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殿様の試写室

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           ヤン&エヴァ シュヴァンクマイエル展
                    ~映画とその周辺~
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                          今日で8月も終わり。
             朝晩はもう秋の気配で、夜には虫の音が聞こえるようになりました。
             とはいえ、日中はまだまだ暑いですね。それに台風も近づいています。

         先週、当試写室でもお知らせしたヤン・シュヴァンクマイエル展を観てきました。
           会場入り口の写真を撮ったのですが、同居人に削除されてしまいました。
                 (ひとの写真を勝手に削除しますかねぇ。ったく(怒))
       ということで、ヤンさんとは全然関係ない近所のご隠居さんに出演してもらいました。

                        ヤン・シュヴァンクマイエル展。
         待ち合わせをした友人を待つ間、売店で、図録やら、彼が挿絵や表紙を描いた本を
                      ぱらぱらと楽しませてもらっていました。
  江戸川乱歩「人間椅子」に挿絵を入れた本や表紙絵を描いたアリス、ラフカディオ・ハーン「怪談」などなど、
                      この売店でかなり楽しんでしまいました。
          「人間椅子」は、「う~ん、ヤンさん、こうくるか」と腕を組んで感心しました。

                    さて、中に入ると最初は木や石を使ったオブジェ。
                 古色を帯びた様子は上野の国立博物館の木乃伊を連想させます。
                     あるいは、観光地によくある世界寄宝館?
                はたまた、子どものころ、お祭りの日に神社の境内に出ていたテント。
               「親の因果が子に報い、なんと、この子は蛇女。花ちゃ~ん」
                             「あい、あ~い」――
                          (ん?知らないって?すいません)

                          「う~ん、これは…」と思いつつ、
                更に進めば、映画「ファウスト」に使用した大きな人形が睨みつけています。
                        セットも再現されていて、魔都プラハの現出。
                         その薄気味悪さがなんとも良い感じでした。
                もちろん先日ご紹介した「サヴァイヴィングライフ」の絵コンテもありましたよ。

                             触れられる作品あり、
                       良い子としてはちょっと紹介しにくいオブジェあり。
           古色からカラフルな作品へと展開していく様子など、びっくりしたり、首をかしげたり、
                           うちにもひとつ欲しいと思ったり。

     20世紀の芸術思潮を現代の原宿で鑑賞する、というちょっとしたタイムトラベルを体験してきました。

              9月19日(月)までラフォーレミュージアム原宿で開催されています。

「ヤン・シュヴァンクマイエル展 ~映画とその周辺~」
11:00~20:00(最終日のみ18:00閉場)
入場料:一般900円、大学・高校生800円、中・小学生600円、小学生未満無料


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by mtonosama | 2011-08-31 06:38 | 映画 | Comments(6)
     ミケランジェロの暗号 -2-
                   Mein Bester Feind

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          ©2010 AICHHORZER FILM & SAMSA FILM ALL RIGHTS RESERVED.

                      またまたタイトルが気になるとの。
                      まず邦題「ミケランジェロの暗号」。
         これ、なんとなく「ダ・ヴィンチ・コード」を連想させて、もう既にサスペンス感いっぱいです。
         連想させるったって、ミケランジェロとレオナルド・ダ・ヴィンチ、素直すぎる連想ですけど。

              そして、原題が“Mein Bester Feind”。英語で言えば“My Best Enemy”。
                       直訳すれば「わが最良の敵」。

                 「わが最良の敵」がなぜ「ミケランジェロの暗号」か。
        まったく関連がないようでありながら、これ両方ともこの映画のキーワードなんです。
                うーん、今回のタイトルは☆5つですね。うまいです。
              ユダヤ人画商カウフマン家が隠し持つミケランジェロの素描。
         それはナチス・ドイツの戦況を左右する国宝級の一枚なのですが―――

              さあ、いったいどんなストーリーが展開するのでしょうか。

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ストーリー
1938年ウィーン。
ユダヤ人一族カウフマン家の画廊にルディ・スメカルが突然戻ってきた。
ルディは25年間もカウフマン家に仕えた使用人の息子。
一家は彼をわが子のように可愛がり、息子のヴィクトルにとっては良き友人であり、
兄弟のような間柄だ。また幼なじみのレナを愛するライバル同士でもあった。

その夜、画廊ではパーティが開かれ、マスコミ関係者も大勢集まっていた。
イタリア人記者が、挨拶するヴィクトルに「ミケランジェロの絵はどこにあるのか?」
と詰め寄る。
400年前バチカンから盗まれたその絵をカウフマン家が所有しているという噂が流れていたのだ。
記者は、さらに「絵はイタリアに返還すべき。ムッソリーニ閣下もそうお考えだ」と追及する。

パーティの後、ヴィクトルはルディをバーへ誘った。
仕事を済ませた安心感からヴィクトルはルディにミケランジェロの絵の秘密を明かす――

カウフマン家、そして、ウィーンのユダヤ人たちの平和な日々は
ナチス・ドイツのオーストリア侵入によって潰えさった。
ナチスによって財産が略奪されることを知ったカウフマン家は、
所蔵する絵画をチューリッヒへ輸送する準備を進めていた。
ところが、ある朝、ナチス兵士が―――
彼らはなぜかミケランジェロの絵の隠し場所も知っていた。

なんと、兵士たちの中にあのルディが!
密かにナチスに傾倒していた彼は軍でのしあがるため、絵の隠し場所を密告したのだ。

銃で脅されながら、ミケランジェロの隠された部屋の扉を開くヴィクトル。
だが、そこに、ミケランジェロの絵はなかった…


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            ミケランジェロの一枚の素描をめぐって繰り広げられるナチスの陰謀。
                      その絵に隠された暗号。
                   そして、2人の幼なじみの複雑な心情。

                   豊かに育ってきたユダヤ人・ヴィクトル。
       ヴィクトルとは分け隔てなく育てられながら、使用人の息子という意識からは
                  自由になれなかったオーストリア人・ルディ。

                    面白いところは、2人の個性です。
         豊かな家庭の御曹司だからといって、ただのお坊ちゃまじゃないヴィクトル。
    かたや、友情を裏切り、ナチでのし上がろうとはするけれど、本当の悪にはなりきれないルディ。

   時代の空気として存在したユダヤ人排斥は幼なじみの気持ちすら大きく歪めてしまうんですけどね。

              “最良の敵”ってこういうことだったのか、と納得させられました。

                   それにしても、何度もピンチを迎え、
    「ああ、もうだめだ」と思わせながら、ふっとハンドルを切って危機を脱出するところなんぞ、
                     小憎らしいばかりのうまさです。
                 とのなんて、一体、何回、目を覆ったことでしょう。

        ラストシーンで、ヴィクトルがニヤッと笑いながら、歩き去っていくところ、もう最高。
         スローモーションになったスクリーンにヴィクトルの口元が残像のように残ります。
      まるで「不思議な国のアリス」のチェシャ猫のニヤニヤ笑いが暮れなずむ大木の葉の間に
                        いつまでも残っている感じ。
              鳥肌が立ちながら、知らない内に彼と一緒に笑っていました。


