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殿様の試写室

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殿が観た最新映画をいち早くお知らせ!

<   2010年 07月 ( 13 )   > この月の画像一覧

      彼女が消えた浜辺 -2-
               DARBAREYE ELLEY
                   ABOUT ELLY

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                      (C) 2009 Simaye Mehr.

事件は突然起こりました。
彼女はカスピ海の波が打ち寄せるリゾート地から姿を消してしまったのです。
仲間たちに黙って帰ってしまったのか?
それとも、波間に消えてしまったのか?

でも、不思議なのは、一行の内の誰も彼女の本当の名前も、住まいも、知らなかったこと。
彼女=エリを一行に加えた女性・セピデーですら、エリについて何も知らなかったのです。

一瞬、ハリウッド映画を思わせるコンセプト。
イランといえばイスラムの厳しい戒律と検閲制度、と頭に刷り込まれているため、
この現代的な内容にちょっとビックリ。
さて、どんなお話かというと―――

あ、その前に登場人物を紹介しておきますね。
なにせ群像劇ゆえ、登場人物が多く、聞き慣れない名前も多いものですから(汗)。

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       セピデーとその夫と子ども、
       アーマド(ドイツ人女性との結婚に破れたばかりの独身者)、
       ナジー(アーマドの妹)とその夫マヌチュール、
       ショーレとその夫ペイマンと子どもたち、
       エリ(セピデーの子どもが通う幼稚園の先生)
       の計11人

ストーリー
カスピ海沿岸の風光明媚なリゾート地でノウ・ルーズの3日間を過ごそうと
大学時代の友人たちが車に分乗してやってきました。
卒業後数年を経て、各人各様の事情を抱えてはいても、友情は学生時代のまま。
楽しい日々を過ごせるに違いありません。

子どもたちを含む11人のヴァカンス。この旅のすべてを仕切ったのはセピデー。
彼女は自分の子どもが通う保育園の先生・エリも旅行に誘いました。
エリはセピデー以外のメンバーとは初対面でしたが、
明るく世話好きなセピデーはエリを迎え入れるための雰囲気づくりも怠りません。
実は、セピデーはある計画を練っていました。
今回の旅を、離婚したばかりのアーマドとエリの出会いの場にしようとしていたのです。
友人たちも協力を約束し、アーマドもエリの計画をうけいれました。

さあ、車は目的地に到着。
ところが、手違いから、セピデーが予約していた宿には泊まることができません。
その代わりに、と、一行は海辺の別荘へ案内されます。
ガラスは割れ、埃まみれの建物でしたが、ロケーションは最高。
海は目の前、まるでプライベートビーチです。
男たちは別荘の応急修理、女たちは料理、子どもたちは海遊び、
と、それぞれの作業にとりかかりました。
夜にはおいしい料理を食べながら、大人も子どもも一緒になってゲームに興じます。
最高の一夜。

その中でひとり馴染めない様子のエリ。
到着当日、携帯電話が圏外の浜辺から、街へ向かうエリにつきそったアーマドも
彼女の態度になんとなく違和感を覚えます。
しかし、エリはそんな小さな違和感など払いのけてしまうほど魅力的な女性でした。

翌朝も素晴らしいお天気。2日目もまた最高の日になろうとしていました。
ですが、エリは「1泊の予定で来ているので、どうしても今日の内にテヘランに帰りたい」
とセピデーに打ち明けます。ひきとめるセピデー。

そんな中、事件が起こりました…

真黒な画面の中央に縦長の光の線が動く―――
トンネルを行く車の先に見える出口でした。
あれは何かと考えながら、視線は光を追い続けます。
かなりシュールにオープニングからつかまってしまったとのです。

ストーリーを知って、「ハリウッド映画みたいだな」と思いこみ、
ハリウッド映画のイラン版ならご免こうむりたいと考えたとの、
なんておバカなわたし。
いやいや、先入見とはおそろしいものです。

映画には、さらにもうひとりのキーパーソンが登場し、意外なラストへと導かれます。
アスガー・ファルハディ監督すごいっ。大変におもしろうございました。

2009年8月、イランの新大統領にアフマディネジャド氏が就任し、
その後、イランの検閲体制は以前にもまして強化されています。
本作は新体制以前の、検閲が比較的穏やかな時期に撮影されたものですが、
それにしても、難しい状況の中でこれだけの作品を世に送り出した
アスガー・ファルハディ監督には脱帽です。

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イランの厳しい状況を伝えるエピソードをご紹介します。
セピデーを演じたゴルシフテエ・ファラハニーは3ヶ国語(ペルシャ語、英語、仏語)に堪能な女優。
2007年にはカンヌ映画祭60周年記念作品、33本の短編からなるオムニバス映画
「それぞれのシネマ」(アッバス・キアロスタミ篇「ロミオはどこ?」)に出演し、
リドリー・スコット監督の「ワールド・オブ・ライズ」(‘08公開)でレオナルド・ディカプリオと共演、
1979年のイスラム革命以来、初めてハリウッド進出を果たしたイラン人女優となりました。
ところが、ハリウッド映画に出たことが新政権の逆鱗に触れ、まさかの国外追放、
現在はパリに暮らしています。
やっぱり大変なんですね。

が、しかし、
「ペルシャ猫を誰も知らない」でもお知らせしましたが、
イランは世界的にも若年層の人口比率の高い国。
30歳未満が人口の約70%を占めているといいます。
識字率は90%を超えていますし、女性の大学進学や社会進出も進んでいます。
いつまでも理不尽な管理体制が続くことはないでしょう。

