ブログトップ | ログイン

殿様の試写室

mtonosama.exblog.jp

殿が観た最新映画をいち早くお知らせ!

<   2014年 01月 ( 11 )   > この月の画像一覧

17歳 -2-
JEUNE & JOLIE

f0165567_5113835.jpg

(C) MANDARIN CINEMA-MARS FILMS-FRANCE 2. CINEMA-FOZ


主人公のイザベルはパリの名門リセに通い、母親は大病院の医師、
バカンスの度に家族で長期の旅行に出かける恵まれた17歳です。
両親が離婚したため、実の父とは暮らしていないが、母の再婚相手ともうまくいっています。

そんな彼女になにが起こったか?

誰もが迎える17歳。誰もが経験した17歳。
おとなの目で見たら、イザベルはとんでもないおバカさん。
自分の娘がこんなことしたら悲嘆にくれるか、激昂してひっぱたくか・・・でしょうけど、
ここはひとつ自分が17歳だった頃を想い起こしながら、彼女をじっくり観てみましょうか。


ストーリー
夏。海辺。
真夏の海岸。砂浜で陽光を浴びるイザベル。ビキニに包まれた身体はまだ細い。
顔立ちにも少女っぽさが残るが、まなざしは大人びているようにもみえる。

彼女はバカンスの旅先でドイツ人青年フェリックスと知り合い、
母親から彼を夕食に誘うように言われるが、そんな干渉や指示にはウンザリだった。

その夜、フェリックスに誘われたイザベルは弟に協力を頼み、こっそり裏口から外へ。
海辺でフェリックスと抱き合う。彼女の初体験はあっけなく終了。

翌日、家族と海岸で過ごすイザベルのもとへフェリックスが。
だが、そっけなく振る舞うイザベル。

数日後、家族や友人に祝福され、17歳のバースデイを迎えるイザベル。
フェリックスは招待されていない。
バカンス最後の日、イザベルは彼に別れの言葉さえ交わさず、海辺の街を去る。

秋。パリ。
f0165567_5142088.jpg 瀟洒なホテル。6095号のドアをノックするイザベル。
彼女を迎えた初老の男を見てためらう彼女に男は言う。
「年齢はウソだ。君も写真とは違う」
イザベルはスマホに自身のサイトを開設。それを見て連絡してくる男たちと会っていた。
そう、娼婦である。
放課後になると駅のトイレで母親の服に着替え、化粧をし、ホテルへと向かう。
名前はレア、年齢は20歳、ソルボンヌ大学の2年生と偽っていた。

夕食前に帰宅したイザベルは男から受け取った300ユーロを隠す。
母親は自分のブラウスがなくなったことにしか気づいてはいない。

ある日、両親と演劇を観に行ったイザベルは数日前に関係を持った初老の男を見かける。
休憩時間に視線がぶつかる。その後「同じ時間に6095号で」というメールが届いた。
彼の名はジョルジュ。既婚者、娘もいる。イザベルの若さと美しさに魅了され、それからも度々連絡をしてくるジョルジュ。イザベルも紳士的なジョルジュの態度に好感を持つ。だが、他の男たちとも“ビジネス”を続ける彼女だった。

そんなある日、事件が起きた。
心臓発作を起こしたジョルジュがベッドの上で死んでしまったのだ。
動転してそのまま部屋を立ち去るイザベル。

冬。パリ。
イザベルの母が勤務する病院に警察官がやってくる。
ジョルジュが最後に一緒だった相手がイザベルだとわかり、彼女の放課後の行動が調べ上げられた。
「法的には未成年は被害者なのですが、捜査はします」
何を言われているのか理解できない母。
彼女が事態を理解したのはイザベルの部屋に隠されていたユーロ紙幣を見てからだった。
問い詰める母に何も応えようとしないイザベル。
彼女自身、その行動の理由づけなどできなかったのだ……

f0165567_5184120.jpg

18歳が成人年齢であるフランスでは17歳という歳は微妙な年齢です。
社会的な責任を負わされる年齢の1年前。
もう子供じゃないという焦りと、
大人になりたくないという現状否定の想いと大人になったらなんでもできるという真逆の想い。
子どもであり続けたいと思いながらも、身体はおとなのそれに近づいていく。
それでいて、子どものもろさをひきずる肉体。
身体は愛したいと思いながら、それを受け入れられない心。
また、その逆。
ああ、ほんとにややこしい。
神様が17歳の頃に戻してあげると言ってくれてもご遠慮申し上げたいお年頃。

だからこそ、多くの作家やアーティストが作品にするのでしょうね。


ぜひご自身の17歳の頃を思い出しながらご覧ください。





今日もポチッとしていただけたらうれしゅうございます♪
↓↓↓↓↓
にほんブログ村 映画ブログ 新作映画・試写会へ
にほんブログ村
☆2014年1月31日に更新しました。いつも応援して下さってありがとうございます☆

17歳
脚本・監督/フランソワ・オゾン、製作/エリック&ニコラスアルトメイヤー、撮影/パスカル・マルティ
出演
マリーヌ・ヴァクト/イザベル、ジェラルディン・ぺラス/シルヴィ。フレデリック・ピエロ/パトリック、ファンタン・ラヴァ/ヴィクトル、ヨハン・レイセン/ジョルジュ、シャーロット・ランプリング/アリス、ナタリー・リシャール/ヴェロニク、ジェジェ・アパリ/ピーター
2014年2月15日(土)新宿ピカデリー、シネスイッチ銀座他全国ロードショー
2013年、フランス、94分、提供/キノフィルムズ、KADOKAWA、配給/キノフィルムズ、後援/在日フランス大使館、アンスティテュ・フランセ日本
http://www.17-movie.jp/

by Mtonosama | 2014-01-31 05:27 | 映画 | Comments(6)
17歳 -1-
JEUNE & JOLIE

f0165567_8494667.jpg

(C) MANDARIN CINEMA-MARS FILMS-FRANCE 2. CINEMA-FOZ


17歳。
14歳と同じくらいとりあげられることの多い年齢です。
映画でも「17歳のカルテ」(’99)、「17歳のエンディングノート」(‘12)
http://mtonosama.exblog.jp/19264404/ http://mtonosama.exblog.jp/19282438/
など印象的な作品があります。

