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殿様の試写室

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殿が観た最新映画をいち早くお知らせ!

<   2009年 10月 ( 6 )   > この月の画像一覧

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赤い点Der rote Punkt

ドイツ映画祭第2弾です。
ドイツ映画祭で上映された「赤い点」の監督はなんと宮山麻里枝さんという日本人。
http://www.mariemiyayama.de/marie_miyayama_filmmaker/HOME.html

主演女優も日本人です。

本作は宮山監督初の長編映画であり
ミュンヘン・テレビ・映画大学の卒業制作作品
そして、デビュー作でもあります。

16歳のときヴィム・ヴェンダース監督の「都会のアリス」を観て
映画にめざめた宮山監督。
ミュンヘン・テレビ・映画大学は、そのヴィム・ヴェンダース監督も学んだ名門です。
宮山監督は3度目の挑戦で見事入学を果たしました。
日本人でこの大学に入学したのは彼女が初めてということ。すごいです。
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「赤い点」は宮山監督の体験から生まれました。
学生だった頃、通訳などをしながら生計を立てていた監督。
ある日本人女性の旅に同行したことがあります。
その女性は地図に記された赤い点を指して「ここに行きたい」と言います。
ロマンティック街道にあるその地点にタクシーで向かうと
道のわきに石碑がありました。
それは、昔この地で自動車事故に巻き込まれ
6歳の子どもを残し、死んでしまった日本人家族の石碑。
事故を起こした車はみつかっていません。ひき逃げでした。

日本人家族と、誰ともわからないドイツ人との、不幸な出会いとすれ違い。

遺された子供は、そして、逃げていった車の運転者は
それぞれの苦悩をかかえて生きているのではないか。
そこに物語性を見出して、撮影されたのが「赤い点」です。

その日本人女性との出会いから10年が経っていました。

ストーリー

大学の卒業を控えて、就職活動に忙しい小野寺亜紀。
ある日、幼いころ出かけたドライブのことを夢に見ました。
そして、親代わりに育ててもらっている伯父の家に
置いてあるドイツからの小包のことを思い出しました。
渋る伯母をおしきって、初めて小包を開けた亜紀。
その中に見たのは、実の家族の形見と
赤い点が記されたドイツ・バイエルン州の地図でした。
亜紀は亡くなった家族のことを知るためにひとりドイツへ旅立ちます。

地図に近い街で偶然知り合ったヴェーバー家に泊めてもらい
赤い点を探す亜紀。
彼女と一緒に捜索するその家の息子エリアス。
当惑の色を見せる父ヨハネス。

赤い点がみつかったとき、思いもよらない事実も明らかに…

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日本とドイツ。それぞれの家族の遠心と求心の物語。
南ドイツの風景の中で、日本的な弔いの姿が繰り広げられるのが
不思議な印象を残す映画でした。

監督が舞台挨拶で語っていましたが
会場にはモデルとなった家族がいらしていたそうです。

日本の家族とドイツの家族を描いたこの作品
モントリオール映画祭で初公開されて以来、世界各地の映画祭から招待され
ドイツでは賞も受け、一般公開されました。

日本での一般公開が待たれます。

赤い点
監督/宮山麻里枝、脚本/宮山麻里枝、クリストフ・トムケヴィッチュ、撮影/オリヴァー・ザックス、編集/宮山麻里枝、製作/マルティン・ブランケ・マイヤー、園木美夜子、製作会社/ミュンヒナー・フィルムヴェルクシュタット(ミュンヘン)、ミュンヘン・テレビ・映画大学、チェイス・フィルム・インターナショナル(東京)、
共同制作/FGV・シュミ―ドレ(ミュンヘン)、ミュンヘン・テレビ・映画大学、ワールドセールス/アリ・メディア・ワールドセールス(ミュンヘン)
出演
猪俣ユキ/小野寺亜紀、ハンス・クレーマー(ヨハネス・ヴェーバー)、オルランド・クラウス(エリアス・ヴェーバー)、イムケ・ビュヘル(エリカ・ヴェーバー)、ツォラ・ティーセン(マティーナ・ヴェーバー)、大和田伸也(亜紀の伯父)、音無美紀子(亜紀の伯母)、斉藤悠(亜紀のボーイフレンド)、峰岸徹(写真店店主)、矢柴俊博(亜紀の父)、フォート=ニシガミ菜穂子(亜紀の母)
ドイツ・日本/08年/82分



