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殿様の試写室

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殿が観た最新映画をいち早くお知らせ!

<   2015年 04月 ( 10 )   > この月の画像一覧


駈込み女と駆出し男
-1-

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(C)2015「駆込み女と駆出し男」製作委員会


2月に完成報告会見の模様をお知らせした『駈込み女と駆出し男』。
http://mtonosama.exblog.jp/23721680/
ようやく当試写室で上映の運びとあいなりました。

ま、言ってみれば2月の会見は番宣でございますから、
俳優さんたちは良いことしか言いません。
あら、そんなことをいうと身も蓋もありませんわ。

時は江戸時代末期。
老中水野忠邦による天保の改革の真っただ中。
綱紀粛正、奢侈禁止、華美な祭礼、贅沢がことごとく禁止とあっては
庶民にとっても息のつまる時代だったことでありましょう。

そして、鎌倉には離縁を求める女たちが駆け込んでくる・・・
これ、決死の100メートル走です。
とにかく身体につけている物の一部を東慶寺門内に投げ込むまで女たちは全力疾走であります。

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東慶寺
幕府公認の縁切り寺であります。

全力疾走で、着物の裾を乱して寺に駈込んだ女たち。
それで万事解決かというと違うんですね。
東慶寺の門前で「あたしゃ、あの亭主と縁を切るために走ってきたのさ」などと
意志表示をした後、御用宿なるところで聞き取り調査が行われるのでございます。

本作はその御用宿・柏屋が主要な舞台。
そして、駆出しの医者でありながら戯作者にも憧れる口八丁手八丁の信次郎が
この御用宿の居候となったことからお話は展開します。

前回の完成報告会見のときにもお知らせしましたが、
本作は井上ひさしが11年をかけて書いた時代小説「東慶寺花だより」が原作。
平成26年歌舞伎座の新春大歌舞伎で上演されたこの小説を
原田眞人監督が映画化しました。

そうそう。信次郎を演じるのはNHK朝の連続ドラマでダメおやじを演じている大泉洋です。
大泉さん、せりふ回しの早さと、小利口そうな信次郎役を好演していました。

一方、夫のDVから逃げてきた女鉄精練職人・鉄練りのじょご
(井上ひさしもDVという話をきいたことがありますが)
このじょごを演じたのは戸田恵梨香。

豪商・堀切屋の愛人・お吟。
彼女はなぜか問題もなさそうな堀切屋のだんなのもとから用意万端整えて逃げ出します。
お吟を演じるは満島ひかり。
眉毛も剃り落とし、お歯黒も施した妖艶なおかみさんでした。

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ここで、横道に逸れますが、
昔、時代劇といえば武士の妻も長屋のおかみさんも皆
お歯黒をしていたような記憶があります。

お歯黒
「お歯黒」は明治初期まで長い歴史を経て続いていた女性の習慣であった。「お歯黒文化」はむし歯予防の見地からも有効であったといわれている。文字通り、歯を黒く染める風習である。別名「鉄漿(かね)」「かね」「はぐろめ」「歯黒」「涅歯(でっし、ねっし)」とも呼ばれ化粧品の一種で、時代の風俗によって歯を黒く染める鉄の溶液や、またそれを使用して歯を染めること、あるいは、染めた歯を示す様。

お歯黒をつけることにはいろいろな意義があったが、江戸時代は既婚婦人のしるしで、まず白い歯を染めて、「二夫にまみえず」という誓いの意味あいがあった。日本固有の木床義歯にはお歯黒が施されたものもある。大正時代にはお歯黒を施した陶歯も作られていた。
https://www.jda.or.jp/park/knowledge/index04.html

明治3年2月5日(1870年3月5日)、政府から皇族・貴族に対してお歯黒禁止令が出され、それに伴い民間でも徐々に廃れ(明治以降農村では一時的に普及したが)、大正時代にはほぼ完全に消えた。現代においては演劇、花街、一部の祭り、1960年代頃までの時代劇映画(大映等)のDVD等で見ることができるだけである。尚、お歯黒は引眉とセットになる場合が多い。
(WIKIPEDIAより)

お吟さんだけでなく、本当ならじょごもおかみさんたちも引眉、お歯黒なんでしょうけど。

でも、あまりこだわると
1960年代の時代劇をリアルタイムで観ていたことがばれてしまいますから、
この辺で。
だけど、今の若い方たちは引眉、お歯黒なんて知らないでしょうね。
そんな方はお吟さんの顔を見て正直に、思いっきり、ウワッ!と驚いてくださいね。

さあ、いったいどんなお話なんでしょうね。
続きは次回までお待ちくださいませ。




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駈込み女と駆出し男
監督・脚本/原田眞人、原案/井上ひさし「東慶寺花だより」(文春文庫刊)、製作総指揮/大角正、撮影/柴主高秀(JSC)、製作/松竹、バンダイビジュアル、ポニーキャニオン、アスミック・エース、こまつ座、松竹ブロードキャスティング、博報堂、ワコー、朝日新聞社、ぴあ、制作プロダクション/松竹撮影所、配給/松竹
出演
大泉洋/中村信次郎、戸田恵梨香/鉄練りじょご、満島ひかり/お吟、内山理名/戸賀咲ゆう、陽月華/法秀尼、神野三鈴/おゆき、宮本裕子/玉虫、松本若菜/お種、円地晶子/おみつ、玄里/おせん、武田真二/重蔵、北村有起哉/鳥居耀蔵、中村育二/水野忠邦、山崎一/石井与八、麿赤児/清拙、きむら緑子/お勝、木場勝己/利平、高畑淳子/女貸本屋、橋本じゅん/近海屋三八、井之上隆志/鼻山人、山路和弘/渓斎英泉、でんでん/為永春水、中村嘉葎雄/風の金兵衛、樹木希林/三代目柏屋源兵衛、堤真一/堀切屋三郎衛門、山崎努/曲亭馬琴
5月16日(土)全国ロードショー
2014年、143分、http://kakekomi-movie.jp/

by Mtonosama | 2015-04-28 05:54 | 映画 | Comments(2)

