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殿様の試写室

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それでも夜は明ける -1-
12 YEARS A SLAVE

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(C)2013BassFilms,LLCandMonarchyEnterprisesS.a.r.l.intherestoftheWorld. AllRightsReserved.


行列が嫌いなとのです。
でも、時々、試写の段階で行列のできている映画にぶつかることがあります。
そんな時は嫌いだなんて言っていられないので、ちゃんと並びます。
しかし、本作「それでも夜は明ける」は行列に並んでも入れませんでした。
2回目、それも1時間前に試写室に到着し、ようやく鑑賞することができました。
やっとの思いで試写室のお気に入りの座席に腰を下ろせた時はワクワクしてしまいました。

今回はそのワクワクに不純な動機が加わっていたことも白状しなければなりません。
本作には、先日「世界で最も美しい顔NO.1」に選ばれたマイケル・ファスベンダーが
出演していたのです。
「世界で最も美しい顔NO.1」。
これ、アメリカの映画サイトTC Candlerがユーザー 投票により選出し、
毎年発表する人気ランキングです。

“The 100 Most Handsome Faces of 2013”。ご覧になりたいですよね。



ちなみに日本人は本田圭佑が58位。
金城武が81位、赤西仁が83位にランクインしています。

すいません。
ついついハンサムという言葉につられ、関係ないことまでご紹介してしまいました。

えー、話を戻します。
ファスベンダーです。
ファスベンダーという名前からもわかるようにドイツ系であります。
「えーっ、ドイツ人にそんな美男っていたっけ?」というのが
最初このニュースを聞いた時にとった反応。
なんとかスクリーン上で美男を堪能したいというのが本作試写室に行列した動機でした。

しかし、美男だからって良い役とは限らず、とんでもない悪役を演じていましたけれど。
またまた脱線しますが、本作には100人の美男に選ばれた内、なんと3人が出演していますよ。
えーっと98位のベネディクト・カンバーバッチでしょ。
それから8位のブラッド・ピットです。
ブラッド・ピットは本作の製作も担当しています。

美男に浮かれて、映画とは関係ないことばかり言ってしまいました。
お許しください。

そろそろ、この行列のできる映画について少しはご紹介しなければ。
監督はスティーヴ・マックィーン。
と書くと、ある年代以上の方は(はい、とのも含めてですが)
どうしたって「大脱走」のスティーヴ・マックィーンを
あのマーチと共に思い浮かべますよね。
しかし、違うんです。

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こちらのスティーヴ・マックィーンは

1969年ロンドン生まれ。
ロンドンのチェルシー・カレッジ・オブ・アート・アンド・デザインとゴールド・スミス・カレッジで学び、
在学中に映画を作り始めました。卒業後は彫刻家、写真家としても活動。
1999年にはイギリスの美術賞・ターナー賞を受賞。その他、シカゴ美術館、パリ市立近代美術館、ドイツの現代アート世界博覧会ドクメンタ(02,07)、第53 回ヴェネツィア・ビエンナーレ(09)等で展覧会を開催。その作品はテート美術館、MoMA、ポンピドゥ・センターなど世界中の美術館に所蔵されています。
02年に大英帝国勲章4位、11年には3位を与えられ、また、03年にはロンドンの帝国戦争博物館よりイラク戦争の公式戦争アーティストに任命されました。07年にはイラク戦争で戦死した英国軍兵士1人1人の顔写真を印刷した郵便切手の作品がロンドンの大英帝国戦争博物館で公開。
英国の通常の郵便切手と同様に、エリザベス女王のシルエットが印刷されており、女王の名の下に出征した兵士をしのぶ作品です。
http://www.afpbb.com/articles/-/2287998?pid=2168753
長編映画デビューは脚本も務めた08年の「Hunger」。IRA活動家のボビー・サンズが看守たちの残忍な扱いに対する抗議活動としてハンガー・ストライキを行い、死に至るまでの数ヶ月を描いた作品。この作品でカンヌ国際映画祭カメラ・ドール、トロント国際映画祭ディーゼルディスカバリー賞、ロサンゼルス映画批評家協会賞ニュー・ジェネレーション賞、英国アカデミー賞新人賞カール・フォアマン賞等など多くの賞に輝いています。

とまあ、映画監督以外でもアーティストとしてもかなりイケテル方なんです。

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さて、本題。
本作は、1853年アフリカ系アメリカ人ソロモン・ノーサップが出した回想録を原作にした映画です。
1853年というと南北戦争の始まる8年前のことです。
自由黒人だったソロモン・ノーサップが強いられることとなった12年間にわたる奴隷生活が描かれ、
当時ベストセラーとなった手記。
それを基にジョン・リドリーが脚本化し、スティーヴ・マックィーンが監督した作品です。

