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殿様の試写室

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殿が観た最新映画をいち早くお知らせ!

<   2013年 12月 ( 13 )   > この月の画像一覧

三毛猫ひかちゃん -11-



あたし、ひかちゃん。

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あたしの紅葉のような爪あとのむこうに見える南天、なかなか良いでしょ?
飼い主ったら不精して障子を張り替えないものだから、
もう破るところがなくてつまんないわ。

おしっこ作戦やう○ち作戦、障子紙ボロボロ作戦が功を奏して
お外へ飛び出し、自由をかちとったあたし。

でも、人生、山あり谷ありってホントよね。
あたし、手術されることになってしまったの。
340グラムだったあたしも今では10倍以上に成長し、立派なレディに。
だから、以前から懸案だった避妊手術を受けさせられたのよ。
英語ではsterilizationというんですって。ステララララ・・・
もう!舌を噛んじゃうじゃない。

ある朝、あたしはバスケットに入れられ、飼い主とその夫の人と一緒に出かけたの。
バスケットの中からは何も見えないから、あたしもちょっと不安だった。
いつもと違って小声で話す飼い主の声に
いつも通りボソボソした夫の人の声がかぶさり、不安は最高潮。
前回行った獣医さんみたいに、オウムさんやしわくちゃ犬のおじさんもいなかったし。
獣医さんの
「あら、大きな猫ちゃんなのね」
の声にあたしびびっちゃった!

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こんな小さかったあたしも今や体重3.5キロ。皮下脂肪も多いんですって。
だってひかちゃんなんだもの。皮下脂肪は仕方ないわよねぇ。
え?だめ?
夕方に夫の人が迎えにきてくれるまではあたしの記憶は飛んでるわ。

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おうちに帰ってからも頭も身体もぼんやりして自由がきかないの。
麻酔が残ってるんですって。
晩御飯のテーブルにはあたしも這っていって一緒に並んだけど、
いつものように座り続けていることができずに落っこちてしまったの。
飼い主は珍しく神妙な顔をしてあたしを見てたわ。
手術の翌日ご飯を食べられるようになったけど、いつもみたいにおいしくなかった。

あ、でも、安心してね。
手術の4日後にはお外にも出られるくらい元気になったんだから。
だけど、3時間も寒いお外にいるのはつらかったわ。
いつものように「入れてー!入れてー!」って叫んでも誰も入れてくれないの。
こういうの締めだしを食らうって言うんですってね。
飼い主は朝から出かけてて、夫の人がお昼過ぎに出かける時に、
あたし一緒にするりとドアをすりぬけちゃったの。
夫の人、そのまま気づかずに出かけちゃって、夕方まで帰ってこなかったのよね。
7時ごろ、帰ってきた飼い主に
「今日は不思議なことがあったよ。ひかちゃんが窓の外にいて鳴いてたんだ」
って報告してたわ。

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ええ、もちろんその後は修羅場よ。
だって、あたし手術後1週間は外出禁止が言い渡されていたんですもの。
飼い主の夫の人への怒りはかなり続いていたわよ。

こんな風にして2013年も暮れていくのね。

新しい年が良い年でありますように。
皆さま、どうぞ良いお年を!

2013年12月30日

By ひかり

今年もひかちゃんや試写室をお訪ねくださり、本当にありがとうございました。
来年もまたよろしくお願い申し上げます。皆さま、良いお年をお迎えください。
By 飼い主


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by Mtonosama | 2013-12-30 07:20 | 映画 | Comments(8)
2013 BEST 10 OF
殿様の試写室  

-3-

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ひかちゃんがやってきた日。この心細げな顔、きゃわいい!


さて、いよいよ2013年ベスト3の発表です。
個人的なベスト1はなんといってもひかちゃんが来たこと。
下品な顔、といわれたり、美猫じゃないよね、といわれたりしましたが、
そんなことありません。なんとも上品で整った顔立ちではありませんか。

おっといけない。映画のベスト3でした。
第3位、いきます。


3位 ブランカニエヴェス
Blancanieves

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モノクロ無声映画です。
活弁士を祖父に持つとのとしてはこの映画を外すわけにはまいりません。
鮮烈な光と影。ほとばしる情熱とほのかな甘さすら伴って忍び寄る死の香り。
黒と白、光と影、生と死――
この真逆な存在の同居に息を呑んだ映画です。
痛いほどに沁みた作品でした。

当試写室では11月に上映しました。
http://mtonosama.exblog.jp/20955995/
http://mtonosama.exblog.jp/20978174/



2位 明日の空の向こうに
JUTRO BEDJIE LEPIEJ

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親のいないウクライナの小さな子ども達が自分たちの知恵と勇気と愛嬌と、
持てる力のすべてを出して国境を超えるロードムービー。
行先はポーランド。森を抜け、高圧電流の流れる有刺鉄線をくぐり抜け、
11歳と10歳と6歳の少年たちが走り続けます。

この試写室のベスト10の欠点は比較的近い時期に観た映画が上位に入ってしまうこと。
でも、この作品の上映は1月。
なのに、この前歯の抜けた男の子ペチャの顔は脳裏に刻み込まれ、少しも色褪せません。
ああ、沁みるなぁ。もう一度ペチャくんに会いたいです。

当試写室では1月に上映しました。
http://mtonosama.exblog.jp/18368661/
http://mtonosama.exblog.jp/18413699/