三毛猫ひかちゃん -28-



あたし、ひかちゃん。

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あのね、この間ね。
あたしんちに沙悟浄さんが来たの。中国から来たのよ。
あたしんちの近くにウルトラセヴンのモロボシダン(森次晃嗣さん)が
経営するお店があるんだって。

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沙悟浄さんはこのお店に行きたくてわざわざやってきたの。

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これがそのお店よ。ジョリー・シャポーっていうの。
カレーとハヤシライスがおいしいのよ。
運が良ければモロボシダンと2ショットで写真も撮れるんですって。

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沙悟浄さん、やったわね!

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でも、あたしはウルトラマン世代じゃないからお留守番。

あ、あたしの後ろでゴミ箱に手をつっこんで笑っている顔のでかい赤ちゃん?
見えちゃったかしら。
あれね、あたしの飼い主よ。

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バカと煙は高いところが好きなんていうけど
猫も高いところは大好きなの。

漱石全集は赤くてハデだから一番高いところに置いてあるのよ。
猫ならなんたって漱石先生よね。


やっと暖かくなったわ。
皆さんの方はいかが?

ひかり


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by Mtonosama | 2015-04-25 06:27 | 映画 | Comments(12)

マミー
-2-
Mommy

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Photo credit : Shayne Laverdiere
(C)2014 une filiale de Metafilms inc.



『トム・アット・ザ・ファーム』でグザヴィエの美しさに呆然とした皆さまにとっては
残念なことかもしれませんが、今回、彼は監督のみ。

しかし、それはそれで
「映画には未来がある」ことを確実に教えてくれる一作になっていると思います。

若くして天才といわれる人の作品は
周囲からの過度な期待と本人の大き過ぎる自信から
「はだかの王様」的な展開に陥ることになりがちです。
その結果、「もう30年遅く現れていればよかったね」などということを言われたりします。

先のことは誰にもわからないけれど、
『Mommy/マミー』で見せてくれたグザヴィエの老成には息をのみました。

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ストーリー

カナダ(という仮想の国)。
2015年の連邦議会で新政権が成立。
2ヶ月後、内閣は公共医療制度の改正を目的としたS18法案を可決。
その中でも議論を呼んだのがS-14法案だった。
それは、発達障がい児の親が身体的、精神的危機に陥ったり、経済的に困窮した場合、
法的手続きを経ずに養育を放棄し、施設に入院させる権利を有した法律である。

母ダイアン・デュプレの運命はこの法律により大きく左右されることになった。

ダイアンは掃除婦をして生計を立てるシングルマザー。
夫は3年前に亡くなった。
気が強く、おしゃべりで、ティーンエイジャーのようなファッションに身を包み、
15歳の息子スティーヴと2人で暮らしている。
スティーヴはADHD(多動性障害)。
情緒不安定で他人を罵ったり、喧嘩をふっかけたりする。
また女性とみれば親密にタッチする幼児性が抜けきらないまま、
青年期を迎えようとしている。他人との距離をうまく測ることができないのだ。
しかし、平静な時は知的で素直で純朴な少年である。

スティーヴは矯正施設から退所してきたばかり。
自宅で彼の面倒を見るにあたり、喜びもあるが不安もある。
彼はコントロールが効かなくなると相当厄介だから。

そんな母子の前に、奇跡的ともいえる出会いが訪れた。
お向かいに住むカイラという女性と母子ともに親しくなったのだ。
カイラは神経衰弱気味の休職中の高校教師。
家に引きこもり、夫とも娘ともきちんとした関係が結べていない。
精神的なストレスから吃音もある。

彼女は次第にスティーヴとも意気投合し、彼の家庭教師をすることに。
純粋な心を持ったスティーヴに勉強を教え、ダイアン母子と友情を育み、
カイラ自身も快方に向かっていくよう見えた。

だが……

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光が降り注ぎ、青空はまぶしい。
スティーヴの金髪も、その容姿も明るく美しい好青年。
ダイアンも若干ヤンキーっぽいとはいえ、陽気で息子を愛する母親。
カイラだって最初こそ吃音で暗い印象だけど、
母子とつき合う中でとても楽しい素顔を見せてくれます。

なのに、なぜなの?
観終わった後も、え?え?え?と疑問符が連なります。

あの~、この人はこんなに明るいから、何を言っても応えないだろうと思って
大失敗したことってありません?
いえ、そんな印象の作品なんです。
人間って奥深いんです・・・

すいません。単純で。

観終わった後の複雑な感動とこの監督の底知れなさを改めて知りました。
恐るべし。グザヴィエ・ドラン。





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マミー
監督/グザヴィエ・ドラン
出演
アンヌ・ドルヴァル/ダイアン、スザンヌ・クレマン/カイラ、アントワン=オリヴィエ・ピロン/スティーヴ
4月25日(土)新宿武蔵野館、ヒューマントラストシネマ有楽町、YEBISU GARDEN CINEMAほか全国順次公開
2014年、138分、カナダ、フランス語、配給/ピクチャーズデプト、提供/鈍牛倶楽部、巖本金属、後援/カナダ大使館、特別協力/ケベック州政府在日事務所 
http://mommy-xdolan.jp/

by Mtonosama | 2015-04-22 05:21 | 映画 | Comments(8)

マミー
-1-
Mommy

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Photo credit : Shayne Laverdiere
(C)2014 une filiale de Metafilms inc.



