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殿様の試写室

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<   2014年 06月 ( 10 )   > この月の画像一覧

革命の子どもたち -1-
CHILDREN OF THE REVOLUTION

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©Transmission Films 2011

きょうび、革命と言う言葉はテロと同意語になっているような気がします。
名誉革命などという血を流さない革命だってありましたのにね。
いずれにせよ、ある年代以上にとって、革命はとても魅力的な言葉であります。
血沸き肉踊るという感覚の他に、どこか重く、センチメンタルで、
ロマンテッィクでありさえする複雑な感情を呼び起こす言葉です。

えー、そもそも
「革命」という言葉は中国・周の時代の占いの書物『易経(革卦)』に載っておりまして、
「革」は「あらためる」、「命」は「天命」の意であると申します。
古代中国では天子は天命を受けて天下を治めるとされ、
日本でも平安初期以降、統治者が変わるという意味で用いられるようになりました。

そして、明治の御世になりますと「革命」は”Revolution”の訳語に採用されました。
被支配階級が権力を奪取し、社会を変革するという150歳のとのも知っている意味として
使われるようになった次第です。

「語源由来辞典」http://gogen-allguide.com/ka/kakumei.html からの受け売りでございますが。

本作は、革命という言葉がセンチメンタルな意味合いを持っていた
少しばかり懐かしい時代の革命家とその娘たちを描いたドキュメンタリー映画です。

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監督はシェーン・オサリバン。

ロンドンを拠点に活躍するアイルランド人のドキュメンタリー映画作家で、
これまでに『RFK マスト・ダイ』(‘08)、『革命の子どもたち』(‘11)、
『キリング・オズワルド』(‘13)という政治史に焦点を当てた長編ドキュメンタリーを製作している。
また、ポル・ポトとジャン=リュック・ゴダールを扱ったテレビドキュメンタリー番組などを監督。
2008年には『Who Killed Bobby? The Unsolved Murder of Robert F. Kennedy』(誰がボビーを殺したか?未解決のロバート・F・ケネディ殺人事件)という本を執筆しており、最近ではローハンプトン大学で映画学の博士号を取得。大学を卒業した後2年間日本に居住。その時知り合った日本人女性と結婚。現在は妻子とロンドンに在住。

日本やアメリカのエポックメイキングな政治史に関心を抱いているYouのようです。
そんな監督が本作の日本公開に向けてコメントを寄せているのでご紹介します。

「『革命の子どもたち』が日本で公開される運びとなりましたことを嬉しく思います。
先の日本への訪問の折、京都の大学生に本作を観てもらいました。
彼らは重信房子の物語に魅了されていました。
彼らが親から聞かされていた重信は悪魔のような女でしたが、
映画の中の彼女は、彼らがTVで観た偏った解釈による極悪人とは全く違う人物だったからです。
本作の公開が、1960年代後半に日本で強まった抗議の精神について、
また、そのエネルギーがどこに消え去ってしまったのかを、
日本の若い世代が考える助けになればと望んでいます。
そして、重信の物語から得られた教訓が、今日の日本に政治的能動主義の新たな波
を引き起こしてくれたらと思います」

「異議なし!」
おっといけない。昔の口癖がつい出てしまいました。

今からもう14年前ですが、重信房子が潜伏していた大阪のマンションで逮捕され、
そのニュースは「あの重信が・・・・」という波になって日本中を駆け巡ったことを覚えておいででしょうか。
彼女がカメラに向ってにこやかにほほ笑みながら親指を立てた姿は今も印象に残っています。

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本作に登場するのはその重信房子と娘メイ。
そして、ドイツ赤軍(RAF)の闘士ウルリケ・マインホフとその娘ベティーナ・ロール。

さあ、いったいどんなドキュメンタリー映画でしょう。
最近きな臭い状況になってきた日本に喝!を入れてくれる作品かもしれません。
続きは次回まで乞うご期待でございます。



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革命の子どもたち
監督・プロデューサー/シェーン・オサリバン
出演
重信房子、重信メイ、ウルリケ・マインホフ、ベティーナ・ロール、足立正生、塩見孝也大谷恭子 他
7月5日(土)よりテアトル新宿他全国順次公開
2011年、イギリス、カラー、88分、配給/太秦
http://www.u-picc.com/kakumeinokodomo/

by Mtonosama | 2014-06-28 06:57 | 映画 | Comments(9)
オールド・ボーイ -2-
OLDBOY

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©2013 OB PRODUCTIONS,INC.ALL RIGHTS RESERVED


最初、試写状を見たとき「スパイク・リー監督、どうしちゃったの?」と思ってしまいました。
だって、原作はコミックで、さらにリメーク映画ですから・・・

決して、劇画やコミックに偏見を持っているわけではありません。
自慢じゃないけど、貸本漫画を毎日6冊ずつ読み漁った漫画少女でしたから。
でも、スパイク・リーですからねぇ。少しばかり違和感を持ってしまったのは事実。

とはいえ、雨に濡れるチャイナタウンの風情やスタイリッシュな映像。
これまでのスパイク・リー作品とは違うけれど、なかなかそそられる映画ではあります。

舞台はアメリカの架空の都市。
時代は1993年から2013年。
そう、9.11同時多発テロ、イラク戦争、ハリケーン・カトリーナ、オバマ大統領誕生――
アメリカ激動の時代を背景にした20年間です。

オリジナル版のテーマと構成を受け継ぎながらも、
原作とも韓国版とも違うエンディングが用意されていますよ。
ただのリメークとは違うかもしれません。

さあ、いったいどんなお話なのでしょうか。


ストーリー
仕事はできるが、傲慢で酒びたりの広告代理店重役のジョー。
結婚生活は破綻し、3歳になる一人娘とも離れ離れに暮らしていた。
1993年10月8日。
この日も娘ミナのバースデイパーティをすっぽかし、新たなクライアントを接待していた
ジョーだが、無礼な言動のため、自ら大切な商談をぶち壊しにしてしまう。
雨の中、泥酔して中華街をさまようジョーの傍らに黄色い傘をさした美女が近づく。
その謎の女の誘惑こそ、彼の20年に及ぶ悪夢の始まりだった。

目覚めた時、ジョーは不思議な部屋にいた。
壁には十字架がかけられ、聖書が置かれているが、ドアにはノブがない。
人を呼んでも返事はない。
ドアの小窓から届けられるのはデリバリーの餃子と一瓶のウォッカ。
彼はこうして自分が監禁されたことを知るのだった。

単調な時間が流れていく。
そんな時、部屋のテレビがショッキングなニュースを報じた。
妻のドナが自宅で殺され、現場からジョーの指紋がついた凶器が発見されたという。
何者かの罠にはまり、殺人犯になってしまったジョー。