             こればっかりは是非皆さまご自身の眼で確認していただきたいと思います。
                        ブライプトロイ、良いです。
                        Toll!  Super!(すばらしい)

  

                              

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ミケランジェロの暗号
監督/ウォルフガング・ムルンベルガー、脚本/ポール・ヘンゲ、脚色/ウォルフガング・ムルンベルガー、視覚デザイン/ペーター・フォン・ハラー、編集/エフィ・ローメン、音楽/マシアス・ウェバー、プロデューサー/ヨゼフ・アイヒホルツァー、共同プロデューサー/ヤーニ・ティルトジェ
出演
モーリッツ・ブライプトロイ/ヴィクトル・カウフマン、ゲオルク・フリードリッヒ/ルディ・スメカル、ウルズラ・シュトラウス/レナ、マルト・ケラー/ハンナ・カウフマン、ウド・ザメル/ヤーコブ・カウフマン、ウーヴェ・ボーム/ヴィドリチェク親衛隊大尉、カール・フィッシャー/マイヤー親衛隊中佐、クリストフ・ルーザー/ウェーバー親衛隊軍曹、セルゲ・ファルク/ノルドナー親衛隊大佐
9月10日(土)TOHOシネマズシャンテ他全国ロードショー
2010年、オーストリア映画、106分、配給/クロックワークス
http://code-m.jp/

by mtonosama | 2011-08-28 07:01 | 映画 | Comments(14)
      ミケランジェロの暗号 -1-
                    Mein Bester Feind

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         ©2010 AICHHORZER FILM & SAMSA FILM ALL RIGHTS RESERVED.

                        またもユダヤ人迫害の映画です。
                             続きますねぇ。
                でもね、この映画、第2次大戦中のユダヤ人迫害を扱っていながら、
                     今までの作品とはちょっと趣が違うんですよ。

                           どこが違うのかって?

            う~ん、こんな早い段階で、それを言ってしまっていいものかどうか―――

                            どうしようっかな。
                         えーい、言ってしまいましょう!

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           これまで、ユダヤ人といえば、いつもナチにやられっぱなしだったではないですか。
                       ですが、この映画ではそうじゃないんです。
                   そうじゃなくて、ナチにぎゃふんと言わせてしまうんです。
                              ぎゃふんって…

           これができるのはあのモーリッツ・ブライプトロイ様の演技があってのことですが。
                        (ブライプトロイ、好きなんです)
            そう、彼が主人公のユダヤ人画商ヴィクトル・カウフマンを演じているのです。

                    「あ、やられる」と思わせて、ニヤッと笑いながら、
                 うまいことすり抜けていくブライプトロイ演ずる主人公ヴィクトル。
          彼だからこそできる、ふてぶてしいまでの、そして、ふ・ふっと笑わせてくれる演技です。
               ずいぶんおっさんになったけど、それはそれでまた良いんですねぇ。

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           それにしても、ユダヤ人が、あの迫害の時代に知恵と機転で窮地を切り抜けていく
       ハラハラドキドキの展開って、これまでこの系統の映画にはあまりなかったんじゃないでしょうか。

          いつもやられっ放しの悲惨なユダヤ人ばかりが描かれるのを観てきた彼らにとっても
                    溜飲が下がる思いの映画だと思います。
                あの時代、ユダヤ人が被害者であったことは事実ですが、
              抵抗する人もいた訳だし、ぎゃふんと言わせたユダヤ人もいた筈。
         彼らだって、そういう部分を描いた映画を観てスカッとしたいと何度も思ったことでしょう。

             脚本を書いたのは1930年ウィーン生まれのユダヤ人ポール・ヘンゲ。
                        彼もまた戦争体験者です。

      そして、監督はヘンゲ氏の息子世代にあたる1960年生まれのウォルフガング・ムルンベルガー。
        ウィーン・フィルムアカデミーでの卒業制作「天国か地獄か」が異例の劇場公開となり、
    国内外で数々の賞を受けるという華々しいデビューを遂げたオーストリアを代表する映画監督です。

     さらに、プロデューサーは「ヒトラーの贋札」(‘07/ステファン・ルツォヴィツキー監督)で、
           アカデミー賞外国語映画賞を受賞したヨゼフ・アイヒホルツァー。
                   1950年生まれのオーストリア人です。
             しかし、彼は「ミケランジェロの暗号」の脚本を見たとき、
         自分が再びナチスについての映画をつくることにためらいがあったそうです。
               それも「ヒトラーの贋札」から間をおかずに―――

         当試写室ではいつもあまりプロデューサーに目を向けることはないのですが、
        今回ばかりはプロデューサーであるアイヒホルツァー氏の決断に感謝しなくては。

              いやぁ、痛快な映画ですよぉ。オーストリア映画、やりました。
            さて、一体どんなお話でしょうか。続きは次回までのお・た・の・し・み。

                                

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ミケランジェロの暗号
監督/ウォルフガング・ムルンベルガー、脚本/ポール・ヘンゲ、脚色/ウォルフガング・ムルンベルガー、視覚デザイン/ペーター・フォン・ハラー、編集/エフィ・ローメン、音楽/マシアス・ウェバー、プロデューサー/ヨゼフ・アイヒホルツァー、共同プロデューサー/ヤーニ・ティルトジェ
出演
モーリッツ・ブライプトロイ/ヴィクトル・カウフマン、ゲオルク・フリードリッヒ/ルディ・スメカル、ウルズラ・シュトラウス/レナ、マルト・ケラー/ハンナ・カウフマン、ウド・ザメル/ヤーコブ・カウフマン、ウーヴェ・ボーム/ヴィドリチェク親衛隊大尉、カール・フィッシャー/マイヤー親衛隊中佐、クリストフ・ルーザー/ウェーバー親衛隊軍曹、セルゲ・ファルク/ノルドナー親衛隊大佐
9月10日(土)TOHOシネマズシャンテ他全国ロードショー
2010年、オーストリア映画、106分、配給/クロックワークス
http://code-m.jp/

by mtonosama | 2011-08-25 06:43 | 映画 | Comments(4)
   サヴァイヴィング ライフ -2-
             ―――夢は第二の人生―――
                       Surviving Life

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                         (C)ATHANOR

                さて、ヤン・シュヴァンクマイエル氏でありますが、
 彼の尊敬する日本の作家は江戸川乱歩であります(本家エドガー・アラン・ポーもお好きとのことです)。
                乱歩からはずいぶん制作上の影響も受けているとか。
   シュヴァンクマイエル氏、来日すると必ず、能や歌舞伎、人形浄瑠璃の舞台を楽しむそうです。
                  随分、日本通のシュルレアリストなのです。