グザヴィエ・ドラン。
この人ただものじゃありません。
昨年11月に当試写室でご紹介した『トム・アット・ザ・ファーム』
http://mtonosama.exblog.jp/23216811/ http://mtonosama.exblog.jp/23232949/
で主演・監督を果たした弱冠26歳の超ハンサムな人物です。
今回またまた登場しました。

前回はゲイあり、閉鎖的な田舎社会の不気味さあり、ミステリーあり。
人間の心の奥底に潜む薄暗がりや
若さと表裏一体になった抑えがたい欲情や
北緯の高い国土にはつきもののうら寂しい荒寥感。
これらが一体となったうすら寒い空気感に包まれた作品でした。
「う~ん」と唸らされました。
しかし、どこかに26歳のハンサムな青年が作ったんだもんね――
みたいなバイアスがかかっていました。

ごめんなさい。
若くてきれいな男子が好きなんです。

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ところがです。
なんということでしょう。
本作ではそういった150歳の下心も何もかもすっとんで
「いったいどんな巨匠の作品なの?」と感じ入ってしまいました。

テーマは母と子。
ま、永久不滅のテーマではあります。
『トム・アット・ザ・ファーム』に較べても、
しっかりとテーマが絞り込まれていてわかりやすいです。
シンプルに、そして、ダイレクトに感動が伝わってきます。

とはいえ、随所にこの若い天才のこだわりが散りばめられてもいます。
例えば、映像画面の比率が1:1であること。
要するに正方形の画面ですね。
なんか新奇。
でも、映画中半で普通の長方形の画面が出てきたとき、
「あ、これは現実部分じゃないんだな」と構えるので、
映画理解の助けになりました。

正方形の画面に人物が映っていると、
その人物がきっちり描かれているように感じられるという効果もあります。
そう。レコード・ジャケットやCDジャケットと同じ。
そして、その人のポートレートを観ているような気持になれます。

グザヴィエも言っています。
「1:1という比率からは一種独特なエモーションが生まれる。誠実に感じるんだ。
正方形のフレーム内に顔をおさめると、とてもシンプルに映る。
キャラクターが主役になり、観客の視線は否応なしにそこに集まる」

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グザヴィエ・ドラン。
1989年3月20日生まれ。26歳になったばかりですね。
日本風に言えば平成元年生まれです。テニスの錦織圭と同い年です。

17歳で自ら書いた脚本を19歳の時監督として完成させた作品
『マイ・マザー』(‘09 I Killed My Mother)が
いきなり第62回カンヌ国際映画祭・監督週間部門に選ばれ、鮮烈なデビューを飾りました。
20歳で「若者の視点賞」を始め、C.I.C.A.E.Award、SACD Prizeを受賞。

翌年、21歳で脚本・監督・主演『胸騒ぎの恋人』(‘10 Heartbeats)が
第63回カンヌ国際映画祭「ある視点部門」に正式招待され、再び「若者の視点賞」を受賞。
映画祭ディレクターから「非常にエキサイティングな新世代の一人」と称され、
カンヌの常連監督へとスターダムを駆け上りました。

続く『私はロランス』(‘12 Laurence Anyways)では
第65回カンヌ国際映画祭「ある視点」部門への招待にとどまったものの、
主演女優のスザンヌ・クレマンが「ある視点」部門で最優秀女優賞を受賞。

そして第4作目『トム・アット・ザ・ファーム』(‘13 Tom at the Farm)。
第5作目が本作『Mommy/マミー』。
本作でとうとう第67回カンヌ国際映画祭のメインコンペティション部門に出品され、
初コンペで「審査員特別賞」を受賞。
なんとジャン=リュック・ゴダール監督の『さらば、愛の言葉よ』とのW受賞という
映画史上における大きな転換点を記しました。

前回『トム・アット・ザ・ファーム』を当試写室で上映した時は
まだまだ彼を過小評価していました。ごめんなさい。

さあ、一体どんなお話でしょうか。
続きは次回まで乞うご期待くださいませ。



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マミー
監督/グザヴィエ・ドラン
出演
アンヌ・ドルヴァル/ダイアン、スザンヌ・クレマン/カイラ、アントワン=オリヴィエ・ピロン/スティーヴ
4月25日(土)新宿武蔵野館、ヒューマントラストシネマ有楽町、YEBISU GARDEN CINEMAほか全国順次公開
2014年、138分、カナダ、フランス語、配給/ピクチャーズデプト、提供/鈍牛倶楽部、巖本金属、後援/カナダ大使館、特別協力/ケベック州政府在日事務所 
http://mommy-xdolan.jp/

by Mtonosama | 2015-04-19 05:45 | 映画 | Comments(2)

