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殿様の試写室

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顔のないヒトラーたち -3-
Im Labyrinth des Schweigens


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(C)2014 Claussen+Wobke+Putz Filmproduktion GmbH / naked eye filmproduction GmbH & Co.KG


異例の3編ものとなってしまいました。
前回、トーマスにオフィスから資料を盗まれたヨハンですが・・・

ストーリー
トーマスは無断で記事を書いたお詫びにヨハンをホームパーティに誘った。
そこで交通違反の罰金を立て替えて上げたことのあるマレーネと再会。
その晩、酔いつぶれたシモンをトーマスと共に自宅まで送り届けた彼は
そこで、ものすごいものを発見する。
シモンがアウシュヴィッツから持ち帰った実名入りの親衛隊員の資料だ。

その一部を持ち帰ったヨハンはすぐさまバウアー検事総長に報告。
本格的に調査の指揮を命じられた。
膨大な文書の山を1つ1つ調べ、被害者と証言者の名前をリストアップ。
国際アウシュヴィッツ委員会事務局長ヘルマン・ラングバインの援助を受け、
ついに最初の証人を尋問する。
その証言によりヨハンはアウシュヴィッツで行われた犯罪が
いかに広範囲にわたっていたかを知ることになった。

米軍のドキュメントセンターには60万人分のSSのファイルがある。
その内アウシュヴィッツで働いていた8000人全員が容疑者だった。
ヨハンは住所から容疑者を特定するため、
ドイツ全域の電話帳を調べ始めた。
バウアー検事総長はオットー・ハラー検事をチームに加え、
秘書のエリカ・シュミットも加わった。
3人の実働メンバーで調査を続けるヨハンに、ある検事正は
「息子たちが父親に加害者だったのかと問い詰めるのか?」と詰め寄る。
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証言を要請するため、シモンを訪れたヨハンは
彼の娘たちからメンゲレ医師が行った人体実験の話を聞く。
メンゲレこそアウシュヴィッツの象徴と考えたヨハン。
南米に逃亡中のメンゲレが帰独していることをつきとめ、
彼の父親の葬儀の場での拘束を試みる。
だが、連邦情報局の協力を得られず、後一歩というところで逃してしまう。

「メンゲレは国に守られている。彼から手をひけ」と言うバウアー検事総長。
ナチス時代、多くの罪はごく普通のドイツ人によってなされていたのだ。
その後、地道な調査と生存者の証言によって
アウシュヴィッツの元所長や親衛隊員たちが逮捕された。
しかし、誰ひとり謝罪の態度を示すものはいなかった。

ある日、ヨハンは母親から父について衝撃的な事実を告げられる……

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そして、映画は
ドイツの歴史認識を大きく変えたアウシュヴィッツ裁判の開廷で幕を閉じるのですが、
いや、ドイツ人自身が自分たちの犯罪を裁いたというところがすごいです。

当時のアデナウアー首相もあの事実に蓋をしていきたいと思っていた時代です。
上司が主人公に
「きみは自分の父の犯罪をそうやって暴き立てるのか」
と糾弾するシーンがありました。
これ重いです。

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昔観た『ミュージック・ボックス』(‘89)という映画に同様なシーンがあり、考え込んでしまいました。
「Z」コスタ=ガヴラス監督作品。
ユダヤ人虐殺犯としての疑いをかけられたハンガリー移民の父の弁護を受け持った
女性弁護士の葛藤と、事件の裏側に潜む真実をサスペンスフルに描いたもの。
ミュージック・ボックス(オルゴール)の中から出てきた写真が衝撃的でした

自分は父を裁くことはできない、
しかし、それはホロコーストを容認することになるのだし・・・
自分なら、と思うととてもつらいです。
だから、自国の、それも、近い過去の犯罪を裁くというのは確かに非常に重い行為だと思います。

ドイツもニュルンベルグ裁判というドイツの戦争犯罪を裁いた
国際軍事裁判を経験しています。
東京裁判と並び、二大国際軍事裁判の1つです。

他国によって裁かれるのみではなく、自分たち自身の手で自らを裁くこと。
謝り続け、過去を決して忘れないこと。
このアウシュヴィッツ裁判がなければ、今ドイツはどんな国になっていたことでしょう。

しかし、こんな重い映画なのに、痛快に楽しませてくれるところもいいです。
アレクサンダー・フェーリング、男をあげました。





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☆10月2日に更新しました。いつも応援して下さってありがとうございます☆

顔のないヒトラーたち
監督/ジュリオ・リッチャレッリ、脚本/エリザベト・バルテル、ジュリオ・リッチャレッリ、製作/ウリ・プッツ、サビーヌ・ランビ、ヤコブ・クラウセン、撮影/マルティン・ランガー、ロマン・オーシン
出演
アレクサンダー・フェーリング/ヨハン・ラドマン、アンドレ・シマンスキ/トーマス・グニルカ、フリーデリーケ・ベヒト/マレーネ・ウォンドラック、ヨハネス・クリシュ/シモン・キルシュ、ハンシ・ヨクマン/エリカ・シュミット、ヨハン・フォン・ビューロー/オットー・ハラー、ロベルト・フンガー・ビューラー/ウォルター・フリードベルク、ルーカス・ミコ/ヘルマン・ラングバイン、ゲルト・フォス/フリッツ・バウアー
10月3日ヒューマントラストシネマ有楽町、新宿武蔵野館、シネ・リーブル梅田、シネ・リーブル神戸他全国ロードショー
2014年、ドイツ、123分、配給/アット エンタテインメント、字幕/安本煕生、http://kaononai.com/

by Mtonosama | 2015-10-02 05:37 | 映画 | Comments(10)