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殿様の試写室

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殿が観た最新映画をいち早くお知らせ!

カテゴリ:映画( 989 )


ドリーム
-1-

Hidden Figures

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(C) 2016Twentieth Century Fox

 
1960年代、時代は東西冷戦下にありました。
その頃、アメリカが推進していたのは有人宇宙計画。
ソ連との間で抜きつ抜かれつの
つばぜり合いを展開していました。
 
ところで、
アメリカのこの計画において
黒人女性数学者たちが多大な貢献をしていたことを
ご存知でしょうか。
 
キャサリン・G・ジョンソン
ドロシー・ヴォーン
メアリー・ジャクソン
 
本作はこの3人の黒人女性数学者が主人公です。

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3人が人種差別に直面し、
男ばかりの職場で様々な苦難に遭いながら、
人間コンピュータとも呼ばれた卓抜した数学力と頭脳、
何事にもめげない精神力と努力と根性で
偉業を成し遂げ、夢をかなえた実話を基にした映画。
 
アメリカ宇宙開発史上の
知られざるヒロインたちにスポットライトを当てた
感動的な作品です。
アメリカ映画が本領を発揮しました。
 
ジョン・グレン、アラン・シェパード、ニール・アームストロングという
宇宙飛行士たちを有名にしたのは
こうした名もない女性たちの働きがあったからなんですねぇ。

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キャサリン・G・ジョンソン(1918年8月26日~)
ウエスト・ヴァージニア出身。10歳で高校入学。
18歳で数学とフランス語で学位を取得。
人種差別が撤廃され、
ウエスト・ヴァージニア大学大学院に入学した最初の一人。
1953年にNASAのラングレー研究所勤務を始め、
シングルマザーとして3人の子どもを育てた。
ジョン・グレンの地球周回軌道の主な軌跡や
1969年の月へのアポロ飛行の計算をした数学の天才。
2015年に米大統領自由勲章を受勲
 
ドロシー・ヴォーン(1910年9月20日~2008年11月10日)
ミズーリ出身。19歳で大学を卒業。数学教師を経て
1943年にラングレー研究所に入り、
ウエスト・コンピューティング・グループの責任者に。
最新のIBMコンピュータが登場すると
電子計算とフォートラン・プログラミングを専門にし、
自分と同僚たちを研究所に欠かせない存在にした。
 
メアリー・ジャクソン(1921年4月9日~2005年2月11日)
ヴァージニア州ハンプトン出身。
自然科学と数学の学位を取得。
1951年、ラングレー研究所に入った後、
航空宇宙科学エンジニアになる。
風洞実験や航空データを専門とした。
 
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彼女たちが成し遂げたのは
アメリカにおけるさまざまな意味での平等、
数学分野での功績、
そして
地球の周りを時速17万マイル以上で回った
ジョン・グレンの軌道打ち上げへの道でした。
 
ラングレー研究所は
コンピュータ並みに高度な計算のできる頭脳を
持った女性たちを採用しました。
その多くがアフリカ系アメリカ人の数学教師でした。
 
でも、問題は彼女たちが有色人種だったことなんですね。
彼女たちは天才的な頭脳集団でしたが、
差別は変わりません。
食事は白人たちとは別の部屋、
トイレも別、
給料も白人同業者より少ないままでした。
 
でもね、彼女たちの仕事ぶりはすごかったんですよ。
頭の良さに人種なんて関係ないってこと。
気持ち良い程痛快な映画でした。
 
続きは次回まで乞うご期待でございますよ。
 


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ドリーム
監督/セオドア・メルフィ、脚本/アリソン・シュローダー、セオドア・メルフィ、原作/マーゴット・リー・シェタリー「ドリーム NASAを支えた名もなき計算手たち」(ハーパーコリンズ・ジャパン)、撮影/マンディ・ウォーカー、ASC、ACS、製作/ドナ・ジグリオッティ,p.g.a.、ピーター・チャーニン,p.g.a.、ジェノ・トッピング,p.g.a.、ファレル・ウィリアムズ,p.g.a.、セオドア・メルフィ,p.g.a.
出演
タラジ・P・ヘンソン/キャサリン・G・ジョンソン、オクタヴィア・スペンサー/ドロシー・ヴォーン、ジャネール・モネイ/メアリー・ジャクソン、ケビン・コスナー/アル・ハリソン、キルスティン・ダンスト/ヴィヴィアン・ミッチェル、ジム・パーソンズ/ポール・スタフォード、マハーシャラ・アリ/ジム・ジョンソン、キンバリー・クイン/ルース、グレン・パウエル/ジョン・グレン、オールディス・ホッジ/レヴィ・ジャクソン
9月29日(金)TOHOシネマズシャンテほか全国公開
2016年、アメリカ、147分、字幕翻訳/長尾絵衣子、配給/20世紀フォックス映画、http://www.foxmovies-jp.com/dreammovie/

by Mtonosama | 2017-09-20 06:19 | 映画 | Comments(7)

