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殿様の試写室

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殿が観た最新映画をいち早くお知らせ!

<   2013年 04月 ( 11 )   > この月の画像一覧

モネ・ゲーム -1-
Gambit

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(C)2012 Gambit Pictures Limited


「モネ・ゲーム」。
最初、「マネー・ゲーム」と思い込んでいました。
耳も目もおかしい150歳です。
オリジナル・タイトルはGambit。

Gambitって?

辞書によりますと、

1.[チェス]〈ポーンなどを捨て駒にする〉序盤のさし手
2.[通例 an opening gambit]〈交渉などで〉口火となる言葉[行動]、先制的な言葉[行動]
3.話題;策略、戦略、計略〈tactics〉

だそうです。となると、この映画の場合は3.の「策略、戦略、計略」でしょうか。
うん、おそらく、そうでしょう。

コリン・ファース演じる冴えない美術鑑定士が、
イヤミで横暴な億万長者、そして、彼の雇い主であるメディア王を相手にしかけた完全犯罪。
お宝鑑定泥棒エンタテインメント映画であります。

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実は、この「モネ・ゲーム」。
1966年にシャーリー・マクレーンとマイケル・ケインが共演した
「泥棒貴族」(Gambit)のリメイク版。

泥棒貴族
詐欺師のハリー(マイケル・ケイン)は、中東の富豪が所有する、古代中国の胸像を盗み出す計画をたてた。彼はその第一歩として、ナイトクラブの踊り子(シャーリー・マクレーン)を味方に引き入れる。彼女をつかって、富豪に接近しようと言うのだが……
おしゃれな泥棒の冒険を描いたロマンティックなコメディ。

本作のプロデューサー、マイク・ロベルがまだ映画業界に入る前のこと、
「泥棒貴族」の英国プレミア上映会に出席し、いたく楽しんだとご想像ください。
それから14年。
ユニヴァーサル・スタジオと契約し、映画プロデューサーとして成功したロベル氏。
その後、何年か経ち保管室の映画を調べていた折、
なんと、あの時の「泥棒貴族」を発見。

ああ、これぞ運命の再会!とリメイクを決意。
ロベル氏が、その脚本の執筆に起用したのがコーエン兄弟でした。

兄弟の脚本は、詐欺計画を実行する男の物語ということ以外はまったく新しくなり、
若干、類型的ではありますが、
アメリカ文化と英国文化の違いを扱ったコメディ作品に生まれ変わりました。

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モネ「積みわら~朝~」

さて、邦題になった「モネ・ゲーム」のモネ。
日本人はモネが好きですからね。なかなか良いタイトルといえるでしょう。

本作に登場する2つのモネの名画「積みわら ―夜明け」と「積みわら ―夕暮れ」は
モネの名作「積みわら」シリーズからヒントを得てオリジナルに作成されました。
撮影は、映画用に用意された作品を使用しています。


モネ
『積みわら』は、印象派を代表するフランス人画家クロード・モネの作品。収穫後の畑に積まれた干し草の山を描いた一連の絵画の総称。同じ主題を、異なる時間、季節、天候それぞれの光の下で描き分けた作品群としてよく知られ、当時モネが住んでいたフランス・ジヴェルニーの家のすぐそばにあった畑をモデルに描かれた作品である。
『積みわら』はモネの作品の中でも最も重要な絵画となっている。モネの絵画を多くコレクションしている美術館として、パリのオルセー美術館、マルモッタン美術館、マサチューセッツのボストン美術館、ニューヨークのメトロポリタン美術館、ニューヨーク近代美術館、東京の国立西洋美術館などがあげられるが、25点の『積みわら』のうち6点がイリノイのシカゴ美術館の所蔵となっている。その他、ボストン美術館に2点、オルセー美術館に1点、ロサンゼルスのゲティ・センター 、1888年から1898年に描かれた『積みわら』の初期バージョン5点のうち1点も所蔵するコネチカットのヒルステッド美術館 、エディンバラのスコットランド国立美術館、ミネソタのミネアポリス美術館、チューリッヒのチューリッヒ美術館 、バーモントのシェルブーン・ミュージアム が挙げられ、個人が所蔵している作品もある。(Wikipediaより)

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モネ「積みわら 夕陽」

というわけで長々とモネ「積みわら」について引用してしまいましたが、
これがオリジナルタイトル“Gambit”と深く関わってくるのでご容赦くださいませ。
さて、いったいどんなお話なのでしょうか。乞うご期待でございます。



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モネ・ゲーム 
監督/マイケル・ホフマン、脚本/ジョエル・コーエン&イーサン・コーエン、製作/マイク・ロベル、アダム・リップ、撮影/フロリアン・バルハウス
出演
コリン・ファース/ハリー・ディーン、PJ・プズナウスキー/キャメロン・ディアス、アラン・リックマン/ライオネル・シャバンダー、トム・コートネイ/ネルソン少佐、スタンリー・トゥッチ/マーティン・ザイデンベイバー
5月17日(金)TOHOシネマズ六本木ヒルズほか全国ロードショー
2012年、アメリカ、90分、配給/ギャガ、http://monetgame.gaga.ne.jp/

by Mtonosama | 2013-04-29 06:58 | 映画 | Comments(7)
17歳のエンディングノート -2-
NOW IS GOOD

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(C)2012 Blueprint Pictures (Now) Limited, BBC and The British Film Institute. All Rights Reserved.


テッサのやりたいこと。
お酒を飲む、パーティで一晩中踊る、一人暮らし、SEX、有名人になる、ハワイでサーフィン、法律を破る、
ドラッグ、車の運転、グラストンベリー・フェスへ行く、タトゥーを入れる、インドで象に乗る、レイシストを殴る、
マウンテンスキー、朝日を見て、夕日を見る・・・・・・

おいおい。
とのがテッサの母親だったら、「ちょっとそれはどうかな、テッサちゃん」なんて部分もあるかも。
でも、「この子は後数カ月しか生きられないんだから」って思ったり――

と、そんな自問自答に耐えられなくなったのか、
テッサの母親は、娘のことを夫に全て任せて、病気に目を向けようとしません。
現実逃避のママとテッサにのめりこむパパ。
実はどっちも少し面倒くさいから、彼女はこのリストを誰にも見られないように隠しているんですけどね。

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そもそも、なぜ彼女はあと数カ月しか生きられないのでしょうか?

