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殿様の試写室

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殿が観た最新映画をいち早くお知らせ!

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三毛猫ひかちゃん 
-35-



あたしひかちゃん。


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石蕗(ツワブキ)って冬の彩りよね。



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トリャーッ!

あまりに飼い主がしつこいものだから
つい怒りの猫拳を繰り出してしまったわ。

あたしのお嬢様イメージが崩れてしまうわね。心配だわ。


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怒り過ぎてお腹がすいちゃった。



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突然だけど、江戸東京たてもの園よ。
二・二六事件で暗殺された高橋是清さんのおうちの窓からの眺め。
これが殺されたお部屋の窓なんだって。


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あたしは子どもだから知らないけど
昔の東京の街並みはこんなふうだったのね。


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あたし?
あたしは高橋是清さんなんて知らないから窓の外の鳥さんを
見張っていられればそれでいいわ。



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年末も年始もこうやって寝て過ごすのよ。

皆さまもお疲れが出ないよう
寝正月で過ごしてね。

新しい年が良い年でありますように。

ひかり


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by Mtonosama | 2015-12-31 05:33 | 映画 | Comments(12)

2015 BEST 10 OF
殿様の試写室

-5-

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さあ、いよいよ当試写室ベスト1の発表です。
その前に三毛猫ひかちゃんのベスト1を発表します。
やっぱりひかちゃんはこれ。
王女ヒカリーヌです。
ソファーのガジガジには目をつむってくださいましね。

そして、2015年「殿様の試写室」の第1位は
『光のノスタルジア』です。


1位 光のノスタルジア
Nostalgia de la luz

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こんなすごい映画は観たことがありません。
こんな着眼点があるのかと驚きました。
頭蓋骨の内側に拡がった球体がプラネタリウムになったようで
脳内が宇宙の暗黒と星々で充たされました。

やがて星々の発する光が南米チリの砂漠に到達し、
チリ独裁政権下で政治犯として殺され、埋められた人々を指し示します。

数億光年のかなたの星
数十年前の事件

無限ともいえる遠大な時間とついこないだの時間

数十年前の事件を星の視座からとらえ、
人々の埋められた砂漠からかなたの星を眺める・・・

極限の客観性は
主体と客体をひとつの円環に閉じ込めてしまうものなのかもしれません。

ドキュメンタリー映画の持つ奥深さと拡がりに心の底から震撼させられました。

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当試写室では10月に上映しました。
http://mtonosama.exblog.jp/24535828/


今年も一年間当試写室へお運びいただき、誠にありがとうございました。
2015年の独断に満ちたベスト10発表も終わりました。
でも、なにごとも独断だけではいけないので
客観的なランキングもお伝えします。

この試写室がテナントとして入っているエキサイトブログでは
記事ランキングや記事別アクセスの順位が明らかにされていますが、
その中で高位を保っていたのが『バレエボーイズ』でした。
ノルウェーの少年たちのドキュメンタリーに
これほどのアクセスをいただいたのは嬉しい限りです。

皆さまは今年もたくさん良い映画を楽しむことができましたでしょうか。
来たる年も素晴らしい映画に恵まれますように。

どうぞ良い年をお迎えください。
また来年も当試写室へお立ち寄りいただければ幸甚の至りでございます。


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by Mtonosama | 2015-12-30 07:18 | 映画 | Comments(14)

2015 BEST 10 OF
殿様の試写室
-4-

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いつもひかちゃんばかりでは芸がないので
第2位発表の記念すべき今回は
中国で初めて見た動物の登場です。
蘇州のカワウソ・・・
違う、違う。猫さんです。

翼のあるものは飛行機以外すべて
四本足は机以外は何もかも食べるという食通の国・中国。
そんな次第で飼い猫はぜ~~~ったいにお外へは出さないのだそうです。
貴重な中国の外猫のお姿をじっくりご覧くださいませ。

さあ、今日は第2位の発表です。


2位 顔のないヒトラーたち
Im Labyrinth des Schweigens

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いやはやこの映画にはびっくりしました。
あまりに驚いたので
いつもは前編、後編の二本立てなのに
三本立てで上映してしまいました。

