイツ軍がフィヨルドまで迫って
きていることが告げられる。

午前4時20分
オスロ外務省では
ドイツ公使ブロイアーが
ドイツ軍のノルウェー侵攻には
疑問を持ちながら、
ヒトラーの命により
ノルウェー政府に対し、
降伏協定へのサインを求めるため
外務省を訪れる。
その内容は、無抵抗での降伏――
コート外相は突っぱねる。

オスカースボルグ要塞では
エリクセン司令官が
政府の命令を待たず、
沖合のドイツ巡洋艦に向けて砲撃。
命中し、沈んでいく巡洋艦。

午前6時20分
本格的なドイツ軍の侵攻。
王たちはやむなくオスロから退避。
気持ちの整理がつかないまま
駅に到着する国王。
そこには多くの市民たちが
国王を見送っていた。
「自分は国民によって
選ばれた王なのだ・・・」
国王一家と閣僚たちは北へ移動する。

午前11時10分
駅に到着。
兄のデンマーク国王が
降伏したことを告げられる。

平和的な解決を望む
ドイツ公使ブロイアーは
オスロから更に侵攻を続ける
ドイツ軍を引き留めようとする。
だが、交渉での解決を望むのなら
今日中に政府の合意を得るため、
国王を探し出すしかなかった。
一方、議会に参加した国王は
閣僚たちに
「国民のために国を率いる責務がある」
と進言。
主権国家として
あくまで交渉を続けていくという
政府の意志を尊重する。

ミッツコーゲン農場では
国王に迫るドイツ軍を止めるため
少年兵が集結している。
一人の少年兵の前に停まる国王の車。
国王の言葉がけに
「すべては国王のために」と
敬礼する少年。
国王は
「祖国のためだ」と言い直した――

4月10日
午後12時30分
国王とドイツ公使ブロイアーとの謁見。
公使はノルウェーの状況を伝え、
降伏協定を結ぶように要請。

国王はノルウェー国家としての
決断を伝えるのだった……

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「この国の行く末は
密談によって決まるのではない。
国民の総意で決まるのだ」

閣僚たちを集めて
国王としての意志を語ったホーコン7世。

「自分は国民によって選ばれた国王」

追い詰められ、
逃亡のさなかにありながらも
常にそのことが意識と心に沁み込んでいる
国王の姿勢に感動。

「国王のために」と
敬礼した少年兵に対して
「祖国のためだよ」と
言い直す場面には
思わず背筋を伸ばしました。

1940年6月には
イギリスへ亡命した国王と政府でしたが、
7月、ロンドンからラジオ放送で
退位要求を拒否し、
国内に残るレジスタンスを
鼓舞したのでした。

ホーコン7世を演じた
イエスパー・クリステンセンの演技には
瞠目。

私達が生きる今も
何やら不安材料に満ち満ちているからでしょうか。

孫と遊ぶ優しいおじいちゃんが
迎えた苦難と苦悩の日々が身に沁みます。

しかし、その芯に確固としてある
「国民に選ばれた国王である」
との意識には感銘しました。







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ヒトラーに屈しなかった国王
監督/エリック・ポッペ、脚本/ヤン・トリグヴェ・レイネランド、ハラール・ローセンローヴ=エーグ、
原案/アルフ・R・ヤコブセン、製作/フィン・イェンドルム、スタイン・B・クワエ、
撮影/ヨン・クリスティアン・ローセンルン
出演
イェスパー・クリステンセン/ホーコン7世(ノルウェー国王)、アンドレス・バースモ・クリスティアンセン/オラフ(ノルウェー皇太子)、カール・マルコヴィクス/ドイツ公使、カタリーナ・シュットラー/ドイツ公使夫人、ユリアーネ・ケーラー/ドイツ公使館秘書、アルトゥール・ハカラーティ/少年兵、スヴェイン・ティンドベルグ/大臣、ケティル・ホーグ/外相、ゲラルド・ペッテルセン/首相、ヤン・フロスタッド/議長、エリック・ヒヴュ/大佐
12月16日(土)シネスイッチ銀座ほか全国順次ロードショー
2016年、ノルウェー、ノルウェー・独・デンマーク・スウェーデン語、136分、配給/アット・エンタテインメント、http://kings-choice-jp.com/


by Mtonosama | 2017-12-11 06:27 | 映画 | Comments(3)

ヒトラーに屈しなかった国王
-1-

Kongens nei

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(C)2016 Paradox/Nordisk Film Production/Film Väst/Zentropa Sweden/Copenhagen Film Fund/Newgrange Pictures


