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殿様の試写室

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殿が観た最新映画をいち早くお知らせ!

カテゴリ:映画( 1010 )


三度目の殺人
-1-

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(C)2017フジテレビジョン アミューズ ギャガ


『三度目の殺人』。
是枝監督の最新作です。
『そして父になる』(‘13)
http://mtonosama.exblog.jp/20412943/
http://mtonosama.exblog.jp/20430346/

『海街diary』(’15)
http://mtonosama.exblog.jp/24104314/
http://mtonosama.exblog.jp/24115383/

『海よりもまだ深く』(’16)
と家族をテーマにした作品が続いていましたが、
今回はなんと法廷もの。
いえ、法廷も舞台になってはいますが、
サスペンスというジャンルにくくるものでありましょうか。

ここでふとサスペンスってなんなのか
わからなくなってしまいました。

サスペンス
サスペンスは、ある状況に対して不安や緊張を抱いた不安定な心理、
またそのような心理状態が続く様を描いた作品をいう。
シリアス、スリラー(サイコスリラー)、ホラー(サイコホラー)、
アクションものといった物語の中で重要な位置を占める。
単純に「観客の心を宙吊りにする」という意味で
ズボンのサスペンダーを語源だとする説明もある。
また、より広い意味においては、
観客や読者が作品(の行く末や登場人物など)に対して
不安や緊張の心理、物語の結末を知る事への希求を抱かせ、
その作品に対しての興味と関心を持続させる事ができる
(あるいは、製作者がそのように意図した)作品もサスペンスといわれる事が多い。
(Wikipediaより)

なるほどね、サスペンダーか。
確かに心がひっぱられた映画でした。
映画を観ている間も、観終わってからも。

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主役の弁護士を演じるのは
『そして父になる』で思わぬ側面を見せてくれた福山雅治。
『海街diary』に続き、広瀬すずも再び登場します。
そして、福山が弁護する殺人犯が
今回、是枝作品には初登場の役所広司。
豪華な演技陣です。
役所広司がつかみどころのない不気味な人物を
淡々と演じていました。
〈観客が抱く物語の結末を知る事への希求〉がサスペンスの広義なら
まさに彼が演じる三隅という人物こそサスペンスそのものでした。

是枝監督としては初めてのサスペンスへの挑戦。
殺人の前科のある三隅が
解雇された工場の社長を殺した容疑で起訴され、
犯行も自供し、死刑はほぼ確実なのだが・・・

という事件としてはありふれたものにみえますが、
そう簡単なことではありません。

閉所恐怖症に陥りがちな法廷や接見室のシーンが多くても
是枝監督の綿密なリサーチの賜物か、
サスペンダーに引っ張られるズボンのように
観客はひきつけられます。

なにせ弁護士たちの協力を得て、
何度も「模擬接見」を繰り返したり、
「模擬裁判」を行いながら、
そのやりとりを脚本にしていったのだそうです。

なんたって原案・監督・脚本・編集すべて是枝監督ですからね。
臨場感たっぷりです。

更に脇を固める
吉田鋼太郎、斉藤由貴、満島真之介、橋爪功という俳優陣。

これはもう期待するしかありません。

さあ、続きは次回まで
乞うご期待でございますよ。



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三度目の殺人
原案・監督・脚本・編集/是枝裕和、撮影監督/瀧本幹也、美術監督/種田陽平、音楽/ルドヴィコ・エイナウディ
出演
福山雅治/重盛弁護士、役所広司/三隅、広瀬すず/咲江、吉田鋼太郎/摂津弁護士、斉藤由貴/美津江、満島真之介/川島弁護士、市川実日子/検事、橋爪功/重盛の父
9月9日(土)全国ロードショー
2017年、日本、カラー、124分、配給/東宝、ギャガ、http://gaga.ne.jp/sandome/

by Mtonosama | 2017-08-24 05:48 | 映画 | Comments(0)

三毛猫ひかちゃん
-58-


あたし、ひかちゃん。

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あたしがこんな風にしてブイブイ言わせていたのは
もう1週間以上前のこと。

見苦しい黒斑と〈痒い痒い〉を皮膚科に診てもらった飼い主。
謎の虫刺され痕はノミによるものと診断されたの。
ステロイドの塗り薬と痒み止めの飲み薬をもらって帰ってきたわ。

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なによ!
だからってなんであたしが外出禁止になるわけ?

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飼い主も旅行できないからって
何年も前の函館の景色を載せてるし。


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ほんとのことをいうとね。
あたしもとっても痒いわけ。
で、シャンプーされたり、フロントラインつけられたり、
カーペットにはノミダニスプレーを撒かれたりしたのね。

でもね、このスプレーがどうも苦手なの。
だから、カーペットを踏まないように、
タンスからキャットタワー、テーブルへと、
ジャンプ移動してるのよ。
狭小住宅ならではの離れ業よ。

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ここは最近発見したんだけど、案外おちつくわ。
もう少し整頓してほしいけど。

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ベッドの上はもっと素敵!
え?またノミがわくって?
失礼ね。

ひかり


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by Mtonosama | 2017-08-21 05:05 | 映画 | Comments(10)