1999年。
テレビでは5年前のドナ殺人事件にスポットをあて、
ある夫婦にひきとられた一人娘ミナの近況を紹介していた。
チェロを弾きこなす小学生となったミナの姿に、
ジョーはこれまで感じたことのない父としての愛を実感するのだった。

9.11同時多発テロ。イラク戦争。ハリケーン・カトリーナの襲来。
初の黒人大統領バラク・オバマの誕生。
世の中は動いていた。
だが、悲しみを怒りに変えたジョーは酒を断ち、厳しいトレーニングを自らに課すのだった。
この部屋を出て、ミアとの再開を果たすために。

2013年
バスルームの壁を壊し、脱出を計画するジョー。
その時、またもやテレビにはいとしいミアの姿が。
美しい女性に成長したミアを想わず見つめる彼に噴霧される怪しい煙。
それを吸い込んだジョーはそのまま気を失ってしまう。

ジョーの意識がかえったのは草原に置かれた大きな箱の中。
思いもよらず20年ぶりに解放されたジョーが目にしたのはあの日と同じ黄色い傘の女だった……


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20年もの監禁生活から解放され、「今浦島」となりながらも、
鍛え抜いた身体で襲いかかる悪漢どもを蹴り倒し、投げ飛ばし、ぶちのめすジョー。

痛快なアクションに興奮しつつも募るのは、
誰が、そして、なぜ、彼は監禁されなければならなかったのか、ということです。
次第に明らかになる謎と思いがけない結末。
復讐、憎悪。

いやはや、人間とはまったく残酷な生きものであります。

それにしても今回は黒人の登場が少なかったスパイク・リー作品。
彼もこういうエンターテインメント映画を作るんですね。





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オールド・ボーイ
監督/スパイク・リー、脚本・共同製作/マーク・プロトセヴィッチ、撮影/ショーン・ボビット、美術/シャロン・シーモア、衣装/ルース・カーター、スタントコーディネーター/マーク・ノービー、格闘コーディネーター/J・J・ベリー
出演
ジョシュ・ブローリン/ジョー・ドーセット、エリザベス・オルセン/マリー・セバスチャン、シャールト・コプリー/エイドリアン・謎の男、サミュエル・L・ジャクソン/チェイニー、マイケル・インペリオリ/チャッキー、リンダ・エモンド/エドウィナ・バーク、ジェームス・ランソン/トム・メルビー医師、ポム・クレメンティフ/“黄色い傘の女”ハエン=ボク
6月28日(土)新宿バルト9他全国ロードショー
2013年、アメリカ、英語、カラー、103分、配給/ブロードメディア・スタジオ
http://www.oldboymovie.jp/

by Mtonosama | 2014-06-25 06:24 | 映画 | Comments(4)
オールド・ボーイ -1-
OLDBOY


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(c)2013 OB PRODUCTIONS,INC.ALL RIGHTS RESERVED.


あのスパイク・リー監督が日本の劇画を映画化!
いえ、もっと詳しくいえばこの劇画を映画化し、2004年カンヌ国際映画祭で
グランプリを受賞したバク・チャヌク監督の『オールド・ボーイ』をリメークしました。

スパイク・リーといえば『セントアンナの奇跡』(‘08)が印象的でした。
http://mtonosama.exblog.jp/11427268/
最近の作品だと思っていたら、もう6年前になるのですね。

この時も彼の作風やテーマがなんだか変わった気がしました。
常に黒人としてのアイデンティティを意識した作品を描いてきた社会派監督。
『セントアンナの奇跡』は第2次世界大戦時イタリアへ進駐した黒人兵士師団のお話でした。

そのスパイク・リーが日本のコミックを映画化?
え、それも日本のコミックを映画化した韓国映画をリメーク?

原作「オールドボーイ ルーズ戦記」は週刊漫画アクションに掲載されていた劇画です。
現在双葉社より全8巻が発売中。
謎の軟禁施設の7.5階に10年間幽閉された男が見えざる敵を追う復讐劇で、
「ボーダー」「ハード&ルーズ」の原作者・狩撫麻礼が新たなペンネーム・土屋ガロンで
書いた物語を「天牌」の嶺岸信明が描いたもの。


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原作漫画「ルーズ戦記 オールド・ボーイ」プロフィール
1996年に当社の漫画アクションで連載を開始し、1997年から1998年にかけて単行本を出版した8巻からなる漫画シリーズで、米国ではダーク・ホース社が2006年に英語版を出版し、2007年には、米国では漫画のアカデミー賞と呼ばれるウィル・アイズナー賞の国際部門で最高作品賞を受賞しました。

映画「オールド・ボーイ」プロフィール
原作漫画のストーリーをもとに、2003年に韓国の映画監督であるパク・チャヌク氏により映画化され、カンヌ国際映画祭でグランプリを受賞。ハリウッド版の映画化プロジェクトについて記者会見を行った俳優、映画プロデューサーであるウィル・スミス氏は、パク・チャヌク氏による韓国映画ではなく、原作漫画を元に映画化を企画中と発表した経緯があります。
http://www.futabasha.co.jp/introduction/old_boy/


韓国映画『オールド・ボーイ』はあの『JSA』(‘00)『イノセント・ガーデン』(’13)の
http://mtonosama.exblog.jp/19403806/ http://mtonosama.exblog.jp/19455603/
パク・チャヌク監督作品。
2004年にはカンヌ国際映画祭グランプリを受賞しています。

『JSA』は韓国軍を筆頭とした国連軍と北朝鮮軍の兵士が共同で警備に当たる37度線板門店において
ふとしたきっかけから許されざる友情を育む事になった南北の兵士達の交流と顛末を描いた作品でした。
一方『イノセント・ガーデン』は舞台も撮影もアメリカに移し、
パク・チャヌク監督がハリウッド映画デビューした作品です。

いずれにせよ、東西の名匠が興味を持った『オールド・ボーイ』という原作劇画、
ただものではありません。

さあ、スパイク・リー監督による『オールド・ボーイ』。
どんな作品にしあがっているのでしょうか。
原作劇画を読んだ方も、
パク・チャヌク監督の『オールド・ボーイ』をご覧になった方も、
長い幽閉生活から現代アメリカに戻ってきたオールドボーイ・ジョーの復讐劇をお楽しみください。