「17歳のカルテ」は精神科病棟に入院した少女たちの話。
実際に自身も境界性パーソナリティ障害で精神科入院歴のあるウィノナ・ライダーが
製作総指揮、出演も果たした作品です。
そして共演のアンジェリーナ・ジョリー。この頃から存在感大ありでした。
すごい女優だなぁと思いました。

歌だって、17歳をタイトルにしたものは多いですよね。
ジャニス・イアンの”At Seventeen”。
ある年代以上の方には懐かしい曲です。
(って、自分のことなのに・・・)



あ、そうそう、南沙織の「17歳」もありました。
♪だ~れもいない海、あなたの愛をた・し・か・め・たくって♪
なんて。へへ。

17歳。
難しい年齢ですよね。
自分のことを思い出しても、恥ずかしくなるほど荒ぶっていました。
(荒れる娘の前で泣きそうな顔をしていた母親を思い出します。おかあさん、ごめんなさい)

17歳ってヴィジュアル的には一番美しい時期であるにもかかわらず、
内面的にはグジャグジャ。
自分は何をしたいのか、
どうすればいいのか、
なんにもわからないけど、
自分がここにいる、ということだけは知ってほしい・・・
もう荒ぶる心と体を抑えることができません。

ふーっ。
あ、そこの17歳、そして、17歳の子どもを持つ親御さん、ため息をおつきですね。

f0165567_784499.jpg

そんな永遠にやっかいなお年頃をフランスの鬼才フランソワ・オゾン監督が映画にしました。


とのがオゾン監督を初めて知ったのは「ホームドラマ」(‘98)でしたが、
当時、監督は31歳。ハンサムだし、これはひいきにせねば、と思ったことを覚えています。
ところが、彼、作品を発表するごとに、
そのカラーというか、雰囲気というか、毎回違うんですよね。
「ホームドラマ」の後、「まぼろし」(‘01)を観て驚き、
その後、「8人の女たち」(‘02)を観てまたまたびっくり。
ひとつにとどまることのない監督です。ライク・ア・ローリングストーンであります。


フランソワ・オゾン監督
1967年、フランス・パリ出身。90年、国立映画学校フェミスの監督コースに入学。短編作品を発表し、「サマードレス」(‘96)でロカルノ国際映画祭短編セクション・グランプリを受賞。97年の中編「海を見る」を経て、翌年発表した長編デビュー作「ホームドラマ」がカンヌ国際映画祭批評家週間で話題となる。99年には「クリミナル・ラヴァーズ」がベネチア国際映画祭に正式出品され、「焼け石に水」(‘00)でベルリン国際映画祭のテディ2000賞を受賞。01年「まぼろし」がセザール賞の作品賞と監督賞にノミネートされ、02年には「8人の女たち」でベルリン国際映画祭銀熊賞受賞。毎年のように作品を発表しては注目を浴びている。
03年「スイミングプール」
04年「ふたりの5つの分かれ路」
05年「ぼくを葬る」
06年「A Curtain Raiser」(短編映画)
07年「エンジェル」
09年「Rickyリッキー」
10年「ムースの隠遁」
10年「しあわせの雨傘」
12年「危険なプロット」
13年「17歳」
14年「Je suis femme」

47歳にしてこのフィルモグラフィ。すごいですよね。

f0165567_641550.jpg

個人的な主観が入って恐縮ですが、
彼の映画に出演する女優はいつも強烈な印象を残してくれます。
「スイミングプール」のリュディビーヌ・サニエ、
「まぼろし」のシャーロット・ランプリング。
あ、例外的に「ぼくを葬る」の男優メルヴィル・プポー。
彼は素敵だったなぁ。

そして、本作「17歳」でも、
時折見せる大人の女の色香と繊細な少女の風貌、
娼婦のコケットと大人になりきらない肉体、
相矛盾したものを体現する新星マリーヌ・ヴァクトには注目です。

さあ、どんなお話なのでしょうか。
150歳のとのには少し刺激の強い内容だったかもしれません。乞うご期待でございますよ。



今日もポチッとお願いできれば嬉しうございます♪
↓↓↓↓↓
にほんブログ村 映画ブログ 新作映画・試写会へ
にほんブログ村
☆2014年1月28日に更新しました。いつも応援してくださってありがとうございます☆

17歳
脚本・監督/フランソワ・オゾン、製作/エリック&ニコラスアルトメイヤー、撮影/パスカル・マルティ
出演
マリーヌ・ヴァクト/イザベル、ジェラルディン・ぺラス/シルヴィ。フレデリック・ピエロ/パトリック、ファンタン・ラヴァ/ヴィクトル、ヨハン・レイセン/ジョルジュ、シャーロット・ランプリング/アリス、ナタリー・リシャール/ヴェロニク、ジェジェ・アパリ/ピーター
2014年2月15日(土)新宿ピカデリー、シネスイッチ銀座他全国ロードショー
2013年、フランス、94分、提供/キノフィルムズ、KADOKAWA、配給/キノフィルムズ、後援/在日フランス大使館、アンスティテュ・フランセ日本
http://www.17-movie.jp/ 

by Mtonosama | 2014-01-28 06:51 | 映画 | Comments(9)
光にふれる -2-
Touch of the light
逆光飛翔

f0165567_626199.jpg

(C)2012 Block 2 Pictures Inc. All rights reserved.