これだけの映画をつくる国です。
その将来は明るいと信じたいっ、と、能天気なとのです。

彼女が消えた浜辺
監督・脚本/アスガー・ファルハディ、製作/シマイ・エメヘル
出演
ゴルシフテエ・ファラハニー/セピデー、タラネ・アリシュスティ/エリ、シャハブ・ホセイニ/アーマド、メリッラ・ザレイ/ショーレ
9月11日(土)ヒューマントラストシネマ有楽町にて公開(全国順次)
2009年、イラン映画、1時間56分、配給/ロングライド
www.hamabe-movie.jp/


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by mtonosama | 2010-07-31 06:16 | 映画 | Comments(11)
彼女が消えた浜辺 -1-
DARBAREYE ELLEY
ABOUT ELLY

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                    (C) 2009 Simaye Mehr.

スポーツクラブや行きつけの呑み屋、場所はどこでもいいのですが、
顔を合わせれば、楽しく話すけれど、実は名前も仕事も知らない、
という知人っていますよね。
ま、通常、楽しく会話し、「じゃあね」と別れるだけのことでなんの問題も起こりません。
飲み会やパーティに、友人が連れてきた知らない人とでも、
“ともだちの輪”ということで、普通に盛り上がることができます。

こうしたことは洋の東西を問いません。
あ、この映画の舞台はイランだから地理上は東洋になるのか。

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最近、イランの映画を上映することの多い当試写室です。
7月初めに「ペルシャ猫を誰も知らない」http://mtonosama.exblog.jp/14136801/
を上映したばかり。
「ペルシャ猫」もテヘラン市内を撮影した珍しい映画でしたが、
今回はテヘランではなくカスピ海沿岸のリゾートを舞台にした映画です。
そして、若い大学卒の夫婦たちを主人公にした群像劇。

なんていうと、1983年TBS系列で放映され、
社会現象にまでなった「金曜日の妻たちへ」を思い出します。
共通項は、群像劇であること、高学歴夫婦であること、都市生活者であること、
中産階級であること、くらいですけど。

これまでのイラン映画といえば、
アッバス・キアロスタミ監督によるイランの山間部を舞台にした「う~ん…」と考え込まされる映画や、
マフマルバフ・ファミリーのようなアフガン問題に舌鋒鋭く迫る映画や、
前回のゴバディ監督作品のようにクルド人の立場からイランの現状をあぶり出す映画など、
思索的であり、詩情に溢れつつ、かつ深刻なものが多かったような気がします。

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第59回2009年ベルリン国際映画祭最優秀監督賞(銀熊賞)を受賞した
アスガー・ファルハディ監督は本邦初登場。
38歳ですが、国内外で評価の高い監督・脚本家です。
「彼女が消えた浜辺」は銀熊賞のほか、
アメリカのトライベッカ映画祭で最優秀作品賞を受賞するなど、多くの賞を受けています。

この映画、今まで観てきたイラン映画とはかなり趣を異にしました。
ジャンルはミステリーだそうです。
とのはミステリーというより、心理劇かな、と思いましたが、
いずれにせよ、エンターテインメント性のある作品です。
「へえ、イランにはこういう映画もあるんだ」というのが正直な感想でした。

見知らぬ国の見知らぬ文化を楽しめるというのが、映画の醍醐味。
その意味で、イランのバカンスや社会階層や教育、あるいは、チャドルの下の素顔を
垣間見ることのできる本作は醍醐味に溢れています。

イランのバカンス:ノウ・ルーズ
イランの新年は春分の日に始まります。春分がペルシャ文化圏ではお正月。3月20日からの
1~2週間がイラン最大の長期休暇で旅行シーズンです。

さて、さて、ノウ・ルーズのカスピ海沿岸で一体何が起こったのでしょう。
続きは後編で。乞ご期待です。

                             

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彼女が消えた浜辺
監督・脚本/アスガー・ファルハディ、製作/シマイ・エメヘル
出演
ゴルシフテエ・ファラハニー/セピデー、タラネ・アリシュスティ/エリ、シャハブ・ホセイニ/アーマド、メリッラ・ザレイ/ショーレ
9月11日(土)ヒューマントラストシネマ有楽町にて公開(全国順次)
2009年、イラン映画、1時間56分、配給/ロングライド
www.hamabe-movie.jp/

by mtonosama | 2010-07-28 05:28 | Comments(7)

             暑中お見舞い申し上げます。

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「暑いって言ったら罰金だよ」とか、「心頭滅却すれば火もまた涼し」とか、
子どもの頃「暑い」と言う度に、親によく怒られました。

しかし、暑いものは暑いのだから、仕方ないです。
皆さまはいかがお過ごしでしょうか。

わたしはこの暑さで頭が溶けかかっており、試写を観にいく元気も出ません。
ウダウダしながら携帯をいじっておりましたら、
以前、秩父へ行った折に撮った蓮の画像が出てきました。
中心の部分が黄金色に輝き、携帯で撮影した割には美しいとお思いになりませんか。
(え~、なんとも一方的な自画自賛であります)

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この白熊さんは昨秋、旭山動物園で撮影しました。
つい先頃、寝室で倒れているところが発見されたコユキさんだと思います。
コユキさん、白く堂々とした姿で長い間、楽しませてくれてありがとうございました。合掌。