前置き(それも本筋とは関係ない前置きで)が長くなってしまいましたが、
さあ、いったいどんなお話なのでしょう。

続きはもう少々お待ちくださいませ。



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それでも夜は明ける
監督/スティーヴ・マックィーン、脚本/ジョン・リドリー、製作/ブラッド・ピット、デデ・ガードナー、ジェレミー・クライナー、ビル・ポーラッド、スティーヴ・マックィーン、アーノン・ミルチャン、アンソニー・カタガス、製作総指揮/テッサ・ロス、ジョン・リドリー、撮影/ジョー・ウォーカー、音楽/ハンス・ジマー
出演
キウェテル・イジョフォー/ソロモン・ノーサップ、プラット、マイケル・ファスベンダー/エドウィン・エップス、ベネディクト・カンバーバッチ/フォード、ポール・ダノ/ジョン・ティビッツ、ギャレット・ディラハント/アームズビー、ポール・ジアマッティ/フリーマン、スクート・マクネイリー/ブラウン、ルピタ・ニョンゴ/パッツィ、アデペロ・オデュイエ/イライザ、サラ・ポールソン/エップス夫人、ブラッド・ピット/バス、マイケル・ケネス・ウィリアムズ/ロバート、アルフレ・ウッダード/ショー夫人、クリス・チョーク/クレマンス・レイ、タラン・キラム/ハミルトン、ビル・キャンプ/ラドバーン
3月7日(金)TOHOシネマズみゆき座ほか全国順次ロードショー
2013年、米英合作、134分、カラー、字幕翻訳/寺尾次郎、配給/ギャガ
http://yo-akeru.gaga.ne.jp/

by Mtonosama | 2014-02-26 07:12 | 映画 | Comments(6)
三毛猫ひかちゃん –13–


あたし、ひかちゃん。

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降ったわねぇ。

あたし、今回は案外早く出てきたと思わない?
あたしだってコタツで丸くなっちゃいられない事情もあるのよ。

あのね、二度目の大雪の中、飼い主は法事に行ったのね。
で、風邪をこじらせて帰ってきたの。
あたしだって、一緒にお布団に入って暖めてあげたり、一生懸命看病したのよ。
それなりに。

でも、飼い主は試写会に行けず、彼女の試写室でも映画上映できなくなっちゃったの。

そ、困った時のひかちゃん登場ってことよ。

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空から落ちてくるあの白いものはフワフワしてて軽そうで
なんかあったかそうよね。
あたし、まだ生まれて10ヶ月でしょ。
「あれは雪といって見た目はやわらかそうでも積もると大変なんだよ」って
言われても、そんなものなのかなぁって、思うだけよ。

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で、隙間から飛び出していったの。


もう~、なんなのよぉ。
埋まっちゃったわよ。それに冷たいじゃないの。

こんなに埋まっちゃうってことはあたしが重すぎるってこと?
そうよねぇ。5キロはありそうってこないだ言われたし・・・

でも、ダイエットはしないわよ。

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雪の降る日はテーブルの上で飼い主の作業の邪魔をするに限るわ。

こんな雪にいつも覆われている雪国のみなさん、
雪かきで疲れた肩や腰をあたしのキャッツハンドでマッサージしてさしあげたいわ。
どうぞご無理のないようにね。

またね。

By ひかり


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by Mtonosama | 2014-02-24 06:35 | 映画 | Comments(10)
家路 -2-

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©「家路」製作委員会

2012年、当試写室で「プリピャチ」というチェルノブイリ事故のその後を撮影した
ドキュメンタリー映画を上映しました。
http://mtonosama.exblog.jp/17244517/ http://mtonosama.exblog.jp/17256592/

2013年には「故郷よ」というチェルノブイリ事故後プリピャチに暮らしていた人々
を描いた劇映画を上映しています。
http://mtonosama.exblog.jp/18576798/ http://mtonosama.exblog.jp/18591585/

プリピャチというのはチェルノブイリ原発から4キロしか離れていない街です。
「故郷よ」は事故後30年近くを経過しても、立入制限区域であるプリピャチの市内や
かつて原発で作業する人々が住み今や廃墟となったアパートの中に、
俳優とカメラが入り、撮影した映画でした。

チェルノブイリ事故に関連した劇映画は事故後数十年を経てようやく撮影されましたが、
日本では事故後3年を迎える前に撮られています。
既に、2012年にも園子音監督が「希望の国」を制作していますし。

さあ、事故後3年にして描かれた劇映画、いったいどんな作品なのでしょう。


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ストーリー
次郎
あの日から誰も入ることができない家。
かつては大勢の家族で暮らしていた家。
警戒区域内にあっても、季節はめぐり、今は鮮やかな新緑に彩られるこの家に
次郎は誰にも告げず、たった一人で帰ってきた。
一人で苗を育て、土を耕し始めた。
そこへ同級生が訪れる。
彼と想い出の地をめぐりながらボツボツとこれまでのことを話し始める次郎。
なぜ、この家を出て、二十年近くも帰らずにいたのか。
なぜ、震災後の今、誰もいなくなった家に戻ってきたのか・・・
同級生は訊く。「ここで暮らしていくって、ゆっくり自殺するようなものじゃないのか?」
次郎は「誰もいなくなったら、何もなかったってことになる」と――

総一
先祖から受け継いだ土地を福島原発事故によって失い、仮設住宅に暮らす総一。
今日も警察に行き、窮状を訴える。
農家の長男である総一は父から受け継いだ田畑を失うことは故郷を失うことであり、
自身の尊厳を失うことでもあった。この現実の前では光もなければ可能性も希望もない。
総一の妻・美佐は娘を姑に預け、以前のように風俗で働き始めている。

母・登美子
総一と美佐に気を遣いながら狭い仮設で同居する総一の継母・登美子。
容赦ない現実を静かに受け入れているように見えながらも、
地域の権力者だった亡夫の下で小作人のように働かされてきたというわだかまりを
抱え、少しずつ壊れ始めている。
とりわけ彼女の心に重いしこりとなっているのは20年程前、夫に言われるままに、
血を分けた息子である次郎を家から送り出したことへの深い悔いである。