三毛猫ひかちゃん
-59-

あたし、ひかちゃん。

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律儀なお花よね。

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過ごしやすくなったわ、と思う頃、
毎年こうやって湧き出してくるのよね。

飼い主なんかこのお花・・・
(あ、彼岸花っていうの?)
伸びすぎてぽきんと折れたのを
拾ってきてはおうちに飾っていたの。

でも、こないだ
「縁起が悪いのよ」
と言われたんだって。

綺麗なお花なのにね。

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実は
あたし、もうここ一ヶ月以上
朝練してないのよね。
なんかおうちでまったり過ごすことが
楽しくなっちゃったの。

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ああ、気持ち良いわね。

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涼しくなってノミ攻撃もおさまって
飼い主に無理矢理お風呂に入れられることもなくなったし。

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うん?だからって図に乗っていつまでも写してんじゃないわよ。

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あ、これ?
名古屋駅の東海道線のホームよ。
新幹線ホームとは違って寂しげね。
飼い主の伯母ちゃんが亡くなって斎場に向かうところなの。
寂しげなのはそのせいね。

そうそう、
急に涼しくなったから皆さんも体に気をつけてね。
もうインフルエンザが流行り出しているんですって。

ひかり


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by Mtonosama | 2017-09-17 08:08 | 映画 | Comments(8)

50年後のボクたちは
-2-

tschick

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(C)2016 Lago Film GmbH. Studiocanal Film GmbH


原作者も監督も素晴らしいのですが、
なんといっても本作の素晴らしさは
2人の主人公によるところが大きいです。

いますよね。
こんな男の子。
14歳って微妙なお年頃なのに、
女の子に比べればまだまだガキ。

映画の中でも主人公が言ってました。
「この年頃って女子の方が優秀なのさ」って。

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ストーリー
マイクは同級生のタチアナに片思い。
クラスでははみ出し者で、同級生からは変人扱い。
アル中の母親を作文に書き、先生にも怒られる。
でも、マイクの頭の中は
タチアナの誕生パーティのことでいっぱいで、
夜ごと彼女の肖像画を描いている。
プレゼントのためだ。

ある日、転校生が来た。
チチャチョフという名前。
ロシアの方からやってきたらしい。
目つきが悪く、髪形も変。
おまけにどうも二日酔いのようだ。
隣の席になってしまったマイクは
目を合わせないようにした。

いよいよ夏休み。
だが、タチアナからの招待状は
マイクとチチャチョフことチックにだけ来なかった。
似顔絵を破ることもできず、
一人めそめそするマイク。

その夜
マイクは店で酔いつぶれた母親を迎えにいく。
「明日から断酒の専門病院に行くわ」
自転車を漕ぐマイクの背中に向かってつぶやく母親。

翌日、母親は病院へ。
父親は200ユーロを置いて
愛人と2週間の出張(?)に出かけた。
そこへ、突然、チックが
ボロボロのラーダ・ニーヴァに乗って出現。
「盗んだの?」
「借りただけさ。ドライブに行こうぜ!」

迷惑顔のマイクにはお構いなしで
家に上がり込むチック。
渡せなかったタチアナの似顔絵を発見し、
招待もされていない彼女のパーティへマイクを引っ張っていく。
チックに促され、似顔絵を贈るマイク。
驚くタチアナを尻目に会場を後にする2人。

その夜、2人はラーダ・ニーヴァで旅に出ることを決める。
行先はチックの祖父が住む
ワラキア(ドイツ語で未開の地を指す)。

広大な畑を見ながら進むラーダ・ニーヴァ。
マイクがスマホを出すと、
チックは取り上げて窓から放り投げる。
「ひたすら南へ進めばいいんだよ」

夜が来て、2人は風力発電機の下で寝袋に入り、
夜空を見上げながら眠りについた。

翌朝、食料調達に出かけた2人が
出会った少年についていくと子だくさんの母親に出迎えられた。
人並みの食事にありつけるぞ。
だが、デザートの前に母親は子どもたちにクイズをする。
高度なクイズに次々答える子ども達。
別れ際、チックも出題する。
「腕時計で方位をみつけるには、どうする?」
「短針を太陽に向けると12時との中間が南だよ」
「正解!」
南への行き方を知って喜ぶ2人。

ところが、車に乗り込んだチックの横を警官が通りかかると、
マイクを残したまま、慌てて発進していく。
マイクも警官の自転車を奪い、逃走。
どうなる?マイク。
どうなる?チック……

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この後も冒険は続きますよ。
そして、ひと夏を経て
少し大人になったマイクもいます。

「50年後のボクたち」が何を意味するかも
わかるんですけど、それをお話する訳にはいきません。

テンポの良さに片時だってじっとしていられない。
大人の目や女の子の目じゃなく、
14歳の少年たちの目線で笑い、びくびくしながら、
スクリーンに釘付けになってしまうことは請け合い。

アジア的な顔立ちのチックの出現には
マイクならずともびっくりし、
やがて、その魅力に吸い込まれてしまいますよ。

ああ、楽しい映画だった!