続きは次回までしばしお待ち下さいませ。



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オールド・ボーイ
監督/スパイク・リー、脚本・共同製作/マーク・プロトセヴィッチ、撮影/ショーン・ボビット、美術/シャロン・シーモア、衣装/ルース・カーター、スタントコーディネーター/マーク・ノービー、格闘コーディネーター/J・J・ベリー
出演
ジョシュ・ブローリン/ジョー・ドーセット、エリザベス・オルセン/マリー・セバスチャン、シャールト・コプリー/エイドリアン・謎の男、サミュエル・L・ジャクソン/チェイニー、マイケル・インペリオリ/チャッキー、リンダ・エモンド/エドウィナ・バーク、ジェームス・ランソン/トム・メルビー医師、ポム・クレメンティフ/“黄色い傘の女”ハエン=ボク
6月28日(土)新宿バルト9他全国ロードショー
2013年、アメリカ、英語、カラー、103分、配給/ブロードメディア・スタジオ
http://www.oldboymovie.jp/

by Mtonosama | 2014-06-22 05:25 | 映画 | Comments(4)
収容病棟 -2-
瘋愛
TILL MADNESS DO US PART

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(C)Wang Bing and Y. Production


中国の精神病患者1億人を超える――

2009年に中国当局の精神衛生センターが発表したデータを引用し、
多くのメディアが報じました。
1億人。
これが多いのか、そうでないのか。

急激な経済の発展によって、価値観が混乱し、貧富の差も拡大したことが、
この国で精神病患者が増大した要因とも言われています。

2010年に刊行された政府系の雑誌によれば、
中国では多くの精神病院は衛生部ではなく、公安の管轄下にあるといいます。
この国の精神病院の目的は精神病者を収容隔離し、
さまざまな事件など社会問題を減らすことだからです。

治療よりも収容なのだと。

精神病という名目で陳情者や一人っ子政策の違反者など《不都合な人物》も
収容されることもあります。

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1億人。
収容者が1億人という見方をすれば、
精神病患者1億人という数がはたして多いのか、少ないのか、わかりません。

4時間に及ぶ本作には確かに病んでいる人も登場しますが、
そうでない人もいるように見えます。

しかし、誰もがなんらかの心の問題を抱えているのですから、
専門家でもない自分が、あの人は精神病だけど、この人は違うなどとは言えません。

本作の舞台となった病院は雲南省北西部にあります。
収容者は17歳から60代まで。
年長者の中には20年以上収容されている人もいます。

病院の1日は朝7時半の朝食に始まり、10時に1回目の投薬と注射。
11時半に昼食、16時半に夕食。17時に2回目の投薬と注射。
それ以降は自由で就寝時間も自由です。

映画には病院の通路を歩きまわる患者たちの姿が映し出されます。
清潔とはいえない病室にベッドが8台。
寒いからなのか、人恋しいからなのか、他の患者のベッドにもぐりこむ収容6年目の口のきけないヤーパ。
収容1ヶ月目のインはここでの生活にまだ慣れることができず、
夜間、家に電話をかけたくてドアを蹴飛ばし、手錠をかけられてしまいました。
ウーは収容3年目。文字の読み書きができず、記憶障害があるまだ10代の青年です。

カメラは患者の姿を追い、病室や病棟を映し出します。
スクリーンに向い、カメラと同じく患者の姿を追っている観客も
水のこぼれた不潔な廊下や病室に困惑しつつ、
なぜか彼らと一体化しているような気分になっていきます。
「ああ、イヤだ、イヤだ。いつまでここにいなくてはならないのか、早く出たい」と
思う頃、前編終了。

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そして、後編。
あいかわらず人のベッドにもぐりこむヤーパ。
食べ物を持って面会に来る奥さんと会話する収容12年目のマー。
階下の女性患者と鉄製の格子ドア越しに心を通わせる収容9年目のプー。

観客が待ち望んでいた病院外に出られるときがきました。
収容11年目のジューが帰宅できることになったのです…

「わーい、外だ、外だ」と光景の変化に喜ぶも、延々と続くうらさびれ荒廃した村の景色。
夕陽に向ってジューのこわばったような背中が痛々しく見えます。
久しぶりに帰宅するのだから、さぞ歓迎されるのだろうと思いきや、
ジューの母親の言葉に心が冷えます。中国の抱える闇に今さらながら気づきます。

汚い病院の壁といつも湿った回廊。
観客は4時間経てば、この絶望から解放されますが、
収容者たちはずっとこの現実に向いあっていかなければならないのですね。

2013年1月から4月まで、ワン・ビン監督は毎日もう一人のクルーと撮影しました。
終わりの見えない日常の繰り返し。退院しても暖かく迎えてくれる家族もいない現実。

精神病院という素材を通して、中国の抱える思い現実も見えてきました。





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収容病棟
監督/ワン・ビン、撮影/ワン・ビン、リュウ・シャンフイ、編集/アダム・カービー、ワン・ビン、音響/チャン・ムー、プロデューサー/ルイーズ・プリンス、ワン・ビン、共同プロデューサー/武井みゆき、ワン・ヤン、製作/Y.プロダクション、共同製作/ムヴィオラ、フォーリ・オラリオ、ライ・シネマ
6月28日(土)[シアター]イメージフォーラムにてロードショー
2013年、香港・フランス・日本、237分(前編122分、後編115分)、中国語(雲南語)、字幕翻訳/武井みゆき、監修/樋口裕子、配給/ムヴィオラ、http://moviola.jp/shuuyou/

by Mtonosama | 2014-06-19 05:53 | 映画 | Comments(8)
収容病棟 -1-
瘋愛
TILL MADNESS DO US PART

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(C)Wang Bing and Y. Production


邦題は『収容病棟』。
オリジナルタイトルは『瘋愛』、そして、英語タイトル『Till madness do us part』。
「瘋」の字と”madness”から想像はつきますが、
中国雲南省にある精神病院とそこに収容された人々を描いたドキュメンタリー映画、
ワン・ビン(王兵)監督の最新作です。

ワン・ビン監督といえばものすごく長いドキュメンタリー映画を撮る監督です。


1999~2003年『鉄西区』
545分。三部構成で9時間5分という超大作です。
山形国際ドキュメンタリー映画祭2003大賞
2002年リスボン国際ドキュメンタリー映画祭グランプリ
2003年マルセイユ国際ドキュメンタリー映画祭グランプリ
      ナント三大陸映画祭ドキュメンタリー部門最高賞

2007年『鳳鳴(フォンミン)―中国の記憶』
183分。
2007年カンヌ国際映画祭コンペ部門公式出品
2007年 山形国際ドキュメンタリー映画祭2007大賞

2007年『暴虐工廠』
16分
オムニバス『世界の現状』(101分)の1編
2007年カンヌ国際映画祭コンペ部門公式出品

2008年『原油』
840分
2008年ロッテルダム国際映画祭公式出品
2007年香港国際映画祭出品
2007年トロント国際映画祭出品

2009年『石炭の金』
53分
2009年シネマ・ドゥ・リール国際映画祭出品

2009年『名前のない男』
96分

2010年『無言歌』
109分
2010年ヴェネチア国際映画祭特別招待
2010年トロント国際映画祭公式出品
2011年ラスパルマス国際映画祭観客賞、特別審査員賞、カトリック映画賞
2011年キネマ旬報外国映画ベスト・テン第4位
2011年キネマ旬報外国映画監督賞