家族の再会
やがて次郎の帰ってきていることを知った総一は次郎を迎えにいく。
畑を耕す次郎を見て、総一はたまりにたまった憤懣を弟に向ってぶつけてしまう。
そんな兄に「ここでもう一度やり直したい」と告げる弟。
その後、仮設住宅にやってきた次郎に「みんな揃ったね」と喜ぶ母・登美子。
次郎と登美子は何も変わらなかったかのように米作りの段取りを話し始める。
翌日、母子はかつて暮らした家に向う。
途中まで見送った総一の中でも何かが変わり始めたようだ……

チェルノブイリ事故から数十年経って
ようやく劇映画「故郷よ」が撮影されたことに較べると、
本作のような、過去も現在もこれからのことも含め、
あの地に暮らす人たちを客観的にとらえようとする劇映画が撮影されたことは驚きです。

原発事故が皆の記憶にまだ生々しい時期に
(というか、今も、これからも進行形でありますが)
撮影されたのですから。

日本人は忘れやすい人々であるとはいえ、
今はまだ、あの事故を終わったこととして結論を出す時期ではありません。
そうです。
本作は結論ではなく、とまどいをとまどいとしてそのまま描き出した作品なのでしょう。

福島の原発事故は終わったのではなく、これからも続いていきます。
これからも私たちの内にあります。





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家路
監督/久保田直、脚本/青木研次、企画協力/是枝裕和、諏訪敦彦、撮影/板倉陽子
出演
松山ケンイチ、内野聖陽、田中裕子、安藤サクラ、山中崇、三石研、田中要次、石橋蓮司
3月1日(土)新宿ピカデリーほか全国ロードショー
2014年、日本、1時間58分、配給ビターズエンド
http://www.bitters.co.jp/ieji/

by Mtonosama | 2014-02-21 07:03 | 映画 | Comments(8)
家路 -1-

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©「家路」製作委員会


あの大震災、そして、あの原発事故からもう3年経ちました。
3年――
言葉では簡単に言えますが、
自分の家や土地、生業を失くし、
先行きも決められないまま過ごす3年はあまりに長過ぎます。

本作はあの震災の翌日、福島第一原子力発電所から半径20キロ圏内で代々暮らし、
農業を営み、今は仮設住宅に暮らす家族が主人公の物語です。
ドキュメンタリーではなく、劇映画です。
劇映画だから、こんなこともあるだろう、これはどうよ?と想像や想いもつまった映画です。
観客は、監督や脚本家のフィルター越しにその後の福島をみつめ客観的に考えることができます。

しかし、誰もいない商店街、仮設住宅、耕す人のいない農地。
皆、現実です。今そこにある光景です。

久保田直監督作品。


久保田直監督
1960年生まれ。1982年からドキュメンタリーを中心としてNHK、民放各社の番組制作に携わる。2007年カンヌMIPDOCでTRAILBLAZER賞を受賞し、世界の8人のドキュメンタリストに選出される。2011年に文化庁芸術祭参加作品「終戦特番 青い目の少年兵」(NHKBSプレミアム)を演出。本作が劇映画デビュー作。

MIPDOC
“MIP”は毎年、年に2 回カンヌで行われる最大級の映像コンテンツ国際見本市。期間中は約100ヶ国から1万人以上のメディア関係者が集まる。MIPDOCはドキュメンタリー番組に特化したスクリーニング・イベント。
http://www.reedmidem.co.jp/miptv/purpose.html

本作には是枝裕和監督、諏訪敦彦監督が企画協力しています。

震災後の家族を描いた「家路」。
福島原発の警戒区域内に住んでいた兄と弟、亡父と息子たち、夫と妻――
それぞれの確執や苦しみや愛情を描いた物語です。

20年ぶりに今は立入禁止区域内にある家に戻ってきて稲を育てる弟――
現実にはありえないような設定でしょう。
が、しかし
被災地と仮設住宅でおこなった取材によって得た実在の人物のエピソードを脚本に加え、
まるでドキュメンタリー映画のような作品に仕上がりました。
でも、劇映画です。

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豊かな緑の中に、まだ真新しい街路灯や看板の商店街。
それだけを見れば、
今そこに人っ子一人いないことの方がフィクション以外の何者でもないように思えます。
でも、車道には雑草が生え、急いで避難した人がほっぽっていったのか自転車が転がっています。
この映像ほど、捨てられた町、去らざるを得なかった町民の想いを強く語りかけてくるものはありません。
現在居住制限区域となった場所で撮影されたシーンです。

震災後、立入禁止区域となった兄弟の生家として登場する家は
福島県川内村の旧緊急時避難準備区域(福島第一原子力発電所から20~30キロ)にあります。

無人の商店街も、
全域が警戒区域(福島第一原子力発電所から20キロ圏内)となった富岡町で撮られました。
現在、地域再編によって立入制限は解除されたものの、
実際は15歳以下の立ち入りは禁止され、
それ以上の年齢の人も立ち入りは午前9時から午後3時まで時間を制限されています。
また、スクリーニング(放射線量検査 / 表面汚染検査)も推奨されているということです。
本町内での本格的な映画の撮影は本作が初めてです。
俳優もスタッフも緊張を強いられる撮影だったでしょう。

