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殿様の試写室

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           アレクサンドリア -2-
                        AGORA

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           (C)2009 MOD Producciones,S.L.ALL Rights Reserved.

えー、恥ずかしながら、「アレクサンドリア」のヒロインでありますヒュパティアという
女性天文学者のことを知らなかったとのです。

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ヒュパティア(Hypatia、Υπατία、370年?-415年3月)は、古代エジプトの著名な女性の数学者・天文学者・新プラトン主義哲学者である。日本ではハイパティアともヒパティアとも呼ばれる。キリスト教徒により異教徒として虐殺された。(Wikipediaより)

数学者であり、天文学者であり、哲学者でもある彼女はアレクサンドリア図書館長テオンの娘であります。そして、新プラトン主義哲学校の校長として教壇に立っていました。






映画の舞台である紀元4世紀末はローマ帝国末期という時代、
アレクサンドリアにはギリシャ文明と古代宗教のおおらかさと自由が残っていました。
学究の徒として生きるヒュパティア、すごいです。

と、感嘆しつつも、その後、彼女とアレキサンドリアに襲いかかった歴史の暗い波に圧倒されてしまいました。さて、どんなお話なのでしょうか。

   ストーリー
天文学者のヒュパティア。彼女は学問を志す者はみな生徒として受け入れ、信仰のことで言い争う生徒たちには「世の中がどうなっても、ここで学ぶ私たちは兄弟よ」と諭すのでした。
美しく聡明な彼女に生徒のオレステスは愛を告白しますが、きっぱりと拒絶されます。
ヒュパティアに仕える奴隷のダオスも彼女を密かに慕う1人でしたが、奴隷が人として扱われることのないこの時代には、それは決して実ることのない恋でした。

ローマ帝国末期、キリスト教はテオドシウス1世によって国教に定められ、ここアレキサンドリアでもキリスト教徒が急速にその数を増やしていました。
修道兵士のアンモ二オスが群衆の前で見せた奇跡をはじめ、貧しいものを助けるキリスト教に多くの人々がひきつけられていったのです。
ヒュパティアの父テオンは奴隷たちにキリスト教を禁じましたが、ダオスもまたこの教えに傾いていきました。

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次第に勢力を拡大するキリスト教。とうとうアレクサンドリアにも流血の事態が。
キリスト教徒に自分たちの神々を侮辱された科学者たちは武器を手に報復に打ってでました。アゴラは乱闘の場と化し、ヒュパティアの父テオンも重傷を負います。
科学者たちは図書館に逃げ込み、たてこもりました。

裁きはローマ皇帝の手に委ねられます。
皇帝の下した言葉は「科学者たちの罪は問わないが、その代わり、図書館を放棄せよ」
というもの。
その結果、キリスト教徒たちが図書館に入り、処分を行うことに。
最後の最後まで図書館の書物を持ち出そうと努めるヒュパティアたち。
その時、ダオスは奴隷としてヒュパティァと行動を共にするか、
キリスト教徒として自由を獲得するか、迷います。
しかし、混乱の中で取り乱した彼女の叱責に傷ついたダオスは
キリスト教徒として生きる道を選んだのでした。
修道兵士アンモ二アスに先導されるまま、神々の像を打ち壊し、
書物に火をつけるダモスたち。人類の智恵はすべて灰になってしまいました。

この出来事を境にして、アレクサンドリアではキリスト教とユダヤ教のみが認められることに。
多くの異教徒たちはキリスト教に改宗。ヒュパティアに愛を告げたオレステスも改宗します。
しかし、ヒュパティアは……


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「十戒」(‘56)にせよ、「ベンハー」(‘59)にせよ、記憶にある歴史スペクタクルものといえば、
キリスト教を讃めたたえ、ハレルヤ、ハレルヤで大団円!という印象がありました。
なのに、これはまた……

なんともまた残虐で、容赦なく、攻撃的な加害者として登場するキリスト教徒。
そして、女性は常に男性の背後で静かに祈るのみという姿が、
スペクタクル史劇の定番でありました。
が、なんとヒュパティアは学者として、また教師として、社会の前面で活躍しています。

中世以降(もしかしたら、現代も)女性のあるべき姿として描かれているのは、
聖書に基づくもの。
古代ギリシャでは身分の差こそあれ、男女差を感じることってありません。
ギリシャ神話に登場する奔放な神様たちを見ればわかりますよね。

キリスト教的男女観が定着することで、
女性は控えめに生きることを要求されるようになったわけです。な、なんか悔しい。

古代ギリシャの自由を体現していたヒュパティアですが、
彼女は古代から中世に移行しつつあった時代の犠牲になった女性。
直接、手を下したのは台頭しつつあったキリスト教徒ですけど。

キリスト教は「愛の宗教」などと言われますが、宗教が政治勢力と結びついたり、
宗教そのものが1つの勢力として形をなすときには、実に容赦ないことをするものです。

アメナ―バル監督は
「僕の目標は、観客を『CNNの取材チームが4世紀に起きたことをドキュメンタリーにしたものを観ている』気分にさせることだった」
と語っています。

たしかに―――
ヒュパティアという女性の生きたアレクサンドリアという街と時代のドキュメンタリー
というとらえ方は面白いです。

この春は見ごたえのある作品が多くて、皆さんも忙しいことになりますよ。
さ、映画館が皆さんを待っています。

                             