びっくりしたのは
あの人に限ってありえないという事実を目の前につきつけられたからです。
あ、ここではあの人ではなく、あの国ですが。
そう、ドイツのことです。
ドイツといえばホロコーストであり、アウシュヴィッツです。
しかし、ドイツは戦後はっきりとナチズムの罪悪を後悔し、断罪し、
虐殺された人々に謝罪し続けています。
戦時中のナチの暴虐を自らの恥辱とし、
社会的弱者に対しても、移民や難民に対しても、環境問題でも
先進的な政策をとっています。

ところが、1950年代には
多くのドイツ人はアウシュヴィッツのことを聞いたことがなく、
そこで何が行われていたかも知らなかったのだそうです。

映画は1958年のフランクフルトが舞台。
若き正義感の強い検事が無かったこととされようとしていたその事実を知り、
1963年12月20日、
フランクフルト・アウシュヴィッツ裁判に持ち込むまでのお話でした。

これがなければ現在のドイツでは
「アウシュヴィッツ?何それ」
といっていたかもしれません。

実話です。

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当試写室では9月に上映しました。
http://mtonosama.exblog.jp/24515223/ http://mtonosama.exblog.jp/24522309/
http://mtonosama.exblog.jp/24529108/



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by Mtonosama | 2015-12-29 05:58 | 映画 | Comments(4)

2015 BEST 10 OF
殿様の試写室
-3-


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今日は第3位を発表します。

今月、当試写室で上映したばかりなので
ご記憶の方も多かろうと思います。



3位 消えた声が、その名を呼ぶ
THE CUT

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上映後、日の浅い作品はどうしても
頭に焼きついてしまうものなので
本作についても今が今まで迷いました。

が、しかし
ファティ・アキン監督が
「愛・死・悪に関する三部作」の最終章と位置付けた本作。
自身の出身国の残虐行為を
初めてスクリーンに映し出したアキン監督の想いと勇気。
それを見過ごすことはできませんでした。

トルコとアルメニアの間では未だ決着がついてはおらず
100万人とも150万人ともいわれる犠牲者が出たアルメニア人虐殺事件。

その大虐殺を背景に、
また、
おぞましくも悲惨なできごとをタイトルにまでしながら、
そこに描かれたのは一人の男の執念とも呼べる壮絶な人生と深い家族愛でした。
心がうちふるえます。

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当試写室では12月に上映しました。
http://mtonosama.exblog.jp/24778443/ http://mtonosama.exblog.jp/24787641/



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2015 BEST 10 OF
殿様の試写室
-2-


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さて、今日は6位から4位までいきます。
毎年のことですが、結構悩むんですよね。



6位 グッド・ライ
~いちばん優しい嘘~
THE GOOD LIE

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1983年にスーダンで始まった内戦
数万人の子どもたちが両親も家庭も家も失い、
1600kmもの道のりを子どもたちだけで歩き、
ケニアの難民キャンプに辿りつきます。
そして、難民キャンプで育ち・・・

2000年
アメリカとスーダンが協力し、
“ロストボーイズ”と名づけられたこの3600人の青年たちを
全米各地に移住させる計画を展開しました。

砂漠と難民キャンプしか知らない青年たちが、
いきなり文化も風習も風土も違う国へ送り出され、
送り出された彼らも、受け入れるアメリカ人もびっくりポンの連続でした。

まじめになればなるほど素っ頓狂な青年達。
事務的に彼らの世話をする職業安定所の女性職員。
すれ違いばかりだった双方の間にやがて暖かい交流が生まれます。

イヤなことがあったとき観れば確実に幸せになれる
Warm @ Heartな映画です。

当試写室では4月に上映しました。
http://mtonosama.exblog.jp/23850531/   http://mtonosama.exblog.jp/23861997/


5位 サンドラの週末
DEUX JOURS,UNE NUIT



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大好きなダルデンヌ兄弟監督の映画です。

ソーラーパネル工場をしばらく休職していた後
ようやく復職できるようになったサンドラ。
マイホームも手に入れ、さあ働くぞという週末、
突然上司から電話を受けました・・・