本作をご覧になる前にラフォーレミュージアム原宿(ラフォーレ原宿6階)で、
8月20日(土)から9月19日(月)まで開催される「ヤン&エヴァ シュヴァンクマイエル展~映画とその周辺~」をご覧になると映画をさらに楽しめるかもしれません。http://www.svankmajerjp.com/
本展では様々な素材を使ったオブジェ、絵画、コラージュ、版画、ドローイングなどの作品群も展示されますが、その大半は日本初公開。サブタイトルに「映画とその周辺」とあるように、映画館と美術館の境界を取り払ってしまった作家の作品展です。

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                           ©Jan Švankmajer

新装版の表紙のために描いた「アリス」が2点、そして日本の木版画―――シュヴァンクマイエルが下絵を描き、茨城と京都の彫り師と摺り師が江戸時代以来の伝統的な技法で制作したもの。他にも、日本の百鬼夜行絵巻を意識した妖怪とシュヴァンクマイエルが独自に生み出した妖怪からなる絵柄や小泉八雲「怪談」の挿絵など、江戸と魔都プラハとの画期的なコラボレーションを楽しめる作品展です。

          5年ぶりの新作となる「サヴァイヴィング ライフ ――夢は第二の人生――」。
          「夢と現実をそのまま撮りたかった」と語るシュヴァンクマイエル氏ですが、
              本作は夢と現実を平行に取り扱う形で撮影したということです。
   夢そのものは何度も扱ってきたけれど、今回のように夢を具体的に描いたのは初めてと語っていますよ。

                      さあ、どんなお話なのでしょうか。

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ストーリー
エフジェンはパッとしない中年サラリーマン。
家に帰っても口喧しい妻ミラダの愚痴を聞かされるだけなので、楽しみは寝ることです。
ある日、彼は夢の中でエフジェニエという名前の若く美しい女性と出会います。
彼女に誘われて部屋を訪ね、抱き合っているところを彼女の息子に見られてしまいました。
そんな夢の記憶が気になるエフジェンは精神分析の女医ホルボヴァー医師を訪れます。
カウンセリングの結果、エフジェンが幼い頃に両親を亡くし、
児童養護施設で育てられた経験が彼の見る夢と関係しているらしいことがわかってきます。

エフジェンは自分の意思で夢の世界に入っていく方法を発見。
誰にも邪魔されることなく、夢の世界に入るため、古いスタジオを借りることにしました。
妻には会社に行くと見せかけ、毎日夢の中へと出かけるエフジェン。

一方、エフジェンの行動を不審に思った妻ミラダは彼を尾行。
精神分析医のホルボヴァー医師に会い、彼女を夫の浮気相手を思いこんでしまいました。
ところが彼女から夫の二重生活を教えられ、ショックを受けます。
ミラダは夫の尾行を続行し、スタジオでエフジェンが夢の世界に入っていく儀式を目撃。
その真似をして彼の世界に入り込んでしまったから、大変。
やがて、現実と夢の境界がないまぜになっていき……


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                            う~~ん!?
              今から90年前シュルレアリズム宣言を読んだ人が感じたものを、
        現代の私たちも感じると思います。ということは、シュルレアリズムはまだまだ新しい!
          「解剖台の上でのミシンとこうもり傘の偶然の出会いのように美しい」わけです。

               映画の冒頭、シュヴァンクマイエル氏がスクリーンに登場し、
              「この映画は最初アニメーションで撮影しようと思ったけれど、
              お金がないので実写と俳優の写真を切り貼りすることにしました」
                           と口上を述べます。
             監督本人がこんなふうに顔を出すなんて、なんかヒッチコックみたい。

             彼はお金がないからアニメーションは止めにしたなんて言ってますが、
                 実はこの切り貼り方式の方が高くついたそうですよ。
        ご本人は「この表現で自分の映画に新しいものをとりこめた」と語っていますから、
         本作は今後の作品制作にも大きな影響を与えることになるのかもしれません。

           映画にも、小説にも、ストーリー性の高いものと、そうでないものがあります。
               テーマ性にこだわる作品、表現様式をつきつめる作品。
                    わかりやすい作品、難解な作品―――

                でも、どれがベストか、は誰にも決められません。

                         これも出会いなんでしょう。
        映画館のスクリーンの上での観客とシュヴァンクマイエルとの偶然の出会いのように美しい…
                            と思いますが。

  

                               

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サヴァイヴィング ライフ -夢は第二の人生-
監督・脚本/ヤン・シュヴァンクマイエル、撮影/ヤン・ルジチュカ、ユライ・ガルヴァーネック、アニメーション/マルティン・クブラーク、エヴァ・ヤコウプコヴァー、ヤロスラフ・ムラーゼック、音響/イヴォ・シュパリ、編集/マリエ・ゼマノヴァー、衣装/ヴェロニカ・フルバー、プロデューサー/ヤロミール・カリスタ
出演
ヴァーツラフ・ヘルシュス/エフジェン、ミラン、クラーラ・イソヴァー/エフジェニエ、ズザナ・クロネロヴァー/ミラダ、ダニエラ・バケロヴァー/ホルボヴァー医師、エミーリア・ドシェコヴァー/老女(超自我)
8月27日(土)より渋谷シアター・イメージフォーラムほか全国順次ロードショー
2010年、チェコ、108分、後援/駐日チェコ共和国大使館、CZECH CENTRE TOKYO、製作/Athanor、C-GA Film、提供/レン コーポレーション、ディーライツ、アウラ、ユーリアンドデザイン、配給/ディーライツ
www.survivinglife.jp

by mtonosama | 2011-08-22 06:42 | 映画 | Comments(10)
   サヴァイヴィング ライフ -1-
            ―――夢は第二の人生―――

                      Surviving Life

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                           (C)ATHANOR

                        ヤン・シュヴァンクマイエル!
                  チェコが生んだ知る人ぞ知る芸術家であります。
                     そして、シュルレアリストなのであります。

                     シュルレアリスムといえば、忘れられないのが
             「解剖台の上でのミシンとこうもり傘の偶然の出会いのように美しい
    ロートレアモン伯爵ことイジドール・デュカスの「マルドロールの歌」第六の歌Ⅰに登場する一節です。

                 なんでミシンとこうもり傘が出会わないといけないわけ?
                      それも、なんで解剖台の上なの?

                              たしかに。

  でも、シェルブールで雨傘屋の娘ジュヌヴィエーヌと自動車整備工ギイが恋に落ちるのも「なんで?」ですし、
   修道女見習いのマリアが7人の子持ちのトラップ大佐と恋に落ちるのもありえない話だと思いません?