映画は、テッサが白血病と診断されてから4年後に始まります。
彼女は医師から病気が末期に入ったことを告げられ、
彼女が選んだのは治療を続けることではなく、今まで通りの生活を保つこと、
QOL(Life Of Quality)の維持でした。
つまり、〈今、この瞬間を大切にすること〉を選んだのです。

オル・パーカー監督は言っています。
「僕たちは少女が死ぬまでの悲劇ではなく、
自分が間もなく死ぬだろうことを自覚した少女の新しい人生の物語を始めようと思った」

なるほど。
さあ、どんなお話なのでしょうか。


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ストーリー
大人になるまで生きられないと宣告されたテッサ。
会社を辞めて治療法探しにのめりこむ父と
現実を受け入れられずテッサを看病できない母。
「おねえちゃんは死んだら僕に取り憑く?」と訊いてくる小さな弟。
そんな家族と暮らしながら、
どうすれば生きていることを実感できるのかと、テッサは考え続けていました。

17歳になり、その時が近いことを知ったテッサは、親友のゾーイを呼び出し、
9ヶ月で一生分の経験をするためのTo Doリストを作り上げます。
Sexあり、ドラッグあり。この瞬間をできる限り充実して生きるためのリスト――

そんなテッサに番狂わせが。
隣家に越してきた青年。若いのにガーデニングが趣味のアダムを好きになってしまったのです。
事故で夫を亡くし立ち直れない母親のために、入学したばかりの大学を休学して、
面倒を見ているといういまどき珍しい男の子でした。
テッサの病気を知ったアダムは彼女をバイクに乗せてどんどん外の世界へ連れ出します。
美しい森や友人のホームパーティ。
クールなテッサがどんどんアダムにのめりこんでいきました。

しかし、テッサの気持を知った父親はアダムとの交際に猛反対。
どうするアダム、そして、テッサ……

17歳って、身体も、心も、頭も、子ども度と大人度は7:3位の比率。
難しい年頃です。
でも、死は誰にでも平等に訪れます。
かなり、残酷・・・・・
だとすると、開き直りにも似た“Now is good”という言葉は意味深いし、重いですね。

「明日どうなる?」なんて誰にもわからないことで思い悩むより、
今を思いっきり生きる方が大切。
僅かな余命の内にも、大きく燃え上がる可能性のある種火は灯り続けているのですから。

テッサのTo Doリストは実現しないことの方が多かったけれど、
リストに書きこみもしなかった思いがけない〈恋〉を知ったテッサの笑顔に乾杯したい気分です。

ダコタ・ファニング、良い女優さんになりました。





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17歳のエンディングノート
監督・脚本/オル・パーカー、原作/ジェニー・ダウンハム「16歳。死ぬ前にしてみたいこと」(PHP研究所)、撮影/エリック・ウィルソン、製作/ピーター・チャーニン、グレアム・ブロートベント、製作総指揮/クリスティーン・ランガン、アダム・クーリック、ピーター・ハムデン、提供/BBCフィルムズ、UKフィルム・カウンシル、提携/TF1、ライジング・スター・フィルムズ、リップシンク・プロダクションズLLP
出演
ダコタ・ファニング/テッサ、ジェレミー・アーヴァイン/アダム、パディ・コンシダイン/パパ、オリヴィア・ウィリアムズ/ママ、カヤ・スコラデラリオ/ゾーイ、エドガー・キャナム/キャル、ジョー・コール/スコット、ジュリア・フォード/サリー、ジュリアン・ウェイダム/ドクター・ライアン、ジョセフ・アルティン/ジェイク、レイキー・アヨーラ/フィリッパ、トム・ケイン/ポール、フランツ・ドラメー/トミー、サイモン・ウィルソン/スーツ、スーザン・ブラウン/シャーリー、クレア・スウィンバーン/看護士、サラ・ハドランド/キャロライン、ケイト・ディッキー/ドクター、ローズ・レスリー/フィオナ、イザベラ・ラフランド/ベス、パトリック・バラディ/リチャード、ルーク・キャロル/インストラクター、ダレン・モーフィット/マーク
4月27日(土)新宿武蔵野館他全国ロードショー
2012年、イギリス、103分、日本語字幕/松岡葉子、配給/キノフィルムズ
http://www.17ending.com/

by Mtonosama | 2013-04-26 06:21 | 映画 | Comments(4)
17歳のエンディングノート -1-
NOW IS GOOD

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(C)2012 Blueprint Pictures (Now) Limited, BBC and The British Film Institute. All Rights Reserved.

本作で主人公を演じるのはダコタ・ファニングです。
1994年生まれですから今年19歳、来年は20歳か。
いいなぁ、まだまだ若い。
初めてテレビに出たのは5歳の時だといいますから、
14年もの演技経験を若干19歳にして持っているわけですね。

「アイ・アム・サム」(‘01)でショーン・ペンの娘役として見せてくれた達者な演技は素晴らしかったけれど、
よくあるコマッシャクレタ子役を思わせる部分もあって、ちょっと待てよ、と警戒してました。

それが――
当試写室でも2009年3月に上映した「リリー、はちみつ色の秘密」
http://mtonosama.exblog.jp/10525674/
で14歳になった彼女を観ましたが、とても美しい少女になっていました。

そして、今回の「17歳のエンディングノート」。
小さかったダコタももう19歳。
こまっしゃくれた天才子役とか美少女とかでなく女優として彼女が演じたのは
余命宣告を受けた17歳の少女・テッサでした。

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原題は“Now is good”なのに、邦題はエンディングノート?
実際にエンディングノート用のノートが販売されていたりして、
この言葉、今、はやってます。
150歳のとのなんかは1冊持っていないといけないかもしれません。

生きる時間を限定されてしまった17歳の少女が、
最期の時間までにやっておきたいことのリストを作って実現していくというお話なのですが・・・

リストの項目は万引きだったり、SEXだったり、あるいはドラッグだったり。
17歳のテッサが死への過程で真剣に考えて作ったリストだから、
エンディングノートなんですね。
ま、タイトルとして人目をひくことは確かでしょう。