そ、それは突然の解雇通告だったのです。
同僚のとりなしで週明けの月曜日、
16人の同僚たちは
ボーナスを選ぶか、サンドラを選ぶかの投票をすることになります。
ボーナスを諦め、サンドラを選ぶ者が過半数を超えれば、
彼女は仕事を続けられます。
同僚たちにとっては仲間を選ぶか、
ボーナスを取るか、という厳しい選択。

さあ、サンドラはどんな週末を過ごすのでしょう。

泣いてばかりだったサンドラの決断が清々しい☆☆☆
やっぱりダルデンヌ兄弟監督は素晴らしいです。

当試写室では5月に上映しました。
http://mtonosama.exblog.jp/23970021/  http://mtonosama.exblog.jp/23980790/


4位 ターナー、光に愛を求めて
Mr.Turner

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床屋の息子に生まれ、正統な学校教育も受けず、
生涯一度も結婚することなく、名前と身分を偽って旅をしたターナー。

ターナーといえば風景画ですが、
もう本作に映し出される風景の美しさといったら。
映画も絵画も息をのむほど美しいものでした。

それだけにターナーさんのものすごいご面相と
その人となりには仰天。
ふーん、あの風景の美しさは画家のお姿を強調するものであったか・・・

いえいえ決してそんなことはありません。
ターナーを演じたティモシー・スポール。
見事に謎の画家の謎の部分を演じきりました。

ターナーはその作品よりも
秘されていた生活の方が興味深いかもしれません。

画家を描いた作品としてまさに秀逸でありました。

当試写室では6月に上映しました。
http://mtonosama.exblog.jp/24148726/  http://mtonosama.exblog.jp/24159520/



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by Mtonosama | 2015-12-26 05:51 | 映画 | Comments(6)

2015 BEST 10 OF
殿様の試写室
-1-

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もう、まったく。
なんとかなりませんかねぇ。
150歳を過ぎてからというもの、時の経つのが早過ぎます。
毎日チャリを漕ぎ、ひかちゃんにおちょくられている内に
早やベスト10の季節になってしまいました。

今年は皆さんにとってはどんな一年だったのでしょうか。
そして、どんな映画が心にしみたのでしょうか。

さあ、今年もいきますよ。
2015年殿様の試写室BEST 10です。

まずは10位から7位まで。


10位 沖縄 うりずんの雨
The Afterburn

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今年は戦後70年という年でした。
この年に生まれた赤ちゃんがもう古希。

「うりずん」というのは〈潤い(うるおい)初め(ぞめ)〉が語源。
草木が芽吹く3月頃から梅雨入りする5月位までの時期のことをそう呼ぶそうです。

1945年4月1日から始まり、
4人に1人が亡くなった沖縄地上戦が
丁度うりずんの季節に重なります。

“沖縄は戦利品”とよばれた戦後のアメリカ占領時代から現在に至るまで、
沖縄全土18%に及ぶ米軍基地をめぐる負担を
日米双方から圧しつけられてきた沖縄の歴史を描き出したドキュメンタリーです。

当試写室では6月に上映しました。
http://mtonosama.exblog.jp/24126569/ http://mtonosama.exblog.jp/24137161/


9位 海にかかる霧
海霧 Haemoo

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2001年に韓国で起きたテチャン号事件を基にした映画。
「東方神起」のメンバーとしてデビューしたパク・ユチョンが
本作でスクリーンデビューしています。
素直さにかけた150歳は「ふん、どうせイケメン売り出しの映画だろうが」
となめてかかったのでありますが、
いや、あなた。
これ、なかなかいけるサスペンスでした。

当試写室では3月に上映しました。
http://mtonosama.exblog.jp/23825468/ http://mtonosama.exblog.jp/23837014/


8位 首相官邸の前で
Tell the Prime Minister

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3年前の夏、首相官邸前を埋めた約20万人の人々。
報道こそされませんでしたが、福島第一原発事故後の原発政策に抗議する人達です。
でも、報道されなかったってどーゆーこと?
ったく。