2012年『三姉妹~雲南の子』
153分
2012年ヴェネチア国際映画祭オリゾンティ部門グランプリ
2012年ドバイ国際映画祭アジアアフリカ・ドキュメンタリー部門最優秀監督賞
2012年リスボン国際ドキュメンタリー映画祭グランプリ
2013年ナント三大陸映画祭グランプリ(金の気球賞)、監督賞
2013年フリブール国際映画祭グランプリ、国際映画連盟賞、全キリスト協会賞、青年審査員賞
2013年キネマ旬報外国映画ベスト・テン第5位

2013年『収容病棟』
237分
2013年ヴェネチア国際映画祭特別招待
2014年ナント三大陸映画祭準グランプリ(銀の気球賞)

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本作『収容病棟』は『原油』840分や『鉄西区』545分には及ばなくとも、
237分、ほぼ4時間ですから相当な長尺です。

とのはワン・ビン監督作品としては彼の初の劇映画『無言歌』と
http://mtonosama.exblog.jp/16898004/  http://mtonosama.exblog.jp/16910634/ 
『三姉妹~雲南の子』を
http://mtonosama.exblog.jp/19368187/  http://mtonosama.exblog.jp/19386308/ 
観ましたが、彼の3時間越えのドキュメンタリーは初挑戦です。
エイヤッの勢いで観てきました。

いやいや、長い上に精神病院が舞台。
これは覚悟が必要でした。

しかし、『無言歌』では埋もれた歴史を掘り起こし、
『三姉妹~雲南の子』で悲惨な貧困を伝えてくれたワン・ビン監督です。

例え、どんなに上映時間が長くても、暗く重い内容でも、観せていただかねばなりません。

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精神病院がテーマの作品といえば、以前、当試写室でもご紹介した
想田和弘監督の『精神』や 
http://mtonosama.exblog.jp/11123248/ 
世界に先駆けて精神病院を廃止したイタリアの実話に基づいた映画「人生、ここにあり!」http://mtonosama.exblog.jp/16327490/  http://mtonosama.exblog.jp/16340981/
などがあります。

『精神』は患者さんの名前も顔もはっきりとわかり、「え、いいの?」と
観客として深く考えさせられる作品でした。
新しい形の精神病院の紹介であると同時に、
私たちが知らず知らずの内に抱いている偏見への大きな問題提起でもありました。

が、しかし、
本作『収容病棟』は――

2010年に《中国の精神病患者が1億人を越えた》と新華社系列の週刊誌が報道しました。
この数字をどう見ればいいのか――

上映時間4時間の内に中国の抱える問題がなんとなく見えてきたような気がします。

続きは次回までお待ちくださいませ。



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収容病棟
監督/ワン・ビン、撮影/ワン・ビン、リュウ・シャンフイ、編集/アダム・カービー、ワン・ビン、音響/チャン・ムー、プロデューサー/ルイーズ・プリンス、ワン・ビン、共同プロデューサー/武井みゆき、ワン・ヤン、製作/Y.プロダクション、共同製作/ムヴィオラ、フォーリ・オラリオ、ライ・シネマ
6月28日(土)[シアター]イメージフォーラムにてロードショー
2013年、香港・フランス・日本、237分(前編122分、後編115分)、中国語(雲南語)、字幕翻訳/武井みゆき、監修/樋口裕子、配給/ムヴィオラ、http://moviola.jp/shuuyou/

by Mtonosama | 2014-06-16 06:08 | 映画 | Comments(6)
人生はマラソンだ! -2-
De Marathon

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© 2012 Eyeworks Film & TV Drama B.V.


とのは子どもの頃から走るのは苦手ですが、
フルマラソンとまではいかなくてもジョギングを趣味にしていらっしゃる方は多いのではないでしょうか?

同好の士なら、この映画の随所で「わかる、わかる」とうなずけると思いますし、
「自分の人生、最悪だよ」と思ってる人は、もうちょっとやってみるか、という気分になる筈です。

さあ、どんなお話でしょうか。


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ストーリー
オランダはロッテルダムの小さな自動車修理工場。
ギーア(52歳)が経営するこの工場に働くのは古くからの仲間でもある
ニコ(35歳)、レオ(48歳)、キース(45歳)の3人。
それにエジプトからの移民ユース(27歳)。
昼間っからビール片手にカードに興じるおやじたちの傍らで真面目に働いているのはユースだけ。

そんなある日、ニコが事務室に隠されていた税金督促状の束を発見した。
滞納額は3万8758ユーロ!
経営者のギーアは工場が思わしくないことを皆に言えずにいたのだ。

ギーアは反抗期の息子に手を焼き、
レオは幼い子供を放り出して男と出歩く若い女房に振り回され、
キースは敬虔なクリスチャンである妻に強制され日曜は必ず教会へ同伴させられる恐妻家、
ニコは母親を亡くして以来、一人暮らし――
そんな冴えない日々に追い打ちをかける約4万ユーロの督促状。

このままじゃ失業、と暗くなっていた4人だったが、
休憩中ランナー雑誌を読んでいたユースから良い話を聞きだす。
スポンサーをみつけ広告をウェアにつけて走れば金になるというのだ。
事故で足を悪くするまで優秀なランナーだったユースはそうやって金を稼いでいたという。
そうだ。ロッテルダム・マラソンに出よう!
浮き立つ4人。
しかし、それは簡単なことではなかった・・・・・

そんな時、身体に不調を感じ、病院へ行ったギーアは医師からガンを告げられる。
既に手術は難しいと化学療法を薦める医師に、今まで通りの生活を望む彼は治療を拒んだ。
そして、妻子や仲間たちには内緒にしておくことに。

一方、スポンサーもなかなか見つからない。
4人は、ユースが現役時代スポンサーになってもらっていた
中古車ディーラー・ホセインの店に押し掛ける。
だが、世の中は甘くない。ホセインは申し出を一蹴。
そこでギーアはホセインに提案する。
「4人とも完走したら4万ユーロを肩代わりしてくれ。完走できなかったら俺の工場を譲ろう」

交渉成立。

マラソンの練習が始まった。
ユースがコーチに就任。
ウェアとシューズ選びの後、酒もたばこもケーキも禁止という鬼コーチの指示にイヤイヤ従う4人。

次第に走れるようになってきた4人。
そんな彼らにユースは本番であるロッテルダム・マラソンの前に
アムステルダム・マラソンへ出場するよう提案。
当日は遅刻しないように列車で来るように指示されながら、浮かれた4人は車で出かける。
挙句、渋滞。アムステルダムに到着した時には既にランナーたちはゴールしていた。
こりない4人はアムステルダムで飲めや歌えの大騒ぎ。ついでに飾窓も冷やかす始末。