1位 オンリー・ラヴァーズ・レフト・アライヴ
ONLY LOVERS LEFT ALIVE

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迷いに迷いました。
ジャームッシュ監督最新作。
おしゃれで、ぺダンティックで、おかしくて、そして、ちょっと怖くて。
好きなものが全部つまっているものですから。
活弁士の祖父にも、前歯の抜けたペチャくんにも、ごめんなさい。
モダンゴシックホラーともいうべき、こういう映画やっぱり好きです。
沁みまくりました。

当試写室では12月に上映しました。
http://mtonosama.exblog.jp/21038787/
http://mtonosama.exblog.jp/21058818/


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皆さま、今年も当試写室にご来室いただき、まことにありがとうございました。
今年もランキングに迷うほど、素晴らしい映画をたくさん鑑賞することができました。
映画って「ああ、あんなことがあったとき観たな」とか「あの人と観たな」
という映画以外の記憶とも結びついています。
楽しいことも悲しいことも嬉しいことも苦しいこともあった一年です。
来年もまた皆さまとご一緒にいろいろな映画を楽しむことができれば嬉しうございます。

去りゆく年に心からの感謝をこめつつ、
新しい年も皆さまにとって良い年でありますように。

2013年12月29日

殿様の試写室

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by Mtonosama | 2013-12-29 07:17 | 映画 | Comments(2)
2013 BEST 10 OF
殿様の試写室  
-2-

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早起きしか能のないとのです。
ああ、夜明けの赤がわたしを呼んでいる・・・
などと能天気なことを口走りつつ、本日は6位から4位まで発表します。
では、6位。行きます。


6位 クロワッサンで朝食を
Une Estonienne à Paris

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これも良い映画だったなぁ。
本当は順位なんてつけたくないんですけど。

85歳の大女優ジャンヌ・モローが演じるお金持ちで孤独なエストニア出身の老女が
母を看取り、憧れのパリへ家政婦としてやってきたエストニアの中年女性と心を通わせる佳品。
ぱりぱりのクロワッサン、地元の人が愛するカフェ。
いいなぁ、ヨーロッパ街歩き。
しみじみと沁みてくる作品です。

当試写室では7月に上映しました。
http://mtonosama.exblog.jp/19974699/
http://mtonosama.exblog.jp/19993591/



5位 嘆きのピエタ
피에타

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韓国にはこの人ありです。
キム・ギドク監督。
牧師をめざしたことがあるにもかかわわらず、
作品の随所に現れる暴力的なシーンには当惑させられます。
しかし、ハタと気づきました。
神さまって愛と力から成り立っているのですね。
愛が前面にあるとき、暴力は愛に吸い込まれ、
暴力が前面に出たとき、愛はその影に呑み込まれる――
宗教の二律背反性とでもいったらいいのでしょうか。
深く、痛く、強く、沁みる映画です。

当試写室では6月に上映しました。
http://mtonosama.exblog.jp/19794903/
http://mtonosama.exblog.jp/19818003/



4位 天使の分け前
THE ANGELS’ SHARE

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英国の良心、ケン・ローチ監督作品です。
これも良い映画でした。
意気消沈して家でひっくりかえってテレビを観てる時、もし、これが放映されたら
絶対しあわせな気分になれることを、わたしが保証します。エヘン。

スコットランドが舞台で、スコッチウィスキーが準主役。
社会派ケン・ローチ監督らしく英国の若年者層の失業問題を主旋律として奏でながら、
深刻にならず、軽やかに、希望に満ちた作品に仕上げてくれています。

当試写室では4月に上映しました。
http://mtonosama.exblog.jp/19187590/
http://mtonosama.exblog.jp/19205432/


明日はベスト3の発表です。
さあ、どんな結果が出ますでしょうか。
乞うご期待でございます!



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by Mtonosama | 2013-12-28 06:58 | 映画 | Comments(2)
2013 BEST 10 OF
殿様の試写室 
 
-1-

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アイルランドの仔猫たち。たまたまこの子たちのお食事時間に行きあわせたのだとか。
Junkoさん、ありがとう!



今年ももうこんな季節になってしまいました。
(なんか毎年同じことを言っているような気がしますが)
個人的には三毛猫ひかちゃんにひっかかれ、ひっかき回された一年でしたが、
こうして試写室の一年を振り返ると、
こんな映画も、あんな映画もあったなぁ、と感慨深いものがあります。
150歳にもなると一年が経つのは本当に速く、
映画の泌みる感じも強くなっています。涙もろくもなりました。

そんな中から選び出すベスト10。
まったく不遜なことではございますが、今年も自分勝手に選びださせていただきました。
本日は10位から7位まで。
行きます。

10位 愛、アムール
Amour
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うつろな目の老女に自分を投影する歳になってしまいました。
往年の美男美女が半世紀を過ぎ、老人になった貌をスクリーンにさらす――
知的で有能な芸術家の夫婦も歳をとり、次第に壊れてゆく老妻。
美しかった彼女はピアノも弾けなくなり、
それどころか、日常生活もこなせなくなっていきます

その姿に自分の両親を見るか、自分を見るか。
どの年代にとっても深く泌みる映画でした。

当試写室では2月、3月に上映しました。
http://mtonosama.exblog.jp/18696794/
http://mtonosama.exblog.jp/18708533/



9位 そして、父になる

LIKE FATHER,LIKE SON
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6年間育てた子どもが自分の子ではなかった・・・
先日も60年前に起きた赤ちゃん取り違え事件で裁判になったことが話題になりました。
案外よく聞くこととはいえ、
それがわが身に起こったらと考えると、子どもにとっても親にとっても
つらいという言葉では片づけられない問題です。
解答など出そうにありません。
カンヌ国際映画祭で審査員賞をとった是枝裕和監督作品ですが、
審査員たちもこの問題には悩んだことでしょう。
監督自身、解答など出せなかったと思います。
子を持つ親、親を持つ子に沁みた映画でした。