少年と夏は永遠不滅のテーマです。やっぱり。





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50年後のボクたちは
監督・共同脚本/ファティ・アキン、脚本/ラース・フーブリヒ、原作/ヴォルフガング・ヘルンドルフ、撮影/ライナー・クラウスマン、製作/マルコ・メーリッツ
出演
トリスタン・ゲーベル/マイク・クリンゲンベルク、アナンド・バトビレグ・チョローンバートル/チック、メルセデス・ミュラー/イザ、ウーヴェ・ボーム/マイクの父、アニャ・シュナイダー/マイクの母
9月16日(土)ヒューマントラストシネマ有楽町、新宿シネマカリテ
2016年、ドイツ、93分、配給/ビターズエンド、http://www.bitters.co.jp/50nengo/

by Mtonosama | 2017-09-14 08:18 | 映画 | Comments(8)

50年後のボクたちは
-1-

tschick

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(C)2016 Lago Film GmbH. Studiocanal Film GmbH


少年、夏、冒険、旅―――

小説にとっても、映画にとっても、
永遠のテーマでありましょう。

先日シネコヤで観た
『グッバイ、サマー』(’15)もそうだったし、
懐かしいところでは『スタンド・バイ・ミー』(’87)も。

ああ、もう30年も前なんですね。
でも、いつ観ても新鮮で、
元気になれるのが少年夏物語。

原作はドイツ国内で220万部以上を売り上げ、
26ヶ国で翻訳されたべストセラー小説
「14歳、ぼくらの疾走」(原題:Tschick)。
ドイツ児童文学賞ほか多くの賞をとり、
舞台版は12、13年シーズンの
最多上演作品になる大ヒットを飛ばしました。

日本でもこの夏、
柄本時生、篠山輝信の主演で
舞台が初演されました。
この二人、14歳というには
ちょっと薹(とう)が立ち過ぎと思いますけどね。
でも、150歳が言うことではないか。

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そして、「14歳、ぼくらの疾走」を映画化したのは
若き名匠ファティ・アキン。

これは期待できますよ。
ファティ・アキン監督といえば当試写室でも
もう何度も上映していますが、
またご紹介させていただきます。

ファティ・アキン監督
1973年トルコ移民の両親のもと、
ハンブルグに生まれる。
俳優志望だったが、
移民役などステレオタイプの役柄を演じることにウンザリ。
ハンブルグ造形美術大学に進学した。
95年、監督デビュー作となる短編“Sensin-Du bist es!”で
ハンブルグ国際短編映画祭観客賞を受賞。
初の長編映画“Kurz und schmerzlos”(’98)で
ロカルノ映画祭の銅豹賞、アドルフ・グリム賞、
バイエルン映画賞など全部で9つの賞を獲得。
その後は皆さまもご存知の通り、
ベルリン、カンヌ、ヴェネチアの三大映画祭での
主要賞の受賞を果たす等、破竹の勢いの監督。

第66回ヴェネチア国際映画祭審査員特別賞を
受賞した『ソウル・キッチン』は
ドイツで100万人以上の観客を動員し、
ヨーロッパ各国でヒットを飛ばした。

ファティ・アキン監督のみならず
多くの読者を魅了した原作の作者は
ヴォルフガング・ヘルンドルフです。

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ヴォルフガング・ヘルンドルフ
1965年ハンブルグ生まれ。
イラストレーターとして活躍の後、作家としても活動開始。
02年“Pluschgenwitten”、
07年“Diesseits des Van-Allen-Gurtels”を出版。
10年、脳腫瘍がみつかる。
その直後から「14歳、ぼくらの疾走」執筆を開始、
同年、刊行。
世界26か国で出版され、
220万部を超える大ベストセラーに。
11年、「砂」を出版。
13年、ベルリンで死去。
翌14年、彼のブログ「仕事と構造」が書籍化。
それに続き、死の直前まで加筆していた
「14歳、ぼくらの疾走」の登場人物の一人・イザが
主人公の未完の小説
“Bilder deiner grofen Liebe”が出版された。

劇的な人生ですね。
病に挑戦するかのように書き上げた小説。
それを知るとなおさら
『50年後のボクたちは』という邦題が胸に迫ります。

さあ、いったいどんなお話なのでしょう。
続きは次回まで乞うご期待でございますよ。



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50年後のボクたちは
監督・共同脚本/ファティ・アキン、脚本/ラース・フーブリヒ、原作/ヴォルフガング・ヘルンドルフ、撮影/ライナー・クラウスマン、製作/マルコ・メーリッツ
出演
トリスタン・ゲーベル/マイク・クリンゲンベルク、アナンド・バトビレグ・チョローンバートル/チック、メルセデス・ミュラー/イザ、ウーヴェ・ボーム/マイクの父、アニャ・シュナイダー/マイクの母
9月16日(土)ヒューマントラストシネマ有楽町、新宿シネマカリテ
2016年、ドイツ、93分、配給/ビターズエンド、http://www.bitters.co.jp/50nengo/

by Mtonosama | 2017-09-11 05:53 | 映画 | Comments(0)