三里塚のイカロス
-2-

The Fall of Icarus:Narita Stories

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(C)2017 三里塚のイカロス製作委員会


60年代、70年代のBGMというと
ある人にとっては黛ジュンの「天使の誘惑」だったり、
由紀さおりの「夜明けのスキャット」だったり、
それぞれに想いがあって決めかねてしまいます。

本作の音楽は大友良英のフリージャズでした。
あの時代の焦り、混沌を表現するBGMとして
これ以上ふさわしいものはないかもしれません。

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加瀬勉
三里塚の空港反対運動を指導した農民運動家。

「一番びっくりしたのは、命がけで我々のために闘ってくれる人が現れた――
血を流してまでも農民を助けてくれた人っていないわけですよ。
そういう意味では歓迎しましたね」


岸宏一
1981年から2006年まで25年間三里塚現地責任者を務めた。

「三里塚闘争をどう維持していくのか。
その思考自体が間違いだといわれれば、もう僕としては言葉がないですけど。
僕としてはどういう風に三里塚闘争を維持し、継続し、
勝利させていこうかという風に問題を立てて、過ごしてきましたけど」


秋葉恵美子
69年、辺田部落の秋葉義光さんと結婚。
支援で三里塚入りした女子大生と地元農民との結婚は初めて。

「週刊新潮なんて世間知らずのお嬢さんがすぐ逃げ出すだろうみたいなことを
書いてあってね。そのとき、新聞や週刊誌っていい加減なことを書くなって
思った。どう書かれたって『私は私だから見ててよ』って思ったけど」


秋葉義光
元空港反対同盟青年行動隊員。1997年に移転を決意。

「動かざるを得なかった。そうじゃなかったら村が消えていくでしょう。
一本釣りされていく人たちを目の当たりにした時、これはもう無理だと思った。
だったら辺田という部落はどうしても残しておきたかった」


前田深雪
68年に中郷部落の前田勝男さんの家に援農に入り、71年に結婚。

「1969年11月16日に佐藤訪米阻止闘争があり、私は副隊長でした。
火炎瓶は持たなかったのですが、ポケットに石を入れていたので捕まりました。
で、拘置所生活が1年以上になって。
その最初の頃に、勝男さんが会いに来たんですね」


吉田喜朗
「(71年第一次強制代執行阻止闘争を)2月に見て、3月1日から三里塚に入ったかな。
婦人行動隊が鎖で自分を縛っているところとか少年行動隊をTV報道で観て
居ても立ってもいられなかった。
穴掘り現闘の決め台詞は『この穴はベトナムに通じている』ってやつ。
フォークソングを歌いながら穴を掘った」


平田誠剛
「夢を見るんですよ。夢の中で管制塔を占拠して成功してるんです。
壊して、捕まらないで帰ってきてるのに、
隊長が『どうも壊しそこなったような気がする。もう一回行くぞ』って言うんですよ」


中川憲一
「気持ちは志願兵、義勇兵、助っ人です。
百姓の闘いを助っ人するという気持ち。
で、その気持ちがひとつになって勝利を収めたのが
78年3.26空港包囲占拠の闘いだったと今でも思っています」


前田信夫
元空港公団職員・用地買収を担当。
1992年11月11日、自宅を爆破され、中核派が犯行声明。

「何も悔いはないです。ただ、いろいろ危ない目にあったとか、
死にそうになったとか、思い出としてはそういうことしかないです。
空港建設で亡くなった人はかわいそうだったなぁとか、
石橋さんはじめ、農家の人はかわいそうだったことを思い出しますね」


加藤秀子
1984年に天神峰の北原派加藤清の長男と結婚。
97年に加藤清は土地を売却し移転することを発表。

「移転を決めてからは全国から押し寄せてきて、
脅しみたいな言葉を吐いていくという形です。
いつ火をつけられるかわからない感じで。
忘れられないです。だからそういうことは人に言わず封印しています」


いろいろありました。
彼らはイカロスだったのでしょうか……

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実はここに登場する岸宏一さんは大学の先輩です。
彼は今年3月26日にスキーからの帰りに遭難しました。
スキーは指導者級の腕前でした。
身体は見つかっていません。

その知らせを受けたのは5月に入ってからのこと。
その頃、本作の試写状もきました。
本作に岸さんが出演することは以前から知っていました。
「おれ、代島監督から出演依頼を受けたんだ」
と本人が言っていたからです。

試写を観にいく時、
冷静に観ることができるかどうか不安でした。
でも、岸さんはとてもタフな人なので、
「大丈夫、絶対に帰ってくる」と思い込むことで
試写を観る勇気を奮い起こしました。

試写場で代島監督にお会いしました。
監督も「岸さん、初日の舞台挨拶に出るって言っていましたよ」
と話してくれました。

試写が終わったら、後ろの座席から
「俺、良かっただろ」
と岸さんが声をかけてくるかもしれないと思っていました。

でも、声はかからず、
6月25日には偲ぶ会も行われました。
会場に岸さんのリュックだけがどこにも傷の無いきれいな姿で置かれていました。

岸さん、ラストシーンは本当に素晴らしかったです。

未だにしらーっと帰ってくるような気がしてならず、
岸さんが作品中で語った言葉が遺言だとはどうしても思えません。

岸さん、帰ってきて、また半年に一度の同窓会を仕切ってください。




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三里塚のイカロス
製作・監督・編集/代島治彦、撮影/加藤孝信、整音・音響効果/滝澤修、音楽/大友良英、写真/北井和夫、アニメ作画/下田昌克、アニメ編集/竹内洋祐、演奏/坂田明、山崎比呂志、江藤直子、北陽一郎、今込治、木村仁哉、大友良英
出演
加瀬勉、岸宏一、秋葉恵美子、秋葉義光、前田深雪
9月9日(土)シアターイメージフォーラム他全国順次公開
日本、カラー&白黒、140分、配給/ムヴィオラ、スコブル工房

by Mtonosama | 2017-08-18 06:16 | 映画 | Comments(6)

