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殿様の試写室

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<   2014年 09月 ( 10 )   > この月の画像一覧

まほろ駅前狂想曲 -1-

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(C)2014「まほろ駅前狂騒曲」製作委員会


『まほろ駅前多田便利軒』に続く第3弾。といっても第2弾はテレビでしたが。
『まほろ駅前狂想曲』です。
<まほろ>というのは、説明するまでもなく
三浦しおんファン、瑛太&松田龍平ファンならおわかりですよね。町田のことです。
そう、東急田園都市線・小田急沿線の町田です。

町田
町田市は、日本の東京都の多摩地域南部にある市である。東京都特別区部への通勤率は22.1%(平成22年国勢調査)。多摩川以南に位置する商業都市で、人口は東京都内の市町村では八王子市に次いで2番目に多い。東京都に位置する自治体としては島嶼地域を除くと最南部に位置する。国道246号・東名高速道路(東急田園都市線・小田急線)と国道16号(横浜線)が交差する地域。
1960年代以降ベッドタウンとして発達したが、依然市内各所で農業が行われている。バブル経済期以後には、東京都区部からの私立大学の転入が進み、市内には現在も私立大学や一貫校が点在するなど、「青年の街」の色も見られる。
日本で唯一、3つの政令指定都市(横浜市・川崎市・相模原市)に接している自治体でもある。
市内や近辺には大学や短大、高校が多く、町田駅付近の繁華街は学生を中心とした若者の街に変わりつつある。前述したように南多摩地域や相模原市など周辺地域にとって中心商業地としても発展しており、地元にいながら渋谷や原宿、秋葉原などの文化を感じ、楽しむことができる場所として、「西の渋谷」、「西の秋葉原」(この場合の西とは東京西部と言う意味)などと呼ばれることも多く、実際に109など若者向けの衣料品店や飲食店、ゲームセンター、アニメ・漫画・ゲーム専門店などが多く、近隣では少ないメイド喫茶も出店されている。また、それら商業施設は駅周辺のビルのテナントとしてだけでなく、周辺の各商店街にも多く存在し、乾物屋などを中心とした町田街道絹の道以前からの活気あふれる商店街に溶け込み、独特の雰囲気を持つ繁華街を作り上げている。

とまあWikipediaには書かれております。
乗り替えにしか利用したことがない通過駅に過ぎませんが、
前作『まほろ駅前多田便利軒』を観て以来、なんとなく気になる町であります。

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多田便利軒の店舗も、バスの間引き運転を調査するバス停も
地方都市と呼ぶには少しばかり鄙びており、田舎ときめつけるにはちょっと拓けている、
ま、なんとも形容しがたい町です。住んでいる方にはごめんなさい。
駅前はいまどきの駅らしく立派ですが。

まだ30代なのに生活の疲れをにじませた瑛太演じる多田啓介と、
高校時代の同級生だったというなんともぼーっとした松田龍平演じる行天春彦のコンビが
今回も要領の良いような悪いような、なんとも不思議な味わいをかもしています。

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あ、前作をご覧になっていない方のためにもう少し2人をご紹介しておきましょうか。
2人はタダ、ギョウテンと呼び合う元同級生。
前作『まほろ多田便利軒』で横中交通バスの間引き運転を調査していたバス停で
バッタリ出会って以来、なぜか3年経ったいまも一緒に暮らしています。
多田は便利屋、行天はその助手、および居候という間柄。
ともにバツイチというのも共通点です。

責任感が強く頼まれた仕事はなんでもきちんとこなす多田とマイペースな行天ですが、
今回はどんなお仕事の依頼を受けるのでしょうか。

続きは次回までお待ちくださいね。



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☆9月30日に更新しました。うっわあ、明日から10月です☆

まほろ駅前狂想曲
監督/大森立嗣、脚本/大森立嗣、黒住光、原作/三浦しおん「まほろ駅前狂想曲」(文藝春秋刊)、撮影/大塚亮、音楽/岸田繁(くるり)、配給/東京テアトル/リトルモア
出演
瑛太/多田啓介、松田龍平/行天春彦、高良健吾/星良一、真木よう子/柏木亜沙子、永瀬正敏/小林、本上まなみ/三峯凪子、奈良岡朋子/曽根田菊子、荒井浩文/飯島幸三、三浦雅己/吉村刑事、古川雄輝/澤田刑事、横山幸汰/田村由良、岩崎未来/三峯はる、市川実和子/西島さき
10月18日(土)新宿ピカデリーほか全国ロードショー
2014年、日本、カラー、124分
http://www.mahoro-movie.jp/

by Mtonosama | 2014-09-30 04:42 | 映画 | Comments(12)
三毛猫ひかちゃん -19-


あたし、ひかちゃん。

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首のあたりが二重になっているわね。
あたしね、ものすごく緊張しているところなのよ。
子どもの頃は怖いものなんて
お腹が空くことくらいしか知らなかったわ。
でも、大人になって車に乗ることの恐怖を知ってしまったの。

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普段はこんなあたしなんだけど、車に乗せられた時は
始終ブルブルうなってる車の怒り声と
絶えまなく後ろへ流れていく窓の外の景色に心底怖くなったの。
肉球が冷や汗でびっしょり濡れてしまったわ。
そうよ、あたしだって怖いもの位あるわよ。

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ある日、飼い主が松本へ行くというので、
あたしはひとりおうちから遠いペットショップにお泊りさせられたの。
ペットショップのおばさんは優しくて
シャーシャー怒らない良い子ちゃんね、って
褒めてくれたわ。
でも、あたしもう二度と車には乗りたくない。

