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       歴史は女で作られる -1-
                         Lola Montes

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       呪われた映画、とまで言われた1955年製作のフランス映画「歴史は女で作られる」。
    昨年2月にはファム@トウキョウで上映されましたが、http://mtonosama.exblog.jp/12875369/
               今回、デジタル・リマスター版で初めて日本公開されます。
       12月23日より1月13日までの3週間限定公開ですので、なにとぞお見逃しなきよう。

監督は「女性映画」の巨匠、マックス・オフュルス。
彼はドイツに生まれ、フランスに帰化した人物。
1902年、もともとはフランス領であるザールブリュッケンに生まれる。本名はマックス・オッペンハイマー。
舞台俳優であったが映画とかかわりを持つようになり、1931年に映画監督としてデビューした。
第二次世界大戦中にフランスへ亡命(フランス国籍を得る)、1941年に渡米。ハリウッドで『風雲児』、『忘れじの面影』などを撮る。
1950年にヨーロッパに戻り、1957年、心臓病のためハンブルクにて死去した。息子マルセル・オフュルスは映画監督、ドキュメンタリー作家としても活躍している。 (Wikipediaより)

              しかし、この映画、なにゆえ呪われた映画といわれるのでしょうか。

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  8億フランの莫大な費用を投じ、総天然色シネマスコープ作品としてつくりあげられた「歴史は女で作られる」。
      監督が巨匠マックス・オフュルス、主演は当代きっての人気女優マルティーヌ・キャロルとあって、
               超大作映画として、企画の段階から大いに期待されていました。
                       ところが、パリの初公開で大コケ。
            焦った製作者たちが、オフュルス監督が休暇で留守にしているのをいいことに、
                    作品をズタズタにカットしてしまったのでした。

                             えーーーっ!

              この事件を知ったジャック・リヴェットとフランソワ・トリュフォーは
 憤るオフュルス監督にインタビューして映画評論誌“カイエ・デュ・シネマ”(‘57 72号)に真相を公開しました。

        そして、この仕打ちで怒り心頭に発していた監督は同年54歳で亡くなってしまったのです。

                      あんまりです!ひどいじゃないですか!
                      これがいわゆる憤死ってやつですよね。
                         憤りながら死ぬなんて・・・・・
                       どれほど無念だったことでしょう。

                  以上、呪われた映画といわれる所以でありますが、
            呪っていいのは、そんなひどい仕打ちを受けたオフュルス監督であり、
                   呪われるべきなのは製作者サイドであります。

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   とはいえ、“呪われた映画”という惹句にそそられて、ほいほい観に出かけたのでありますが-----

                   いったい、なんで、これが大コケしたので?
                  なんですと!?日本でも当たらなかったですと?
                       当時の観客の目は節穴ですかっ。

               と、そこまでえらそーに言える筋合いのものではありませんが、
                   いや、ホント、ファーストシーンの意外性に始まり、
           ラストでは、グーッと襟首つかんで、つかんで、ポイッと突き放す気の持たせ方、
              まさに、年増女の手練手管そのもの。さすが、女性映画の巨匠です。
             最初から最後まで、華麗な色彩と構成に釘付けになってしまいました。

             草葉の陰のオフュルス監督も「おお、おれが撮ったとおりじゃないか!」と
             喜ばれるのは間違いなしでございます。どうぞ無念をお晴らしくださいませ。

         ローラ・モンテスの恋の遍歴を完全復元したデジタル・リマスター版「歴史は女で作られる」。
                          さてさて、どんなお話でしょうか?