アレクサンドリア
監督/アレハンドロ・アメナーバル、脚本/アレハンドロ・アメナーバル、マテオ・ヒル、製作/フェルナンド・ボバイラ、アルバロ・アウグスティン、製作総指揮/シモン・デ・サンティアゴ、ジェイム・オルティス・デ・アルティネイト、撮影/シャビ・ヒメネス
出演
レイチェル・ワイズ/ヒュパティア、マックス・ミンゲラ/ダオス、オスカー・アイザック/オレステス、アシュラフ・バルフム/アンモニオス、マイケル・ロンズデール/テオン、ルバート・エヴァンス/シュネシオス、ホマユン・エルシャディ、サミ・サミール/キュリロス、オシュリ・コーエン/メドルス
3月5日(土)、丸の内ピカデリー、新宿ピカデリー他全国順次ロードショー
2009年、スペイン映画、英語、127分、配給/ギャガGAGA★


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by mtonosama | 2011-02-28 04:58 | 映画 | Comments(8)
            アレクサンドリア -1-
                         AGORA

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          (C)2009 MOD Producciones,S.L.ALL Rights Reserved.

さあ、来ました!
歴史大作です!!
アレクサンドリアといえば、渦中の国エジプト第2の都市。
地中海沿岸にある風光明媚な街です。

あのマケドニア王アレクサンダー大王がオリエント遠征の途中で、
自らの名を冠して建設したギリシャ風都市の第1号がアレクサンドリア。

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  アレクサンドロス大王によって紀元前332年建設された。アレクサンドロスの死後は、
  その部下だったプトレマイオス1世がエジプトを支配し、古代エジプト最後の王朝である
  プトレマイオス朝の首都として発展。一時は人口100万人を超えたともいわれ、そのため
  「世界の結び目」と呼ばれた。

  古代のアレクサンドリアは世界の七不思議の一つに数えられる巨大なファロス島の大灯台
  (現カーイト・ベイの要塞)や、各地から詩人や学者たちが集まってきた学術研究所ムーセ
  イオン、文学・歴史・地理学・数学・天文学・医学など世界中のあらゆる分野の書物を
  集め、70万冊の蔵書を誇りながらも歴史の闇に忽然と消えたアレクサンドリア図書館が
  あり、ヘレニズム時代の商業(地中海貿易)と文化の中心地として栄えた。『幾何学原論』で
  知られる数学者のエウクレイデスや、地球の大きさを正確にはかったアレクサンドリア図書  
  館長エラトステネス、アルキメデス、ヘロン、クラウディオス・プトレマイオスなどが活躍した。
  (Wikipediaより)

ギリシャ風――
そうなんですね。原題がAGORAですものね。
世界史や倫理社会で習いました。とのがこの名前をとりわけよく覚えているのは
高校時代、アゴラというニックネームの日本史の先生がいたから。
日本史教師なのに、なぜアゴラかって?
はい、下あごが立派に発達した先生でいらしたので、
それで、アゴラと命名させていただいておりました。

脱線、脱線。
なにゆえAGORAが原題か、でした。
アゴラというのはギリシャ語で「広場」。
ギリシャの古代都市国家ポリスにとって必要不可欠な場所であり、市民生活の中心地、
あのソクラテスやプラトンが議論を交わしたポリスの中心地なんですね。

要するにとても大切な場所であり、自由(奴隷制度がありましたから、完全な自由というわけにはいきませんが)の象徴でもあったアゴラです。
あ、ここ試験に出ます。赤線引いておいてくださいね。

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いえね、「アレクサンドリア」、ハリウッド超大作だとお思いでしょう?
ところが、これスペイン映画なのです(でも、英語です)。

ヨーロッパ史上最大級の製作費をかけて、世界の文化と学問の中心地アレクサンドリアの繁栄と崩壊を壮大なスケールで描いた本作は、本国スペインで2009年度のゴヤ賞を7部門受賞すると共に、スペイン映画最高興行収入を記録した。

と、パンフレットにもある通り、大変なスペクタクル史劇なのです。

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そして、監督がなんとアカデミー賞外国語映画賞を受賞した「海を飛ぶ夢」(’05)のアレハンドロ・アメナーバル監督です!(この主役を演じたのが当試写室で話題になっているハビエル・バルデムです。http://mtonosama.exblog.jp/m2011-02-01/)

尊厳死を扱った映画ですが、その静謐な映像に胸を打たれました……




え?あのアメナーバル監督がスペクタクル史劇?

イメージの食い違いにしばし呆然としましたが―――

「アレクサンドリア」
実在の女性天文学者ヒュパティアを主人公とした荘大な作品です。
一体、どんなお話でしょう。
乞うご期待でありますよ。

                                 

アレクサンドリア
監督/アレハンドロ・アメナーバル、脚本/アレハンドロ・アメナーバル、マテオ・ヒル、製作/フェルナンド・ボバイラ、アルバロ・アウグスティン、製作総指揮/シモン・デ・サンティアゴ、ジェイム・オルティス・デ・アルティネイト、撮影/シャビ・ヒメネス
出演
レイチェル・ワイズ/ヒュパティア、マックス・ミンゲラ/ダオス、オスカー・アイザック/オレステス、アシュラフ・バルフム/アンモニオス、マイケル・ロンズデール/テオン、ルバート・エヴァンス/シュネシオス、ホマユン・エルシャディ、サミ・サミール/キュリロス、オシュリ・コーエン/メドルス
3月5日(土)、丸の内ピカデリー、新宿ピカデリー他全国順次ロードショー
2009年、スペイン映画、英語、127分、配給/ギャガGAGA★


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by mtonosama | 2011-02-25 05:37 | Comments(8)
                      わさお 

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わさおくんに会ってきました。
ブサかわ犬などとひどいキャッチフレーズで呼ばれてますが、映画で見ると、
ちっとも不細工なんかじゃありません。かわいいです♪