前回に続き、またもや
第二次世界大戦時の実話を
上映する当試写室であります。

今回はノルウェーが舞台。

ナチスに降伏を迫られた
ノルウェー国王ホーコン7世が
決断を下すまでの
運命の3日間を描いた映画です。

ホーコン7世(1872~1957)
デンマーク国王フレデリク8世と
ルイーセの次男。
兄はデンマーク国王クリスチャン10世。
1905年、ノルウェーが
スウェーデンとの同君連合を解消、
独立。
大叔父である
スウェーデン=ノルウェー国王
オスカル2世に代わって
国民投票により即位した
国王である。
息子はオラフ5世で
孫のハーラル5世は現国王。
ちなみにオラフ5世は
アムステルダム・オリンピック(‘28)
の金メダリストとしても知られる。

ホーコン7世は
八甲田山で起きた遭難死亡事故の
お見舞いとして
1909年明治天皇に
スキー板を贈呈。
日本とノルウェーの
スキー交流が始まるなど、
日本とのゆかりも深い国王である。

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さて、
1940年4月9日、
この温厚な国王にも
穏やかな国民にも苦難が訪れます。
ナチス・ドイツ軍が
ノルウェーの首都オスロに
侵攻したのです。
ドイツ軍と交戦するノルウェー軍。
しかし、
ナチス・ドイツ軍の
圧倒的な軍事力には抗しがたく
相次いで主要都市が占領されてしまいました。
降伏を求めるドイツ軍に対し
断固拒否の姿勢を貫く政府。
ホーコン7世は政府閣僚と共に
オスロを離れます。

その一方で、
ヒトラーの命を受けたドイツ公使は
国王との謁見の場を設けよという
最後通告を突きつけてきます―――

そんな時代背景の中で生き、
決断を下した国王を描いた作品。

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ナチス・ドイツが席捲した時代の
北欧を描いた映画には
『ヒトラーの忘れもの』
http://mtonosama.exblog.jp/27212109/
http://mtonosama.exblog.jp/27255579/

というデンマーク映画もありました。

これはドイツ軍に置き去りにされ
地雷撤去の任についた
ドイツの少年兵たちのお話でしたが、
戦時中にデンマークの置かれた状況や
国民の怒りもよくわかる佳作でした。

『ヒトラーに屈しなかった国王』は
ノルウェーでは3週連続1位を記録後、
ロングランを続け、
2016年の国内映画興行成績
第1位を獲得。
国民の7人に1人が鑑賞した
社会現象的な大ヒットを記録したそうです。

ノルウェーの人たちの
その気持ちはよくわかります。

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以前、
ノルウェーに行ったことがあります。
オスロ市内を散策した折、
海辺のホテルに人だかりがしていました。
「国王だ!」
という声が聞こえ、見に行きましたが、
警備もそんなにいません。

今、思えば、
あれがホーコン7世のお孫さんである
ハーラル5世だったのでしょう。

本作を観て、
「ノルウェーって自然は壮大だけど、
オスロ市はあまりパッとしないな」
などと思ってしまったことを
深く反省しました。

さあ、一体どんなお話でしょうか。
続きは次回まで乞うご期待でございます。



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ヒトラーに屈しなかった国王
☆12月8日に更新しました。いつも応援して下さってありがとうございます☆

監督/エリック・ポッペ、脚本/ヤン・トリグヴェ・レイネランド、ハラール・ローセンローヴ=エーグ、原案/アルフ・R・ヤコブセン、製作/フィン・イェンドルム、スタイン・B・クワエ、
撮影/ヨン・クリスティアン・ローセンルン
出演
イェスパー・クリステンセン/ホーコン7世(ノルウェー国王)、アンドレス・バースモ・クリスティアンセン/オラフ(ノルウェー皇太子)、カール・マルコヴィクス/ドイツ公使、カタリーナ・シュットラー/ドイツ公使夫人、ユリアーネ・ケーラー/ドイツ公使館秘書、アルトゥール・ハカラーティ/少年兵、スヴェイン・ティンドベルグ/大臣、ケティル・ホーグ/外相、ゲラルド・ペッテルセン/首相、ヤン・フロスタッド/議長、
エリック・ヒヴュ/大佐
12月16日(土)シネスイッチ銀座ほか全国順次ロードショー
2016年、ノルウェー、ノルウェー・独・デンマーク・スウェーデン語、136分、
配給/アット・エンタテインメント、http://kings-choice-jp.com/

by Mtonosama | 2017-12-08 07:04 | 映画 | Comments(4)

ユダヤ人を救った動物園

~アントニーナが愛した命~
-2-

The Zookeeper’s Wife

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©2017 ZOOKEEPER’S WIFE LP. ALL RIGHTS RESERVED.