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by mtonosama | 2009-10-29 04:17 | Comments(14)
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SOUL KITCHEN

今回は試写室ではなく、映画館からの上映です。
新宿バルト9。http://wald9.com
先日初めて足を運びました。
もうびっくり!
東京の新しい映画館はこんなに立派で、椅子の配置も良いのですね。
これなら前に大きな人が座っても、スクリーンが見えます。
う~ん、すばらしい。皆さん、映画は映画館で観ましょう!
(って、まず自分がそうしろ!ですよね。はい)

なぜ、立派な映画館へ行ったかというと、ドイツ映画祭をやっていたからです。
「ドイツ映画祭2009」。10月15日~18日、新宿バルト9で開催されました。

ドイツ映画というと、暗くて、理屈っぽい…。そんなイメージありますよね。
今年上映された、ドイツ赤軍の誕生から幹部の自殺までを描いた
「バーダー・マインホフ 理想の果てに」とか
「ヒトラー、最期の12日間」(‘04)とか
「白バラの祈り ゾフィー・ショル最期の日々」(‘05)とか
暗くて、まじめ。

10月15日、ドイツ映画祭初日に鑑賞しましたが
今年のオープニング作品ファティ・アキン監督の「SOUL KITCHEN」はコメディでした。
当試写室で昨年12月に上映した「そして、私たちは愛に帰る」
(原題Auf der anderen Seite )http://mtonosama.exblog.jp/9988444/
はこの監督の作品です。

ファティ・アキン監督はトルコ系移民の息子でハンブルグに生まれた移民第2世代。
前作は親子の関係を通じて、トルコ人としての出自を問いかける作品。
どちらかといえば理屈っぽい系の映画でした。

〈理屈っぽいぞ〉と刷り込まれた頭で「SOUL KITCHEN」を観ました。
だから、ぶっとんだシーンや卑猥な(たぶん)ハンブルグ・スラングの連続に
うれしい意味で裏切られました。
主役を演じ、脚本も書いたアダム・ボウスドウコス(彼はギリシャ系移民二世です)
は監督の子供時代からの親友です。

この人、ふられても、踏んづけられても、騙されても、ギックリ腰になっても
めげずに立ち上がる気のいい食堂オーナーを演じて良い味を出していました。

そのアダム・ボウスドウコスが舞台挨拶をしたのですが
紹介者が彼の名前を発音できず
自分で名乗りながらステージに上がってきたのは
まるで本作の1シーンを再現したようでした。

さあ、どんなお話かというと

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ハンブルグの港近くの倉庫を改造して「ソウル・キッチン」を営業するジノス。
恋人のナディーンが上海に行ってしまって、店の経営に身が入りません。
そんな心のすきをねらうかのように
悪徳不動産仲買人が店をのっとろうと接近してくるわ
仮釈放中の弟イリアスが雇ってくれと頼み込んでくるわ
ギックリ腰になるわ
もうトラブルの大盤振るまいです。

しかし、ここに凄腕のシェフがやってきました。
(このシェフ、かなり変人です)
おかげで店は評判になり、行列のできる有名店に。
一安心のジノス。と同時に、上海のナディーンの様子が気になってきました。
遠く離れた男女の気持のすれ違いは洋の東西を問いません。

矢も楯もたまらず、店は弟イリアスに任せ、ハンブルグ空港へと走ります。
ところが、あれ?ナディーンがハンブルグ空港にいるではありませんか!
見知らぬ中国人男性も一緒です。
一方、イリアス。
賭けごとに目のない彼は悪徳不動産屋の罠にはまり
今や「ソウル・キッチン」の運命は風前のともしび…