当試写室では9月に上映しました。
http://mtonosama.exblog.jp/20412943/
http://mtonosama.exblog.jp/20430346/



8位 アルバート氏の人生
Arbert Nobbs
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19世紀の貧しいアイルランドに生きた静かなホテルマンの一生を描いた作品。
ホテルマン?
いえ、実はマンではなくアルバート氏はウーマンだったのですけどね。
実のところアルバート氏が男であろうと女であろうと、それは問題ありません。
一人の人間の生き方を描いた佳作です。
ダブリンの街に降る雪のように静かに深く沁みた映画でした。

当試写室では1月に上映しました。
http://mtonosama.exblog.jp/18316465/
http://mtonosama.exblog.jp/18325322/



7位 故郷よ

Land of oblivion
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「故郷よ」はチェルノブイリ原発事故の映画です。
が、ドキュメンタリーではありません。
事故後25年経って初めて撮られた劇映画です。

25年経過しなければ劇映画として表現できない重い現実。
〈主要電源は原発である〉などという声が聞こえ始める今――
もう一度、もう一度
チェルノブイリの、そして、福島の現実を視なければ。
傷口に沁みる映画です。

当試写室では2月に上映しました。
http://mtonosama.exblog.jp/18576798/
http://mtonosama.exblog.jp/18591585/




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by Mtonosama | 2013-12-27 07:06 | 映画 | Comments(2)
三毛猫ひかちゃん -10-


あたし、ひかちゃん。

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ずいぶんご無沙汰しちゃったわ。
あのね、ちょっと飼い主を怒らせちゃったものだから、
写真を撮ってもらえなかったの。
お会いできなくて寂しかったわ。

あたしね、お外へ出てみたかったの。
それでほんのちょっと悪いことをしたにはしたけれど、
でも、いたいけな仔猫のちょっとした悪戯じゃない?
そんなことに目くじら立てる飼い主の方がおかしいわよねぇ。

あたし、毎朝こうやって日の出を眺めたり、早起きな鳥さんたちの声を聴いていると、
もう、お外に出たくて出たくてたまらなくなっちゃうの。
(例のごとく、下手な写真でごめんなさいね)

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でね、ドアをガリガリしたり、「お外へ出して」って叫んだりしたの。
でも、外に出たら誘拐されちゃうとか、病気になっちゃうとか、
鳥さんやヘビさんを捕まえてくるとか、
飼い主ったら顔に似あわず、えらく神経質で、絶対にドアを開けてくれないの。
で、あたし、実力行使に出たわ。

そう、例の手よ。

ふ・ふ・ふ・・・
ベッドでおしっこをしたの。
今度はおしっこよ。
飼い主がベッドカバーを洗い、布団カバーも新しいのに取り替え、
さあ寝ましょ、ってなってるばっかりのところにおしっこをしてあげたの。
飼い主?
ええ、もう、えらい怒りようだったわよ。
飼い主ったら自分の手が痛くなるほど思いっきりあたしのお尻をぶったわ。

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でも、お外には出してくれなかったの。

だから、こんなこともしてやった。

壺中の天という言葉があるでしょ。
広辞苑には
「(費長房が薬売りの老翁とともに壺中に入って別世界の楽しみをした故事から)
一つの小天地。別世界。また酒を飲んで俗世を忘れる楽しみ」とあるわ。

だけど、壺は壺よ。別世界なんかなかった。

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あたしの別世界はやっぱりおうちの外なの。
お台所で見張り任務をしてもかつぶしの出し殻をくれるだけだし。

だからね、おしっこをした2日後、
最後のとどめでもう一回、今度はう○ちをしてあげたわよ。

今度は勝利したわ。
今は冬だし、とりあえずはヘビさんやトカゲさんの心配はないと覚悟した飼い主。

渋々扉を開けたの。

あたしは飛びだした!

藪をかきわけ、大きな樹に爪をかけ、思いっきり走ったわ。
飼い主も一緒に追っかけてきたけど、途中で諦めたみたい。
「樹に上って降りられなくなっても助けられないからね」なんて
捨て台詞を残して家に入っていったわよ。

たった340グラムだったあたしももうおねえさんよ。
今年も終わろうとしているけど、あたしの青春は始まったばかり。

今度はもっと早く来るわね!

Fromひかり


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☆2013年12月25日に更新したわ。Merry Christmas! by ひか
by Mtonosama | 2013-12-25 07:31 | 映画 | Comments(15)
フォンターナ広場 
イタリアの陰謀
  -2-
Romanzo di una strada

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©2012 Cattleya S.r.l.-Babe Films S.A.S


ジョルダーナ監督といえば「ぺッピーノの百歩」(‘00)や「輝ける青春」(’03)などで
政治的社会的に揺れ動いた60年代のイタリアを描いた社会派監督。
「自転車泥棒」(‘48ヴィットリオ・デ・シーカ監督)のネオレアリズモの風合いを
思い起こさせてもくれる監督です。


マルコ・トゥリオ・ジョルダーナ監督
1950年ミラノに生まれる。
処女作“呪われた者たちを愛す”が1980年ロカルノ映画祭でグランプリ受賞。
その後も戦後イタリアの現代史に題材を取りながら、政治映画とは一線を画した人間ドラマを
描いている。1995年の“パゾリーニ、イタリアの犯罪”はパゾリーニ暗殺事件に迫った問題作。
「ぺッピーノの百歩」(‘00)はベネチア国際映画祭はじめ多数の映画祭で絶賛された秀作。

