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殿様の試写室

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殿が観た最新映画をいち早くお知らせ!

<   2014年 08月 ( 10 )   > この月の画像一覧

ケープタウン -2-
ZULU

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(C)2013 ESKWAD-PATHÉ PRODUCTION-LOBSTER TREE-M6FILMS


南アフリカ連邦といっても遠すぎてイメージがわきません。
映画では数回この地を舞台にしたものを観たことはありますが、遠い遠い国ですよね。
少し前に観たアフリカを舞台にした映画で記憶に新しいのは
『ナイロビの蜂』(‘05 フェルナンド・メイレレス監督)です。
ラストの茫漠と拡がる荒野にガツンときました。

アフリカを描いた映画では荒野でも砂漠でも街でも
その暴力的なまでに広大な様子や貧しい中にもエネルギッシュな人々、
そして、そのあっけない死に圧倒されます。

映画は南アフリカ・ケープタウンで
元ラグビー選手の娘が殺されてみつかるというシーンから始まります。
サンドベージュの荒野に彩りとはいいがたい程の灌木が生えている現場の乾燥感に
まず胸元をしめあげられる感じです。

さあ、いったいどんなお話なのでしょう。


ストーリー
ケープタウン郊外。ある日、ニコールという娘の惨殺死体が発見された。
事件の捜査には強行犯撲滅課のアリ・ソケーラ刑事が率いるチームがあたることに。
アパルトヘイトの傷が残る南アフリカで、ズールー族出身のアリは
警部にまで昇進したまじめで優秀な男だ。
チームの一員ブライアン・エプキンは仕事はできるが、女にも酒にもだらしがない。
妻には見放され、高校生の息子にも軽蔑され、署長からもクズ呼ばわりされている。
だが、アリにとっては最も信頼できる部下だ。

遺体解剖の結果、ニコールの身体からは麻薬成分が発見された。
若者の間ではやっている薬物と似ているが未知の分子が含まれるものだ。
事件当夜の被害者の足取りを調べると、彼女が麻薬売人と会っていたこともわかった。

そこでアリとブライアン、そしてチームのもうひとりダン・フレッチャー刑事の3人は
被害者の携帯通話記録から割り出した場所へ向かう。
若い黒人グループに声をかけると、彼らは動揺し、アリたちに襲いかかってきた。
ただのチンピラに見えた彼らは最新の銃を持ち、無線機や暗視装置までも持っている。
ブライアンの機転で危機を脱するが、ダンは殉職。
そして現場に残されていた薬物は最初の遺体から検出されたものと同じだった。

さらにもう一ヶ所からも同じ薬物が。
最近頻繁にスラム街の子どもたちが行方不明になっているが、その事件現場からである。
薬物の分析結果は怖ろしいものだった。
摂取を続ける内に攻撃性が増し、その後自殺の衝動が起きるというのだ。

殉職したダンに代わり捜査に加わったジャネットがアリたちの襲われた現場の海岸に
不審な空き家を発見。再度、捜査に向うブライアンだったが、既にもぬけの殻。
そこには例の薬物の包み紙が落ちていた。
その空き家を借りていたダミー会社を調べると、一人の科学者の名前が浮かび上がる。
その人物こそはアパルトヘイト時代に政府の命令で黒人を抹殺するための科学兵器を
研究していた科学者だった……

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冒頭の殺人事件はほんの表層に過ぎず、実は巨大な組織犯罪につながっていた――
警察署長も捜査の打ち切りを決定するなか、アリとブライアンは捜査を続けます。
強烈に照りつける陽光の下、恐るべき真相に向って
広大な砂漠をよろめきながら進むアリにはまさに鬼気迫るものがありました。

オーリーに浮かれていましたが、南アフリカの持つ闇に震撼させられてしまいました。
「ナイロビの蜂」もそうでしたが、新薬開発のおぞましい実験の舞台には
いつもアフリカが登場します。
どうしても白人社会の驕りを感じてしまうのでありました。

それにしてもアフリカの強烈な光と影の対比にはいつもながら圧倒されます。





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☆8月31日に更新しました。8月ももう終わりですね。なんか寂しい気分になります☆

ケープタウン
監督/ジェローム・サル、脚本/ジュリアン・ラブノー&ジェローム・サル、原作/キャリル・フェリー著「ZULU」、製作/リシャール・グランビエール、製作総指揮/フレデリック・ドニギアン、撮影/ドゥニ・ルーダン、オリジナル音楽/アレクサンドラ・デスプラ、編集/スタン・コレ、衣装デザイン/レイ・ドネリー
出演
オーランド・ブルーム/ブライアン・エプキン、フォレスト・ウィッテカー/アリ、コンラッド・ケンプ/ダン・フレッチャー、インゲ・ベックマン/ルビー、ティナリー・ヴァン・ウィック/クレア、ルガルド・ヴァン・デン・ベルグ/デビア、ランドール・メイジエ、パトリック・リスター/オパーマン、ジョエル・カエンべ/ジーナ、タニア・ファン・グラン/タラ、ダ二―・キーオ/クルーガー、クリスチャン・ベネット/スタン、イマン・アイザックス/ジャネット、ディーン・スレイター/リック
8月30日(土)全国ロードショー
2013年、フランス、英語、107分、提供・配給/クロックワークス
http://capetown-movie.com/

by Mtonosama | 2014-08-31 06:40 | 映画 | Comments(8)
ケープタウン -1-
ZULU

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(C)2013 ESKWAD-PATHÉ PRODUCTION-LOBSTER TREE-M6FILMS


ケープタウン。
南アフリカが舞台の映画です。
南アフリカといえばマンデラさんをすぐ思い浮かべますが、
本作は違います。
刑事もの。サスペンス・アクションです。

そして、これまた前回と引き続きフランス作品ですから、
サスペンス・アクションといってもちょっと雰囲気が違いますよ。
アメリカものをすべて否定するわけではもちろんありませんが、
風合いが違うというか、香りが違うというか、
やっぱりフランスね、どこか違うと思った、って感じです