この後の「殿様の試写室」の上映予定は一足早く秋を先取りします。
どうぞ、また当試写室に涼みにいらしてください。

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by mtonosama | 2010-07-27 05:39 | Comments(6)
「殿様の試写室」増刊号
お伊勢さんに
行ってきました
  -2-

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外宮(げくう)に近いJR伊勢市のホームからの空は広くて青くて
100年前とそんなに変わっていないかもしれません。

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その夜、泊った答志島・中村屋旅館の夕食です。http://www.toba-nakamuraya.com/
ピンぼけの上、がっついてお箸をつけた後の残骸になってしまいました(汗)。

奥に見えるのはツブ貝、
一番手前の白く透き通ったものはいわずとしれた伊勢海老でございます。

この後、さらにエビの踊り食いも。
器からテーブルの上にぴょんぴょん跳ねて逃げようとするエビとのバトルがしばし展開されました。
「ザ・コーヴ」の監督がいたら、また何を言われることか。

明けて18日。再び、伊勢神宮へと向かいます。

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手水舎(てみずしゃ)で手をきよめ、

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五十鈴川御手洗場(いすずがわみたらし)で五十鈴川の透明な水に暑さを忘れます。
(工事中で濁っているといっても、この透明度!)

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玉砂利を踏んで御正宮(ごしょうぐう)に進みます。
樹齢何百年という巨木のおかげで木陰の下を涼しく歩くことができました。
太い大木には数人の老若男女がとりつき、
樹皮をさすって「パワー、パワー」とつぶやいていました。
かなり前から皆さんそういうことなさっているのでしょうね。
人の手や額の高さの樹皮が黒光りしていました。
神宮に生きとし生けるもの全てにパワーが宿るのでしょうか。ありがたいことです。

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御正宮に着いてびっくり。お正月の鶴岡八幡宮、はたまた明治神宮か。
階段をうずめる人、人、人。
「階段の下で拝むだけにしようよ」と逃げ腰の初老のおじさんのつぶやきが聞こえました。
お気持ちよ~くわかります。

しかし、ここまで来たら行くっきゃない!

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というわけで、30分は並んだでしょうか。
二礼二拍手一礼。
ちゃんとお参りしました。
お参りを終えて出口に向かうと立派な鶏が歩いていました。

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後は名物伊勢うどんを食べるだけ。
太めの柔らかいうどんにたまり醤油のおつゆをからめた
「冷やしかやく伊勢うどん」を食べました。
歯ごたえたっぷりの名古屋の味噌煮込みうどんに慣れたとのには
ちょっと物足らない柔らかさでしたが、
食べ終わった後に豊潤なたまり醤油の味が余韻となって残る後をひくうどんでした。
タクシーの運転手さん推奨の岡田屋でいただきました。

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                  ↑
でも、暑いときにはやっぱりこれ。
今回もまた撮影を忘れて呑んでしまったので、残量わずかなビールです。
予定していた月讀宮も猿田彦神社にも行かず、
ビールと冷酒でしめてしまった伊勢参りでした。
ああ、暑かった。
でも、こんなんでご利益あるんだろうか。

                             

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by mtonosama | 2010-07-26 06:14 | Comments(4)
「殿様の試写室」増刊号

お伊勢さんに
行ってきました
   -1-


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パワースポットがはやっています。
なんだかよくわからないし、科学的根拠もないというのですが、
ご利益(ごりやく)があると聞けば、行っておこぼれにあずかりたいというのが人情でして…

パワースポット
パワースポット(Power Spot)とは、エネルギースポット、気場などともいい、オカルト的なエネルギーが集中していると風水やスピリチュアリティの観点から見なされる場所のことである。ただし、下記のパワースポットの「効能」や「根拠」について科学的根拠は全くなく、擬似科学の類とみなされている。
パワースポットは和製英語である。広い意味で使われるパワースポットに対応する英単語は存在しない。(Wikipediaによる)


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で、行ってきました。伊勢神宮です。
やはりパワースポット初心者としては、日本一有名な神社である伊勢神宮は要チェック。

実は今から100年ほど前、とのがまだ小学生だった頃、
伊勢神宮へ行ったことがあります。
お伊勢さんもさぞ古びていることだろな、と思いきや、
そうだ、そうだ、あちらさまは20年に1度必ず新しくなるのでした。
こっちはただただ歳をとっていくだけなんですけどね。

神宮式年遷宮(じんぐうしきねんせんぐう)
式年とは定められた年という意味、遷宮(せんぐう)とは
神社の正殿を修理する時や正殿を新たに建てた場合に、御神体を遷すこと。
伊勢神宮では原則20年に一度この式年遷宮が行われる。
御垣内の建物全てを新築新造し、さらに殿内の御装束や神宝を新調して、
御神体を新宮へ遷す、我が国で最も重要なお祭りのひとつ。
正殿とは神宮の諸殿社の中で中心の社殿のこと。
御垣内の建物とは宝殿、御垣、御門等をさす。
御装束とは神の衣服や正殿の装飾や器物等のことをいう。
神宮の古伝によれば式年遷宮が制度化されたのは天武天皇の時代、
第1回目の式年遷宮が内宮で行われたのは持統天皇4年(690)のこと。
戦国時代には一時行うことができない時期もあったが、
延べおよそ1300年間、続けられている古式豊かな行事。
明治時代からは宇治橋も架け替えられるようになった。http://miekenya.jp/

次回の遷宮は2013年(平成25年)の予定です。
でも、内宮(ないくう)の入口、五十鈴川にかかる宇治橋は一足先に新しくなっています。
ヒノキの良い香りがしました。

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ひとの間にわずかに宇治橋の新しい木肌が見えますよね。
え、見えない?