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まだ3年?もう3年?
仮設住宅で暮らす人はまだいるし、
将来の展望の立たない人は大勢います。
人が人として生きるためには、これまで寄って立ってきた仕事が必要です。

しかし、映画は被災者としての彼らではなく、
親子、兄弟、夫婦、友人、さまざまな確執を抱えた彼らをも描き出しています。

非現実的な設定ではあっても決してありえないわけではありません。
そもそもありえないこと、あってはならないことが起こってしまったのですものね。

さあ、どんなお話なのでしょうか。
続きは次回までお待ちください。



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家路
監督/久保田直、脚本/青木研次、企画協力/是枝裕和、諏訪敦彦、撮影/板倉陽子
出演
松山ケンイチ、内野聖陽、田中裕子、安藤サクラ、山中崇、三石研、田中要次、石橋蓮司
3月1日(土)新宿ピカデリーほか全国ロードショー
2014年、日本、1時間58分、配給ビターズエンド
http://www.bitters.co.jp/ieji/

by Mtonosama | 2014-02-18 06:50 | 映画 | Comments(8)
コーヒーをめぐる冒険 -2-
Oh Boy

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(C) 2012 Schiwago Film GmbH, Chromosom Filmproduktion, HR, arte All rights reserved

ヤン・オーレ・ゲルスター監督はハーゲンというドイツ西部のルール地方にある工業都市出身。
そんな彼がベルリンにやってきて映画修行を始めたのは22歳の時です。
人口19 万人の町から、人口350万人で歴史的にも文化的にもケタ違いの
ドイツ最大の都市へやってきたヤンさん、さぞびっくりしたことでしょうね。

さて、本作の主人公はニコ。
彼はベルリン在住のベルリンっ子です。
実は2年前に親に内緒で大学を中退し、自由気ままに暮らしています。
そんなニコが動き回るベルリンの街はハーゲン出身である監督の眼を通したものでもあり、
ベルリンの壁やチェックポイントチャーリーだけじゃない
普段着のベルリンやちょっとディープなベルリンも楽しむことができますよ。

さあ、一体どんなお話でしょうか。


ストーリー
その朝ニコはガールフレンドのベッドで眼を覚ました。
彼女が眠っている間に家に帰りたかったのに、
起き出した彼女から今日の予定を矢継ぎ早に訊ねられウンザリ。

ニコ、大事な用があったのを思い出す。
運転適性診断を受け、飲酒運転で取り上げられた運転免許証を返してもらう日だったのだ。
ところが、面接官がイヤなヤツで運転適性とは関係ないことまで根ほり葉ほり訊いてくる。
思わずムッとすると「そんなに情緒不安定では免許証は返せない」だと――

朝からバタバタ続きでコーヒーも飲んでいない。
街のカフェに入り、コーヒーを注文するが店員はあれこれ小うるさいことを言った揚句、
とんでもなく高い値段を請求してきた。
持ち合わせが足りず、まけてくれと頼んだらバカにされ、コーヒーを飲まず店を出る。

親からの送金をひきだそうと街かどのATMへ。
その脇にホームレスが眠っている。小銭を全部男の紙コップに入れてあげる。
あらためてATMにキャッシュカードを差し込んだところ、あれあれ、カードが吸い込まれてしまった。
慌ててさっきめぐんだ小銭を取り出そうと身を屈めたら、通りかかった女の子の冷たい目。

仕方なく家に帰ると、上の階に住むおじさんが挨拶に来る。
このおじさん、奥さん手作りのメチャクチャにまずいミートボールを手土産に、
強引に部屋に押し入り、あれやこれやとニコのことを詮索。
だが、子どもの話になると泣き始める。

なだめながら彼を部屋から追い出し、ボーッとしていると友人のマッツェから誘いの電話。
自称俳優、出演作無しの彼とレストランに入りコーヒーを注文する。
だが、コーヒーマシンは故障中。
なんと、その店で同級生のユリカとばったり。
肥満児だった彼女は別人のようにスマートに。そして、ニコに片思いだったことを告白。
ニコに苛められたこともしっかり覚えているのだが――

マッツェにくっついて、ある俳優の撮影現場を見学に。
そこで見つけたコーヒーカップはあいにくカラッポ。
その後、ATMに吸い込まれていったキャッシュカードのことで父親に会うため、ゴルフ場へ。
最初はにこやかな親子の歓談から一転、お説教に。
そう、2年前に大学を中退していたことがバレてしまったから。
援助の打ち切りを宣言されるニコ。

ゴルフ場からの帰途、券売機の故障で乗車券が買えなかっただけなのに、
無賃乗車したと駅員に追いかけられ、ユリカの前衛芝居を見せられ、チンピラに絡まれ、
ニコは夜の街へ逃げ出す。
コーヒーを飲もうと入ったバーではもうコーヒーマシンを洗い終わっており、
その店でナチス政権下を生き抜いた酔っ払いの老人に話しかけられる……

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はぁーっ!
ニコならずともため息の出る最悪の一日。
夜は長いし、酔っ払った変なじいさんはすっかりニコを気に入ってしまったようですし、
コーヒーはまだまだ飲めません。