ヤンとアントニーナ夫妻は
1939年当時ヨーロッパ最大規模を誇る
ワルシャワ動物園を営んでいました。

アントニーナは広い園内を自転車で移動しながら
動物たちに声をかけ、
放し飼いにされている
1頭のワラビーなどはピョンピョンと
ジャンプしながら彼女の後をついてきます。

大人も子どもも大好きな
動物園でした。

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ストーリー
1939年秋
ドイツがポーランドに侵攻、
第二次世界大戦が勃発した。

動物園の存続も危うくなる。
そんな中、アントニーナは
ヒトラー直属の動物学者ヘックから
「あなたの動物を一緒に救おう」と
声を掛けられ、
希少動物を預かりたいという
申し出を受ける。

ヘックの親切な言葉に
心を許したアントニーナだったが、
ヤンはその提案に
不信感を抱くのだった。

そんなヤンの予感は的中。
数日後
ヘックは「上官の命令だ」と言い放ち、
園内の動物たちを撃ち殺し始めた。

一方、ワルシャワ市内のユダヤ人たちは
次々とゲットーへ連行されていく。
その状況を見て
ヤンは「この動物園を隠れ家にする」と
アントニーナに提案するのだった。

ヤンの作戦は
動物園を、ドイツ兵の食糧である
ブタを飼育する養豚場とし、
その餌である生ゴミをゲットーから
トラックで運搬する際、
ユダヤ人たちを紛れ込ます――
というもの。
アントニーナは
その作戦をすぐさま承諾。

そして、ゲットーから連れ出された
ユダヤ人たちは
動物園の地下の檻に匿われ、
身を隠し、
アントニーナは
彼らに温かい食事を供するのだった。

しかし、
ドイツ兵は園内に常駐している。

アントニーナの奏でるピアノが
ユダヤ人に対する
「隠れて」「静かに」の合図だった。

気を抜くことなど許されない
緊張の日々。

さらに
ヤンが地下活動で家を空けることが
多くなり、
アントニーナの不安は募るばかり。
彼女に関心を抱くヘックも
何かと言い寄ってくる中、
彼女はひとり「隠れ家」を守り抜き、
その責務を果たし続けるのだった……

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試写室管理人は
平和な時代の動物園の
ワラビーや子ライオンなどの姿が
可愛くて、可愛くて・・・

その後の展開に
絶対に戦争は許されないと
思いを新たにしたのでした。

ついつい動物の方に目が行ってしまいますが、
ユダヤ人をゲットーから救出する場面や
自身が経営する孤児院の子どもたちと共に
収容所へと送られた
コルチャック先生など
映画としても
歴史としても
見逃せないシーンもタップリ。

ドキドキしたり、
涙したり――
127分スクリーンにくぎ付けにされます。

コルチャック先生
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アンジェイ・ワイダ監督の
『コルチャック先生』(‘90)でも
ご存知でしょうが、
ヤヌシュ・コルチャック(1878~1942)は
ユダヤ系の小児科医師、作家、教育者。
ワルシャワでユダヤ人孤児のための
孤児院を経営していましたが、
ワルシャワがドイツ軍に占領されると
彼の孤児院もゲットーに。
苛酷なゲットーでの暮らしの中
子どもたちに少しでも良い環境を与えたいと
奔走する彼を見かねた友人たちが
彼だけでもゲットーから脱出することを
勧めましたが、
彼はそれを断固拒否。
1942年8月5日
トレブリンカの絶滅収容所へ移送されました。
200人近い孤児たちは
大好きなコルチャック先生と一緒に
一人も取り乱すことなく
列車に乗り込んでいきました。
ヤヌシュ・コルチャック。
享年64歳でした。

不都合な真実から目を逸らそうという
風潮がありますが、
歴史を伝えようとする人、
表現しようという人がいる限り、
まだまだ世界は捨てたものではありません。






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ユダヤ人を救った動物園
監督/ニキ・カーロ、脚本/アンジェラ・ワークマン、撮影/アンドリー・パレーク、
原作/ダイアン・アッカーマン
出演
ジェシカ・チャスティン/アントニーナ、マイケル・マケルハットン/ヤン、ダニエル・ブリュール/ヘック
12月15日(金)TOHOシネマズみゆき座他全国公開
アメリカ、127分、字幕翻訳/松浦美奈、配給/ファントム・フィルム
http://zookeepers-wife.jp/

by Mtonosama | 2017-12-05 06:32 | 映画 | Comments(8)

ユダヤ人を救った動物園
~アントニーナが愛した命~
-1-

The Zookeeper’s Wife

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©2017 ZOOKEEPER’S WIFE LP. ALL RIGHTS RESERVED.