三里塚のイカロス
-1-

The Fall of Icarus:Narita Stories

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(C)2017 三里塚のイカロス製作委員会


三里塚
成田市の南東部。かつては佐倉七牧のひとつ。
取香(とっこう)牧と呼ばれる原野の一部。
地名は佐倉城、あるいは香取郡多古町の中村檀林から
三里目の距離にあることに由来するともいわれている。
明治期に入り,宮内省の下総御料牧場が創設されたが、
1969年(昭和44)閉場となり,跡地は成田国際空港となった。
https://blogs.yahoo.co.jp/diftuiheiji/18874819.html

ここには三里塚闘争のことは一言も触れられてはいませんが、
今から半世紀前、
三里塚闘争という闘いがありました。

この闘争は
関ケ原の戦いのように教科書にこそ載ってはいません。
しかし、国家権力を相手に
農民たちが先祖代々の土地と生活を守るために立ち上がり、
市民、学生も共に集結した闘いです。

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1966年7月成田に新空港を建設することが閣議決定され、
これに先立つ6月に地元農民たちは反対同盟を結成したのでした。

50年前には
ベトナム戦争もありました。
いま雑貨好きの女子たちが訪れるホーチミン市やハノイ市。

ホーチミン市は昔サイゴンという名でした。
サイゴン川を越えて頭上をロケット砲が
飛んできましたし、
緑豊かなハノイの路上には当時
タコつぼと言われる一人用の防空壕が掘られていました。
爆撃があった時には皆そこに潜り込んだものです。

まるで見てきたようなことを言っていますが、
そこはそれ、150歳ですので。

当時、日本では
若者たちがベトナム反戦を旗印に
1968年には世界的な動きでもあった
学生運動に燃えていました。

彼らが三里塚に向かったのはある意味、当然の流れでした。

ところで気にはなるのは本作のタイトルです。
なぜ『三里塚のイカロス』なのでしょう。

イカロス
イカロスとはギリシャ神話に登場する人物の一人。
蜜蝋で固めた翼によって飛ぶ力を得るが、
太陽に接近し過ぎて、翼が溶けてなくなり、墜落して死んだ。
イカロスの物語は
人間の傲慢さやテクノロジーを批判する神話として有名であると共に
手の届かない理想を抱いたものの寓話として語られる。

150歳としては三里塚に集まった人たちを
イカロスになぞらえることに
一抹の寂しさを感じざるを得ません。
若い頃なら平気だったし、
かっこいいと思ったかもしれませんが・・・

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『三里塚のイカロス』は
「映画芸術」日本映画ベストテン第3位、
日本映画ペンクラブ文化映画部門第2位、
「キネマ旬報」文化映画ベストテン第4位に輝いた
『三里塚に生きる』('14)の姉妹編です。
http://mtonosama.exblog.jp/23299573/ http://mtonosama.exblog.jp/23315643/

『三里塚に生きる』は大津幸四郎(’14没)と代島治彦との共同監督で、
あの時、国家と闘った農民の人生を中心に描かれています。

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一方『三里塚のイカロス』では
農民と共に闘った若者たちを描いています。
撮られなくてはならなかった映画です。

監督は代島治彦。
登場するかつての若者は
25年にわたって三里塚闘争の責任者だった岸宏一さん。
農民支援に入った農家の息子と結婚した
秋葉恵美子さん、前田深雪さん、加藤秀子さん。
義勇兵として闘いに参加した元国鉄労働者・中川憲一さん。
三里塚闘争をテレビで観て、
京都から駆けつけた当時高校生だった活動家・平田誠剛さんです。
農民運動家や元空港公団職員などもいます。

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監督は彼らを三里塚の地に呼び、
あの日々のこと、その後の50年のことを
じっくりと聞き出しています。

あの日々を記録として残すかのように
語りたくても語れなかったことを
彼らは語りました。
彼らにとってもこの映画は遺言のつもりだったのかもしれません。

さあ、今では60代、70代になった彼らの言葉を聞いてみましょう。

続きは次回までお待ちくださいませ。



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三里塚のイカロス
製作・監督・編集/代島治彦、撮影/加藤孝信、整音・音響効果/滝澤修、音楽/大友良英、写真/北井和夫、アニメ作画/下田昌克、アニメ編集/竹内洋祐、演奏/坂田明、山崎比呂志、江藤直子、北陽一郎、今込治、木村仁哉、大友良英
出演
加瀬勉、岸宏一、秋葉恵美子、秋葉義光、前田深雪
9月9日(土)シアターイメージフォーラム他全国順次公開
日本、カラー&白黒、140分、配給/ムヴィオラ、スコブル工房

by Mtonosama | 2017-08-15 06:36 | 映画 | Comments(2)