もうちょっとのところでなかなか手が届かないコーヒー。
これって、そこに見えるのに到達できないカフカの「城」を思わせます。

もうこれ以上ついていない日はないってくらいについてないのに、お行儀の良いニコ。
「ああ、私たちの若い頃は・・・」なんて言いません。言いませんとも。
でも、ホントのこと言えば「もう覇気がないったらありゃしない」と思っちゃいました。
とのを怒らせながら、ベルリンの夜は更けていきます。

ところが、ですね。
やる気も目標もないニコが直面したラストシーンに
魔都ベルリンの深さを思い知らされました。

これって、ドイツの地方都市からベルリンにやってきた監督の感じたことそのままかも。
キャバレーの灯にひきよせられ夜な夜な着飾って楽しんだ時代、
ナチの時代、
東ドイツの時代・・・
さまざまな時代がミルフィーユのように重層をなした街。

ウサギの穴に落っこちるアリスのようにベルリンという不思議な都市に吸い込まれてしまいました。
監督と極東の観客とが同じ目線に立っているというのはちょっと稀有な感覚です。

で、結局ニコはコーヒーを飲めたと思います?





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コーヒーをめぐる冒険
監督・脚本/ヤン・オーレ・ゲルスター、製作/マルコス・カンティス、アレクサンダー・ワドー、撮影/フィリップ・キルスアーマー、音楽/ザ・メジャー・マイナーズ、シェリリン・マクニール
出演
ニコ・フィッシャー/トム・シリング、フリデリーケ・ケンプター/同級生ユリカ、マルク・ホーゼマン/友人マッツェ、カタリーナ・シュットラー/ガールフレンド、ユストゥス・フォン・ドホナーニ/上階の住人カール、アンドレアス・シュレーダース/心理学者、アルント・クラヴィッター/俳優、フレデリック・ラウ/不良青年リーダー、ウルリッヒ・ネーテン/ニコの父、ミヒャエル・グヴィスデク/老人フリードリヒ
3月1日(土)渋谷シアター・イメージフォーラムにて全国順次ロードショー
2012年、ドイツ、85分、モノクロ、日本語字幕/吉川美奈子、協力/東京ドイツ文化センター、配給/セテラ・インターナショナル
http://www.cetera.co.jp/coffee/

by Mtonosama | 2014-02-15 05:22 | 映画 | Comments(6)
コーヒーをめぐる冒険 -1-
Oh Boy

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(C) 2012 Schiwago Film GmbH, Chromosom Filmproduktion, HR, arte All rights reserved


当試写室ではここのところ、
「ハンナ・アーレント」とか
http://mtonosama.exblog.jp/20634449/ http://mtonosama.exblog.jp/20659388/ 
「さよなら、アドルフ」という
http://mtonosama.exblog.jp/21216787/ http://mtonosama.exblog.jp/21235663/
重厚なドイツ語映画を上映しています。

ドイツ語映画と言ったのは
「さよなら、アドルフ」はオーストラリア人監督によるオーストラリアの映画だったからですが、
今回お送りする「コーヒーをめぐる冒険」はドイツ語映画であり、ドイツ映画であります。

しかし、これもまた重厚長大か、というと違います。
Nein!であります。
「コーヒーをめぐる冒険」などという村上春樹「羊をめぐる冒険」のパクリのような邦題といい、
「Oh Boy」という軽いオリジナルタイトルといい、
これまでのドイツ映画とは趣を異にしています。

監督はヤン・オーレ・ゲルスター。
1978年ドイツ・ハーゲン生まれ。
ちょっとこわもてな感じのおにいさんです。


ヤン・オーレ・ゲルスター監督
Xフィルム・クリエイティブ・プール社でインターンとして「グッバイ・レーニン!」(‘03)
の準備、撮影、編集、ポストプロダクションまで関わり経験を積む。
2003年からはドイツ映画テレビ・アカデミー(DFFB)で演出及び脚本執筆を学ぶ。
在学中に「グッバイ、レーニン!」のメイキングドキュメンタリーなどのプロジェクトに参加。短編映画を数本製作した後、2010年からDFFB卒業作品としてとりかかった本作によって、2012年ミュンヘン映画祭でデビュー作を対象とする「新しいドイツ映画 奨励賞」最優秀脚本賞を受賞。2013年バイエルン映画賞で脚本賞受賞、2013年ドイツ映画賞では最優秀作品、監督賞、脚本賞に輝く。

ドイツ映画賞2013
<作品賞>
金賞: OH BOY(コーヒーをめぐる冒険)
銀賞: HANNAH ARENDT(ハンナ・アーレント)
銅賞: LORE(さよなら、アドルフ)

<脚本賞>
Jan Ole Gerster(ヤン・オーレ・ゲルスター監督) OH BOY

<監督賞>
Jan Ole Gerster(ヤン・オーレ・ゲルスター監督) OH BOY

<主演女優賞>
Barbara Sukowa(バルバラ・スコヴァ) HANNAH ARENDT

<主演男優賞>
Tom Schilling(トム・シリング) OH BOY

<助演女優賞>
Christine Schorn(クリスティーネ・ショーン) DAS LEBEN IST NICHTS FÜR FEIGLINGE

<助演男優賞>
Michael Gwisdek(ミヒャエル・グヴィスデック) OH BOY
http://deutschali.exblog.jp/20451606/
 
Alichen6さん、すいませ~ん。情報拝借しました。

デビュー作でこの成績です!
ヤン、おめでとう!!(って、知人かっ)