伊勢神宮はその正式名称を「神宮」といいまして、
内宮(ないくう)と外宮(げくう)を総称する125社の総称です。
祀られているのは内宮が天照大御神(あまてらすおおみかみ)、
外宮が衣食住の神様といわれる豊受大御神(とようけおおみかみ)。
外宮、内宮の順にお参りするのが正しい回り方だのだそうです。

3連休の初日7月17日、この正しい回り方を一日でするには人が多過ぎて、
この日は外宮だけでおしまい。
伊勢の観光スポット「おかげ横丁」でひとやすみ。

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赤福氷でとりあえずの涼をとりました。

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おかげ横丁の煙管猫さんです。

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江戸時代のような街並みも人で溢れていました。

というわけで、明日は内宮(ないくう)に行ってきま~す。

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by mtonosama | 2010-07-25 06:47 | Comments(4)
オカンの嫁入り -2-

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                     ©2010『オカンの嫁入り』製作委員会

年頃の娘をさておいて、結婚するのは母親。
そして、その相手は娘との歳の差5つの30歳!
金髪!
えぇぇぇぇえ!
なんでやねん!

オカン、結婚するのは勝手だけど、ちょっと相手が若過ぎない?
それにパツキンはないっしょ。

パツキンとは金髪(きんぱつ)の倒語(註参照)で、
金髪及び金色や明るい茶色の髪の人をさす。
髪をこう した色に染めた日本人をパツキンと言うこともあるが、
多くはブロンドヘアをした白人の代名詞として使われる。
また、金髪女性の場合はパツキン美女、金髪男性の場合はパツキン野郎など、
後ろに性別を表す代名詞を付けるが、パツキンだけの場合、女性をさすことが多い。
註)倒語とは前後をひっくり返した言葉で、現代では業界用語としてよく聞かれる。
主な倒語にワイハー(ハワイの意)、まいうー(美味いの意)がある。
(「日本語俗語辞書」より)

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とまあ、いきなりド肝を抜かれる設定です。

さあ、咲乃月音さんの小説を、脚本も担当した呉美保監督は
どんな風にして見せてくれるのでしょう。

ストーリー

真冬のある晩、月子の母・陽子は深夜3時に上機嫌でご帰還。
熟睡していた月子は「開けて~」の声にたたき起こされました。
冷たい階段を裸足で降りて玄関を開けると、へべれけの陽子。
そして、玄関のたたきには見知らぬ物体が。
いえ、人でした。月子が一度も会ったことも見たことのない金髪リーゼント、
真っ赤なドリズラージャンパー(注)を着込んだ若い男が酔いつぶれていました。

母は昨日この男にプロポーズされたというのです。
ムカっとくる月子。
なに?このダサいヤンキー。歳は30歳。それに3年も前からつきあってたぁ。
なんで何も話してくれなかったの?
月子は家族同然の大家のサクや、陽子の勤務先医院の村上先生に相談します。
ところが、味方になってくれると思ったこの2人。
月子の意に反して、母の結婚相手・研二をすんなり受け入れてしまいました。

生まれる前に父と死別した月子。以後25年間ずっと母子2人で仲良く暮らしてきました。
母だって、亡くなった父のことを「最初で最後の人やねん」と言ってたのに。
なんやねんな。
今、目の前で元板前の研二がつくった料理をぱくぱく食べてるのが同じ母親とは思えへん。
研二は研二でそんな陽子をうっとりと眺めてるし。

なんやて?今日から一緒に住むぅ?
頭にきて、庭続きの大家のサクの家にプチ家出する月子。

ある日、月子は「あの人のどこがいいのん?」と陽子に訊ねてみました。
「そやなぁ。苦労してんのに、顔に出さずヘラヘラしてるとこかなぁ」

そして、陽子さん、いきなり
「あんなぁ、白無垢着てえぇか?」…
(注)永遠の青年、ジェームス・ディーンが映画「理由なき反抗」で羽織った瞬間、
赤いドリズラーは世界の若者の心のユニホームになった。
このドリズラーであまりにも有名な、米国のスポーツ衣料ブランドが「McGREGOR(マックレガー」。
ゴルフ ジャンパーとして今でも手放さない愛用者が多いドリズラーを着ると、不思議と襟を立てて、肩をすくめたくなる。
あのポスターのディーンのように。
「マックレガー」は1921年、「永遠のアメリカンスピリット」をテーマに米国で誕生した。
スポーツスピリットを詰め込んだ「マックレガー」のアイテムは古きよきアメリカンカジュアルを象徴するブランドと言える。
日経WagaMaga http://waga.nikkei.co.jp/comfort/fashion.aspx? i=MMWAg6002020112007


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めちゃくちゃな大阪弁でごめんなさい。

オカンの白無垢姿はちょっときびしいものがあるけど、
実は、陽子、明るいだけのお気楽オカンのようでいながら、不治の病を隠していて、
そのことをどうしても月子に打ち明けられずにいたりしました。
月子は月子で会社同僚から受けた1年前のストーカー事件を乗り越えられずにひきこもり、
周囲のみんなも彼女を黙って見守ることしかできずにいました。