でも、そもそもわさおが世に出るきっかけとなったブログに写ってたわさおは、
やっぱり少しばかり不細工でしたけど。
あるブロガーさんがご自分のブログで紹介したことから、大ブレイクしたわさお。
犬でも、テレビや映画に出演する回数が増えるとやはり洗練されていくのでしょうかね。

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わさわさ毛が生えてるからわさお。そのまんまではないですか。
そのブロガーさんが焼きいか屋さんで出会ったときはレオという立派な名前があったんですけどね。
ま、確かにわさわさです。

秋田犬にしてはわさわさ過ぎるから、捨てられたらしいです。
焼きいか屋さん、国道沿いに捨てられたわさおを拾ってきたということですよ。

ホントにねぇ、犬や猫は捨てないでちゃんと最後まで責任を持って飼いましょうね。




映画出演にあたって、お手もお座りも、とにかくな~~~んにもできなかったわさお。
あ、そうなんです。この映画、わさお本人が出演するんですよ。
焼きいか屋のおばさんに拾われ、ブログから火がつき、映画に出演し、
「世界遺産活動 特別大使"犬"(ワンバサダー)」に就任する犬ってそうそういません。

と、ここまではリアルわさおのお話。

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パンフレットでは、
《心を閉ざした捨て犬の「わさお」が日本一愛されるブサかわ犬になるまでに秘められた人と犬との心の交流を描いた感動ストーリー》
と、気恥かしい紹介がされていますが…

ストーリー
青森県鰺ヶ沢町で焼きいか屋「きくや商店」を営むセツ子。
ある日、店先でライオンみたいな大きな野良犬をみつけました。
長年、捨て犬を拾っては面倒を見てきたセツ子がごはんをあげても、
その犬は近づいてはこず、逃げてしまいます。

町おこしのトライアスロン大会に向けて盛り上がる鰺ヶ沢で、
畑や家畜が襲われる被害が起こっていました。
無事に大会を実行するため、町はマタギを呼び、一刻も早く問題を解決しようと躍起に。
セツ子はそんな町をうろついている大きな白い犬のことを心配していました。

やがて、きくや商店に落ち着いた犬は「わさお」と名付けられました。
ある日のこと、わさおのみつめる先にアキラという少年の姿があることに気づくセツ子。
アキラは1年前に母親が交通事故に遭って以来、元気をなくしていたのです。
わさおとアキラを結ぶものは一体なんなのでしょうか……


青森県鰺ケ沢町の大自然の中を思いっきり走り、
日本一美しいといわれるこの町の夕陽をみつめるちょっとまじめなわさおの表情。
わさおくん、なかなかな名優でしたよ。

それから、わさおの子ども時代を演じたシロちゃんは一見の価値あり、です。
(こんな可愛い子が捨てられて町の中を走っているなんてありえないけど)

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この子がシロちゃんです。か、かわいい♡








                              

わさお
監督/錦織良成、脚本/小林浩利、撮影/柳田裕男
出演
薬師丸ひろ子/セツ子、きくやわさお/わさお、平田満/浩:漁師・セツ子の夫、甲本昌裕/達也、鈴木砂羽/尚子、嶋大輔/井原・保健所職員、大沢樹生/谷岡獣医
3月5日(土)全国ロードショー、配給/東映、http://www.wasao-movie.com



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by mtonosama | 2011-02-22 06:09 | 映画 | Comments(9)
シリアスマン -2-
A Serious Man

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©2009 Focus Features LLC. All Rights Reserved.

この映画の主人公ラリー・ゴプニックはまじめなユダヤ人です。

ユダヤ人というと、ペルーで同じツアーだった中年ユダヤ人男性を思い出すとの。
この人もすごくまじめだったんです。
例えば、こんな具合。
ある遺跡に向かう道に落ちていた乾電池を深刻な顔で指差し”Pollution!“と。
う~ん、捨てられた乾電池はたしかに遺跡にはふさわしくありませんが、
「公害」とまでは……

ま、数少ないユダヤ人との出会いだけで、ユダヤ人の性格を決めつけてはいけませんが、
「シリアスマン」を観て、ペルーで出会ったユダヤ人を思い出してしまいましたよ。

さて、ストーリーです。


ストーリー
1967年アメリカ中西部。
地元の大学で物理学を教えるラリー・ゴブニックは郊外の住宅地に、
妻と2人の子ども、そして、ちょっと訳ありの実兄と平凡に暮らしていました。
気になっていることといったら、
現在勤務している大学に終身雇用されるかどうかということと、
2週間後に迫った13歳の息子ダニーのバル・ミツバー(ユダヤ人男子が13歳になるときに行われる成人式)くらい。

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が、実は、問題大ありなんです。
兄アーサーは無職、無気力、病気持ちでラリーの家から出て行く気配がなく、
娘のサラはこの伯父がいつもバスルームを占拠していることがイヤでイヤでたまらず、
息子ダニーは乱暴者の同級生にマリファナの代金を支払えず、ビビりまくり、
ラリーはラリーで、落第点をつけた学生からなんとかしてくれと賄賂を送りつけられます。
そして、きわめつけとして、
妻ジュディスから、何の前触れもなく、別れ話を切り出されました。
既に、ジュディスは再婚相手まで決めており、その相手はラリーの友人だというのです!