一歩間違えたら、スラップスティックになるところなのに
その寸前で抑制がきいています。

   ハンブルグが一番ハンブルグらしい風景と雰囲気。

   ソウル・キッチンの窓を通して見えるハンブルグ港
   その逆に、窓を通して見える店内の様子。
   そこにはロウソクの灯りに照らされてクリスマスの正餐を取るジノスと女性…

このあたりの静と動のめりはりのきかせ方、秀逸です。
脇を固める俳優陣も個性的。
(ソウル・キッチンに間借りするソクラテスじいさん、良かったです)
そして、映画もまた思わぬ展開を見せてくれます。

〈ファティ・アキン監督といえば移民映画〉と、なんでも枠におさめたがる
型にはまった日本人。これって楽しくないんですけど
あえて、型にはめるなら、
主役を演じたボウスドウコスさんもステージ上で語っていた「ハイマート・フィルム」
( der Heimatfilm:ふるさと映画)なのでしょう。
トルコにルーツを持つファティ・アキン監督
そして、ギリシャ系移民2世のボウスドウコスさんですが
2人とも生まれ育ったのはハンブルグ。
出自はともかく、彼らが現在生活するハンブルグこそ
自分たちのふるさとなんだと腰を据え、宣言してるような映画です。

「暗さ」がキャッチフレーズ(?)だったドイツ映画で
映画祭の顔ともいえるオープニング作品にコメディが選ばれたというのは意外でした。

一般公開されること熱望してます。

監督/ファティ・アキン、脚本/ファティ・アキン、アダム・ボウスドウコス
出演
ジノス・カザンツァキス/アダム・ボウスドウコス、イリアス・カザンツァキス/モーリッツ・ブライプトロイ、シェフ“シェイン”/ビロル・ユーネル、ナディーン/フェリーヌ・ロッガン、ルチア/アンナ・ベデルケ、ソクラテス/デミール・ゲクゲル

ドイツ映画祭2009 in Yokohamaのお知らせ

日程:10月19日(月)~31日(土)火曜定休
時間:19:50~20:50レイトショー
会場:ブリリアショートショートシアター www.Brillia-sst.jp

「41秒」(41 Sekunden)3分45秒
「朝の浮気心」(Morgenschwarm)9分
「おもちゃの国」(Spielzeugland)13分52秒
「さよならを伝えに…」(FRAGILE)20分
「3列目の女」(Das Maedchen in der dritten Reihe)1分25秒


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by mtonosama | 2009-10-24 05:39 | 映画 | Comments(16)
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                    (C)Transformer,Inc.

ドキュメンタリー 頭脳警察

先月、あがた森魚さんが出演した当試写室に今回は頭脳警察が登場します。
またもや、おじさんミュージシャンかっ!とおしかりの声も聞こえてきそうです。

しかし
(開き直る殿です)
おじさんロッカーには深みと人生の重みというものがあるのです。
そこはかとなく。

頭脳警察―――
1969年。19歳のPANTA(vo.)、TOSHI(ds.)、 左右栄一(g)、粟野仁(g)の4人で結成されたバンド。〈名前の由来はフランク・ザッパの「Who Are The Brain Police?」(『Freak Out!』収録)という曲からとられたもの〉。
   by Wikipedia

1969年、東大安田講堂攻防戦の年です。
東大の入学試験が中止になった年といえば
「ああ、あの年ね」とうなずくのはアダルト組。
「知らなーい」と切り捨てるのはヤング組。
いずれにせよ、40年も前のこと。
知らない人がいて当たり前。
知ってるはずの人だってうろ覚えのはずです。

1969年。学生運動が燃え盛った時代。
72年に発表された彼らのファースト&セカンドアルバムはその過激な歌詞ゆえに
発売禁止処分を受けるなど、反体制ロックバンドとして、学生運動とともに燃えました。
そして、75年、運動が終りを告げると彼らも突然解散します。

