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殿様の試写室

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<   2016年 03月 ( 10 )   > この月の画像一覧


さざなみ
-1-
45YEARS

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(C) The Bureau Film Company Limited, Channel Four Television Corporation and The British Film Institute 2014 (C) Agatha A. Nitecka


『さざなみ』 
オリジナルタイトルは“45YEARS”。
45年というタイトルがなぜ『さざなみ』なのか。

ま、それはおいおいわかることでありましょう。

2015年ベルリン国際映画祭で銀熊賞を受賞し、
さまざまな映画賞の受賞とノミネートで話題を呼んでいる作品です。
結婚45年を迎えた夫婦の物語で、
妻を演ずるのはシャーロット・ランプリング。
夫を演ずるはトム・コートネイ。

トム・コートネイは60年代初頭イギリスで起こった新しい映画運動の代表作
『長距離ランナーの孤独』(‘62 トニー・リチャードソン監督)
で主人公を演じたちょっとジョージ・ハリソン似(当時は)の男優です。

トム・コートネイ
1937年2月25日、イギリス・ヨークシャー州出身。
大学卒業後、王立演劇学校で学び、1960年舞台デビュー。
トニー・リチャードソン監督に抜擢され、『長距離ランナーの孤独』に主演。
英国アカデミー賞新人賞を受賞。
『ドクトル・ジバゴ』(‘62)でアカデミー賞助演男優賞、
『ドレッサー』(‘83)ではアカデミー賞主演男優賞にノミネート、
第41回ゴールデングローブ賞で主演男優賞を受賞。
主に舞台を中心に活動し、これまでにトニー賞にも2度ノミネートされた。
2001年には40年間に及ぶ映画と舞台での活躍が評価され、
ナイトの称号が贈られた。

フィルモグラフィ
1962年 『長距離ランナーの孤独』
1965年 『ドクトル・ジバゴ』
1983年 『ドレッサー』
1999年 『ハロルド・スミスに何が起こったか?』
2007年 『ライラの冒険 黄金の羅針盤』
2012年 『カルテット!人生のオペラハウス』
『モネゲーム』
2013年 『リスボンに誘われて』

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(C) The Bureau Film Company Limited, Channel Four Television Corporation and The British Film Institute 2014(C)45Years Films Ltd


一方、シャーロット・ランプリングは
あの『愛の嵐』(‘73 リリアーナ・カヴァーニ監督)で
ナチの帽子をかぶり、裸の上半身に肘上まである黒い手袋とサスペンダーの付いたズボンだけを
身につけた衝撃的なシーンで世界中の度肝を抜いた女優です。

シャーロット・ランプリング
1946年2月5日、イングランド・エセックス州出身。
父は軍人で、オリンピックのメダリスト。母親は画家。
幼少期に父の仕事の関係でイギリスとフランスの各地を転々としたため、語学が堪能。
ロンドンで秘書として働いていた時、モデルとしてスカウトされる。
1965年リチャード・レスター監督に見出され、『ナック』で映画デビュー。
1966年公開の『ジョージー・ガール』で次世代スターとして注目される。
その後ロンドンのロイヤル・コート・シアターで演技を学び、
堪能な語学力を活かし、イタリアへ。ルキノ・ビスコンティ監督に見初められる。
1969年『地獄に堕ちた勇者ども』に出演。
退廃的な魅力を発揮し、世界中の注目の的に。
1973年『愛の嵐』。
以降はフランスやアメリカの作品にも出演、国際的に活躍している。

フィルモグラフィ
1965年 『ナック』
1966年 『ジョージー・ガール』
1969年 『地獄に堕ちた勇者ども』
1973年 『愛の嵐』
1974年 『蘭の肉体』
1975年 『さらば愛しき女よ』
1977年 『オルカ』
1982年 『評決』
2001年 『まぼろし』
2003年 『スイミング・プール』
2006年 『氷の微笑2』
2007年 『エンジェル』
2008年 『ある侯爵夫人の生涯』
2010年 『わたしを離さないで』
2011年 『ブリューゲルの動く絵』
『メランコリア』
2013年 『17歳』
『リスボンに誘われて』

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(C) The Bureau Film Company Limited, Channel Four Television Corporation and The British Film Institute 2014(C)Agatha A. Nitecka