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おうちでのんびり蛾が飛んでいるのを見てるときが一番幸せ。

今度、飼い主が旅に出るなんて言ったら、
絶対妨害しなくっちゃ。

大人になるって、怖いものが増えるってことなのね。

随分涼しくなったわね。
飼い主も咽喉が痛い、なんて言ってるわ。
みなさんも風邪をひかないように気をつけてね。

また来るわ。

おとなになったひかりより


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by Mtonosama | 2014-09-27 06:08 | 映画 | Comments(10)
悪童日記 -2-
LE GRAND CAHIER

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(C)2013 INTUIT PICTURES - HUNNIA FILMSTUDIO - AMOUR FOU VIENN


『悪童日記』というタイトルだと、どうしても腕白坊主のドタバタもの、
というイメージを持ってしまうとの。
だからといってオリジナルの“大きなノート”もなんだかなぁ、です。
映画はやっぱり観ないと始まらないということですよね。

本の方は20数年前、日本でも話題になったそうですが、
不覚にも未読でありまして、今回初めて知りました。
その方がかえってこの映画のものすごさがわかり、良かったかもしれません。

時代は第2次世界大戦下。
双子の兄弟が生まれて初めて会うおばあちゃんの住む町へ疎開し、
そこで経験した日々を描いた話です。

映画は、両親と別れて二人だけで見知らぬ町へやってきたイノセントな兄弟が
母親との約束を守り、日々の暮らしをノートに綴る形で淡々と描くという形式をとっています。

強くならなくちゃいけない。
寒さに負けないようにしなくてはならない。
友だちは大切にしなくちゃ。
そして、生き残っていかなくては――

双子は強く正しく生きるために当たり前のことをこなしているだけなのに、どうしてこうなっちゃうの?
難解な映画ではないのに、とても不条理で、不思議で、とまどってしまい、ズシンときます。


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ストーリー
双子の兄弟は母親と列車に乗ってブダペストからオーストリア国境に近い田舎町へ向かう。
そこには祖母が住んでいるのだ。
1944年8月14日。
父は双子だと目立つから引き離そうと言ったけれど、母が猛反対したからだ。
二人は出発の前、父から大きなノートを渡され、それに日記を書くようにいわれた。

20年ぶりに帰った娘である母を祖母は抱きしめようともしない。
「強くなって。迎えに来るまで生き延びて。
何があっても勉強は続けてね。手紙を書くわ」
と言い残し、母は去っていった。

薪割り、水汲み、家畜への餌やり。双子の仕事は多い。
祖母の敷地には川があり、それを越えればオーストリア。
そこはナチス・ドイツの支配下だ。

祖母と町へ行き、リンゴやジャムを売る。双子より年長の少女がリンゴを万引きした。
彼女は祖母の隣家の娘で目と耳が不自由な母親と暮らしている。
その内、3人は仲良くなり、町の酒場で寸劇などをしながら小銭を稼ぐようになる。

そして、双子たちは身体を鍛える。
祖母に日々言われるような言葉、「牝犬のこども!」「くそがき!」などと罵り合いながら、
互いに殴り合う。

冬になった。雪に埋もれた森で遊んでいた双子は樹にもたれかかる負傷兵をみつけた。
食べ物と毛布を持って引き返すと、兵士はもう死んでいた。
双子はその武器を盗み、兵士のような死に方はしたくないから空腹に耐える訓練もする。
ある日、祖母が郵便配達夫から小包を受け取るところを見た。母から送られた衣類と手紙だ。
それらを祖母はずっと隠し、双子には渡さないでいたのだ。

母を思い出すと心が痛む。だから、母を忘れなければいけない。
双子は精神を鍛える訓練として母からの手紙と母の写真を焼く。
ニワトリを可愛がってから殺す。残酷さに慣れるため、虫、魚、カエルなどを次々と殺す。

隣家の少女は飢えと寒さで衰弱していた。薪と食べ物を持っていく双子。
少女は司祭のところに行けばお金をもらえることを教えてくれた。
どんな手段かはいえない。
双子は司祭から得たお金で長靴を買いにいく。
1足分のお金しかなかったのに、親切な靴屋さんは2足をただで双子にくれた。

祖母の家に司祭館の若い女中がジャガイモを買いに来る。
双子がジャガイモを持っていくと、表の通りを大勢の人が連行されていくところだった。
女中は「靴屋がいないよ!」と兵士に知らせる。
急いで靴屋まで走っていった双子の前で親切な靴屋さんは既に殺されていた。
双子は森でみつけた負傷兵から奪った手榴弾を司祭館のストーブに放り込んだ……