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この映画はPANTAがニューバンド・陽炎を結成した2006年から
頭脳警察として再び活動を始めるまでの2008年まで
3年間にわたるライヴやレコーディングやPANTAの素顔も含め
250時間以上にわたり、撮影し続けたドキュメンタリーです。

そこにはPANTAの母親の死、TOSHIが頭脳警察やPANTAによせる想いなど、
2人の半生が08年のライヴ映像を交えて描かれています。(頭脳警察1:104分)

かつて横浜・山下公園に繋留されていた氷川丸。
一時はビヤホールに姿を変えた時期もあったあの船。
あの氷川丸は第2次世界大戦中、病院船だったのだそうです。
そんな事実が映画の中で語られ
当時の軍医や乗組員に取材するPANTAの姿が映し出されます。
もじゃもじゃのロン毛ですが、まじめな顔をしてインタビューしていました。

戦争中、看護婦としてペナンで勤務していた彼の母は氷川丸に乗って帰国したというのですが
自分の目で母の生きた軌跡を確認したかったPANTA。
取材の結果、乗船記録に母の名を発見しました。

氷川丸が無事航行してくれたからこそ、
PANTAも今こうしていることができたわけです。
「戦争を知らない子どもたち」のひとりであるはずのPANTAの意外な側面です。

日本赤軍の女帝といわれ、2000年に逮捕された元日本赤軍闘士・重信房子との交流。
東京拘置所へ接見に行く様子も撮影されています。
重信の書いた詩に曲をつけ、重信の娘メイとレコーディングするPANTA。
14歳のアラブの少年がたったひとりで200人のアメリカ兵に立ち向かい、
死んでいった事実を歌った新曲「七月のムスターファ」も歌われます。(頭脳警察2:103分)

再始動する頭脳警察。2008年9月28日、京大西部講堂でのライブ。
70年代のあの興奮が再び蘇ります。
観客もPANTAもTOSHIもメンバーも一体となった熱い熱いステージ。(頭脳警察3:104分)

「止まっているということと、変わらないということは、違うんだよ」

59歳になっても、つき刺さる言葉を放ってくるPANTA。

昔の戦争から、今も続くアラブの戦争までが
この3部作、総上映時間5時間15分の中には織り込まれています。
自分たちは今も戦争の時代を生きているのだな、と妙な感慨にふけってしまいます。

頭脳警察ってなに?
という方が多分圧倒的に多い、とは思います。
1968年から1970年という、今とは違う意味で世界が熱かった時代
今年59歳のPANTAとTOSHIをコアとする頭脳警察はその熱い時代に生きた
熱いロックバンドでした。
再生した彼ら、まだ熱さを残しています。
やけどしないように。

11/7~13    13:30 頭脳警察1(107分)、16:00 頭脳警察2(103分)、18:30 頭脳警察3(104分)、21:00 頭脳警察1
          
11/14~20   21:00 頭脳警察1、 21:10 頭脳警察2


11/21~27   21:00  頭脳警察2、21: 10 頭脳警察3


11/28~12/4  21:00  頭脳警察1、21: 10 頭脳警察3
       
ドキュメンタリー 頭脳警察
監督/瀬々敬久、プロデューサー/石毛栄典
出演
PANTA、TOSHI、菊池琢己(guitar)、中谷宏道(bass)、中山努(keyboards)、小柳”CHERRY”昌法(drums)ほか
製作・配給/トランスフォーマー、2009年、カラー、第1部:103分/第2部:103分/第3部:104分/デジタル上映/DV/ステレオ
11月7日(土)シアターN渋谷にてロードショー
http://www.brain-police-movie.com/


ちょっと色を変えてみました。
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by mtonosama | 2009-10-19 07:21 | Comments(18)
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(C)2009 A&E Television Networks & Actual Reality Pictures,Inc.All rights Reserved.
ファッションが
教えてくれること