2011年には邦画「エンディングノート」(砂田麻美監督)が話題になったので、
そんなこともあっての邦題なのかもしれません。

ガンを宣告されたお父さんが終活と称してその日までの段取りを自分で取り決める様子をその娘が撮影したドキュメンタリー映画で、
破顔一笑といったお父さんの明るい笑顔のタイトル画像が印象的でした。


本作も、死を避けられないものとして扱ってはいますが、
心が暖かくなるラブ・ストーリーです。

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監督は「マリーゴールド・ホテルで会いましょう」(‘12)
http://mtonosama.exblog.jp/18459415/  http://mtonosama.exblog.jp/18510401/
の脚本を書いたオル・パーカー。
彼がジェニー・ダウンハムのベストセラー小説「16歳。死ぬ前にしてみたいこと」を脚本化し、
監督もやってのけました。

リストの項目をひとつひとつ消していく様子を観ていると、
死への峠を一歩一歩進んでいく悲しい道を連想するよりも、達成感を共感してしまいます。
(手帳に書いた今日の予定をひとつずつ消していくときの「やったね!」っていう気分といったらいいでしょうか)
そして、「これはもしかしたら治るんじゃないの?」なんて思ってしまうのですが、
死はやはり150歳のおばあさんにも、17歳の少女にも平等に訪れます。
だから、奇跡のどんでん返しは起きません。

17歳なんて若過ぎて人生がどんなものかもわかっていないのに死んでいくなんて可哀想?
そう思いますよね。

でも、どんな年代にだって様々なステージがあり、
華やぐ時期も、もがく時期も、実りの時期も、雪に埋もれる時期もあります。
今のステージをどう演じるかは17歳も30歳も50歳も150歳も変わりはないはず。

なんて考えるのはダコタ・ファニングが素晴らしい演技を見せてくれたからかもしれません。

さ、いったいどんなお話なのでしょうか。
続きは次回までお待ちください。乞うご期待でございます。



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17歳のエンディングノート
監督・脚本/オル・パーカー、原作/ジェニー・ダウンハム「16歳。死ぬ前にしてみたいこと」(PHP研究所)、撮影/エリック・ウィルソン、製作/ピーター・チャーニン、グレアム・ブロートベント、製作総指揮/クリスティーン・ランガン、アダム・クーリック、ピーター・ハムデン、提供/BBCフィルムズ、UKフィルム・カウンシル、提携/TF1、ライジング・スター・フィルムズ、リップシンク・プロダクションズLLP
出演
ダコタ・ファニング/テッサ、ジェレミー・アーヴァイン/アダム、パディ・コンシダイン/パパ、オリヴィア・ウィリアムズ/ママ、カヤ・スコラデラリオ/ゾーイ、エドガー・キャナム/キャル、ジョー・コール/スコット、ジュリア・フォード/サリー、ジュリアン・ウェイダム/ドクター・ライアン、ジョセフ・アルティン/ジェイク、レイキー・アヨーラ/フィリッパ、トム・ケイン/ポール、フランツ・ドラメー/トミー、サイモン・ウィルソン/スーツ、スーザン・ブラウン/シャーリー、クレア・スウィンバーン/看護士、サラ・ハドランド/キャロライン、ケイト・ディッキー/ドクター、ローズ・レスリー/フィオナ、イザベラ・ラフランド/ベス、パトリック・バラディ/リチャード、ルーク・キャロル/インストラクター、ダレン・モーフィット/マーク
4月27日(土)新宿武蔵野館他全国ロードショー
2012年、イギリス、103分、日本語字幕/松岡葉子、配給/キノフィルムズ
http://www.17ending.com/

by Mtonosama | 2013-04-23 06:55 | 映画 | Comments(8)
カルテット!
人生のオペラハウス -2-
Quartet

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(C)Headline Pictures (Quartet) Limited and the British Broadcasting Corporation 2012


ダスティン・ホフマンが75歳なら、
カルテットの面々も花のセブンティ・イヤーズ・オールド。

イギリスの名優たちの名演技とダスティン・ホフマンの采配。
芸達者な面々が繰り出す気のきいた台詞と「これぞユーモア!」というシーンの連発に
息つく暇もありません。

歳はとっても、
若干、物忘れするようになっても、
才能に溢れ個性豊かな男女が同じ屋根の下に暮らせば、ドラマも感動も生まれます。
そうですとも。
感動には年齢なんて関係ないんです。

さあ一体どんなお話でしょうか。


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ストーリー
時は秋、木々は黄金色に輝き、広い庭園を持つ瀟洒な邸宅から素晴らしい歌声が聞こえてくる。
ここは引退した音楽家たちが暮らす老人ホーム〈ビーチャム・ハウス〉。
ヴェルディ生誕200年を祝うコンサートに向けて、練習の真っ最中なのだ。
その中にはテノールのレジー、メゾソプラノのシシー、バリトンのウィルフの姿も。

レジーは近隣の学生たちに音楽を教え、
ウィルフはホームの女性スタッフたちを口説くのを日課としている。
いつもCDプレイヤーを手放さないシシーは最近物忘れが目立ってきたようだ。
そんなビーチャム・ハウスに新しい住人がやってきた。
その名はジーン。名プリマ・ドンナとして活躍したソプラノ歌手で、
レジー、シシー、ウィルフとカルテットを組んでいたスターである。
住人たちは彼女を拍手で迎えるが、レジーの心境は複雑だ。
というのも、たった9時間だけとはいえ二人はかつて夫婦だったことがあるのだ。

優雅なビーチャム・ハウスも、実は、深刻な経営難。
コンサートを仕切っているセドリックも焦っていた。
コンサートが成功し、資金を調達できない限り、ビーチャム・ハウスの存続は危ういからだ。

f0165567_6262862.jpgジーンは他の住人との交流を避け、自室に閉じこもっていた。
そんなジーンを無邪気なシシーが外へ連れ出す。
久々にかつてのカルテットの面々が顔を合わせた。
レジーに謝罪するジーンだったが、彼の心は頑ななまま。
立ち去るレジーを追いかけ、許しをこうジーン。
涙ぐむ彼女にレジーはハンカチを渡す。
香り立つ懐かしいコロン――