                    そもそも、出会いというのは意外なもの。
         ンなわけで、解剖台の上でミシンとこうもり傘が出会ったっていいのであります。
                              キッパリ。
  
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           1924年にアンドレ・ブルトンが「シュルレアリズム宣言」を出して以来、
                     およそ90年の年月が経ちました。

                         このシュルレアリズム、
             自動筆記というなにやらオカルトっぽい技法で詩や文章を書いたり、
                  コラージュという偶然性の強い技法を用いたり、
         理性や主観から解き放たれた夢の世界を作品化する芸術の形態や主張をいいます。

            皆さまよくご存知のとろりと溶けだした時計(「記憶の固執」)のダリとか、
                 ルネ・マグリットなどもこの芸術形態をとる画家です。

      超現実主義=シュルレアリズム、誕生から90年近くを経た今もなお、そそるものがあります。
                なんか〈超〉とつくだけで嬉しくなってしまうんですよね。

        そして、21世紀の現在も活躍するシュルレアリストがヤン・シュヴァンクマイエル。
 それも映像の世界でシュルレアリズムを実践しているというのだから、映画ファンとしては必見であります。

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ヤン・シュヴァンクマイエル
1934年、プラハで誕生。父は陳列窓装飾家、母は熟練の裁縫師。
8歳のクリスマスに人形劇セットをプレゼントされ、これが彼の芸術観の形成に大きな役割を果たしました。16歳でプラハの工芸高等学校に入学。在学中にダリの絵と出合います。
1954年プラハの芸術アカデミー演劇学部人形劇科に入学。
その後、短期間ですが、リベレツの国立人形劇劇場で演出と舞台美術を担当。
そこで映画監督エミル・ラドクと出会いました。
1964年最初の映画作品「シュヴァルツェヴァルト氏とエトガル氏の最後のトリック」を発表。
翌年「J.S.バッハ G線上の幻想」がカンヌ映画祭で短編映画賞を受賞。
1983年「対話の可能性」がベルリン映画祭で短編映画部門金熊賞と審査員賞を受賞。
1987年「アリス」。
1989年ニューヨーク近代美術館で映画の回顧展。
1990年「闇・光・闇」がベルリン映画祭で審査員特別賞、川崎市民ミュージアムの「シュヴァンクマイエル映画祭‘90」で来日。
1991年プロデューサーのヤロミール・カリスタと共に古い映画館を買い取り、映画スタジオ〈アタノル〉を創立。(アタノルは錬金術師がものを蒸して柔らかくするときに使うかまど)。
1997年サンフランシスコ映画祭で「伝統的な映画製作の枠組みにとらわれないで仕事をしている」映画監督の業績に対して贈られるゴールデンゲート残像賞を受賞。

                          とまあ、こんな方です。
  このヤン・シュヴァンクマイエルが制作する時のベストパートナーでもあり、画家であり、造形作家であり、
   詩人、小説家でもあった妻のエヴァ・シュヴァンクマイエルが亡くなってから初めての作品となるのが、
            本作「サヴァイヴィングライフ」です。さあ、どんな作品でしょうか。

                本編上映の前に1987年の作品「アリス」をお楽しみください。
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サヴァイヴィング ライフ -夢は第二の人生-
監督・脚本/ヤン・シュヴァンクマイエル、撮影/ヤン・ルジチュカ、ユライ・ガルヴァーネック、アニメーション/マルティン・クブラーク、エヴァ・ヤコウプコヴァー、ヤロスラフ・ムラーゼック、音響/イヴォ・シュパリ、編集/マリエ・ゼマノヴァー、衣装/ヴェロニカ・フルバー、プロデューサー/ヤロミール・カリスタ
出演
ヴァーツラフ・ヘルシュス/エフジェン、ミラン、クラーラ・イソヴァー/エフジェニエ、ズザナ・クロネロヴァー/ミラダ、ダニエラ・バケロヴァー/ホルボヴァー医師、エミーリア・ドシェコヴァー/老女
8月27日(土)より渋谷シアター・イメージフォーラムほか全国順次ロードショー
2010年、チェコ、108分、後援/駐日チェコ共和国大使館、CZECH CENTRE TOKYO、製作/Athanor、C-GA Film、提供/レン コーポレーション、ディーライツ、アウラ、ユーリアンドデザイン、配給/ディーライツ
www.survivinglife.jp

by mtonosama | 2011-08-19 07:17 | 映画 | Comments(6)
あしたのパスタはアルデンテ 
                        Mine Vaganti

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                          (C) Fandango2010

                           南イタリア・レッチェ。
  この映画の舞台となっているイタリア半島(アペニン半島)のブーツのかかとの一番先にあたる美しい都。
                 このブーツのかかと部分はサレント半島というのだそうです。
    BC12世紀からの歴史を誇る古い街で、独特の石灰岩を用いたバロック建築が建ち並んでいます。
      この石灰岩が、天気や湿度によって灰色や黄金色などさまざまな色に変わるのだとか。
                          ―――ああ、行きたい―――
         レッチェがあるブーリア州は小麦、トマト、オリーヴオイル、ワインが特産物。
        この映画にも出てくるオレッキエッテ(小さな耳)はブーリアの代表的なパスタです。

            というわけで、3代にわたってパスタ会社を経営する一族の物語。

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             浮遊機雷とはいったい誰で、アルデンテとはいったい何なのか。
                  そして、どんなパスタが楽しめるのでしょう。

                           行きますよ。
                      Buon appetito ! (いただきます)

ストーリー
南イタリア、ブーリア州の美しい古都レッチェ。
カントーネ家は祖母の代からパスタ会社を経営するこの街のセレブ。
祖母は義理の弟と会社を切り盛りしていましたが、今は引退の身。
少々、高めの血糖値ゆえ、甘いものは厳禁されています。
パスタ会社の現在の社長は、息子に後を継がせて幸せなファミリー経営を夢見る父・ヴィンチェンツォ。
母・ステファニアは気の利かないお手伝いさんたちを怒鳴りながら、家庭を守る専業主婦です。
叔母のルチアーナはちょっとアルコール依存症気味のシングル。
この家の子どもたちは3人いまして、
長男・アントニオが父の片腕としてパスタ会社を手伝っています。
長女・エレナの夫は、パスタ会社で働いてはいるものの、
父・ヴィンチェンツォにはあまり気に入られていない様子。
そして、次男・トンマーゾは小説を書きながらローマで暮らしています。

ある日、トンマーゾは久しぶりにレッチェに帰って来ました。
一家のパスタ会社を息子たちと共同経営者に引き継ぐための重要なディナーが開かれることになったからです。
しかし、トンマーゾは秘密を明かして、さっさとローマに帰ってしまおうと企てていました。
その秘密というのは、
家族が望んでいた経営学部ではなく文学部を卒業したこと、
パスタ会社を継ぐつもりはなく、作家になるということ、
そして、ゲイであること―――

いよいよ告白しようとしたとき、
なんと兄のアントニオが「30年言わずにきたけれど、僕はゲイなんだ」とカミングアウト!
父は、アントニオに勘当を言い渡し、怒りのあまり、その場に昏倒してしまいました。
告白の機会を失ったトンマーゾは、兄の代わりとして共同経営者の娘アルバと一緒に
パスタ会社を任されることに。

f0165567_5512375.jpgローマには帰れず、恋人のマルコからは電話で責め立てられ、パスタ工場に毎日出勤せねばならず、おまけに、アルバはトンマーゾを憎からず想っているようです。
(本来なら、こんな美人できれものの彼女に想いを寄せられるなら、最高なんですけど)
そんなとき、ローマから友人たちがやってきました!
アルデンテな友人たちに家族は困惑。