いろいろなことが私たちの想いとは違う方向に進んでいったような2015年でした。
「ああ、何したってだめなんだ」
とか
「いっそ、いやなことは忘れて酒呑んで過ごそうぜ」
とか
思ってしまったこともあります。

でも、やられるばっかじゃないんだから。
日本人ってちゃんと言うことは言うんだからね。
そんなドキュメンタリーでした。

当試写室では9月に上映しました。
http://mtonosama.exblog.jp/24423028/ http://mtonosama.exblog.jp/24433543/


7位 奇跡の2000マイル
Tracks

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映画の醍醐味はなんといっても
見たことのないものを見せてくれて、
行ったことのない国へ連れていってくれて、
やったことのない冒険をさせてくれること。

砂漠は熱いからラクダを連れて横断したくはないけれど・・・
でも、沈む夕日を眺めていたいし、
夜空に大きく輝く月に手を伸ばしたりしてみたい。

そんな無精者の憧れをかなえてくれた映画です。
実話なんですって。

当試写室では7月に上映しました。
http://mtonosama.exblog.jp/24238400/  http://mtonosama.exblog.jp/24249181/



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by Mtonosama | 2015-12-24 05:42 | 映画 | Comments(4)

消えた声が、その名を呼ぶ
-2-
The Cut

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(C)Gordon Muhle/ bombero international


ファティ・アキン監督。
作品発表ごとにスケールが大きくなっていくようです。

本作の主人公はアルメニア人の鍛冶職人。
突然家族から引き離され、強制労働させられた上、死刑宣告。
ナイフで咽喉を切られ、声を失いながらも
地球を半周し、8年かけて愛する娘を探す男を描いた壮大なロードムービー。

主人公は8年かけて娘を追い続けましたが、
監督も7年をかけて本作を完成させました。
すごいです。

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ストーリー
1915年第一次世界大戦下ではあったが、
アルメニア人鍛冶職人ナザレットは
双子の娘ルシネとアルシネ、妻ラケルと幸せに暮らしていた。
教会で祈り、懺悔をする平凡で善良な男。
彼の宝物は娘たちが刺繍してくれたスカーフだった。

一家の夕食の話題は戦争の情勢とアルメニア人が各地から姿を消しているということ。

その夜更け、ナザレットは憲兵たちによって叩き起こされ、
着の身着のまま、ただ宝物のスカーフだけを手に連行された。

灼熱の砂漠で奴隷のように働かされる日々。
その中でナザレットはアルメニア人の老人、女性、子どもたちが
足をひきずりながら歩いていく行列を見た。
ある朝、ナザレット達は縄で手足を縛られ、谷底へ連れていかれる。
命ぜられるまま、岸壁に向って膝まづくと
「喉を切れ!」の声が。
男たちの悲鳴が響き、隣にいた父も兄も斃れ、ナザレットの首にも刃がつきつけられた。

数時間後、彼は意識を取り戻す。
処刑人の一瞬のためらいが彼を生かすことになったのだ。
しかし、首を傷つけられたことでナザレットは声を失ってしまっていた。
「死にたくない」
仲間の死体をかきわけ、逃げ出すナザレット。
砂漠をさまよい、住んでいた町の住人が連れていかれた強制収容所に向かう。
だが、そこに妻と娘の姿はなかった・・・

戦争は終わった。

身をひそめていたアレッポの町で娘の無事を聞かされる。
今は15歳になっている筈の娘たちはどこにいるのか。
レバノンの孤児院で娘たちの写真を発見するナザレット。
身ぶり手ぶりで娘たちの所在を問うた。
だが、なんと1年前にキューバへ行ったと知らされる。
決死の思いで海を渡りキューバへ。
ここでも知らされた答えは無情なものだった。
娘たちは半年前にミネアポリスに向ったというのだ。
ナザレットは旅費のために働いた。
ラム酒の密輸船に乗船し、フロリダへ。
娘たちを探し、縫製工場やアルメニア人の家を訪ね歩くナザレット。
彼を突き動かすのは娘たちを抱きしめるという執念にも似た想い。
やがて、彼はノースダコタへと辿りつく。
灼熱の砂漠から冷たく暗い北米の小さな町へ。
消えた声で彼はその名前を呼ぶことができるのだろうか……