「かわいそうなぞう」というお話をご存知ですか?
毎年、終戦記念日になると
ジャーナリストの秋山ちえ子さんが
このお話をラジオで朗読していたのを
お聞きになった方も多いと思います。

「かわいそうなぞう」は
児童文学作家・土屋由岐雄さんの
書いた童話です。

第二次世界大戦中の
上野動物園が舞台です。

あらすじ
東京でも空襲が激しくなり、
檻が破壊され、猛獣が逃げ出すのを
防ぐため、
動物たちの殺処分が決定されました。
ライオンやクマが殺され、
残るのは
象のジョンとトンキーとワンリー。
飼育員たちは泣く泣く毒餌を与えます。
でも、
賢い彼らは吐き出してしまいます。
毒を注射しようとしますが、
堅い皮膚で注射針は折れてしまいます。
結局は餓死を待つだけに――

お腹のすいた彼らは
前のように芸をすれば餌がもらえると
一生懸命に芸をします…

ああ、もうダメ。
書くだけでも泣けて泣けて――
昔も小さな子どもたちに読み聞かせようと
したのですが、嗚咽がこみあげ、
いつも最後まで読むことができませんでした。

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何にも知らない動物たちが
勝手に人間が始めた戦争で
殺されていったんですよね。

『ユダヤ人を救った動物園』を観て
「かわいそうなぞう」を
思い出してしまったのですが、
本作はユダヤ人300人を動物園の地下に匿い
その命を救った女性の実話です。

オスカー・シンドラーや
日本人外交官・杉原千畝と同様
ナチス支配下、自らの命の危険を冒してまで
ユダヤ人の命を救ったポーランドの夫婦
ヤンとアントニーナ。

彼らはナチスに追われたユダヤ人を
自分達が経営する動物園の地下に匿い
救ったのです。

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原作はダイアン・アッカーマンの
ノンフィクション作品「ユダヤ人を救った動物園
ヤンとアントニーナの物語」(亜紀書房)。
主演は話題作への出演が続く
ジェシカ・チャスティン

主人公アントニーナ・ジャビンスカが
そうであったように
彼女もライオン、象、シマウマ、ワラビーなど
動物たちとのリアルな触れ合いを通じて
アントニーナを演じ切っていました。

彼女はアントニーナの娘・テレサに会って、
直接話を聞き、
ワルシャワ動物園も訪問したそうです。

いつも思うのですが、
こういう若い俳優が80年近く前の
戦争時代のことを演じるのって
本当に大変でしょうね。

そして、
戦争は人間だけではなく、
なんの罪もない動物たちにとっても
むごすぎるできごとです。

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監督は1966年ニュージーランド生まれの
ニキ・カーロ。
彼女はこの映画を通じて
「ホロコーストを描きながらも
癒し、希望、心、人間性を描きたかった」
と言います。

さあ、一体どんなお話でしょうか。
続きは次回まで乞うご期待でございますよ。



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ユダヤ人を救った動物園
監督/ニキ・カーロ、脚本/アンジェラ・ワークマン、撮影/アンドリー・パレーク、
原作/ダイアン・アッカーマン
出演
ジェシカ・チャスティン/アントニーナ、マイケル・マケルハットン/ヤン、ダニエル・ブリュール/ヘック
12月15日(金)TOHOシネマズみゆき座他全国公開
アメリカ、127分、字幕翻訳/松浦美奈、配給/ファントム・フィルム
http://zookeepers-wife.jp/

by Mtonosama | 2017-12-02 05:46 | 映画 | Comments(4)

ラ・ベア
マッチョに恋して
-2-

La Bare

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(C)2014 La Bare / 3:59 Incorporated. All rights reserved


さて、前回お知らせした
ランディ”マスターブラスター“ランディ。
彼はラ・ベアが1978~79年に
創業して以来のダンサーで
いまだ現役です。
まあまあなお歳でしょうが、
日々精進に励むその肉体は30代のもの。