一方、セドリックはコンサートのトリをどうするかで悩んでいた。

「そうだ。ジーンがやってきて英国オペラ界を代表する4人が揃ったのだ!
『リゴレット』のカルテットを4人が歌えば、間違いなく客を呼べるじゃないか」

大喜びするシシー。
彼女がいつも手放さなかったCDはまさに自分たち4人で録音した想い出の「リゴレット」だったのだ。

セドリックからホーム存続のためジーンを説得するよう頼まれた3人は彼女をディナーに誘う。
だが、一緒にリゴレットを歌おうと切り出した時、ジーンの顔色が変わった。
彼女はカルテットは歌わないと言い放ったままレストランから出ていってしまった……

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感動のラストシーン。観客がスクリーンに観るのはカルテットの後姿。
光背のように彼らの輪郭をふちどる光の中に浮かぶ彼らのシルエット。
そこに響く「リゴレット」の四重唱こそ、20世紀オペラ上演史上にその名を残す名録音。
英国ロイヤルオペラなどの舞台で共演したルチアーノ・パヴァロッティとジョーン・サザーランドの歌声です。
そんなすごい録音とは知らなかったけれど、その圧倒的な歌声に度肝を抜かれました。

すごいなぁ。ルチアーノ・パヴァロッティ。そして、ジョーン・サザーランド。
オペラはあんまり好きじゃないなんて思っててごめんなさい。
素晴らしい歌唱は時を経ても心を打つものでした。

それにしても、四人の背中を観る位置に置かれた観客は
まさに彼らを舞台へと送りだす側に立ったということです。
撮影カメラの位置によって観客も映画に参加できるんだと感じました。
これってやはり名優ダスティン・ホフマンならではの監督術なのかもしれません。

良い映画でした。





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カルテット!
監督/ダスティン・ホフマン、脚本/ロナルド・ハーウッド、製作/フィノラ・ドワイヤー、スチュワート・マッキノン、撮影/ジョン・デ・ボーマン、編集/バーニー・ピリング、美術/アンドリュー・マッカルパイン、音楽/ダリオ・マリアネッリ
出演
マギー・スミス/ジーン、トム・コートネイ/レジー、ビリー・コノリー/ウィルフ、ポーリーン・コリンズ/シシー、マイケル・ガンボン/セドリック、ギネス・ジョーンズ/アン・ラングレー、シェリダン・スミス/ルーシー・コーガン先生、アンドリュー・サックス/ボビー・スワンソン
4月19日(金)全国ロードショー
2012年、イギリス映画、99分、配給/ギャガ、字幕翻訳/栗原とみ子
http://quartet.gaga.ne.jp/

by Mtonosama | 2013-04-20 06:53 | 映画 | Comments(8)
カルテット!
人生のオペラハウス -1-
Quartet

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(C)Headline Pictures (Quartet) Limited and the British Broadcasting Corporation 2012

いきなりですが、本作「カルテット! 人生のオペラハウス」は話題満載であります。

まず、近頃やけに目立つ老年層を主人公にした映画であること。
次に、ヴェルディ生誕200周年を記念した音楽の映画であること。
そして、
あのダスティン・ホフマンの初監督作品であること。

え?いくら話題性があってもおもしろくなけりゃダメですって?
もちろん、ですとも。

それはもう文句なしにおもしろいですから、安心してください。
観終わった後もしばらく口角があがり、目じりが下がったままなんですから。
幸せな気持になります。
良い映画を観たな、という満足感でいっぱいになります。

俳優のみならず、今回は監督としても力量を発揮したダスティン・ホフマン。
もう75歳です。

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ミセス・ロビンソンにいいようにあしらわれていた背が低くて鼻のでかいあの若造。
フィンをつけてペタペタ歩いてもいましたっけ。
あ、「卒業」(‘67)の話です。150歳にもなると思い出す映画が古くてすいません。

あのダスティン・ホフマンが75歳になっていたというのも驚きですが、
初監督というのもすごいです。

俳優として50年以上のキャリアを誇るダスティン・ホフマン。
舞台演出の経験はありますが、これまで映画監督をしたことはありません。
その彼に監督デビューのきっかけを与えたのが、当試写室でも3年前に上映した
「新しい人生のはじめかた」
http://mtonosama.exblog.jp/12603801/ http://mtonosama.exblog.jp/12621260/ 
で彼と親しくなった撮影監督のジョン・デ・ボーマンです。
彼がダスティンに「映画監督をやってみない?」と声をかけ、
「君が良い脚本を見つけたら、演出するよ」という返事をひきだしました。
その後はとんとん拍子。
ジョン・デ・ボーマンがプロデューサーのフィノラ・ドワイヤーに彼の言葉を伝え、
彼女の手元にあったのが本作の脚本だったというわけです。

脚本は「戦場のピアニスト」(‘03)「潜水服は蝶の夢を見る」(‘07)などを書いた
ロナルド・ハーウッドですが、
その原案となったのはダニエル・シュミット監督のドキュメンタリー映画「トスカの接吻」(‘84)、
そこで描かれた音楽家のための老人ホームに想を得た劇です。
その老人ホームが1899年にヴェルディが創立したミラノのカーサ・ヴィバルディ。
http://www.casaverdi.org/
日本でも「想い出のカルテット~もう一度唄わせて~」というタイトルで
2011年に上演されていました。主演は黒柳徹子です。

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満を持しての映画化です。
時まさにヴェルデイ生誕200年。
老人ホームがヴィバルディつながりというだけではなく、
本作のタイトル「カルテット」(四重唱)こそ、
ヴェルディ中期のオペラ「リゴレット」第3幕で歌われる四重唱「美しい恋の乙女よ」を指しているのであります。
ヴェルディづくしです。

しかし、そんなことを知らなくたって十二分に楽しませてくれるところが、
ダスティン・ホフマン監督のすごいところ。
さあ、一体どんなお話でしょう。

続きは次回で。
乞うご期待でございますよ。



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カルテット!
監督/ダスティン・ホフマン、脚本/ロナルド・ハーウッド、製作/フィノラ・ドワイヤー、スチュワート・マッキノン、撮影/ジョン・デ・ボーマン、編集/バーニー・ピリング、美術/アンドリュー・マッカルパイン、音楽/ダリオ・マリアネッリ
出演
マギー・スミス/ジーン、トム・コートネイ/レジー、ビリー・コノリー/ウィルフ、ポーリーン・コリンズ/シシー、マイケル・ガンボン/セドリック、ギネス・ジョーンズ/アン・ラングレー、シェリダン・スミス/ルーシー・コーガン先生、アンドリュー・サックス/ボビー・スワンソン
4月19日(金)全国ロードショー
2012年、イギリス映画、99分、配給/ギャガ、字幕翻訳/栗原とみ子
http://quartet.gaga.ne.jp/

by Mtonosama | 2013-04-17 06:57 | 映画 | Comments(4)
本物の彼も良い人だった!
ダスティン・ホフマン初監督作品「カルテット!」公開を
前にして、21年ぶりの来日