サーミの血
-2-

Sameblod

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(C)2016 NORDISK FILM PRODUCTION


本作では脚本も書いたアマンダ・シェーネル監督。
彼女の祖父母は自分達がサーミ人であることを隠し、
サーミ語を話すこともありませんでした。
監督は年配のサーミ人たちの多くが
ルーツを捨て、スウェーデン人になった姿を
目の当たりにして育ってきたそうです。

本作に登場するのは
故郷を捨てた姉、そして、故郷にとどまった妹。

物語は妹の葬儀に向かう姉の姿から始まります。


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ストーリー
クリスティーナは孫娘と共に息子の運転する車で
妹の葬儀の行われる故郷へ向かっている。
少女の頃に捨てた故郷、本当の名前、
そして、死ぬまで会わなかった妹と
数十年ぶりに出会う旅だった。

家族や親戚を残し、ひとりホテルに戻った彼女は
少女の頃を思い出す―――

1930年代、ラップランドで暮らすサーミ人は
差別的な扱いを受けていた。
エレ・マリャとその妹ニェンナは親元を離れ、
サーミ語を話すことを禁じられた寄宿学校に通っていた。
エレ・マリャは成績優秀で進学を望んでいる。
だが、スウェーデン人の女教師は
「あなたたちの脳は文明に適応できない」
と断言するのだった。

ある日、エレ・マリャは
スウェーデン人のふりをして紛れ込んだ夏祭りで
都会の少年ニクラスに出会う。
その時、彼女が咄嗟に名乗った名前は
「クリスティーナ」。

学ぶこと、自分の未来を自分で決めること、
人間として当然の権利も与えられない生活から
逃げ出したいと思っていたエレ・マリャは
ニクラスを頼って街へ出た。

憧れていた学校に入学し、
スウェーデン人「クリスティーナ」としての
生活を始めたエレ・マリャ。
だが、授業料の支払いを求められ、
現実を思い知らされるのだった。

行き詰った彼女は親元に戻り、
自分のトナカイを売って学費を払ってほしいと頼むが
断られてしまう。

翌日、エレ・マリャは全てを断ち切るように
自分のトナカイを殺す……

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サーミには国の政策や多数民族社会からの偏見や差別に
苦しめられた歴史があります。
スウェーデンは、定住しないサーミに対する
排除政策を取っていました。
サーミは他の人種より劣った人種的特徴を持っているとされ、
骨格や歯などを測定されたりもしました。

映画の中でもエレ・マリャが顔の骨格を調べられたり、
裸にされ、体格を測定されたりするシーンもありました。
窓の外からスウェーデン人の少年が覗いているのに。

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分離や差別は学校教育にも広がり、
1913年の学校法によってサーミ人の子どものため
「移牧学校」が作られます。
これはトナカイ飼育業の児童を公立の学校から排除するためでした。
エレ・マリャや妹ニェンナがいたのもこの学校です。
彼女たちが学校へ向かう途中、
近隣の青年たちがかける罵りの言葉。
それを無視し、相手にならないように
まっすぐ前を向いて歩くエレ・マリャ。

その後、この境遇から逃げ出すために取る彼女の必死の行動――
ここまでするしかなかったのかと
胸がしめつけられます。

少数先住民族の受けるいわれのない差別。
世界中で今も起こっていることです。





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サーミの血
監督・脚本/アマンダ・シェーネル、製作/ラース・G・リンドストロム、撮影/ソフィーア・オルソン、ぺトルゥス・シェーヴィーク
出演
レーネ=セシリア・スパルロク/エレ・マリャ、ミーア=エリーカ・スパルロク/ニェンナ、マイ=ドリス・リンピ/老いたエレ・マリャ(クリスティーナ)、ユリウス・フレイシャンデル/ニクラス、オッレ・サッリ/オッレ、ハンナ・アルストロム/教師
9月16日(土)より新宿武蔵野館、アップリンク渋谷ほか全国順次公開
2016年、スウェーデン、ノルウェー、デンマーク、108分、南サーミ語、スウェーデン語、後援/スウェーデン大使館、ノルウェー王国大使館、配給/アップリンク、http://www.uplink.co.jp/sami/

by Mtonosama | 2017-09-08 06:47 | 映画 | Comments(6)

サーミの血
-1-

Sameblod


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(C)2016 NORDISK FILM PRODUCTION


またまたタイトルのチラ見で
吸血鬼の話と勘違いしてしまったとのです。
まったくもって、
勘違い甚だしく、反省しきりであります。

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本作『サーミの血』は
スウェーデンの美しい自然を舞台に描かれ、
サーミ人の少女が差別に抗して
自分自身を求めていく成長物語です。