いつの時代でも、どこの国でも、若い方々が夢に向って一生懸命努力する姿は、
同じくらいの年齢の人々だけではなく、150歳の年配者をも励ましてくれるものです。

眼が視えないというハンデを抱えながらも、
目標に向って一歩一歩進む主人公やガールフレンドのシャオジェ。
かたやピアノ、かたやダンス。
しなやかな音感や身体表現は耳福、眼福でもあります。

柔らかい色彩、優しい光
台湾は本当に安らぎに満ちた地です。
眼も耳も心も癒されながらの110分。
どうぞお楽しみくださいませ。


ストーリー
音楽大学への入学が決まったユィシアン。彼は生まれた時から眼が視えず、
台中の田舎で花卉農家を営む両親、幼い妹と暮らしていた。
入学の日、寮での一人暮らしが決まったユィシアンは母が運転する軽トラックに揺られ、
台北の大学へ向かう。

授業初日、クラスの日直がユィシアンの教室移動を手伝うことになった。
迷惑そうな顔をするクラスメートたち。
当番にあたった日直は移動の途中で彼を置き去りにして行ってしまう。
夜、ユィシアンは母に頼んで演奏室までの道を必死の思いで頭に叩きこむ。
コツコツと鳴る白杖の音。
寮の部屋に戻るとルームメイトが寝ていた。チンである。
気のいいチンはスーパーミュージックというサークルをつくることを宣言し、
ユィシアンをひきずりこむ。

翌朝、ワンという教師がいきなり小テストをした。
音符が視えないユィシアンは呆然とする。
テスト終了後、ピアノの前に呼び出され、実技試験を受けるユィシアン。
その技量に驚嘆したワン先生は次週の課題であるバッハの演奏をユィシアンに命じた。
彼の姿を教室の外から見ていた母は安心して台中へと戻って行った。

大学構内でサークルの勧誘をするチンとユィシアン。
チンに好きな女性のタイプを訊かれ、ユィシアンは「声のきれいな人かな」と答える。
通り過ぎる女性たちの声に耳を傾ける2人。
そこへバイトで配達中のシャオジェが来る。彼女の声はユィシアンをひきつけた。

ある日、横断歩道を渡れずにいるユィシアンを見つけたシャオジェは彼を目的地まで案内。
視覚障害のある子供たちに音楽を指導するユィシアンに心を開くシャオジェ。
「わたし、踊っているときだけは生きているって感じるの」
「じゃあ、やってみなくちゃ」とユィシアンは彼女を励ます。

母の反対でレッスンが受けられないこと。ダンスのうまい恋人へのコンプレックス。
そんな理由からダンスから逃げていたシャオジェだったが、
ユィシアンの言葉でダンスカンパニーの体験レッスンに参加するのだった。

一方、クラスメートの意地悪から音楽コンクールに参加できなくなったユィシアン。
幼い頃、周囲からいわれた陰口「目が見えないからコンクールに入賞したんだ」が
彼の脳裏に蘇る……

f0165567_6314313.jpg

実話を基に構成された脚本。
ホアン・ユィシアンのピアノ演奏とシャオジェのコンテンポラリーダンスが
とても印象的です。
台湾のピナ・バウシュって感じでした。
そして、息子の自立を祈る母。
感動ものの急所はしっかりおさえた映画であります。

それぞれが困難な状況にありながら、夢にむかって一歩一歩進む姿には
疲れた心も融けていくに違いありません。

スクリーンにむかっていて感じる柔らかさ。
何でかなぁと不思議だったのですが、紗のかかったような白っぽい画面に
その理由があるような気がします。
眼が不自由な人の目を通した世界といった印象です。
きっとユィシアンの見えない眼に映る世界なのでしょうね。

優しさと同時に台湾の暖かさも感じさせる作品でした。





今日もポチッとお願いできれば嬉しうございます♪
↓↓↓↓↓
にほんブログ村 映画ブログ 新作映画・試写会へ
にほんブログ村
☆2014年1月25日に更新しました。いつも応援していただきありがとうございます。謝々☆

光にふれる
監督/チャン・ロンジー、脚本/リー・ニエンシウ、提供/ウォン・カーウァイ、撮影監督/ディラン・ドイル
出演
ホアン・ユィシアン/本人、サンドリーナ・ピンナ/シャオジェ、リー・リエ/ユィシアン母、ファンイー・シュウ/ダンス講師
2014年2月8日(土)ヒューマントラストシネマ有楽町、シネマート新宿、川崎チネチッタ他全国ロードショー
2012年、台湾・香港・中国、110分、中国語、日本語字幕/樋口裕子、後援/台北駐日経済文化代表処、配給/クロックワークス、http://hikari-fureru.jp/

by Mtonosama | 2014-01-25 06:45 | 映画 | Comments(12)
光にふれる -1-
Touch of the light
逆光飛翔

f0165567_6503813.jpg

(C)2012 Block 2 Pictures Inc. All rights reserved.


年の始めですから(もう年の始めとはいわないか・・・)、
正統派の感動映画を観ましょう。
「光にふれる」といってもひかちゃんに触るわけではありませんから、ご安心くださいね。
手術の際に爪を切ってもらったひかちゃんは
ひっかくことのできない憂さ晴らしからか、最近よく噛みつくんですわ・・・

あ、すいません。これは「三毛猫ひかちゃん」ブログではありません。

ホアン・ユィシアンという台湾出身の盲目ピアニストを描いた感動作です。


ホアン・ユィシアン
1987年台湾生まれ。ピアニスト、作曲家、編曲家。
国立台湾芸術大学ピアノ科学士取得。これはピアノ専攻で視覚障害のある学生としては台湾初のこと。
ユィシアンは出生時の網膜疾患により両目の視力を失う。幼い頃から、耳にするすべての曲を記憶するという音楽の才能を見せ、4歳よりピアノを始める。数々の楽曲を暗譜により習得。
1999年 Steinbach音楽芸術協会ピアノコンクール独奏部門で優勝。
2002年 同コンクールの独奏、重奏部門で優勝。
2007年 台湾の音楽殿堂である国家音楽肇廰で台湾国家管弦楽団と共演。

レパートリーはクラシック、ジャズ、ロック、ポップス、ラテン等あらゆるジャンルにわたり、即興演奏も得意。現在はクラシックコンサート活動のかたわら、台中視覚障害者福祉協会が助成しているバンドでピアニスト、キーボーディストとして活躍。

日本でも
2010年 Tokyo Down Cool Media Festival
2011年 東日本大震災復興支援チャリティピアノソロリサイタル、第8回ゴールドコンサート
等に出演。音楽以外でも、大学在学中に本作のもとになった短編「ジ・エンド・オブ・ザ・トンネル(天黒)」(’08)に主演、音楽も担当している。本作でも主演し、音楽を担当。2012年台湾金馬奨で最優秀台湾映画人賞を受賞。

f0165567_656930.jpg

台湾映画好きな上、4年前、台湾を訪れ、さらに台湾好きに拍車がかかり、
台湾ものというとどうしても気になってしまうとのです。
http://mtonosama.exblog.jp/13824916/ ~