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4月9日、東京ミッドタウンに向いました。
なぜって?ダスティン・ホフマン監督に会うためです。
東京ミッドタウン、ザ・リッツカールトン東京のグランドボールルームに、
彼は私に会うためにアメリカから飛んできてくれたのです。

な~んちゃって。
ンなわけありません。

4月19日公開「カルテット! 人生のオペラハウス」公開に先駆けての
プロモーション来日でした。21年ぶりの日本ということです。

会場をうずめた報道関係者の前で話すのは
監督デビュー作である「カルテット! 人生のオペラハウス」についてですが、
歳を重ねることについても深くて良い話を語ってくれました。

さあ、どんなことを話してくれたのでしょうか。

ダスティン・ホフマン語ります。

”なぜ、70歳を過ぎて監督をやったのかって?
実はずっと監督をやってみたかった。何度も飛び込み台の先までは行ったよ。
資金繰りやらいろいろで飛び込む勇気が出なかったんだ。
だけど、今回は脚本が気にいった。
妻からも「今、やらないなら、いつやるのよ!」と言われてね。
こうも言われたよ、「これを監督しないなら、離婚だわ」
で、決めた。
人生のピークを過ぎた人たちの話で、僕自身、とても共感できた。

映画はコメディでもあり、ラブストーリーでもあるんだ。
二人の男女が恋に落ちて結婚。ところが、女性の不倫が原因で離婚。
40年間、ずっと会っていなかったが、老人ホームで一緒に暮らすことになった。
男は女をずっと愛し続けていたから、その後一度も結婚しなかったが、
女は何度も何度も、結婚と離婚を繰り返した。
だけど、本当に愛していたのは最初の彼だった、という話さ。

この映画は人生を描いているんだ。
若い人たちは歳をとるなんてことは考えないだろ?
そう。ある日、鏡を観て歳をとったな、と気づくまでそんなことは考えもしないんだ。
「カルテット!」には足腰が不自由だったり、記憶が定かでなくなったり、色んな人が出てくるよ。
(ジーンを演じた)マギー・スミスは実際にも目は視えづらいし、腰も悪い。
映画の中でも杖を使っていたが、実生活でもそう。
でもね、身体のどこが不自由でも人は生きていけるんだ。

90代の女性がスカイダイビングをしているニュースを観た。
ポルトガルには103歳で現役の映画監督がいる。
老いた人々による革命が始まっているのかもしれないね。

この映画は引退した老人の話だが、本当は、引退なんかしたくない、
人生はまだ終わっていないという話だ。みんな生きているんだよ。
だけど、40年も50年もずっと仕事をしてくると、ある年齢を過ぎた頃、
「もうこの役は君にはできない」と言われる・・・・・

僕はこの映画でそんな現実を告げたかった。
「私たちはそんなことを言われる筋合いはない!」
「やれるかやれないかは私達が決めることだ」とね。

この映画にはカルテットの他に、多くの住人が登場する。
僕は本物の音楽家をキャスティングした。だから、これはドキュメンタリーとも言えるんだ。
映画の中での演奏も彼らが本当に演奏しているんだよ。
オペラシンガーもバイオリニストもチェリストも皆ほんものさ。
ジャズトランペッターが出演しているんだけど、彼はいまだにすごいプレイができる。
なのに、この20年、仕事がこない。
「映画に出てくれないか」といったら本当に喜んで毎朝6時から現場に来てくれた。
僕は彼らの喜びと情熱と若返りをこの眼で目撃できただけでも満足だ。
価値のある仕事だったよ。
彼らの人生を是非知ってもらいたいと思い、エンドクレディットでは彼らの若い頃の写真と名前を出したんだ。

ねえ、ここにいるみんな、あなた達の中で誰一人として悩みのない人なんていないよね。
病気だったり、愛する人が病気にかかっていたり、別れや痛みだってある
みんな何かを抱えているはずだ。
でも、みんな、ここに来て全力をつくしている。生きるってそういうことだよね。
それこそがこの映画の精神なんだ。”

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大勢の報道陣に向って「記念に、僕にも撮らせて」とカメラを向けるダスティン

う~~~~~~ん。
感動した!
「みんな何かを抱えて生きている」と彼が言ったとき、彼の優しさが伝わってきました。
うんうん、とうなづいてしまいました。
彼の一言一言が過去の主演映画のシーン同様に心に沁み入ってきます。

「僕も人生で学んだことだけど、人を恨み、憎んでいても何も生まれない。
それは自分の成長を止めることなんだよ」

良い人だなぁ。
あ、そうそう樹木希林(70歳)も登場しましたが、
この人もまたぽろっとこぼすように話す言葉に味があり、楽しかったです。

それにしても歳をとるって素晴らしいことだなぁ。



いよいよ明日は当試写室にて「カルテット! 人生のオペラハウス」を上映します。
乞うご期待でございますよ。


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by Mtonosama | 2013-04-16 06:34 | 映画 | Comments(4)
天使の分け前 -2-
THE ANGELS’ SHARE

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(C)Sixteen Films, Why Not Productions, Wild Bunch, Les Films du Fleuve, Urania Pictures, France 2 Cinema, British Film Institute MMXII

「天使の分け前」とはまた素敵なタイトルをつけたものです。
そして、良いお話を作ってくれたものです。
ケン・ローチ監督、そして脚本のポール・ラヴァティさん、ありがとうございます。

なにが良いったって、
スコットランドが舞台と言うのが嬉しい。
スコッチウィスキーが準主役ってことも気にいりました。
そして、社会派ケン・ローチ監督らしく英国の若年者層の失業問題を主旋律として奏でながら、
深刻にならず、軽やかに、希望に満ちた作品に仕上げてくれているところが良いです。