両親から切り離され、見知らぬ土地で暮らしながら、強く逞しくなっていく双子。
強いということ、逞しいということ、生きるということ。

冬枯れの明るい森の中で双子は大きな決断をします。
親も子もない。家族もない。一心同体であった双子すら分離できる存在なのか・・・・・

彼らはモンスターなのでしょうか。
そんな感想は
戦争を知らない、真の困窮も知らない、悲しみを乗り越えることも知らない
甘ちゃんのものなのかもしれません。

こういう映画にありがちなニワトリのようにガリガリの祖母ではなく、
身動きも不自由なぐらいに太った祖母が怖かったです。

これ、必見です。





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悪童日記
監督/ヤーノシュ・サース、脚本/アンドラーシュ・セーケル、ヤーノシュ・サース、原作/
アゴタ・クリストフ「悪童日記」ハヤカワepi文庫、撮影監督/クリスティアン・ベルガー、製作総指揮/アルベルト・キッツラー、ジェルジ・ズーフ、ヤーノシュ・サース、製作/サンドル・ソス、パル・サンドル
出演
アンドラーシュ・ジェーマント、ラ―スロー・ジェーマント/双子、ピロシュカ・モルナ―ル/祖母、ウルリク・トムセン/将校、ウルリッヒ・マテス/父、ギョングベール・ボグナル/母、オルソルド・トス/口蓋裂の娘、ザビン・タンブレア/将校のボーイフレンド、ペーター・アンドライ/牧師
10月3日(金)TOHOシネマズシャンテ、新宿シネマカリテ他全国順次ロードショー
2013年、ドイツ・ハンガリー合作、ハンガリー語、111分、字幕翻訳/吉川美奈子、後援/駐日ハンガリー大使館、配給/アルバトロス・フィルム
http://akudou-movie.com/

by Mtonosama | 2014-09-24 05:58 | 映画 | Comments(2)
悪童日記 -1-
LE GRAND CAHIER

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(C)2013 INTUIT PICTURES - HUNNIA FILMSTUDIO - AMOUR FOU VIENN


『悪童日記』というタイトルから、誰がこんな内容の映画を想像できたでありましょう。

悪戯っ子が登場し、ドタバタ大暴れ。
それでもって観客はワッハッハと大笑いする――
そんな映画を勝手に思い描いていたとのでありますが、
外れました。

いやあ、本当に東欧の映画はすごいです。びっくりしました。ズシンと来ました。

オリジナルタイトルは“Le grand cahier”。
「大きなノート」と訳せばいいのでしょうか?
東欧の映画といいながらフランス語のタイトルです。
どういうこと?

本作『悪童日記』は今からおよそ30年程前、フランスで刊行されベストセラーになり、
約40ヶ国語に翻訳されました。
日本でもブームになったアゴタ・クリストフによる同名の著作を映画化したのが
本作であります。

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数々の文学賞に輝いた「悪童日記」は
ポーランドのアグニエシュカ・ホランド監督(『ソハの地下水道』
http://mtonosama.exblog.jp/17961754/ http://mtonosama.exblog.jp/17971415/)、
デンマークのトマス・ヴィンターベア監督(『偽りなき者』)などが、映画化権を獲得しながら
なかなか実現には至らなかった作品です。


アゴタ・クリストフ
著者アゴタ・クリストフは1935年オーストリア国境に近いハンガリーの村に生まれる。
父は教師。アゴタは4歳の時から手にする活字すべてを読破する早熟な子どもだった。やがて父は政治犯として投獄され、母は家族を養うため必死に働く。彼女は14歳で全寮制の学校に入学。最愛の弟とひき離され、詩の創作を始める。卒業後、自身の歴史教師だった男性と結婚。1956年ハンガリー動乱の年、娘を出産。その後、動乱が鎮圧されると一家はスイスへ。フランス語が話せなかった彼女は女工として働きながらハンガリー語の詩を書き続けるが、62年、大学の夏期講習でフランス語を猛勉強する。詩や戯曲を同人誌に発表し続けた。初めはハンガリー語で、その後、フランス語で書くようになり、初めて書いた小説「悪童日記」(‘86)をフランスの出版社から刊行。一躍有名になり「ふたりの証拠」「第三の嘘」の続編も絶賛される。
2011年7月、映画の完成を観ることなく、亡くなった。

東欧ハンガリーの映画であり、小説でありながらフランス語のタイトルが
つけられている理由には作者の苛酷な人生が反映されていたのであります。

そして、この小説を映画化したのは作者と同じハンガリー出身のヤーノシュ・サース監督。
小説を読んだ監督は映画化権獲得のチャンスを待ち続け、ついにGet!


ヤーノシュ・サース監督
1958年ブダペスト生まれ。演劇映画アカデミーで演出を専攻。
80年代中ごろから映画作家として活躍。
『Woyzec』(‘94/ヨーロッパ映画賞最優秀新人賞、シカゴ国際映画祭撮影賞受賞、アカデミー賞外国語映画賞ハンガリー代表)
『The Witman Boys』(‘97/未/カンヌ国際映画祭「ある視点」部門出品、モスクワ国際映画祭、テッサロニキ国際映画祭優秀作品賞、ハンガリー映画ウィークに演出賞&評論家賞)
『ブロークン・サイレンス』(‘02/スティーブン・スピルバーグ製作)
『Opium – Diary of a Madwoman』(‘07/ポルト国際映画祭優秀作品賞、ハンガリー映画ウィークに演出賞&評論家賞)など。
演劇界でも演出家として活躍。ワシントン、オスロ、モスクワ、ブダペストで活動している。ブダペストの演劇映画アカデミーで俳優上級クラスの講師も勤めている。