本作も期待にもれず、台湾の熱気となつかしいような風景と優しい湿気を感じさせてくれる映画でした。

ホアン・ユィシアン本人をはじめ、中国系映画お約束の小太り男子のお友達といい、
台湾ヤングたちも親しみを感じさせていい感じでした。

f0165567_657232.jpg

監督はチャン・ロンジー。
彼はホアン・ユィシアンを描いた短編「ジ・エンド・オブ・ザ・トンネル(天黒)」
で台北映画祭最優秀短編賞を受賞しました。
彼の才能に着目したのが香港の名匠ウォン・カーウァイ。
そのウォン・カーウァイ監督とチャン・ロンジー監督の協力によって生まれたのが
「ジ・エンド・オブ・ザ・トンネル(天黒)」の長編版「光にふれて」であります。

ウォン・カーウァイといえば「恋する惑星」(‘94)や「花様年華」(‘00)、
木村拓哉の出演で話題にもなった「2046」(‘04)を監督し、レジオンドヌール勲章も受けています。

さあ、どんな映画なのか楽しみになってきませんか?
続きは次回で。
乞うご期待でございます。



今日もポチッとお願いできれば嬉しうございます♪
↓↓↓↓↓
にほんブログ村 映画ブログ 新作映画・試写会へ
にほんブログ村
☆2014年1月22日に更新しました。いつも応援をいただいてありがとうございます☆

光にふれる
監督/チャン・ロンジー、脚本/リー・ニエンシウ、提供/ウォン・カーウァイ、撮影監督/ディラン・ドイル
出演
ホアン・ユィシアン/本人、サンドリーナ・ピンナ/シャオジェ、リー・リエ/ユィシアン母、ファンイー・シュウ/ダンス講師
2014年2月8日(土)ヒューマントラストシネマ有楽町、シネマート新宿、川崎チネチッタ他全国ロードショー
2012年、台湾・香港・中国、110分、中国語、日本語字幕/樋口裕子、後援/台北駐日経済文化代表処、配給/クロックワークス、http://hikari-fureru.jp/

by Mtonosama | 2014-01-22 07:06 | 映画 | Comments(6)
小さいおうち -2-

f0165567_4413451.jpg


©2014「小さいおうち」製作委員会


《女中》という言葉はあまりよろしくないということで
《お手伝い》という言葉を使うようになったと150歳のとのは記憶していますが、
戦争前の時代は中流家庭以上のおたくには普通に女中さんがいたのだとか。
今のように家電なんて便利なものがない時代には家事労働というのはとても大変。
主婦一人でこなせるようなものじゃなかったということもあるのでしょうね。

ある年代以上の方だと、女中さんに勉強を教えてもらったとか、
いつも遊んでもらったとか、
その頃の日々を懐かしそうに語ったりなさいます。

この映画の主人公ともいうべき布宮タキは東北の農村出身です。
尋常小学校を卒業して東京に女中奉公に出て、奉公先の坊やを親身になってお世話しました。

時代は戦争前の古き良き時代と平成の現在を行ったりきたりしながら進行するのですが、
さあ、一体どんなお話かというと――


ストーリー
平成
布宮タキは鉛筆の芯をなめなめ自分史を書いている。
大学生の健史は大伯母で一人暮らしの彼女を訪れる際に
その原稿を読むのを楽しみにしていた。
そこには健史の知らない昭和初期の日本が描かれているのだ。

昭和
布宮タキは東京郊外の平井家に奉公する女中である。
タキが働くのは平井家。おもちゃ会社に勤める雅樹と妻の時子、一人息子・恭一の三人家族。
彼らは赤い三角屋根のモダンな家に住んでいた。
若く美しい時子は気さくで優しく、タキは彼女に憧れ、懸命に平井家のために尽くすのだった。

新年、平井家に雅樹の会社の社長や社員が集まり、日中戦争と金儲けの話で大いに盛り上がる。
その中で一人、話の輪に入れないのが新入社員・板倉だった。
彼は酒席を抜けだし、恭一の部屋で眠ってしまう。
客たちが帰り、雅樹も寝た後にめざめた板倉はタキのつくった雑煮を食べながら、
時子と音楽や映画の話で意気投合する。
それ以後、彼は平井家を訪れ、レコードを聴いたり、時子と談笑するようになっていった。

ある台風の夜、雅樹は出張、女ばかりで心細い思いをしている平井家を板倉が訪れ、
雨戸を打ち付けるなどしてくれた。
風は強く、とうとう停電。板倉は泊っていくことに。
深夜、扉が風で煽られる音にめざめた時子はソファで眠る板倉を起こす。
扉を押さえながら、暗闇の中で寄り添う二人。

しばらくして、社長は身体が弱く徴兵の心配がない板倉に商売がらみの縁談を持ち込む。
時子は雅樹から縁談の取りもちを頼まれるが、板倉は頑ななまでに拒む。
見合写真を板倉の下宿に持参する時子。
だが、帰宅した時子の後ろ姿を見て、タキは息を呑んだ。
帯の模様が朝出かけた時と逆になっていたのだ――

時子と板倉の噂が広がり始める。
戦況は悪化し、ついに板倉にも召集令状が届いた。別れを告げるため平井家を訪れる板倉。
翌朝、タキは慌ただしく出かける時子を見て、板倉に会いに行くのだと直感。
必死に時子を説得する。
「奥様がいらしてはいけません。板倉さんに来ていただきましょう」
タキは、板倉に来訪を請う手紙を、時子に書かせ、宛名のないその手紙を胸に板倉の下宿に向った。
その日、暗くなるまで板倉を待ち続ける時子だったが、板倉が訪れることはなかった・・・・・