翌日、出社した4人に怒り狂うユース。
あまりの怒りにキースが言い返す。
「脚が不自由なお前を雇っているのは助成金が出るからなんだぞ」

蒼くなって飛び出したユースを追いかけたギーアは
助成金はもう受け取っていないし、ユースは大切な仲間なんだ、とかきくどく。
その時、咳き込んだギーアが吐血。彼は自分がガンであると打ち明ける。
マラソンを止めるよう説得するユースだったが、
彼の決意を知り、家族にも仲間たちにも秘密にすることを渋々約束するのだった……


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ロッテルダム・マラソンの組織委員会のサポートを受け、
80万人もの人々が集まるマラソン大会を8つの撮影チームで撮影したというラストシーン。
この映画の華ともいえるマラソンシーンは圧巻。

ボテボテと走っていたオヤジたちが、
練習を重ねるにつれて軽快に走れるようになっていくのも単に演技とはいえないものがありました。

若い人が一生懸命走る様子も美しいのですが、
人生の酸っぱい部分を酒や博打でごまかすことを覚えたメタボなおっさんたちが
ごまかしではなく、真剣勝負で目標に向って邁進する様もなかなか感動的です。

人生はマラソン。
いろんな山坂を走り抜ければ美味しいゴールも待っているというものです。





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人生はマラソンだ!
監督/ディーデリック・コーパル、脚本/マルティン・ファン・ワールデンベルグ、へーラルト・ムーンダイク、撮影/ユルーン・デ・ブライン、編集/マルク・ベシュトルド、ブライアン・エント、美術/アルフレド・シャーフ、衣装/アレット・クラーン、音楽/Wiegel,Meirmans,Snitker、プロデューサー/ハンス・デ・ウィールス、マーティン・スワルト&レイノルト・オエルマンス、シム・ファン・フェーン
出演
ステーファン・デ・ワレ/ギーア、マルセル・ヘンセマ/ニコ、マルティン・ファン・ワールデンベルグ/レオ、フランク・ラマース/キース、ミムン・オアイーサ/ユース、アリアーネ・シュルタ/レニー、シンシア・アブマ/ヨランダ、ジョルジナ・フェルバーン/アニータ、マニュエル・ブロクマン/ケン、マルティン・レイクメイア/ハリー、マヒオブ・ベンモッサ/ホセインおじさん、アート・セーレン/ヘルマン、アネト・マルヘルベ/ネル、ロエス・ルカ/ハニー、ヨン・ブイスマン/ヨープ、ロエス・フォス/ギーアの母
初夏シネスイッチ銀座ほか全国順次ロードショー
2012年 、 オランダ映画 、113分 、字幕監修 金哲彦(プロランニングコーチ 、 日本語字幕 浅野倫子
配給 ザジフィルムズ 、 後援 オランダ王国大使館 、 賛同 オランダ政府観光局、協賛 KLMオランダ航空 、 (株)グリーンフィールド http://www.zaziefilms.com/marathon/

by Mtonosama | 2014-06-13 05:37 | 映画 | Comments(10)
人生はマラソンだ! -1-
De Marathon

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© 2012 Eyeworks Film & TV Drama B.V.

人生はマラソンだ!
よく聞く言葉です。人生とマラソンが似ているというのはなんとなくわかりますもんね。

でも、とのは走るのは嫌いです。
実は、ダイエットにはジョギングが一番と聞き、二日走りました。
そして挫折。三日坊主以下であります。
ランニングにはまず靴が重要という基本常識を無視したばかりに大変な目にあいました。
体重は2キロ落ちましたけどね。

いいんだ。わたしには水泳があるから。

ま、水泳とマラソン。
スポーツつながりということで、このおかしなおじさんたちが登場するオランダ映画を観に行きました。

オランダ本国では動員30万人を越える大ヒット作となったそうです。

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自動車修理工場で働き、昼間っからビールを呑み、カードに興じる男4人とまじめに働く移民青年ユース。

飲んだくれおやじたちは父親から受け継いだ自動車工場を経営するギーア、
そして工場従業員のニコ、レオ、キース。
いつものようにカード遊びをしていたある日、
ニコが税金の督促状を発見してしまったことから、
スポーツとは縁もゆかりもないメタボおじさんたちのマラソン挑戦が始まります。

めざすはロッテルダム・マラソン。もちろん42.195キロのフルマラソンであります。
毎年4月に行われるこの大会。
エリートランナー、一般市民ランナー合わせて2万人以上が参加するオランダ最大のもの。
1990年には谷口浩美さんが男子優勝を果たすなど日本ともおなじみです。
制限時間のないホノルルマラソンや、時間制限7時間の東京マラソンと較べると
制限時間5時間半、中級者向けといえる大会です。

なんと無謀な!

息を切らし、お腹を揺らして走るおじさんたちの姿に
かつて二日で挫折した我が身を思い出し、苦いものがこみあげてきますが、
ま、人にはそれぞれ得手不得手というものがありますから、良しとしましょう。

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笑わせてくれるけれどちょっと痛いこの映画を監督したのは
本作が映画監督デビューとなるディーデリック・コーパル。
コピーライター出身で、
ハイネケン、ユニリーバ、アップル、アディダスという
超有名なクライアントを持つオランダ最大のエージェンシーの責任者。
02年、05年、09年にはエージェンシー・オブ・ジ・イヤーを獲得、というものすごい経歴の持ち主です。

ところが、コーパル氏、あっさりとエージェンシーの持ち株を売却。
09年からは長編映画の脚本執筆と監督に軸足を移したのであります。
そして、2012年、本作「人生はマラソンだ!」でデビューし、
本国オランダで大ヒットを叩きだしたわけです。
ちょっと憎らしいほど、順風満帆な人生ではないですか。
でも、笑えるだけじゃない本作。彼もまた苦しい道を走ってきたのでありましょう。