アルプス 天空の交響曲(シンフォニー)
-2-
A SYMPHONY OF SUMMITS THE ALPS FROM ABOVE

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(C)VIDICOM 2013


本作を監督したのはハンブルグ出身1960年生まれのペーター・バーデーレと
1979年ロストック生まれのセバスチャン・リンデマン。
35歳のリンデマンがこの映画のコンセプトを立て、
55歳のバーデーレが製作を担当し、監督としてヘリコプターに乗り込みました。

カメラはヨーロッパアルプスの最高峰モンブランからイタリアとオーストリア国境付近
に拡がる山岳地帯、世界遺産ドロミーティまで、
天空の高みから鮮明な映像を映し出してくれます。

山々だけではなくダム湖に沈んだ村や
ルートヴィッヒ2世の城も空から眺め、
後退する氷河もこの眼で確認します。

時には鷲の目を持ち、鷲の速度でアルプスの上空を滑空。
この映像は鷲匠が所有するゴールデンイーグルに装着したカメラによって
実際に撮影されています。
まさに鳥の目で撮影されているわけですね。

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また、氷河上に溶融を遅らせるために置かれたマットの巨大さを見て、温暖化を実感。
太古の昔に起こった地球の大変動の痕跡を確かめることも。

あるいは山頂に建てられた十字架に山々の崇高さを見て、敬虔な思いになったり。

実際には経験できないことを見せてくれるものが映画なのでありますが、
この作品ほど自分の身体では絶対になしえないことを経験させてくれるものはありません。

ただひたすら鳥になって天高く舞う気分なのであります。
そして、この景観はいつまで楽しめるのでありましょう。

ああ、それにしても人間とは小さなものです。
その人間がアルプスにさえ毒牙をたてている様も垣間見えると思います。

眼前に拡がる想像もできない視野を享楽する94分間の飛行。
観客を導くナレーターは小林聡美です。

GWだからと込み合った地上世界で行列しなくても、
鳥の目でアルプス遊覧を楽しむというのも一興でありましょう。





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アルプス 天空の交響曲(シンフォニー)
監督/ペーター・バーデーレ&セバスチャン・リンデマン、カメラ/クラウス・シュトゥール、編集/ローランド・ポッセール、航空撮影プロデューサー/アンドレア・モコシュ、撮影パイロット/グイド・バウマン、ヴァルター・リュッシャー、地上ドライバー/モーリッツ・ミュラー・プライサー、製作総指揮/ペーター・バーデーレ
ナレーション/小林聡美
4月18日(土)シネスイッチ銀座ほか全国順次ロードショー
2013年、ドイツ、93分、後援/ドイツ観光局、スイス政府観光局、オーストリア政府観光局、提供/ニューセレクト、配給/アルバトロス・フィルム、
http://alps-tenkuu.com/

by Mtonosama | 2015-04-16 06:52 | 映画 | Comments(11)

アルプス 天空の交響曲(シンフォニー)
-1-
A SYMPHONY OF SUMMITS THE ALPS FROM ABOVE

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(C)VIDICOM 2013


とのはその昔、山ガールでありました。
大昔のことでありますが。

アルプスにも憧れておりました。
壁にかかったカレンダーの美しい景色を観て、これがアルプスか、
と知ったからであります。
はい、単純な理由であります。

それから幾星霜。
いたいけない幼女も大人になり、酸いも甘いもかぎわける年頃になりました。
そして、いまや150歳。
それでもアルプスと聞くと心が躍ります。

その昔スイス・グリンデルバルトへ行った時は
♪The Hills are alive with the sound of music♪
(『サウンド・オブ・ミュージック』The Hills are alive)
と恥ずかしげもなく歌ってしまいましたし、

ボーデン湖の向こうにアルプスの頂が見えたときは胸がときめきました。

飛行機の窓から雲の上につきだしているアルプスの峰々の先端を見たときも
これは幻ではなかろうかと思いました。

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アイガーやマッターホルンに登るなどという大それた望みはありません。
スイスやドイツでほんのちょっと見られただけで、いつお迎えが来ても良い心境でありますのに、
このような映画を観られるとはなんと幸せなことでありましょう。

それが本作『アルプス 天空の交響曲(シンフォニー)』です。

ドイツ、オーストリア、フランス、イタリア、スロベニア、リヒテンシュタイン、スイス
の7ヶ国にまたがるアルプス山脈を空中から撮影したドキュメンタリー映画。

アルプスは東西約1000km、南北約150km。
最高峰のモンブラン(4810m)をはじめ、マッターホルンなど4000m級の高山が連なります。
漸新世(3400万年前から2300万年前)から中新世(2300万年前から530万年前)に
アフリカ大陸とユーラシア大陸が衝突したことで地上に生まれたアルプス。
その証拠は本作の中でも見ることができます。

この雄大な山脈を、鳥の目で、いえ、神の目で俯瞰する映画であります。

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これを撮影したのは神の目ならぬ特殊カメラ。
アメリカ諜報局が開発したシネフレックスカメラです。
揺れに強く、ブレの無いズーム撮影を得意としています。
このカメラ、本来は軍事偵察目的で開発されたヘリコプター用カメラで
時速320kmまで撮影が可能です。
高性能ジャイロで揺れを防ぎ、HD潤滑高解像度ズームによって
高さ数千mから地面までをブレることなくズーム撮影できるというすごい代物。
といっても門外漢にはよくわかりませんが・・・