そんな二人も
トム・コートネイは79歳、
シャーロット・ランプリングは70歳です。

いつも思うのですが、時の流れは本当に容赦のないものです。
昔、目を瞠るような美貌を誇っていた俳優達が
年月の経過と共に老いていく姿は
映画以上に心に訴えかけてくるものがあります。

でも、だからこそ演じられる作品があるんですね。
本作はまさにそんな映画です。

観る年代によって感じることは大きく違うと思います。
さあ、いったいどんな映画なのでしょうか。
続きは次回までお待ちくださいませ。



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さざなみ
脚本・監督/アンドリュー・ヘイ、プロデューサー/トリスタン・ゴーライアー、原作/トリスタン・ゴーライアー“In Another Country”、撮影/ロル・クローリー、BSC
出演
シャーロット・ランプリング/ケイト・マーサー、トム・コートネイ/ジェフ・マーサー、ジェラルディン・ジェームス/リナ、ドリー・ウェルズ/サリー、デヴィッド・シプリー/ジョージ
4月9日(土)よりシネスイッチ銀座他全国順次公開
2015年、イギリス、英語、カラー、95分、配給/彩プロ

by Mtonosama | 2016-03-29 06:30 | 映画 | Comments(6)

ルーム
-2-
ROOM

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(C)Element Pictures/Room Productions Inc/Channel Four Television Corporation 2015


「行く川のながれは絶えずして、しかも本の水にあらず。
よどみに浮ぶうたかたは、かつ消えかつ結びて久しくとゞまることなし」

などといきなり方丈記のプロローグであります。

鴨長明さんが日野山に一丈(約3m)四方の庵を建てて
住んでおられたことは皆さまご承知の通り。

本作も大体その位の大きさの小屋に住んでいた母子のお話です。
鴨さんは気が向けば山を出歩くこともできたでしょうし、
障子を開ければ四季折々の自然が楽しめたことでありましょう。
しかし、この母子が暮らした方丈は窓といえば天窓だけ。
外との接点は夜になるとやってくる男のみ。
外へ出ることはできないし、四季の移り変わりも知ることができません。

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ストーリー
ママとジャックが二人で暮らす狭い部屋。
今日はジャックの5歳の誕生日。
天窓からの光を受けて起きだしてきたジャックは
電気スタンドや洗面台、トイレに「おはよう!」と挨拶し、
ママがバースデイケーキを焼いてくれるというので喜んでいる。
歯磨き、ストレッチ、壁から壁までランニング。
毎朝のルーティンをママと一緒に楽しげにこなす。
だけど、焼きあがったケーキにはロウソクが立っていない。
ロウソクだけでなく、この部屋に欠けているものは多い。


ジャックは洋服ダンスの中で眠る。
時々、オールド・ニックという男が来て食料や服を置いていく。
その間ジャックは洋服ダンスからは絶対に出ない。
ママは男に「ジャックにもっと栄養を」と訴えるが、
「半年前から失業して金が無い」と逆ギレされる。

翌朝、部屋の電気が切られていた。
寒さに震えながらママは決心する。
この部屋で生まれてから一歩も表へ出たことがなく
この部屋が自分の全世界だと思っているジャックに真実を告げるのだ。

ママの名はジョイであること。
この小屋に閉じ込められてから7年過ぎたこと。
小屋の外には広い世界があるということ。
だが、ジャックに理解することはできず、パニックに陥る。

電気が回復した部屋でじっと考えるジャック。
ママに次々と質問をし、
オールド・ニックをやっつけようと提案する。
だが、固く締まったドアを開ける暗証番号はニックしか知らないのだ。

ジャックの反応に勇気を得たママは策を弄する。
いつも読み聞かせていた「モンテ・クリスト伯」から思いつき
ジャックを死んだことにして外の世界へ運び出す計画を立てた……

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小さな部屋の閉じられた世界しか知らないジャック。
テレビの中でしか見たことのない自動車やママ以外の大人。
信号や犬。
果たして、ジャックはそれらを受け入れることができるのでしょうか。
いえ、それより前にモンテ・クリスト伯脱出計画は成功するのでしょうか。