セザンヌと過ごした時間
-2-

Cezanne et Moi

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(C)2016 - G FILMS - PATHE - ORANGE STUDIO - FRANCE 2 CINEMA - UMEDIA - ALTER FILMS


セザンヌの絵というとどんなものが思い浮かびますか?
とのはリンゴです。
リンゴを含めた静物画が好きです。
白いテーブルクロスのクシャクシャっとした感じ。
丸くて柔らかそうでなんとなく官能的な果実にきざす優しい陰影。
セザンヌの描く陰影は素晴らしいですよね。

そして、
故郷エクス=アン=プロヴァンスの
サント・ヴィクトワール山です。
晩年のセザンヌはこの山をいろいろな位置から描いています。

さあ、セザンヌの絵画はどんな形で登場するのでしょうか。

ストーリー
1888年、フランス・メダン。
瀟洒な別荘のエントランス。
ゾラは2年ぶりに再会するセザンヌを
緊張した面持ちで出迎えていた。


1852年、セザンヌは13歳、ゾラは12歳の頃だった。
貧しい母子家庭のゾラは学校でいじめられていた。
そんな彼をセザンヌが助け、
お礼を言うためにゾラはひと籠のリンゴを持って
セザンヌの家を訪れた。

セザンヌは裕福な銀行家の息子
ゾラは貧しい移民の子。
だが、二人はエクス=アン=プロヴァンスの
降り注ぐ太陽の下、ともに成長し、友情を育んでいった。

成長し、詩人を目指すゾラはパリへ。
画家を志すセザンヌも父親の反対を押し切ってパリへ向かった。
サロンに出品したセザンヌだったが、
ピサロやモネ、ルノワールやシスレー達の仲間ともども落選。

1862年、美術学校へも入学できず、
父からの送金も断たれたセザンヌは荒れた生活を送っていた。

翌年サロンの落選者たちの審査員への不満が爆発。
大衆が審査する“落選展”が開かれた。
そこで注目を集めたのはマネの「草上の昼食」
現実の女性の裸体を描いたため、激しい非難を受けたのである。
新聞に批評を書き始めていたゾラはマネ擁護の記事を書く。
“落選展”にさえ落選したセザンヌは失望。
その上、自分の恋人であり、モデルでもあった
アレクサンドリーヌにゾラが恋をしたことにも立腹。
エクス=アン=プロヴァンスへと帰ってしまった。

エクスの自然の中で孤独に描き続けるセザンヌを
支えたのはゾラからの手紙だった。

セザンヌはパリとエクスを行き来しながら創作。
だが、人間関係では問題ばかり起こしていた。
世間からもアカデミーからも顧みられることのなかった
セザンヌは1870年には新しい恋人でモデルの
オルタンスと世捨て人のように暮らし始めるのだった。
1877年にはアカデミーが印象派を認め、
かつての仲間たちが次々と入選。
ますます絶望を深めるセザンヌだった。

一方ゾラはアレクサンドリーヌと結婚。
『居酒屋』が大ベストセラー、続く『ナナ』も評判を呼び、
富と名声を手にしていく。
そして、不遇の友セザンヌのため生活費も工面していた。
ゾラの別荘でセザンヌが酩酊し、毒舌を吐き、
パーティを台無しにしても
二人の絆は固かった。

ところが
1886年、二人の関係に大きな罅が……

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才能は初めから花開くものではなく、
富も名声もその寿命はあまりにも短い・・・
有名人って最初から認められた存在だと思いがちですが、
あらためて名作や傑作は苦悩の果てに
生まれるものだと思い知らされます。

まったくタイプの違う画家と作家の長きにわたる友情。
でも、すごい人たちの仲良し物語だったら
少年少女偉人伝を読んでいたらいいでしょう。

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いったい二人の間に何が起きたのか。

画家は友の肖像を描き、
作家も友を主人公にした小説を書く――

小説発表のタイミングが悪ければ
傷つくこともありますよね。

友情は案外脆いものかもしれません。
サント・ヴィクトワール山の雄大な姿を望む
ラストシーンが印象的です。
セザンヌというとこの山が語られますが、
本作を観てその理由がわかったような気がしました。

変わらないものは雄大な自然と
少年時代の無心な日々だけなのかもしれません。








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セザンヌと過ごした時間
監督・脚本/ダニエル・トンプソン、製作/アルベール・コスキ、撮影/ジャン=マリー・ドルージュ、美術/ミシェル・アベ=バニエ
出演
ギヨーム・ガリエンヌ/ポール・セザンヌ、ギヨーム・カネ/エミール・ゾラ、アリス・ポル/アレクサンドリーヌ・ゾラ、デボラ・フランソワ/オルタンス・セザンヌ
9月2日(土)Bunkamuraル・シネマにてロードショー
114分、フランス、フランス語、日本語字幕/斎藤敦子、配給/セテラ・インターナショナル
http://www.cetera.co.jp/cezanne/

by Mtonosama | 2017-08-12 05:48 | 映画 | Comments(8)

セザンヌと過ごした時間
-1-

Cezanne et Moi

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(C)2016 - G FILMS - PATHE - ORANGE STUDIO - FRANCE 2 CINEMA - UMEDIA - ALTER FILMS