ペーター・バーデーレ監督はこのシネフレックスカメラを
前作『Die Nordsee von oben』 (’13)で試す機会を得て、
ドイツ本国で21万5千人の動員を記録していることが本作の撮影にもつながりました。

さあ、一体どんなアルプスを楽しむことができるのでしょうか。
めったなことではお目にかかれない映像をご自分の目で確認なさってください。



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アルプス 天空の交響曲(シンフォニー)
監督/ペーター・バーデーレ&セバスチャン・リンデマン、カメラ/クラウス・シュトゥール、編集/ローランド・ポッセール、航空撮影プロデューサー/アンドレア・モコシュ、撮影パイロット/グイド・バウマン、ヴァルター・リュッシャー、地上ドライバー/モーリッツ・ミュラー・プライサー、製作総指揮/ペーター・バーデーレ
ナレーション/小林聡美
4月18日(土)シネスイッチ銀座ほか全国順次ロードショー
2013年、ドイツ、93分、後援/ドイツ観光局、スイス政府観光局、オーストリア政府観光局、提供/ニューセレクト、配給/アルバトロス・フィルム、
http://alps-tenkuu.com/

by Mtonosama | 2015-04-13 05:57 | 映画 | Comments(2)

ザ・トライブ
-2-
The tribe

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(C) GARMATA FILM PRODUCTION LLC, 2014 (C) UKRAINIAN STATE FILM AGENCY, 2014


聾唖者を描いた映画だからせりふがない。
当たり前かもしれませんが、
この素直さこそがこの映画を映画たらしめた画期的な点かもしれません。

一人の主人公が聾唖であるだけでなく、彼をとりまく周囲の人間がすべて聾唖――
そんな発想で映画を撮ることができるほど映画は自由な表現方法なのでした。
実験といっていいかもしれません。

普通、実験っていうとあまり面白くないもののような気がします。
でも、面白かったです。
目を奪われました。
ま、せりふがない分、目が頼りですから、目を奪われるのは当然ですが。

電車の中で時折見掛ける手話。
車内ゆえ、そのアクションは多少控えめではありましょう。
しかし、手話がわからなくても、控えめな動作でも、話に興じているのはわかります。

だから、映画の中で主人公たちが見せる感情を露わにしたボディアクションは
せりふ以上に多くのことを語るわけです。

さあ一体どんなお話でしょうか。

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ストーリー
セルゲイは聾唖者のための寄宿学校に入学する。
そこでは小さな子から大きな子まで含めた公式祝賀会が開かれていた。
どう見ても学校にしか見えないが、
その裏では犯罪や売春を行う悪の組織=族(トライブ)が形成されている。
入学するとすぐセルゲイも彼らによる手荒い仕打ちを受けるのだった。
リーダーを中心とする学生たちがみつめる中、
セルゲイは数人を相手に殴り合いを強要されるが、なかなか屈強な戦いぶりを見せる。
そして、彼もトライブに組み入れられていく。

トライブの主要な財源は売春だ。
セルゲイも先輩につき添い、
毎夜リーダーの愛人であるアナと同室の女生徒の二人を車に乗せ、
長距離トラックが駐車している場所に送り届ける。
凍りつくような寒さの中、何十台ものトラックの間を歩き、フロントガラスを叩き、
運転手たちにアナたちを見せ、交渉開始。
交渉が成立すれば彼女達は運転席に乗り込み、仕事をする。

ある夜、先輩が後方のトラックの発車に気づかず轢き殺されてしまった。
その後任に収まるセルゲイ。
要領よく仕事をこなし、夜ごとアナたちを仕事場へ送り届け、連れ帰るセルゲイだったが、
その内、アナを愛するようになる。
彼は悪事で稼いだ金を組織に上納せず、アナに貢ぎ、関係を持つようになる。

一方、アナは同室の女生徒とウクライナから逃げ出し、イタリアへ行くことを夢見ていた。
リーダーは出入国管理局でふたりのパスポートを入手した。

だが、アナへの想いを抑えきれないセルゲイは売春の元締めである教師の部屋を襲う。
金を奪い、それをアナに差し出し、
売春を止め、イタリア行きを取りやめるよう懇願するのだった。
アナは激しく拒絶する。

そして、リーダーたちからリンチを受け、傷だらけになったセルゲイは……

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その背景は、どこからか黴のにおいが漂ってきそうな古い校舎、
排気ガスが立ち込める長距離トラックの駐車場、
東欧の裏さびれた廃墟のような雰囲気に満ちた作品です。

