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殿様の試写室

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殿が観た最新映画をいち早くお知らせ!

<   2010年 10月 ( 13 )   > この月の画像一覧

             殿様の試写室 
             秋の増刊号 -6-
                         2日目

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なにげに人家にとりつけられている街燈。
これに灯がはいったら、きれいでしょうね。蘇州・山塘街は夜に訪れたい街です。

さて、この山塘街からは疎水をめぐる船が出ます。
皆さまには暫し蘇州の水辺を楽しんでいただくことにしましょう。
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舟べりにあたるかすかな波の音を聞くともなく聞き、
何百年も変わらずに営まれているであろう人々の暮らしを
失礼ながらおうちの裏から覗かせてもらいながら、舟は進みます。

♪水の蘇州の花散る春を惜しむか 柳がすすり泣く

まさに蘇州夜曲を地で行ってまいりました。



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ま、こういう蘇州もありますが―――

明日に続く

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♪10月31日に更新しました。いつも応援ありがとうございます♪
by mtonosama | 2010-10-31 05:56 | Comments(4)
            殿様の試写室
            秋の増刊号 -5-
                        2日目 

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                        山塘街
白壁に黒屋根、疎水にかかる苔むした石橋。山塘街は、蘇州旧市街でも昔ながらの水郷の風情が残る地区のひとつ。

山塘街の歴史は唐の宝暦年間(西暦885年)に遡る。日本では詩人として名高い白居易が蘇州の知事として赴任後まもなく、虎丘に出かけた際、周囲の水路が埋まってしまい一帯の水利が不便になっている様を眼にした。白居易はすぐさま、商業街だったチャン門から虎丘にかけて山塘河を開鑿、灌漑と交通の便が大幅に改善され、一大遊行商業街として発展。後、蘇州の人々は白居易に感謝の意を表し、山塘街を白公堤と呼んだ。

唐以降、山塘街は物資の集積する街となり、清の乾隆年間に描かれた「姑蘇繁華図巻」には「中華第一街」と称された繁栄の様が見てとれる。多くの文人墨客にも愛され、曹雪斤は「紅楼夢」の中で山塘街を「俗世間で一、二を競う風流にして富貴な土地」と紹介。乾隆皇帝は、1792年太后の70歳の祝いに北京の皇家庭園「颐和園」の北に山塘街を模して、蘇州街を建造している。

山塘街は七里山塘とも呼ばれ、距離にして3~4キロ。近年山塘街の東端から新民橋までは観光用に整備され、レストランやクラフトショップが軒を連ねている。
http://www.sy-tour.net/szinfo/historicspot/santougai.html

この山塘街への移動も人力車。
観光地ゆえタクシーがつかまらないという事情もありますが、
実は人力車にはまってしまったとのご一行。

交差点でタクシーを探している間、人力車のおにいさんがとのを誘います。
おにいさん:「人力車、乗ってかない?」
との:「不要。不要。こちらは3人。タクシーでないと無理、無理」
と「不要」以外はすべて日本語とジェスチャーで意志表示します。
でも、おにいさん
「ダイジョブ、ダイジョブ」と3人を無理矢理小さな人力車におしこんでしまいました。
とのは幌の外に足を突き出し、
ジャスミンちゃんはとのとらくだくんの間にできた小さな三角スペースに
お尻をのっけるというめちゃくちゃな体勢。

それにしても、3人乗ったら200kg近い重量です。
ペダル漕げないでしょ。

しかし、おにいさん、最初こそ、押して歩いていましたが、漕ぎだしました。
グイッ、グイッ、ひと漕ぎごとに人力車はスピードを増していきます。
すごい、すごいよ。おにいさん。

「らくだ、おにいさんにオリンピックの自転車競技に出たらメダル取れるよ、と伝えてよ」
と、らくだくんに通訳を頼むも、らくだくんは渋い顔をします。
「早く伝えナ!」
とののごり押しに渋々通訳したらくだくん。
なにかおにいさんと言い合っています。
「なんて言ってたの?」と訊くと、
「そう思うのならチップくれ、と言われた」――