本作の中心人物となるのは事件を捜査するミラノ県警のカラブレージ警視と
爆破事件の容疑者とみなされるアナキストのピネッリ。
その他にも軍警察、内務省情報局、アナキスト、ファシスト、報道関係者、NATO、CIAと
登場人物は数十名に及びます。

40数年間にわたって監督の心を占めてきた事件をこの時期になってつきつけてきた監督。
今、大変な時代を迎えようとしている私たちも真剣に向き合っていかなければなりません。
多少の登場人物の多さに辟易しているわけにはいきますまい。


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ストーリー
ミラノ。デモ隊が警官隊と衝突。流血の事態となる。
カラブレージ警視は上司からの電話で現場に急行。
混乱の中で一人の若い警官が死亡。それをきっかけに共産主義陣営、アナキスト、極右勢力が
ひしめき合う国内の緊張関係は高まっていった。
カラブレージ警視はアナキストたちの情報を入手し、8月に起きた列車爆破事故の真相を探ろ
うとミラノのアナキストグループのリーダー的存在であるピネッリに接近。

一方、ローマの内務省情報局では副局長のダマートと局員の“教授”が各組織の動向を探って
いた。そして、ファシストの情報収集のため、極右のジャーナリストに接触する。
その結果、ファシストの一員ヴェントゥーラとフレーダが実は8月の列車爆破に関与していた
ことがわかってきた。ピネッリたちアナーキストの犯行と思われていた事件だ。

そして、資産家でありながら、武力行使も厭わない出版人フェルトリネッリは
極左の大物で国内の緊張をさらに煽りたてていた。

左右あい乱れての国内の動きにモーロ外相も危機意識を募らせていた。

そんな中――
1969年12月12日16時37分。
ミラノ大聖堂の裏手フォンターナ広場に面した全国農業銀行が爆破された。
左翼の関連を疑う捜査当局はアナキストたちを次々に連行していく。
だが、現場を指揮するカラブレージ警視はアナキストのリーダー的存在である鉄道員の
ピネッリを人間的に信頼していた。
そのため、今回の残虐な爆破事件が彼らの犯行だと信じることはできなかった。

そして、ある夜、事件が起きる。
カラブレージ警視が取調室を離れた隙にピネッリが転落死してしまったのだ。
不法拘留されて3日目の夜のことだった。
自殺なのか、事故死なのか、それとも殺人なのか。

爆破事件の真相、ピネッリの死の真相はいかに?
イタリア政府、情報局、軍警察、極右組織、ネオファシスト、共産活動家、アナキスト、
さらにはNATO軍、CIAまでが関わる巨大な闇がカラブレージ警視を覆い包んでいくのだが……

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“この事件以降、イタリアは変わった”と言ったジョルダーナ監督。
爆破事件から33年後、すべての容疑者は無罪になり、裁判費用は犠牲者の家族に請求され、
取り調べ中、警察の窓から転落したピネッリの死に警察は責任無しとされました。

まるでハリウッド映画のようにイタリアでの爆破事件にCIAやNATOまでが関わってくる国際政治の暗黒部分。

70年代。
東西冷戦のさなかにあって、共産圏ユーゴスラヴィアに隣接するイタリアが共産化すれば、
イタリアはそのままヨーロッパの下腹部につきたてられる刃となることを恐れたのでありましょう。
それを阻止するために西側勢力はいかなる手段を講じることにもためらいはありません。

そして、それを調べる者の前に国家機密の大きな壁が立ちふさがり、
納得のいかない薄気味悪さが迫ってきます。
ひとりひとりの人間を情愛こめて持って描き出すことに冴えを見せるジョルダーナ監督が
あえて権力の暗闇を前面に押し出した作品です。

その暗闇におしつぶされた人間の無念さは消えることはありません。
例え、秘密の期間をどんなに長くしたとしても。

国家は個人に先行するのか――
それでいいのでしょうか?





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☆2013年12月22日に更新しました。いつも応援してくださって本当にありがとうございます☆

フォンターナ広場 ~イタリアの陰謀~
監督/マルコ・トゥリオ・ジョルダーナ、原案・脚本/マルコ・トゥリオ・ジョルダーナ、サンドロ・ペトラッリャ、ステファノ・ルッリ、パオロ・クッキアレッリ著”IL SEGRETO DI PIAZZA FONTANA”(フォンターナ広場の秘密)を元にした調査に基づく)
撮影/ロベルト・フォルツァ、編集/フランチェスカ・カルヴェッリ、美術/ジャンカルロ・バジーリ、製作総指揮/ジーナ・カルディー二、製作/リカルド・トッツィ、ジョバンニ・スタビリーニ、マルコ・キメンズ
出演
ヴァレリオ・マスタンドレア/ルイージ・カラブレージ、ピエルフランチェスコ・ファヴィーノ/ジュゼッペ・ピネッリ、ミケーラ・チェスコン/リチャ・ビネッリ、ラウラ・キアッティ/ジェンマ・カラブレージ、ファブリッツィオ・ジフーニ/アルド・モーロ、ルイージ・ロ・カーショ/予審判事ウーゴ・パオリッロ、ジョルジョ・コランジェリ/フェデリコ・ウンベルト・ダマート、オメーロ・アントヌッティ/ジュゼッペ・サラガト大統領、トマス・トラバッキ/マルコ・ノッツァ、ジョルジョ・ティラバッシ/”教授“、ファウスト・ルッソ・アレジ/グイード・ジャンネティーニ、デニズ・ファゾロ/ジョヴァンニ・ヴェントゥーラ、ジョルジョ・マルケージ/フランコ・フレーダ、アンドレア・ピエトロ・アンセルミ/グイード・ロレンツォン、セルジョ・ソッリ/警察署長マルチェロ・グイーダ
12月21日(土)よりシネマート新宿にてロードショー、全国順次ロードショー
2012年、イタリア・フランス合作、129分、イタリア語、字幕翻訳/鈴木昭裕、配給/ムビオラ、http://moviola.jp/fontana/

by Mtonosama | 2013-12-22 06:46 | 映画 | Comments(15)
フォンターナ広場 
イタリアの陰謀
  -1-
Romanzo di una strada