あまりなじみのないハンガリー映画ですが、
この作品でハンガリーにとりつかれてしまったかもしれません。

さあ、いったいどんなお話でしょうか。続きは次回まで乞うご期待でございます。



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悪童日記
監督/ヤーノシュ・サース、脚本/アンドラーシュ・セーケル、ヤーノシュ・サース、原作/
アゴタ・クリストフ「悪童日記」ハヤカワepi文庫、撮影監督/クリスティアン・ベルガー、製作総指揮/アルベルト・キッツラー、ジェルジ・ズーフ、ヤーノシュ・サース、製作/サンドル・ソス、パル・サンドル
出演
アンドラーシュ・ジェーマント、ラ―スロー・ジェーマント/双子、ピロシュカ・モルナ―ル/祖母、ウルリク・トムセン/将校、ウルリッヒ・マテス/父、ギョングベール・ボグナル/母、オルソルド・トス/口蓋裂の娘、ザビン・タンブレア/将校のボーイフレンド、ペーター・アンドライ/牧師
10月3日(金)TOHOシネマズシャンテ、新宿シネマカリテ他全国順次ロードショー
2013年、ドイツ・ハンガリー合作、ハンガリー語、111分、字幕翻訳/吉川美奈子、後援/駐日ハンガリー大使館、配給/アルバトロス・フィルム
http://akudou-movie.com/

by Mtonosama | 2014-09-21 07:21 | 映画 | Comments(2)
柘榴坂の仇討 -2-

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(C)2014 映画「柘榴坂の仇討」製作委員会


江戸から明治へと時代は変わり、
裃、袴姿から洋装へ、
ちょんまげ、月代もざんぎり頭に変わります。
小器用な者たちは金をもうけ、要領よく立ち回り、
身の処し方もわからぬまま、誇りだけは失うことのできない侍たちは
それでもおたおたと慣れない仕事に専念します。

ああ、大変な時代だったんだろうなぁ。明治になったばかりの頃は。
時代の変わり目に生きるというのはいつだってきついものです。


ストーリー
旧彦根藩士・志村金吾は未だに13年前のあの雪の日のことを夢に見る。
安政7年3月3日、
雪が深々と降りしきる江戸城桜田門外で大老・井伊直弼の行列を水戸脱藩浪士らが襲撃した。
剣の腕を見込まれた志村は主君の駕籠を警護していた。
だが、刺客の1人を深追いし、持ち場を離れたため、直弼は殺されてしまった。

井伊直弼は下級武士である志村にも温厚な笑顔で接し、優しい言葉をかけてくれた。
志村は自らの命を賭けても守らなくてはならないそんな主君を死なせてしまった。
その罪は重く、彦根藩は切腹さえも許さなかった。
彦根の年老いた両親が息子の代わりに自害。
志村に下った命令は「逃亡した水戸浪士の首をあげ、殿の墓前に供えよ」だった――

だが、志村は自分を責め、ひそかに切腹を決意し、新妻・せつに離縁を申し渡す。
そんな志村に、せつは
「ご下命を果たし、本懐を遂げてこそ武士。それまでせつはお側においていただきとう存じます」
と頭を下げた。

2人は江戸下町の長屋に居を移し、志村は水戸浪士を探すあてのない探索を始める。
主君を襲った浪士は18名。内、逃亡した浪士は5名。手配書をもとに仇を追う志村。

13年の時が流れ、時代は明治に。江戸は東京となった。
武士の世は終り、志村に仇討を命じた彦根藩もとうにない。
街には洋館が建ち、洋装の男女が行き交う。
そんな中、髷を結い、すりきれた袴に刀をさした志村は未だ仇を追い続けていた。
5人の浪士の内4人は既に世を去り、残るはただ1人である。

武士の誇りを決して捨てようとはしない志村に救いの手を差し伸べたのは、旧旗本の内藤新之助。
今は市中警備の警察官として新政府に仕える内藤は
幕臣時代の上司で、司法省の役人となっている秋元和衛に志村の仇討への助力を依頼。

明治6年2月7日。東京は13年前のあの日と同じく雪が降りしきっていた。
その日、秋元からの呼び出しを受けた志村はその屋敷に向った。
せつには夫の出かける理由がわかっていた。「今日こそ夫は本懐を遂げるのだ」

秋元邸を訪れた志村はついに佐橋十兵衛の消息を知る。
だが、同日、明治政府は「仇討禁止令」を公布していた――
秋元もまた、過去とは決別し、新しい時代を生きてみてはどうか、と志村に勧める。
しかし、志村の決心が揺らぐことはなかった。
志村は佐橋が車夫として客待ちをしているという新橋駅へと向かうのだった……

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志村や佐橋の侍としての気概に時代劇ファンは心を震わせることでありましょう。
しかし、ですね。
思わぬところで、この映画には、
我が身を犠牲にし、夫のためにつくしてきた妻へのエールがあったんです。
仇敵発見に尽力してくれた秋元に「ご迷惑をおかけいたしました」と頭を下げる志村に対し、
秋元の妻は「そのお言葉は奥方にこそ申されませ」とピシリと言い放ちます。

気持良かったです。
そうですよ。お家は大事でありましょう。
自分を認めてくれた大恩ある殿様の仇を討ちたい一心で13年間捜索し続けた心意気や天晴れ!
ではありましょう。
しかし、それは夫が本懐遂げた後は自分も後を追って死のうと覚悟し、
居酒屋で働きながら夫を支えてきた妻がいてこそ、できたことでありましょう。

いやあ、秋元さんの奥方、よくぞ言ってくださった!
支えることが当たり前とみなされている妻にスポットライトを当てたという意味では
女たちの映画ということもできるかもしれません。
広末涼子さんもなかなか好演でありました。
たまには時代劇も良いものですね。