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彼を支えるのはバラエティに富んだチームです。
個性的で魅力的な好青年たち。
男と女にまつわる知恵も豊か。
そんな彼らが
誘惑でいっぱいの世界で
また
セックスとドラッグと
どんちゃん騒ぎの毎日の中で
自らの人生の手綱を握る危うさを
打ち明けています。

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そこには悲劇もありました。
彼らの中で最も輝きを放っていたアンジェロ。
その彼が
撮影隊が到着する数週間前に27歳の若さで
殺されていたのです。

イケメンで
マッチョで
芸達者で、
セクシーなエンタティナーたち。

いつも陽気な彼らが
思いがけない悲劇の後、
カメラの前で
内に秘めた怒りや葛藤、悲しみを
打ち明けます。

さあ、どんな人生を見せてもらえるのでしょう。

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ストーリー
カウボーイハットの下の甘いマスク、
逞しい肩先から延びる筋肉質の腕が
ハンドルを握る。
二人の男が向かう先は一軒の住宅。
そこに集まった女性たちは
彼らの到着を待ちわびている。

そう、二人は
世界トップクラスの
男性ストリップクラブ「ラ・ベア」の
ダンサーなのだ。

女たちが待ち構える家で
繰り広げられるのは
最高のプライベートパフォーマンスだ。

まばゆいスポットライトの下で
男たちは輝いている。

「ラ・ベア」開店以来
30年以上の人気を保持している
「努力を惜しまない
セックスアピールの塊り」
ベテラン個性派
常に身体を鍛え続ける
ランディ”マスターブラスター”。
『マジック・マイク』を
きっかけにこの世界に飛び込んだ
かわいい系のイケメンで
その名も”チャニング“。
魅力あふれるダンサーたちだ。

店をまとめるのはやり手の
ジョー・ミラーとアレックス。
そして、
パトロン女性マーガレット。

「ラ・ベア」の訪れた女性客たちにも
自宅に呼んでくれた客たちにも
夫や恋人たち以上の愛情を持って
接するプロフェッショナル・ダンサー達。

そんな彼らを襲った深い悲しみ。
抜群のカリスマ性を持った
トップダンサー・アンジェロが
トラブルに巻き込まれ
銃撃されたのだ……

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プロに徹した彼らは
自分達の商売道具である
徹底的に肉体を鍛えあげ、
トレーニングを欠かしません。
また、いつまでも続けられる
仕事ではないことも知っています。
そして、
同僚の非業な死を通じて
自分達の人生を見つめ直す彼ら。

女たちの嬌声と
マッチョな彼らの陽気な笑い声の陰に、
人生の明暗が際立ちます。

面白うて
やがて悲しき人生なのであります。







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ラ・ベア
ジョー・マンガニエロ/監督・プロデューサー、ニック・マンガニエロ/プロデューサー、撮影/アンドリュー・ホイーラー
出演
マスタープラスター、チャニング、チェイス、トレント、DJニック・アダムス、シーザー、コール、ジョー・ミラー、アレックス、JD、オースティン
12月9日(土)よりヒューマントラストシネマ渋谷、シネ・リーブル梅田ほか全国ロードショー
2014年、91分、アメリカ、カラー、字幕/宍戸レイ、配給/パルコ

by Mtonosama | 2017-11-30 06:25 | 映画 | Comments(4)

ラ・ベア
マッチョに恋して
-1-

La Bare

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(C)2014 La Bare / 3:59 Incorporated. All rights reserved


すいません。
また、また、
禁断の男性ストリップの世界に
行ってしまいました。

いえ、はとバスの男性ストリップツアー
ではないんですけど。

以前、
当試写室で上映した『マジック・マイク』
http://mtonosama.exblog.jp/20099859/
http://mtonosama.exblog.jp/20118976/

男性ストリップの世界を描いた映画で
これも面白かったですねぇ。

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いえね、
本作は『マジック・マイク』に出演し、
すっかりはまってしまった俳優
ジョー・マンガニエロが
監督したドキュメンタリー映画を上映しますよ。
彼、本作が初監督作品です。

日本でも大ヒットし、
山田孝之主演・福田雄一演出で
舞台化もされた『フルモンティ』
(’97 ピーター・カッタネオ監督)
もありますし、
この男性ストリッパー路線、
なかなか素通りはできません。

まして、『マジック・マイク』で
”ビッグ・ディック“リッチーを演じた
ジョー・マンガニエロが監督するなら
ちょっと観てみたいでしょ?