サーミ人とはスカンジナビア半島北部で
トナカイ遊牧民族として知られる少数先住民族。
ウラル語族に属し、
フィンランド語に近い独自の言語を持っています
彼らが分布する地域は
ラップランドと呼ばれてきましたが、
現在はノルウェー、スウェーデン、フィンランドと
ロシアの4ヶ国に分断されています。

本作の時代背景である1930年代
スウェーデンのサーミ人は分離政策の対象になり、
劣等民族として差別されていました。

なんと
あの先進国スウェーデンにも
差別があったんですね。
福祉、人権、父親の育児参加と何についても
世界のお手本と思われているスウェーデンですのに・・・

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監督はアマンダ・シェーネル。

アマンダ・シェーネル監督
1986年、スウェーデン人の母とサーミ人の父の間に
スウェーデンに生まれる。
2006年以降、数本の短編映画を監督。
2013年、デンマーク国立映画学校の監督学科を卒業。
『サーミの血』の前身『Stoerre Vaerie』(’15)は
サンダンス映画祭でプレミア上映され、
ヨーテボリ国際映画祭2015の短編監督賞、
ウプサラ国際短編映画祭2015の最優秀短編賞などを受賞。
本作『サーミの血』は
ヨーテボリ国際映画祭2017で
前年度『ヒトラーの忘れもの』が
http://mtonosama.exblog.jp/27212109/ 
http://mtonosama.exblog.jp/27255579/
受賞した最優秀ノルディック映画賞を受賞している。

『ヒトラーの忘れもの』。
これも感動的な映画でしたねぇ。

主人公エレ・マリャを演じたレーネ=セシリア・スパルロクは
1997年ノルウェー生まれのサーミ人で本作が映画初出演。
今も家族と一緒にトナカイの飼育に従事しています。

妹ニェンナ役のミーア=エリーカ・スパルロクは
レーネ=セシリア・スパルロクの実の妹。

本作はサーミ人によるサーミ人の映画です。

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あの頃、
差別によって生き方すら規制され、
人として生きる誇りも学ぶ権利も否定された彼ら。

サーミ人だけを集めた寄宿舎学校で
彼らが受ける調査。
諦めきったような顔で従う子どもたちの様子に
世界中のさまざまな民族差別に
通じる悲しさが見えてきます。

監督の言葉を紹介します。
「多くのサーミ人が何もかも捨ててスウェーデン人になったが、
私は彼らが本当の人生を送ることができたのだろうかと
常々疑問に思っていました。
この映画は故郷を離れた者、留まった者への愛情を
少女エレ・マリャの視点から描いた物語です」


監督も言うように
ただ差別される民族の悲しみを語る映画ではなく
一人の少数民族少女の成長と人生を描いた作品です。

さあ一体どんなお話でしょうか。
続きは次回まで乞うご期待でございますよ。



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サーミの血
監督・脚本/アマンダ・シェーネル、製作/ラース・G・リンドストロム、撮影/ソフィーア・オルソン、ぺトルゥス・シェーヴィーク
出演
レーネ=セシリア・スパルロク/エレ・マリャ、ミーア=エリーカ・スパルロク/ニェンナ、マイ=ドリス・リンピ/老いたエレ・マリャ(クリスティーナ)、ユリウス・フレイシャンデル/ニクラス、オッレ・サッリ/オッレ、ハンナ・アルストロム/教師
9月16日(土)より新宿武蔵野館、アップリンク渋谷ほか全国順次公開
2016年、スウェーデン、ノルウェー、デンマーク、108分、南サーミ語、スウェーデン語、後援/スウェーデン大使館、ノルウェー王国大使館、配給/アップリンク、http://www.uplink.co.jp/sami/

by Mtonosama | 2017-09-05 07:29 | 映画 | Comments(4)

笑う故郷
-2-

El Ciudadano Ilustre


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本作はノーベル賞作家が故郷に帰るお話ですが、
この作家、ダニエル・マントバーニは
スウェーデン国王から文学賞メダルを受けた
その授賞式のスピーチで
「これは喜びよりも作家として衰退のしるしだ」
などと挑発的なことを言うんです。

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文学賞受賞の理由として
マントバーニは次のように紹介されます。
「小説で扱う普遍的なテーマの数々は
ある町の物語を通して展開されます。
20年間、彼は読者をかの地へと誘ってきました。
そこでは彼の創造力が大いに発揮されます。
溢れんばかりの独創性と実話を交えた奇抜なストーリー。
示唆に富み、豊かで、明白で、
時に重苦しい描写が物語を紡ぎます」

ん?この紹介を見ると
同じく南米出身のノーベル文学賞作家
ガルシア=マルケスの「百年の孤独」を思い出します。
この舞台であるマコンドは
ガルシア・マルケスの生まれ故郷コロンビアの
アラカタカルをモデルにしていますし。