画家が主人公の映画におもしろいものなしと
いつも偉そうにほざくとのです。
あ、もちろん例外はあります。
ターナーを描いた
『ターナー、光に愛を求めて』は良い映画でした。
http://mtonosama.exblog.jp/24148726/ 
http://mtonosama.exblog.jp/24159520/


本作『セザンヌと過ごした時間』も
良かったです。

本作の主人公はセザンヌだけではありません。
幼少期より無二の親友だったという作家エミール・ゾラ。
本作は画家ポール・セザンヌとゾラのダブル主人公、
この二人を描いた作品なのです。

作家と画家の二人というところが
良いんですね。

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あのピカソに「我々の父」と愛され、
マティスには「絵の神様」と崇拝されたポール・セザンヌ。
一方、ゾラは「居酒屋」「ナナ」などを著わし、
自然主義文学の金字塔を築き上げた作家ですし、
ドレフュス事件でユダヤ人将校ドレフュスの側に
立ったことは有名です。
高校世界史の教科書に出ていましたよね。

この有名な二人が親友だったということも
興味深いものがありますが、
二人がまるで重なり合わない放物線のように
人生の坂を上がったり下がったりする様子が
プロヴァンスの美しい風景と共に描かれるところに
なんとも魅かれてしまうのであります。

そんな素晴らしい脚本を書き、監督も担当したのは
ダニエル・トンプソン。
1942年モナコ生まれ。
父は映画監督のジェラール・ウーリー。
父の監督作品『大進撃』(’66)で
共同脚本を担当したのがきっかけで映画界に入りました。

彼女が本作を撮るきっかけとなったのは
15年程前にセザンヌとゾラの
幼少期から続く友情についての記事を読み、
二人の仲違いを知ったこと。

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ね、
ただの画家の映画ではないでしょ?
この二人の有名人の友情と別離。
早く開花できた作家と
晩年まで認められることのなかった画家。

描けない時期が長かった奔放な画家。
順風満帆な人生を送りながら遅咲きの恋に身を焦がす作家。
二人の人生は重ならない放物線であり、
シーソーなんですね。

手が触れ合うかと思った瞬間、離れていきますが、
常にお互いの姿がその視野から奪われることはなかった親友。
男同士の友情ってめんどくさい。
互いの人生が友として交わりあい、重なり合ったのは
プロヴァンスの子ども時代だけだったのかもしれません。

ポール・セザンヌ
1839年、南仏エクス=アン=プロヴァンスの裕福な家庭に生まれる。
銀行家の父の希望もあり、大学では法律を学ぶが、
画家の夢を実現しようと1861年にゾラのいるパリへ向かう。
マネやモネ、ピサロも在学したシャルル・シャイヌの画塾で
絵画の基礎を学び、ドラクロワ、クールベ、ヴェロネーゼらの影響を受ける
だが、パリではうまくいかず、早々に帰郷。
それ以降、エクスとパリを行ったり来たりの生活を送る。
この時期、若き印象派の画家たちと親しくなり、
行動を共にするようになる。
1874年の第1回印象派展をきっかけに
印象派絵画が受け入れられるようになるが、
セザンヌは彼らとは距離を置くようになる。
エクスに拠点を移した1880年代にその隔たりは決定的に。
この頃から独自の画風を目指し、苦闘を続ける。
1895年、画商ヴォラールがパリで個展を開催し、
セザンヌの名は一般に知られるようになった。
ゴッホ、ゴーギャン、ピカソ、マティス、ブラック等
20世紀絵画の大家たちの多くが彼を師と仰ぎ、影響を受けた。
1906年10月23日に聖地のエクスで死去。

エミール・ゾラ
1840年、パリに生まれる。
父はイタリア移民の技師、母はフランス人。
幼少時、父親の仕事の都合でエクス=アン=プロヴァンスに引越。
早くに父を亡くし、少年時代は貧しかった。
中学ではいじめられていたが、セザンヌの友情を得て助けられる。
この頃より文学に興味を持ち、小説家を志す。
1858年パリに戻り、アシェット出版で働く中マネと知り合う。
1864年17歳のアレクサンドールと恋に落ちる。
1867年「テレーズ・ラカン」を完成させ、有名に。
その一方で、マネなどのちの印象派たちを擁護する記事を載せるようになる。
1869年、大著「ルーゴン=マッカール叢書」を構想、
1870年、第1巻「ルーゴン家の誕生」、
その後、「居酒屋]('76)、「ナナ」(’79)、「ジェルミナル」(’85)など
第二帝政から第三共和政下のパリの市井の人々を描く
壮大な物語として完成させ、自然主義文学の金字塔を築いた。
1894年のユダヤ人将校ドレフュスをめぐる疑獄事件では
ドレフュス側に立ち、「我弾劾す」という記事を書いた。
1902年9月29日、パリに死す。


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という二人を主人公にしたお話です。
続きは次回まで乞うご期待でございます。



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セザンヌと過ごした時間
監督・脚本/ダニエル・トンプソン、製作/アルベール・コスキ、撮影/ジャン=マリー・ドルージュ、美術/ミシェル・アベ=バニエ
出演
ギヨーム・ガリエンヌ/ポール・セザンヌ、ギヨーム・カネ/エミール・ゾラ、アリス・ポル/アレクサンドリーヌ・ゾラ、デボラ・フランソワ/オルタンス・セザンヌ
9月2日(土)Bunkamuraル・シネマにてロードショー
114分、フランス、フランス語、日本語字幕/斎藤敦子、配給/セテラ・インターナショナル
http://www.cetera.co.jp/cezanne/
by Mtonosama | 2017-08-09 06:13 | 映画 | Comments(6)