さあ、どんなお話なのでしょうか。


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ストーリー
スコッチウィスキーの故郷スコットランド。
グラスゴーに住む若者ロビーは劣悪な環境に育ち、10ヶ月前に少年院から出てきたばかり。
恋人レオニーともうすぐ生まれる赤ん坊のために人生をやり直したいが、仕事も家もない。
おまけに親の代からの宿敵クランシー一味にしつこくつきまとわれているときている。

やつらから売られたケンカを買ったばかりに、
ロビーは300時間の社会奉仕活動を裁判所から命じられた。そこでハリーという現場指導者と会う。
でっぷりとしたオヤジだが、今まで見てきた大人とは全然違っていた。
その現場でアルバート、ライノ、モーという作業仲間とも知り合う。
皆ロビーと同じく失業中の身の上。

恋人のレオニーが出産した日、ハリーに送ってもらって病院に駆け付けたロビー。
息子と感動の対面を果たしたのも束の間、彼女の父親マットに殴られ追い出される。
クラブ経営者で金持ちのマットは娘とロビーの交際にはかねがね大反対だったのだ。

そんなロビーに同情し、ハリーは彼を自宅に連れて行きケガの手当てをしてくれた。
その上、とっておきのウィスキーの封を切って息子の誕生を祝ってくれたのだった。
初めてウィスキーを口にしたロビー。
自分を大人として扱ってくれたハリーの前で、彼は改めて父親としての責任を自覚。
後日、自分がかつて傷つけた被害者とその家族と面談したロビーは罪の重さを痛感し、
ニ度と暴力は振るわないことを心に誓う。

ある日、ハリーは「課外活動」と称してロビー達を蒸留所見学に連れ出した。
ウィスキーを飲んだこともなければ、グラスゴーから出たこともない彼らにとっては
見るもの全てが物珍しく、大はしゃぎ。
蒸留所見学で体験したテイスティングでウィスキーに目覚めたロビーは
モーが失敬してきたミニボトルを飲み比べ、ハリーに教わって勉強しながら
思わぬ才能を開花させる。

だが、出直しを図るロビーに対して、クランシー一味の襲撃はしつこく続く。
その上、レオニーの父親は「手切金5000ポンドと引き換えに娘と別れろ」と迫ってくる。
絶体絶命。レオニーと息子との新生活のためには起死回生の作戦が必要だ。
そんなものがあるのか?
あった!
100万ポンド以上で落札されるという樽入りの最高級ウィスキーのオークション。
熟成中のウィスキーの樽から1年に2%程失われるという「天使の分け前」。
そこにヒントを得た大胆不敵な計画だ。
さあ、ロビー達は人生の大逆転を成功させることができるのだろうか……

負け犬なんて言わせない。
人生一発大逆転。
未来を信じ、これから家庭を築いていこうという若い人たちにはもちろん
元気な若い人を見ていると楽しくなる中高年にも希望が見えてくる映画でした。

ロビーの息子が生まれた日にとっておきのウィスキーを開けてお祝いするという
ハリーの粋なはからいには左党ならずともお相伴にあずかりたくなります。

飲んだくれたり、
ウィスキーに高過ぎる値段をつけて投機やコレクションの対象にするのって
お洒落じゃないですよね。

ああ、良い映画を観ました。





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天使の分け前
監督/ケン・ローチ、製作/レベッカ・オブライエン、脚本/ポール・ラヴァティ、製作総指揮/パスカル・コシュトゥ、ヴァンサン・マラヴァル、撮影監督/ロビー・ライアン
出演
ポール・ブラニガン/ロビー、シヴォーン・ライリー/レオニー、ジョン・ヘンショー/ハリー、ガリー・メイトランド/アルバート、ウィリアム・ルアン/ライノ、ジャスミン・リギンズ/モー、スコット・ダイモンド/ウィリー、スコット・カイル/クランシー、ニール・リーバー/スナイパー、ジェイムズ・ケイシー/ドーギー、キャズ・ダンロップ/キャズ、ギルバート・マーティン/マット、スチュアート・プレストン/州長官、ヴィンセント・フリール/検察官、カースティン・マーレイ、ニック・ファー、チャールズ・ジャミーソン/弁護士、フォード・キアナン/駅長、ロジャー・アラム/タデウス、チャーリー・マクリーン/ロリー・マカリスター、ディヴィッド・グッドール/ドビー、ブルース・アディソン/競売人
4月13日(土)より銀座テアトルシネマ他全国順次公開 ―銀座テアトルシネマ クロージング作品―
2012年、イギリス=フランス=ベルギー=イタリア、1時間41分、英語、日本語版字幕/太田直子、提供/角川書店、ロングライド、配給/ロングライド、後援/ブリティッシュ・カウンシル、http://tenshi-wakemae.jp/

by Mtonosama | 2013-04-13 06:27 | 映画 | Comments(6)
天使の分け前 -1-
THE ANGELS’ SHARE

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(C)Sixteen Films, Why Not Productions, Wild Bunch, Les Films du Fleuve, Urania Pictures, France 2 Cinema, British Film Institute MMXII

あの真面目なケン・ローチ監督が楽しく痛快な最新作をつくってくれました。
社会派映画の巨匠というキャッチフレーズと一体になった監督ですが、
現代のお若い方々を主人公にした作品には楽しいものが多いような気がします。
「明日へのチケット」(‘05)に出てきたサッカーファンの3人のおにいさんたちも
イケメンでこそないけれど元気でおかしい若者たちでした。
その3人の内、2人が本作にも出演しています。

英国では失業中の若年層が100万人を超えました――

本作に登場するのもそんな若者たちです。
でも、本作に出てくるような、叩かれても踏みつけられてもへこたれない
おにいさんやおねえさんを観ると、こちらも元気をもらえるものでございます。
あ、なんだか年寄りじみたことを言ってしまいました。