                                  

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歴史は女で作られる
監督・脚本/マックス・オフュルス
出演
マルティーヌ・キャロル、ピーター・ユスチノフ、アントン・ウォルブルック
映画「歴史は女で作られる」デジタル・リマスター完全復元版
12月23日(金・祝)-1月13日(金)まで3週間限定!
渋谷シアター・イメージフォーラムにて公開!
1956年-2009年、フランス、110分、配給/紀伊國屋書店、マーメイドフィルム、配給協力/(社)コミュニティシネマセンター、後援/東京日仏学院、uniFlance Films、協力/アニエス・ベー、ロレアル、http://www.eiganokuni.com/meisaku4-rekishi/

by mtonosama | 2011-12-08 06:41 | 映画 | Comments(8)
                      無言歌 -2-
                          夾辺溝
                        The Ditch

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       ⓒ2010 WIL PRODUCTIONS LES FILMS DE L’ÉTRANGER and ENTRE CHIEN ET LOUP



             万里の長城の西の果ては砂に埋もれてしまっているとか・・・・・

              1957年、より良い社会を目指し、溌剌と意見を述べた人々が、
       その数カ月後には辺境の地で厳しい労働に従事させられ、餓えて死んでいきました。

                 文化大革命といえば、誰でも知っていますが、
         反右派闘争というと「なに?それ」とおっしゃる方が多いのではないでしょうか?
            とのも、なんとなく聞いたことがあるけどよくは知りませんでした。

   中国でこれについて語ることは未だタブーであり、実際、本作は中国では公開されていません。

               原作はヤン・シェンホイ(楊顕恵)の小説「告別夾辺溝」。
 監督は2004年に脚本を書き始め、さらに3年間にわたって収容所からの生存者たちをリサーチしました。
       苦労して生存者を見つけ出しても、当時のことを話したがらない人もいたそうです。
                       それはそうだと思います。
    右派のレッテルを貼られた人が中国で、堂々とインタビューに答えることは難しいでしょうし、
                このまま忘れてしまいたい辛い記憶であったに違いありません。
      でも、本作を構成するのはそうした思いを抑えつけて証言した生存者たちの言葉です。
       画像にある、草の種を拾う老人はそうした貴重な生存者のひとりなのだそうです。

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       じいちゃん、ばあちゃんに弱いとのはもう写真を見るだけで涙腺がシュワシュワしてきます。

ストーリー
1960年10月。風が鳴り、痛いほどに砂が身体に打ちつける荒野。
一本の木もなく、空も大地も果てもなく広い。
中国西部甘粛省、夾辺溝労働教育農場。

テントの前に集められた男たちが、それぞれの壕に振り分けられていく。
男たちは反革命思想の持ち主だとして、農業に従事することによって思想を改造するために、
この地に送られた。農場と名がついてはいるが、むしろ収容所と呼ぶ方がふさわしい場所だが。

彼らの労働は7万畝(約4700ha)もある荒野を開墾すること。
班長の陳が所長に呼ばれ、男たちの稼働状況を訊かれる。
陳は「3分の1は歩けず、働けません」と答える。

夜。陳と同壕の董は食糧と交換できるものがシャツとズボンしかないことを心配している。
董はロンジンの腕時計を持っているが、時計などあっても食べ物とは交換できないとつぶやく。

朝。また誰かが死んだ。零下20度にもなるこの荒野では夜の間に死ぬものが多い。
死体は毛布にくるまれ、沙漠へ運ばれる。

食糧配給は1日250グラムに減らされ、みな餓死を待つばかりだ。
荒れ果てた土地に生える雑草から1粒でも多く種を採ろうとする老人がいる。
ネズミを捕まえ、煮て食べる者もいる。
ある日、所長の命令で男たちが集められた。「人食いは前へ出ろ!」
飢えは既に極限状態だった。

董が隣のベッドの李に頼んだ。
「もし僕が死んだら、壕の一番奥に置いてくれ。そして、妻が訪ねてきたら、
僕の遺体を上海に運ぶように、伝えてくれ」。
董もその妻も上海の病院に勤める医師だった。
妻や家族の反対を押し切って、この地にやってきた董は今、心から悔いている。
そして、「ここにだけは埋められたくない」と願っていた。
翌朝、董は死んだ。
約束通り、李は彼の遺体を壕の一番奥に隠したが、所長に見つけられてしまう。
沙漠に埋められる董。