といったハラハラも含みながら
本作は思わぬ現実世界へ母子を導くのであります。

19歳でオールド・ニックに拉致されたジョイ。
小さな小屋の中で出産し、
誰の助けを得ることもなくジャックを育て上げてきました。
7年間、凌辱され続けながら、それでも絶望することなく
子に本を読み聞かせ、身体を鍛えさせてきたんですね。
いや、絶望していなかったといったら嘘になるでしょうね。

母と子。
二人だけの世界では
母であることを何よりも大事にしなくてはならなかったのだと思います。

むしろ救出劇の後、
傷ついたジョイの心と
事件に翻弄されたジョイの両親の想いへと
踏み込んでいく描写に興味をそそられます。
拉致という行為は
拉致された本人、子を奪われた親にとっても大きな喪失です。

映画の中ではジャックの存在が救いになっています。

ブリ―・ラーマン。
アカデミー賞主演女優賞受賞を納得させる熱演でありました。





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ルーム
監督/レニー・アブラハムソン、脚本・原作/エマ・ドナヒュー、製作/エド・ギニー、デヴィッド・グロス、撮影/ダニー・コーエン
出演
ブリー・ラーマン/ママ(ジョイ)、ジェイコブ・トレンブレイ/ジャック、ジョアン・アレン/ばあば(ナンシー)、ショーン・ブリジャーズ/オールド・ニック、トム・マッカナス/レオ、ウィリアム・H・メイシー/じいじ(ロバート)
4月8日(金)公開
2015年、アイルランド・カナダ、118分、カラー、字幕翻訳/稲田嵯裕里、提供/カルチュア・パブリッシャーズ、ギャガ、配給/ギャガ、http://gaga.ne.jp/room/

by Mtonosama | 2016-03-26 07:20 | 映画 | Comments(8)

ルーム
-1-
ROOM

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(C)Element Pictures/Room Productions Inc/Channel Four Television Corporation 2015


本作のオリジナルタイトルを見て
いわゆるデザイナーズ物件を連想したわたしはバカです。

トロント国際映画祭で観客賞(最高賞)に輝き、
アカデミー賞でも主要4部門へのノミネートを果たし、
「ママ」を演じたブリー・ラーマンはなんと初ノミネートにして
主演女優賞を勝ち取ったのであります。

原作はアイルランドの作家エマ・ドナヒューの大ベストセラー「部屋」。
彼女がこの小説の着想を得たのはオーストリアで実際にあった事件からだそうで、
子どもたちと一緒に24年間も地下室に閉じ込められていた女性が実在しました。

子どもたちと一緒といっても24年前から子どもはいたわけではありません。
24年の間に生まれた子どもたちと閉じ込められていた訳です・・・

日本でもこんな事件がありましたね。
子どもこそ生まれてはいませんでしたが。

ひどい話です。
女をなんだと思っているんだっ!

と、いきりたつわたし。
ドウドウ。
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エマ・ドナヒュー
1969年、アイルランド・ダブリン生まれ。カナダ在住。
現代小説、歴史小説を執筆。ラジオや舞台、映画の脚本も手がけている。
2010年「部屋」出版。ブッカー賞とオレンジ賞の最終候補作となり、
ニューヨーク・タイムズ紙「2010年のフィクション・ベスト5」にも選ばれる。
自ら手掛けた本作の脚本でゴールデン・グローブ賞とアカデミー賞にノミネート。

誘拐。
人権無視。
幽閉中に何度も強姦されるおぞましさ。
そして、妊娠し、たったひとりでの出産。
・・・
ぞっとします。

が、しかし、
エマ・ドナヒューが惹かれたのは
極限状態での母性や
人間の立ち直る力でした。

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このベストセラーには当然多くの映画化オファーが押し寄せました。
その中にあったレニー・アブラハムソン監督からの熱烈な言葉。