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平凡なナザレットが歩を進めるごとに
強い意志そのもののような存在と化していきます。
愛情、執念を超えて、人としての存在の意義を確かめるために
前進する男に変わっていきます。

声を失い、神も捨て、ひたすら歩き続けるナザレットを演じたのは
タハール・ラヒム。

彼の演技に加え、映画制作と共に変化する時空も
本作にすごみと感動を加えるものになっています。

実は「アメリカ映画みたいだなぁ」と前二作との違いにとまどったとの。
監督、いよいよメジャーデビューか、とも思いました。

なんとファティ・アキン監督は「アメリカ的な脚本に直してほしい」と思っていたそうで
アルメニア系アメリカ人マルディク・マーティンが共同脚本家として参画しています。
この人スコセッシ監督の『レイジング・ブル』の脚本家です。

アメリカ映画的なドラマ展開と起承転結をまとった本作。
歴史の暗黒部分からスタートした父子愛と人としての誇りをかけた
とてつもなく規模の大きな作品です。





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消えた声が、その名を呼ぶ
監督/ファティ・アキン、脚本/ファティ・アキン、マルディク・マーティン、プロデューサー/ファティ・アキン、カール・バウムガルトナー、レインハード・ブランディグ、ヌルハン・シュケルジ・ポルスト、ファミニホ・ザドラ、撮影/ライナー・クラウスマン、美術/アラン・スタースキー
出演
タハール・ラヒム/ナザレット・マヌギアン、セヴァン・ステファン/バロン・ボゴス、ヒンディ・ザーラ/ラケル、ジョージ・ジョルジョー/ヴァハン、アキン・ガジ/フラント、アレヴィク・マルティロシアン/アニ、バートゥ・クチュクチャリアン/メフメト、マクラム・J・フーリ、シモン・アブカリアン/クリコル、トリーネ・ディアホルム/孤児院院長、アルシネ・カンジアン/ナカシアン夫人、モーリッツ・ブライプトロン/ピーター・エーデルマン
12月26日(土)角川シネマ有楽町、YEBISU GARDEN CINEMA他全国順次公開
2014年、ドイツ・フランス・イタリア・ロシア・カナダ・ポーランド・トルコ、シネマスコープ、138分、配給/ビターズ・エンド、http://www.bitters.co.jp/kietakoe/

by Mtonosama | 2015-12-21 05:12 | 映画 | Comments(11)

消えた声が、その名を呼ぶ
-1-
The Cut

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(C)Gordon Muhle/ bombero international


いやはや世の中には知らないことがたくさんあります。
とのが無知なのか、世界には公にされていない歴史が多いのか。
恐らくはその両方ではありましょうが、
重い史実に驚嘆しました。

え、ファティ・アキンがこういう映画をつくるのか?!
ということでも驚きました。

ご存知とは思いますが、アキン監督はドイツに暮らすトルコ移民の2世。
教育もドイツで受けています。
しかし、根っこはトルコ人です。
その監督が、かつてトルコ人監督は誰も描かなかった
オスマン・トルコ国内でのアルメニア人虐殺を背景にした映画を撮りました。

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アルメニア人虐殺
1915年4月24日、オスマン帝国。
当時の首都コンスタンティノープルで200人あまりの知識人グループを率いていた
アルメニア人詩人ダニエル・ヴァルジャンが強制連行された。
当時、既に崩壊しつつあったオスマン帝国。
帝国内に住むアルメニア人の間では独立の気運が高まっていた。
その中で特に詩人、画家、作家、書店、政治家は帝国にとっては脅威となっていた。

ほどなくして、オスマン帝国内のアルメニア人キリスト教徒の多くが標的となり、
ロシアと結託して帝国への対抗を企てたと非難され、ほぼ殲滅されることになる。
同年8月、何十万ものアルメニア人がシリア砂漠へ向かって容赦ない死の行進を強制された。
当時の目撃者によると、アルメニア人詩人ダニエル・ヴァルジャンは拷問の末殺害されたという。
しかし、彼もまた命を落とした多くの男性、女性そして子供の中の一人に過ぎなかった。
http://www.huffingtonpost.jp/2015/04/24/armenian-genocide-controversy_n_7140572.html