第66回カンヌ国際映画祭のクロージング作品にもなった見応えのある作品。

出演はなんとオーリーことオーランド・ブルーム。
そして、もうひとりはフォレスト・ウィテカーです。

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オーリーですよ。オーリー。
「ロード・オブ・ザ・リング」の金髪さらさらロン毛の王子様役の彼。
素敵でしたよねぇ。
と、きれいなおにいさんに弱いとのです。
そのきれいなオーリーが今回演じるのは
仕事はできるが酒にだらしがなく、妻からも高校生の息子からも見放された刑事という役どころ。
高校生の息子ですって!
さらさらロン毛からは大きくイメージチェンジです。

知らない間に見事な筋肉もできあがっているし・・・
小さかったあの子がこんなに大きくなったのね、というおばちゃんの気分です。

かたやフォレスト・ウィテカー。
本作は、バディものというんでしょうか、オーリーと彼とのコンビが最高です。

フォレスト・ウィテカーは『ラストキング・オブ・スコットランド』(‘06)の
ウガンダ大統領アミン役でアカデミー賞、英国アカデミー賞、映画俳優組合賞、
ゴールデン・グローブ賞などで主演男優賞をとった俳優です。
少しタガが外れたオーリー演ずるブライアン刑事とは違って、
南アフリカという国で黒人から刑事になった沈着冷静な理性派アリ刑事を演じています。

原作はキャリル・フェリー著「Zulu」(‘08)。フランス推理小説大賞を受賞しています。
ズールーとは南アフリカ最大の部族ズールー族のこと。
フォレスト・ウィテカー演じるアリ刑事はこのズールー族出身という設定です。

ズールー族というのは南アフリカ最大の部族。人口は約1200万人。
南アフリカ人の4人に1人がズールー人ということになります。
19世紀、この地が植民地化されたとき、もっとも激しく戦ったのが彼ら。
さらにコーサ族出身のネルソン・マンデラが進めた民主化政策に抵抗したのも彼らでした。

という歴史のお話は本作のストーリーと直接関係はないものの、
日本からはるか遠く離れた南アフリカを舞台にした映画である以上、
知っていて損はありません。

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撮影はすべて南アフリカ、
フォレスト・ウィテカーとオーランド・ブルーム以外は現地スタッフとキャストです。
全編南アフリカで撮影され、初めてスラム街の危険地域にもカメラが入った作品です。

あ、最後になりましたが、監督と脚本はジェローム・サル。
初の南アフリカで、英語による撮影になりました。

あふれる陽光、みなぎる緊迫感。
太陽の光がまぶしすぎるから人を殺した、というせりふをふと思い出し、
「異邦人」の主人公ムルソーになってしまいそうな気分です。

さあ、一体どんなお話でしょうか。
続きは次回までお待ちくださいね。



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ケープタウン
監督/ジェローム・サル、脚本/ジュリアン・ラブノー&ジェローム・サル、原作/キャリル・フェリー著「ZULU」、製作/リシャール・グランビエール、製作総指揮/フレデリック・ドニギアン、撮影/ドゥニ・ルーダン、オリジナル音楽/アレクサンドラ・デスプラ、編集/スタン・コレ、衣装デザイン/レイ・ドネリー
出演
オーランド・ブルーム/ブライアン・エプキン、フォレスト・ウィテカー/アリ、コンラッド・ケンプ/ダン・フレッチャー、インゲ・ベックマン/ルビー、ティナリー・ヴァン・ウィック/クレア、ルガルド・ヴァン・デン・ベルグ/デビア、ランドール・メイジエ、パトリック・リスター/オパーマン、ジョエル・カエンべ/ジーナ、タニア・ファン・グラン/タラ、ダ二―・キーオ/クルーガー、クリスチャン・ベネット/スタン、イマン・アイザックス/ジャネット、ディーン・スレイター/リック
8月30日(土)全国ロードショー
2013年、フランス、英語、107分、提供・配給/クロックワークス
http://capetown-movie.com/

by Mtonosama | 2014-08-28 06:36 | 映画 | Comments(6)
グレートデイズ! 
―夢に挑んだ父と子― 
-2-

DE TOUTES NOS FORCES

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(C)2014 NORD-OUEST FILMS PATHE RHONE-ALPES CINEMA


いや、みえすいたお涙ちょうだいものだと思っていました。
今じゃ、反省してます。

お涙ちょうだいものに留まらない上質の映画でした。
俳優陣の演技がとても良かったです。
父親ポールは『最初の人間』(‘11)でアルベール・カミユを演じたジャック・ガンブラン。
スポーツ映画というとマッチョなだけの筋肉おやじを連想しますが、
憂いをたたえつつも息子との関係を立て直していく知的な鉄人でしたね。
鉄人ならぬ哲人レースです。
素敵でした。タイプです。
そして、主人公ジュリアンを演じたファビアン・エローも
素人とは思えない軽やかさと自然さが良かった。新しい才能の発見です。

本作を撮るにあたって、ジュリアン役には実際に障がいを持つ青年を起用すると
決めていたというタヴェルニエ監督。
5ヶ月をかけてフランス中の170の施設を訪問し、ジュリアン役を探したそうです。
ファビアン・エローは1993年生まれの普通高校の工学科に通学する学生でした。
本作が映画初出演です。
彼は運転免許取得を手始めに、障がい者自身が自分で車を運転するための支援協会
“ハンディキャップ・モバイル”を立ち上げるなど積極的に活動する青年。
将来はコミュニケーションの分野で働くことを希望しているそうです。
監督が彼を選んだ決め手はファビアンが送った動画に写っていた明るい笑顔だったんですって。

さあ、いったいどんなお話なのでしょうね。


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ストーリー
フランス・アヌシー地方。アルプスの山々に囲まれた美しい土地だ。
17歳のジュリアンは車いす生活を送る高校生。
美容師をしている母クレールと暮らしている。

ある日、父のポールが帰って来た。
息子の障がいと向き合うことができず、家族と離れて働いていたポールだが、
失業して戻ってきたのだ。
父との再会を喜ぶジュリアンだったが、相変わらず息子と向き合おうとはしないポール。