「映画作家、親、かつて子どもだった者として
とても強い直感で映像が目に浮かび、心の中で既に映画を作り始めていた」

そんな言葉と共にどんな映画にしたいかも
具体的に書かれていました。

実はエマ・ドナヒューさん
小説を書き上げた時点で
未だ出版もされていない段階で脚本に着手していました。

なんかすごい・・・

さて、エマさんに熱いラブコールを送ったアブラハムソン監督ですが、

レニー・アブラハムソン監督
1966年、アイルランド・ダブリンに生まれる。
トリニティ・カレッジで物理と哲学を学び、
卒業後カリフォルニアのスタンフォード大学に入学。
1991年、初短編映画『3Joes』で評価される。
2004年、『アダムとポール』で長編映画監督デビューし、
アイルランド・アカデミー賞8部門にノミネートされ、監督賞を受賞。
2007年、『ジョジーの修理工場』でカンヌ国際映画祭C・I・C・A・E賞受賞、
アイルランド・アカデミー賞で11部門にノミネートされ、
作品賞・監督賞を含む4部門で受賞。
2012年、『What Richard Did』がトロント国際映画祭でプレミア上映、
アイルランド・アカデミー賞10部門ノミネート、作品賞・監督賞を含む5部門で受賞。
2014年『FRANK-フランク』がサンダンス映画祭でプレミア上映、
アイルランド・アカデミー賞9部門ノミネート、監督賞を含む3部門で受賞。
アイルランドでは大きな評価を獲得した監督だが、
本作『ルーム』でゴールデン・グローブ賞作品賞、
アカデミー賞作品賞と監督賞にノミネートされ、世界の注目を浴びている。

さあ、いったいどんなお話でしょうか。
続きは次回までお待ちくださいませ。



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ルーム
監督/レニー・アブラハムソン、脚本・原作/エマ・ドナヒュー、製作/エド・ギニー、デヴィッド・グロス、撮影/ダニー・コーエン
出演
ブリー・ラーマン/ママ(ジョイ)、ジェイコブ・トレンブレイ/ジャック、ジョアン・アレン/ばあば(ナンシー)、ショーン・ブリジャーズ/オールド・ニック、トム・マッカナス/レオ、ウィリアム・H・メイシー/じいじ(ロバート)
4月8日(金)公開
2015年、アイルランド・カナダ、118分、カラー、字幕翻訳/稲田嵯裕里、提供/カルチュア・パブリッシャーズ、ギャガ、配給/ギャガ、http://gaga.ne.jp/room/

by Mtonosama | 2016-03-23 03:46 | Comments(2)

三毛猫ひかちゃん
-38-


あたしひかちゃん。

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つくしよ。
つくしって土の筆って書くのね。
土筆ね。
昔の人は本当に頭が良いわ。


寒かったり、暑かったり。
でも、あたしは今日も朝練のおかげで元気。
練習のおみやげのダニもまじめに持ち帰っているから、
一緒に寝てあげている飼い主は痒い痒いとボリボリ掻きまくっているわ。
(お教えくださった猫先輩の皆さま、フロントラインを購入しました:飼い主)

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朝練の後は紙屑の上で寝るのよ。
紙ごみを捨てに行くのが面倒くさい飼い主は
大きな紙袋にいっぱいため込んでいるから寝心地がいいの。

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なによ!
かさばる紙屑をあたしの重みでつぶしてあげてるのよ。
写真なんて撮ってんじゃないわよ。

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んま!
自分だけ食べにいったのね。
青豆とえびのいため。
まあ、紹興酒まで飲んで!

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ふう。
せつなくなっちゃった。
なんかアンニュイな気分なのは
えびと青豆いためが食べられなかったせいだけじゃないわね。

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前のおうちでは見られたトンビさんが
今のおうちには来てくれないからかもしれない。
あたし、あの時よりおねえさんになって
身体も大きくなったの。
今ならこの目力と体力でトンビさんを脅してあげることができるのに。
見られなくなって本当に残念よ。

え!トンビの方があたしより大きいの?
びっくりポンね。


ひかり


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by Mtonosama | 2016-03-20 07:12 | 映画 | Comments(8)

最高の花婿
-2-
Qu’est -ce qu’on a fait au Bon Dieu ?