とのはゲームはしませんが、
この雰囲気、この暴力、廃墟にうごめく若い無言の青年たちを観て
これはゲーム的世界観かもしれないと思ってしまいました。

1974年生まれのスラボシュピツキー監督。ゲーム世代です。

でありながら、作品中に漂うリアル感。

キエフで行われた本作の撮影は
ヤヌコビッチ政権に対する反政府デモの前に始まり、
ロシアによるクリミア支配の後に終わったということです。

その緊迫した空気感が映り込んでいたのかもしれません。

静かでやかましい映画であります。





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ザ・トライブ
脚本・監督/ミロスラヴ・スラボシュピツキー、撮影/ヴァレンチヌ・ヴァシャノヴィチ、サウンド・デザイン/セルギー・ステパンスキー
出演
グレゴリー・フェセンコ、ヤナ・ノヴィコヴァ、ロザ・バビー、オレクサンダー・アサドッチイ、オレクサンダー・シデリニコフ、サシャ・ルサコフ、デニス・グルバ、ダニア・ブコビイ、レニア・ピサネンコ、オレクサンダー・パニヴァン、キリル・コシク、マリナ・パニヴァン、タティアナ・ラドチェンコ、リュドミラ・ルデンコ
4月18日(土)よりユーロスペース、新宿シネマカリテ他にてロードショー
2014年。ウクライナ、カラー、132分、字幕無、手話のみ
提供/ミモザフィルムズ、彩プロ、配給/彩プロ、ミモザフィルムズ、後援/ウクライナ大使館
http://thetribe.jp/

by Mtonosama | 2015-04-10 06:24 | 映画 | Comments(6)

ザ・トライブ
-1-
The tribe

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(C) GARMATA FILM PRODUCTION LLC, 2014 (C) UKRAINIAN STATE FILM AGENCY, 2014


春眠暁を覚えず、と申しますが、最近時々猛烈な睡魔に襲われるとのでございます。
それも、本来眠っていてはならない試写の途中に眠ることがあるのです。
やばいです。まずいです。

本作がまた全員聾唖者の出演なので手話のみ。
せりふなし、したがって字幕無し、吹き替え無し、音楽無し。
しかも上映時間は132分です。

ああ、また眠ってしまうか――
わざわざ試写を観にきて寝るなんて、映画関係者に申し訳ないし、すごい自己嫌悪です。

ところが、
これがあなた、
一睡もせず、しかも座席から身を乗り出さんばかりにして鑑賞しました。

せりふも音楽も一切ありませんが、
車道を車が疾駆する音、頬を打つ音、肌の触れ合う音・・・
さまざまな物理的な音は聞こえるので
無声映画とも違う不思議な映画感覚。
例えていえば、街やお店の中で人々の様子を露骨にみつめるという感覚の映画です。
実際に町中で気になる人がいても露骨にジロジロ見るなんてことはできませんから、
今までに経験したことのない感覚といえます。

とのの祖父は活動弁士でしたが、
祖父ならこの手話をどのように弁ずるのか。
と、ふと考えましたが、きっと祖父も手話を有声化しなかっただろうと思います。

時々、電車の中などで手話で会話している方たちをみかけることがあります。
とても靜かなのですが、その素早い手の動きを見ると、
とても話に熱中しておられるのだろうな、と思います。
彼らの周囲には特別なオーラが形成されている感じ。
『ザ・トライブ』もそんな映画です。

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ザ・トライブ 
Tribe:辞書には
1.種族、部族 2.族、類 3.仲間、集団、連中 4.大家族 5.閥族、支族、氏族
おっと、
6.畜産用語で同じ雌を親に持つ雌系。主に牛についていう、
なんてのもありました。
この映画の場合は、3.仲間、集団、連中でしょうか。

本作は昨年のカンヌ国際映画祭で批評家グランプリ、フランス4ヴィジョナリーアワード、
ガン・ファンデーション・サポートの3賞を受賞。
その他、英国の権威ある映画雑誌「サイト&サウンド」誌のベスト10にも選ばれた問題作。
ウクライナの新人監督ミロスラヴ・スラボシュビツキーの長編デビュー作です。

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ミロスラヴ・スラボシュビツキー監督
サイレント映画へのオマージュを表現したかったというスラボシュビツキー監督。
1947年キエフ生まれの監督はサンクトペテルブルグのレンフィルム・スタジオに勤務。
短編映画『Diagnosis』(‘09)で10代の少年少女たちを主人公に描き、
次作『Deafness』で聾唖者の学校を舞台に言葉の無い映画に挑戦しています。

サイレント映画へのオマージュを抱きつつも、
彼の作りたかった映画はもの静かな映画とは違います。
無声映画とはいえ、役者たちは静かにふるまっていたわけではありません。
声が無いからこそ、
所作やボディランゲージを駆使して感情や心情を伝えようとしていました。

だからこそ、監督は声の出る俳優で本作を作ろうとは考えませんでした。
声の出る人は、話をする時に発音に必要な顔の筋肉しか使わないけれど、
聾唖者は体全体を使ってコミュニケーションを取ろうとします。
静かだけれど、強烈にやかましい映画。
それが監督のめざした映画だったのでしょう。

という訳で、本作に登場するのは全員聾唖者であります。
そのキャスティングには1年を要したということです。

今までに例を見ない映画故、前置きが長くなりました。
さあ、いったいどんなお話なのでしょう。
続きは次回まで乞うご期待でございます。



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ザ・トライブ
脚本・監督/ミロスラヴ・スラボシュピツキー、撮影/ヴァレンチヌ・ヴァシャノヴィチ、サウンド・デザイン/セルギー・ステパンスキー
出演
グレゴリー・フェセンコ、ヤナ・ノヴィコヴァ、ロザ・バビー、オレクサンダー・アサドッチイ、オレクサンダー・シデリニコフ、サシャ・ルサコフ、デニス・グルバ、ダニア・ブコビイ、レニア・ピサネンコ、オレクサンダー・パニヴァン、キリル・コシク、マリナ・パニヴァン、タティアナ・ラドチェンコ、リュドミラ・ルデンコ
4月18日(土)よりユーロスペース、新宿シネマカリテ他にてロードショー
2014年。ウクライナ、カラー、132分、字幕無、手話のみ
提供/ミモザフィルムズ、彩プロ、配給/彩プロ、ミモザフィルムズ、後援/ウクライナ大使館
http://thetribe.jp/

by Mtonosama | 2015-04-07 05:35 | 映画 | Comments(6)

グッド・ライ ~いちばん優しい嘘~
-2-
THE GOOD LIE

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(C)2014 Black Label Media, LLC. All Rights Reserved.