そして、おばあちゃんはひそかにある決心をします……

               一族で会社を興し、経営を続けていくことを望むおとうさん。
         一昔前の(いや、もっと前でしょうか?)家父長的オヤジさんが夢見る一族経営です。
           息子が良い結婚をし、後継ぎが生まれ、子孫繁栄し、末長く商売繁盛―――
          洋の東西を問わず、そこそこの財産を築いたおやじさんの考えることは同じです。

                  ところが、頼みの息子はゲイ(それも2人とも)。
                そりゃあ、がっかりでしょうね。子孫繁栄はかないません。
     でも、おとうさん、自分がマッチョだからって息子にもそれを期待するのは、どうでしょう。
                 親思いで商売上手な娘の存在を思い出してくださいな。

             本作、ゲイの息子とマッチョなおやじというだけで話ができあがっても、
                    結構おもしろい作品になっていたでしょう。
                 でも、半世紀前、おばあちゃんが泣く泣く諦めた愛があり、
                   小姑の叔母さんもただの酒好きではなかったり、
           南イタリアのちょっと封建的な家族の中にはさまざまな人生が隠されていました。

                          家族って、なんなんでしょうね。
     思い通りにはならない個人の集合体ではあるけれど、やはり1本の糸でつながっているのでしょうか。

        それにしても、トンマーゾとアントニオ、そして友人たちのゲイ達者ぶりには笑えました。

         誰が浮遊機雷で、なにがアルデンテなのか、どうぞ映画館でお確かめくださいませ。

  

                               

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あしたのパスタはアルデンテ
監督/フェルザン・オズぺテク、脚本/イヴァン・コトロネーオ、フェルザン・オズぺテク、撮影監督/マウリツィオ・カルヴェージ、音楽/パスカーレ・カタラーノ
出演
リッカルド・スカマルチョ/トンマーゾ、ニコール・グリマウド/アルバ、アレッサンドロ・プレツィオージ/アントニオ(兄)、エンニオ・ファンタスティキーニ/ヴィンチェンツォ(父)、
ルネッタ・サヴィーノ/ステファニア(母)、イラリア・オッキーニ/お祖母ちゃん、エレナ・ソフィア・リッチ/ルチアーナ(叔母)、ビアンカ・ナッピ/エレナ(姉)、マッシミリアーノ・ガッロ、パオラ・ミナッチョーニ/テレザ(お手伝いさん)、エマヌエーラ・ガブリエリ(ジョヴァンナ(お手伝いさん)、カロリーナ・クレシェンティーニ/若い頃のお祖母ちゃん、ジョルジオ・マルケ―ゼ/ニコラ(大叔父)、マッテオ・ターラント/ドメニコ(祖父)、カルミネ・レカーノ/マルコ(トンマーゾの恋人)、ダニエーレ・ペッチ/アンドレア(トンマーゾの友人)、ジャンルカ・デ・マルキ/ダヴィデ(トンマーゾの友人)、マウロ・バナッフィーニ/マッシミリアーノ(トンマーゾの友人)、ジェア・マルティレ/パトリッツァ(父の愛人)、ジャンカルロ・モンティジェッリ/ブルネッティ(共同経営者)、クレシェンツァ。グアルニエーリ/アントニエッタ(母の知人)
8月27日(土)シネスイッチ銀座ほか全国順次公開
2010年、イタリア、113分、配給/セテら・インターナショナル、協力/イタリア文化会館、バリラジャパン株式会社
http://www.cetera.co.jp/aldente/

by mtonosama | 2011-08-16 06:19 | 映画 | Comments(8)
あしたのパスタはアルデンテ 
                       Mine Vaganti

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                        (C) Fandango2010
                     
                      夏はやっぱりイタリアでしょう!

                      いえ、なんの根拠もありません。
              ただ、7月末にも「人生、ここにあり!」http://mtonosama.exblog.jp/16327490/ 
                   というイタリア映画を紹介したばかりなので…

                 「あしたのパスタはアルデンテ」。イタリア映画です。
                        原題”Mine Vaganti”。
                   Mine Vagantiの意味は“浮遊機雷”だそうです。
                      といっても、よくわかりませんね。

                   浮遊機雷というのは「海中を漂う機雷」のことで、
             もしも、船がそれに当たったら、そこでドッカーン。極めて危険な代物です。
                 転じて「どこで爆発するか、何をしでかすか、わからない人」                     
                      の意味らしいです。なるほど。

              その“浮遊機雷”が、なぜ「あしたのパスタはアルデンテ」となるのか。

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          日本よりも一足早く公開されたドイツでも“Männer al dente”〈アルデンテな男たち〉
         (“噛みごたえのある男たち”とでも訳すのでしょうか)というタイトルだったそうです。
        日本もドイツも「イタリアはパスタの国だからアルデンテと入れておけば間違いはないやね」
                         というところでしょうか。

監督はフェルザン・オズぺテク。1959年トルコ・イスタンブール生まれです。
77年にイタリアに移住し、ローマの大学に入学。
その後、シルヴィオ・ダミーコ国立演劇アカデミーの演出コースで学びました。
97年に監督デビュー作“Hamam”「私の愛したイスタンブール」が
カンヌ国際映画祭監督週間正式出品となり、世界の多くの国々で公開。
99年には第2作イタリア=フランス=トルコ合作の「ラスト・ハーレム」で、
オスマン・トルコ最後の日々を描き、
01年“Le fate ignorant”「無邪気な妖精たち」(イタリア映画祭上映)は
ベルリン国際映画祭に正式出品されて、フライアーノ映画祭では監督賞、
ニューヨーク・レズ&ゲイ映画祭で最優秀作品賞を受賞。

                                しかし…
                      レズ&ゲイ映画祭っていうのがあるんですね。

                           その後も着実に作品を発表。
               人間のコミュニケーションやセクシュアリティを取り上げる監督として、
                      評価の高いフェルザン・オズぺテク監督です。

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                    最新作「あしたのパスタはアルデンテ」は
              老舗のパスタ会社を経営する3代の家族の一人一人に暖かい目を向け、
          彼らが抱えているものを描き出した映画。そう、言ってみれば群像劇というジャンル。
                  家族の一人一人が主人公といっていいかもしれません。

                       家族間のコミュニケーション、
                         おばあちゃんの愛、
                       そして、ゲイの息子たち……

           少しばかりコンサバティヴな家族の中に出現したホモ・セクシャルな息子たちに
                       落胆するおとうさんのごとく、
          イタリア男といえば女好きで、ナンパ上手とばかり、思いこんでいたステレオタイプな
                 先入観にもガツンといっぱつ食らわせてくれる映画です。

                    さあ、浮遊機雷の正体とはいったい―――
                     続きは後編で。乞うご期待であります。

                                  