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©2012 Cattleya S.r.l.-Babe Films S.A.S


人間150年も生きているとそれなりにいろいろ経験するもの。
というわけで、この映画に描かれた時代を知っているとのであります。

1960年代末から70年代初め。
アメリカで、フランスで、ドイツで、イタリアで、そして、日本でも、
若者たちが一斉に立ちあがりました。
それはもうものすごい勢いで。

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レミングというネズミのような動物がいますが、
これは数が増えると一斉に大移動をするのだそうです。
そんな勢いでしたねぇ(遠い目)。

国家の在り方に怒り、社会の差別に怒り、戦争に反対していた若い人たち。
例えば、今もそんな時ではないかと思うのですけれど――
いえ、これは年寄りの繰り言でありましょうか。

本作「フォンターナ広場 イタリアの陰謀」はそんな時代のお話であります。
イタリア最大の未解決事件であるフォンターナ広場爆破事件。
本作の監督であるマルコ・トゥリオ・ジョルダーナ監督が
《この事件以降、イタリアは変わった》と慨歎した事件です。
6時間を越える超大作「輝ける青春」で1966年から37年間のイタリア現代史を
ひとつの家族を通じて描いたジョルダーナ監督の最新作が
本作「フォンターナ広場 イタリアの陰謀」。

60年代後半、東西冷戦の時代。
イタリアでも学生運動が活発化し、それは労働者にも拡がっていきます。
そんな〈熱い秋〉と呼ばれた季節が終わりを告げたのは、ある爆破事件がきっかけでした。
1969年12月12日16時37分。
ミラノ、ドゥオモの裏手にあるフォンターナ広場に面した全国農業銀行が爆破されたのです。
死者17人、負傷者88人という大変な惨劇でした。
ところが、この事件の犯人は現在に至るも特定できていません。
なぜか。
事件は急進派による先走りだったのでしょうか。
それとも、背後に事件を操る存在があったのでしょうか。

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マルコ・トゥリオ・ジョルダーナ監督は事件の起きた日時、ちょうどその広場にいました。
現場からたった300メートルしか離れていない場所だったそうです。
阿鼻叫喚の地獄絵。19歳のマルコが直近で目にした事件。
それは、未だ脳裏に深く刻みつけられているにもかかわらず、
解決もされないまま、人々の記憶から消し去られようとしていることに
目撃者として、映画監督として、監督は何を感じたのでしょうか。

本作を映画化するにあたり、監督をもっとも触発した資料は『フォンターナ広場の秘密』
(‘09 パオロ・クッキアレッリ著)でした。
この著作に著された仮説をさらに徹底して調べ上げ、自身の経験を重ね合わせ、
関係者が未だ存命する中、全ての登場人物を実名で描き出したのが
本作「フォンターナ広場 イタリアの陰謀」です。

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さすがジョルダーナ監督――
ではありますが、
日本の60年代70年代を生きたとはいえ、イタリアの当時の状況はよくわからず、
右翼、左翼、警察、軍、イタリア政府が絡み合う状況は
「ちょ、ちょっと待ってください」と登場人物を確認したくなりました。
なにせ爆破事件の背景には魑魅魍魎が入り乱れていますからねぇ。

が、しかし
本作を観ると、この間の日本の特定秘密法案をめぐる動きをいやでも思い浮かべてしまいます。

監督の言葉が印象的です。
「この事件は多くの若者たちにとって民主主義の幻想が打ち砕かれたことを意味していた。
当時、多くの人間がこう考えた――もし本当に裏で自分たちの政府が動いていたとしたら」
さらにジョルダーナ監督はいいます。
「この事件以降、イタリアは変わったのだ」――――――

「2013年12月以降、日本は変わったのだ・・・・・」

覚悟して臨むことになります。



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フォンターナ広場 ~イタリアの陰謀~
監督/マルコ・トゥリオ・ジョルダーナ、原案・脚本/マルコ・トゥリオ・ジョルダーナ、サンドロ・ペトラッリャ、ステファノ・ルッリ、パオロ・クッキアレッリ著”IL SEGRETO DI PIAZZA FONTANA”(フォンターナ広場の秘密)を元にした調査に基づく)
撮影/ロベルト・フォルツァ、編集/フランチェスカ・カルヴェッリ、美術/ジャンカルロ・バジーリ、製作総指揮/ジーナ・カルディー二、製作/リカルド・トッツィ、ジョバンニ・スタビリーニ、マルコ・キメンズ
出演
ヴァレリオ・マスタンドレア/ルイージ・カラブレージ、ピエルフランチェスコ・ファヴィーノ/ジュゼッペ・ピネッリ、ミケーラ・チェスコン/リチャ・ビネッリ、ラウラ・キアッティ/ジェンマ・カラブレージ、ファブリッツィオ・ジフーニ/アルド・モーロ、ルイージ・ロ・カーショ/予審判事ウーゴ・パオリッロ、ジョルジョ・コランジェリ/フェデリコ・ウンベルト・ダマート、オメーロ・アントヌッティ/ジュゼッペ・サラガト大統領、トマス・トラバッキ/マルコ・ノッツァ、ジョルジョ・ティラバッシ/”教授“、ファウスト・ルッソ・アレジ/グイード・ジャンネティーニ、デニズ・ファゾロ/ジョヴァンニ・ヴェントゥーラ、ジョルジョ・マルケージ/フランコ・フレーダ、アンドレア・ピエトロ・アンセルミ/グイード・ロレンツォン、セルジョ・ソッリ/警察署長マルチェロ・グイーダ
12月21日(土)よりシネマート新宿にてロードショー、全国順次ロードショー
2012年、イタリア・フランス合作、129分、イタリア語、字幕翻訳/鈴木昭裕、配給/ムビオラ、http://moviola.jp/fontana/