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柘榴坂の仇討
監督/若松節朗、原作/浅田次郎(「五郎治殿御始末」所収 中央公論新社刊/新潮文庫刊)、脚本/高松宏信、奥田健三郎/長谷川康夫、撮影/喜久村徳章、音楽/久石譲
出演
中井貴一/志村金吾、阿部寛/佐橋十兵衛(直吉)、広末涼子/せつ、中村吉衛門/井伊直弼、高島政宏/内藤新之助、真飛聖/まさ、吉田栄作/財部豊穂、堂珍嘉邦/稲葉修衛門、近江陽一郎/小野寺覚馬、木崎ゆりあ/ゆき、藤竜也/秋元和衛
9月20日(土)全国ロードショー
2014年、日本、カラー、1時間59分、配給/松竹
http://zakurozaka.com/

by Mtonosama | 2014-09-18 06:40 | 映画 | Comments(2)
柘榴坂の仇討 -1-

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(C)2014 映画「柘榴坂の仇討」製作委員会


当試写室、久々に登場の日本の時代劇映画です。
ご存知、浅田次郎の原作であります。
浅田次郎作品の映画化作品といえば『壬生義士伝』(‘02)。
良かったですね。
とのなんかラストのボロボロになった中井貴一の姿を観る度に号泣してしまいます。

今回もその中井貴一が登場。
本作は浅田次郎の短編集『五郎治殿御始末』(‘03)の中の1編『柘榴坂の仇討』です。

映画は雪のふりしきる桜田門外から始まります。
忠臣蔵にせよ、桜田門にせよ、雪と時代劇はよく似合います。


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桜田門外の変
1860年3月3日。京都朝廷の許可もないまま、アメリカとの修好通商条約に調印し、安政の大獄などで敵対する勢力の弾圧を行った大老・井伊直弼が江戸城桜田門外で水戸・薩摩の浪士ら18名に暗殺された事件。雪の中、約60人の供を引き連れ、江戸城に登城する井伊大老の行列が松平大隅守の屋敷にさしかかった時に襲われた。

井伊直弼といえば、かの松下村塾の吉田松陰も処罰された安政の大獄事件の当事者。
正直あまり良い印象は持っていませんでした。

しかし、歴史にはいろいろな視点が存在するのもまた事実であります。
彦根藩主・井伊直中の14男(!)として生まれた直弼。
長い長いひや飯生活を余儀なくされ、その間に剣術や茶道の腕を磨き、
一時は真剣に出家することまで考えたという人物。
そんな彼に運が向いてきたのは兄・直元が急死したためでありますが、
それは本作とは関係ないのでちょっと横へ置いておきましょう。
いずれにせよ、かなりの趣味人ではあったようです。
趣味人・井伊直弼を好演するのは中村吉右衛門。

そんな殿様を尊敬し、お仕えしたのが本作の主人公、
中井貴一演ずるところの志村金吾であります。

片や、桜田門外において井伊大老を襲撃した水戸藩藩士・佐橋十兵衛。
こちらは阿部寛が演じます。

主君である井伊大老を殺され、仇敵を追い続ける侍。
大老を暗殺後、車曳きに身を窶(やつ)し、妻もめとらず、子もなさず、孤独な人生を送る侍。

この二人の間に何が起こるか、映画はそのあたりをじっくり描きます。

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仁とは、義とは、忠とは。
いまや薬にしたくてもみつからないものを不器用に守り続ける男たちを
中井貴一、阿部寛が見せてくれます。

時代は江戸末期から明治時代へ。
日本が大きく変わった時代を撮ったのは若松節朗監督。
『ホワイトアウト』(‘00)『沈まぬ太陽』(‘09)『夜明けの街で』(‘11)などの作品があります。
音楽は久石譲。

男っぽい映画とお思いでしょ?
でも、女性陣のせりふや演技が、映画に思わぬふくらみを持たせるというところなど
いまどきの映画といえそうですよ。

さあ、いったいどんなお話でしょう。
続きは次回までお待ちくださいませ。



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柘榴坂の仇討
監督/若松節朗、原作/浅田次郎(「五郎治殿御始末」所収 中央公論新社刊/新潮文庫刊)、脚本/高松宏信、奥田健三郎/長谷川康夫、撮影/喜久村徳章、音楽/久石譲
出演
中井貴一/志村金吾、阿部寛/佐橋十兵衛(直吉)、広末涼子/せつ、中村吉衛門/井伊直弼、高島政宏/内藤新之助、真飛聖/まさ、吉田栄作/財部豊穂、堂珍嘉邦/稲葉修衛門、近江陽一郎/小野寺覚馬、木崎ゆりあ/ゆき、藤竜也/秋元和衛
9月20日(土)全国ロードショー
2014年、日本、カラー、1時間59分、配給/松竹
http://zakurozaka.com/

by Mtonosama | 2014-09-15 06:31 | 映画 | Comments(4)
フランシス・ハ -2-
FRANCES HA

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(C)Pine District, LLC.


なんかとっても元気よくNY中を走り回っているフランシスが印象的で
やはり赤毛の女の子がベルリンを駆け抜ける『ラン・ローラ・ラン』(‘98 トム・ティクヴァ監督)を
思い出しました。
あるいは、ちょっとばかり不器用で、ついてないフランシスを見て
『インサイド・ルーウィン・デーヴィス 名もなき男の歌』
http://mtonosama.exblog.jp/22108596/ http://mtonosama.exblog.jp/22132550/
も連想しました。

あれこれ連想する映画が多いのは
それだけ共感する部分が多い作品といえるのかもしれません。

なんでもできてキラキラしている女子の映画も素敵ですが、
世の中で圧倒的に多いのは、
大人のとば口にあって、
常識的な大人への道に向わなくちゃならないとわかっていながらも、
そうはできない人たち。

そんな人たちが主人公の映画があったら、
「わたしってダメだよな」と自分を責めてばかりだった人も
「いや自分って案外良い人なんだ」と自分を認める気にもなれると思うんです。

もちろん大人になりかけている人ばかりでなく、
大人なんだけどうまくいかない人生にうんざりしている人も嬉しくなる映画かもしれません。
さあ、どんなお話だと思います?