平成
原稿用紙の上で泣き伏すタキ。
そこには『小さなおうちの恋愛事件は幕を閉じました』と書かれている。
健史が訊ねても何も答えず、タキは泣くばかり。

なぜ、そんなに泣いたのか、訊きたくてもタキはもういない。
遺品の中にあった茶色く変色した宛名のない未開封の手紙。

数年後、社会人になった健史は偶然「イタクラ・ショージ原画展」のポスターを
みつける。
そして、宛名のない手紙に導かれるまま、秘密を探る旅に出る……

f0165567_4485239.jpg

戦争のさなかにありながら、市民はまだまだ穏やかに暮らしています。
山田洋次監督作品におなじみの俳優さんたちが
戦時とはいえのんびりした東京郊外の小市民の暮らしをくすくす笑いと共に演じました。

それが一変するのが小さな赤い屋根のおうちが焼夷弾に直撃されて炎上するシーンです。
古き良き時代が燃え上がる場面では思わず声をあげてしまいました。

ラストにもうひとつの「ちいさいおうち」が登場します。
バージニア・リー・バートンの絵本です。
草原に一軒ポツンと建った小さなおうち。
その周囲に家が建ち、草原は町になり、家々はビルになり、町は都会になっていきます。
でも、高いビルの谷間にはあの小さな家が年老いた姿で残っている・・・・・
そんな内容だったような記憶があります。
幼少の頃に読んだきりなのではっきりは覚えていません。

しかし、ラストにこの絵本が登場することで
この映画がただの不倫映画ではないことがわかります。
戦争は知らず知らずの内にわたしたちの生活に入り込んできて、
気づいたときにはすべて失われるのだということも思い知らされました。

山田洋次監督の82本目の作品、良かったです。





今日もポチッとお願いできれば嬉しうございます♪
↓↓↓↓↓
にほんブログ村 映画ブログ 新作映画・試写会へ
にほんブログ村
☆2014年1月19日に更新しました。いつも応援してくださってありがとうございます☆

小さいおうち
監督/山田洋次、原作/中島京子(文春文庫刊)、脚本/山田洋次、平松恵美子、音楽/久石譲、
撮影/近森眞史
出演
松たか子/平井時子、黒木華/布宮タキ、片岡孝太郎/平井雅樹、吉岡秀隆/板倉正治、妻夫木聡/荒井健史、倍賞千恵子/布宮タキ
2014年1月25日(土)ロードショー
日本、2時間16分、企画協力/文芸春秋、制作・配給/松竹株式会社
http://www.chiisai-ouchi.jp/

by Mtonosama | 2014-01-19 04:57 | 映画 | Comments(19)
小さいおうち -1-

f0165567_71326.jpg

©2014「小さいおうち」製作委員会


試写室の前から2列目中央というまあまあお気に入りの席に座って悦にいっていると隣に女性が座りました。
すると、そのまた隣に女性の顔見知りとおぼしき方が「あらぁ、こういうの観るんだぁ」
と言いながら、入ってきました。
パンフレットに目を落としながら、2人の会話を聞いていると
「○○さんが良かったって言ってたの」と最初に隣に座った女性が答えます。
「あら~、そうなの」
と応えつつ、お二人は近況報告にうつっていきました。

「山田洋次監督作品だから観ておこっと」くらいの軽い気持ちで試写に来たとのは
それを聞いて期待が高まりました。

根が素直なとのはさりげなく聞こえてくる褒め言葉に影響されやすいのであります。

寅さんシリーズや学校シリーズ、藤沢周平シリーズ・・・
山田洋次作品はどれも皆見ごたえがありますが、
人情やらほのぼのした家族愛がその根底にあるような気がします。

今年84歳を迎える山田洋次監督の82本目となる本作ですが、
これまでと違うのは、家族の秘密を描き出したこと。

原作は中島京子の「小さいおうち」。
2010年に第143回直木賞を受賞したベストセラー小説です。


中島京子
1964年、東京都出身。出版社勤務、フリーライターを経て「FUTON」(‘03)でデビュー。06年「イトウの恋」、07年「均ちゃんの失踪」、08年「冠・婚・葬・祭」がそれぞれ吉川英治文学新人賞候補に。10年「小さなおうち」で第143回直木賞を受賞。著書に「平成大家族」「女中譚」「エルニーニョ」「花桃実桃」「東京観光」「眺望絶佳」「のろのろ歩け」など。ほかエッセイ集に「ココ・マッカリーナの机」、訳書に「地図集」(董啓章・著、藤井省三・共訳)がある。


f0165567_763067.jpg

昭和の初め、東京山の手の赤い屋根の小さなおうちに女中奉公していた布宮タキが
自身の回想録を元に、かつて働いていた平井家の中で起こった密やかな恋愛について回顧する物語。
昭和初期から次第に戦況が悪化していく中での東京の中流家庭の庶民の生活が描かれます。

この物語を読んだ山田洋次監督、
「ぜひとも自分の手で映画にしたい」と作者に手紙を出し、映画化が実現したといいます。
山田洋次監督の描く恋愛ものというのも珍しい気がするのですが、
女中さんの目を通してみた奥様の恋愛。
それが監督の手にかかるとどんな風になるのか、かなり興味深いと思いませんか?

時代は戦争前の穏やかな時代。
女中さんといい、トトロに出てくるような赤い屋根の小さなおうちといい、
なつかしいような悲しいような不思議な気持になります。

映画って、映画そのものの時代背景だけではなく、
観客である自分自身がどのような時代に生きているか、ということも、
その感じ方に大きな影響を与えると思います。
きっと、とのの気持の奥には時代への不安もあったのかもしれません。

さあ、いったいどんなお話なのでしょう。続きは次回まで乞うご期待でございます。


今日もポチッとお願いできればうれしうございます♪
↓↓↓↓↓
にほんブログ村 映画ブログ 新作映画・試写会へ
にほんブログ村
☆2014年1月16日に更新しました。いつも応援してくださり、ありがとうございます☆