人は賞讃の言葉より現金の方がありがたいのか……
中国でひとつ大人になったとのであります。

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川は流れ、優しい風に木々は揺れます。

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歩き疲れて、一軒の茶店に入りました。

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雲南茶とコーラを注文。お茶はコップに直接入ったお茶ッ葉に魔法瓶からお湯を入れ、
何杯でも飲むことができます。
ミカンの皮を干したものや干した杏に砂糖をまぶしたもの、
ピーナッツといったお茶受けもついていました。お茶は20元(360円)。

割高なのは、どうもこのお店、街の住人のゲームセンターだったようです。
隣の小部屋ではおじさんたちが麻雀をやっていましたし、
階下に降りるとトランプに興じていました。
一杯のお茶で何時間でもゆったりと過ごす人々。
どこか違った時間が流れているようでした。
こんなアナログなゲームセンター、羨ましいです。

明日に続く

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♪10月30日に更新しました。いつも応援ありがとうございます♪
by mtonosama | 2010-10-30 05:58 | Comments(8)
              殿様の試写室 
              秋の増刊号 -4-
                        2日目

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拙政園
世界遺産に指定されている蘇州古典園林のうち、造園芸術の傑作といわれる拙政園は明代の高官王献臣(おうけんしん)が造園した水がテーマの庭園です。5万平方メートルのうち5分の3が池であり、その周りに数々の建物が配されています。
http://www.joyphoto.com/japanese/abroad/2003shanghai/sessei.html


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さて、向かうは拙政園。移動は人力車です。
ジャスミンちゃんと2人で乗りこみました。
車内(?)から撮ったので、運転手さんの苦しそうな後姿しかとれませんでしたが―――

普通の自転車に幌つきの荷台をひき、そこに100kg近い(2人で、ですよ)人間が乗るのですから、
お世辞にも頑健とは言い難い運転手さんには気の毒でした。

1人10元のこの人力車、幌の中を吹きぬけていく風が爽やかで、速度も人間的。
良いです。タクシーよりずっと良いです。

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拙政園に至る道には小さな移動式店舗が並んでいました。
これは木象嵌のお店。若いおねえさんが一生懸命制作しています。

買えばよかった。

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古色を帯びて反り返った屋根。

この建物の中から、唐衣をまとった柳腰(この言葉、国会で話題になりましたね)の
中国美女が婉然と微笑みかけてきそうです。

この大勢の見物客を前にしては美女の微笑もひきつってしまうかもしれませんが。

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こんな風に回廊をめぐって、風趣あふれる庭園と建物を楽しみます。
まだまだ暑さの残る蘇州でしたが、拙政園の庭園に小さな秋をみつけました。

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♪10月29日に更新しました。蘇州は明日も続きます♪
by mtonosama | 2010-10-29 06:59 | Comments(8)
              殿様の試写室
              秋の増刊号
-3-
                         2日目

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                          北寺塔
北寺塔のある報恩寺は、蘇州で最も古い仏寺。
三国時代呉の赤烏年間(西暦247~250年)、孫権が母の恩に報いるため、「通玄寺」を築造。

唐の開元年間に、全国各郡に年号と同名の寺を置くことが定められ、
通玄寺は開元寺と改名した。
その後、唐の同光年間呉越王の銭王が、寺を再建し、母の恩ならびに佛恩に報いることを
表して報恩寺と名づけた。

塔は梁時代(502~557年)の創建と伝えられ、当時は十一層の宝塔であった。
しかし、その後たびたび壊され、北宋年間に九層の塔に再建された。

現存する塔は、一層から六層までの塔身は南宋時代、七層以上は明代、
廂と欄干は清時代に再建,補修されたものである。
高さ76m、八角七層の塔は各階に回廊も作られ、九階からは蘇州を一望できる。
http://www.sy-tour.net/szinfo/historicspot/kitateratou.html