ポールは仕事探しを口実に、家にじっとしていない。
家族と食事すら共にしようとはしない彼にとうとうクレールがキレた。
だが、ポールは「仕事さえみつければ文句はないだろう」と相変わらず頑固で不器用だ。

そんな頃、ジュリアンはガレージに1枚の新聞記事をみつけた。
それは若き日のポールがアイアンマン・ニース大会に出場したときのものだった。
感銘を受けるジュリアン。

次の日、ジュリアンは固い決意で「パパとレースに出たい!」と宣言した。
その手には「障がいのある息子とアイアンマンレースに参加」という有名なアメリカ人父子の記事が握りしめられている。
しかし、ポールはまったく取り合おうとはしない。
納得しないジュリアンにアイアンマンレースがいかに過酷で費用もかかるかを説明。
そして、「なによりも俺には無理なんだ」と冷たく息子を突き放す。

諦めきれないジュリアンは家出を決行。
動かなくなった車いすを停めたガソリンスタンドからポールに連絡が行く。
駆けつけた父に「大嫌いだ!」と吐き捨てるジュリアン。

数日後、息子の学校から呼び出され、急ぎ学校に向うポール。
ジュリアンと同じ障がいを持つ生徒たちがポールに話をしたいというのだ。
生徒たちは訴えた。
「走ること、泳ぐこと、自転車。どれも私たちの夢です。あなたはなぜジュリアンの夢を断るの?」

帰宅して自転車を改造し始めるポール。
そんな父の姿にジュリアンは輝くような笑顔を向ける。

母クレールの反対やアイアンマン大会実行委員からの参加取消通知――
さまざまな難関が二人を待ち受けているのだが、ひとつひとつクリアしていく父子。
さあ、不器用な父子の夢はかなうのだろうか……

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これって何が大変といったってお父さんが一番大変。
例えば自転車。ジュリアンは足が不自由なのだからペダルをこげるわけではありません。
だから、お父さんは自転車前方に息子を乗せ、2人分の重量を一人でこいでいくわけです。
ジュリアンは両手を拡げ、進行方向に身体を傾け、バランスをとります。
そうです。『E.T.』のあの場面を思い出してください。
そんなジュリアンの姿が飛び立とうとする鳥のようで、幸せな気分にさせてくれます。

美しいアルプスを背景に、自転車が風を切る音や下り坂の爽快感。
知らない内に笑っている自分がいます。

おとうさんは息子に対する17年間のツケを一気に返すことができたのではないでしょうか。
いえ、ツケというならおとうさんはまたまた息子から素晴らしいプレゼントをされたといえるのかもしれません。

これからの人生、父も母も息子もこの体験を宝物にして生き抜いていくのでしょう。
良い映画でした。

わたしももっと水泳がんばろ。





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グレートデイズ! -夢に挑んだ父と子-
監督/ニルス・タヴェルニエ、プロデューサー/フィリップ・ボエファール、クリストフ・ロシニョン、脚本/ニルス・タヴェルニエ、ピエール・レイジュー、ローラン・ベルトーニ、音楽/バルディ・ヨハンソン、撮影/ローラン・マチュエル AFC、美術/ジャン=ミシェル・シモネ
出演
ジャック・ガンブラン/ポール、アレクサンドラ・ラミー/クレール、ファビアン・エロー/ジュリアン、ソフィー・ド・フルスト/ソフィー、パブロ・パウリー/ヨアン、グザビエ・マチュー/セルジオ
8月29日(金)TOHOシネマズ日本橋、新宿武蔵野館ほか全国順次ロードショー
2014年、フランス映画、90分、字幕翻訳/寺尾次郎、配給/ギャガGAGA★
greatdays.gaga.ne.jp

by Mtonosama | 2014-08-25 06:33 | 映画 | Comments(6)
グレートデイズ! 
―夢に挑んだ父と子―
 -1-

DE TOUTES NOS FORCES

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(C)2014 NORD-OUEST FILMS PATHE RHONE-ALPES CINEMA


いやはや、ずいぶんきつい人生を背負う親子を描いた映画の登場です。
失業した父と脳性麻痺を抱える反抗期の息子。
そんな息子を受け入れられず、ずっと背を向けてきた父が
息子と二人トライアスロンに出場する。
それも一番ハードなアイアンマンレースに――
と、いかにも、ありえない話。
(なんとアメリカにこういう父子がいたんですが)

でも、映画になったらとても感動的なものになるのは確かでしょう。

というのが本作「グレートデイズ!―夢に挑んだ父と子―」です。

ちょっと、ちょっとお涙ちょうだい?
簡単に泣かせようたってそうはいかないからね――
と、眉毛に唾をつけ、斜に構えて作品に臨みました。

いや、人間、もっと素直になるべきです。

感動しました。
知らず知らず涙を拭いていました。

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スイム、自転車、ラン。
ひとつだけでもレースに出るのは大変なのに、
一人で全部まとめてやってしまおうっていう競技がトライアスロンです。

競技距離は、「ショート・ディスタンス(短距離)」(オリンピック・ディスタンス)
でスイム1.5km・バイク40km・ラン10km、合計51.5kmの距離。
「ロング・ディスタンス(長距離)」は、スイム4.0km・バイク120km・ラン30km、合計154kmです。
そして、「アイアンマン・ディスタンス」のレースは、スイム3.8km・バイク180km・ラン42.195km、合計約226km!
まさに鉄人レースであります。

その制限時間は17時間!
17時間以内に完泳、完走しないと失格になってしまいます。
本作の舞台となるアイアンマンフランス・ニースの場合はそれより1時間短い16時間。
ちょっ、ちょっとキツ過ぎません?
しかし、その制限時間内にゴールすれば
栄光の“アイアンマン”(鉄人)の称号が与えられるのであります。

アイアンマンフランス・ニースはコート・ダ・ジュールを舞台に
毎年6月に開催される大会です。

紺碧の地中海に設けられた1.9kmのコースを2往復泳ぎ、
高低差の激しい山岳地帯を自転車で180km。
標高差1000mを50kmかけて延々と登り、
登りきったらさらに100km越え地点から再び登ります。フーッ・・・
精も根もつきたところでシューズを履きかえ、ラン42.195km。