関ケ原
-2-

SEKIGAHARA

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©2017「関ケ原」製作委員会


さて、原作「関ケ原」は上・中・下3巻の長編。
三成派、家康派にとりこまれていく大名たちの流れも
読みどころのひとつではありましょうが、
2時間29分という時間枠の中に
どう収まるか、そこも見どころかもしれません。

ストーリー
幼少時、豊臣秀吉にその才を認められ、
秀吉の小姓となった石田三成。
成長し、大名にとりたてられた三成は
自身の石高の半分を以て
鬼左近とも称される猛将・島左近を召し抱える。
秀吉に忠誠を誓いながら、正義で世の中を変えようとする三成に
「天下ことごとく利に走る時、ひとり逆を行くお方」
と感服した左近は固く忠誠を誓う。
伊賀の忍び・初芽も三成に仕えることに。

秀吉が老齢で体調が悪いのをみてとった徳川家康は
秀吉に恩のある武将たちを
味方につけようと懐柔し始める。
その中には秀吉の不興を買ってしまった
小早川秀秋もいた。

1598年8月秀吉逝去。
1599年3月、大老・前田利家も亡くなると
先の朝鮮出兵時から三成に恨みを抱く
福島正則、加藤清正ら秀吉子飼いの七人党が
三成の屋敷を襲撃。

1600年6月、家康は上杉討伐に向かう。
その前に、上杉家家老・直江兼続と結託した三成、
大谷刑部らを引き込み、毛利輝元を総大将に立て挙兵。
三成の西軍、家康の東軍が動き出した。

1600年9月15日。
関ケ原。
決戦の地で三成はいかにして家康と戦うのか。
小早川秀秋はどう動くか。
そして、伊賀のくノ一・初芽と三成との愛はどうなる……

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圧巻は「大一大万大吉」の旗印をなびかせ人馬が駆ける合戦。
轟く大砲音、飛び散る血しぶき、硝煙に煙る関ケ原。
合戦にまさるチャンバラなし。

「大一大万大吉」は石田三成が旗印や裃などに入れて用いた
一種のシンボルマーク。
現代的に解釈すると
「万民が一人のため、一人が万民のために尽くせば太平の世が訪れる」
というような意味だといいます。

なかなかカッコいいシンボルマークでありながら
武田信玄の「風林火山」ほど有名ではありませんよね。
(知らないのはとのだけかもしれませんが)
そのことが石田三成の日本史上での立場を表わしているような気がします。

「真田丸」では山本耕史が三成を演じ、
賢く、クールだけれど人望のない嫌われ者という
イメージを打ち出しました。

しかし、本作で岡田准一演ずる三成はなんとも熱く
真っ正直な人物。

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世界地図も日本を中心に置くか、
アメリカを中心に据えるかで
まったく違う形に見えますが、本作もまさにそれ。

石田三成に焦点を当てて、関ケ原の戦いを見ると
今まで自分の頭の中に築いていた歴史観も
グワラグワラと形を変えます。

小早川秀秋もそう。
優柔不断な裏切り者から
悩み抜く心の真っ正直な人に変わってしまいます。

こういうところが歴史もののおもしろいところでありましょう。

あ、そうそう。
個人的にとても気に入ったのが秀吉の名古屋弁。
「とろくさいこと言っとってかんわぁ」
これ、名古屋人以外は意味がわからないと思います。
え~、通訳いたしましょう。
「バカなことを言ってはいけません」
です。

名古屋弁うまいな、と思ったら、
秀吉を演じた滝藤賢一さんは愛知県出身でした。

本作が海外で上映される場合、秀吉と北政所の名古屋弁を
どう訳すか、とっても楽しみです。

スポットライトを当てる位置を少し変えるだけで
自分の先入観がころりと消えてなくなり、
なんとも有意義な2時間29分でありました。







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関ケ原
監督・脚本/原田眞人、原作/司馬遼太郎、製作/市川南、佐野真之、撮影/柴主高秀、美術/原田哲夫、衣装/宮本まさ江、編集/原田遊人
出演
岡田准一/石田三成、役所広司/徳川家康、平岳大/島左近、東出昌大/小早川秀秋、音尾琢磨/福島正則、北村有起哉/井伊直正、松角洋平/加藤清正、和田正人/黒田長政、滝藤賢一/豊臣秀吉、キムラ緑子/北政所、前田利家/西岡徳馬、直江兼続/松山ケンイチ、大場泰正/大谷刑部、中越典子/花野、有村架純/初芽、伊藤歩/蛇白・阿茶、壇蜜/妙善、中嶋しゅう/赤耳
8月26日(土)全国ロードショー
2017年、日本、2時間29分、カラー、配給/東宝、アスミック・エース
http://wwwsp.sekigahara-movie.com/

by Mtonosama | 2017-08-06 05:16 | 映画 | Comments(4)