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客引き氏をまいて乗り込んだタクシーには頑丈な檻がついていました。
心優しく、安全運転を心掛ける運転手さんを悪い客から守るための檻です。

    とのはいつも思うのですが、
    中国のタクシー運転手が、もしもモンテカルロとかマカオとか
    市街地を走るカーレースに出場したら、皆が皆、上位入賞間違ないでしょう。
    猛スピードのまま、コーナーを回り、バスや車の横をすれすれで通り抜け…
    彼らの日常業務はそのままがカーレースですもん。

    どうぞ、運転手さん、カーレースは客を乗せていない時になさってくださいませね。

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しかし、そのおかげで、目的の北寺塔にはあっという間に到着。
説明にもあった9階の最上階にも上ってきました。
蘇州の街が一望できる上、心地よい風がタクシーでの緊張と汗をぬぐい去っていってくれました。

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何百年もこの国の歴史を見守り続けてきた塔の最上階に立って、
眼下を見下ろせば、ゆったりとした大きな気持になります。

「とのはこの塔の主だぞ~~~!」と叫ぶと
「ババア~~~!」と木霊が返ってきました(汗)。

明日に続く

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♪10月28日に更新しました。いつも応援ありがとうございます♪
by mtonosama | 2010-10-28 07:14 | Comments(2)
           殿様の試写室 
           秋の増刊号 -2-

                       2日目

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                         蘇州

                  ♪ 君がみ胸に抱かれて聞くは
                     夢の舟唄 鳥の歌
                    水の蘇州の花散る春を
                   惜しむか 柳がすすり泣く 

                        「蘇州夜曲」



蘇州夜曲」(そしゅうやきょく)は、西條八十作詞、服部良一作曲の歌謡曲。
李香蘭(山口淑子)歌唱を前提に作られ、李香蘭主演の国策映画「支那の夜」(昭和15年(1940年)6月公開)の劇中歌として発表。同年8月、渡辺はま子・霧島昇歌唱でコロムビアからレコードが発売された。
昭和28年(1953年)には、山口淑子歌唱のレコードが、自身主演の映画「抱擁」の主題歌として発売された。(Wikipediaより)


実に良い歌です。
トイレが汚いの、電車に乗るのに整列しないの、道に唾を吐くの、と
散々中国の悪口を言いながら、1999年以来、9回も中国へ足を運ぶのは、
この情緒たっぷりの歌が頭のどこかで流れているからかもしれません。

でも、そんなことを言うと、日本軍国主義をバックアップする歌じゃないかっ!と
かの国の偉い人に怒られそう。

今回、そんな蘇州へやっと行くことができます。

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上海駅です。

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上海駅の待合室でひたすらリンゴを食べていたおじさん。
「われこそは漢民族なり」という立派なお顔です。
彼、リンゴの皮をげっ歯類のように前歯できれいにこそぎ食べ、その後、
白い果肉を無心に、幸せそうに食べていました。

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蘇州に向かう中国新幹線「和諧」号。

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蘇州がなんで苏州なんでしょうね。
ま、いいけど。

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さあ、苏州(蘇州)駅です。たったの30分で着いてしまいました。
まるで、空港のように立派な駅。今年の7月に完成したばかりだとか。

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駅構内にはこんな旅行ガイドブックを販売するコーナーも。
「云南」は雲南の中国略字体ですが、こういう字さえなければ日本の本と同じですよね。
「玩全攻略」。これは完全攻略のことでしょうか。