え?鉄人になんてならなくていい?
確かに。

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しかし、本作ではもっと過酷なレース展開が待ち受けています。

自分の身ひとつだって大変な226kmもの長丁場を
泳ぎ、自転車で山越えし、マラソンするなんて、考えただけで吐きそうなのに、
本作ではおとうさんは息子の分まで頑張るんです。
この息子の分までというところがミソですよ。

監督は、バレエダンサーたちのバレエへの情熱を描いたドキュメンタリー映画『エトワール』(‘01)の
ニルス・タヴェルニエ。
日本でも大ヒットしましたね。

ドキュメンタリーを得意とする監督だけあって、
レースが始まって選手たちが一斉に海へ飛び込んでいく場面、
それを俯瞰でとらえているシーンは鳥肌が立つほど素晴らしいものです。
トライアスリートあるいはスイマーならずとも必見!
さあ、いったいどんなお話なのでしょうね。
続きは次回までお待ちくださいませ。



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グレートデイズ! -夢に挑んだ父と子-
監督/ニルス・タヴェルニエ、プロデューサー/フィリップ・ボエファール、クリストフ・ロシニョン、脚本/ニルス・タヴェルニエ、ピエール・レイジュー、ローラン・ベルトーニ、音楽/バルディ・ヨハンソン、撮影/ローラン・マチュエル AFC、美術/ジャン=ミシェル・シモネ
出演
ジャック・ガンブラン/ポール、アレクサンドラ・ラミー/クレール、ファビアン・エロー/ジュリアン、ソフィー・ド・フルスト/ソフィー、パブロ・パウリー/ヨアン、グザビエ・マチュー/セルジオ
8月29日(金)TOHOシネマズ日本橋、新宿武蔵野館ほか全国順次ロードショー
2014年、フランス映画、90分、字幕翻訳/寺尾次郎、配給/ギャガGAGA★
greatdays.gaga.ne.jp

by Mtonosama | 2014-08-22 06:04 | 映画 | Comments(7)
グレート・ビューティ 追憶のローマ
 -2-
La grande bellezza

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(C)2013 INDIGO FILM, BABE FILMS, PATHE PRODUCTION, FRANCE 2 CINEMA
(C) Gianni Fiorito



この映画をご覧になると、きっと少しばかりの既視感をお感じになると思います。
「あれ、どっかで見たことがある!」というヤツです。
そう、ローマにいらした方もそのように感じられるでしょうし、
イタリア映画をお好きな方も感じられるでしょう。

例えば、夜の石畳に響く足音とか、
小人とか、真夜中の狂宴とか、野外でのダンス。
そうなんですね。
フェリーニの『世にも怪奇な物語:悪魔の首飾り』『8 1/2』です。
もっとあるかもしれません。
それぞれが胸にひめ、あるいは、頭脳に焼きつかせている
ローマの真髄みたいなものに満ち溢れる作品――

映像ということを心から満喫できる映画です。
極上の目の快楽を味わえる作品でありましょう。


ストーリー
遺跡、歴史的な建造物、現代アート、最先端のファッションが混在する永遠の都ローマ。
ジェップ・ガンバルデッラはローマで成功をおさめている文化人だ。
40年前に発表した小説「人間装置」が高い評価を受け、大きな賞も受賞していた。
筆を折った今も、作家として文壇では一目置かれ、その才能と知性を認められていた。

65歳になった今、彼は夜のローマを渉猟し、
パーティに顔を出しては美女と酒、セレブに囲まれ、空が白むまで騒いでいる。
”俗物の王“を目指し、実現させたジェップだが、それが空虚で無意味なことは誰よりも知っていた。
欲しいものはすべて手に入れたジェップ。
だが、実のところ一番大切なものはまだ見つけられずにいる。

ある日、彼のもとに訃報が届く。
それは、彼がずっと心の中で思い続けていた初恋の人エリーザの死を知らせるものだった。
その知らせをもたらしたのは彼女と連れ添った夫。
夫は「35年間、彼女は君を愛し続けていた」と言う。

ジェップはエリーザへの想いを消そうと、以前にもまして夜ごとの狂宴に身を投じる。
そんな中、彼は旧友の経営するストリップバーである女性と知り合う。
彼女・ラモーナは旧友の娘で、その店でダンサーをしていた。
意気投合したふたりは連れ立って食事やパーティに出かける仲に。
ラモーナとの時間は彼の安らぎとなるが……

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いきなり、ですが、
この映画の主人公はローマそのもの。

かつては小説家だったジェップ・ガンバルデッラ氏が主人公であり、
今は“俗物の王”である彼の現在と数十年前の恋が描かれてはいるのですが、
それはいってみれば古代の石の舞台と劇場で演じられるお芝居のようなもの。

主役は年老いてはいるけれど未だ巨大な存在であるローマです。
ジェップもまたその偉大な都市の一通行人に過ぎません。
人生は短く、恋する日々はもっと短い。
栄華をきわめた教皇も皇帝も貴族も今はローマの地下に眠り、
グラディエーターも作家も詩人も土中に安らいでいます。
多くの死者の上にそびえる都・ローマ・・・

When in Rome do as the Romans do.
郷にいれば郷に従え、ともいいますが、ただただ美しいローマを目に焼きつけ、
自分など歴史の中の一瞬にしか過ぎない、と感傷に浸りたい気分になる映画でした。





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☆8月19日に更新しました。いつもより一日遅れの更新です☆