次から次へとラリーを襲う災難。
困り果てたラリーはユダヤ人コミュニティの指導者であるラビに相談するのですが……


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もう、まるで空港の荷物用ベルトコンベアーみたいに次から次へと災難が運ばれてきます。
かわいそうだよ、止めてくれー、と叫んでも、誰も止めてくれません。
ああ悪夢だ、と思いながら、
「ここまで来たら、最後まで見届けよう」
と妙にきまじめに観ている自分がいました。
そう、なぜか笑ったりしながら。

人の不幸は蜜の味?
いえ、そこまで意地悪では。
ただ、あまり悪いことばかり続くと、ひとつひとつ悩んでいても落ち込むばかりだから、
とりあえず笑っておこう、という心境でしょうかね。

この映画、ミネアポリスの抜けるような青空とは似ても似つかない雪の夜から始まります。
悪霊を退治するユダヤの民話が挿入されるのですが、
ヨーロッパの暗い夜と1967年の明るい青空との対比が奇妙に際立ちました。
ま、どちらもユダヤ人社会ですけど。

アメリカのユダヤ人コミュニティで子ども時代を送ったコーエン兄弟が描いた映画です。
といっても、それで彼らの生い立ちを知るとかって作品では全然なく(当然です)、
ただただ不運のスパイラルコースター、不幸の観覧車に乗せられて
笑ってしまうしかないブラックコメディ。

でも、彼らの父親も大学教員だったし、
彼らも映画の中のダニーと同じくヘブライ学校に通い、
バル・ミツバーの儀式を受けたのも本当のこと。

「刑事ジョン・ブック目撃者」(’85)のアーミッシュもそうでしたが、
アメリカの宗教コミュニティって、本当に意固地なまでに自分たちの暮らしぶりを
守っているので、ゲラゲラ笑いながらも、実はかなり驚かされました。

世界は広いですね。



シリアスマン
監督・脚本・プロデューサー/ジョエル・コーエン、イーサン・コーエン、エグゼクティブ・プロデューサー/ティム・ビーヴァン、エリック・フェルナー、ロバート・グラフ、撮影監督/ロジャー・ディーキンスASC,BSC
出演
マイケル・スタールバーグ/ラリー・ゴプニック、リチャード・カインド/アーサー伯父さん、フレッド・メラメッド/サイ・エイプルマン、サリ・レニック/ジュディス・ゴプニック、アーロン・ウルフ/ダニー・ゴプニック、ジェシカ・マクマヌス/サラ・ゴプニック、アダム・アーキン/離婚弁護士
2月26日(土)ヒューマントラストシネマ渋谷他全国順次ロードショー
2009年、アメリカ、106分、配給/フェイス・トゥ・フェイス


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by mtonosama | 2011-02-19 06:20 | 映画 | Comments(8)
               シリアスマン -1-
                    A Serious Man

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             ©2009 Focus Features LLC. All Rights Reserved.

世の中、運の悪い人はかなり多いと思うけど、
この映画の主人公ほど気の毒な人はそれほどいないかもしれません。
彼が、意識的にせよ、そうでないせよ、何か悪いことでもしたっていうのなら、
因果応報で仕方無いかもしれません。
でも、映画を観ている限り、
品行方正かつクソまじめ(あ、汚い言葉を使ってしまった)な主人公なんです。

笑っちゃいけないほど気の毒なのに、この人ときたら、気の毒過ぎて、運が悪過ぎて、
つい笑えてしまいます。
これってコーエン兄弟のいつもの毒なのでしょうか。
だとしたら、また、はめられてしまったようです。
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コーエン兄弟。
兄ジョエル・コーエンは1954年、弟イーサン・コーエンは1957年、
ミネソタ州ミネアポリスに生まれました。
デビュー作「ブラッド・シンプル」(‘84)以来、
共同で監督・脚本を担当している2人ですが、
本作は2人の生まれ故郷ミネアポリスが舞台、
そして、2人の出自であるユダヤ人社会が登場します。

前作「バーン・アフター・リーディング」(‘08)ではブラッド・ピット、ジョージ・クルーニー、
ジョン・マルコヴィッチと大物スターてんこ盛りでしたが、
今回は映画スターではなく演劇界の実力派マイケル・スタールバーグ他無名俳優の出演。
ジョエル監督は、その理由をこうコメントしています。
「観客にリアリティを感じてもらいたかった。
主人公をとりまく風変りな環境に没頭してほしかったんだ。
映画スターだとそうはならないからね」


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脚本は「ノーカントリー」(‘07)の前に
既に書かれていたそうですよ。
「ノーカントリー」、これも笑えちゃうお話なのかもしれません。
でも、とのの場合、アカデミー賞助演男優賞をとったハビエル・バルデムが怖すぎて、笑うどころではありませんでした。


煙にまいたり、怖がらせたり、一筋縄ではいかないコーエン兄弟監督なのです。

今回は兄弟が育ったユダヤ教社会の儀式や不思議なユダヤ教会の内部や
兄弟にとっては懐かしいけれど、私たちにとってはなじみのないシーンの登場に、
へぇ~っ!と何度も驚かされました。
とはいえ、60年代ミネアポリスのつきぬけたような青空は郷愁を誘ってくれます。

さて、どんなお話でしょうか?
次回までお待ちくださいませね。


                              

シリアスマン
監督・脚本・プロデューサー/ジョエル・コーエン、イーサン・コーエン、エグゼクティブ・プロデューサー/ティム・ビーヴァン、エリック・フェルナー、ロバート・グラフ、撮影監督/ロジャー・ディーキンスASC,BSC
出演
マイケル・スタールバーグ/ラリー・ゴプニック、リチャード・カインド/アーサー伯父さん、フレッド・メラメッド/サイ・エイプルマン、サリ・レニック/ジュディス・ゴプニック、アーロン・ウルフ/ダニー・ゴプニック、ジェシカ・マクマヌス/サラ・ゴプニック、アダム・アーキン/離婚弁護士
2月26日(土)ヒューマントラストシネマ渋谷他全国順次ロードショー
2009年、アメリカ、106分、配給/フェイス・トゥ・フェイス


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by mtonosama | 2011-02-16 06:43 | 映画 | Comments(10)
         英国王のスピーチ -2-
                 The King’s Speech

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            (C) 2010 See-Saw Films. All rights reserved.