小さいおうち
監督/山田洋次、原作/中島京子(文春文庫刊)、脚本/山田洋次、平松恵美子、音楽/久石譲、撮影/近森眞史
出演
松たか子/平井時子、黒木華/布宮タキ、片岡孝太郎/平井雅樹、吉岡秀隆/板倉正治、妻夫木聡/荒井健史、倍賞千恵子/布宮タキ
2014年1月25日(土)ロードショー
日本、2時間16分、企画協力/文芸春秋、制作・配給/松竹株式会社
http://www.chiisai-ouchi.jp/

by Mtonosama | 2014-01-16 07:13 | 映画 | Comments(5)
鉄くず拾いの物語 -2-
AN EPISODE IN THE LIFE OF AN IRON PICKER

f0165567_6424293.jpg


この映画の主人公セナダとナジフ夫妻は貧しいロマ人。
夫ナジフは鉄くず拾いをして妻と二人の娘を養っています。

ロマ人。
以前はジプシーと呼ばれていた人たちです。
呼び名が変わっても、偏見や差別は残るし、
貧しさゆえに更に差別を受けるということもあります。

2011年の年の瀬、ロマの女性セナダが保険証を持っていないために手術を受けられない
という記事が新聞に載りました。
それを読んで怒り心頭に発したタノヴィッチ監督、
「こんな不条理は、映画にして世の中に訴えねば」と立ち上がり、
ためらう当事者たちを説き伏せ、なんと9日間で完成させたのが本作であります。

素人も素人、一度も演技経験などないにもかかわらず、
夫のナジフ・ムジチはベルリン国際映画祭で主演男優賞を受賞したというのですから、
大したものです。
画像を見てもおわかりのように立派なお顔立ちでもありますし、
その存在感たるや半端じゃありません。

さあ、どんなお話なのでしょうか。


ストーリー
ボスニア・ヘルツェゴヴィナに住むナジフとその妻セナダは2人の娘と暮らし、
セナダは3人目を身ごもっていた。
ナジフは鉄くずを拾い、それを売って生計を立てている。
貧しくはあるが、穏やかで幸せな日々。

ある日、ナジフが帰宅するとセナダが倒れていた。
翌日近所の人に車を借り、病院へ向かう。
診断は、5ヶ月の胎児はお腹の中で死んでおり、
今すぐ専門病院で手術しないとセナダも危険だというものだった。
しかし、その手術代は保険証を持っていない彼らには到底支払うことのできない金額。
ナジフは分割払いを願うが聞き入れられず、妻を伴い、むなしく帰宅。
翌日は死にもの狂いで鉄くずを集め、国の組織に助けを求めるため、街へも出かける。
すると、ある組織の女性が病院側にかけあってくれることになり、家までセナダを迎えに来てくれた。
ところが、セナダは病院へ行ってもまた断られるだけ、と家を出ようとしない。

そんなとき、ナジフに1本の電話が入る。
義理の妹が保険証を貸してくれるというのだ。
急いで、近所の人に車を借り、義妹のもとへ向かう。

保険証を手に別の病院へ急行。
すぐに手術が行われ、「もう少し遅れていたら大変なことになっていた」と告げられる。

ほっとしたのも束の間、家へ戻ると電気が止められていた。暖房も照明もつかない。
電気代と薬代を得るため、ナジフは修理して使おうと思っていた車を解体し、売りに行くのだった……

f0165567_644364.jpg

2013年2月。
ナジフとセナダはタノヴィッチ監督から名前をとり“ダ二ス”と名付けた3人目の子ども
を抱いてベルリン国際映画祭の会場にいました。
映画は銀熊賞ダブル受賞、エキュメニカル賞特別賞も受賞し、三冠に輝きました。
そして、主演男優賞を受賞したナジフ・ムジチはなんと保険証と定職も手に入れたのです。

良い話でしょう?

ダ二ス・タノヴィッチ監督、「ノー・マンズ・ランド」で見せてくれた才能は本ものでした。
戦場カメラマンならではの作品です。
実際9日間で撮影という離れ業も、戦争中、同じような状況で
ドキュメンタリー映画を撮っていた監督にとってはとりたてて大変なことではなかったとのこと。

戦争は終わっても、まだまだ闘い続ける熱い監督であります。





今日もポチッとしていただければ嬉しうございます♪
↓↓↓↓↓
にほんブログ村 映画ブログ 新作映画・試写会へ
にほんブログ村
☆2014年1月13日に更新しました。新成人のみなさん、おめでとうございます!☆

鉄くず拾いの物語
監督・脚本/ダニエル・タノヴィッチ
出演
セナダ・アリマノヴィッチ、ナジフ・ムジチ
2014年1月11日(土)新宿武蔵野館、2月1日(土)梅田ガーデンシネマほか全国順次ロードショー
ボスニア・ヘルツェゴヴィナ=フランス=スロベニア、2013年、74分、配給/ビターズ・エンド、http://www.bitters.co.jp/tetsukuzu/

by Mtonosama | 2014-01-13 06:56 | 映画 | Comments(6)
鉄くず拾いの物語 –1–
AN EPISODE IN THE LIFE OF AN IRON PICKER

f0165567_5312375.jpg


「ノー・マンズ・ランド」(’02公開)という映画をご記憶でしょうか。
ボスニア・ヘルツェゴヴィナの監督ダ二ス・タノヴィッチのデビュー作です。
ボスニア紛争中、いがみ合う男たちの不条理な運命を皮肉めいた笑いを交えて描き出しました。
塹壕の中から顔だけのぞかせている兵士のラストシーンがなんとも印象に残る映画でした。

当時、すごい映画だなぁ、とびっくりしたので、
「鉄くず拾いの物語」がこのダ二ス・タノヴィッチ監督作品と聞いてとびつきました。
そして、これまたびっくり!
なんていうか、現実の事件をその当事者が演じることで再現した映画なんです。
プロの俳優は出演していません。
ドキュメンタリーではなく再現ドラマならぬ再現映画でした。

それにしても、ダ二ス・タノヴィッチ監督。熱い人です。


ダ二ス・タノヴィッチ監督
1969年ボスニア・ヘルツェゴヴィナ生まれ。サラエボのフィルム・アカデミーで習作を撮った後、92年のボスニア戦争勃発と同時にボスニア軍に参加。「ボスニア軍フィルムアーカイヴ」を設立。戦地の最前線で300時間以上の映像を撮影、その映像はルポルタージュやニュース映像として世界中で放映された。
94年にベルギーに移住して再び映画を学ぶ。2001年にボスニア紛争を描いた「ノー・マンズ・ランド」で監督デビューを果たし、アカデミー賞外国語映画賞、ゴールデン・グローブ賞外国語映画賞、カンヌ国際映画祭脚本賞など幾多の賞を受賞。05年にはエマニュエル・ベアール、キャロル・ブーケなどフランスを代表する俳優たちを起用し、クシシュトフ・キエロフスキの遺稿を映画化した「美しき運命の傷跡」を発表。その後、コリン・ファレル主演の「戦場カメラマン 真実の証明」(‘09)「Circus Columbia」(‘10)で戦争とその結果について描いた。08年ボスニア・ヘルツェゴヴィナで「私たちの党」という民族主義にとらわれない多民族政党を設立。しかし、自身は党首とはならず、あくまで映画監督としての立場を貫いている。