ま、この際、こちらの作家はおひきとりいただき、
マントバーニ氏にご登場いただきましょうか。

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ストーリー
アルゼンチン出身の作家ダニエル・マントバーニは
ノーベル文学賞授賞式にいた。
だが、スピーチで挑戦的な言葉を述べる。
会場は一瞬凍りついたが、
その後大きな拍手に変わる。

それから5年、
彼は1作も作品を発表せず、外との関りも持たず、
バルセロナの自邸で隠遁生活を送っていた。

そこへ舞い込んだ1通の手紙。
アルゼンチンのサラスという町から
「名誉市民」の称号を贈りたいという知らせだった。
その町は彼が20代の頃飛び出して以来、
40年以上帰ったことのない生まれ故郷だった。

次の週、スペインからアルゼンチンへ飛んだダニエル。
飛行場に迎えにきたのはラモンという男一人だけ。
サラスまでの近道を知っているという
彼の運転で出発するが、途中でパンク。
野宿をすることに――

翌日ホテルに到着したダニエルは
消防隊のパレードに参加させられる。
寂れた街並みを見物人もないまま進む消防車。
それでも、美の女王から「名誉市民」の受ける
授与式には大勢のサラス市民が集まった。
彼の誕生から現在までをまとめた
ショートムービーまで上映され、
思わず落涙するダニエル。

「これはノーベル賞よりも価値のある名誉です」
とまで述べるのだった。

だが、
そんな彼を待っていたのは
故郷の人々からのとんでもない〈歓迎〉だった……

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笑ってばかりはいられない
ちょっと不気味な歓迎に思わずひいてしまいます。

作家と町の人との関係で
ふっと思い出したのが車谷長吉でした。
この方、故郷や親戚のことを作品中に描き、
結構ドタバタしたと聞いています。

書かれた人は自分のことだと思うし、
作家は「そうじゃない。これは創作だ」というし、
どっちやねん!と突っ込みたくなりますが、
洋の東西を問わないお話ではあります。

思わぬラストに「う~ん、こうきたか」でありました。





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笑う故郷
監督・/撮影/ガストン・ドゥプラット、マリアノ・コーン、脚本/アンドレス・ドゥプラット、美術/マリア・エウヘニア・スエリオ、音楽/トニ・M・ミル、製作総指揮(アルゼンチン)/ヴィクトリア・アイゼンシュタット、製作総指揮(スペイン)/マヌエル・モンソン、フェルナンド・リエラ、エドゥアルド・エスクデロ
出演
オスカル・マルティネス/ダニエル・マントバーニ、ダディ・ブリエバ/アントニオ、アンドレア・フリへリオ/イレーヌ(アントニオの妻)、ノラ・ナバス/ヌリア(ダニエルの秘書)、マヌエル・ビセンテ/市長、ベレン・チャバンネ/フリア
9月16日(土)より岩波ホールにてロードショー
2016年、アルゼンチン=スペイン、スペイン語、カラー、117分、日本語字幕/杉田洋子、
配給/パンドラ、http://www.waraukokyo.com/

by Mtonosama | 2017-09-02 05:54 | 映画 | Comments(6)

笑う故郷
-1-

El Ciudadano Ilustre

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映画の醍醐味は
行ったことのない土地、見たことのないもの、未体験のできごとを、
実感できることですよね。
大きなスクリーンなら、なおさら素敵です。

『笑う故郷』というタイトルを見て
〈笑うセールスマン〉と読み違えてしまったとのですが、
本作はアルゼンチンの田舎町が舞台の
ちょっとブラックなお話です。
『笑ウせえるすまん』とはブラックつながりですね。

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アルゼンチンといえばタンゴ、そしてゲバラ。
あ、牛肉もあります。

でも、アルゼンチンの首都ブエノスアイレスまで
成田から21~24時間も飛行機に乗っていなくちゃなりません。

北から南に長~い国だから
気候だって違うし、
ずいぶんいろんな顔を持った国なんでしょうね。

行ったことのない国ですし、
憧れの国ですが、
そんなに時間がかかってはもう行けません。

で、そんな150歳のために映画はあります。

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本作はノーベル文学賞を受賞した
一人の作家の帰郷をめぐって
地元の住民たちが巻き起こす騒動と
その中で繰り広げられる人間模様を描いたお話です。

監督は前作『ル・コルビュジエの家』が大ヒット。
アルゼンチン映像界の風雲児と呼ばれる
ガストン・ドゥプラットとマリアノ・コーンです。

ガストン・ドゥプラット、マリアノ・コーン
ガストンは1969年生まれ、マリアノは1975年生まれ。
二人ともアルゼンチン出身で
テレビ、映画の監督とプロデューサーとして活躍。
共同製作で
実験映像、ドキュメンタリー、長編劇映画と
多岐にわたるジャンルの作品を発表している。
日本での初公開作品となった
『ル・コルビュジエの家』('08製作、’12日本公開/アルゼンチン)の
緊張感あふれる展開は映画ファンを虜にした。
『笑う故郷』は彼らの監督作の日本公開第2作目。