グレート・ビューティ 追憶のローマ
監督・脚本/パオロ・ソレンティーノ、共同脚本/ウンベルト・コンタレッロ、撮影/ルカ・ビガッツィ、美術/ステファニア・セラ、音楽/レーレ・マルキテッリ
出演
トニ・セルヴィッロ/ジェップ、カルロ・ヴェルドーネ/ロマーノ、サブリナ・フェリッリ/ラモーナ、ファニー・アルダン/マダム・アルダン
8月23日(土)Bunkamuraル・シネマ他全国順次公開
2013年、イタリア・フランス合作、イタリア語、141分、日本語字幕/岡本太郎、後援/イタリア大使館/イタリア文化会館/イタリア政府観光局、配給/RESPECT(レスぺ)×トランスフォーマー
http://greatbeauty-movie.com/

by Mtonosama | 2014-08-19 06:14 | 映画 | Comments(7)
グレート・ビューティ 追憶のローマ 
-1-

La grande bellezza

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(C)2013 INDIGO FILM, BABE FILMS, PATHE PRODUCTION, FRANCE 2 CINEMA

今回もローマが舞台です。
ローマは、ずぅ~~~~~~~~~~~~っと昔のそのまた大昔、
まだ20歳の花咲く乙女だった頃に行ったことがあります。
スパゲッティといえば学食のケチャップ色のナポリタンしか知らない頃で、
初めて食べた本場のパスタを「まずっ!」と思った田舎者でありました。

Bellezza
イタリア語で「美・美しいもの・美しい・美しい人」という意味だそうです。
邦題の『グレート・ビューティ』は“La grande bellezza”の直訳なのですね。

確かに、タイトル通り美しい映画です。
20歳の頃に圧倒されたローマに再びこの作品で会うことができました。
テヴェレ河、コロッセウム。
街全体が遺跡のようでありながら、そこに暮らす人々は現代人であるという不思議。
大きな歴史の中に、遠い過去、ちょっと遠い過去、近い過去、現在がモザイクのように
絡まった街でしたねぇ(遠い目)。

ああ、懐かしい。
トレビの泉に背を向けてコインを投げ込めば再訪できるという言い伝え。
それを信じてきちんと守ったのに130年間訪れることのできないままですが・・・

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えぇ、実は本作、
ストーリーはさして印象に残らないし、主人公の想いにも共感する部分は少ない、
なのに、ここまで気になるのはなぜ?
それはとにかく美しいから。
まさに“La grande bellezza”(偉大な美)なのであります。

モノトーンなコートの襟からのぞく鮮やかな差し色にハッとするように、
遺跡に佇む主人公のジャケットのヴィヴィッドな色彩が美しい残像となっていつまでも残ります。
映像美とはこういうこともいうのか、と思い知らされました。

監督はパオロ・ソレンティーノです。

パオロ・ソレンティーノ
1970年ナポリ生まれ。
1994年、ステファノ・ルッソと共同監督で短編映画を制作。
2001年、初の長編映画“L‘uomo in più ”で商業監督としてデビュー。
イタリア映画ジャーナリスト協会シルバーリボン賞で新人監督賞を受賞、
ダヴィッド・ディ・ドナテッロ賞で新人監督賞と脚本賞候補に。
2004年、『愛の果てへの旅』(‘04未)でカンヌ国際映画祭コンペティション正式出品、
ダヴィッド・ディ・ドナテッロ賞で作品、監督、脚本賞を受賞。
ヨーロッパ映画賞でも監督賞にノミネート。ヨーロッパ期待の若手監督として認められる。
2006年、『家族の友人』がカンヌ国際映画祭でパルム・ドールにノミネート。
以降5作連続でカンヌ国際映画祭に出品。
2008年、『イル・ディーヴォ-魔王と呼ばれた男-』が第61回カンヌ国際映画祭で審査委員長を務めていたショーン・ペンから評価され、審査員賞を受賞。
2011年、アメリカに招待され、ショーン・ペン主演のロードムービー『きっとここが帰る場所』を制作。
第64回カンヌ国際映画祭エキュメニカル審査員賞を受賞。
2013年、『グレート・ビューティ/追憶のローマ』でヨーロッパ映画賞最優秀作品賞ほか、
ゴールデン・グローブ賞最優秀外国語映画賞などを受賞。
2014年、第86回アカデミー賞最優秀外国語映画賞を受賞。
この受賞はロベルト・ベニーニ監督・主演『ライフ・イズ・ビューティフル』(‘97)以来、イタリア映画としては15年ぶりとなる。現在は2015年に公開される『La giovinezza』を撮影中。

こういう経歴を見ていていつも思うのですが、
人には必ず転機となる出会いや出来事があるものですね。
ソレンティーノ監督の場合はショーン・ペンとの出会いがそれでしょうか。
人生、何が起きるかわからないから、
例え、今はどん底でも希望を持って好きなことをやり続けなさいってことですかね。

あ、本作はまったくもってそういう映画ではありません。
すいません。変な先入見を植えつけて。

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さて、主人公を演じるのはソレンティーノ監督のデビュー作“L‘uomo in più ”(’01)以来、
出演しているトニ・セルヴィッロです。
スーツ姿も素敵ですが、色鮮やかなサマージャケットもオシャレに着こなすチョイ悪おやじ。
じいさんなのに、どうしてこんなにかっこいいんでしょうか。さすがイタリア人です。

さあ、いったいどんなお話なのでしょう。
続きは次回まで乞うご期待でございます。



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☆8月15日に更新しました。今年のお盆も両親のお墓参りに行けませんでした・・・☆

グレート・ビューティ 追憶のローマ
監督・脚本/パオロ・ソレンティーノ、共同脚本/ウンベルト・コンタレッロ、撮影/ルカ・ビガッツィ、美術/ステファニア・セラ、音楽/レーレ・マルキテッリ
出演
トニ・セルヴィッロ/ジェップ、カルロ・ヴェルドーネ/ロマーノ、サブリナ・フェリッリ/ラモーナ、ファニー・アルダン/マダム・アルダン
8月23日(土)Bunkamuraル・シネマ他全国順次公開
2013年、イタリア・フランス合作、イタリア語、141分、日本語字幕/岡本太郎、後援/イタリア大使館/イタリア文化会館/イタリア政府観光局、配給/RESPECT(レスぺ)×トランスフォーマー
http://greatbeauty-movie.com/


by Mtonosama | 2014-08-15 06:24 | 映画 | Comments(9)
ローマの教室で
 ~我らの佳き日々~ -2-
IL ROSSO E IL BLU

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(C)COPYRIGHT 2011 BiancaFilm