ちょうど100年前、オスマン・トルコ国内で起こったアルメニア人虐殺事件。
その犠牲者数は100万人とも150万人ともいわれ、
今なおアルメニア政府とトルコ政府の間で
決着がついていないという歴史的な事件であり、
ヒトラーがこれにならってユダヤ人を虐殺したというとんでもない事件です。

この事件についてはアトム・エゴヤン監督(『アララトの聖母』)など
アルメニア系の映画監督による作品はありましたが、
ファティ・アキン監督は自分が帰属する国の犯した犯罪を背景に
こうした映画をつくった訳です。

これが日本だったら「自虐史観だ」と問題になり、
街宣車がやってきたり、
上映館がみつからなかったりと、
大騒動になることでしょう。

ファティ・アキン監督は本作を
ベルリン交際映画祭金熊賞を受賞した『愛より強く』(‘04)
カンヌ国際映画祭脚本賞『そして、私たちは愛に帰る』(‘07)
に続く「愛・死・悪に関する三部作」の最終章と位置付けました。

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アルメニア人虐殺事件は
本作にとっての出発点であり、背景であります。
死、そして、悪
忌わしい出発点であり、背景でありながら、
それは壮大な愛のドラマにつながっていきます。

作品の全体像はマーティン・スコセッシ監督、
壮大なドラマの撮影方法はロマン・ポランスキー監督、
アルメニア人の物語をいかに描くかはアルメニア系カナダ人のアトム・エゴヤン監督
にアドバイスを求めたというファティ・アキン監督。

本作製作には7ヶ国が関わり、
ドイツ、キューバ、カナダ、ヨルダン、マルタ5ヶ国にわたってロケーションを行い、
7年の歳月をかけて完成しました。
「愛・死・悪に関する三部作」の最終章にふさわしい壮大な作品です。

さあ、いったいどんなお話でしょうか。
乞うご期待でございます。



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消えた声が、その名を呼ぶ
監督/ファティ・アキン、脚本/ファティ・アキン、マルディク・マーティン、プロデューサー/ファティ・アキン、カール・バウムガルトナー、レインハード・ブランディグ、ヌルハン・シュケルジ・ポルスト、ファミニホ・ザドラ、撮影/ライナー・クラウスマン、美術/アラン・スタースキー、衣装/カトリーン・アッシェンドルフ
出演タハール・ラヒム/ナザレット・マヌギアン、セヴァン・ステファン/バロン・ボゴス、ヒンディ・ザーラ/ラケル、ジョージ・ジョルジョー/ヴァハン、アキン・ガジ/フラント、アレヴィク・マルティロシアン/アニ、バートゥ・クチュクチャリアン/メフメト、マクラム・J・フーリ、シモン・アブカリアン/クリコル、トリーネ・ディアホルム/孤児院院長、アルシネ・カンジアン/ナカシアン夫人、モーリッツ・ブライプトロン/ピーター・エーデルマン
12月26日(土)角川シネマ有楽町、YEBISU GARDEN CINEMA他全国順次公開
2014年、ドイツ・フランス・イタリア・ロシア・カナダ・ポーランド・トルコ、シネマスコープ、138分、配給/ビターズ・エンド、http://www.bitters.co.jp/kietakoe/

by Mtonosama | 2015-12-18 05:48 | 映画 | Comments(18)
ひつじ村の兄弟
-2-
RAMS

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(C)2015 Netop Films, Hark Kvikmyndagerd, Profile Pictures


今年はひつじ年だったというのに、羊って頭が悪そうであまり好きじゃないです。
近くで接したことがないからそう思うのかもしれないけれど。

でも、村上春樹は作品に“羊男”を登場させたり、
「羊をめぐる冒険」なんて書いたりしているから羊好きなんでしょうか。
あ、『羊たちの沈黙』(‘91 ジョナサン・デミ監督)という映画もありましたね。