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ハンナ・アーレントさんやローレさんの深刻なお話に接してから間がないので
本作「コーヒーをめぐる冒険」にも少し身構えて臨みました。
モノクローム、ベルリン、ドイツ語・・・
緊張シイなので、すぐにかまえてしまうんです。悪いクセです。

ですが、
朝日の射し込むベッド。
柔らかい朝の光はモノクロの方が似合うなぁ――
と、まあ、緊張は、案外早い段階で消え、
ちょっと背は低いけど、かわいいニコくんのついてない一日につきあう気になりました。
ニコを演じるトム・シリング。V6の岡田准一くんに似てます。

ヌーヴェルヴァーグのようだ、とか、
ジム・ジャームッシュのデビュー作のようだとか、言われていますが、
モノクロームであることや主人公の軽やかさからそんなアナロジーも生まれるのでしょうか。

なにせ本作はヤン・オーレ・ゲルスター監督のデビュー作ゆえ、
どの部分が彼らしいかということはいえませんが、
新しいタイプのドイツ映画が誕生したということはいえそうですよ。

さあ、一体どんなお話でしょうか。
続きは次回に。
乞うご期待でございます。



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コーヒーをめぐる冒険
監督・脚本/ヤン・オーレ・ゲルスター、製作/マルコス・カンティス、アレクサンダー・ワドー、撮影/フィリップ・キルスアーマー、音楽/ザ・メジャー・マイナーズ、シェリリン・マクニール
出演
ニコ・フィッシャー/トム・シリング、フリデリーケ・ケンプター/同級生ユリカ、マルク・ホーゼマン/友人マッツェ、カタリーナ・シュットラー/ガールフレンド、ユストゥス・フォン・ドホナーニ/上階の住人カール、アンドレアス・シュレーダース/心理学者、アルント・クラヴィッター/俳優、フレデリック・ラウ/不良青年リーダー、ウルリッヒ・ネーテン/ニコの父、ミヒャエル・グヴィスデク/老人フリードリヒ
3月1日(土)渋谷シアター・イメージフォーラムにて全国順次ロードショー
2012年、ドイツ、85分、モノクロ、日本語字幕/吉川美奈子、協力/東京ドイツ文化センター、配給/セテラ・インターナショナル
http://www.cetera.co.jp/coffee/

by Mtonosama | 2014-02-12 07:07 | 映画 | Comments(8)
ダラス・バイヤーズクラブ -2-
Dallas Buyers Club

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©2013 Dallas Buyers Club,LLC.All Rights Reserved.

この映画の時代背景である80年代、
AIDSというのはゲイだけがかかる病気と信じられ、碌に治療薬もない時代でした。

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当時「ジャイアンツ」(’56)や「武器よさらば」(’57)などに出演したハリウッドスターのロック・ハドソン。
身長193センチ、その上、美男の国民的大スターの彼が実はゲイであり、
AIDSを発症したことが報道され、ゲイ=AIDSという偏見が一挙に拡大しました。 

HIV陽性の診断を受けたロンもそんな偏見を持っていました。
余命30日を宣告されての一言は「俺はゲイじゃねえぞ!」
典型的な西部の男、カウボーイハットをかぶり、酒と女とロデオに明け暮れ、
電気技師をなりわいとし、賭けの胴元をしているいいかげんな独り者。
女は好きだが、ゲイなんてまっぴらごめんという男です。

このロンがAIDSの宣告を受けて、何をしたのか――
さあ、物語の始まりです。



ストーリー
気の荒い雄牛にまたがって飛び出していくカウボーイ。
牛は飛び跳ね、なんとかして乗り手を振り落とそうとする。
それを柵越しの薄暗い小屋から眺めながら、いつものようにその場限りの女と交わるロン。
そして、一戦を終え、次のロデオに挑戦する仲間のところに駆けつける。

賭けのノルマ8秒ももたず、仲間が雄牛から振り落とされると、
ロンは一目散にその場を逃げ出した。怒った客が賭け金を返せと追いかけてくるからだ。
だが、友人の警官を殴ってわざと逮捕されて難を逃れる。
ねぐらにしているトレーラーハウスにパトカーで送られ、中に入った途端、
崩れ落ちるように倒れるロン。

目覚めたのは病院のベッドだった。
医師は彼にHIVの陽性反応が出ていることを告げる。
ロンは驚き、口汚く罵りながら病院を後にする。

ひどい咳やめまい、頭をしめつけるような甲高い耳鳴り。
そんな兆候は確かに前からあった。
そして、ロンは病気について調べ始める。だが、インターネットなどない時代。
彼は図書館でマイクロフィルムに記録された新聞記事を調べ、情報を求めた。
そんな中でロンはAZTという未承認の薬のことを知った。
彼は自分を診察した女医を訪ね、その薬の処方を依頼するが、
臨床試験も通っていないから処方できないと断られる。
持ち前の要領の良さでAZTを入手したロンだったが、その副作用は猛烈だった。

だが、医師会と薬品会社の間ではAZTを承認薬にするための画策が形になりつつあった。

勉強などしたことのないロンだったが、文字通り死に物狂いで調べる。
アメリカ以外なら存在するという治療薬を調べ上げ、メキシコへ向かう。
毒性の強いAZT以外の薬を研究していたため米国の医師免許を剥奪された医師がいたからだ。
彼の生への執念が実を結んだ第一歩だった。