さあ、いつまでも駅構内で遊んでいてはいけません。観光に向かいますよ~。

その前に、ガイドから一言ご注意申し上げたいことがございます(誰がガイドやねん)。
皆さ~ん、中国旅行とはまさに闘いであることをここでご確認くださいね~。

そう、それはトイレとの闘いであり、物売りとの闘いであり、客引きとの闘い、です。

観光に向かう前、まずラクダくんがこの客引きにひっかかりました。

ラクダ、ジャスミン、とのの3人はこの日、北寺塔、拙政園、山塘街、寒山寺などへ
行こうという大まかな計画を立てていたのですが、
この客引き氏、われら一行の計画するすべての場所に1人あたり15元(≒180円)で
バスにも舟にもお乗せして案内しますよ、というのです。
な~んでもお望み通りに致しますと。

15元(≒180円)というと随分安いですよね。
でも、我々は2日目にして完全に中国的経済感覚のとりこになっていました。
との:「ちょっとラクダ、3人で30元にしてって言ってよ」
って、違うだろ。

バスに乗って、あちこち連れ回されたら、好きなことができない。
そして、甘い言葉には毒がある。
値切るより前に、この基本に立ち戻らねば。

で、逃げました。
人の波をかきわけ、青信号でも止まらない車の列をかいくぐり、ひたすら逃げました。

ハア、ハア、ハア、ゼエ、ゼエ、ゼエ。
身体をくの字にして荒い息を吐きながら、逃げきったな、と後を見ると―――

ギャアー!!追っかけてきてたよ。
後はひたすら不要(プーヨー:いらない)を連発し、
タクシーに乗り込んだ一行なのでありました。

明日に続く

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by mtonosama | 2010-10-27 03:28 | Comments(8)
           殿様の試写室 
    秋の増刊号

                         -1-


                        出発

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                      外灘(ワイタン)

渦中の国に行ってきました。
滞在地は上海。
あ、今回はニッキュッパのツアーではありません。
姪の大学4年生ジャスミンちゃんと一緒に、中国在住10年になるラクダくんを訪問しつつ、
彼の通訳で蘇州や万博を見て回ろう、という旅です。

   話はさかのぼりますが、出発2日前、ジャスミンちゃんからメールが来ました。
   「おばちゃん、万里の長城も行く?だったら、スニーカーを持ってくから」
   「?????」
   上海3泊4日の旅行です。
   万里の長城まで行く時間的余裕はないのですが―――

   との:「あのさぁ、万里の長城には北京からアクセスするから、今回は行けないよ」
   ジャ:「ふ~ん、万里の長城って、上海からは遠いんだ」
   おいおい……

   ま、こんな道連れとの旅であります。

成田出発は19:30。
上海到着は21:50。
これじゃあ、ホテルで寝るだけです。
やはり多少航空券は高くても一日を有効に使える時間帯の飛行機の方が良かったかな、と、
この旅は反省から始まりました。

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        ま、そんな反省は一杯のビールで簡単に流せますけどね。

上海浦東空港。夜10時。
ラクダくん、今回はターミナルを間違えずに来てくれたので、無事会うことができました。

「間違えないなんて珍しいじゃん」などと無駄口をたたきつつ、タクシー乗り場へ。
すると、まあ、我々の上海訪問を歓迎するかのように、
ロマンティックな夜霧のお出迎え―――

などと、感激するほどウブなとのではありません。
この夜霧、実はスモッグ。
発展著しい中国ではありますが、排気ガス対策はまだまだのようでございます。

さて、車は一路、虹橋にある上海君麗大酒店(上海ジェイドリンクホテル)へ。
http://travel.explore.ne.jp/hotel/hotels/65127/

明日に続く

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♪10月26日に更新しました。上海・蘇州の旅にお付き合いくださいませ♪
by mtonosama | 2010-10-26 07:25 | Comments(6)
           ゲゲゲの女房 -2-

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       (C) 2010 水木プロダクション/ 『ゲゲゲの女房』製作委員会

前回ではもったいぶってしまって、ごめんなさい。
さて、いよいよ後編、テレビとは違ったお楽しみを種明かしします。
そ・れ・は―――
って、ちょっとひっぱり過ぎですかね。