いえ、違いますって。
男性ストリップが好きだからじゃ
ありませんって。

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ジョー・マンガニエロ(監督・製作)
1976年アメリカ出身。
スティーブン・ソダーバーグ『マジック・マイク』
のリッチー役や
HBOチャンネル『トゥルーブラッド』
に登場するオオカミ人間役で
最も知られており、
『トゥルー・ブラッド』では
批評家・観客双方から称賛されている。
好きなオオカミ人間1位にも選ばれた。
2013年には処女作“Evolution”を出版。
発売1週目にして増刷。
カーネギーメロン大学演劇学校で
美術学問学士号取得。
最近の出演舞台は去年の秋
イェール・レパートリー・シアターが
初めて上演した『欲望という名の電車』で
スタンリー・コワルスキー役を務めた。
最近の出演作は
アーノルド・シュワルツェネッガー、
サム・ワーシントン共演
デヴィッド・エア―監督・脚本の
『サボタージュ』(日本公開2014年11月7日)で
麻薬取締官を演じている。
制作会社3:59 Incorporatedの社長兼CEOでもある。
制作パートナーである弟のニックと共に
運営するこの会社では
LAを拠点にプロジェクトを展開する。

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才能あふれるジョー・マンガニエロ。
でも、彼ですら
『マジック・マイク』のオファーを
受けた時はとまどったんだそうです。

そう、彼もまた
多くの人同様、この仕事に
偏見を持っていたから。

そもそも男性ストリッパーという
職業は70年代後半の
フェミニズム運動の高まりを
きっかけに生まれたものなんですって。

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本作のタイトルでもあり、
登場もしている
ラ・ベアという店は
最初期に開業したクラブのひとつです。

そして、
その店には男性ストリップ界の生き字引
また驚くべきことに
未だ現役ダンサーで
「93キロの鍛え上げられた鋼鉄と
セックスアピールの塊り」
というキャッチフレーズもそのままの
ランディ”マスターブラスター”リックス“
もいたんですねえ。

さあ、一体どんなお話でしょうか。
続きは次回まで
乞うご期待でございますよ。



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ラ・ベア
ジョー・マンガニエロ/監督・プロデューサー、ニック・マンガニエロ/プロデューサー、
撮影/アンドリュー・ホイーラー
出演
マスタープラスター、チャニング、チェイス、トレント、DJニック・アダムス、シーザー、コール、
ジョー・ミラー、アレックス、JD、オースティン
12月9日(土)よりヒューマントラストシネマ渋谷、シネ・リーブル梅田ほか全国ロードショー
2014年、91分、アメリカ、カラー、字幕/宍戸レイ、配給/パルコ

by Mtonosama | 2017-11-28 06:19 | 映画 | Comments(6)

三毛猫ひかちゃん
-62-

あたし、ひかちゃん。

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飼い主がね、
いつものようにチャリを走らせ、
橋に通りかかった時、
あの有名なお山が見えたんだって。

そうよ、
富士山。

思わず、急ブレーキかけて
ポケットから
スマホを取り出して写したのよ。

でも、相変わらず下手だわ。

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あたしはチャリには乗らないし、
最近は朝練もしなくなったけど、
こうやってお外を見ているだけでも
季節の移ろいは感じられるわ。
ふっ

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そして、眠るの。
幸せ……

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な、なによ!
また、邪魔しにきたのね。
もうーっ
お仕置きよ。

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あら?なによ、これ。
ああ、「二度目のなんちゃら」っていう
BS3の番組ね。
え?『二度目のベトナム』
ホイアンって街の灯篭流しなの?

飼い主ってこういうの好きなのよね。
へたくそだけど、見てやって。

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あたしは寒い日用のベッド、
アンプの上にお引越しよ。

ねえ、見て、見て。
あたし、お嬢様猫だから
真珠の首輪・・・
あ、違った。
ネックレスをつけてんのよ。

ますます深窓の令嬢でしょ。

寒くなってきたわね。
インフルエンザの予防注射打った?
あったかくして過ごしてね。

またくるわ。

ひかり


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by Mtonosama | 2017-11-25 05:50 | 映画 | Comments(8)

希望のかなた
-2-

TOIVON TUOLLA PUOLEN

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(C)SPUTNIC OY, 2017

長く苦しいヘルシンキへの逃避行の途中で
生き別れになった妹を探す
シリア難民・カーリド。
彼がレストランオーナーやその従業員らの
善意によって救われるというお話ですが――