さすがイタリアです。
熱血漢の国語補助教員は生徒たちに詩を暗唱させるし、
偏屈な老教師はテープレコーダー化(古いですか?)したとはいえ、美術史を教えます。
「歴史」の中でちょろっと触れるだけの美術史ではなく、
ちゃんと教科として美術史が存在しているところがいいですね。

生徒たちも、優等生もいればそうでない子もいるというのは当たり前にしても
移民もいれば、妙に幼い子や色っぽい子もいます。ま、等身大の高校生です。
彼らを演じたのが素人だというのも自然な雰囲気を醸し出している理由かもしれません。

さあ、どんなお話でしょうか。


ストーリー
ローマの公立高校で校長を務めるジュリアーナは
「教師は学校内の教育だけをすればいい」という考えの持ち主。
二学期になって、熱血先生ジョバンニが国語の補助教員として学校にやってきた。
片や美術史の老教師フィオリートは他の教師とも交流せず、
「生徒はみんな頭が空っぽ」と高言する気難しい人物。

ジョバンニは4年F組を受け持つことになった。
クラスにはお調子者のチャッカや、授業中にもイヤホンを外さないシルヴァーナ、
挑戦的なサフィラ、ルーマニアからの移民で優等生のアダムなど個性的な生徒たちが揃っていた。

一人暮らしのフィオリートの楽しみは2週間に1度のコールガールとのひととき。
異なる文化や国と接する「社会的生活」と称した時間に東洋系の女性と一夜を過ごす。
そんなとき、電話が鳴った。
留守電のスピーカーを通じて流れる声はエレナ・トガーニというかつての教え子のものだった。

公立高校の厳しい財政をやりくりするジュリアーナ校長。
彼女は常々教育は学校の内と外を区別しなければならないと考えているが、
ある朝、体育館で寝袋に入って寝ている男子生徒エンリコをみつける。
母と二人で暮らすこの生徒は三日前から母親が失踪していた。
ひどい咳をしているので病院に連れていくと入院することになってしまう。

ジョヴァンニは素行の悪い女子生徒アンジェラに手を焼いていたが、
その原因が母を失ったことと父の失業が原因と聞いて、なんとか彼女の力になろうとする。

フィオリートのところにはその後もエレナから電話がある。
留守電からは、近くの臨床検査室に勤務していること、先生に会いたい、という声が流れる。
彼女の勤務先に患者を装って訪れるフィオリート。
だが、自分に気づかないエレナに落胆し、声もかけずに病院を去る。

一方、欠席が続くアンジェラ。

ある晩、フィオリートの部屋にエレナが訪れる。
彼に気がつかなかったことを詫び、その時の検査結果を持参。
恩師との再会に感無量のエレナ。
「先生の授業が楽しみでした。
今でも先生のロマン主義と古典主義の授業に遅れたことを後悔しています」
そして、火曜日の11時に公園で待っていると言い残し、部屋を出て行くのだった。

ジョバンニに、生徒の生活に関わり過ぎないよう釘をさしたジュリアーナ校長だったが、
彼女自身、自分を頼るエンリコのことが気がかりになって仕方がない。

エンリコの退院の日になった。
彼は里親のところへ行き、別の学校に転校することになっていた。
学期末の成績会議のある火曜日、フィオリートは“家庭の事情”で欠席。
ジョヴァンニの評価に一任すると校長に伝えていた。そのジョヴァンニはアンジェラを落第させる。

4年F組ではフィオリートが期末最後の授業をしていた。テーマは「ロマン主義と古典主義」。
これまでの皮肉屋の面影はつゆも見せず、情熱的に生徒たちに語りかける。
と、その教室にエレナが入ってきた…

数日後、ジュリアーナはエンリコを訪ねていた。
彼女はかつての合理主義の鎧を脱ぎ棄てたようだ…

終業のベルが鳴り、一斉に駆け出す生徒たち。
深呼吸するジョヴァンニ…

今日から夏休みが始まる……


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ラストシーンが良かったなぁ。
教師といっても教えるだけ、指導するだけではないし、
生徒もまた教わるだけ、与えられるだけではありません。
学校って老若を問わず、学びの場であり、出会いの場であり、気づきの場なんですね。

学校ものを観るとき、自分を生徒の側に置いて観ることが多かったとのでありますが、
本作は教師の側に身を置く場面もありました。しみじみ沁みる映画でした。
やっぱり学校ものって良いですねぇ。






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ローマの教室で ~我らの佳き日々~
監督/ジュゼッペ・ピッチョーニ、脚本/ジュゼッペ・ピッチョーニ、フランチェスカ・マニエーリ、原案/「赤と青」マルコ・ロドリ著(晶文社刊)、撮影/ロベルト・チマッティ、編集/エズメラルダ・カラブリア、プロデューサー/ドナテッラ・ボッティ
出演
マルゲリータ・ブイ/ジュリアーナ(校長)、リッカルド・スカマルチョ/ジョヴァンニ(国語補助教員)、ロベルト・エルリツカ/フィオリート(美術史教師)、シルヴィア・ダミーコ/アンジェラ・モルディーニ、ダヴィデ・ジョルダーノ/エンリコ・ブルニョーリ、ニーナ・トッレージ/メラニア、ヨヌッツ・ポーン/アダム、ルチア・マシーノ/エレナ・トガーニ(フィオリートの生徒)、ドミツィアーナ・カルディナーリ/シルヴァーナ、ジェーネ・ニョッキ/ジュリアーナのパートナー
8月23日(土)より岩波ホール他全国順次ロードショー
2012年、イタリア、イタリア語、101分、カラー、日本語字幕/岡本太郎、提供/朝日新聞社、NHKエンタープライズ、クレストインターナショナル、配給/クレストインターナショナル、文部科学省選定(青年、成人、家庭向き)
http://www.roma-kyoshitsu.com/

by Mtonosama | 2014-08-12 06:43 | 映画 | Comments(5)
ローマの教室で
 ~我らの佳き日々~ -1-

IL ROSSO E IL BLU

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(C)COPYRIGHT 2011 BiancaFilm

どういうわけだかわかりませんが、学校ものにそそられます。
やはり学園青春ものに夢中になった頃の名残りでしょうか?
(「いつの話やねん!」ではありますが)