はい、映画の中で「墓場鬼太郎」「悪魔くん」などの原画制作シーンを楽しみつつ、
なんとその原画がアニメーションとして映し出されるという趣向。

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これがまた昔の幻燈(古いですね)のように、
あるいは「カリガリ博士」といった大昔の無声映画のように、
チラチラ、ぎくしゃくしたアニメーションで実に良い味を出しているんです。

なつかしさだけではなく、まだまだ暗闇が残っていた昭和の時代を呼び戻した
「ゲゲゲの女房」映画版。
テレビとは違ったぶきみ感も楽しめるのですが、はたしてどんなお話になっているのでしょうか。

ストーリー
お見合いから5日後、故郷・島根で慌ただしく結婚式を終え、
布枝と茂は調布の家にやってきました。
売れない漫画家の茂は、これでもか、というほどの貧乏暮らし。
食パンの耳も道端の雑草も2人にとっては大切な食べ物です。
食後はすぐに机に向かい、夜遅くまで漫画を描き続ける茂。

安来の実家で大勢の家族と過ごしていた布枝にとっては寂しい日々が続きます。
ある日、布枝は茂に頼まれて出版社に原稿料を受け取りに出かけました。
ところが、手渡されたのは半額。
「茂の漫画は暗過ぎて人気がない。文句があるなら払わないぞ」といわんばかりの編集者。
漫画のことも知らなければ、夫のこともよくわかっていない布枝でしたが、
“そげな言い方されたら”頭に来ます。
でも、茂は「誰も妖怪に見向きもせんなら、俺はいっそ妖怪と心中すーけん」と
飄々としています。

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ある晩、締切に間に合わない茂は布枝のために小さな作業台をこしらえました。
夫と並んでペンを走らせる布枝。毎日毎日コツコツカリカリと机に向かいます。
相変わらず、米櫃は空っぽでしたし、電気も止められてしまいました。
それでも、ロウソクの明かりで2人は描き続けます。

そんな日が続いていた、ある日のこと、1人の編集者が訪ねてきます。
漫画連載の依頼でした。「これで貧乏生活からさよならできる」と思った布枝でしたが…

テレビでご覧になった方も多いので、ストーリー紹介はいらないかもしれません。
でも、テレビと映画とで武良家の貧乏較べをしたら、映画に軍配が上がります。
だって、武良家でご飯食べさせてもらったことのある青年が、
「あいつ、とうとう餓死しちゃったよ」(!)なんて話が出てくるんですから。
昭和という時代は30年代に入っても餓死する人がいたんですね。

両親や祖父母はよくまあそんな時代を生き抜いて、子どもたちを育ててくれたものです。

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川ではあずきあらいが小豆を洗っていたり、暗い夜道をべとべとさんが歩いてきたり――
錆びたトタン屋根や波打ったような古い瓦屋根が目立つ町並みの貧乏くさい感じが郷愁を
そそります。

ただね、ただ、
とのはバルビゾン派でも写実主義者でもないのですが、
葉を落としたケヤキを望む寒そうなネギ畑の中で夏服を着ている布枝さんの姿、
これはまあなんということでしょう。
だって、貧乏で夏服を着用しているのではなく、夏のシーンなのですよ。
夫婦の貧しさ以前に、映画の製作現場にお金がなかったりしたのでしょうね。きっと。