関ケ原
-1-

SEKIGAHARA

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©2017「関ケ原」製作委員会


今回、当試写室では
一大合戦スペクタクル&大名たちの心理戦を描いた
邦画の大作『関ケ原』を上映します。
夏休みならではの豪華版であります。

とはいえ
日本史は大の苦手のとの。
チャンバラ映画は好きでしたが、
日本史となるとまったくお手上げなのであります。

というのも
高校時代の日本史の先生が大っ嫌いで
日本史を一切勉強しなかったから。

いまとなれば
先生が嫌いなら
良い成績をとって見返してやるという選択肢も
あったなぁとは思うのですが・・・

でも、150歳ともなると
知らないではすまされません。
そこで先生になっていただいたのが
司馬遼太郎とNHK大河ドラマとBS3[英雄たちの選択」です。

大河ドラマ『新選組』にはまって
司馬遼太郎先生と出会い、
幕末物は読破しましたが、
戦国時代は未だ苦手。
でも、本作『関ケ原』の原作は司馬遼太郎です。
読まねばなりますまい。

ま、原作は近々挑戦するとして
今回は映画『関ケ原』であります。

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皆さまはよくご存じのことでありましょうが、

関ケ原の戦い

関ケ原の戦いは慶長5年9月15日(西暦1600年10月21日)関ケ原が主戦場となった合戦です。
石田三成と武断派の武将たちは秀吉命ずるところの朝鮮出兵をきっかけに対立を深めていました。

やがて名だたる大名たちが三成率いる「西軍」と家康率いる「東軍」に分かれ激突したのが
関ケ原の合戦であります。

日本を二分し、天下分け目の合戦と称される歴史の節目となる戦いでした。

とはいえ、
この戦い、わずか6時間で終了。

大河ドラマ『真田丸』でも
「あれ、もう終わっちゃったの?」でしたよね。

天下分け目の合戦、
未来を決する戦いと言われ、
これまで数々の映画やドラマで扱われながら、
真っ正面から戦いそのものを描くのは
本作が初めて。
日本映画史上初の挑戦です。

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監督・脚本は原田眞人。
原田眞人
1949年生まれ。
1979年『さらば映画の友よ』で監督デビュー。
『KAMIKAZE TAXI』(‘95)では
フランス・ヴァレンシエンヌ冒険映画祭で
准グランプリ及び監督賞を受賞。
社会派エンタテインメント『金融腐蝕列島(呪縛)』(’99)、
『クライマーズ・ハイ』(’07)、
http://mtonosama.exblog.jp/8486082/
モントリオール世界映画祭で
審査員特別グランプリを受賞した『わが母の記』(’11)、
http://mtonosama.exblog.jp/17450310/ http://mtonosama.exblog.jp/17461880/
モンテカルロTV映画祭で最優秀監督賞を受賞した
『初秋』(’12)など小津安二郎監督に深く影響を受けた家族ドラマ、
時代劇初挑戦となった『駆込み女と駆出し男』(’15)、
http://mtonosama.exblog.jp/23949051/  http://mtonosama.exblog.jp/23959759/
戦後70年に合わせて公開され、
第39回日本アカデミー賞優秀監督賞、優秀脚本賞などを獲得した
『日本のいちばん長い日』(’15)まで作品の幅は広い。
『ラストサムライ』(’03 エドワード・ズウィック監督)では
俳優としてハリウッドデビュー。
最新作は『検察側の罪人』(’18)

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監督の司馬遼太郎「関ケ原」映画化への思いは25年前に遡ります。
当時は過去の巨匠たちが誰も描かなかった合戦を
雇われ武将・島左近を主人公に映画化したいと思ったといいます。

その5年後、『ラストサムライ』に出演した監督は、
再び『関ケ原』への想いが強まりました。
その時の主人公は島津惟新入道。
世界戦史々上最も勇壮な「愚行」といわれる
島津の退け口といわれる退却戦を描きたかったそうです。

そして、本作『関ケ原』の主人公は
司馬遼太郎原作と同じく石田三成。

石田三成といえば頭は良いけれど
豊臣家臣からは毛嫌いされたクールで融通のきかない男。
日本史に苦手なとのですが、そんなイメージを持っています。
演ずるは岡田准一です。

そして、裏切り者というイメージでとらえられる小早川秀秋。
東出昌大がハムレットもかくやーーー
と思われる懊悩、逡巡、苦悩を見せてくれます。

岡田准一の三成。
どんな人物になっているのでしょう。
そして、どんな合戦が戦われるのでありましょう。
続きは次回まで乞うご期待でございますよ。



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関ケ原
監督・脚本/原田眞人、原作/司馬遼太郎、製作/市川南、佐野真之、撮影/柴主高秀、美術/原田哲夫、衣装/宮本まさ江、編集/原田遊人
出演
岡田准一/石田三成、役所広司/徳川家康、平岳大/島左近、東出昌大/小早川秀秋、音尾琢磨/福島正則、北村有起哉/井伊直正、松角洋平/加藤清正、和田正人/黒田長政、滝藤賢一/豊臣秀吉、キムラ緑子/北政所、前田利家/西岡徳馬、直江兼続/松山ケンイチ、大場泰正/大谷刑部、中越典子/花野、有村架純/初芽、伊藤歩/蛇白・阿茶、壇蜜/妙善、中嶋しゅう/赤耳
8月26日(土)全国ロードショー
2017年、日本、2時間29分、カラー、配給/東宝、アスミック・エース
http://wwwsp.sekigahara-movie.com/

by Mtonosama | 2017-08-03 06:05 | 映画 | Comments(6)

三毛猫ひかちゃん
-57-


あたし、ひかちゃん。

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暑いわねぇ。
あんまり暑いからまたまた逃亡。
お隣の軒の上で涼ませていただいたわ。

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でもね、お外からダニを拾ってきたっていう
あらぬ疑いをかけられて、ダニ退治のお薬をつけられた上、
お風呂へ連れ込まれちゃったの。
ひどいでしょ?