風車とチューリップ以外のオランダのもうひとつの側面を満喫できる映画です。
さあ、いったいどんなお話なのでしょうか。
続きは次回までしばしお待ち下さいね。




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人生はマラソンだ!
監督/ディーデリック・コーパル、脚本/マルティン・ファン・ワールデンベルグ、へーラルト・ムーンダイク、撮影/ユルーン・デ・ブライン、編集/マルク・ベシュトルド、ブライアン・エント、美術/アルフレド・シャーフ、衣装/アレット・クラーン、音楽/Wiegel,Meirmans,Snitker、プロデューサー/ハンス・デ・ウィールス、マーティン・スワルト&レイノルト・オエルマンス、シム・ファン・フェーン
出演
ステーファン・デ・ワレ/ギーア、マルセル・ヘンセマ/ニコ、マルティン・ファン・ワールデンベルグ/レオ、フランク・ラマース/キース、ミムン・オアイーサ/ユース、アリアーネ・シュルタ/レニー、シンシア・アブマ/ヨランダ、ジョルジナ・フェルバーン/アニータ、マニュエル・ブロクマン/ケン、マルティン・レイクメイア/ハリー、マヒオブ・ベンモッサ/ホセインおじさん、アート・セーレン/ヘルマン、アネト・マルヘルベ/ネル、ロエス・ルカ/ハニー、ヨン・ブイスマン/ヨープ、ロエス・フォス/ギーアの母
初夏シネスイッチ銀座ほか全国順次ロードショー
2012年 、 オランダ映画 、113分 、字幕監修 金哲彦(プロランニングコーチ) 、 日本語字幕 浅野倫子
配給 ザジフィルムズ 、 後援 オランダ王国大使館 、 賛同 オランダ政府観光局、協賛 KLMオランダ航空 、 (株)グリーンフィールド
http://www.zaziefilms.com/marathon/

by Mtonosama | 2014-06-10 05:41 | 映画 | Comments(6)
グランド・ブダペスト・ホテル
 -2-
THE GRAND BUDAPEST HOTEL

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(C)2013 Twentieth Century Fox

さて、本作の舞台は架空の国ズブロフカ共和国。
アルプスを望むヨーロッパ東端の国という設定です。

ズブロフカ共和国には、19世紀末から第1次世界大戦まで、
あちこちにステキな温泉リゾートがありました。

その中でもネベルスバートは国内外から大勢湯浴みに訪れる有名な温泉地。
(あ、これも架空の温泉地です)
あまたの宿泊地の中で、特に上流階級の人々が好んで宿泊したのが
グランド・ブダペスト・ホテルなのでした。

山の上に建つ宮殿のようなホテル。
ホテルへ向かうケイブルカーが夢の世界へ誘い、
バックに流れる男声合唱が、敬虔というかエキゾチックというか、
神妙な気分と期待感をいやがうえにも盛り立ててくれるイントロダクション。

お話は、現代、60年代、30年代と3つの時代にまたがって進行します。
進行役はズブロフスカ共和国の国民的作家であり、
小説「グランド・ブダペスト・ホテル」の作者があい勤めます。

さて、さて――


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ストーリー

今は昔。
1968年。ズブロフカ共和国の国民的大作家がまだ青年だった頃。
作家は疲れた神経を休めようと、既にかつての華やかさを失くしてはいたものの
その国きっての高級ホテルであるグランド・ブダペスト・ホテルへと温泉療養に訪れた。

そこで作家はホテルのオーナーであるゼロ・ムスターファに出会う。
謎に満ちた人物。
無一文の移民の彼がいかにして富豪になったか。
何のためにこのホテルを買ったのか。
なぜフラリと訪れては一番狭い使用人部屋に泊まるのか。

彼はその謎と人生をありのままに語り始めた。

さらに昔。
1932年。ゼロがグランド・ブダペスト・ホテルでロビーボーイとして働き始めた頃。
伝説のコンシェルジュ、ムッシュ・グスタヴ・Hがゼロの師であり父親でもあった。
顧客への究極のおもてなしにつとめるグスタヴはマダムたちの夜のお相手もこなし、
多くの客が彼を目当てにホテルへやってきたものである。

そこに大事件が起こる。
グスタヴの最高の顧客であり大親友でもあったマダムDがある夜、何者かに殺されたのだ。
グスタヴがゼロを引きつれ、彼女の邸宅に駆けつけると、
弁護士のコヴァックスが親類縁者の前で名画「少年と林檎」をグスタヴに贈る
という遺言を読み上げるところだった。

それを聞いたマダムDの息子ドミトリーは激怒してグスタヴを殴り飛ばす。
グスタヴとゼロは怒りと見せしめのため、マダムDの執事セルジュ・Xの協力を得て
絵画を邸宅から持ち出すことにした。

だが、ホテルに戻ったグスタヴは殺人犯として警察に逮捕されてしまう。
遺産狙いでマダムDを殺害したというのだ。

グスタヴは刑務所に収監される。
しかし、そこでも一流のコンシェルジュ精神を発揮した彼。
囚人部屋をしきるルートヴィヒに気に入られ、脱獄に成功。
待ち受けていたゼロと共に逃避行に。

ところが、グスタヴに迫る悪の手。
マダムDの遺言代理人コヴァックスが殺害され、グスタヴにまつわる人物が次々と死んでいく。

コンシェルジュの秘密結社とゼロの婚約者アガサの協力を得て、
ゼロと共に謎に挑むグスタヴ。
彼を追う警察、真犯人の一味。
そして、おりしもヨーロッパには大戦の火蓋が切って落とされようとしていた。

さあ、どうなるグスタヴとゼロ……

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さて、ズブロフスカ共和国の運命ですが、
戦争が始まり、30年代にはファシストに占領され、
その21日後には独立国家ズブロフスカ共和国は正式に消滅し、共産圏に組み込まれます。
その後、不運な国民をさらにプロイセン風邪が襲い、何百万人もの死者が出たのであります――

そんな架空のズブロフカ共和国を舞台にし、
ハイスピードでめりはりのきいた巧みな展開で繰り広げられるストーリー。
これはあの国のこと?と想像させながら、決して観客を深刻に考えこませず、
次々と新しいシーンへと誘います。
まさに映画のワンダーランド。

現代、1968年、1932年と3つの時代を軽々と飛び越え、
おとぎ話のようなホテルやお菓子で夢見心地にさせ、
笑わせ、ハラハラさせながら、エンターテインメントの世界に導いてくれます。

で、ありながら、ピンクのホテルの壁についたくすんだカビの色のように、
あるいは甘いお菓子に一粒混じった苦い薬のように、
ただただ楽しいだけではない人生やら世の中をふっと想わせる作品でもあります。
甘い夢のような色彩とコンシェルジュのしゃれた言い回しで笑わせ、
テンポの良い追跡劇に興奮させつつ、
ん?それだけじゃないぞ、と感じさせる作品でした。