脚本はアンドレス・ドゥプラット、
ガストン・ドゥプラット監督のお兄さんです。

アンドレス・ドゥプラット
1964年アルゼンチン・ラプラタ生まれ。
建築家でもある。
『ル・コルビュジエの家』に次ぐ、
実弟ガストンとマリアノ・コーン3人のコラボによる
第2作目の本作で
アルゼンチンアカデミー賞最優秀脚本賞、
バリャドリード国際映画祭2016脚本賞などを受賞。

アルゼンチン映画には素晴らしい映画があります。
タンゴもゲバラも素敵ですが
『瞳の奥の秘密』(’09ファン・ホセ・カンパネラ監督)
http://mtonosama.exblog.jp/14093645/ http://mtonosama.exblog.jp/14114747/
というすごい作品もありました。
本作も期待できますよ。

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最後に監督の言葉を紹介しておきましょう。

「本作は〈気合〉を入れずに観ることのできる
映画ではありません。
観客は劇中の誰かの側に立つように促される筈。
それは主人公の作家とは限りません。
観客は異なる複数の人物の側に立てるようにしてあります」

ですって。
なんか挑戦を受けている感じですね。

さ、気合を入れていきましょう。

続きは次回まで乞うご期待でございます。



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笑う故郷
監督・/撮影/ガストン・ドゥプラット、マリアノ・コーン、脚本/アンドレス・ドゥプラット、美術/マリア・エウヘニア・スエリオ、音楽/トニ・M・ミル、製作総指揮(アルゼンチン)/ヴィクトリア・アイゼンシュタット、製作総指揮(スペイン)/マヌエル・モンソン、フェルナンド・リエラ、エドゥアルド・エスクデロ
出演
オスカル・マルティネス/ダニエル・マントバーニ、ダディ・ブリエバ/アントニオ、アンドレア・フリへリオ/イレーヌ(アントニオの妻)、ノラ・ナバス/ヌリア(ダニエルの秘書)、マヌエル・ビセンテ/市長、ベレン・チャバンネ/フリア
9月16日(土)より岩波ホールにてロードショー
2016年、アルゼンチン=スペイン、スペイン語、カラー、117分、日本語字幕/杉田洋子、
配給/パンドラ、http://www.waraukokyo.com/

by Mtonosama | 2017-08-30 05:37 | 映画 | Comments(4)

三度目の殺人
-2-

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(C)2017フジテレビジョン アミューズ ギャガ


その昔、『誰も知らない』(’04)の試写を観て、
感動のあまり呆然としていると、
大きな人がスクリーンの前に現れました。
それがリアル是枝監督を見た最初です。

身体は大きいけれど、どこかおずおずとした監督が
国内外で数々の映画賞を受賞するほどの監督になられましたとは・・・
ババはただただ嬉しうございます。

ストーリー
拘置所を訪れた弁護士の重盛に
「殺しました」と罪を認める三隅。
三隅は自分を解雇した食品加工工場の社長を殺し、
その財布を奪って遺体に火をつけた容疑で起訴されていた。
彼は30年前にも強盗殺人を犯しており、
死刑はほぼ確実と思われていた。

元々は重盛と同期の摂津弁護士が担当していた事件だが、
会うたびにコロコロと供述を変える三隅に音をあげ、
重盛に担当を押し付けてきたのだった。

死刑から無期懲役に持っていこうと
新人の川島弁護士を助手に調査を始める重盛。
調査の中で三島が財布を盗んだのは
遺体にガソリンをかけた後だとわかり、
弁護方針を強盗殺人から殺人と窃盗に変える。

ところが、思いもかけない事態が発生。
三隅は重盛に無断で週刊誌の取材に
「社長の奥さんに頼まれ、保険金目当てで殺した」
と独占告白したのだ。
真偽の程を訊ねる重盛に、
三隅は社長の妻からの依頼メールが携帯に残っていると答える。
その銀行口座には給料とは別に50万円も振り込まれている。

急遽、美津江主犯説に切り替える重盛。

美津江との関係の裏を取るため、三隅のアパートを訪ねる重盛。
そこで知った意外な事実。
三隅の部屋を訪れていたのは美津江ではなく、
足の不自由な女の子だというのだ。
それは美津江の娘の咲江だった。
更に三隅は逮捕を覚悟していたかのように身辺整理も済ませていた。

三隅が犯した最初の殺人の裁判で裁判長だった重盛の父は
「三隅は楽しむために殺す獣のような人間」と言う。
三隅を逮捕した刑事は
「感情の無い空っぽな器のようで不気味だった」と。

三隅という男がつかめないまま第1回公判が開廷した……

是枝監督が取材した弁護士はみな異口同音に」
「法廷は真実を解明する場所ではない」
と言ったそうです。
ならば、何が真実かわからないような法廷劇を
撮ってみようと思ったのがこの作品を作るきっかけだったとか。