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ストーリー
バレエカンパニーの研究生フランシスは大学からの親友ソフィーとルームシェアし、
楽しい毎日を送っている。ある日、彼女は交際中のダンから同棲をもちかけられる。
2匹の猫を飼うことにしたから、一緒に世話をするために同棲してほしいというのだ。
ソフィーとの共同生活を解消したくないフランシスはダンの申し出を却下。
結局は別れてしまう。

それなのに、ソフィーはアパートの更新をせず、引っ越すという。
何も聞かされていなかったフランシスは傷ついたが、
ソフィーの友人のレヴとベンジーの家へ転がり込み、ルームシェアを始めた。
まだまだお気楽なフランシス。

ところが、ギャラをあてこんでいたクリスマスダンス公演のメンバーには選ばれず、
ソフィーも彼氏のパッチと本気になりかけていることを知った傷心のフランシスは
実家のサクラメントへ里帰り。久々に家族と幸せなひとときを過ごす

実家からNYへ戻ったフランシス。実は完全な無職。
レヴとベンジーのシェアハウスの家賃も払えなくなり、今度はバレエカンパニーの友人
レイチェルの家に居候。

レイチェル宅でのホームパーティで彼女の親戚がパリにアパートを持っていると聞き、
フランシスは速攻パリへ飛ぶ。しかし、パリ在住の大学時代の友人に電話しても連絡が
とれず、むなしくNYへ戻ってくる。
そして、親友ソフィーはパッチの転勤に伴って、日本へ引っ越してしまった。

さあ、万事窮す。無職のフランシスは母校の大学寮の管理人のバイトを始める。
とりあえずの住むところは確保できた。
田舎生活を満喫しつつ、チャリティパーティでウエイトレスをしていると、
偶然帰国していたソフィーと再会。なんとソフィはパッチと婚約していた。
ショックを受けるフランシス。
その晩、婚約者と喧嘩したソフィーがフランシスの寮にやってくる。
女同士の友情を再確認するフランシス。
だが、翌朝、ソフィーは彼の許へ戻っていった。

いよいよフランシス自身も人生を見つめ直す決断を下す時期がきた……

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およそ計算とは程遠い人生を送るフランシス。
できるなら夢を追い続けてはいたいのだけれど――
そんな彼女の気持が実感をもって迫ってきます。

でも、まず足元を固めないといけません。
これは大人の眼か?
とはいってもそれがまた結構シビアな選択なんですけどね。

ラストでわかる〈ハ〉の意味。
「まずは良かったね。フランシス」とスクリーンを前に必死にうなづいてしまいました。

おばさんになってもこういうことはあるんですよね。
ままならない人生を送っている老若男女にさりげないエールを送ってくれる映画です。
いつも映画から勇気や励ましをもらっているとのであります。

ぜひ、〈ハ〉の意味をご自身の眼と頭で感じてくださいね。





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フランシス・ハ
監督/ノア・バームバック、脚本/ノア・バームバック、グレタ・ガーウィグ、製作/ノア・バームバック、スコット・ルーディン、リラ・ヤコブ、ホドリゴ・テイシェイラ、撮影/サム・レヴィ、美術/サム・リセンコ、編集/ジェニファー・レイム、音楽監修/ジョージ・ドレイコリアス、主題歌/デヴィッド・ボウイ「モダン・ラブ」
出演
グレタ・ガーウィグ/フランシス、ミッキー・サムナー/ソフィー、アダム・ドライバー/レヴ、マイケル・ゼゲン/ベンジー、シャーロット・ダンボワーズ/コリーン、パトリック・ヒューシンガー/パッチ、マイケル・エスパー/ダン、グレイス・ガマー/レイチェル、マヤ・カザン/キャロライン
9月13日(土)ユーロスペース他全国順次ロードショー
2012年、アメリカ、英語、86分、モノクロ、日本語字幕/西山敦子、提供/新日本映画社、配給/エスパース・サロウ
http://francesha-movie.net/

by Mtonosama | 2014-09-12 06:17 | 映画 | Comments(4)
フランシス ・ハ -1-
FRANCES HA

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(C)Pine District, LLC.


は?ハってなに?
とのも思いましたよ。ミスプリントかなって。
といいつつも、このおかしなタイトルにひかれて観にいったのですが。

主人公はいまどきの華奢な女の子ではなく、肩幅も広くがっしりした感じ。
30代にさしかかろうという歳格好だから女の子なんて呼んだらいけません。
ごめんなさい。

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モノクロのスクリーンがなんとも良い感じ。
モノクロ画面のせいなのか、建物が古いからなのか、
NYブルックリンの街並みを見てもいつの時代かはっきりしません。
それがまた良い味を出しています。ヌーベル・バーグっぽいです。
『勝手にしやがれ』(‘60 ジャン・リュック・ゴダール監督)みたいな感じ?