でも、冬の景色を映し込むなら、冬服を着る、
夏服を着るなら夏の景色を映す。
どちらかを選んでほしかったとのです。

                         
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ゲゲゲの女房
監督/鈴木卓爾、脚本/大石三知子・鈴木卓爾、原作/武良布枝(実業之日本社刊)、撮影/たむらまさき、アニメーション/大山慶、音楽/鈴木慶一
出演
吹石一恵//武良布枝、宮藤官九郎/武良茂、南果歩/武良琴江(茂の母)、坂井真紀/田所初枝(布枝の姉)、平岩紙/飯塚京子(布枝の義妹)、夏原遼/飯塚正夫(布枝の弟)、村上淳/金内志郎(茂の家を間借りする絵描き)、柄本佑/佐久間玄太(漫画編集者)、徳井優/ぬらりひょん、宮崎将/安井庄治(漫画家志望の学生)、鈴木慶一/都筑睦夫(貸本屋)
11月20日(土)新宿武蔵野館、ヒューマントラストシネマ有楽町他にてロードショー
11月6日(土)島根、鳥取県にて先行ロードショー
119分、配給/ファントム・フィルム
www.gegege-eiga.com

by mtonosama | 2010-10-23 06:51 | 映画 | Comments(4)
          ゲゲゲの女房 -1-

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         (C) 2010 水木プロダクション/ 『ゲゲゲの女房』製作委員会

この半年、一日も欠かさずNHK連続ドラマ「ゲゲゲの女房」を観ていたとのです。
9月の終りに最終回を迎え、なんか寂しい思いに胸ふさがれていましたが、
映画「ゲゲゲの女房」の試写を観ることができました。

さてさて、映画版「ゲゲゲの女房」、
そこはかとなく漂う不気味感。しーんと明るい昭和の古屋。
これはまたテレビとはまったく違った味でございます。
半年間の長丁場連続ドラマと、2時間に満たないこと1分の映画とくれば、違っていて当たり前。
どちらが良いとか悪いとか、そんなことではなく、どちらの持ち味も楽しもうというのが
当試写室的楽しみ方です。

原作はご存知のように水木しげるの妻・武良布枝さんの自伝「ゲゲゲの女房」(‘08)。
発行部数40万部を超えたベストセラーです。
NHK朝の連続小説も同時期に企画が始まりました。
テレビは、夫の茂さんが大漫画家になって成功するまでの夫婦の奮闘を描いていましたが、
こちら映画版では布枝さんと茂さんが「おとうちゃん、おかあちゃん」と呼び合える関係を
紡ぐまでの日々が描かれています。

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映画では水木しげること武良茂を宮藤官九郎、布枝役を吹石一恵が演じます。
テレビの向井理が演じる茂さんはなんかとってもキレ者の漫画家という印象でしたが、
クドカン=宮藤官九郎はおっとりしていて、本物の武良茂さんこと水木しげるも
若い頃はこんな感じだったんだろうな、と思わせてくれました。
向井シゲルと宮藤シゲル。どうぞ見比べてくださいませ。

クドカンといえば、脚本家、構成作家、映画監督、俳優とマルチな才能の持ち主。
「木更津キャッツアイ」や「タイガー&ドラゴン」といったテレビドラマの脚本家としての
幅広い活動が認められ、第41回ゴールデンアロー賞特別賞も受賞しています。

しかし、クドカン、映画での武良茂役は俳優として大当たり~!な役でした。
布枝さんを演じた吹石一恵の不機嫌そうな顔もなんとも良い味。
極貧時代の不機嫌顔、正直でよかったです。
NHK的優等生の松下奈緒ものんびりしていましたね。
でも、今に比べると、昭和の男女は貧乏に対して寛容です。

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ご存知の通り、お見合いの後たった5日で結婚した夫婦ですから、
言ってみれば他人と同じ。
最初のうちは目も合わせられないような2人が次第に夫婦として育っていくさまを
どこかほんわかとした昭和の雰囲気とともに楽しむことができました。

このほんわか感、なんだろうと思っていたら、どうも鈴木卓爾監督の持ち味のようです。
監督の初長編作品「私は猫ストーカー」(‘09)のあの空気。
http://nekostalker.jp/#/movie (←猫好きは要チェックです♪)
そのときのスタッフが引き続き参加していることも
なおさら心和む不思議な雰囲気を出している理由かもしれません。