まだ40代のタノヴィッチ監督がこの映画に描こうとしたのは
あの戦争を経た後も、ボスニア・ヘルツェゴヴィナに存在する差別です。
ボスニア紛争(‘92 ~‘95)時、最前線で人々の勇気や献身を眼にしてきた監督だけに
戦争から10数年経った今、社会的に恵まれない人々から眼を逸らしたり、
自分たちの周囲にある恐怖をないものとするような社会を
余計に許すことができないのでしょう。

f0165567_5452049.jpg

この映画はロマ人の女性セナダにふりかかった事件を描いたものです。


熱血監督ダニエル・タノヴィッチが描きたかったのは何か――

続きは次回で。
乞うご期待でございます。



今日もポチッとお願いできれば嬉しうございます♪
↓↓↓↓↓
にほんブログ村 映画ブログ 新作映画・試写会へ
にほんブログ村
☆2014年1月10日に更新しました。いつも応援してくださって本当にありがとうございます☆

鉄くず拾いの物語
監督・脚本/ダニエル・タノヴィッチ
出演
セナダ・アリマノヴィッチ、ナジフ・ムジチ
2014年1月11日(土)新宿武蔵野館、2月1日(土)梅田ガーデンシネマほか全国順次ロードショー
ボスニア・ヘルツェゴヴィナ=フランス=スロベニア、2013年、74分、配給/ビターズ・エンド、http://www.bitters.co.jp/tetsukuzu/

by Mtonosama | 2014-01-10 05:42 | 映画 | Comments(4)
さよなら、アドルフ -2-
LORE

f0165567_6143295.jpg

(C)2012 Rohfilm GmbH, Lore Holdings Pty Limited, Screen Australia, Creative Scotlandand Screen NSW.

2013年10月に当試写室で上映した「ハンナ・アーレント」で
ハンナは“命令されたから殺しただけだ”というアイヒマンの言葉を問題にしていました。
“悪の凡庸”ということも言っていました。
自分の意志ではなくても、命令されればなんでもするのか、許されるのか、
ということをつきつけてきた映画でした。
http://mtonosama.exblog.jp/20634449/ http://mtonosama.exblog.jp/20659388/

いえ、「ハンナ・アーレント」と本作とは関係ありません。
ただ、“アドルフの子ども”とでもいうべきローレに
子どもだからという理由で責任を追及されずにいられるのか、
という視点を持ってしまうのは、ハンナ・アーレントの影響が強いかもしれません。
そして、彼女たちの900キロの旅が過酷な罰と思えてしまうのも、その影響でしょうか。

第63回ベルリン映画祭で“シューティングスター2013”に選ばれたサスキア・ローゼンタール。
彼女がローレという困難な役柄を深い陰影と共に好演していました。

シューティングスターというのは、
ヨーロッパ映画界に登場したニュー・スターを
いち早く取り上げて紹介しつつ、彼らの栄光を讃え、
これを今後のステップ・アップに役立ててもらおうという趣旨で始められたイベント。

これに選ばれれば、まさに“君こそスターだ!”であります。
これまでにも
1999年「ミケランジェロの暗号」のモーリッツ・ブライプトロイ
2003年「グッバイ・レーニン」のダニエル・ブリュール
2009年「愛をよむひと」で女子の紅涙をしぼったディヴィッド・クロス
たちを輩出していますね。

彼女もまた近い将来ドイツを代表する大女優になること、間違いなしです。

あ、すいません。
とのの好きなモーリッツ・ブライプトロイの名前を見たもので
興奮してまたまた横道に逸れてしまいました。

さて、ストーリーです。


f0165567_6203662.jpg

ストーリー
1945年春。敗戦直後のドイツ。
ナチス幹部だった両親が連合軍に拘束され、
身を寄せていた家からも追い出された14歳のローレ。
彼女は妹のリーゼル、双子の弟ギュンターとユルゲン、そして赤ん坊のペーターと共に、
900キロも離れたハンブルグにある祖母の家を目指す。

過酷な旅の途中、ローレ達はあるキャンプに立ち寄る。
そこで目にしたものはナチスが行ったユダヤ人虐殺の写真だった。
優しかった父と同じ制服を着た軍人、そして、痩せ衰えたユダヤ人の遺体――
その夜、眠れないままに写真の前に立ち尽くしたローレはそれらを破り取ってしまう。

翌日、キャンプを後にしたローレ達は連合軍兵士たちに呼びとめられた。
うろたえるローレを救ってくれたのは一人の青年だった。

「兄のトーマスだ」と身分証を提示する青年。
そして、その身分証にはユダヤ人であることを示す黄色い星が挟まれていた。

一緒に旅をするようになったトーマスに幼い妹弟たちはすぐに懐いた。
ドイツは戦争に負け、連合国によって分割統治されていること。
今、いる場所はアメリカ地区だということ。
北には行けないということ。
祖国は世界中から憎まれているということ・・・
トーマスは教えてくれた。しかし、ローレはユダヤ人である彼に心を許すことはできない。

しばらくしてソ連地区に入った。祖母の家はまだまだ先。
空腹を訴える弟たちのためにトーマスは森の奥に入っていった。
不安な時間を過ごしていたローレたちの目に小さな人影が見えた。
「トーマスだ!」ローレの制止を振り切って飛び出した弟ギュンターを銃声が襲った。

小さな亡きがらを弔うこともできないまま、先を急ぐ一行。
絶望感に沈むローレにトーマスはここから先は検問はなく、汽車にも乗れることを告げる。
「もう頼るな」。
「私たちを置いていかないで」とすがるローレにも態度を変えないトーマス。