数日後、董の妻がやってきた。
李は「董は外出している」と嘘をつく。
だが、素直に夫を待ち続ける女に嘘をつき続けることができなくなった李。
夫の死を知り、女は泣く。
悲鳴のような彼女の泣き声は沙漠に吹き荒れる砂嵐よりも激しく、哀しげだった。

そして、李は脱走を決意する……


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ああ、切ない。
一体、何なんでしょう。国の方針がこれほどコロコロ変わることが許されるのでしょうか。
都合の悪い過去はなかったことにしていいのでしょうか。
反右派闘争を万里の長城のように砂に埋もれさせてしまってはいけません。

この映画で描かれたことは、夾辺溝での収容所生活を生き抜いた人々の証言から成り立っています。
ドキュメンタリー映画の鬼才、ワン・ビン(王兵)監督ならではの説得力と映像美。
広大無辺な荒野と空がこれほど絶望的な光景とは知りませんでした。
同時に、むき出しの土壕に射し込む朝の光がこれほど美しいものとも知りませんでした。
どんなに絶望的な夜も必ず明ける、ということは大きな救いです。

この非人間的な過去を中国4000年の歴史にきちんと書き加えなければいけません。



                                  

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無言歌
監督・脚本/ワン・ビン(王兵) ヤン・シェンホイ著(楊顕恵)「告別夾辺溝」と多くの実際の生存者たちの証言に基づく 美術監督/バオ・リーゴォ(宝力格)、シャン・ホンホイ(相紅輝)、撮影/ルー・ション(蘆晟)
出演
ルウ・イエ(蘆野)/リー・ミンハン(李民漢)、リェン・レンジュン(廉任軍)/チェン(陳)班長、シュー・ツェンツー(徐岑子)/ドン(董)の妻、グー(顧)、ヤン・ハオユー(楊皓宇)/ドン・ジェンイー(董建義)、チョン・ジョンウー(程正武)/ウェイ・チャンハイ(魏長海)、ジン・ニェンソン(景年松)/ジー・チェングァン(季辰光)、リー・シャンニェン(李祥年)/草の種を拾う老人
12月17日(土)ヒューマントラストシネマ有楽町ほか全国順次ロードショー
2010年、香港・フランス・ベルギー合作、109分、http://mugonka.com/

by mtonosama | 2011-12-05 08:50 | 映画 | Comments(10)
                     無言歌 -1-
                         夾辺溝
                        The Ditch

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     ⓒ2010 WIL PRODUCTIONS LES FILMS DE L’ÉTRANGER and ENTRE CHIEN ET LOUP



                               無言歌。
             無言の歌。歌のない楽曲?つまりインストルメンタルってことですかねぇ。

                              Wikipediaには
  「無言歌は、ロマン派音楽の伝統的な抒情的小品または性格的小品の一種。『言葉のない歌』という意味で、
                     器楽曲、中でも主にピアノ独奏曲に用いられる」
                 とありますが、どうもこの映画のタイトルとしてはピンときません。

                              無言の歌・・・・・
                この言葉にまつわるうらさびしさの正体はいったいなんなのでしょう。

    2010年ベネチア国際映画祭でサプライズ上映され、絶賛を浴びた王兵(ワン・ビン)監督の「無言歌」。
         王兵(ワン・ビン)監督、1967年生まれの44歳。世界の注目を集める鬼才です。
                       今回が初の日本公開になります。

     「鉄西区」、「鳳鳴(フォンミン)――中国の記憶」で山形国際ドキュメンタリー映画祭の
  2度にわたるグランプリをはじめ、リスボン、マルセイユ、ナントなどの国際映画祭でグランプリを受賞。