「天使の分け前」。オリジナルタイトルは“The angel’s share”。そのまんまです。
これ、お酒好きな方ならよく意味をご存知でしょうが、

天使の分け前とは、ワインやブランデー、ウィスキーなど、その製造工程で熟成を要する酒類において、「熟成中に水分・アルコール分が蒸発し、最終的な製造量が目減りする」こと。
ワインやブランデーなどの酒は、その製造工程に「樽などでの熟成」という工程を含んでいる。熟成は短くとも数年単位、十数年の熟成が行われることも珍しくはなく、場合によっては数十年の熟成がなされる場合もある。樽は基本的に木製であり、液体は通さないが気体は通すため、熟成の間に酒に含まれる水分やアルコール分が蒸気となって少しずつ樽からしみ出ていく。すると、熟成開始時の量と比較して、熟成終了時の量は減少してしまう。この減少分を、「天使の取り分」と呼ぶ。
熟成期間が長いほど、天使の取り分は多くなる。これが熟成年数の長い酒が高価となる一因である。熟成を行った場所の温度が高いほど、湿度が低いほど、天使の取り分は多くなる。よって、熟成を行う場所を慎重に検討する必要がでてくる。なお、一般に木製の樽で1年熟成すると、1〜3%程度が、天使の取り分として失われる。(Wikipediaより)

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美味しいウィスキーほど、天使にしっかりテイスティングしてもらっているということなんですね。

ウィスキーグラスを脇にカウンターに酔いつぶれた天使の姿がちらついてしまうんですが、
もちろんそんな天使は映画には登場しません。

とすると、ケン・ローチ監督は一体どんなふうに観客を酔わせてくれるのでしょうか。

それは次回のお楽しみということで。
乞うご期待でございますよ。



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天使の分け前
監督/ケン・ローチ、製作/レベッカ・オブライエン、脚本/ポール・ラヴァティ、製作総指揮/パスカル・コシュトゥ、ヴァンサン・マラヴァル、撮影監督/ロビー・ライアン
出演
ポール・ブラニガン/ロビー、シヴォーン・ライリー/レオニー、ジョン・ヘンショー/ハリー、ガリー・メイトランド/アルバート、ウィリアム・ルアン/ライノ、ジャスミン・リギンズ/モー、スコット・ダイモンド/ウィリー、スコット・カイル/クランシー、ニール・リーバー/スナイパー、ジェイムズ・ケイシー/ドーギー、キャズ・ダンロップ/キャズ、ギルバート・マーティン/マット、スチュアート・プレストン/州長官、ヴィンセント・フリール/検察官、カースティン・マーレイ、ニック・ファー、チャールズ・ジャミーソン/弁護士、フォード・キアナン/駅長、ロジャー・アラム/タデウス、チャーリー・マクリーン/ロリー・マカリスター、ディヴィッド・グッドール/ドビー、ブルース・アディソン/競売人
4月13日(土)より銀座テアトルシネマ他全国順次公開 ―銀座テアトルシネマ クロージング作品―
2012年、イギリス=フランス=ベルギー=イタリア、1時間41分、英語、日本語版字幕/太田直子、提供/角川書店、ロングライド、配給/ロングライド、後援/ブリティッシュ・カウンシル、http://tenshi-wakemae.jp/

by Mtonosama | 2013-04-10 06:44 | 映画 | Comments(7)
ナオト・インティライミ冒険記
旅歌ダイアリー -2-

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©2013『ナオト・インティライミ冒険記』製作委員会

前回お約束した通り(勝手にそんなお約束してすいません)、
ナオト・インティライミの放浪歴をウィキらせていただきます。
もちろん、このことを知らなくたって、映画は十分に面白いのですが。


放浪歴
1999年9月 - ニューヨークのアポロシアターに出演。
2000年9月 - タイへ人生初バックパックの一人旅。
2002年4月 - アフリカ一人旅、ケニアでの飛び入りライブで現地人から絶賛される。
2002年11月 - 南米ブラジルの旅、アマゾン川岸のビーチにて地元テレビ局の野外イベントに飛び入り出演。
2003年8月- 2004年末 - 515日をかけての世界28ヶ国一周放浪の旅へ出かける。
o中東パレスチナにて、アラファト議長の前で「上を向いて歩こう」を歌い、
マンツーマンで平和について語り合う。その際、議長府に数泊させてもらっている。
oエジプトでプロサッカー選手にスカウトされ、本気で悩む。
o南米コロンビアで、現地の超有名アーティストに気に入られ国内ツアーに同行。
そのパフォーマンスが高く評価され、デビューの話を持ちかけられるも、旅を続ける
oマイアミで「LATIN FUNK FESTIVAL 04」に日本人初の出演。
(Wikipediaより)

本作ではまずエチオピアへと旅立つナオト・インティライミ。
滑走路が大写しになり、やがて機体が浮き上がるところが冒頭のシーンです。
しばらく旅をしていない身にはちょっと切ない気分でした(アア、旅に行きたい!)。

さて、インティライミというのはインカの言葉で「太陽の祭り」を意味します。
その言葉通り、今回、本作の中で旅したアフリカでも、コロンビアでも、カリブ海でも、
彼が歌う周囲には人が集まってきて、ほんものの笑顔がはじけ、まさにお祭りのよう。

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ぶっつけ本番で飛び込んだコロンビアやカリブ海のステージでは
聴衆をガッチリつかんでいるし、すごいヤツだなぁ、と本気で感動してしまいました。

これ、完全に日本とか外国の境界を越えちゃってます。
〈音楽は世界をつなぐ〉などというと、あまりにもありきたりなのですが、
でも、やっぱり音楽に国境はないんですねぇ。
各地で、人や文化と触れ合い、音楽を奏でる彼の姿を観ていると興奮するし、旅心が刺激されます。

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映画では、アラファト議長と同席するチリチリレゲエ頭だった頃の過去映像や、
今年発売となる新曲・アルバムの制作風景も観ることができます。
旅の中で影響を受けた音楽やリズム、楽器などが制作にどう関わっているかを観客も追体験。

監督・編集は「モテキ」(‘12 大根仁監督)で第35回日本アカデミー賞優秀編集賞を受賞した石田雄介。
ナオト・インティライミと同い年の1977年生まれで、本作は劇場映画としての監督デビュー作品です。

映画の中で一人街を歩くナオト・インティライミが誰かに話しかけているその相手は
カメラマンだったり、この石田さんだったりするのでしょう。

あらかじめ何かを決めて撮影したのではなく、
彼がその想いの強さとエネルギーを発散させながら向った場所で起こるドラマを撮影する――
まさに、出たとこ勝負の映像は、若いアーティストたちにとっては人生そのものだったかもしれませんね。