羊には農耕民族には理解できない不思議な魅力があるのでしょうか。
本作の主人公のおじいさんたちはもう羊が可愛くて可愛くて仕方がないみたいですよ。
だから、羊を待ちうける運命を受け入れる気持にはなれないんですね。

さあ、どんなお話かというと

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ストーリー
アイスランド辺境の小さな村に羊飼いの老兄弟グミーとキディが隣り合って暮らしている。
隣同士で暮らすとはいえ、彼らは40年間も絶縁状態。
何か用があるときには飼い犬に手紙を咥えさせ、要件を伝える。
決して直接言葉を交わさない。

二人は40年以上生活の全てを羊の世話をすることで過ごしてきた。
先祖代々受け継いできた彼らの羊はアイスランド随一の優良種。
二人は毎年品評会で優勝を競い合っている。
二人とも互いに先祖代々の土地や生活習慣を継承しながら
しかし、まったく口をきかない不仲な兄弟だった。

ある日のこと、キディの羊が疫病にかかる。
保健所は感染の恐れがある地域全ての動物を殺処分することに決定。
収入源のほとんど全てを羊に頼る酪農家にとって
それは死刑宣告を言い渡されたようなものであり、
村を捨てざるを得ない者も多かった。
だが、グミーとキディは諦めず、なんとか羊を殺さずにすむ方法を求める。
相変わらず口をきかないまま、独自のやり方で打開を図る二人。

ところが、保健所の立ち入り検査が迫るに従い、
兄弟は先祖伝来の羊を守るため、また、自分たちのためにも
二人で力を合わせるしかなくなってしまった。
40年も絶縁してきた兄弟にとって
力を合わせるなどということは口でいうほど簡単なことではないが
「愛する羊を守り抜きたい」
その一途な思いが兄弟を再び結びつけた。

だが、そのために二人は無謀な行動へと突き進むことになるのだった……

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ひつじという語感にひっぱられて
穏やかななりゆきを期待してしまうのですが、
いえね、
いくらメキシコ湾流が流れていようと北極圏の自然は過酷です。
そして、羊たちに訪れた疫病は自然以上に過酷であり、
酪農家にとっては死に等しい運命であります。
世界平和度指数NO.1であろうとも
自然や運命との闘いは避けられないのです。

その昔、世界史でサーガという北欧神話があることを習いましたが、
この映画はまさに現代のサーガともいうべきものでした。

頑固なじいさんたちに「ったく!」と怒ったり、
お利口な犬の活躍に感心したり、笑ったりしましたが、
いやいやなかなか奥深い映画でした。

グリームル・ハゥコーナルソン。
またまた難しい名前ですが、ちゃんと覚えておかなくては。





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ひつじ村の兄弟
監督・脚本/グリームル・ハゥコーナルソン、撮影監督/ストゥルトラ・ブラントゥ・グルヴレン、編集/クリスティヤン・ロドムフィヨルド、美術/ビヤルニ・マッシ・シグルビョルンソン、音楽/アトゥリ・ウルヴァルソン、製作/グリーマル・ヨンソン
出演
シグルヅル・シグルヨンソン/ダミー、テオドル・ユーリウソン/キディ、シャルロッテ・ボーヴィング、ヨーン・べノニソン、グヅルン・シグルビョルンスドッティル、スヴトン・オーラブル・グンナルソン、ユールンドゥル・ラグナルソン、ソールレイブル・エーナルソン
12月19日(土)より新宿武蔵野館ほか全国順次公開
2015年、アイスランド、デンマーク、カラー、93分、アイスランド語、日本語字幕/長友紀裕、http://ramram.espace-sarou.com/

by Mtonosama | 2015-12-15 05:46 | 映画 | Comments(23)

ひつじ村の兄弟
-1-
RAMS

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(C)2015 Netop Films, Hark Kvikmyndagerd, Profile Pictures


今回はアイスランドへ飛びます。

アイスランドって言葉通り氷の国というイメージがあり、いかにも寒そうです。
アイスランドは北緯63度から66度に位置し、
北海道より少し大きいくらいの国土に約32万人が住んでいます。