これはイケメン・ドアボーイにおもてなししてもらう以上の映画でありましょう。





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グランド・ブダペスト・ホテル
監督・脚本/ウェス・アンダーソン、ストーリー/ウェス・アンダーソン&ヒューゴ・ギネス、製作/ウェス・アンダーソン、スコット・ルーディン、スティーヴン・レイルズ、ジェレミー・ドーソン、製作総指揮/モーリー・クーパー、チャーリー・ウォーケン、クリストフ・フィッサー、ヘニング・モルフェンター、共同製作/ジェーン・フレイザー、撮影監督/ロバート・イェーマン、A.S.C.、プロダクションデザイン/アダム・ストックハウゼン、編集/バーニー・ピリング、音楽スーパーバイザー/ランドール・ポスター、音楽/アレクサンドラ・デスプラ、衣装デザイン/ミレーナ・カノネロ
出演
レイフ・ファインズ/ムッシュ・グスタフ・H、トニー・レヴェオリ/若き日のゼロ・ムスタファ、F・マーレイ・エイブラハム/ミスター・ムスタファ、マチュー・アマルリック/セルジュ・X、エイドリアン・ブロディ/ドミトリー、ウィレム・デフォー/ジョプリング、ジェフ・ゴールドプラム/代理人コヴァックス、ハーヴェイ・カイテル/ルートヴィッヒ、ジュード・ロウ/若き日の作家、ビル・マーレイ/ムッシュ・アイヴァン、エドワード・ノートン/ヘンケルス、シアーシャ・ローナン/アガサ、ジェイソン・シュワルツマン/ムッシュ・ジャン、レア・セドゥ/クロチルド、ティルダ・スウィントン/マダムD、トム・ウィルキンソン/作家、オーウェン・ウィルソン/ムッシュ・チャック
6月6日(金)新宿シネマカリテ他全国ロードショー
2013年、イギリス=ドイツ合作、英語、カラー、配給/20世紀フォックス、日本語字幕/岸田恵子
http://www.foxmovies.jp/gbh/

by Mtonosama | 2014-06-07 06:30 | 映画 | Comments(10)
グランド・ブダペスト・ホテル
 -1-

THE GRAND BUDAPEST HOTEL

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(C)2013 Twentieth Century Fox


最近、旅をしていないとの。
旅にでかけないということはホテルにも泊まっていないということ。

そこで『グランド・ブダペスト・ホテル』です。
せめて映画で旅気分、高級ホテル宿泊気分を楽しもうと試写を観てきました。
とても人気の映画でして、二度目の挑戦でようやく試写最終日に観ることができました。

ウェス・アンダーソン監督の最新作です。


ウェス・アンダーソン
1969年、米・テキサス州生まれ。
『アンソニーのハッピー・モーテル』('96未)で長編映画監督デビュー。
『天才マックスの世界』('98未)でインディペンデント・スピリット賞監督賞受賞。
『ザ・ロイヤル・テネンバウム』('01)が大ヒットし、アカデミー賞脚本賞にノミネート。
『ライフ・アクアティック』('05)、
『ダージリン急行』('07)の後、
アニメ『ファンタスティックMr.FOX』('09)でアカデミー賞と英国アカデミー賞にノミネート。
カンヌ国際映画祭のオープニング作品に選ばれた『ムーンライズ・キングダム』('12)で
アカデミー賞脚本賞、ゴールデングローブ賞作品賞にノミネート。
その他、ブラッド・ピットが出演したソフトバンクのCMシリーズなどを監督。

3度もアカデミー賞にノミネートされているのですね。

それなのに、
日本でもヒットした『ザ・ロイヤル・テネンバウム』も『ダージリン急行』も観ていないとの。
本作が初見です。

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上映開始までワクワクしながら、チラシに目を通していると、
ルミネ新宿で『グランド・ブダペスト・ホテル』キャンペーンをやっているとありました。
シャンパンサービスとかイケメン・ドアマンのお出迎えとかあるらしいです。
http://www.lumine.ne.jp/shinjuku/topics/topics_details.html?article_no=1364

う~む、わからんなぁ。
試写の行列といい、巷の評判といい、シャンパンサービスといい、
本筋の映画以外で盛り上がっているのか?
う~む、いかんぞ。これは。
(『バチカンで逢いましょう!』で知ったカイザーシュマーレンを食べるためだけに
青山のカフェへ出かけた人間が何をえらそーに!ではありますが)

ま、とにかくベルリン国際映画祭で銀熊賞(審査員グランプリ)を受賞し、
全米で歴代興行記録を打ち立てた大ヒット作です。
観てみないことには始まりません。

俳優陣もそうそうたる顔が揃っていました。

まず、主人公の伝説のコンシェルジュ、ムッシュ・グスタフ・Hを演じるのがレイフ・ファインズ。
『愛を読むひと』('08)の成長して弁護士になった主人公を演じた彼、良かったですね。

その主人公にホテル道と人生を教えられる難民のロビーボーイ、
ゼロ・ムスターファの老年役はF・マーレイ・エイブラハム。
『アマデウス』('84)のあのサリエリさんです。

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グランド・ブダペスト・ホテルの客で、
ムッシュ・グスタフ・H自らが夜のお相手を勤める上得意の伯爵夫人。
84歳のマダムDに扮するはティルダ・スウィントン。
そうです。『オンリー・ラヴァーズ・レフト・アローン』('13)の女ドラキュラですね。

マダムDの執事セルジュ・Xはマチュー・アマルリック。
『潜水服は蝶の夢を見る』('07)で難病で体を動かせなくなったファッション誌編集長を演じた彼。
(実はこの人好きなんです)

そして、マダムDの息子ドミトリーはエイドリアン・ブロディ。
『戦場のピアニスト』('02)で史上最年少のアカデミー賞主演男優賞に輝きましたね。

まだまだいるんですけど、今回はここまで。
さあ、いったいどんなお話でしょうか。
続きは次回まで乞うご期待でございます。



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グランド・ブダペスト・ホテル
監督・脚本/ウェス・アンダーソン、ストーリー/ウェス・アンダーソン&ヒューゴ・ギネス、製作/ウェス・アンダーソン、スコット・ルーディン、スティーヴン・レイルズ、ジェレミー・ドーソン、製作総指揮/モーリー・クーパー、チャーリー・ウォーケン、クリストフ・フィッサー、ヘニング・モルフェンター、共同製作/ジェーン・フレイザー、撮影監督/ロバート・イェーマン、A.S.C.、プロダクションデザイン/アダム・ストックハウゼン、編集/バーニー・ピリング、音楽スーパーバイザー/ランドール・ポスター、音楽/アレクサンドラ・デスプラ、衣装デザイン/ミレーナ・カノネロ
出演
レイフ・ファインズ/ムッシュ・グスタフ・H、トニー・レヴェオリ/若き日のゼロ・ムスタファ、F・マーレイ・エイブラハム/ミスター・ムスタファ、マチュー・アマルリック/セルジュ・X、エイドリアン・ブロディ/ドミトリー、ウィレム・デフォー/ジョプリング、ジェフ・ゴールドプラム/代理人コヴァックス、ハーヴェイ・カイテル/ルートヴィッヒ、ジュード・ロウ/若き日の作家、ビル・マーレイ/ムッシュ・アイヴァン、エドワード・ノートン/ヘンケルス、シアーシャ・ローナン/アガサ、ジェイソン・シュワルツマン/ムッシュ・ジャン、レア・セドゥ/クロチルド、ティルダ・スウィントン/マダムD、トム・ウィルキンソン/作家、オーウェン・ウィルソン/ムッシュ・チャック
6月6日(金)新宿シネマカリテ他全国ロードショー
2013年、イギリス=ドイツ合作、英語、カラー、配給/20世紀フォックス、日本語字幕/岸田恵子
http://www.foxmovies.jp/gbh/

by Mtonosama | 2014-06-04 05:39 | 映画 | Comments(12)
ポンペイ -2-
POMPEII

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(C)2014 Constantin Film International GmbH and Impact Pictures (POMPEII) Inc.