by Mtonosama | 2013-12-19 09:00 | 映画 | Comments(6)
武士の献立 –2–

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(C)2013「武士の献立」製作委員会


さてさて「武士のホニャララ」シリーズ第2弾。
ちゃんばらを期待する方にはごめんなさい。
ちゃんばらシーンはこれまた本作にはありません。
武士だって、年がら年中、人を斬っているわけにはいきませんから。

ソロバン片手に逼迫した家計を立て直すそろばん侍やら、
料理の腕で加賀藩の威信を世に示す包丁侍やら、
殿様にお仕えする侍としては、刀以外で身を立てていかなくちゃならない場合の方が多いのであります。

さあ、どんなお話かと申しますと・・・


ストーリー
加賀藩六代藩主・前田吉徳の側室お貞の方に仕える女中・春。
浅草の有名な料理屋の娘に生まれたが、幼い頃に火事に遭い、
家も両親もなくしてしまった天涯孤独の身。
しかし、親譲りの料理の腕前と天性の味覚が、周囲の舌を楽しませ、お貞の方の健康も支えていた。
ある日、加賀藩江戸屋敷の宴席で藩内屈指の料理人・舟木伝内が“鶴もどき”という汁椀を用意。
その具材に皆首をかしげる中、見事、春だけが言い当て、伝内を仰天させる。

数日後、春を訪ねる伝内。加賀では見慣れぬ“明日葉”の料理法を訊ねにきたのだった。
手際よく調理する春に、伝内は舟木家の嫁になってくれるよう懇願。
だが、春はその気の強さが災いし、嫁ぎ先から離縁されたバツイチの身。
それゆえ一旦は断るものの、お貞の方に後押しされ、再婚を決意。
遠路はるばる江戸から加賀へやっとの思いで到着した春を迎えてくれたのはやさしい姑・満。
しかし、夫の安信は年下男。
料理の腕はからっきしで家を継ぐ気もさらさらない。
おまけに、春にもまったく興味を示さない。

嫁入り早々、舟木家では饗(あえ)の会が開かれた。
それは親戚に料理をふるまい、その出来具合を吟味する大切な会。
安信が舟木家の後継にふさわしいかどうか認めてもらうためのチャンスだったが、
やる気のない安信の料理には親戚たちも大ブーイング。
その様子にいたたまれなくなった春は次の料理をこっそり作り直してしまう。
うってかわったそのおいしさに皆は感心し、会は無事終了。
だが、真相を知った安信は激怒する。
そこで春は安信と勝負に出た。
安信が勝てば春を離縁。逆なら、安信は春の料理指導を受けることに。
さて、その結果は?

春の猛特訓を受けることになった安信だったが、めきめきと料理の腕を上げていった。
昇進の機会が訪れ、その試験で高評価を受けた安信。
見事、昇進した安信に親友の定之進やその妻・佐代も大喜び。

ところが、春は、偶然、安信と佐代の関係を知ってしまった。
つまり、料理方は兄が継ぎ、次男の安信は剣術で身を立てようとしていたのだが、
道場に通う内、そこの一人娘・佐代と恋仲になり、婿入りが決まる。
だが、流行病にかかった兄が亡くなり、安信が舟木家を継ぐことに。
そして、佐代は安信の親友・定之進と結婚したというのだ――

嫁入りから1年。江戸詰めから加賀に戻った伝内は安信に跡目を譲ることを決める。
だが、その時、加賀藩では改革派と保守派の間に不穏な空気が……


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春の恩人・お貞の方や安信の親友・定之進を巻き込むお家騒動。
武士の本領か、お家のためか、
包丁侍の妻女としてのつとめか、夫への愛か、
妻も夫も義理と人情のはざまで悩みます。
義理と人情をはかりにかけて義理が重いのが男の世界なら、
義理も人情も立ってしまうのが武士の献立の世界でありました。

映画にも出てきた柚餅子(ゆべし)食べたいなぁ。
能登半島もよかったなぁ。
おいしいものと良い景色、そして夫婦愛。旅番組みたいな映画でした。
あ、これはけっして悪口ではありません。
ホント、旅心もそそられました。