The September Issue


お手数ですが、画面を少しばかり下方へスクロールして、出演者をご覧いただけますか。
ね、すごいでしょ?
カール・ラガーフェルド、ジャン=ポール・ゴルチェ、オスカー・デ・ラ・レンタ
ファッションにさして興味がなくたって、この人たちの名前はどこかで必ず目にしてますよね。
でも、このドキュメンタリー映画の主人公は彼らじゃないんです。
それどころか、この大物デザイナーたちも戦線兢兢
揉み手しながらお出迎えする女帝がいます。

その名はアナ・ウィンター。
「プラダを着た悪魔」(‘06)のモデルとも言われる米版ヴォーグのカリスマ編集長。
泣く子も黙るファッション業界のスーパーウーマンです。

出版不況といわれ、たくさんの雑誌が消えていく日本ですが
アナ・ウィンターは、アメリカ女性の約10人に1人、1300万人(!)が
読むといわれる米版ヴォーグの編集長です。

原題The September Issueは「9月号」いう意味。
なぜ、「9月号」か、というと、日本の雑誌のお正月号が立派なのと同じ理由です。
9月はアメリカでは始まりの月、9月号は1年で最も重要な号なんですね。
それがなぜ「ファッションが教えてくれること」というタイトルなのか
相変わらず邦題には飛んだ意訳が多いです。

アナ・ウィンター。
ブロンドのボブヘアーと大きなサングラスがトレードマーク。
年齢は不詳ですが、スレンダーな身体に素敵なお洋服やジュエリーがお似合い。
一言で言ってカッコいい。

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大物デザイナーたちもアナの意見に慎重に耳を傾けますし
ファッションショーも彼女が到着するまで始まりません。
なんと08年秋冬ミラノコレクションでは
「パリコレクション開始前に一度アメリカに戻りたい」
という理由でアルマーニ、ドルチェ&ガッバ―ナ、ヴェルサーチなどの
ショーの日程を変更させたこともあります。

2008年、大統領選を戦っていたヒラリー・クリントンが
「女を売りにしたくないから」
と08年2月号のヴォーグ表紙登場を断ったことがあります。
アナはそれに対して編集後記で
「男性的な装いをしなければ権力を求めるものとしては
受けとめられないと考えるなんて。
そんな概念には失望させられる。
ここはアメリカで、サウジアラビアじゃないんだから」
と切り返しました。

そんなエピソード満載のアナ・ウィンター。
さて、本作ではどんな仕事ぶりを見せてくれるのでしょう。

ストーリー
2007年パリ。
アナはイブ・サンローランのオフィスを訪ね
秋冬コレクションについてデザイナーの説明を受けていた。
デザイナーが提案するのはニュー・ブラック。
アナは一言。
「色がほしいわ」。
黒で埋め尽くされた洋服の間で立ち尽くすデザイナー。

NYに戻るとアナのオフィスに新進デザイナー、タクーンがやってきた。
彼はアナが創立したヴォーグ・ファッション基金の入賞者。
この入賞者にはビジネス面でのバックアップも保証される。
彼にはGAPとのコラボレーション企画が用意されていた。
そのデザイン画を緊張しながら、アナに示したタクーン。
「素晴らしいわ」、彼女の一言に胸をなでおろす。

さて、ヴォーグ編集部では
ファッション特大号、9月号の準備でてんやわんや。
(なにせ、9月号の厚さは電話帳ほどもあります)
編集部員のひとりは、あるテーマのために用意した洋服が
アナにほとんど却下されたと嘆いているし
アナが編集長に就任した1988年に米版ヴォーグに加わったクリエイティブ・ディレクターの
グレイスとて同様だ。