さて、前回は『ぼくたちのムッシュ・ラザール』に心が泳いでいってしまい、
皆さまにはご迷惑をおかけしました。
戻ってまいりました。

いや、異文化の出会いや移民について描いたら、
その優しいまなざしでファラルドー監督の右に出る人はいないでしょう。

さあ、どんなお話かというと――

ストーリー
1983年、スーダン南部で内戦が始まった。
北軍による突然の襲撃で両親を殺されたマメールは
兄テオ、姉アビタル、生き残った子どもたちと共にケニアを目指す難民の列に連なる。
そこには兵士になるのが嫌で北部から逃げ出してきたジェレマイアとポールの兄弟も。
苦しい移動の途中では敵兵と出会い、狙撃され死んでいく子どもたちがいる。
あるいは、飢えと喝きからも多くの子どもが命を落とした。
ある朝マメールは敵兵にみつかってしまう。
だが、兄テオが弟を救うために身代わりとなって連行された。
テオに代わってリーダーとなったマメールは仲間を率いてカクマ難民キャンプに辿りつく。

それから13年。
キャンプで成長したマメール、アビタル、ジェレマイア、ポール。
彼らのもとにアメリカ移住という話が舞い込んだ。
胸躍らせて飛行機に乗り込み、JFK空港に降り立った彼らを待っていたのは
女性は一般家庭が受け入れるという移民局の規則。
姉アビタルとは空港で引き離されてしまった。

職業紹介所で働くキャリーはマメール、ジェレマイア、ポールを迎えるため
カンサスシティの空港へ向かう。
彼女の仕事は彼らに仕事を紹介すること。
今回もいつものようにてっとり早く片付けよう、というつもりだった。

翌朝、キャリーは3人を連れて面接に行くが、断られてしまう。
困った彼女はボスのジャックから彼らに
アメリカ式の笑顔や自己アピールの仕方などを指導してもらう。
それが効を奏してポールは組み立て工場に、マメールとジェレマイアはスーパーに就職。

マイクとジェリーという名札を与えられた2人は
スーパーには犬用の食べ物までもが売られていることに驚き、
賞味期限切れの食品がゴミ箱に捨てられていることに仰天する

なんとか新生活に慣れ始めたかに見えた3人だったが、
ポールは同僚に勧められて麻薬に手を出し、
ジェレマイアは貧しい人に廃棄食品を渡しているところを上司にみつかり、
医師になるため必死に勉強しているマメールは夢のかないそうにない現実に悩んでいた。

そんな中、いつしか3人に共鳴するようになっていたキャリーのところに悪い知らせが。
ポールが警察に連行されてしまったのだ……

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キャリーと3人のとんちんかんな会話に笑わされます。
ま、そういうところはこの手の映画ではよくあるパターン。

共感できるのは彼らスーダンの若者たちがとても誇り高く生きていることです。
「難民キャンプから自由の国アメリカへ連れ出してやったんだぜ。感謝しろよな」
みたいな感じの映画だったらイヤだなって思っていたら見事に外れました。
それも良い方向に。

前回、マズローの5段階欲求説などと唐突に言い出したのには理由があります。

マメール、アビタル、ジェレマイア、ジャックが危険な村を離れ、
難民の列に加わり、キャンプで暮らす様子は
生理的な欲求であり、
安全・安心な暮らしがしたいという安全欲求であり、
集団に属したり、仲間が欲しくなったりする社会的欲求です。

そして、アメリカに渡り、
他者から認められたい、尊敬されたいという尊厳欲求を持ち、
そして、優しい嘘をつき、あることを行う感動のラストは
まさに、自分の能力を引き出し創造的活動がしたいという自己実現の欲求でした――

思わぬところで心理学の勉強にもなってしまう映画です。
つらい事件が続く今日この頃ですが、こんな映画で心を温めていただければと思います。





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グッド・ライ ~いちばん優しい嘘~
監督/フィリップ・ファラルドー、脚本/マーガレット・ネイグル、製作/ロン・ハワード、ブライアン・グレイザー、カレン・ケーラ・シャーウッド、モリー・スミス、サッド・ラッキンビル、トレント・ラッキンビル
製作総指揮/アンドリュー・A・コソーヴ、ブロデリック・ジョンソン、キム・ロス、エレン・H・シュワルツ、ディーパック・ナヤール、ボビー&デボラ・ニューマイヤー、撮影/ロナルド・プラント
出演
リース・ウィザースプーン/キャリー、コリー・ストール/ジャック、アーノルド・オーチェン/マメール、ゲール・ドゥエイニー/ジェレマイア、エマニュエル・ジャル/ポール、クース・ウィール/アビタル、サラ・ベイカー/パメラ
4月17日(金)TOHOシネマズシャンテ他全国ロードショー
アメリカ、110分、字幕翻訳/稲田嵯裕里、後援/国際移住機関(IOM)国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)、配給/キノフィルムズ、http://www.goodlie.jp/

by Mtonosama | 2015-04-04 06:55 | 映画 | Comments(2)
グッド・ライ
~いちばん優しい嘘~
-1-
THE GOOD LIE

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(C)2014 Black Label Media, LLC. All Rights Reserved.