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ナオト・インティライミ冒険記 旅歌ダイアリー
監督・編集/石田雄介(「モテキ」第35回日本アカデミー賞最優秀編集賞受賞)、製作/新坂純一、松本浩、小林武史、由里敬三、エグゼクティブ・プロデューサー/古澤佳寛、企画/田辺圭吾、プロデュース/高橋信一、谷口和弘、佐藤秀和、プロデューサー/小畑和也、撮影/神戸千木、整音/久連石由文、製作/東宝、メディアファクトリー、OORONG-SHA、日活、配給/東宝映像事業部
出演
ナオト・インティライミ
4月13日(土)より全国ロードショー
2013年、日本、カラー、http://www.naoto-tabiuta.com/

by Mtonosama | 2013-04-07 06:51 | 映画 | Comments(6)
ナオト・インティライミ冒険記
旅歌ダイアリー -1-

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©2013『ナオト・インティライミ冒険記』製作委員会

ナオト・インティライミといっても
なんのこっちゃ?外国の人かい?
ぐらいの認識しかなかったとのであります。

というのはウソで、彼は昨年の紅白に出場し、「徹子の部屋」にも出ていました。
だから、顔は知っていたし、世界一周旅行をしたときにアラファト議長の前で歌を歌ったことも知っています。

でも、出たがりのおにいさんで、自分が売れるためにはなんでもする人でしょ、と
結構意地悪な見方をしていたのは事実。

しかし、
いけませんねぇ。
人気歌手というだけで、こんな決めつけをしては。
この映画を観て、反省しました。

だって、この人、なんにでも全力でぶつかっていくんです。
段取りなし、やらせなしのぶっつけ本番。
自分で交渉して初めて行った国のステージにも立てば、
泥みたいなコーヒーを現地の人と一緒に飲んでお腹もこわす。
路上で女性同士がつかみあいの喧嘩をしていれば、話せば分かると止めに入り、
少年たちがサッカーをしていれば、仲間に入り、ゴールを決める。
審判の判定が気にいらなければスペイン語でまくしたて、とにかく文句をつける。

舞台監督のおっさんにファッキューみたいなこと本気で言っちゃうし、
思い通りにならなければ、悔しがりつつも「いや、自分は本物になってはいないからだ」
と自分をしっかり見つめる目も持っている。
悔しい思いをしたときは心から悔しい顔をする――

はっきり言って、いわゆる日本の歌い手さんのドキュメンタリー映画を観て、
ハンカチを必要とすることになるとは思っていませんでした。


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ナオト・インティライミ
1977年三重県生まれ、千葉県野田市育ち。
中学時代から曲作りを始め、高校時代から柏市内でストリートライブを行う。

2001年、中央大学在学中にSONY RECORDSから「Growing up !!」でメジャーデビュー(「なおと」名義)。
3枚のシングル、1枚のアルバムをリリース。2002年、中央大学卒業。
2003年8月から2004年末まで「世界一蹴の旅」へ出る。帰国後の2005年4月からナオト・インティライミ名義の活動を開始。

かつて柏レイソルのジュニアユースチームに所属。サッカーを通じたミュージシャンとの交流もあり、桜井和寿と一緒にプレイした際に自作のCDを渡したことから、2008年、ap bank fes '08にMr.Childrenのコーラスとして参加。2009年にもMr.Childrenのライブツアーに帯同していた。

2010年4月、ユニバーサルシグマからナオト・インティライミとしてはメジャーレーベル初のシングル「カーニバる?」をリリース。カップリング曲の「風になれ」は、仙台カップ国際ユースサッカー大会の公式応援ソング。

2010年9月-10月の初の全国ツアー「ナオト・インティライミ TOUR 2010 Shall we トラベる??」(全公演6会場)、2010年12月13日の日本武道館、2011年6月-7月の全国ツアー「ナオト・インティライミ TOUR 2011 ADVENTURE(final in 両国国技館「ナオトの日」)(全公演8会場)、2011年12月18日の国立代々木競技場第一体育館で開催された1万2千人のクリパ(クリスマスパーティ)、2012年5月-7月の全国ツアー「ナオト・インティライミ TOUR 2012 風歌キャラバン~キャラバンだけど知らない人にはついて行っちゃダメ!絶対!~」(全国14カ所16公演)、2012年12月「ナオト・インティライミ アリーナツアー2012 ~ツアーって言っても横浜と大阪の2ヶ所だけだけど…。背伸びしたってええじゃないか!師走にお祭りしたってええじゃないか!~」までのすべてのワンマンライブのチケットを完売している。

2011年1月、ガチンコで業界一を決めるフットサル大会、『音蹴杯』にウーロンチームで出場し、初優勝。決勝戦の延長残り2分でダイビングヘッドを見事決め、大会MVPに選ばれる。このときのウーロンチームのキャプテンは桜井和寿。
2012年12月31日、第63回NHK紅白歌合戦に初出場。歌唱曲は「Brave」。(Wikipediaより)


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おっといけない。ウィキっただけでこんなに長くなってしまった。
そっか、柏レイソルのジュニアユースに所属していたんですね。
道理でサッカーうまいと思った。
彼の放浪歴もおもしろいのですが、ちょっと長過ぎるのでそれは次回に。
これ、学校のレポートだったら完全に×(ペケ)です。
と反省しつつ、次回もWikipediaより一部コピーさせていただきます。



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ナオト・インティライミ冒険記 旅歌ダイアリー
監督・編集/石田雄介(「モテキ」第35回日本アカデミー賞最優秀編集賞受賞)、製作/新坂純一、松本浩、小林武史、由里敬三、エグゼクティブ・プロデューサー/古澤佳寛、企画/田辺圭吾、プロデュース/高橋信一、谷口和弘、佐藤秀和、プロデューサー/小畑和也、撮影/神戸千木、整音/久連石由文、製作/東宝、メディアファクトリー、OORONG-SHA、日活、配給/東宝映像事業部
出演
ナオト・インティライミ
4月13日(土)より全国ロードショー
2013年、日本、カラー、http://www.naoto-tabiuta.com/

by Mtonosama | 2013-04-04 07:18 | 映画 | Comments(4)