めっちゃ寒いかと思いきや
暖流のメキシコ湾流が流れているため、
極寒の2月でも北緯66度にある首都レイキャビクの平均気温は
0.1度(最高2.6度 最低-2.4)。
北海道より暖かいんですって。

首都のレイキャビクは世界的にも「空気のきれいな都市」として有名ですし、
世界平和度指数ランキングは世界第1位(2008年より7年連続で1位)。
男女平等度ランキング、世界ご長寿(男性)ランキングも1位。
乳幼児死亡率は世界一低く、結婚は100%恋愛結婚。
なんか癒し系の島国ですね。

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そうそう、 “海のピエロ”と呼ばれるパフィン(ニシツノメドリ)が↑
世界中の約6割生息していますし、
あの歌手ビョークの出身国でもあります。
http://blog.tripro.me/loveiceland33-1
良い国なんです。

とのが個人的に知っていたアイスランド人たちは
素朴で気の良い人たちでした。
イングァちゃん、今は良いおばさんになっているんだろうなぁ。

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アイスランドには温泉もあり、33も活火山があります。
電力は地熱発電です。
火山の島らしくゴツゴツした荒れ地もありますが、
牧草地帯もあるので、羊たちも一杯います。
なんと人口25万人に対して羊の数は100万頭なんですって。

本作に登場する羊は
アイスランディックという純血家畜用羊としては世界最古の種類。
本作の舞台はアイスランドの人里離れた村。
見渡す限り大自然しかないような場所です。
そんな辺境の村に暮らす羊飼いの老兄弟グミーとキディーが主人公。

人里離れた村に住む羊飼いのおじいさん・・・
といったら誰でも連想するのは「ハイジ」に登場するおじいさん。
今ではCFでラップなんかやったりして
基本穏やかな人ですよね。
でも、本作のじいさん2人はちょっと違いますよ。

牧歌的な土地で昔ながらの羊飼いをするということは
その分、厳しい自然とぶつかることもあれば
現代的なシステムに繰り込まれるという
じいさんにはつらい部分もあります。

絵にかいたようなのんびりした風景だからこそ
自然や新しいものと折り合いをつけることは難しいんだろうなぁ。

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監督はグリームル・ハゥコーナルソン。
1977年生まれの若い監督です。
プラハの舞台芸術アカデミーを卒業。卒業制作『Slavek The Shit』は
2005年カンヌ映画祭シネフォンダシオン部門に選出されました。
本作は第68回カンヌ国際映画祭「ある視点部門」でグランプリを獲得した作品。
河瀬直美、黒沢清監督作品など計19本を抑えての堂々の受賞です。

監督自身17歳まで
夏になると両親が育った辺境の田舎町へ送られ、働いていたので
本作はそこでの体験や出会った人々が基になっています。

しかし、アイスランドの片田舎のできごとが
カンヌで高い評価を受けるのですから、
例え不便でも自然と折り合いをつけながら暮らすことに
みんな憧れを感じているのかもしれないですね。
田舎暮らしバンザイ・・・なのか?

さあ、いったいどんなお話なのでしょう。
続きは次回まで乞うご期待でございますよ。



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ひつじ村の兄弟
監督・脚本/グリームル・ハゥコーナルソン、撮影監督/ストゥルトラ・ブラントゥ・グルヴレン、編集/クリスティヤン・ロドムフィヨルド、美術/ビヤルニ・マッシ・シグルビョルンソン、音楽/アトゥリ・ウルヴァルソン、製作/グリーマル・ヨンソン
出演
シグルヅル・シグルヨンソン/ダミー、テオドル・ユーリウソン/キディ、シャルロッテ・ボーヴィング、ヨーン・べノニソン、グヅルン・シグルビョルンスドッティル、スヴトン・オーラブル・グンナルソン、ユールンドゥル・ラグナルソン、ソールレイブル・エーナルソン
12月19日(土)より新宿武蔵野館ほか全国順次公開
2015年、アイスランド、デンマーク、カラー、93分、アイスランド語、日本語字幕/長友紀裕、http://ramram.espace-sarou.com/

by Mtonosama | 2015-12-12 06:49 | 映画 | Comments(10)