NY、ロングアイランドのアナの別荘。
広大な敷地に絵のような邸宅、おしゃれなインテリア。
ずらりと揃ったヴォーグ、バックナンバーの1冊を手にして
高校生の娘ビーとおしゃべりするアナ。
ビーは大学では法律を学ぶつもり。
「母を尊敬はするが自分はファッションの仕事はしたくはない」のだという。
アナの父親は英国紙イブニング・スタンダードの有名編集者
兄はロンドンで低所得者に住宅を提供する仕事
姉はラテン・アメリカで農民の権利を守り
弟は英国紙ザ・ガーディアンで政治編集委員として働いている。
家族のなかで一人ういているアナ。

9月号、締切6週間前、アナの厳しいランスルー(服の確認)を通過し
撮影を終えたページが次々とレイアウト・ボードに貼られていく…

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決断力、構成力、直観力、交渉力。そして、自信。
でも、カリカリしてなくて美しくおしゃれなアナ
圧倒されそうです。

20代、30代、40代の女子、必見。
え、それ以上の女子?
意外なところにアナの弱点も発見できて、励みになるから、やはり必見かも。

〈ファッションが教えてくれること〉って案外いろいろあるみたいです。

ファッションが教えてくれること
監督・製作/R.J.カトラー、製作/エリザ・ハインドマーチ、サディア・シェパード
出演
アナ・ウィンター、グレイス・コディントン、アンドレ・L・タリー、シエナ・ミラー、
カール・ラガーフェルド、ジャン=ポール・ゴルチェ、オスカー・デ・ラ・レンタ
ヴェラ・ウォン、マリオ・テスティーノ
11月7日(土)より、新宿バルト9他にて全国順次ロードショー
http://www.fashion-movie.jp/


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by mtonosama | 2009-10-14 06:00 | 映画 | Comments(12)
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            (C)2009 アスミック・エース エンターテインメント
わたし出すわ

♪わたし出~す~わ♪って歌ってしまったでしょ?

なにを出すのかというと、お金です。

小雪さん演じる麻耶がごくごく無造作に
大金を高校時代の友人たちに出してあげちゃう、という夢みたいなお話。

ドタバタした悪ふざけの映画かな、と先入見を持ってました。
なかなか観る気が起きなかった作品ですが
「森田芳光監督か。じゃ、ちょっと観てみるか」(生意気な発言お許しください)
と重い腰をあげました。
「(ハル)」以来13年ぶりとなる森田芳光監督完全オリジナル作品です。
もしかしたら平凡な日常に魔法をかけてもらえるかもしれない
と思いきってでかけました。

で?
大当たり~!!でした。

さてさて、森田監督流錬金術はどんな世界を紡ぎだすのでしょうか?

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お金って普段はのどから手が出るほど欲しいと思っているけど
いざ「あげるわ」って言われたら、ちょっとひきますよね。
「こいつ下心持ってんな」とか
「何かやばいことにまきこまれるんじゃないだろうか」とか
「あぶない金なんじゃない?」とか
一瞬の内にいろんなことが頭のなかをよぎります。
少なくとも
「あ、ありがとう。ちょうど必要だったんだよね」
なんて、絶対、いえ、多分、言いません。

まして高校時代の同級生です。
「あなたの夢をかなえたいの」と大金を持ち出されても
飛びつくわけにはいきません。

「わたし出すわ」ではそんなありえない話が現実化してゆきます。
その結果、夢がかなう人もいれば、人生につまずく人もいる。
以前の生活と変わらない人もいる。殺されてしまう人もいる。

あるにこしたことはないと思っていたお金だけど
そうともいえないんだ、と微笑んだり、笑ったり、苦笑したり、爆笑したり
結局、一貫して、笑いをうかべています。

ストーリー
山吹麻耶は東京から函館に帰ってきました。
アパートに荷物を運びこむ2人の引越業者。
仕事を終えた彼らにこころづけを手渡す麻耶。
喜んで受取り、部屋を出た2人でしたが、1人があわてて麻耶の部屋に戻ってきます。
「10万円ももらえないっすよ」