でも、50代のオカンのかなり無理のある白無垢姿が、病気のこと、ひきこもりのことを
いやでも表に出してしまいます。

どんなに明るく見えても、
無神経に見えても、
めちゃくちゃやってるみたいに見えても、
普通に暮らしてるように見えても、
人は生きている以上、何かを抱えています。

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それがこの映画では、陽子の病気だったり、
月子の1年前のつらい経験だったりするわけですが、
生き続けて行くのなら深刻ぶってばかりはいられません。
何もかも日常性というカーテンで隠し続けていくわけにもいきません。

そのカーテンを開いて、病気や今後の生き方を明るい明かりの下にさらしたできごと。
それが、オカンの嫁入り=白無垢でした。コントラストがあっぱれ!です。

でも、
ホントは、おいしいもの食べて、
冗談言って、
日常生活を普通にのほほんと暮らしていくのが一番いいねん・・・
という本音が見えるみたいに、
森井家のおだし(出し汁)の湯気がこもる暖かい台所が印象的なラストでした。

                           
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オカンの嫁入り
監督・脚本/呉美保、原作/咲乃月音(「さくら色 オカンの嫁入り」宝島社文庫、第3回日本ラブストーリー大賞ニフティ/ココログ賞受賞)
出演
宮崎あおい/森井月子、大竹しのぶ/陽子:月子の母・看護師、絵沢萌子/上野サク:大家、桐谷健太/服部研二:陽子の婚約者・板前、國村準/陽子の勤務先・村上整形外科医院院長、林泰文/本橋信也:月子のかつての同僚、斎藤洋介/佐々木義男:月子のかつての上司
9月4日(土)角川シネマ新宿他全国順次ロードショー
2010年、日本映画、カラー、110分、配給/角川映画
Okannoyomeiri.jp

by mtonosama | 2010-07-22 05:58 | 映画 | Comments(4)
オカンの嫁入り -1-

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                  ©2010『オカンの嫁入り』製作委員会

テレビを見ていて思うのですが、大阪の芸人さんって、
よく「うちのよめが」といいますよね。
実は、とのはこの言葉が気になって仕方ありません。
大体「嫁」という字面(じづら)が気に入らないのです。
女へんに家ですよ。

この字だと、
結婚というのは、女性が相手男性の「家」と一緒になること。
「嫁ぐ(とつぐ)」
封建的な家父長制度そのままではないですかっ!
って、わたしは田嶋陽子か。

そういえば田嶋陽子先生、最近テレビで見ませんね。

いえ、話が違う方向に行ってしまいました。
「オカンの嫁入り」です。

オカン!?嫁入り!?
カチンとくる言葉、二連発。

しかし、これは大阪を舞台にしたお話。
言葉の違いにカチンカチン来ていたら、先に進みません。

f0165567_643010.jpg原作は「さくら色 オカンの嫁入り」(宝島社文庫)。
咲乃月音という大阪生まれの女性の小説です。
16年前から香港に住み、外資系金融会社に勤務するかたわら、2005年から執筆活動を開始、
2007年、「オカンの嫁入り」で第3回「日本ラブストーリー大賞」ニフティ/ココログ賞を受賞しました。
著書「さくら色 オカンの嫁入り」、「ぼくのかみさん」(宝島社刊)。
家族はアメリカ人の夫とウサギ。

「嫁」という封建的な漢字とはあまり縁のなさそうな方です。
いいですね。


監督・脚本もまた呉美保さんという女性で、本作が監督・脚本の第2作目。
デビュー作「酒井家のしあわせ」では「サンダンス・NHK国際映像作家賞/日本部門」を
受賞しています。

そして、主役が宮崎あおい、そのオカンが大竹しのぶ。
意外なことに、この2人、本作が初共演なんです。

宮崎あおい。実年齢は25歳、演ずる月子ちゃんも25歳。
まさに等身大のちょっとワケありの月子を大阪弁で演じました。

   感想というか、偏見というか、思い込みというか、
   大阪弁をしゃべる人というとなんかパァ~ッと明るい人という印象を持っていましたが、
   宮崎あおいの大阪弁を聞いていて、ひっこみ気味の普通の女子だっているんだよな、
   もういないけど、開高健だって司馬遼太郎だって普段は大阪弁話したんだなぁ―――
   と大阪弁と宮崎あおいの演技力を再認識しました。

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                       ↑ ↑
                   月子の家の愛犬、黒パグのハチです。

そういえば、以前、大阪出身の知人に
「もしかしたら、明石家さんまのしゃべりが大阪弁だと思っているでしょう?」
と言われたことがあります。
「あれは違うからね」と大阪・河内出身のその人は怒っていました。

さんまといえば、オカンを演じた大竹しのぶも良かったです。
母親役をするには童顔過ぎるか、と思いましたが、彼女も53歳。
月子くらいの娘がいても全然おかしくありません。
実年齢に近いオカン・陽子、
そして、あっけらかんととんでもないお土産を持ち帰る母親役を演じて見せてくれました。

出演者の中では、この2人だけ関東出身ですが、映画はずっと大阪弁。
でも、宮崎あおいの方が上手だったかな。
大竹しのぶ。やはり、和歌山県串本町生まれ、奈良育ちのさんまの悪影響を
受けてしまっていたかも(笑)

というわけで、嫁と女性と大阪弁の話だけで前編は終わってしまいました。
いったい、どんなお話かは次回までのお楽しみということで。
乞う御期待。

                         