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武士の献立
監督/朝原雄三、脚本/柏田道夫、山室有紀子、朝原雄三、製作総指揮/迫本淳一、飛田秀一、撮影/沖村志宏、美術/原田哲男、題字/中塚翠涛、料理監修/大友佐俊、青木悦子、料理協力/学校法人大和学園、京都調理師専門学校、料理考証/陶智子、綿抜豊昭
出演
上戸彩/舟木春、高良健吾/舟木安信、西田敏行/舟木伝内、余貴美子/舟木満、夏川結衣/お貞の方~真如院、成海璃子/今井佐代、柄本佑/今井定之進、緒方直人/大槻伝蔵、鹿賀丈史/前田土佐守直躬、語り/中村雅俊
12月14日(土)全国ロードショー、12月7日(土)石川先行ロードショー
企画・配給/松竹株式会社、http://www.bushikon.jp/

by Mtonosama | 2013-12-16 06:32 | 映画 | Comments(14)
武士の献立 –1–

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(C)2013「武士の献立」製作委員会

「武士の献立」。
なんか既視感あるなぁ、なんだったかなぁ、と首をひねっていたのですが、わかりました。
「武士の家計簿」(森田芳光監督‘10)でした。
http://mtonosama.exblog.jp/15037094/ http://mtonosama.exblog.jp/15054991/ 
チャンバラがあまり出てこないところや、〈献立〉やら〈家計簿〉やらという
少しも武士らしくない言葉とのミスマッチ感が気をひく江戸時代の加賀藩を舞台に描いた映画であります。
「武士のほにゃらら」シリーズ第2弾といったところでしょうか。

本作「武士の献立」は加賀藩に仕える料理方の家が舞台。
料理方というのは、普段は、主君やその家族の日々の食事を賄う武士で、別名を包丁侍ともいいます。
時には諸国の大名を饗応する料理をつくったりと、なかなか大変なお仕事です。
ほら、たすき姿も凛々しく、包丁をキリリとかざし、
型を決める包丁の儀式をTVなどで観たことがありますよね。
そんな儀式も登場し、高良健吾が凛々しい包丁さばきを見せてくれますよ。

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武士といっても刀を持つだけではなく、
包丁を持ったり、ソロバンをはじいたり、いろいろだったんですね。

本作に登場する包丁侍は加賀藩に実在した料理方・舟木伝内と息子・安信。
その安信に嫁いだ抜群の味覚と料理の腕を持つ出戻り娘お春が、夫を支えるというのが大筋のお話です。
この伝内・安信父子、当時のレシピ集ともいえる献立書「料理無言抄」を残しているのですって。

舟木伝内(でんない)包早(かねはや)、長左衛門(ちょうざえもん)安信(やすのぶ)親子。
藩主や家族の食事、接待、儀式などの料理を担当した。
江戸時代は将軍家や大名家に専属の料理人がいたが、舟木家の親子はその経験に基づき、
「料理無言抄(むごんしょう)」「ちから草」「料理の栞(しおり)」など詳細な料理書を著したことで知られる。
加賀藩は最高の食材と技術を駆使して将軍家をもてなしたとされ、料理は幕府に恭順の意を示す役割もあった。そうした饗応(きょうおう)料理の伝統は現代にも引き継がれている。http://www.hokkoku.co.jp/subpage/H20130101101.htm

父子の献立書には、素材を生かし、味覚を最大限に引き出す調理法、
そして、健康を考えた栄養価まで、現代にも通じる濃い内容が記されています。
映画の中でも父子のレシピをもとにかずかずの料理を再現。
その中のひとつをここでご紹介しますので、今晩のメニューにとりいれられてはいかがでしょう。

すだれ麩の治部煮
材料2人分
鴨むね肉 60g(6切れ)、小麦粉 大さじ3、すだれ麩 2切れ、生シイタケ 2枚、セリ10本、わさび適量
調味料
醤油 大さじ2、みりん 大さじ1、酒大さじ1、砂糖小さじ2、出し汁250cc
①鴨むね肉を一口大に薄くそぎ切りに。すだれ麩は適当な大きさに切り、茹でこぼしておく。生シイタケは石づきを取り、セリは茹でてスダレで形を整え、3cmの長さに切る。
②鍋に出し汁と調味料を入れて熱し、煮立ったらすだれ麩、シイタケを入れて煮る。この中に鴨肉に小麦粉をたっぷりまぶして入れ、火を通す。
③器にすだれ麩、鴨肉、シイタケを盛り、セリを添える。
※煮汁が煮詰まった時は出し汁を加えて味を調える。セリの代わりにホウレンソウでも良い。

NHK連ドラ「ごちそうさん」でもドラマに登場するいろいろな料理が楽しみですが、
料理の出てくる映画とか、なにかを作り出す映画って、つい一生懸命になってしまいます。
それに自分の好みで恐縮ですが、お麩って大好きなんです。

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本作でも、大勢のお侍が厨房で里芋の皮をむいたり、大根の桂むきをしたり、なかなか壮観です。

監督は「釣りバカ日誌14 お遍路大パニック」から「釣りバカ日誌20 ファイナル」までを務めた朝原雄三。
料理人父子には西田敏行、高良健吾、
そして気は強いけれど、料理のセンス抜群の妻には上戸彩が扮します。
さあ、いったいどんなお話でしょうか。乞うご期待でございます。



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武士の献立
監督/朝原雄三、脚本/柏田道夫、山室有紀子、朝原雄三、製作総指揮/迫本淳一、飛田秀一、撮影/沖村志宏、美術/原田哲男、題字/中塚翠涛、料理監修/大友佐俊、青木悦子、料理協力/学校法人大和学園、京都調理師専門学校、料理考証/陶智子、綿抜豊昭
出演
上戸彩/舟木春、高良健吾/舟木安信、西田敏行/舟木伝内、余貴美子/舟木満、夏川結衣/お貞の方~真如院、成海璃子/今井佐代、柄本佑/今井定之進、緒方直人/大槻伝蔵、鹿賀丈史/前田土佐守直躬、語り/中村雅俊
12月14日(土)全国ロードショー、12月7日(土)石川先行ロードショー
2013年、日本、121分、企画・協力/松竹株式会社、http://www.bushikon.jp/

by Mtonosama | 2013-12-13 05:13 | 映画 | Comments(4)
オンリー・ラヴァーズ・
レフト・アライブ
 -2-
ONLY LOVERS LEFT ALIVE