英国王エドワード8世が、離婚歴のあるアメリカ人女性シンプソン夫人との愛を選び、
1年足らずで王座を去った1936年12月。
その弟ヨーク公ジョージはジョージ6世となりました。
現英国国王エリザベス2世の父であり、間もなく華燭の典をあげるウィリアム王子の
曾祖父です。

国王になってしまったものの、彼は幼い頃から吃音に悩み、スピーチは大の苦手。
国王といえば、ことあるごとにスピーチして国民を鼓舞するという大切な公務があります。
大英帝国国民であることの誇りをここぞとばかりに国民の心に訴えかけねばなりません。
でも、ジョージ6世にはそれができませんでした。

さて、どうなるのでありましょうか。

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ストーリー
ジョージ6世は幼少時から吃音というコンプレックスを抱えて成長してきました。
英国王ジョージ5世の次男でありながら、人前に出ることが嫌いで、
いつも自分に自信が持てずにいました。
父はそんな次男を鍛えようと、様々な式典でのスピーチを厳しく命じます。
その度に失敗し、惨めな気分に陥るジョージ。
彼は妻のエリザベスに付き添われ、さまざまな言語聴覚士を訪れますが、改善しません。

ある日、エリザベスはスピーチ矯正の専門家・ライオネルのもとを訪ねます。
オーストラリア人のライオネルは「診察室では王族も平民もない」と宣言。
家族しか呼ばない愛称でジョージに呼びかけ、プライベートな質問も遠慮なくぶつけ、
ジョージを怒らせます。

ライオネルは怒って帰ろうとするジョージを「今、完璧に本を読めるようにしてさしあげよう」
とひきとめました。
そして、大音量で鳴り響くヘッドホンを装着させ、シェークスピアを朗読させ、録音。
怒りがおさまらず、帰っていくジョージにその録音盤を渡し、見送りました。

またも、父王からスピーチのことで叱責されたジョージ。
落ち込みながら、ライオネルから渡された先日の録音盤を聞いて、驚きました。
なんと一度もつまることなく滑らかにシェークスピアを朗読しているではありませんか!
ジョージは再びライオネルを訪れ、レッスンを受け始めました。

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1936年、ジョージ5世崩御。長男のエドワード8世が即位しました。
父の死に心乱れるジョージは自宅でくつろぐライオネルを訪問。
この日を境に2人の関係は深い信頼に基づいた友人のそれへと変わっていきます。

1年後、思いもかけないことが。
兄エドワード8世がアメリカ人シンプソン夫人との愛を選び、退位してしまったのです……

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国王だって、悩みや弱点を抱えた人間です。
まして、時代は大戦前夜。ナチス・ドイツの不気味な軍靴の音は英国に接近していました。
その後の動きは歴史に見る通りですが、
渦中に生きる気弱な国王が勇気を奮い起す様を
これほどつきつめて見せてくれた映画がかつてあったでしょうか。

ジョージ6世によりそう妻エリザベス、そして、友人として支え続けるライオネル。
ジョージ6世は弱い人間だったかもしれませんが、
愛する妻や友人の支えが彼を勇気ある人間に変えていったのですね。

愛と勇気―――
久々に古典的でありながら心温まるテーマの映画を満喫しました。 
                           

英国王のスピーチ
監督/トム・フーパー、脚本/デヴィッド・サイドラー、製作/イアン・カニング、エミール・シャーマン、ギャレス・アンウィン、撮影/ダニー・コーエンBSC
出演
コリン・ファース/ジョージ6世、ジェフリー・ラッシュ/ライオネル・ローグ、ヘレナ・ボナム=カーター/エリザベス、ガイ・ピアース/エドワード8世、ティモシー・スポール/ウィンストン・チャーチル、デレク・ジャコビ/大司教コスモ・ラング、ジェニファー・イーリー/ローグ夫人、マイケル・ガンボン/ジョージ5世
2月26日(土)全国ロードショー、2010年、イギリス-オーストラリア合作、118分、提供・配給/ギャガGAGA★
http://kingsspeech.gaga.ne.jp/


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by mtonosama | 2011-02-13 06:46 | 映画 | Comments(17)
英国王のスピーチ -1-
The King’s Speech

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(C) 2010 See-Saw Films. All rights reserved.
人の上に立ち、その言葉で相手の心を打たなければならない立場にありながら、
どうしても人前で話すことが苦手…
そして、
緊張すればするほど、吃音が出てしまうとしたら…

ああ、その立場を想像しただけで、消えてしまいたくなります。

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「英国王のスピーチ」は現英国女王エリザベス2世の父ジョージ6世の
知られざる感動の真実を明らかにした映画。

王様だったら、
威厳があって、国民にアピールする言葉を持ち、自信に溢れている―――
私たち平民はそんなイメージを持ちますよね。

ところが、気弱で人前で話すことが、大の苦手。
それなのに、最も国難を抱えた時期に、
望みもしなかった王位についてしまった王様が、ジョージ6世でした。

この映画は英王室が舞台、そして、
「王冠を賭けた恋」で脚光を浴びたエドワード8世の陰に隠れて目立たなかった
英国一、内気といわれたジョージ6世の物語。
そんな彼がどのようにして国王になり、国難に立ち向かっていったのでしょう?