―― トーマスはローレと共に汽車に揺られていた。
虐殺されたユダヤ人を話題にしている乗客。
その横で身を固くしているローレ。
連合軍兵士がやってきたとき、トーマスの様子が変わった。
そして、そのまま、列車を飛び降り、闇の中へ走り去って行った……

長い旅、重い旅。
14歳の少女が小さな妹弟を連れ900キロも移動するのはあまりに荷が重いことです。
道中、同行する謎の青年。
ユダヤ人の身分証を持っていますが、それが本人のものなのかもはっきりとはしません。
信じてきたものが一斉にひっくりかえり(アドルフ・ヒトラーも、父すらも)
憎み続けてきたユダヤ人に救いを請うまでに追いつめられたローレの絶望。
14歳で抱え込むには重すぎる現実でした。
トーマスに助けを請うことが、この誇り高い少女にとっては
これまでの自分を壊す第一歩であったのですね。

重い映画です。見ごたえのある作品でした。





今日もポチッとしていただければ嬉しうございます♪
↓↓↓↓↓
にほんブログ村 映画ブログ 新作映画・試写会へ
にほんブログ村
☆2014年1月7日に更新しました。いつも応援してくださって誠にありがとうございます☆

さよなら、アドルフ
監督・脚本/ケイト・ショートランド
出演
サスキア・ローゼンダール/ハネローレ、カイ・マリーナ/トーマス、ウルシーナ・ラルディ/ローレの母、ハンス=ヨッヘン・ヴァーグナー/ローレの父
2014年1月11日シネスイッチ銀座他にて全国順次ロードショー
http://www.sayonara-adolf.com/

by Mtonosama | 2014-01-07 06:32 | 映画 | Comments(6)
さよなら、アドルフ -1-
LORE

f0165567_5595165.jpg

(C)2012 Rohfilm GmbH, Lore Holdings Pty Limited, Screen Australia, Creative Scotlandand Screen NSW.


2014年初めての映画紹介です。
「さよなら、アドルフ」。
これまでにない切り口でナチスを描いた映画であります。

めでたいお正月ではありますが、正月気分は三が日まで。
今日からは新しい年という航海への船出といたしましょう。
と、鼻息も荒いとの。
今朝の酒がまだ残っているのか。

昨年の歳の瀬には、人々の制止を振り切って
黒い公用車をとある神社へ乗りつけた首相もおいでです。
特定秘密法といい、
武器禁輸三原則の形骸化といい、
主要電源は原発にありといいはる強硬さといい、
この国をどこへ連れていくおつもりなのでしょうか。

f0165567_67862.jpg

そんな中、ご紹介するのは本作「さよなら、アドルフ」。
これまでも第2次世界大戦時のナチスドイツは数多くの映画になってきました。
連合軍がむかう強制収容所の金網に沿って骨と皮だけになり、
やっとの思いで立っている縦縞の囚人服のユダヤ人たち。
拳を固めて演説するアドルフ・ヒトラー。
ですが、いつ頃からかステレオ・タイプに描かれていたこの時代のドイツが変わり始めました。

あるいは、悩める総統だったり、
ナチスをやりこめるユダヤ人だったり。
その度に時代は変わったと思いながら、
その新しい切り口に新鮮味を感じていましたが、これはまた――

そう、本作はこれまでとは全く異なる視点から描かれています。
ナチス幹部の子どもたちのその後、という視点です。
脚本・監督はオーストラリアのケイト・ショートランド。

オーストラリア映画です。監督はまったくドイツ語を話せませんが、
リアリティを貫くため全編ドイツ語となっています。
「さよなら、アドルフ」。オリジナルタイトルはLORE。
ローレというのは主人公の14歳の女の子ハネローレの愛称です。
ちなみにアドルフは、そう、アドルフ・ヒットラーのアドルフです。
この映画の原作はブッカー賞最終候補になったベストセラー小説「暗闇のなかで」(レイチェル・シーファー著)。

1945年春。敗戦後のドイツ。ナチス親衛隊の高官だった両親が連合軍に拘束され、
14歳のローレは赤ん坊の弟を含む幼い妹弟の5人だけで取り残されます。
彼女は南ドイツのシュヴァルツヴァルトから母方の祖母が暮らす北のハンブルグまで
約900キロ、爆撃で荒廃した国内を縦断する旅に出る……
とはいえ、おばあちゃんに会えてめでたしめでたし、というお涙ちょうだいの
感動ものというロードムービーではありません。

f0165567_691784.jpg

ユダヤ人を殺戮するナチス高官も家に帰れば子を持つ父親であり、
普通の生活を営む家庭人です。
そして、それとは逆に、子どもといえども純粋無垢な天使ではなく、
反ユダヤ人意識を知らず知らずの内に身につけています。
ま、そこが見どころであるのですが。

ローレは14歳。大人とも子どもともいえない中途半端な年齢です。
戦争中、彼女はユダヤ人虐殺の事実を、他の多くの国民同様知らされてはいませんでした。
親の罪は子どもには関係ありません。
ですが、反ユダヤ思想は大人たち同様恐らくは彼女の中にも深くはびこっています。
ローレのドイツ人としての誇りや端然とした姿勢はナチス高官の娘という出自とも結びついています。
14歳であれば充分にそれを理解できる歳でもありましょう。
でも、やはり14歳はまだ大人ではないのですよね。

さあ、いったいどんなお話なのでしょう。
続きは次回で。乞うご期待でございますよ。



今年もポチッをいただければ嬉しうございます♪
↓↓↓↓↓
にほんブログ村 映画ブログ 新作映画・試写会へ
にほんブログ村
☆2014年1月4日に更新しました。本年もどうぞよろしくお願い申し上げます☆

さよなら、アドルフ
監督・脚本/ケイト・ショートランド
出演
サスキア・ローゼンダール/ハネローレ、カイ・マリーナ/トーマス、ウルシーナ・ラルディ/ローレの母、ハンス=ヨッヘン・ヴァーグナー/ローレの父
2014年1月11日シネスイッチ銀座他にて全国順次ロードショー
http://www.sayonara-adolf.com/

by Mtonosama | 2014-01-04 06:21 | 映画 | Comments(8)