足の甲やすねをダニらしき虫に刺された飼い主。
痒くて掻き壊しちゃった自分が悪い癖に
あたしのせいだって決めつけて
バケツの中にぶちこんだのよ。

シャーーッ!
ウナァ~~~~ッ!

あたしだって、
知る限りの猫語を使って抵抗したんだから。

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ひどいでしょ?
にくったらしいたらありゃしない。

でもね、飼い主の虫刺され痕は
相当なものであることは確かね。

実は今回も撮影したんだけど、
あまりの汚らしさに掲載は中止したのよ。

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ふーーーっ
ひどい目にあったわ。

でも、あたし、思うんだけど、
飼い主もさっさと皮膚科へ行けばいいのよ。

今日はあたしの愚痴になっちゃったわね。
お詫びに涼し気な写真でお別れするわ。

皆さんもこの暑さと虫刺されにはくれぐれも気をつけてね。

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じゃあね!

ひかり


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ダニ被害者の飼い主
by Mtonosama | 2017-07-31 06:18 | 映画 | Comments(8)

ローザは密告された
-2-

MA’ROSA

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©Sari-Sari Store 2016


フィリピンって東南アジアですが、
なんかタイやベトナム、カンボジアとは
雰囲気が違いますよね。
島だからでしょうか。

今後メンドーサ監督の活躍を通じて
フィリピンともお馴染みになっていけるかもしれません。

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ストーリー
夕方、ローサはスーパーマーケットへ買い出しに。
晩御飯の買い物にしては大量だ。
次男のカーウィンが一緒に来ているところを見ると
彼女が営むサリサリストアの買い出しのようだ。

雷鳴が轟くスコールの中、
二人が乗り込んだタクシーが停まったのはスラム街の一角。
大きな袋をいくつも抱えた二人を長男のジャクソンが手伝う。
店に入ると夫のネストールは店番もせず、
2階の小部屋でヤクをやっている。

売人が来てローサに麻薬を手渡す。

ローサとネストールは慣れた手つきで
麻薬を砕き、小さな袋に詰めていく。
この小袋が一家の生活を支えているのだ。

客が来る。
携帯電話画面の暗号を確認し、
タバコの箱に麻薬の小袋を押し込み、手渡す。

7時前、長女のラケルが学校から帰宅。
夕飯を買いに出かけるローサ。

雨の中、車から一団の男たちが降り、
ローサの店へ。
警察だ。
覚醒剤と顧客リストが押収され、
ラケルのスマホまで持ち去る警察。

連行されたローサとネストール。
「ブツと顧客リストがある。保釈はできないが、
20万ペソ(約45万円)で手を打ってやるぞ」
払えないなら刑務所行き、それが嫌なら売人を教えろという。

売人のジョマールを呼び出すローサ。

ローサは警官と共に
ジョマールを待ち受ける。

逮捕されたジョマールのバッグからは大量の麻薬と金が。
警官たちは押収した金を嬉しそうに山分けする。

「麻薬の取引は終身刑だ。20万ペソを払えば助けてやる」
ジョマールにも告げる……

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金、暴力。
警察全体が悪の巣窟です。

人で溢れるスラム街での逃亡と追跡。
絶望して足取り重く進むローサや子どもたちを
舐めるように追うカメラ。
揺れる画面。
緊迫感漂うドキュメンタリータッチの映像です。

ともすれば警察の悪事だけがクローズアップされがちですが、
警察官もまた月収2~3万円で暮らす低所得者です。
そして、ローサの存在は
日本でいえば、商店街の昔ながらの雑貨屋さんのおばちゃんが
麻薬を販売しているようなもの。

問題は
麻薬に関わらなければ生きていけないという貧困なんですよね。
これって社会構造を変えないことにはいたちごっこでしょう。

ドゥテルテ大統領がいくら張り切っても
今日もまたスラムの片隅でローサたちはヤクを売り、
ジャンキーたちはなけなしの金を握りしめて
サリサリストアにやってくるのでしょう。

やっぱり感情移入しづらい映画です。
でも、大きな課題をつきつけてくる作品でした。






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ローザは密告された
監督/ブリランテ・メンドーサ、製作/ロレート・ラリー・カスティーリョ
製作総指揮/ブリランテ・メンドーサ、脚本/トロイ・エスピリトゥ、撮影/オディッシー・フローレス
出演
ジャクリン・ホセ/ローザ、 フリオ・ディアス/ネストール、 フェリックス・ローコー/ジャクソン、アンディ・アイゲンマン/ラケル、 ジョマリ・アンヘレス/カーウィン
7月29日(土)シアター・イメージフォーラムほか全国順次ロードショー
2016年、フィリピン、110分、配給/ビターズ・エンド、日本語字幕/大西公子、字幕監修/澤田公信

by Mtonosama | 2017-07-28 06:11 | 映画 | Comments(2)