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(C)2013 LES FILMS DU 24 - TF1 DROITS AUDIOVISUELS - TF1 FILMS PRODUCTION


3人の娘たちが皆アラブ人、ユダヤ人、中国人と結婚し、
宗教も生活習慣も違う婿たちとの交際には気疲れすることばかりのヴェルヌイユ夫妻。
そして、この子だけはカトリック教徒と結婚してほしいと願っていた末娘までも…

フランスでは大ヒットした映画です。

ストーリー
今日は三女の結婚式。
クロードとマリーのヴェルヌイユ夫妻。
おめでたい日なのに、心の底からは笑えない。

四人の娘がいる夫妻。
長女はアラブ人、次女はユダヤ人、そして三女は中国人と結婚したからだ。
もちろん、嬉しくない訳ではない。
ただ、ロワール地方シノンに暮らす夫妻は敬虔なカトリック教徒。
娘たちにも自分たちが式を挙げた教会で挙式してほしかったのに、
三女もまた異教徒と市役所で挙式したことに内心がっかりしていたのだ。

半年後
次女の息子の割礼式で遂にクロードの不満が噴き出す。
「モンマルトルは外国人ばかり」と話しただけで
婿たちに「それは差別だ!」と反撃され、キレてしまったクロード。
三女の婿が作ってくれた料理に手もつけず帰ってしまった。
残された婿たちも互いの民族を皮肉る内に大喧嘩に。

一年半後
マリーは娘たちに会えないのが寂しくて仕方ない。
嫌がるクロードを説得し、クリスマスに娘夫婦たちを招待することにした。
アラブ人の長女の婿のため、ハラールの七面鳥を購入し、
三女の夫に北京ダックのレシピを教わり、なんとか和解策を講じるマリー。
だが、クロードは最後の希望の星である末娘ロールを
知り合いのカトリック教徒の息子と結婚させようと画策していた。

そのロールは恋人シャルルと空港にいた。

突然、ロールの前に膝まづき、プロポーズするシャルル。
笑顔で「ウイ」と答えるロール。

が、しかし

シャルルはカトリックではあったが、
コートジボワール出身の黒人だった……

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ちょっと危ない展開です。
婿たちのみならず、「それって差別じゃね?」と言いたくなりますよね。

でも、この後の展開が楽しいんです。
フランス人も案外人情ものが好きなんだなあ、となんか嬉しくなりました。

でも、本筋とは関係ないんですけどね、
とのにはアラブ人婿とユダヤ人婿の区別がつかないのです。
どう見てもアラブ人としか思えない浅黒く濃い顔の婿が
その大きな鼻ゆえにユダヤ人だというし、
これはユダヤ人だと思いこんでいた婿がアラブ人なのだそうです。

ヴェルヌイユ夫妻のことを差別主義者という前に
自分自身、型にはまった民族観を持っていました。
すいません。

フランスでは外国人と親戚になることは身近な出来事で、
統計によればフランスの人種間混合結婚率は世界一。
20%近くが異なった民族・人種・宗教間での結婚しているのだそうです。
そんなフランスだからこそ難民問題で揺れながらも
こうした結婚をコメディとして笑い飛ばせる大らかさを持っていられるのでしょうか。

それでも、娘達の結婚に理解を示しながら内心穏やかでない
主人公夫婦の心情を「ある、ある」とわかってしまう人にとって
ある意味ガスを抜く映画になったのかもしれません。

4人娘の親としては
一度くらい自分たちの伝統に則った結婚式を挙げたかったのでしょう。
っていうか、
女目線で見れば、
どうしていつも婿側の習慣に従わなくてはならないの?と思うんですけど。





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最高の花婿
監督/フィリップ・ドゥ・ショーヴロン、脚本/フィリップ・ドゥ・ショーヴロン、ギィ・ローラン、撮影/ヴァンサン・マティアス
出演
クリスチャン・クラヴィエ/クロード・ヴェルヌイユ(父)、シャンタル・ロビー/マリー・ヴェルヌイユ(母)、メディ・サドゥアン/ラッシド・ベナセム(長女の夫)、アリ・アビタン/ダヴィッド・ヴェニシュ(次女の夫)、フレデリック・チョウ/シャオ・リン(三女の夫)、ヌーム・ディアワラ/シャルル・コフィ(四女の恋人)、フレデリック・ベル/イザヴェル・ヴェルヌイユ(長女)、ジュリア・ピアトン/オディル・ヴェルヌイユ(次女)、エミリー・カーン/セゴレーヌ・ヴェルヌイユ(三女)、エロディ・フォンタン/ロール・ヴェルヌイユ(四女)、パスカル・ンゾンジ/アンドレ・コフィ(シャルルの父)、サリマタ・カマテ/マドレーヌ・コフィ(シャルルの母)、タチアナ・ロホ/ヴィヴィアン・コフィ(シャルルの妹)
2016年3月19日(土)YEBISU GARDEN CINEMAほか全国順次ロードショー
2014年、フランス、97分、日本語字幕/横井和子、http://www.cetera.co.jp/hanamuko/

by Mtonosama | 2016-03-17 06:24 | 映画 | Comments(10)

最高の花婿
-1-
Qu’est -ce qu’on a fait au Bon Dieu ?