ジョージ6世を演じるのはコリン・ファース。
彼のおどおどとした視線、一転して、スピーチに臨む凛々しい姿勢。
もうジョージ6世そのもの(いえ、おつきあいはございませんが)。
思わず「コリン・フォースって王室出身?」と経歴を確認したくなる位、でした。

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そして、彼を支える妻エリザベスにはヘレナ・ボナム=カーター。
そうです、そうです。ハリー・ポッターで魔女を演じた女優です。
最近では「アリス・イン・ワンダーランド」にも出ています。
なんと、彼女の曾祖父、ひいおじいちゃんは元英国首相ハーバート・ヘンリー・アスキス
(任期1908年~1916年)なんだそうですよ。

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さらに、ジョージのスピーチ矯正をするオーストラリア人専門家ライオネル・ハンプトン
は自身もオーストラリア生まれのジェフリー・ラッシュ。

このライオネルさんについての公的な記録はほとんどありませんでしたが、
なんと撮影の2ヶ月前に、制作スタッフが本物の孫を発見!
そして、このお孫さんが日記や手紙、診察記録など、
ライオネルさんの資料をすべて持っていたのだそうです。

脚本は急遽書き直し。
この資料が映画づくり、そしてジェフリー・ラッシュの役作りに
貢献したのは言うまでもないことです。
この役はきっと後々までも彼の当たり役っていわれるに違いありません(きっぱり)。

王家の人々と外国人平民のからみも、ハリウッド映画によくある大げさで類型的なものとは
違い、さすが英王室の国の映画(英豪合作ですが)です。
うまいです。

さて、ビクトリア女王やエリザベス1世、同じ王様でも女王様には花があります。
ところが、男の王様、それも内気で気弱な王様が、主人公として登場するのは、
もしかしたら初めてではないでしょうか。

どんな映画なのでしょうか。乞うご期待であります。



国王のスピーチ
監督/トム・フーパー、脚本/デヴィッド・サイドラー、製作/イアン・カニング、エミール・シャーマン、ギャレス・アンウィン、撮影/ダニー・コーエンBSC
出演
コリン・ファース/ジョージ6世、ジェフリー・ラッシュ/ライオネル・ローグ、ヘレナ・ボナム=カーター/エリザベス、ガイ・ピアース/エドワード8世、ティモシー・スポール/ウィンストン・チャーチル、デレク・ジャコビ/大司教コスモ・ラング、ジェニファー・イーリー/ローグ夫人、マイケル・ガンボン/ジョージ5世
2月26日(土)全国ロードショー、2010年、イギリス-オーストラリア合作、118分、提供・配給/ギャガGAGA★
http://kingsspeech.gaga.ne.jp/


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by mtonosama | 2011-02-10 06:45 | 映画 | Comments(11)
        サラエボ,希望の街角 -2-
                         NA PUTU
                     ON THE PATH

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        © 2009 Deblokada / coop99 / Pola Pandora / Produkcija Živa
              / ZDF-Das kleine Fernsehspiel / ARTE


ボスニア・ヘルツェゴヴィナの首都・サラエボ。
行ったことはありませんが、かつてはさまざまな民族が仲良く暮らし、
イスラム教もセルビア正教もカトリックも共存する街だったそうです。

街だったそうです…?
今のサラエボがまるでそうじゃないみたいに聞こえてしまいますね。


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でも、スクリーンに見る街はヨーロッパの古い街並みを思わせる素敵な雰囲気。
主人公のルナが籠に入れた花束もオシャレなら、彼女もとてもキュートな女性です。

原題”Na Putu”は「道の途上」という意味。
例によって「サラエボ,希望の街角」という邦題とはまったく違いますが、
なんとなく「過去を振り返ってばかりじゃ、いけないよ」って言っているような気もします。

ストーリー
ルナとアマルは結婚を前提にサラエボのアパートで一緒に暮らしています。
ルナはスチュワーデス、アマルは空港管制官。
2人は早く子どもが欲しいのですが、なかなか授かりません。

そんなある日のこと、アマルが勤務中に酒を飲んでいることがわかり、
半年の停職処分と禁酒セラピーを受けるように言い渡されました。
さらに悪いことに、担当医から「自然妊娠の可能性は低いので、人工授精をしては?」
と薦められます。ショックを隠せないルナ。

「仕事が見つかった」と告げるアマル。
アマルの戦友・バフリヤに紹介された仕事です。
バフリヤはイスラム原理主義者で、
数日前、ルナが差し出した手を「女性とは握手できない」と払いのけた人物でした。
仕事場がサラエボから遠いということも心配です。
アマルは、必死に止めるルナを無視してアパートを出ていきました。
ルナの親友は「アマルの行き先はテロリストのキャンプよ」と脅します。

アマルの許へ向かうルナ。
そこでは、女性たちは黒いベールで全身を隠し、男性たちとは隔離されて暮らしています。
自由なイスラム教徒として育ったルナにとっては奇妙な光景でした。
夜になってようやく対面できたアマルは、
「自分のアルコール依存症は戦争体験の後遺症で、信仰に安らぎを見出した今は酒を断つことができた」と嬉しそうに語ります。
複雑な思いを抱いて帰路につくルナ。

数週間後、アマルはすっかり変わって帰ってきました。
なんとか彼を理解しようと努めるルナでしたが、
2人の間に生まれた溝を埋めることはできません。
そんな時、ルナの妊娠が判明しました。
そして、彼女のとった選択は……