なにせ殆どの市民が死に絶え当時の目撃談はほとんどない、というポンペイの大惨事。
歴史家が頼るべき文献は、小プリニウスが友人タキトゥスに語った書簡集ぐらいのものだといいます。

となれば、どのような物語にするかは作り手の裁量に任されています。
しかし、大噴火、迫りくる火砕流、地震によってひきおこされた津波。
過去最大のスケールで描かれたスペクタクル映画であることに間違いはありません。

さあ、いったいどんなストーリーなのでありましょう。


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ストーリー
西暦62年。北ブリタニア(現在のイギリス)。
ケルト騎馬民族たちの村をローマ軍が進撃して行った。
彼らが過ぎた後に残ったのは焼きつくされ奪いつくされ殺されつくした村だった。
一人生き残った少年の眼に焼きついたのは虐殺の指揮を執った将校の顔と
ローマ帝国の象徴である鷹の紋章。
かろうじて生き残った少年だったが、彼は奴隷商人に捕えられてしまう。

17年後。西暦79年。ブリタニア州都ロンディニウム。
少年マイロは逞しい青年に成長し、剣闘士(グラディエーター)になっていた。
当時、繁栄していたポンペイは剣闘士を集めており、マイロも買われる。
ポンペイへ向かうマイロ達奴隷集団。
鎖につながれて旅を続ける途中、泥にはまって立ち往生している馬車に出会う。
馬車には、ローマから故郷ポンペイへ向かう途中の有力者の娘カッシアが侍女と乗っていた。
騎馬民族の息子であるマイロは馬が助からないことを瞬時に見てとり、安楽死させるのだった。
マイロの優しさを理解したカッシア。ふたりはこの時、恋に落ちる。

ポンペイ。カッシアは両親の待つ邸宅へ。
邸はローマから視察に訪れる元老院議員コルブスの歓迎準備に沸いていた。
一方、マイロはポンペイのコロシアムに入り、他の剣闘士たちと闘いの訓練を始めるが、
誰とも言葉を交わさない。
皆いずれは殺し合う関係、誰とも友人とはなりえないからだ。
だが、ポンペイ最強の戦士アティカスにだけは不意打ちから命を守ってもらったことで、
友情に似た感情が生まれていた。

宴の夜。マイロたち奴隷も金持ち女の一夜の慰み者として邸宅に呼ばれていた。
ローマから視察に訪れた元老院議員コルヴスはこの邸の令嬢カッシアを呼び寄せる。
だが、彼女はローマ滞在以来しつこくつきまとうコルヴスの求愛をきっぱりと断った。
宴のさなか、大きな地震が発生。興奮した馬たちが騒ぎ始める。
カッシアは馬を落ち着かせるため、マイロを厩へ呼ぶ。
カッシアへの想いから思わず彼女を馬上に引き寄せ、外へと駆けだすマイロ。
しかし、追手を振り切れず、投降。コルヴスの前へ引き出される。
なんと、コルヴスこそ、17年前両親と一族を目の前で惨殺したあの男だった――

カッシアの必死の弁護から死刑だけは免れたコルヴス。
鞭打ちの刑を受け、牢へと戻されるのだった。

翌朝、コロッセウムに引き出されるマイロたち7人の剣闘士。
貴賓席にはコルヴスとカッシアの姿が。
闘技の開始を告げるコルヴスの合図とともに襲いかかる数十人のローマ軍兵士。
しかし、マイロとアティカスの指揮のもと、剣闘士たちは次々に兵士たちを斃してゆく。
だが、多勢に無勢。生き残ったマイロとアティカスの胸に向って数十の弓矢がつがえられた。
コルヴスが親指を下げれば「殺せ」、上げれば「生かせ」のサインとなる。
咄嗟にカッシアがコルヴスより先に親指を上げ、マイロたちは生きながらえる。
怒り心頭に発したコルヴスはカッシアを邸内に幽閉――

その時だった。ベスヴィオ火山が火を噴いたのだ。
空が立ち上る噴煙によって夜のように暗くなり、街に向って火砕流が押し寄せる。
火山弾が逃げ惑う人々の上にふりそそぎ、海が膨れ上がり人々を容赦なく呑み込んでいく。
アティカスと港での再開を約し、カッシアを救い出すため一人向うマイロ。
愛し合う二人の運命やいかに……

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すさまじい火砕流と大きくひき裂かれ人々を呑みこむ大地。
予知もなく、避難誘導もなく、怖ろしい大自然の怒りを前になすすべもない人間。
Visual EffectsことVFXとはたまげたものだなぁ、と感心しきりであります。

ポンペイというとあの石膏の人型を思い浮かべますが、
母は子を守るように抱きしめ、
あるものは救いを求めるように腕をつきだし、
2000年前の姿のまま、保存されています。

自然の怒りの前には善も悪も愛も憎しみも無力なものだなぁ、
と妙に神妙な気分になりながら試写室を後にしました。





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ポンペイ
監督・製作/ポール・W・S・アンダーソン、脚本/ジャネット・スコット・バチェラー、リー・バチェラー、マイケル・ロバート・ジョンソン、製作/ジェレミー・ボルト、ロバート/クルツァー、ドン・カーモディ、製作総指揮/マルティン・モスコウィッツ、ピーター・シュレッセル、ジョン・ブラウン、撮影監督/グレン・マクファーソンASC,CSC、美術デザイン/ポール・デナム・オースタベリー、衣装デザイン/ウェンディ・パートリッジ、音楽/クリントン・ショーター、VFX監修:デニス・べラルディ、デジタルVFX/ミスター・エックスinc.
出演
キット・ハリントン/マイロ、キャリー=アン・モス/アウレリア、エミリー・ブラウニング/カッシア、アドウェール/アキノエ=アグバエ、サーシャ・ロイズ/プロキュラス、ジャレッド・ハリス/セヴェルス、キーファー・サザーランド/コルヴス、ジェシカ・ルーカス/アリアドネ、カリー・グレアム/ベラトール
6月7日(土)ロードショー
2014年、アメリカ・カナダ・ドイツ合作、カラー、3D・2D、1時間45分、字幕翻訳/林完治、配給/GAGA
http://pompeii.gaga.ne.jp/

by Mtonosama | 2014-06-01 05:53 | 映画 | Comments(6)