市電に座る麻耶。終点に着いても降りようとしない彼女に声をかける運転手の道上。
麻耶と気付いて驚いている道上に
「川上くんやさくらや保利くんやさきたちと会いたいから連絡してくれる?」と頼みます。
しかし、突然のことで都合がつかず、結局、道上だけと会うことに。
路面電車の話で盛り上がる道上。
高校時代から路面電車は環境にやさしい乗り物だと主張していた彼は
世界の路面電車めぐりをしたいとも言っていたのです。
「でも、金無いしな。函館で市電を運転できてるからいいよ」。
「そのお金、わたしが出してあげようか」…

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不思議な麻耶の言動と高校時代の友人たちのとまどいと欲、遠慮と甘え。
そんな心の揺らぎが友人たちの目の表情からわかって
観てると微笑ましい気分になります。
麻耶のお金の出所や、いったいどうして友人たちに大金をあげるのか
映画を観ているうちに、絡み合った糸から1本の糸がほどけて
すーっと出てくるようにわかってきます。
そしてお金を手にすることは必ずしも幸せには通じないことも。

函館の街をゴトゴト進む路面電車や大沼国立公園を走る川上くん
(川上くんは天才的なランナーなのですが、大けがで走れなくなりました。
アメリカで手術すれば、また元通り走れるようになるのですが。)

初冬の函館を背景に、ありえそうでいてやっぱりありえない不思議な話が展開します。
(個人的には先月函館を訪れたばかりで結構身を入れて鑑賞しました)

そんな経験はまだありませんが
お金ってもらうのも難しいけど、「あげる」って切りだすのも難しそう。

スッピンみたいに地味な顔した小雪さん。
彼女が「あげるわ」と言うと
無意識に「うん」ってうなずいて受け取ってしまいそうな雰囲気をたたえていました。
クールビューティの典型みたいな彼女ですが、
初の単独主演を演じて新境地に達したようです。

わたし出すわ
監督・脚本/森田芳光、製作総指揮:豊島雅郎、プロデューサー:竹内伸治、三沢和子
出演
山吹麻耶/小雪、魚住サキ/黒谷友香、道上保/伊坂俊哉、川上孝/山中崇、
保利満/小澤征悦、平場さくら/小池栄子、道上かえで/小山田サユリ、
平場勝/ピエール瀧、麻耶の母/天光眞弓、川上たみ/藤田弓子、溝栗雅也/仲村トオル
2009年、日本、カラー、1時間50分、配給:アスミックエース
10月31日(土)恵比寿ガーデンシネマ、新宿バルト9他全国ロードショー
http://watashi-dasuwa.com/


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by mtonosama | 2009-10-09 06:25 | 映画 | Comments(12)
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(C)2006 Becoming Jane Films Limited, Scion Films Premier (Third) Limited Partnership and UK Film Council
All Rights Reserved

ジェイン・オースティン 
秘められた恋

Becoming Jane


英国の美しい牧草地帯も、一歩入れば羊の落し物がころころ転がっていたり
緑豊かな森も足元はどろどろにぬかるんでいたりします。
自然には美しいものと不都合なものが共存しています。

突然ですが

ジェイン・オースティンは1775年ハンプシャーのスティーヴントン牧師館に
8人兄姉弟の7番目に生まれました。
文才豊かな娘で18歳のときには処女作「エリナとマリアンヌ」を書いています。
そう。ジェインは「高慢と偏見」の作者です。

英国ハンプシャー州の美しい自然の中に暮らしていても
類まれなる文才と表現力に恵まれていても
女と生まれた限りは結婚しか生活の道がなかった時代。
そして、結婚の決め手は経済力のみという時代。

持参金もない貧しい家の娘が愛に血迷って結婚しようものなら
更なる貧困へとまっしぐら。貧困のスパイラルなのであります。
まさに、ジェインの足元には羊の糞が転がり、ぬかるみがひろがっていたわけです。