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監督/フェルザン・オズぺテク、脚本/イヴァン・コトロネーオ、フェルザン・オズぺテク、撮影監督/マウリツィオ・カルヴェージ、音楽/パスカーレ・カタラーノ
出演
リッカルド・スカマルチョ/トンマーゾ、ニコール・グリマウド/アルバ、アレッサンドロ・プレツィオージ/アントニオ(兄)、エンニオ・ファンタスティキーニ/ヴィンチェンツォ(父)、
ルネッタ・サヴィーノ/ステファニア(母)、イラリア・オッキーニ/お祖母ちゃん、エレナ・ソフィア・リッチ/ルチアーナ(叔母)、ビアンカ・ナッピ/エレナ(姉)、マッシミリアーノ・ガッロ、パオラ・ミナッチョーニ/テレザ(お手伝いさん)、エマヌエーラ・ガブリエリ(ジョヴァンナ(お手伝いさん)、カロリーナ・クレシェンティーニ/若い頃のお祖母ちゃん、ジョルジオ・マルケ―ゼ/ニコラ(大叔父)、マッテオ・ターラント/ドメニコ(祖父)、カルミネ・レカーノ/マルコ(トンマーゾの恋人)、ダニエーレ・ペッチ/アンドレア(トンマーゾの友人)、ジャンルカ・デ・マルキ/ダヴィデ(トンマーゾの友人)、マウロ・バナッフィーニ/マッシミリアーノ(トンマーゾの友人)、ジェア・マルティレ/パトリッツァ(父の愛人)、ジャンカルロ・モンティジェッリ/ブルネッティ(共同経営者)、クレシェンツァ。グアルニエーリ/アントニエッタ(母の知人)
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by mtonosama | 2011-08-13 06:43 | 映画 | Comments(6)
            ゴーストライター -2-
                   THE GHOST WRITER

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           (C)2010 SUMMIT ENTERTAINMENT, LLC. ALL RIGHTS RESERVED.

             まるでハリウッド映画のようにサスペンスフルなエンタテインメント。
                でありながら、「ああ、興奮した!」で終わらないのは、
                やはり、印象的な映像のもたらすものなのでしょうか。
                さすが、映像名人、ロマン・ポランスキーであります。

              陰鬱な雲が垂れこめ、絶え間なく打ち寄せる暗青色の波と白い波頭。
                      どこまでも続く荒涼とした海岸線。
              ストーリーはテンポ良く展開しますが、通底するのはこの荒涼感です。
               《英国人にとって一番大切なものはユーモア》といわれますが、
           こういう薄ら寒さを背景にしていたら、ユーモアがなければやっちゃいられません。
         そのあたりをどこか気のいいおにいさんって感じのユアン・マクレガーが好演してます。
                          さて、ストーリーですが―――

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ストーリー
降りしきる雨の中、フェリーが港に接岸。
闇の中にフェリーの船内だけがぽっかりと明るい。係員の指示に従って1台ずつ車が下船していく。
最後まで動かない1台の車。
そして、冷たい風の吹く砂浜では男の死体が波に洗われている。

ある日、代理人のリックが仕事を持ってきた。
元英国首相アダム・ラングの自叙伝をゴーストライティングする仕事だ。
ロンドンの出版社が提示した条件は、アメリカで講演中のアダム・ラングが滞在する島に
今夜中に発ち、1ヶ月以内に原稿を仕上げるというもの。厳しい条件だ。
僕は政治には興味がないし、条件が厳しすぎる。
このきつい仕事の代償は25万ドルという破格なもの。でも、気乗りがしない。
だって、前任者はフェリーから転落死し、僕はその後任だというのだ。

だが、リックに説得され、仕方なく出版社へと面接にでかけた。
そこには出版社NY支社の人間とアダム・ラングの弁護士がいた。
やる気などないから、言いたい放題しゃべってやった。
ところが、それが気に入られたのか、ゴーストライターの仕事を受けることに。

渡米準備のため、急いで家に帰る途中、強盗に襲われた。抑えていた不安がよみがえる。
ヒースロー空港の待合室では、アダム・ラングがテロ容疑者に対する拷問に加担した疑いがあるというニュース速報が流れている―――

飛行機を降り、アダム・ラングが滞在する島に向かうフェリーに乗り継ぐ。
そのフェリーは、僕の前任者マカラが転落死した船だった。
フェリーターミナルからアダム・ラングの邸宅へ。
f0165567_5382385.jpg

ラングが戻るまでの時間、前任者マカラの原稿に目を通す。
ひどい代物だ。ため息をついて、目を上げると、ラングの妻ルースが立っていた。
ルースと散歩にでかけ、僕をマカラの後任に推したのは彼女だと知る。
邸宅に戻ると、秘書のアメリアがラングを迎えに出るところだった。

ラングの乗った専用機が到着し、彼は手を振りながらタラップを降りてくる。
僕は、ラングに「あなたのゴーストです」と自己紹介した。
翌日から、早速ラングのインタビューだ。
彼の政界入りのきっかけは、選挙活動を手伝っていたルースに一目惚れしたからだという。

そこへ、ニュースが入った。
元英国外相リチャード・ライカートが、ハーグ国際刑事裁判所に、
ラングが加担したとされる拷問事件の調査を依頼したというのだ。
ラングは声明を出す。書いたのは僕・ゴーストだ。
出版社はこのスキャンダルを最大限利用するため、あと2週間で原稿を仕上げろ、と言ってくる。

翌朝、僕が滞在するホテルは報道陣で溢れかえっていた。
僕はラング邸に移動することに。用意された部屋は前任者マカラの部屋。
そこにはマカラが集めた資料や写真がそのまま遺されていた。

そして、マカラが1枚の写真の裏に書きつけた電話番号に気付いた。
その番号の主はラングの拷問事件への関与を疑う元外相リチャード・ライカートのものだった。
なぜ、マカラがランカートに?
湧きあがる謎と疑問。僕は行動を開始した……


f0165567_5445590.jpg

                  ストーリーは小気味良いテンポで繰り広げられます。
             気の良い僕・ゴーストが疑問を解決するにつれて、危険な思いを積み重ね、
               どんどん国家のダークサイドに首をつっこまざるを得なくなる状況。

                ありそうでありえない、ありえないけどもしかしたら―――
            という怖さに、追い詰められつつ迎える真相の究明。そして、暗転のラスト。

                   う~ん、ポランスキー監督、魅せてくれますねぇ。

  

                                 

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ゴーストライター
監督/ロマン・ポランスキー、製作/ロマン・ポランスキー、ロベール・ベンムッサ、アラン・サルド、脚本/ロバート・ハリス、ロマン・ポランスキー、原作/ロバート・ハリス「ゴーストライター」(講談社文庫刊)、撮影監督/パヴェル・エデルマン、音楽/アレクサンドラ・デスプラ
出演
ユアン・マクレガー/ゴースト、ピアース・ブロスナン/アダム・ラング、キム・キャトラル/アメリア・ブライ、オリヴィア・ウィリアムズ/ルース・ラング、トム・ウィルキンソン/ポール・エメット、ティモシー・ハットン/シドニー・クロール、ジョン・バーンサル/リック、ティム・プリース/ロイ、ロバート・パフ/リチャード・ライカート、ジェームス・ベルーシ/ジョン・マドックス、デヴィッド・リントゥール/ストレンジャー、イーライ・ウォラック/老人
8月27日(土)ヒューマントラストシネマ有楽町&渋谷ほか全国ロードショー
2010年、仏・独・英、128分、配給/日活 
http://ghost-writer.jp/

by mtonosama | 2011-08-10 06:03 | 映画 | Comments(8)
            ゴーストライター -1-
                 THE GHOST WRITER

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           (C)2010 SUMMIT ENTERTAINMENT, LLC. ALL RIGHTS RESERVED.