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オカンの嫁入り
監督・脚本/呉美保、原作/咲乃月音(「さくら色 オカンの嫁入り」宝島社文庫、第3回日本ラブストーリー大賞ニフティ/ココログ賞受賞)
出演
宮崎あおい/森井月子、大竹しのぶ/陽子:月子の母・看護師、絵沢萌子/上野サク:大家、桐谷健太/服部研二:陽子の婚約者・板前、國村準/陽子の勤務先・村上整形外科医院院長、林泰文/本橋信也:月子のかつての同僚、斎藤洋介/佐々木義男:月子のかつての上司
9月4日(土)角川シネマ新宿他全国順次ロードショー
2010年、日本映画、カラー、110分、配給/角川映画
Okannoyomeiri.jp

by mtonosama | 2010-07-19 06:55 | Comments(8)
小さな村の
小さなダンサー
-2-
The Ballets Performed in Mao’s Last Dancer

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               (c) Last Dancer Pty Ltd and Screen Australia

黄砂舞う中国の小さな村から、
さえないスーツと中国共産党より選ばれし者のしるしである赤いネクタイを締めて
NYの空港に到着した青年。

セピア色といえば聞こえがいいけれど
なにもかも茶色っぽい中国とカラフルな70年代のアメリカ。

リー青年が感じたであろうカルチャーショックと
中国とアメリカとの色の対比が興味深いです。

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ブルース・ベレスフォード監督のこの映画、
体制の違いへのとまどいはあっても、東洋への蔑視がないところに好感を持てる作品です。
(「ザ・コーヴ」以来、日本や東洋の描き方に神経質になっているもので…)
さあ、どんなお話なのでしょうか。

ストーリー
中国山東省の小さな村に生まれたリーは村中を元気にはねまわる活発な少年。
優しい両親や大勢の兄弟たちと共に、貧しいけれど楽しい少年時代を過ごしていました。
リーが11歳になったある日のことです。村の学校に北京から役人たちがやってきました。
彼らは、毛沢東夫人で元女優の江青が文化政策として始めたバレエというダンスの英才を
国中から探し出すために送りこまれた使節団でした。
そこで選ばれたリーは村中の喜びと両親の涙を背に北京へと旅立ちます。
これから先いつ帰れるかもわからない長い旅路です。

大都会・北京の舞踏学校に入学したリー。
厳しいレッスンと仲間たちとの寄宿舎生活とが彼を待ち受けていました。
愛国心をあおる特訓に反発するリー。
彼は同じ境遇の仲間たちや優しいチェン先生の励ましによって、
いやいやバレエを続けるだけの落ちこぼれ生徒でした。

数年後、チェン先生は隠し持っていたクラシックバレエのビデオをリーに貸し与えました。
夜の視聴覚室で仲間たちと密かにビデオを観るリー。
彼は初めて観る本物のバレエの素晴らしさに感動し、
生まれ変わったように真剣にレッスンにとりくむのでした。

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ところが、ある日、チェン先生は江青の文化政策に逆らったという疑惑をかけられ、
拘束されてしまいます。
チェン先生が乗せられた護送車を深い悲しみをこらえて見送るリー ―― 

時は移り、江青達四人組は断罪され、国内は改革開放政策が実現されようとしていました。
青年となったリーに思わぬチャンスが舞い込みました。
訪中したアメリカのバレエ団の招きで、彼はヒューストンのバレエ団での研修に
参加することになったのです。
バレエ団主任のベンの家で暮らしながらレッスンを続けるリー。
次第に頭角を現し始めたリーはけがをしたダンサーの代役をつとめ、大人気を博します。
バレエ・ダンサーとして認められ始めた彼は、同じダンサーのエリザベスと出会い、
恋に落ちます。そして、結婚、リーは亡命を決意するのですが……

政治的にも、文化的にもまったく異質な国に足を踏み入れた中国青年のとまどいと
心の動きが興味深く、ついつい前のめりになる映画です。
70年代の中国とアメリカの対比や、東洋と西洋の結婚観の違いも、ウンウン、
うなずくところが多いですねぇ。
弁護士を演じたカイル・マクラクランも相変わらずクールで、眉間の皺も素敵でした。
いえいえ、そんなとのの個人的嗜好は別にしても、
「白鳥の湖」「ジゼル」「春の祭典」そして中国バレエなどのバレエ・シーンも
たっぷり堪能できます。

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亡命の際、中国領事館に監禁され、あわや強制送還か ――
緊迫感みなぎるシーンに息を呑み、
バレエシーンに心奪われ、
70年代のアメリカと中国に想いを馳せる。

見どころ満載の映画です。
バレエ好きのとのの独断で選んだわけではないので、どうぞ安心してご覧ください。

                            

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小さな村の小さなダンサー
監督/ブルース・ベレスフォード、原作/「小さな村の小さなダンサー」(リー・ツンシン著、井上実訳、徳間文庫)、プロデューサー/ジェイン・スコット、脚本/ジャン・サルディ、撮影監督/ピーター・ジェイムス(ACS,ASC)
出演
ツァオ・チー/リー、グオ・チャンウ/リー(青年時代)、ホアン・ウエン・ビン/リー(子供時代)、ブルース・グリーンウッド/ベン、カイル・マクラクラン/弁護士、アマンダ・シュル/エリザベス、ジョアン・チェン/母、ワン・シャオ・パオ/父、エイデン・ヤング/ディルワース、マデレーン・イーストー/ローリー、カミリア・ヴェルゴティス/メアリー、ペンネ・ハックフォース・ジョーンズ/シンシア・ドッズ、ジャック・トンプソン/判事
8月Bunkamuraル・シネマ、シネスイッチ銀座他、全国順次ロードショー
2009年、オーストラリア映画、117分、配給/ヘキサゴン
http://chiisanadancer.com

by mtonosama | 2010-07-16 05:18 | 映画 | Comments(7)
小さな村の
小さなダンサー
-1-
The Ballets Performed in Mao’s Last Dancer