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(C)2013 LES FILMS DU 24 - TF1 DROITS AUDIOVISUELS - TF1 FILMS PRODUCTION


人は誰しも人生に夢を描きます。
自分だけではなく、
子どもの結婚に対してもこうあってほしいという夢を持っています。
そして、その夢にも
自分の来し方を反映させているものなのかもしれません。

人というのは自らの経験を基準にしてしか
物事を考えられない存在なのではございますまいか。

いえいえ、それほど大層なことではないのですが・・・

いや、やっぱり大変なことかも。

今回当試写室で上映する『最高の花婿(ハナムコ)』。
4人の娘を持つフランス・ロワール地方に暮らす夫婦が主人公です。

監督・脚本はフィリップ・ドゥ・ショーヴロン。
本作でリュミエール賞のオリジナル脚本賞を受賞しました。

フランス西部に位置するロワール地方には
シャンボール城やシノン城など
ロワール河沿いに美しい古城が点在しています。
パリからは約170km、車で2~3時間の観光地です。

主人公のヴェルヌイユ夫妻はフランスの典型的な中流階級。
カトリック信者で、教養もあって、伝統的なフランス系家庭に育った人たち。
そのお屋敷もお庭が広くてとっても素敵です。

「若草物語」のように4人の美しい娘も授かり、
満ち足りた日々を送っておりました。

ところが・・・

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上の3人の娘たちがアラブ人、ユダヤ人、中国人と結婚。
婿たちは生活習慣も違えば、宗教も違います。
典型的なフランス系中流階級であるヴェルヌイユ夫妻にとっては
異文化婿との交流はとまどうことばかり。
娘たちは自分たちのように教会で結婚式も挙げることもしなかったし、
その上、ハラールでしょ、割礼でしょ、コーシャでしょ、大家族でしょ。

ハラール
ハラールはイスラムの教えで「許されている」という意味のアラビア語。
反対に「禁じられている」と言う意味の言葉が「ハラーム(ハラム)」。
モノや行動が「神に許されている」のか「禁じられている」のかどうかを示す。
例えば、嘘をついたり物を盗んだりすることは「ハラム」とされる。
ハラールとは神に従って生きるイスラム教徒の生活全般に関わる考え方で
イスラム教徒の日々の生活全てに関わる商品やサービスなどの提供も含んでいる。
http://www.halal.or.jp/halal/


割礼
「安息日」や「過越祭」同様、ユダヤ教の重要な儀式。
通過儀礼として生後8日目の男児の性器の包皮を切り取る。
イスラム教でも重要とされるが、行う時期は新生児から思春期までと幅がある。


コーシャ
ユダヤ教徒のための食べ物に関する規定。
紀元前の旧約聖書の教えに即したカシュルートと呼ばれる厳格な「食事規定」がその語源。「コーシャ」とは「食べて良い食物」のことを意味する。
製品の原材料から製造過程まで厳しくチェックされ、その判断基準は細かく厳格。
http://www.kosher-japan.org/about.php

ヴェルヌイユ夫妻、表立っては娘たちの結婚に反対しないまでも、
「あ~あ」の心境でありましょう。

次女夫婦に男の子が生まれ、
割礼式で切り取られたモノを屋敷の庭に埋めさせられるし、
長女夫婦、次女夫婦との食事会ではハラールやコーシャを
考えてメニュー作りをしなければなりません。