                  巨匠ロマン・ポランスキー監督の最新作です。
             ポランスキー監督、1933年生まれですから、今年78歳ですね。
                  「水の中のナイフ」(‘62)が監督デビュー。
               半世紀にわたって映画を撮り続けている監督です。
 
                            だから、
              皆さまもそれぞれお気に入りの作品があることと思います。
                      
                      「戦場のピアニスト」(‘02) 
                        感動的でしたねぇ。

                      「チャイナタウン」(‘74) 
       ジャック・ニコルソン演じる私立探偵ジェイクが鼻をそがれるところしか覚えていませんが、
     ジェイクがフェンスの金網に指をかけ、あの大きな眼をひんむいているところは鮮明に浮かびます。

                    「ローズマリーの赤ちゃん」(‘68) 
              どうしても陰惨なシャロン・テート事件と結びついてしまう上に、
 ミア・ファーローのいつも肩をすくめたような緊張した細い身体が不気味さと恐怖をそそった映画でした。
                     ええ、不気味な映画、好きなんです。
                        
                       「吸血鬼」(‘67) 
 とののポランスキー初体験はこの作品です。「吸血鬼は鏡に映らない」、「吸血鬼は流れる水に弱い」等々、
                 吸血鬼の常識満載で、怖くて面白かった記憶があります。
         しかし、なによりショッキングだったのは、”The End”と出て、エンドロールも流れ、
          気の早い人はもう席を立ち始める頃、ジャジャーンとラストシーンが現れたこと。
            この斬新な構成に仰天して以来、何が起ころうともエンドロールが終わり、
                  周囲が明るくなるまで座席にしがみついているとのです。

            というわけで、ポランスキーの映画って、あらすじは覚えていなくても、
                      どの作品にも印象的なシーンが必ずあり、
              視覚的な印象ということでは無声映画に通じる映画の醍醐味があります。

               「ゴーストライター」もその系譜はしっかり継承しています。
                    試写を観てから1ヶ月以上経った今もまだ
                アメリカ東海岸の晩秋の荒れた海を進むフェリーボートや、
               荒涼とした海辺に打ち上げられた死体が脳裏から離れません。
              おっと、いけない。最初っから、ネタばれモード全開ではないですか。

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             いや、しかし、ロマン・ポランスキー監督は大変な人生を送っています。
ユダヤ教徒のポーランド人の父親とカトリック教徒でロシア生まれのポーランド人の母親の間に、
パリで生まれる。ロマンが3歳のとき一家はポーランドのクラクフに引越し、そこで幼少期を過ごした。
第二次世界大戦時はナチス・ドイツがクラクフに作ったユダヤ人ゲットーに押し込められた。ゲットーのユダヤ人が一斉に逮捕される直前、父親はゲットーの有刺鉄線を切って穴を作り、そこからロマンを逃がした。父母は別々に連行され、母親はアウシュビッツで虐殺された。
父親は採石場で強制労働をさせられ、終戦まで生き残った。
また自身も、ドイツに占領されたフランスのヴィシー政権下における「ユダヤ人狩り」から逃れるため転々と逃亡した。この体験がポランスキーの作品に深く影響を与えることとなった。
第2次世界大戦終了後はポーランドに帰国し、生き延びた父と再会を果たす。
その後は映画に興味を持ち、50年代には冷戦下のポーランドで俳優となったが、自由な活動を求めてフランスに移った。(Wikipediaより)

                        出ました、ヴィシー政権!
                          そうなんですね。
  まさにポランスキー監督は「黄色い星の子供たち」http://mtonosama.exblog.jp/16213471/ だったわけです。

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                とはいえ、最新作「ゴーストライター」は戦争映画ではありません。
             有名な政治家(英国首相ですけどね)の自伝を書くことになったばかりに、
          名誉欲も、金銭欲もない、平凡な英国人ライターが知らなくてもいい国家の秘密を
               知ることになってしまうという巻き込まれ型サスペンスです。

          ユアン・マクレガーがいちいち余計なひと言を言わずには気がすまないという
             英国人気質のゴーストライター役で実に良い味を出しています。

                   さて、さて、いったいどんなお話なのでしょう。
                          乞うご期待であります。

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ゴーストライター
監督/ロマン・ポランスキー、製作/ロマン・ポランスキー、ロベール・ベンムッサ、アラン・サルド、脚本/ロバート・ハリス、ロマン・ポランスキー、原作/ロバート・ハリス「ゴーストライター」(講談社文庫刊)、撮影監督/パヴェル・エデルマン、音楽/アレクサンドラ・デスプラ
出演
ユアン・マクレガー/ゴースト、ピアース・ブロスナン/アダム・ラング、キム・キャトラル/アメリア・ブライ、オリヴィア・ウィリアムズ/ルース・ラング、トム・ウィルキンソン/ポール・エメット、ティモシー・ハットン/シドニー・クロール、ジョン・バーンサル/リック、ティム・プリース/ロイ、ロバート・パフ/リチャード・ライカート、ジェームス・ベルーシ/ジョン・マドックス、デヴィッド・リントゥール/ストレンジャー、イーライ・ウォラック/老人
8月27日(土)ヒューマントラストシネマ有楽町&渋谷ほか全国ロードショー
2010年、仏・独・英、128分、配給/日活 
http://ghost-writer.jp/

by mtonosama | 2011-08-07 07:05 | 映画 | Comments(10)
                      ミラル -2-
                          Miral

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(C)PATHÉ - ER PRODUCTIONS - EAGLE PICTURES - INDIA TAKE ONE PRODUCTIONS with the participation of CANAL + and CINECINEMA A Jon KILIK Production

    1947年、国連はパレスティナを、ユダヤ国家、アラブ国家、エルサレムに3分割する案を可決しました。
                 翌1948年5月、イスラエル建国宣言が行われます。

  その1ヶ月前、エルサレムの路上にはユダヤ民兵組織によって親を殺された孤児たち55人の姿がありました。

                「うわっ、可哀想だよ」とここでひかないでくださいね。

           この孤児たちとヒンドゥ・ホセイニというパレスティナ人女性の出会いが、
         パレスティナ問題解決のための、遠いけれども、確かな道となっていくのですから。

                 これは実話です。さあ、どんなお話なのでしょう。

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ストーリー
Hind(ヒンドゥ)
ヒンドゥ・フセインはエルサレムに住む裕福なパレスティナ人。
1947年のクリスマス。ヒンドゥはイスラム教徒だが、邸内にクリスマスツリーを飾り、
外国人も招いて、イエス・キリストの生誕祭を祝っていた。