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ボスニア戦争に参戦し、弟を失ったアマル。
ボスニア戦争で両親を殺され、祖母と共にサラエボへ逃れてきたルナ。
お互いに過去の戦争で大きな心の傷を負い、
一方は酒に溺れ、一方は過去を封印してきた―――

サラエボの2人の男女が、生活も服装も私たちと変わらないだけに、
過去の戦争がなおさら呪わしいものとして蘇ってきます。
これって、太平洋戦争の後の日本の男女も同じだったっていうことですよね。
でも、不幸な過去を恨んで嘆くのではなく、
決然として未来に向かって踏み出していくルナはかっこいい。素敵です。

男なんていくらだっているからね。がんばれ、世界中のルナ!
150歳のとのは応援しちゃいます。


                                 

サラエボ,希望の街角
監督・脚本/ヤスミラ・ジュバニッチ、撮影/クリスティーン・A・マイヤー、プロデューサー/ダミル・イブラヒモビッチ、ブルノ・ワグナー、バーバラ・アルバート、カール・バウムガルトナー、ライモンフォ・ゲーベル、レオン・ルチェフ
出演
ズリンカ・ツヴィテシッチ/ルナ、レオン・ルチェフ/アマル、ミリャナ・カラノヴィッチ/ナジャ、エルミン・ブラヴォ/バフリヤ、マリヤ・ケーン/祖母、ニナ・ヴィオリッチ/シェイラ、セバスチャン・カヴァーツァ/デヨ、イズディン・バイロヴィッチ/ユスフ、ルナ・ミヨヴィッチ/ディヤ
2月19日(土)、岩波ホール他にて全国順次ロードショー
2010年、ボスニア・ヘルツェゴヴィナ、オーストリア、ドイツ、クロアチア合作映画、ボスニア語・クロアチア語・セルビア語、104分、配給/アルバトロス・フィルム
http://www.saraebo-kibou.com/


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by mtonosama | 2011-02-07 05:58 | 映画 | Comments(8)
     サラエボ,希望の街角-1-
                        NA PUTU
                    ON THE PATH

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© 2009 Deblokada / coop99 / Pola Pandora / Produkcija Živa/ ZDF-Das kleine Fernsehspiel / ARTE

ボスニア戦争という戦争があったことを覚えておいででしょうか?
「次から次へと戦争やら紛争やらが起きてるからわからないよ」とおっしゃるあなた、
確かにそうです。
でも、15年前に終わった戦争ですから、それほど昔の話ではありません。
1995年、戦争が終わった年に生まれたサラエボの赤ん坊は今年16歳。
もう高校1年生ですが、中学生や高校生にとっては昔の話でも、
今30歳前後の人は多感な時期に戦争を体験したわけで、
現在もいろいろな思いを抱えているのでしょうね。

「サラエボ,希望の街角」はそんな年頃の男女を主人公にしたお話。
前作「サラエボの花」につぐヤスミラ・ジュバニッチ監督の作品です。


f0165567_5564275.jpg ヤスミラ・ジュバニッチ監督
1974年サラエボ生まれ。サラエボ演劇アカデミー舞台・映画監督科を卒業。
映画製作に携わる前は、アメリカ・ヴァーモントを拠点とする人形劇の劇団でピエロとして活躍していたという経歴の持ち主。1997年から映画製作を始める。
「サラエボ、希望の街角」は長編第2作。デビュー作「サラエボの花」は2006年ベルリン国際映画祭で金熊賞を受賞。AFI映画祭の審査委員賞とヨーロッパ人権協会のグランプリオディッセイを受賞した。戦争を生き延びたシングルマザーのエスマ、その10歳の娘サラの痛
ましい秘密にまつわるドラマで多くの人の胸を打った。


f0165567_613698.jpgボスニア戦争というと思い浮かぶのは《サラエボのロミオとジュリエット》。
1993年5月、16歳のボシュコとアドミラがサラエボの危険地帯で抱き合うように死んでいました。
サラエボを脱出しようとした2人はここで狙撃され、ボシュコは即死、まだ息のあったアドミラは彼のところまで這っていき、そこで息絶えたのです……
民族も宗教も違う2人ですが、戦争が始まるまではセルビア人もイスラム教徒も皆仲良く暮らしていました。戦争が散らした若い2人、忘れようにも忘れられません。

あと、スナイパー・ストリート(狙撃兵通り)も衝撃的でした。
サラエボを包囲したセルビア兵士がビルの上に銃を構え、通りを行く人々を狙撃するのです。
ボスニア政府軍の攻撃が目的でしたが、
撃たれた人の中には一般市民も多く含まれています。
ボシュコとアドミラもそんな一般市民でした。
海外ニュースで見た、首をすくめるようにして通りを横切る市民の姿を今も思い出します。

少し前までは車が行き交い、買い物客が笑いながら歩いていた目抜き通りに
銃弾が飛び交っているのです。かなりショッキングな映像でした。
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いいえ、「サラエボ、希望の街角」にはそんな悲惨なシーンはまったく出てきません。

ただ、ボスニア戦争は、サラエボから遠く離れた日本でニュースを見ていただけの人間にも、多くの悲惨な記憶を残した戦争です。
思春期に現地でこの戦争を体験した人の心にはどんな想いが残っているのでしょう。

もちろん、過去を振り返ってばかりいては先へは進めませんけれど。

さ、どんなお話なのでしょうか。次回まで、乞うご期待であります。

                           