そうそう、映画「ゲゲゲの女房」にはテレビとは違ったお楽しみもあるんですよ。
え、それはなにかって?
ふ・ふ・ふ。次回までのお楽しみということにいたしましょう。
乞うご期待です。

                      

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♪10月20日に更新しました。昨日、帰ってまいりました(^^)/ またまたよろしくお願いします♪

ゲゲゲの女房
監督/鈴木卓爾、脚本/大石三知子・鈴木卓爾、原作/武良布枝(実業之日本社刊)、撮影/たむらまさき、アニメーション/大山慶、音楽/鈴木慶一
出演
吹石一恵//武良布枝、宮藤官九郎/武良茂、南果歩/武良琴江(茂の母)、坂井真紀/田所初枝(布枝の姉)、平岩紙/飯塚京子(布枝の義妹)、夏原遼/飯塚正夫(布枝の弟)、村上淳/金内志郎(茂の家を間借りする絵描き)、柄本佑/佐久間玄太(漫画編集者)、徳井優/ぬらりひょん、宮崎将/安井庄治(漫画家志望の学生)、鈴木慶一/都筑睦夫(貸本屋)
11月20日(土)新宿武蔵野館、ヒューマントラストシネマ有楽町他にてロードショー
11月6日(土)島根、鳥取県にて先行ロードショー
119分、配給/ファントム・フィルム
www.gegege-eiga.com

by mtonosama | 2010-10-20 06:49 | 映画 | Comments(6)
      号外 殿様の試写室

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暑さ寒さも彼岸まで、とは言いますが、今年はそうもいかなかったようでございます。

      彼岸花という名前の通り、秋のお彼岸のころになりますと、
    ボンッ、ボンッ、ニョキッ、ニョキッと花開くこのゴージャスな花も、
  今年ばかりは「ちょいと遅れましたよ。ポリポリ」と頭を掻きながらの登場でした。

あの暑さにやられたのは、とのも同じでして―――

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                   こんなだったり、

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                   天地がひっくりかえったりしていましたが、
            
          なかなかすっきりしないので、旅に出ることにしました。
     数日間、上映を中止いたしますが、またのご来室を心よりお待ちいたしております。

                    では、行ってきま~す(^^)/~~~

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♪10月14日に更新しました。来週初めに上映再開します♪
by mtonosama | 2010-10-14 06:26 | 映画 | Comments(12)
            100歳の少年と
    12通の手紙
-2-
             Oscar and the Lady in Pink
             Oscar et la Dame Rose

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       (C)2008 Pan-Européenne–Studiocanal–Oscar Films–TF1 Films
          Production–Cinémaginaire–RTBF (Belgian Telecision)


死は誰にでも平等に訪れます。
でも、10歳の男の子のところに来るのはちょっと早すぎるのでは?
と思いますが、これも人生なのです。

あ、泣かないでください。
流すなら、悲しみの涙ではなく、感動の涙を☆

ストーリー
12月
10歳の少年オスカーは、白血病で小児病棟に入院していました。
病棟には多くの子どもたちがいて、学校もあります。
今日もオスカーは学校でいたずらをしました。
でも、先生は犯人がオスカーだと知ると振り上げていた拳を下ろしてしまいます。
医師も両親も、彼に真実を告げることをしません。
でも、その中に一人だけ例外がいました。
病院内で偶然出会ったデリバリーピザの女主人ローズです。
このローズ、口の悪さは天下一品ですが、
オスカーが出会った大人の中では唯一人の正直な人でした。
オスカーはローズを一目で気に入ってしまいました。

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ある日、オスカーは自分の命があと僅かしかないことを知ってしまいます。
悲しみのあまり正面から彼と向き合おうとしない両親や、周囲の大人たちに
幻滅したオスカー。
彼は病院の掃除道具室にたてこもってしまいました。
困った院長はオスカーが唯一面会を望んだローズを探し出し、助けを求めます。