あるところで聞いた話ですが、アメリカのアブラハム・マズローという心理学者が
人間の欲求は5段階から成るピラミッドのようなものだといったそうです。

マズローの5段階欲求説
第1段階は「生理的欲求」。生きていくための基本的・本能的な欲求(食べたい、寝たい)。
人はこの欲求を充たすことができれば、次の階層「安全欲求」を求めます。
「安全欲求」は危機を回避したい、安全・安心な暮らしがしたい(雨風をしのぐ家・健康)という欲求。
「安全欲求」を充たすと「社会的欲求」(集団に属したり、仲間が欲しくなったり)を求めます。
この欲求が満たされない時、人は孤独感や社会的不安を感じやすくなります。
ここまでの欲求は、外的に充たされたいという思いから出てくる欲求です。
そして次に「尊厳欲求(承認欲求)」(他者から認められたい、尊敬されたい)という欲求が芽生えます。
ここからは外的なモノではなく、内的な心を充たしたいという欲求に変わり、
最後に「自己実現欲求」(自分の能力を引き出し創造的活動がしたいなど)の欲求が生まれます。http://www.motivation-up.com/motivation/maslow.html

なぜ、唐突にマズロー先生のお説を持ちだしたかといいますと、
本作『グッド・ライ』を観て、ああなるほど、と膝を打ち、感動したからであります。

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今から約30年前、1983年。アフリカのスーダンで内戦が始まりました。
数万人の子どもたちが両親も家庭も家も失いました。
彼らは1600kmもの道のりを子どもたちだけで歩き、ケニアの難民キャンプに到着します。

そして、そこで成長しました。

2000年。
アメリカとスーダンが協力し、
“ロストボーイズ”と名づけられた3600人の青年たちを
全米各地に移住させる計画をアメリカ最大の規模で展開しました。

砂漠と難民キャンプしか知らない青年たちが、
いきなり文化も風習も風土も違う国へ送り出されたのです。
送り出された彼らも、受け入れるアメリカ人もびっくりすることばかりだったことでしょう。

ロストボーイズ
ロストボーイズとはケニアやエチオピアの難民キャンプで働いていた人道機関の職員が、
第2次スーダン内戦(1983年~2005年)で家を追われ、
親を失った約2万人の子どもたちのことを呼んだ名前。
ボーイズといってはいるが、もちろんガールズもいる。
スーダン内戦は2005年にスーダン北部と南部で包括和平合意が締結されるまで20年以上続いた。
約200万人の一般市民が命を落とし、約400万人がスーダン国内で避難民となり、
約50万人が近隣諸国に難民として逃れた。

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本作はアメリカ映画です。
アメリカ映画でこういう作品だと、
「おれっち、こんな良い人なんだぜぇ」って感じで、
スーダンの若者たちのことも何も知らない田舎者みたいに必要以上におとしめて描かれがち。
なので、ちょっと警戒して観ました。

ところが、それは杞憂でありました。
ほっこりした気持になれるとても良い映画でした。

それもその筈、監督はフィリップ・ファラルドー。
あの『ぼくたちのムッシュ・ラザール』(‘10)
http://mtonosama.exblog.jp/17762227/  http://mtonosama.exblog.jp/17772823/
の監督さんです。
アルジェリア移民で悲惨な過去を持つラザール先生が
おなじくそれぞれの問題を抱えるカナダの小学生と向かい合う素晴らしい映画でした。
今、思い返してもあの静かな感動がよみがえってきます。

と、なぜか想いが『ぼくたちのムッシュ・ラザール』に向ってしまいましたので、
続きは次回に。
本当に乞うご期待でございますよ。



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☆4月1日に更新しました。祝入学、入社、進級!新しい年度が始まりました☆
グッド・ライ ~いちばん優しい嘘~
監督/フィリップ・ファラルドー、脚本/マーガレット・ネイグル、製作/ロン・ハワード、ブライアン・グレイザー、カレン・ケーラ・シャーウッド、モリー・スミス、サッド・ラッキンビル、トレント・ラッキンビル
製作総指揮/アンドリュー・A・コソーヴ、ブロデリック・ジョンソン、キム・ロス、エレン・H・シュワルツ、ディーパック・ナヤール、ボビー&デボラ・ニューマイヤー、撮影/ロナルド・プラント
出演
リース・ウィザースプーン/キャリー、コリー・ストール/ジャック、アーノルド・オーチェン/マメール、ゲール・ドゥエイニー/ジェレマイア、エマニュエル・ジャル/ポール、クース・ウィール/アビタル、サラ・ベイカー/パメラ
4月17日(金)TOHOシネマズシャンテ他全国ロードショー
アメリカ、110分、字幕翻訳/稲田嵯裕里、後援/国際移住機関(IOM)国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)、配給/キノフィルムズ、http://www.goodlie.jp/

by Mtonosama | 2015-04-01 05:42 | 映画 | Comments(6)