サラエボ,希望の街角
監督・脚本/ヤスミラ・ジュバニッチ、撮影/クリスティーン・A・マイヤー、プロデューサー/ダミル・イブラヒモビッチ、ブルノ・ワグナー、バーバラ・アルバート、カール・バウムガルトナー、ライモンフォ・ゲーベル、レオン・ルチェフ
出演ズリンカ・ツヴィテシッチ/ルナ、レオン・ルチェフ/アマル、ミリャナ・カラノヴィッチ/ナジャ、エルミン・ブラヴォ/バフリヤ、マリヤ・ケーン/祖母、ニナ・ヴィオリッチ/シェイラ、セバスチャン・カヴァーツァ/デヨ、イズディン・バイロヴィッチ/ユスフ、ルナ・ミヨヴィッチ/ディヤ
2月19日(土)、岩波ホール他にて全国順次ロードショー
2010年、ボスニア・ヘルツェゴヴィナ、オーストリア、ドイツ、クロアチア合作映画、ボスニア語・クロアチア語・セルビア語、104分、配給:アルバトロス・フィルム
http://www.saraebo-kibou.com/


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by mtonosama | 2011-02-04 06:26 | 映画 | Comments(7)
          トスカーナの贋作 -2-
                    Copie Conforme

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                   (C)Laurent Thurin-Nal / MK2

前回、わかりにくい映画などと言ってしまいました。
でも、舞台はトスカーナ。
登場人物はトスカーナ地方の小さな村でギャラリーを経営するフランス人女性と
その村に講演に訪れたイギリス人の作家。
設定にはどこもおかしなところはありません。きわめてノーマルです。
ところが、「あれ?ちょっと待って。え?え?」という展開になっていくんですねぇ。

いやぁ、アッバス・キアロスタミ監督、イラン出身だけにペルシャの魔法をかけたんでしょうか。

ストーリー

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とある講堂で「贋作」という本を刊行したイギリス人作家ジェームスの講演が
始まろうとしています。
それを聴きにきていた一人の女性と反抗期の息子。
彼女は講演に関心を持っていましたが、息子が空腹を訴えたため、連絡先を言付けて中座。
ハンバーガーショップで息子に
「電話番号を教えたのはジェームスと恋人になりたいから?」とからかわれ、
「本のことで訊きたいことがあっただけよ」とたしなめる女性。

翌日、彼女の経営するギャラリーにジェームスが訪れました。
「良いところに案内するわ」
「ありがとう。でも、9時には帰らないといけない」

糸杉のある美しい街道をドライブしながら、2人は会話を交わします。
美術館では本物と贋作について議論をします。
話し疲れた2人が立ち寄った一軒のカフェ。
ジェームスが席を立ったとき、彼女にカフェの女主人が話しかけます。
「良い旦那ね」
戻ってきたジェームスに「夫婦に間違えられたわ」と楽しげに告げる女。
「僕たちはお似合いなんだね」。
ここから“夫婦”を演じ始める2人。

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古い街並みを歩きながら、夫婦としての会話を続ける2人。
それも年月を重ね、擦れ違い始めた夫婦のような会話を。
「大事なのは作品の技術や評判ではなく、その見方のはずだわ」
「君の話を聞いていると、芸術も本物も偽物も、この彫像も君のこともなにもかも嫌いになる」

空腹を感じた2人はレストランに入ります。
しかし、ウエイターはなかなかやってこず、やっと注文したワインは最悪で、
苛立ったジェームスは彼女を責めたてた揚句、店を出て行ってしまいました。
その後、教会へ向かう2人。ジェームスは本当の妻をいたわるように彼女に謝ります。
そして……


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これはラブストーリー?
美しい風景、そして、魅力的な男女。
ラブストーリーを成立させるお膳立てはしっかり整ってはいるんですけど。
でも、どこかに時空の歪みみたいなものが発生して、すっとはぐらかされるというか、
不思議な感覚に襲われてしまいます。

見知らぬ男女が出会い、お互いに関心を抱き、出かけた先で夫婦と間違えられる―――

間違えられた夫婦=贋物夫婦。
本人たちがそのふりをしていると、周囲だけでなく、
その内、自分たちもわからなくなってしまうのが贋物だとしたら、
本物と贋物の区別って意味があるのでしょうか。

本物?贋物?
「トスカーナの贋作」が醸すこの微妙な揺らぎに飲み込まれて、
船酔いにも似た感覚にフラフラしてしまったとのでした。
                                

トスカーナの贋作
監督/アッバス・キアロスタミ、オリジナル脚本/アッバス・キアロスタミ、脚色/マスメ・ラヒジ、撮影監督/ルカ・ビガッツィ、製作総指揮/ガエターノ・ダニエル、製作/マラン・カルミッツ、ナタニエル・カルミッツ、シャルル・ジリベール、アンジェロ・バルバガッロ
出演
ジュリエット・ビノシュ/彼女、ウィリアム・シメル/ジェームズ・ミラー、ジャン=クロード・カリエール/広場の男、アガット・ナタンソン/広場の女、ジャンナ・ジャンケッティ/カフェの主人、アドリアン・モア/息子、アンジェロ・バルバガッロ/通訳、アンドレア・ラウレンツィ/ガイド、フィリッポ・トロイアーノ/花婿、マニュエラ・バルシメッリ/花嫁、ルチニャーノの住民
2月19日(土)より、ユーロスペースにて公開!(全国順次)
2010年、フランス・イタリア合作、106分、配給/ユーロスペース
http://www.toscana-gansaku.com/


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by mtonosama | 2011-02-01 06:25 | 映画 | Comments(6)