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吸血鬼はこれまで数々の小説や映画でとりあげられてきています。
ちなみに、150歳のとのが好きなのはロマン・ポランスキー監督の「吸血鬼」(‘67)です。

吸血鬼というのはその怖ろしさというより、禁断のセクシュアリティゆえに
ここまで人々を惹きつけてやまないのだと思います。
だから、吸血鬼を演じるのは昔から美男と決まっているのでしょう。

今回はカップルで登場ですから、もう美男美女であります。
とりわけイヴを演じたティルダ・スウィントンはすごい!
冒頭、ゴージャスなガウンを身につけ、床の上に横たわるイヴを
上方から延々と映し出すシーンにはやられました。
美しさと湿った土の匂いを感じさせるゴシックホラーな雰囲気を
これ以上は無理なのではないかというほどに見事に映像化されていました。
いやぁ。ティルダ・スウィントン、本当にすごい!!とても53歳とは思えません。

一方、アダムを演じたトム・ヒドルストン。
彼は「ミッドナイト・イン・パリ」でF・スコット・フィッツジェラルド役で登場しましたが、
彼もまた謎のカリスマ・ミュージシャンとして生きる吸血鬼として
フィッツジェラルドとはまったく違う味を見せてくれました。俳優って偉大ですよね。

他にはミア・ワシコウスカ。
これまたヤンチャな吸血鬼でこれまでとはまったく違う側面を楽しませてくれました。

さあ、いったいどんなお話なのでしょうか。


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ストーリー
デトロイト。うらさびれた街の古びたアパートで暮らすアダム。
彼は吸血鬼だが、カリスマ的な人気の謎のミュージシャンとして生きている。
年代物のギターを集め、名前を発表することもなく音楽活動をしている。
もちろん、その彼の活動時間は夜だけ。
必要なものの調達はイアンという男に任せているが、時折、素顔を隠して病院を訪ね、
ひそかに血液を手に入れていた。

ある夜、モロッコのタンジールに暮らす恋人のイヴが夜間の便を乗り継ぎ、
アダムの住むアパートへやってくる。
久々の再会を果たし、音楽のこと、人間たちの犯した歴史上の蛮行のことなど、
語り合うふたり。
何世紀も前の昔話をしながら、彼女はアダムに「あなたのマーロウがよろしくって」と伝える。
マーロウとは人間の歴史上では16世紀末に死んだことになっている異端の作家
クリストファー・マーロウのことだ。
彼は今、タンジールにキットという名で身を潜めていた。
それからふたりは夜の散歩に出かけ、かつては華やかだった街の廃墟をめぐる――

そんな穏やかな日々がイヴの妹エヴァの来訪によって覆されてしまう。
アダムは87年前にエヴァがひきおこした事件のことで未だに腹を立てている。
気の進まないアダムを誘い、ライヴハウスに向った3人。
エヴァはそこで出会ったイアンをアダムのアパートへ連れ帰り、
あろうことか、酔っ払ったイアンの血を吸ってしまう。

エヴァを叩きだし、気の毒なイアンの死体をデトロイトの廃墟で始末した後、
アダムとイヴはタンジールへ飛ぶ。
そして、血液を飲むため、行きつけのカフェへ出向くと、
汚染された血を飲んだキットことクリストファー・マーロウが死の床についていた――

タンジールの街かどで衰弱するアダムとイヴ。
この汚辱にあふれた現代では彼ら吸血鬼は生き続けることはできないのかもしれない……

時空を超えて存在する永遠の恋人たちの世界には
いかにも博覧強記の人・ジャームッシュ監督好みの人物が登場します。
その人物たちのことを知っていたらウフフと笑える部分がもしかしたらもっと多いかもしれませんが、
知らなくても、もちろんグフフなシーンには事欠きません。
いつもオシャレだけれど、あれっと小首をかしげることもあったジャームッシュ。
ですが、今回ばかりは別物。
とのの中で今ポランスキーの吸血鬼と本作の吸血鬼とが激しく鎬を削っています。





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☆2013年12月10日に更新しました。いつも応援ありがとうございます☆

オンリー・ラヴァーズ・レフト・アライブ
監督・脚本/ジム・ジャームッシュ、製作/ジェレミー・トーマス、レインハード・ブルンディヒ、撮影/ヨリック・ルソー、編集/アフォンソ・ゴンサルヴェス、音楽/ジョゼフ・ヴァン・ヴィセム、美術/マルコ・ビットーナ・ロッサー、衣装/ビナ・ダイヘレル
出演
トム・ヒドルストン/アダム、ティルダ・スウィントン/イヴ、ミア・ワシコウスカ/エヴァ、ジョン・ハート/マーロウ
12月20日(金)TOHOシネマズシャンテ、新宿武蔵野館、ヒューマントラストシネマ渋谷、大阪ステーションシネマ他全国ロードショー
2013年、米・英・独、123分、英語、字幕/高内朝子、提供/東宝、ロングライド、配給/ロングライド
http://onlylovers.jp/

by Mtonosama | 2013-12-10 07:17 | 映画 | Comments(8)