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            (c) Last Dancer Pty Ltd and Screen Australia

「小さな村の小さなダンサー」というタイトル、魅かれます。
でも、どこかで聞き覚えがあるな、と思ったら「小さな中国のお針子」(‘03)という映画がありました。
こちらも、今回と同じくBunkamuraル・シネマで公開された映画です。
やはりタイトルに魅かれて、渋谷の坂を上ってル・シネマまで観に行ったことのあるとのです。
「小さな村の小さなダンサー」というタイトルは小さな柳の下の小さな2匹目のドジョウなのでしょう。

最近、たまたま見たテレビがこの映画とかぶりました。

ひとつは中国のドキュメンタリーです。
全国の小学校から身体能力の高い児童を見つけ出し、
国の学校で育てていくという体操選手養成ものです。
小さな子どもが親元を離れ、北京の体操学校で厳しい訓練に耐えながら、
オリンピック選手をめざすという番組でした。
10歳くらいの子どもたちが怖い顔の先生に怒鳴られながら、
体を反らせたり、開脚したりしていました。
根性あります。

それから「徹子の部屋」で見たパリ・オペラ座のバレエの王子様マチュー・ガ二オ。
脚が超~長く、顔が超~小さく、笑顔が超~かわいく、もう夢中で観てしまいました。
(徹子さんの質問に、通訳のタイムラグ分遅れてoui(ウイ)と応える様子の初々しいこと・・・)
両親ともバレエ・ダンサーということでした。
バレエには本人の才能に加えて、血統も重要なファクターなのだなと感じ入った次第です。
そして、顔の小さいこと。首と手足の長いこと。体形のバランスの良いこと、もちろん、
容貌と姿かたちの美しいことも必須だということをあらためて実感しました。

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さて、
本作は、1961年中国に生まれた実在のバレエ・ダンサー、リー・ツンシンの自伝を映画化した作品。
「ドライビングMiss デイジー」(‘90日本公開)のブルース・ベレスフォード監督による
オーストラリア映画です。
「ドライビングMiss デイジー」。良い映画でしたね。

70年代、中国は文化大革命のさなか。
後には四人組として糾弾を受けた江青女史も、
毛沢東夫人として革命的な中国文化の創造に辣腕をふるっていた時代。

山東省の小さな村に7人兄弟の6番目に生まれたリー・ツンシン。
彼は11歳の時、そんな江青の文化政策に従って北京からやってきたお役人に連れられて
見たことも聞いたこともないバレエという踊りのダンサーを養成する学校へ
入学させられます。
この時から始まったリーの波乱と感動に満ちた実話を描いたのが
「小さな村の小さなダンサー」。

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少年時代のリーは冒頭に書いたような体育学校出身のホアン・ウエンビンが演じています。
長い手足と身体能力の高さが見込まれての映画デビューとなりました。
この子がまたかわいいんです。

青年時代のリーを演じたグオ・チャンウは本物のバレエ・ダンサー。
北京舞踏学校でバレエを学び、2006年のローザンヌ国際バレエコンクールで受賞、
オーストラリア・バレエ団に入団しました。
現在はこのバレエ団のメンバーとして活躍しています。

成人してからのリーを演じたツァオ・チーは英国バーミンガム・ロイヤル・バレエ団の
プリンシパル、フランス式に言えばエトワールってやつですね。トップダンサーです。

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ロイヤル・バレエ団(The Royal Ballet)は、イギリスの王立バレエ団。
フランスのパリ・オペラ座、ロシアのボリショイ劇場と並び、世界三大バレエ団の一つと称される。
名誉総裁はチャールズ王太子、芸術監督は元プリンシパルのモニカ・メイソン。(Wikipediaより)

美しいもの大好き女子必見のバレエ映画、
さてさてどんなお話なのでしょうか。続きは後編で!

                              


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小さな村の小さなダンサー
監督/ブルース・ベレスフォード、原作/「小さな村の小さなダンサー」(リー・ツンシン著、井上実訳、徳間文庫)、プロデューサー/ジェイン・スコット、脚本/ジャン・サルディ、撮影監督/ピーター・ジェイムス(ACS,ASC)
出演
ツァオ・チー/リー、グオ・チャンウ/リー(青年時代)、ホアン・ウエンビン/リー(子供時代)、ブルース・グリーンウッド/ベン、カイル・マクラクラン/弁護士、アマンダ・シュル/エリザベス、ジョアン・チェン/母、ワン・シャオ・パオ/父、エイデン・ヤング/ディルワース、マデレーン・イーストー/ローリー、カミリア・ヴェルゴティス/メアリー、ペンネ・ハックフォース・ジョーンズ/シンシア・ドッズ、ジャック・トンプソン/判事
8月Bunkamuraル・シネマ、シネスイッチ銀座他、全国順次ロードショー
2009年、オーストラリア映画、117分、配給/ヘキサゴン
http://chiisanadancer.com

by mtonosama | 2010-07-13 06:17 | Comments(8)
ペルシャ猫を誰も知らない 
                         -2-

      Kasi Az Gorbehayeh Irani Khabar Nadareh
           No One Knows About Persian Cats