でも、ワンピースの下にスパッツをはいている主人公のファッションを見れば
50年代とか60年代という時代ではないな、とはわかるんですけどね。

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監督・脚本・製作はノア・バームバック。
共同脚本は主人公フランシスを演じたグレタ・ガーウィグ。
彼女、監督のパートナーでもあり、
本作で2014年ゴールデン・グローブ賞女優賞にノミネートされてからは
主演作へのオファーが続く人気女優です。


ノア・バームバック
1969年NYブルックリン生まれ。24歳の時にラブ・コメディ『彼女と僕のいた場所』(‘95)
で監督・脚本デビュー。
‘05年、高校時代の実体験を基にした『イカとクジラ』がアカデミー賞脚本賞にノミネートされた。
‘07年、ニコール・キッドマン主演『マーゴット・ウェディング』。
’10年、ベン・スティラー主演『ベン・スティラー 人生は最悪だ!』でグレタ・ガーウィグをヒロインとして起用。
‘12年、グレタ・ガーウィグと共同で脚本を書き、低予算で作られたモノクロ映画『フランシス・ハ』が批評家に絶賛され、大ヒット。
脚本家としての活躍はウェス・アンダーソン監督『ライフ・アクアティック』(‘04)。『ファンタスティックMr.FOX』で共同脚本を担当した他、アニメーション『マダガスカル3』の脚本も執筆。

グレタ・ガーウィグ
1983年カリフォルニア州サクラメント生まれ。
女優だけでなく監督・脚本でも活躍。大学では哲学を専攻。在学中 ‘06年ジョー・スワンバーグ監督『LOL』に出演。主な出演作は『抱きたいカンケイ』(‘11)、『ダムゼル・イン・ディストレスバイオレットの青春セラピー』(‘11)、『ローマでアモーレ』(‘12)、『29歳からの恋とセックス』(‘12)。
‘14年、第64回ベルリン国際映画祭においてコンペティション部門の審査員を務める。

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舞台は現代のNY。主人公は30代に入ろうというフランシス
モダン・バレエのダンサーを夢見て、親友のソフィーと部屋をシェアしています。
そろそろ夢だけでなく実人生の足場を固めなくてはならないのだけれど、
まだ夢を追っていたい女子です。
不器用といえば不器用なんだけど、そこに共感を持ってしまうのはとのだけではないはず。

本作もまた、フランシス同様、夢を追う大人たちが集まって作った作品のような気がします。

さあ、いったいどんなお話でしょうか。続きは次回までお待ちください。



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フランシス・ハ
監督/ノア・バームバック、脚本/ノア・バームバック、グレタ・ガーウィグ、製作/ノア・バームバック、スコット・ルーディン、リラ・ヤコブ、ホドリゴ・テイシェイラ、撮影/サム・レヴィ、美術/サム・リセンコ、編集/ジェニファー・レイム、音楽監修/ジョージ・ドレイコリアス、主題歌/デヴィッド・ボウイ「モダン・ラブ」
出演
グレタ・ガーウィグ/フランシス、ミッキー・サムナー/ソフィー、アダム・ドライバー/レヴ、マイケル・ゼゲン/ベンジー、シャーロット・ダンボワーズ/コリーン、パトリック・ヒューシンガー/パッチ、マイケル・エスパー/ダン、グレイス・ガマー/レイチェル、マヤ・カザン/キャロライン
9月13日(土)ユーロスペース他全国順次ロードショー
2012年、アメリカ、英語、86分、モノクロ、日本語字幕/西山敦子、提供/新日本映画社、配給/エスパース・サロウ
http://francesha-movie.net/

by Mtonosama | 2014-09-09 05:47 | 映画 | Comments(8)
郊遊 -2-
ピクニック

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(C)2013 Homegreen Films & JBA Production


なにゆえ蔡明亮監督は劇映画をつくるのをやめたのでしょう。

なんと!彼は映画がイヤになったのだそうです。
才能のある人に限ってこういうもったいないことを言ったりしたりするものなのでしょう。

彼をウンザリさせていたもの。
それは、映画のエンタテイメント性、市場のメカニズム、大衆の好みへの迎合。

監督は自分に問いかけたそうです。
映画とはなにか。
なぜ、そして、誰のために映画をつくるのか。
大勢の観客とは誰のことなのか。スピルバーグの映画を観る人のことなのか。
「率直にいって、私はこれらのことに何ひとつ興味が持てなかった」・・・・・

本作『郊遊』を撮影する前からこういう気持だったらしいです。
だのに、なぜまた監督する気になったか。
監督をその気にさせたのは本作でも主役をつとめる20年来の同志・李康生の存在でした。
2011年に李康生と舞台をやったとき、彼のパフォーマンスに感激し、
もう一度だけ彼を主役に映画を撮りたいと思ったのだそうですよ。

さあ、監督の最後の劇映画。いったいどんなお話でしょうか。


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ストーリー
父と幼い息子と娘。水道も電気もない廃墟のような空き家にマットレスを敷き、3人で寝る。
顔を洗い、身体を拭くのは公衆トイレ。
父は不動産広告の看板を持ち、路上に立つ人間立て看板。
毎日の食事はコンビニ弁当。
時に子どもたちは試食を目当てにスーパーマーケットの食品売り場にでかける。
それでも子どもたちは楽しげである。
父はある日、自分が立て看板を掲げている高級マンションに入り込み、
広々とした清潔なベッドに身を横たえる。
土砂降りの雨の夜、親子が過ごす空き家にも不穏な雰囲気がたちこめる。
そして、父はある決意を下す……

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主演の李康生(リー・カンシャン)は蔡監督の第1作『青春神話』から20年来出演し続ける
蔡監督の顔ともいえる俳優です。
本作で、デビュー21年目にして中華圏で最も歴史のある映画賞・金馬奨の最優秀主演男優賞を受賞しました。
蔡監督の映画のミューズたち陳湘琪(チェン・シャンチー)、陸弈靜(ルー・インチン)、
楊貴媚(ヤン・クイメイ)も出演しています。
彼女達は母なのか、恋人なのか、それとも3人でひとつの役を演じているのか。
よくわかりません。
観客の解釈に意を介さない監督にとってはどうでもいいことなのでしょうが。