メキシコで入手した薬を持ち帰り、すぐにAIDS 患者たちに捌き始めるロン。
それは慈善からではなく、患者を見殺しにする医師たちへの怒りからだった。
そして、それが彼の生計の途にもなった。
だが、ゲイ・コミュニティに嫌悪感を持つロンがゲイの患者たちの間に手を拡げるのは難しい。
そこで彼は渋々おかまのレイヨンを仲間にひきいれ、薬の販路を拡げるのだった。

一方、彼らの前には、AZTを推奨し始めた医師会と製薬会社、政府も立ちはだかる。
そこでロンが考え出したのがダラス・バイヤーズクラブだった。
日本をはじめ、世界中から持ち込んだ薬を患者たちにさばくためのシステムだ。
会費を集めた上、必要な薬を無料で配る。
薬の売買は違法であるがゆえに考え出した苦肉の策。
一人の男が生きる権利のため、大きな権力に挑んで立ち上がった……

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ロン・ウッドルーフが亡くなったのは1992年9月。
余命30日の宣告を受けてから7年後のことでした。

ロデオと女にしか興味を持たない遊び人がAIDSを宣告されたことで
どんな科学者にも負けない論理的な分析力と
どんな弁護士にも劣らない法律的な知識と
いかなる大きな権力にも伍して戦う勇気を手にしました。

かといって彼は正義のために闘っているのではないし、
他の患者たちのために奮闘しているのでもありません。
ロンは自分が生きるために奔走しています。
そして、患者のためにではなく自分たちの利害のためだけに動く
政府や製薬会社や医師会への怒りから行動しています。
命に根づいた行動は強いです。
そして、かっこいい。
ただの助平な男が大きな権力に向って正々堂々と闘いを挑む姿。
いやあ、本当にかっこよかったです。

ギリギリまで痩せながら、悲壮になり過ぎず闘う男。
これはもう必見です。





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☆2月9日に更新しました。雪はいかがでしたか?うちでは同居人が駅の階段から滑り落ちました。皆さまもどうぞお気をつけください。

ダラス・バイヤーズクラブ
監督/ジャン=マルク・ヴァレ、脚本/クレイグ・ボーテン、メリッサ・ウォーラック、撮影監督/イヴ・ベランジェCSC(CSC=カナダ撮影監督協会)、美術/ジョン・ベイノ
出演
マシュー・マコノヒー/ロン・ウッドルーフ、ジェニファー・ガーナー/イブ、ジャレッド・レト/レイヨン、デニス・オヘア/医師セパード、スティーブ・ザーン/タッカー、マイケル・オニール/リチャード・バークレイ、ダラス・ロバーツ/デイビッド・ウェイン、グリフィン・ダン/医師バス、ケヴィン・ランキン/T.J.
2014年2月22日(土)新宿シネマカリテ、ヒューマントラストシネマ有楽町ほかにて全国ロードショー
2013年、アメリカ映画、117分、配給/ファインフィルムズ、http://www.finefilms.co.jp/dallas/

by Mtonosama | 2014-02-09 06:35 | 映画 | Comments(10)
ダラス・バイヤーズクラブ -1-
Dallas Buyers Club

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©2013 Dallas Buyers Club,LLC.All Rights Reserved.


名もない人が不正に立ち向かい、社会を変える。
「エリン・ブロコビッチ」(‘00 スティーヴン・ソダーバーグ監督)や
「ミルク」(‘08 ガス・ヴァン・サント監督)がそんな映画でしたよね。

エリン・ブロコビッチ(1960年6月22日 - )は、アメリカ合衆国の環境運動家。
正式な法律教育を受けていないにもかかわらず、
1993年にカリフォルニア州の大手企業PG&Eを相手取って訴訟を起こし、
3億3300万ドルの和解金を勝ち取った女性。

映画ではジュリア・ロバーツが演じました。

ミルク
まだ同性愛が市民権を得ていなかった時代。
ハーヴィー・ミルクは社会の不平等を改革すべく行動を起こし、
自らゲイであることを公表すると同時に同性愛者の公民権獲得や地位向上のために立ち上がる。
同性愛者支援に留まらず、黒人やアジア人、高齢者、児童、下級労働者等、様々な社会的弱者の
救済のために活動し、次第に活動が実を結んでいく。
支持者は着実に数を増やし、いつしか社会からも理解が生まれ始める。
しかし、それは同時に強い反発をも生んでいた。
活動を続ける中でミルクを危険人物とみなす動きも生まれ、対立は激化していく。
ミルクはいつしか身の危険を感じるようになり、ある日、テープレコーダーに遺言を記録し始める。
1970年代、アメリカでマイノリティのために戦った政治家ハーヴィー・ミルクの人生最後の8年間の物語。(Wikipediaより)

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本作も同じく名もない男の物語です。
女好きでロデオ好きな電気技師ロン・ウッドルーフが
未承認AIDS治療薬の密売組織「ダラス・バイヤーズクラブ」を立ち上げ、
80年代当時、偏見と絶望の中で死に向うしかなかった多くのAIDS患者を救い、
医師会や国の医療政策に刃向い続けた感動の実話です。