カーリドは
一体どんな経路を辿って
ヘルシンキまでやってきたのでしょう。

内戦の続くシリアのアレッポを
妹と脱出したカーリド。
まずは、歩いてトルコ国境越え。
密航業者に3000ドルを支払い、
船でギリシャへ。
そして、
徒歩でマケドニアからセルビアに。
が、しかし、
ハンガリー国境で
混乱に巻き込まれてしまいました。

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トルコ=ギリシャ海路ルートで海を渡り、
バルカンルートを経て
ヨーロッパ大陸を北上したんですか・・・

ちょっとヨーロッパ地図を思い浮かべてください。
ハンガリーからヘルシンキまではまだまだ遠い。
でも、
なんとかヘルシンキまで辿り着きますよ。

これは実際に多くの難民が
辿るルートなのだそうです。

さて

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ストーリー
ヘルシンキ港の船に積まれた
石炭の山から
真っ黒になったカーリドが現れる。
駅のシャワー室で身なりを整えて
警察へ出向いた彼は
難民申請を申し入れた。
そして、
中東やアフリカからの難民や移民で
溢れる収容施設に。

入国管理局での面接で
カーリドは面接官に
故郷で起きた悲劇を話す。

故郷のアレッポでは様々な勢力が対立。
カーリドの家は
どの勢力によるものかもわからない
空爆によって焼かれ、
家族も親類も死んだ。
そして、
一緒に逃げてきた妹ミリアムとも
ハンガリー国境での混乱の中で
生き別れてしまった。
彼の唯一の望みは妹を探し出し、
フィンランドに呼び寄せること――

ヘルシンキで衣料のセールスをしている
ヴィクストロム。
冴えない仕事と酒浸りの女房に
ウンザリ。
彼は結婚指輪を妻に残し、
無言で家を出た。
彼はレストランのオーナーとして
新しい人生を始める夢を持っている。

セールス品の在庫を売り払った金を
すべてポーカーにつぎ込み、
大金を手にした彼は
一軒のレストランを手に入れた。

その店にはベテラン従業員も
いるという触れ込みだったが、
蓋を開ければ、はてさて――

一方、カーリドに
トルコへの送還決定が下される。
彼は妹を探すため、不法滞在者として
留まることを決意し、収容所を脱走。
だが、
その途中、ネオナチに襲撃され、 
危ういところで難を逃れる。
カーリドに救いの手を差し伸べたのは
ヴィクストロムだった……

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いつものように飄々とした語り口。
お約束のお利口な犬も登場します。
ラストも前作同様
希望を感じさせてくれます。

でも、今までの作品と
ちょっと感じが違うんです。
ネオナチが出てくるからでしょうか。
それともカーリドが
カウリスマキ映画ならではの
ブサイク系の俳優ではないからでしょうか。

そう、主人公を演じたシェルワン・ハジは
主人公同様
シリアからフィンランドへやってきました。

彼はカウリスマキ映画には
珍しくイケメンで、
表情も豊か。

彼の存在が本作に
これまでと違った現実感を
与えているのかもしれません。

それにしても
カウリスマキ映画に出演する
フィンランド人って
どうしてこんなに無表情で
おかしいんでしょう。





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希望のかなた
アキ・カウリスマキ/監督・脚本、ティモ・サルミネン/撮影
出演
シェルワン・ハジ/カーリド、サカリ・クオスマネン/ヴィクストロム、イルッカ・コイヴラ/カラムニウス、ヤンネ・ヒューティアイネン/ニュルヒネン、ヌップ・コイブ/ミルヤ、カイヤ・パカリネン/ヴィクストロムの妻、ニロズ・ハジ/ミリアム、サイモン・フセイン・アルバズーン/マズダック、ヴァルプ/犬のコイスティネン、カティ・オウティネン/用品店の女店主、マリヤ・ヤルヴェンヘルミ/収容施設の女性
12月2日(土)よりロードショー
2017年、フィンランド、98分、フィンランド語・英語・アラビア語、カラー、字幕翻訳/石田泰子、提供/ユーロスペース、松竹、配給/ユーロスペース、後援/フィンランド大使館、協力/国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)駐日事務所、特定非営利活動法人 国連UNHCR協会、http://kibou-film.com/

by Mtonosama | 2017-11-22 06:15 | 映画 | Comments(2)

希望のかなた
-1-

TOIVON TUOLLA PUOLEN

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(C)SPUTNIC OY, 2017


アキ・カウリスマキ監督の最新作です。
フィンランドの監督さんですが、
ちょっと変わった作風。
なんていうか
う~ん、動く紙芝居?
スティール写真のようなムービー?
ひとつの表情が
しばし貼りついたままの俳優?
シンプルで
妙になつかしい画面構成?