鉄西区」(‘99 ~‘03)3部構成545分
1部 工場 240分
2部 街  175分
3部 鉄路 130分
日本占領中に設立され、大規模な工業地域に変貌していった中国東北部瀋陽にある鉄西区。
廃れゆくこの地域を3部構成の中に描き出した9時間に及ぶ超長編ドキュメンタリー。
地域を限定し、長時間をかけて記録することによって中国社会が抱える現実を浮き彫りにし、
王兵(ワン・ビン)の名前を世界に轟かせた伝説的作品。

鳳鳴(フォンミン)――中国の記憶」(‘07)183分
1950年代以降の反右派闘争や文化大革命の粛清運動で数々の迫害を受け、
1974年に名誉回復するまでの、約30年にわたる鳳鳴(フォンミン)という女性の物語が
細部にわたる詳細な記憶で語られる。
カメラに向かって語り続ける老女の姿に、中国現代史と映画の可能性が同時に交差する感動的な傑作。

              グランプリを受賞したこの2作はドキュメンタリー作品ですが、
       今回、日本初公開となる「無言歌」は王兵(ワン・ビン)が初めて取り組む長編劇映画です。
                  あ、長編といっても109分ですから、ご安心を。

                     「鉄西区」はかなりそそられます。
                   かつての隆盛、そして、現在の廃屋、廃工場。
                観たいのですが、9時間もの作品となると、ちょっと・・・・・

         でも、そういえば、ある家族の歴史を1966年から2003年までのイタリアの歩みに
         重ねて描いたマルコ・トゥリオ・ジョルダーナ監督の超大作「輝ける青春」(‘05)も
           6時間6分(2部構成)でしたが、その時間は全然気になりませんでした。

            機会があれば、9時間の「鉄西区」にも挑戦してみることにします。

                 いえいえ、とのの決意などはどうでもいいのです。

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ただ、王兵(ワン・ビン)監督は、
現在もなお中国ではそれについてふれることが
タブーとされる反右派闘争を描いた監督であること、
「無言歌」という作品は、
ゴビ砂漠の夾辺溝という場所にある収容所で
〈再教育〉される人々の日々を描いた映画であることにご注目いただければと存じます。



反右派闘争
1949年 中華人民共和国成立。
1956年 ソ連でスターリン批判が行われたのをきっかけとし、中国でも〈百花斉放・百家争鳴〉という運動が推進された。中国共産党の独裁に反対するストライキや学生運動が発生。党もまた批判を積極的に奨励した。

百花斉放―― 一斉に花が咲くようにあらゆる意見を自由に発表する

1957年6月 毛沢東は人民日報に「少数の右派分子が共産党の整風を助ける名目で、共産党と労働者、社会主義を転覆させようとしている」という社説を掲載。
党に対して批判的な発言をした人々を「右派分子」として粛清する反右派闘争が始まった。

          さあ、どんなお話なのでしょうか。続きは次回までしばしお待ちくださいませ。

                                 

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無言歌
監督・脚本/ワン・ビン(王兵) ヤン・シェンホイ著(楊顕恵)「告別夾辺溝」と多くの実際の生存者たちの証言に基づく 美術監督/バオ・リーゴォ(宝力格)、シャン・ホンホイ(相紅輝)、撮影/ルー・ション(蘆晟)
出演
ルウ・イエ(蘆野)/リー・ミンハン(李民漢)、リェン・レンジュン(廉任軍)/チェン(陳)班長、シュー・ツェンツー(徐岑子)/ドン(董)の妻、グー(顧)、ヤン・ハオユー(楊皓宇)/ドン・ジェンイー(董建義)、チョン・ジョンウー(程正武)/ウェイ・チャンハイ(魏長海)、ジン・ニェンソン(景年松)/ジー・チェングァン(季辰光)、リー・シャンニェン(李祥年)/草の種を拾う老人
12月17日(土)ヒューマントラストシネマ有楽町ほか全国順次ロードショー
2010年、香港・フランス・ベルギー合作、109分、http://mugonka.com/

by mtonosama | 2011-12-02 07:14 | 映画 | Comments(9)