ところが、ローズときたら、病人も慈善も大っ嫌い。
オスカーの話し相手になって、という院長の懇願も一旦は断ってしまいます。
ですが、ナース室へ毎日ピザ配達させてもらうこととひきかえに、
渋々、オスカーの元に訪れることを承知します。

元プロレスラー(!)のローズが語る楽しい試合の話に夢中になるオスカー。
でも、オスカーは院長とローズの約束が12日間しかないことを知り、
自分の余命が少ないことを察してしまいます。

そんなオスカーのために、ローズは「これから1日を10年と考えて過ごしてみない?」と提案。
「あなたは今日12月20日に生まれ、12日後には120歳になるのよ。
そして、毎日、神様に手紙を書くの。
20歳になったオスカー、30歳になったオスカー、100歳になったオスカーがね」と……

「僕は100歳で、自分がなにを言っているかわかっています。
 人は年をとればとるほど、人生を味わうためのセンスが必要になる。
 洗練された人、芸術家にならなくちゃならない。
 10歳とか20歳のときには、どんなばかでも人生を楽しむことができるけど、
 100歳になって体がいうことをきかなくなったら頭をつかわなくちゃならない」

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12月30日、100歳になったオスカーはこんな手紙を書き、ローズに渡し、
ローズはそれをいつものように風船につけて空の神様のところへ飛ばすのです。

もうホントに良いお話なんです。
ローズのプロレス時代のエピソードも楽しいし、
大変な病気も、子どもたちの間ではそれは個性であって、かっこいいことだし、
病気が進んで、体を自由に動かせなくなっても、
100歳の老人がそうであるように、体を動かせない分、知恵が豊かになるのだし、
死ぬってことは神様に近くなることだし―――

ちょっと違うところから光を当てるだけで、
人間って本当に素晴らしいんだなって思えてきます。

ローズの運転するピザの配達車もローズの着る洋服もきれいなローズピンク。
メルヘンティックな色とサーカスみたいにドキドキするローズのプロレスシーン。

なんていったらいいでしょうか。
そうそう、透明ガラスの裸電球から溢れる眩しい光に照らされたお祭りの夜店?
そこだけはどきどきするほど、楽しいのに、背後には神社の暗い森がシーンと佇む感じ。
もちろんフランス映画だから神社なんかありませんけどね。

色とりどりなこの世。
静かで安らぎにみちたあちらの世界。
そんな対照的な世界を感じることができました。

映画を観終わってからも、目元、口元に生まれた微笑はずっと残っている感じです。
「不思議な国のアリス」のチェシャ猫になったみたいです。

そして、オスカーを演じたアミールくんの可愛いことといったら。

悲しいことを抱えている人、つらい人、
もちろん、幸せな人にだって、絶対お勧めの映画です。
これを観た後、とっても幸せな気持ちになったとのです。

                       

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100歳の少年と12通の手紙
監督・脚本/エリック=エマニュエル・シュミット、撮影/ヴィルジニー・サン=マルタン、音楽/ミシェル・ルグラン
出演
ミシェル・ラロック/ローズ、アミール/オスカー、アミラ・カサール/ゴメット婦長、ミレーヌ・ドモンジョ/リリー、マックス・フォン・シドー/デュッセルドルフ医師、コンスタンス・ドレ/オスカー母、ジェローム・キルシャー/オスカー父、ティエリー・ヌーヴィック/ビクター、ブノワ・ブリエール/司会者、マチルド・ゴファール/ペギー、ブルーノ・メッツガー/ペギー父、キャサリン・イスラエル/ペギー母、エリック・レミ/ポップコーン、ジョナス・ウェルツ/アインシュタイン、マーティン・ニッセン/ベーコン
11月6日(土)よりTOHOシネマズシャンテ他にて全国ロードショー
2008年、フランス、105分、配給/クロックワークス/アルバトロス・フィルム、
http://100-12.com/

by mtonosama | 2010-10-11 06:40 | 映画 | Comments(9)