恋愛映画、社会派映画、青春映画――
映画にはいろいろなジャンルがありますが、
名もない人間が不合理な社会に立ち向かい、
何かを起こす映画をなんと名付ければいいでしょう。
《無名ヒーロー(ヒロイン)映画》?
《追い詰められたらなんだって出来るゼ。ベーベー!映画》?ちょっと長いか。

いや、しかし、アメリカ映画は時々こういう感動的な映画を送りだしてくれるから嫌いになれません。
監督はジャン=マルク・ヴァレです。

ジャン=マルク・ヴァレ
モントリオール出身。1995年に監督デビュー。
本作「ダラス・バイヤーズクラブ」は作品賞、監督賞、最優秀助演賞を含むジニー賞(カナダのオスカー賞)9部門にノミネートされた。
監督・脚本と製作を担当した「C・R・A・Z・Y・」は50ヶ国異常で公開されるヒット作となった。
トロント国際映画祭で最優秀カナダ映画賞を受賞し、作品賞、監督賞、脚本賞を含めジニー賞11部門を受賞、
ジュトラ賞13部門を受賞した。
「ヴィクトリア女王 世紀の愛」(’09)ではゴールデングローブ賞、放送映画批評家協会賞を受賞し、
アカデミー賞3部門にノミネート、衣装部門賞で受賞するなど世界で高く評価された。

監督もなかなかです。
が、本作ですごいのは余命30日を宣告されたAIDS患者ロン・ウッドルーフを演ずるため、
21キロの減量をして撮影に臨んだマシュー・マコノヒーでしょうか。
減量の98%はダイエット、2%が運動だったそうです。
鬼気迫る様相でありながら、絶倫ぶり(キャッ!)を見せたり、こずるい手口でロデオ博打をしたり――
エッチで無学な絶倫男が図書館に通い、AIDS治療薬を調べあげ、
30日といわれた余命を7年まで延ばし、
そして、同病者のために未承認AIDS治療薬の密売組織を立ち上げ、
病人とは思えないエネルギーあふれるロンを小面憎くも愛すべき男として演じてくれました。

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また、ロンの愛すべき相棒、おかまのレイヨンを演じたジャレッド・レトも良かったですねぇ。
あ、おかまなんて言っちゃいけないんでしたっけ。
はい、愛すべきトランスジェンダーであるレイヨン役のジャレッド・レトも素晴らしかったです。
彼もこの役のために減量しました。
(あのぉ、ロンはゲイではなく、ただの女好きです。念のため)
エイズの役を演じる俳優さんたちはほんとに命がけですよね。

さあ、どんなお話なのでしょうか。
これは乞うご期待ですよ。続きは次回までお待ちくださいね。



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☆2月6日に更新しました。いつも応援して下さってありがとうございます☆

ダラス・バイヤーズクラブ
監督/ジャン=マルク・ヴァレ、脚本/クレイグ・ボーテン、メリッサ・ウォーラック、撮影監督/イヴ・ベランジェCSC(CSC=カナダ撮影監督協会)、美術/ジョン・ベイノ
出演
マシュー・マコノヒー/ロン・ウッドルーフ、ジェニファー・ガーナー/イブ、ジャレッド・レト/レイヨン、デニス・オヘア/医師セパード、スティーブ・ザーン/タッカー、マイケル・オニール/リチャード・バークレイ、ダラス・ロバーツ/デイビッド・ウェイン、グリフィン・ダン/医師バス、ケヴィン・ランキン/T.J.
2014年2月22日(土)新宿シネマカリテ、ヒューマントラストシネマ有楽町ほかにて全国ロードショー
2013年、アメリカ映画、117分、配給/ファインフィルムズ、http://www.finefilms.co.jp/dallas/

by Mtonosama | 2014-02-06 06:01 | 映画 | Comments(8)
三毛猫ひかちゃん -12-



あたし、ひかちゃん。

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さすがに、あの無精者の飼い主も
新しい年を迎える前に障子を張り替えたわよ。
(http://mtonosama.exblog.jp/21186379/)
ここも強化プラスティック障子紙にしたみたいだけど、
あたし、もう障子を駆け上るのは止めたの。
だって、飽きちゃったんだもの。

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いっときね、模様は違うけど、あたしに似た人たちが毎朝窓のところにやってきてたのよ。
なんかグタグタした人たちだけど、
顔の様子や毛の生え具合がそっくりだからついつい見ちゃった。
窓まで来てるなら遊ばなきゃ、って・・・・・

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ちっちゃい子も来たから、窓の裏までお迎えにいったのよ。

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あれ?裏にはいないのにまだ窓には映ってるわねぇ。
もう~、なんなのよ。
シッポが少し膨らんじゃったじゃないの。

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やっぱりお台所で見張りしていた方が実入りがいいかしら。
あ~あ、飼い主ったら自分ばかりつまみ食いして、あたしには回さないつもりみたい。


寒いわね。
あたしもあれから一度ならず二度三度とお外に出ようとしたけれど
これだけ寒いとおうちの中の方がいいわ。
みなさまも手洗いうがいを励行してノラにならないようにね。
え?ノラじゃなくってノロなの?
とにかく、手洗いはチュルチュルって済ませちゃだめよ。
よーく石鹸を泡立てて30秒は洗うのよ。

じゃ、また来るわ。
ひかり


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☆2月3日に更新しました。もう節分ですね。いつも応援ありがとうございます。 飼い主☆
by Mtonosama | 2014-02-03 05:31 | 映画 | Comments(16)