翌年4月、イスラエル建国宣言1ヶ月前のエルサレム。
ヒンドゥは路上で震えている55人の子供たちに出会う。
ユダヤ民兵組織に家族を殺されて逃げてきた子供たちだった。
ヒンドゥは彼らを屋敷に連れ帰り、空家になっていた祖父の家で保護することに。
これがダール・エッティフル(子供の家)と名付けられた学校の始まりだった。
幼稚園から高校生までの孤児たちが学びながら生活するダール・エッティフルに、
ヒンドゥは私財のすべてを投入。
その志と熱意は要人たちの心を動かし、彼らの支援も得ることができた。

1967年、六日戦争(第3次中東戦争)が起こり、ダール・エッティフルのある
東エルサレムがイスラエルの軍事占領下に。
親を失う子供の数は毎日増えていく。
ヒンドゥの理解者であるモスクの導師シャマールも孤児たちを学校に連れてくる。
今や、生徒数は2000人に達していた。

ある日、ヒンドゥは学校を訪ねてきた国連軍のエディを案内。彼とは旧知の間柄である。
ダール・エッティフルがイスラエルの軍事占領下に入ってから孤児の受け入れが難しくなったと
嘆くヒンドゥにエディは協力する。
なにもかも投げうち、学校のために働くヒンドゥ。その目的は―――
「子供たちにパレスティナ人としての自覚を持たせたい。
自分たちのルーツを誇りにして生きてほしい」…

Nadia(ナディア)
イスラエル国籍を持つパレスティナ人のナディアは継父からの性的虐待を受け、家出。
夜の酒場でダンスをして、生活費を稼いでいる。
ある日、ナディアはバスの車内でユダヤ人の女性と口論になり、彼女を殴ってしまう。
イスラエル占領下ではユダヤ人が優位にあり、ナディアは6ヶ月の懲役刑を受ける。
刑務所での同房者ファーティマは元看護師。
過度の飲酒で弱った彼女を優しく看病してくれるのだった…

Fatima(ファーティマ)
六日戦争が始まり、ファーティマの勤務する病院には多くの傷ついた兵士が運び込まれた。
負傷兵はすべてイスラエル側の捕虜にされると聞き、彼女は回復した兵士を故郷に帰すのだった。
だが、そのために病院を解雇されたファーティマ。彼女はイスラエルへの怒りからテロ組織に参加。
爆弾を身につけ、映画館へ。
爆弾は不発だったが、逮捕されたファーティマは無期懲役を科せられる。

刑務所の面会室にはファーティマの兄ジャマール導師の姿があった。
彼女は、間もなく刑期を終えるナディアの身元を引き受けてくれるよう、兄に依頼。

ナディアとジャマールはやがて結婚。
ミラルという女の子を授かるが、どうしても心の傷から立ち直れないナディアは…

Miral(ミラル)
ジャマールは全身全霊を傾けてミラルを愛した。
だが、母・ナディアのような道を歩ませることだけはしたくないと、
幼いミラルをダール・エッティフルへ預ける決断をする。
この日からヒンドゥが、ミラルの師となり、母となるのだった。

1987年ミラルは17歳の聡明で美しい娘に成長。
その年は、イスラエルの占領に屈してきたパレスティナ人が蜂起《インティファーダ》を
起こした年であった。
ダール・エッティフルは閉鎖されてしまう。
ヒンドゥは教育こそが平和への道であるという信念から、
ミラルたち生徒を教師として難民キャンプに派遣する。

難民キャンプで生徒達が見たものは、イスラエル軍がパレスティナ人たちの住居を破壊する姿だった。

これに怒ったミラルたちは、ヒンドゥの制止を無視して、インティファーダに参加。
そのさなかに親友が流れ弾に当たって死亡。
動転するミラルを助け出したのは活動家のハーニだった。
やがて、ミラルはハーニの組織に出入りするようになる…


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     第2次世界大戦以降のパレスティナ問題の流れをヒンドゥという卓越した女性の人生を軸に、
                  その時代を生きる女性たちの人生を描いた「ミラル」。

              ヒンドゥが非戦と教育でパレスティナ問題の解決に努めた花であるなら、
               ミラルはそこで育ち、学び、巣立っていったパレスティナの未来の花。
               ナディアやファーティマもまたパレスティナの地に咲く名もない花々。

    映画のタイトルこそ「ミラル」ですが、それぞれの女性の名前がスクリーンに小タイトルとして示されながら、
                            物語は展開していきます。
         これはパレスティナ問題の現実を、この地に生きる女性たちを通して描いた映画です。

                     ヒンドゥというガンジーのように気高い意志を貫く女性。
    男女間の癒しがたい不平等の犠牲者であり、イスラエル国籍を持ちながら劣等市民としての扱いを受け、
                           人生に絶望していくナディア。
                   看護師からテロリストに転身し、獄中にあるファーティマ。
                    そして、ジャーナリストとして世界で活躍するミラル。

                     パレスティナ問題はいまだ解決はしていません。
                  イスラエルは大量兵器を投入し、ガザ地区への攻撃を繰り返し、
             パレスティナ人は自爆テロで対抗しています。状況だけを見れば、絶望的です。

             しかし、ミラルに続く第2、第3のミラルが育っていることも疑いのない事実でしょう。
           ヒンドゥが種をまいた学校はまだまだ気が遠くなるような時間を要するかもしれませんが、
                        非戦による問題解決の道を整えつつあるのでしょう。

          ダール・エッティフルを巣立ったルーラ・ジブリールが著した「ミラル」という本に触発された
                           ジュリアン・シュナーベルの最新作。 
                      ラストに流れるトム・ウェイツの歌も印象的でした。
                       この夏、ぜひ堪能していただきたい作品です。 

  

                               

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ミラル
監督/ジュリアン・シュナーベル、原作・脚本/ルーラ・ジブリール、プロデューサー/ジョン・キリク、撮影監督/エリック・ゴーティエ「イントゥ・ザ・ワイルド」「夏時間の庭」、編集/ジュリエット・ウェルフリング
出演
フリーダ・ピント「スラムドッグ&ミリオネア」/ミラル、ヒアム・アッバス「扉をたたくひと」/ヒンドゥ・ホセイニ、アレクサンダー・シディグ/ジャマール、オマー・メトワリー/ハーニ、ヤスミン・アルーマスリー/ナディア、ルバ・ビラール/ファーティマ、ウィレム・デフォー「アンチクライスト」/エディ、ヴァネッサ・レッドグレイヴ/ベルタ
8月6日(土)より渋谷・ユーロスペースほか全国順次公開、
2010年、フランス・イスラエル・イタリア・インド、英語、112分、字幕翻訳/渡邊貴子、配給/ユーロスペース+ブロードメディア・スタジオ、協力/コミュニティシネマセンター
http://www.miral.jp/

by mtonosama | 2011-08-04 06:39 | 映画 | Comments(2)