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本作を監督したバフマン・ゴバディ氏はクルド人です。
酔っぱらった馬の時間」(‘00)
わが故郷の歌」(‘02)
亀も空を飛ぶ」(‘04)
Half Moon(半月)」(‘06)日本未公開
とこれまでにクルドを舞台にした4本の長編映画を撮っていますが、
「Half Moon」の撮影後、新作の撮影許可がおりず、
ヤキモキした監督は自分でカメラを買ってしまいました。

ゴバディ監督は言っています。
「(イランでは)映画撮影のための35ミリカメラやその機材はすべて当局に帰属し、
それを使うには当局の撮影許可を得なくてはならないのです」。
許可がおりなければ、いつまで経っても映画は撮れません。

自分のカメラを手に入れたゴバディ監督は無許可で撮影を開始しました。
そういう事情ですから「ペルシャ猫を誰も知らない」はゲリラ撮影でした。
すばやく撮影現場に移動し、警官が現れない内にパパッと撮影し、
姿を消さないといけません。この映画は17日間で撮り終えたそうです。

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主人公たちは好きな音楽をやりたいだけ。
監督も彼らを撮影したいだけ。
どこか問題があるのでしょうか。
前作「Half Moon(半月)」も、本作も、イランでは公開できませんでした。

本作の中で、自由な表現への強い想いをこめて主人公は空を飛び、
ゴバディ監督も本当にイランを離れました。

実は、監督は先月この映画のプロモーションのため、来日することになっていましたが、
急遽中止になってしまいました。
監督からのお詫びと中止の理由が記されたメッセージが
ありますので、ご紹介させていただきます。

親愛なる日本の皆様へ
『ペルシャ猫を誰も知らない』の日本公開を控えて、日本に行けないことがとても
残念です。日本へ行くための私のパスポートは、査証ページがなくなっているため、
その再発行(増補)を、在外のイラン大使館・領事館にお願いをしていました。
しかし結局、どこのイラン大使館でも「イランに戻らなければ発行しない」という
返事しかもらえませんでした。

今の私がイランに戻るということは、刑務所に入れられるか、
二度とイランの外へ出られないかを意味しています。
そのために今回は残念ですが、日本へ行くことを諦めなくてはなりませんでした。

今、私はイラクのクルド人自治区にいます。そこを第二の母国として、新しい国籍
のパスポートを得たいと思っています。そうすればまた旅ができるようになります。
また日本の皆さんに会えますように。

日本での映画の公開が成功することを祈っています。

本作の配給会社によれば、
「映画の完成後に大統領選挙があり、その新政権による文化の規制がますます厳しくなり、
映画に関しても今まで以上に撮りたいものが撮れなくなったということだと思います。
今回の映画がきっかけになって、国を出ざるを得ない状況になったのではないでしょうか」
ということでした。

さて、ストーリーです。

ストーリー
録音スタジオで男性が歌っています。はっきり言ってヘタです。
調整卓に向っているエンジニアに「彼に2時間でいいから順番を譲ってと言って」
と女性が頼み込みます。
するとエンジニアは
「彼、かわいそうなんだよ。新作映画は撮影許可がおりず、旧作は海賊版が出回るだけ。
ここで歌うのが憂さ晴らしなのさ」と応えるのです。
そう、歌っているのはバフマン・ゴバディ監督でした。

ネガルとボーイフレンドのアシュカンはミュージシャン。
”テイク・イット・イージー・ホスピタル“というバンド名でロックをやっています。
アシュカンは無許可でケーブルTVに出演し、演奏したために逮捕され、
今朝釈放されたばかり。
バンドはバラバラになっていました。
2人は演奏許可が下りないテヘランを離れ、ロンドンで公演することを夢見ています。
でも、そのためには違法にパスポートを取得しなければなりません。
そして便利屋のナデルを頼るのですが…

            ♪あなたと歩いて行きたい 霧の街を抜けて
             緑の枯れない国へ
             〈中略〉
             手巻きの時計は壊れて動かない
             毎日が今日のままで 明日が恐くないように♪

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自由に歌えない、自由に表現できない。つらいですね。
以前、イラン映画に子供映画の秀作が多いのは子どもが主人公なら検閲が入りにくいから、
ということを聞いた覚えがあります。

ゴバディ監督の前作「亀も空を飛ぶ」も子どもが主人公のとてもつらい結末の映画でした。
本作は若いミュージシャンを主人公にテヘランで演奏活動をする実在のミュージシャンを
追った興味深い作品です。

監督はイランから出ていってしまったし、映画もハッピーエンドではありませんが、
イランという国は日本とは違って若者の数が多いのだそうです。
政府だって、そうそう若者の不興を買うような文化政策をとってはいられないでしょう。

いつの日かクルドのゴバディ監督も自由に出入国し、
好きなだけ映画を撮れる日が訪れるに違いありません。

                        

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ペルシャ猫を誰も知らない
監督/バフマン・ゴバディ、脚本/バフマン・ゴバディ、ロクサナ・サベリ、ホセイン・アプケナール、撮影/ハイェデー・サフィヤリ
出演
ネガル・シャガギ/ネガル、アシュカン・クーシャンネジャード/アシュカン、ハメッド・べーダード/ナデル、その他テヘランのミュージシャンたち
8月7日(土)ユーロスペースほか全国順次ロードショー、他全国順次公開
2009年、イラン、カラー、106分、配給/ムヴィオラ
http://www.persian-neko.com/

by mtonosama | 2010-07-10 05:43 | 映画 | Comments(6)