『ローマの教室で』。
イタリアはローマの学校が舞台です。
オリジナルタイトルの”Il rosso e il blu”。意味は“赤と青”。
“赤と青”ではなんのことかわかりませんね。
ここは直截的に学校ものとわからせてくれる邦題が成功でありましょう。
「我らの佳き日々」ってのはちょっとなぁ、でありますが。

原題の”Il rosso e il blu”がどこから来たかといいますと、
これ、赤青鉛筆のことなのです。
ほら、真ん中で青と赤に分かれているヤツ。
昔、使ったことありますよね。

イタリアの学校では教師はこの赤青鉛筆を使って採点するのだそうです。
赤は落第。青は進級。
教師が青鉛筆をひっくり返したら、生徒は地獄へまっさかさま。
でも、先生だってできることなら生徒を地獄へ突き落としたくはないでしょう。

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原作は、ローマの学校で30年以上教師をしてきた作家マルコ・ロドリのエッセイ「赤と青」。
ジュゼッペ・ピッチョーニ監督はこの本を読み、
作家で詩人のマルコ・ロドリの教育方針や登場する生徒たちの描写に感動しました。
これを原案として、脚本を完成させたのが本作『ローマの教室で』です。


ジュゼッペ・ピッチョーニ監督
1953年イタリア生まれ。1980年から3年間ゴーモン映画学校に在籍。
1987年に発表した『青春の形見』でナストロ・ダルジェント賞、ビットリオ・デ・シーカ賞を受賞。1998年には第35回シカゴ国際映画祭でシルバー・ヒューゴ賞、第23回モントリオール世界映画祭審査員特別グランプリを受賞。アカデミー賞外国語映画賞イタリア代表作品に選出された。2001年『ぼくの瞳の光』で第58回ヴェネチア国際映画祭において男優賞と女優賞を揃って受賞。

先ごろ来日したピッチョーニ監督は朝日新聞の取材に応えて
「学校は人が他者や社会と関わっていく場。
先生も閉じこもることなく学校の外と関わって学ぶ」
と語っています。

日本では、他者との関わりを学んできたはずの高校生が級友を殺すという事件が
起きてしまいました。
本作を観たからといって、その事件の解決策を発見することはできませんが、
教師も生徒も共に教え、教えられる関係にあるのだなぁ、ということは感じられるのかも。

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ここに登場する先生は3人。
教師は学校内の問題を外に持ち出すべきでない、という合理主義的な女性校長。
金八先生みたいな熱血漢の国語補助教師。
教育への情熱を過去に置いてきてしまった美術史を担当する皮肉な老教師。

そして、生徒や卒業生たち。

ここに登場するローマの高校生たちは
アメリカの学園ものや日本の高校生たちほどおふざけだったり、
無気力だったりはしないけど、そこはまあ現代のヤングですからね。
彼らと教師たちとの相互的な関わりは結構シヴィアなもの。
そう、学校は社会なんだ、と今さらながら実感させられます。

一体どんなお話でしょうか。
続きは次回までお待ちくださいませね。



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ローマの教室で ~我らの佳き日々~
監督/ジュゼッペ・ピッチョーニ、脚本/ジュゼッペ・ピッチョーニ、フランチェスカ・マニエーリ、原案/「赤と青」マルコ・ロドリ著(晶文社刊)、撮影/ロベルト・チマッティ、編集/エズメラルダ・カラブリア、プロデューサー/ドナテッラ・ボッティ
出演
マルゲリータ・ブイ/ジュリアーナ(校長)、リッカルド・スカマルチョ/ジョヴァンニ(国語補助教員)、ロベルト・エルリツカ/フィオリート(美術史教師)、シルヴィア・ダミーコ/アンジェラ・モルディーニ、ダヴィデ・ジョルダーノ/エンリコ・ブルニョーリ、ニーナ・トッレージ/メラニア、ヨヌッツ・ポーン/アダム、ルチア・マシーノ/エレナ・トガーニ(フィオリートの生徒)、ドミツィアーナ・カルディナーリ/シルヴァーナ、ジェーネ・ニョッキ/ジュリアーナのパートナー
8月23日(土)より岩波ホール他全国順次ロードショー
2012年、イタリア、イタリア語、101分、カラー、日本語字幕/岡本太郎、提供/朝日新聞社、NHKエンタープライズ、クレストインターナショナル、配給/クレストインターナショナル、文部科学省選定(青年、成人、家庭向き)
http://www.roma-kyoshitsu.com/

by Mtonosama | 2014-08-09 06:21 | 映画 | Comments(2)
三毛猫ひかちゃん -18-

あたし、ひかちゃん。

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残暑お見舞い申し上げます。

暑いわね。
あたしも赤ちゃんの毛から、大人の毛並みに変わったものだから、
この暑さにはまいっちゃうわ。
あまり暑くてさすがのあたしもお昼ごはんが食べられないの。
飼い主?ああ、あの人は食べてるわよ。

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板の間に伸びていれば多少は暑さもしのげるってものよね。

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板の上で気持良かったんだけど、
あいにくこの日は来客があり、踏んづけられそうだから、
箪笥の上に移動したわ。

ったく、もっと静かに歩けないものかしら。

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あらっ!?
ちょっとぉ、トーモロコシを茹でてるみたい!!

そうだわ!トーモロコシよ!!
たまらないわね。この匂い♪
あたしね、何が好きったってトーモロコシくらい好きなものはないの。
うまい具合に出しッパだわよ。おまけに布巾がかけてあるだけ。

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ああ、美味しかった。
布巾もきちんと戻しておいたし、
これがあるから家猫っていいのよね。

あたしのかじったトーモロコシを見て
飼い主ったら夫のひとが食べたと思ったみたいよ。
夫のひとがまず怒られたの。
フフフ

でも、夫のひとったら必死に否定するもんだから、
あたしだってことがばれちゃった。

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結局「ま、いいかっ」て、
お客も飼い主たちもあたしの食べた後のトーモロコシを食べていたわ。
そうよ、どうせ焼くんだからいいんじゃない?