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ジェイン・オースティンは終世独身を貫き、文学と結婚したといわれる女性。
ところが、そんなジェインも激しい恋に身を焦がしたことがあったというのです。
それは2003年、伝記作家ジョン・スペンスの「ビカミング・ジェイン・オースティン」
明らかになりました。

作品や日記などの資料をもとに、ジェイン・オースティンの真実の人物像、
ロマンスの実態などを大胆な解釈で明らかにする。
女性に根強いファンを持つ19世紀の作家ジェイン・オースティンの生涯を、
「現代」というフィルターを通して、独立心旺盛なキャリア志向をもった女性として
描き出した最新評伝。
ハンプシャーの田舎で牧師の大家族の一員として育った彼女は、少女の頃から筆を取り、
33歳で「分別と多感」を出版した。
その後全6冊の小説を書くが、1817年に無名のまま亡くなっている。
財産や身分が重要視される19世紀の英国社会で、
ジェインはどんな人生観や恋愛観を持っていたのか……。
彼女の描いた小説にも引けをとらない、リアルでドラマティックな世界が繰り広げられる
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ジョン・スペンスは「ジェイン・オースティン 秘められた恋」にも
歴史考証コンサルタントとして参加しています。

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ストーリー
18世紀のイギリスでは結婚とは金目当てに行われるもの。
階級社会のイギリスで人々を動かすものはお金
愛のための結婚は愚か者だけに許されること
女性が文筆で身を立てるなど、前代未聞でありました。
オースティン夫妻も2人の娘の結婚については当時の常識通りの考えでした。
ジェインが、いかに文才があり、独立心が強くても
財産と家柄の良い男性こそが彼女の夫にふさわしい人物と考えていたのです。
両親がジェインの相手にと考えたのは
地元の名士レディ・グレシャムの甥ウィスリー氏でした。
しかし、ジェインは彼との結婚に同意する気はありません。
20歳の彼女は階級や金を超えた価値を信じていましたし
小説を書くことが大好きだったのです。

ある日、ジェインは兄ヘンリーに伴われて
ロンドンからやってきた法学生トム・ルフロイと出会います。
トムは、叔父のラングロイス判事に援助を受けて学んでいる苦学生。
ですが、ロンドンで学生生活を送るハンサムなトムはハンプシャーに暮らす人々を
洗練されていない田舎者と小馬鹿にしていました。
ジェインにも無礼な態度をとるトム。
しかし、ジェインはトムの想像を超える知性の持ち主でした。
2人はやがて恋に落ち…

「高慢と偏見」を地でいくジェインの意地っ張りな恋のゆくえに
わくわくしたり、共感したり。
女として生きにくい時代を親に逆らい、自分の信念に忠実に生きたジェインの勇気に
恋か仕事か、で揺れる若い女性も
すでに結婚してしまった若くない女性も
共感の拍手を送りたくなるのではないでしょうか。
ジェインを演じたアン・ハサウェイが凛々しくてきれいです。
彼女、シェークスピアの妻と同姓同名。
芸名ではなく、弁護士の父ジェラルド・ハサウェイと舞台女優の母ケイト・マッコーレーとの間に
生まれました。アン・ハサウェイは本名です。
正確にはアン・ジャクリーン・ハサウェイですけどね。
英国の生んだ女流作家を演じるのにふさわしい名前です。

ジェイン・オースティン 秘められた恋
監督/ジュリアン・ジャロルド
キャスト
アン・ハサウェイ/ジェイン・オースティン、ジェームズ・マカヴォイ/トム・ルフロイ、
ジュリー・ウォルターズ/オ-スティン夫人、ジェームズ・クロムウェル/オースティン牧師、
マギー・スミス/レディ・グレシャム、ローレンス・フォックス/ウィスリー氏
2007年、イギリス映画
配給:ヘキサゴン・ピクチャーズ
10月31日(土)よりTOHOシネマズ シャンテほかにて全国順次ロードショー
http://www.jane-austen-movie.jp/index.html


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by mtonosama | 2009-10-04 05:19 | Comments(11)