クールな重盛弁護士が
「いったい何が本当なんだ」と追い詰められ、
接見室のアクリル板を隔てて
三隅と重盛が禅問答のように言葉を交わすシーンが圧巻でした。

本当のことは三隅が胸におさめたまま。
状況から判断しようにも
状況は二転三転。
何が本当なんだ・・・
重盛のみならず観客も問いかけたくなります。

毎回エッジのきいた作品に「満足満足」と舌なめずりしながら
映画館を後にするのですが、
今回は深く考え込みながら家路につきました。





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三度目の殺人
原案・監督・脚本・編集/是枝裕和、撮影監督/瀧本幹也、美術監督/種田陽平、音楽/ルドヴィコ・エイナウディ
出演
福山雅治/重盛弁護士、役所広司/三隅、広瀬すず/咲江、吉田鋼太郎/摂津弁護士、斉藤由貴/美津江、満島真之介/川島弁護士、市川実日子/検事、橋爪功/重盛の父
9月9日(土)全国ロードショー
2017年、日本、カラー、124分、配給/東宝、ギャガ、http://gaga.ne.jp/sandome/

by Mtonosama | 2017-08-27 05:30 | 映画 | Comments(4)

三度目の殺人
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(C)2017フジテレビジョン アミューズ ギャガ


『三度目の殺人』。
是枝監督の最新作です。
『そして父になる』(‘13)
http://mtonosama.exblog.jp/20412943/
http://mtonosama.exblog.jp/20430346/

『海街diary』(’15)
http://mtonosama.exblog.jp/24104314/
http://mtonosama.exblog.jp/24115383/

『海よりもまだ深く』(’16)
と家族をテーマにした作品が続いていましたが、
今回はなんと法廷もの。
いえ、法廷も舞台になってはいますが、
サスペンスというジャンルにくくるものでありましょうか。

ここでふとサスペンスってなんなのか
わからなくなってしまいました。

サスペンス
サスペンスは、ある状況に対して不安や緊張を抱いた不安定な心理、
またそのような心理状態が続く様を描いた作品をいう。
シリアス、スリラー(サイコスリラー)、ホラー(サイコホラー)、
アクションものといった物語の中で重要な位置を占める。
単純に「観客の心を宙吊りにする」という意味で
ズボンのサスペンダーを語源だとする説明もある。
また、より広い意味においては、
観客や読者が作品(の行く末や登場人物など)に対して
不安や緊張の心理、物語の結末を知る事への希求を抱かせ、
その作品に対しての興味と関心を持続させる事ができる
(あるいは、製作者がそのように意図した)作品もサスペンスといわれる事が多い。
(Wikipediaより)

なるほどね、サスペンダーか。
確かに心がひっぱられた映画でした。
映画を観ている間も、観終わってからも。

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主役の弁護士を演じるのは
『そして父になる』で思わぬ側面を見せてくれた福山雅治。
『海街diary』に続き、広瀬すずも再び登場します。
そして、福山が弁護する殺人犯が
今回、是枝作品には初登場の役所広司。
豪華な演技陣です。
役所広司がつかみどころのない不気味な人物を
淡々と演じていました。
〈観客が抱く物語の結末を知る事への希求〉がサスペンスの広義なら
まさに彼が演じる三隅という人物こそサスペンスそのものでした。

是枝監督としては初めてのサスペンスへの挑戦。
殺人の前科のある三隅が
解雇された工場の社長を殺した容疑で起訴され、
犯行も自供し、死刑はほぼ確実なのだが・・・

という事件としてはありふれたものにみえますが、
そう簡単なことではありません。

閉所恐怖症に陥りがちな法廷や接見室のシーンが多くても
是枝監督の綿密なリサーチの賜物か、
サスペンダーに引っ張られるズボンのように
観客はひきつけられます。

なにせ弁護士たちの協力を得て、
何度も「模擬接見」を繰り返したり、
「模擬裁判」を行いながら、
そのやりとりを脚本にしていったのだそうです。

なんたって原案・監督・脚本・編集すべて是枝監督ですからね。
臨場感たっぷりです。

更に脇を固める
吉田鋼太郎、斉藤由貴、満島真之介、橋爪功という俳優陣。

これはもう期待するしかありません。

さあ、続きは次回まで
乞うご期待でございますよ。



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三度目の殺人
原案・監督・脚本・編集/是枝裕和、撮影監督/瀧本幹也、美術監督/種田陽平、音楽/ルドヴィコ・エイナウディ
出演
福山雅治/重盛弁護士、役所広司/三隅、広瀬すず/咲江、吉田鋼太郎/摂津弁護士、斉藤由貴/美津江、満島真之介/川島弁護士、市川実日子/検事、橋爪功/重盛の父
9月9日(土)全国ロードショー
2017年、日本、カラー、124分、配給/東宝、ギャガ、http://gaga.ne.jp/sandome/

by Mtonosama | 2017-08-24 05:48 | 映画 | Comments(0)