当試写室管理人にとっては
アキ・カウリスマキ監督は
これぞフィンランド映画
として定着してしまいましたが、
皆さまもこの作風に
きっと興味をお持ちになることでしょう。

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本作『希望のかなた』は
しかし、
ちょっと雰囲気が変わっていました。

『希望のかなた』が
フィンランドの首都ヘルシンキを
舞台にしているのはこれまで通り。

ですが、
今回はシリア難民の青年が主人公です。

今年ベルリン国際映画祭で上映され、
批評家、観客から圧倒的な支持を受けて
監督賞を受賞しました。

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『浮き雲』(’96)
『過去のない男』('02)
『街のあかり』(’06)
以上の〈敗者三部作〉を完成させた
カウリスマキ監督にとって、
本作は
『ル・アーブルの靴みがき』(’11) に続く
http://mtonosama.exblog.jp/17426967/ 
http://mtonosama.exblog.jp/17438978/
〈港町三部作〉の
二作目として位置づけられていました。

でも、
『ル・アーブルの靴みがき』を
ご覧になったなら、成程とお思いでしょうが、
監督は〈港町三部作〉の
呼び方を〈難民三部作〉と変えました。

『ル・アーブルの靴みがき』は
難民問題を扱っていますが、
驚くほどのハッピーエンド。
が、しかし、
現実の難民問題はハッピーどころか
エンド・マークも見えません。

という訳で
監督は本作でも再び
難民問題を取り上げました。
三部作ですから、
次作もきっと難民の映画でしょう。

アキ・カウリスマキ監督の映画は
彼が敬愛する小津安二郎に似た
簡潔なセリフとアングル、
寡黙で無表情な登場人物で構成されます。
なんとなく可笑しみのある世界。
北欧らしい静かな自己完結した世界観を
漂わせているとでもいいましょうか。

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前作『ル・アーブルの靴みがき』でも
難民が登場したとはいえ、
社会問題として描かれてはいませんでした。

だからといって、
監督が社会問題に無関心ということでは
ありません。

2002年にこんなことがありました。
この年、NY映画祭に招待された
カウリスマキ監督。
一緒に招待されていた
アッバス・キアロスタミ監督が
(1940年6月22日~2016年7月4日)
前年2001年に起きた同時多発テロの影響で
イラン人故にビザが発給されず、
入国ができなかったことに激怒。
参加をボイコットしたのです。

その時の声明をご紹介します。
「世界中で最も平和を希求するキアロスタミ監督に
イラン人だからビザが出ないと聞き
深い悲しみを覚える。
(キアロスタミ監督にビザが出ないなら)
石油すらないフィンランドの監督は
もっと不要だろう。
米国防長官はわが国で
キノコ狩りでもして気を鎮めたらどうか。
世界の文化の交換が妨害されたら何が残る?
武器の交換か?」


いかにもカウリスマキ監督らしい
飄々としたユーモアの中に
言うべきことは言うよ、という
強い意志が見えますよね。

さあ、一体どんなお話でしょう。
続きは次回まで乞うご期待でございます。



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希望のかなた
アキ・カウリスマキ/監督・脚本、ティモ・サルミネン/撮影
出演
シェルワン・ハジ/カーリド、サカリ・クオスマネン/ヴィクストロム、イルッカ・コイヴラ/カラムニウス、ヤンネ・ヒューティアイネン/ニュルヒネン、ヌップ・コイブ/ミルヤ、カイヤ・パカリネン/ヴィクストロムの妻、ニロズ・ハジ/ミリアム、サイモン・フセイン・アルバズーン/マズダック、ヴァルプ/犬のコイスティネン、カティ・オウティネン/用品店の女店主、マリヤ・ヤルヴェンヘルミ/収容施設の女性
12月2日(土)よりロードショー
2017年、フィンランド、98分、フィンランド語・英語・アラビア語、カラー、字幕翻訳/石田泰子、提供/ユーロスペース、松竹、配給/ユーロスペース、後援/フィンランド大使館、協力/国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)駐日事務所、特定非営利活動法人 国連UNHCR協会、http://kibou-film.com/

by Mtonosama | 2017-11-19 06:12 | 映画 | Comments(2)