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あ、この写真は前々回の
『サンシャイン 歌声が響く街』に出てきたエディンバラなんですって。
相変わらず芸のない写真よね。

まだまだ暑さは続くけど、
皆さんも熱中症とトーモロコシの食べ過ぎには気をつけてね。

また来るわ。

ひかり


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☆8月6日に更新しました。明日は立秋。なんとなく空の気配が秋らしくなったでしょうか。飼い主☆
by Mtonosama | 2014-08-06 05:54 | 映画 | Comments(8)
イーダ -2-
IDA

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(C)Phoenix Film Investments and Opus Film


さて、本作の舞台はポーランド。
そして、時代は1962年であります。
1962年?
この年になにか特別な意味があるのでしょうか。
この年に生まれた、とか、結婚した、とかの個人的な意味を除けば、
なにか中途半端な時代設定です。

1968年ならば“68年世代”などという言葉もある程、
世界中で学生たちのデモやらバリケード封鎖やら、いろいろなことが起こった年。
プラハの春などもこの年です。
ポーランドでも学生による抗議行動があり、
共産党(ポーランド統一労働者党)が
反ユダヤ的排斥運動の後押しをした(三月事件)年として記憶されています。

ところが、1962年です。
ポーランドにおいてもこの年は明確な特徴のない年。
ただ、当時幼児だった監督にとっては一番いきいきと記憶にのこっている時代なのだそうです。
戦争の影をひきずりつつも、政変も動乱もない真空状態のような時代だったのでしょうね。

柔らかいモノクロ画面がどこか懐かしいような時代へと導いてくれるようにも思えるのですが。
さあ、どんなお話なのでしょうか。


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ストーリー
1962年。ポーランド冬の修道院。
戦争孤児として田舎の修道院で育てられた見習い修道尼アンナ。
修道尼になるための準備をしていた彼女はある日修道院長に呼ばれる。
そして、思いもかけない事実を知らされた。
彼女は孤児ではなく、叔母のヴァンダが生きているというのだ。
たったひとりの親類なのに一度も修道院に会いにこない叔母に興味を持ったアンナは、
院長のすすめに従い、ヴァンダの家に向った。

訪ねてきたアンナにヴァンダが投げかけた言葉は衝撃的だった。
「あなたはユダヤ人。本当の名前はイーダ・レーベンシュタインよ」
初めて知った事実だ。

ヴァンダは検察官だが、過去のつらい体験を封じ込めようとするかのように
アルコールと男たちとの乱脈な関係に溺れる日々を送っている。

アンナことイーダは叔母ヴァンダと会うと、そのまま修道院へ戻るため駅に向った。
だが、ヴァンダは駅までやってきてイーダを自宅へ連れ帰る。

両親の墓を訪れたいと願うイーダ。
それに対してヴァンダは「第二次世界大戦中に亡くなったユダヤ人の墓は存在しないし、
遺体のあった場所もわからないのだ」と告げる。
代わりにヴァンダが提案したのはイーダの両親が戦争中に住んでいた家に行くことだった。

その家にはフェリクス・スキパという男が住んでいた。
彼はユダヤ人夫妻のことは何も知らないと言葉を濁す。
ヴァンダはフェリクスの父シモンを捜し出そうとする。彼なら夫妻の最期を知っているに違いない。
だが、捜し出したシモンは重い病気を患い、町の病院に入院していた。
シモンから聞いた驚くべき事実とは……

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親も兄弟姉妹もいない孤独なアンナは過去も現在も未来も捨て、
ただ神にのみ仕える敬虔な修道尼としてのみ生きようとします。
そして、彼女と真反対の生き方をするヴァンダと出会い、
二人で過去を求める旅にでます。
まったく異なった存在に見える叔母と姪の対比が印象的です。
そして、アンナは驚くべき事実を知り、アンナからイーダになりました。

心の旅であり、時間の旅でもあるロードムービー。

兵士も空爆も出てきませんが、これはまさしく戦争映画であります。
ポーランドの人々が戦争中におこなったこと――
歴史には必ず表と裏があることが
穏やかなモノクロ画面と静謐で敬虔な修道院のシーンから伝わってきました。
冷たく柔らかい手で観る者の心をじわりと包み込むとでもいうか、
しーんとした気がみなぎる映画でしたねぇ。

ポーランド映画の真髄を強烈に発しながら、
これまで描かれてこなかったポーランドのもうひとつの側面を突きつけてきた作品でした。



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☆8月3日に更新しました。もう8月!毎日暑いですが、皆さまどうぞ御身大切になさってください☆
イーダ
監督/パヴェウ・パヴリコフスキ、脚本/パヴェウ・パヴリコフスキ、レベッカ・レンキャヴィチ、撮影監督/ウカシュ・ジャル、リシャルト・レンチェフスキ、美術監督/カタジナ・ソバンスカ、マルツェル・スワヴィンスキ、製作・プロデューサー/イーリク・エーブラハム、ピョトル・ジェンチョウ、エヴァ・プシュチンスカ
出演
アガタ・クレシャ/ヴァンダ、アガタ・チュシェブホフニカ/アンナ、イーダ、ダヴィド・オグロドニク/リス、イェジ・トレラ/シモン・スキバ、アダム・シシュコフスキ/フェリクス・スキバ、ハリナ・スコチンスカ/修道院長、ヨアンナ・クリク/歌手、ドロタ・クドゥク/カシカ、ナタリア・ウォンギェフチク/ブロニャ、アフロディタ・ヴェセラク/マリシャ、マリウシュ・ヤクス/バーテン、イザベラ・ドンブロフスカ/ウェイトレス、アルトゥル・ヤヌシャク、アンナ・グジェシュチャク/隣人、ヤン・ヴォイチェフ・パラドフスキ
8月2日(土)[シアター]イメージフォーラムにてロードショー
2013年、80分、モノクロ、日本語字幕/岩辺いずみ、字幕監修/渡辺克義、配給/マーメイドフィルム、後援/駐日ポーランド大使館、ポーランド広報文化センター
http://mermaidfilms.co.jp/ida/

by Mtonosama | 2014-08-03 06:05 | 映画 | Comments(7)