いずれにせよ、
20年来の同志、そして、ミューズたちの出演は
本作への蔡監督の力の入れようを感じさせるものではあります。

気難しい監督の芸術的な閃き。
そして、20年来の映画の上での同志が見せる深い憂いを湛えた演技。
映画界の異才が最後に放つ長編劇映画『郊遊』。
好悪の分かれるところではありましょうが、
ラストシーンの長回しは脳内スクリーンに強烈にプリントされることだけは確かです。





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郊遊
監督/ツァイ・ミンリャン、脚本/ドン・チェンユー、ツァイ・ミンリャン、ポン・フェイ、製作/ヴィンセント・ワン、共同製作/ジャック・ビドゥ、マリアンヌ・デュモラン、撮影/リャオ・ペンロン、ソン・ウェンチョン
出演
リー・カンション/シャオカン、ヤン・クイメイ/髪を梳く女、ルー・インチン/子どもを連れ去る女、チェン・シャンチー/涙を流す女、リー・イーチェン/兄、リー・イージェ/妹
9月6日(土)[シアター]イメージフォーラムにて公開
2013年、台湾・フランス、138分、中国語、後援:台北駐日経済文化代表処、配給:ムヴィオラ
http://www.moviola.jp/jiaoyou/

by Mtonosama | 2014-09-06 05:49 | 映画 | Comments(6)
郊遊 -1-
ピクニック

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(C)2013 Homegreen Films & JBA Production

台湾の映画です。
以前、中国の陽朔という街を訪れた時、若い日本人旅行者と話したことがあります。
彼はカフェに腰を据え、ただ道行く人々を眺めて時間を過ごし、
時々話しかけてくる日本人旅行者に一杯のビールをおごってもらっているのです。

「こうやって眺めていると日本人と台湾人だけはすぐわかりますよ。
いかにも不用心なんですよね」
と彼はいいました。
はい、はい、とのは不用心ですよ。
でも、台湾人もそうですか。おっとりしているんでしょうか。

確かにそのようです。
とのも数年前、台湾旅行をしましたが、
http://mtonosama.exblog.jp/13824916/ ~ http://mtonosama.exblog.jp/13892154/
その穏やかで恥じらいがちな人々に嬉しくなり、また訪れたくなりました。

そんなわけで台湾映画は好きです。
なかなか旅行に行けない以上、映画は手っ取り早い仮想旅行ですからね。

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『郊遊』。邦題にはピクニックとあります。
郊外に遊ぶ ―― それなら確かにピクニックですわねぇ。

本作をもって、最後の作品とした蔡明亮(ツァイ・ミンリャン)監督。
このことは昨年9月のヴェネチア国際映画祭で突然発表されました。
1992年の長編第1作『青春神話』に始まり『愛情万歳』『河』『落日』『西瓜』など
数々の作品を発表してきた蔡監督。
この10作目が最後の作品となってしまいました。
やがて閉館されようとしている映画館のステージから客席を延々とワン・カットで
撮り続けた『落日』にはド肝を抜かれましたが。
本作も『落日』以上の超長回しをご期待いただけますよ。


蔡明亮監督
1957年マレーシア生まれ。77年に台湾に移る。大学在学中から、その才能で注目される。卒業後は映画の脚本に始まり、テレビドラマの監督や脚本でキャリアを積み、数々の秀作を発表。91年、テレビ映画『小孩』で、後に彼の映画の顔となり、本作でも主演しているリー・カンションを見出した。92年には彼を主役に長編劇映画第1作『青春神話』を監督、東京国際映画祭ヤングシネマ部門ブロンズ賞を受賞。続く第2作『愛情万歳』はヴェネチア国際映画祭の金獅子賞を獲得。世界の巨匠の一人となる。第3作『河』は世界の映画史に残る傑作となる。その後、取り壊される映画館への愛情をこめた『落日』、AV撮影の現場を舞台に男と女の孤独を描き、過去10年間の台湾映画興収ベスト1を記録した『西瓜』などで〈絶対的な人間の孤独〉を追求してきた。
2009年にはルーブル美術館の招待によって製作した『ヴィザ―ジュ』をきっかけにアートの分野へも踏み出している。

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人間が抱え込む深い孤独をそのアーティスティックな映像で世に問うてきた監督の突然の引退。
いったい何があったのでしょう。
そして、『郊遊』ピクニックとはどんな作品なんでしょう。
続きは次回までお待ちくださいませ。



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郊遊
監督/ツァイ・ミンリャン、脚本/ドン・チェンユー、ツァイ・ミンリャン、ポン・フェイ、製作/ヴィンセント・ワン、共同製作/ジャック・ビドゥ、マリアンヌ・デュモラン、撮影/リャオ・ペンロン、ソン・ウェンチョン
出演
リー・カンション/シャオカン、ヤン・クイメイ/髪を梳く女、ルー・インチン/子どもを連れ去る女、チェン・シャンチー/涙を流す女、リー・イーチェン/兄、リー・イージェ/妹
9月6日(土)[シアター]イメージフォーラムにて公開
2013年、台湾・フランス、138分、中国語、後援:台北駐日経済文化代表処、配給:ムヴィオラ
http://www.moviola.jp/jiaoyou/

by Mtonosama | 2014-09-03 06:46 | 映画 | Comments(10)