あ~あ、大変。

さあ、いったいどんなお話でしょうか。
続きは次回まで乞うご期待でございます。



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最高の花婿
監督/フィリップ・ドゥ・ショーヴロン、脚本/フィリップ・ドゥ・ショーヴロン、ギィ・ローラン、撮影/ヴァンサン・マティアス
出演
クリスチャン・クラヴィエ/クロード・ヴェルヌイユ(父)、シャンタル・ロビー/マリー・ヴェルヌイユ(母)、メディ・サドゥアン/ラッシド・ベナセム(長女の夫)、アリ・アビタン/ダヴィッド・ヴェニシュ(次女の夫)、フレデリック・チョウ/シャオ・リン(三女の夫)、ヌーム・ディアワラ/シャルル・コフィ(四女の恋人)、フレデリック・ベル/イザヴェル・ヴェルヌイユ(長女)、ジュリア・ピアトン/オディル・ヴェルヌイユ(次女)、エミリー・カーン/セゴレーヌ・ヴェルヌイユ(三女)、エロディ・フォンタン/ロール・ヴェルヌイユ(四女)、パスカル・ンゾンジ/アンドレ・コフィ(シャルルの父)、サリマタ・カマテ/マドレーヌ・コフィ(シャルルの母)、タチアナ・ロホ/ヴィヴィアン・コフィ(シャルルの妹)
2016年3月19日(土)YEBISU GARDEN CINEMAほか全国順次ロードショー
2014年、フランス、97分、日本語字幕/横井和子、http://www.cetera.co.jp/hanamuko/

by Mtonosama | 2016-03-14 20:40 | 映画 | Comments(8)

エスコバル 楽園の掟
-2-
Paradise Lost

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(C)2014 Chapter 2 - Orange Studio - Pathe Production - Norsean Plus S.L - Paradise Lost Film A.I.E - Nexus Factory - Umedia - Jouror Developpement


本作を観る前は「麻薬王かあ」などと思っていました。
でも、デル・トロだから期待していいのかなあ、
と半信半疑で臨んだとの。
これがああた、すごいのなんのって。

作品の冒頭
ブラインド越しの薄暗い陽ざしの逆光の中に浮かび上がる
締まりなく肉のついた背中
巨万の富を得て
贅沢な暮らしと引き換えに得た身体。

と薄明かりの中の背中だけで
その男の人生を語っているのであります。

最初からがっつり捕まえられてしまいました。

さあ、エスコバルという男。
そして、
彼を間近に見て、その人生を表裏から語ることになったカナダ人ニック。
いったいエスコバルはどんな人生を生き
ニックはなにを見たのでしょうか。

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ストーリー
カナダ人サーファーのニックは兄と共にコロンビアを訪れた。
目の前に広がる青い海、白い砂浜。まさに楽園だった。
ある日、ニックは街で美しい女性マリアに出会い、一目で恋に落ちる。
大勢の男たちになにか指示を出す彼女。
男たちが巨大な垂れ幕を拡げ、そこには・・・

マリアには父のように敬慕する大切な叔父がいる。
その垂れ幕の中で微笑む男パブロ・エスコバルだ。
国会下院議員に当選し、国民から慕われ、世界7位の大富豪。
だが、
彼はコロンビア最大の麻薬カルテルのボスという裏の顔の持主でもあった。

そんなエスコバルが実の娘のように可愛がる姪のマリア。
彼女が連れてきた恋人ニックを暖かくファミリーに迎え入れる。

優しく穏やかなファミリー。
そこはエスコバルの楽園であり、王国であった。
だが、王国で甘い日々を過ごす内に
ニックの中に小さな黒い雲が湧き出してきていた。
やがて暗雲は彼の心を覆い尽くし、恐怖と不安が高まっていく……

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なんて言ったらいいでしょう。
そうだ、ガルシア・マルケスの世界なんです!
生も光も死も罪も一つに織り込まれ、どこか神話のような。
家族という血の結束。

が、しかし
それだけならレジェンドで終わってしまうかもしれない
エスコバルという稀有な存在を
他者の目を通してみつめさせるところがすごいです。
脚本も書いたアンドレア・ディ・ステファノ監督
いい仕事しています。

そして、ジョシュ・ハッチャーソン。
登場の瞬間から「こいつ、ただものじゃないぞ」と感じました。
24歳とは思えない、なんとも楽しみな俳優さんです。

麻薬王の話というだけで、ちょっとひいてしまったことを
深く恥じ入るとのであります。

もう一度ガルシア・マルケスを読みたくなりました。
中米コロンビア。
乾いた大地に吸い込まれていく死者たちの血。
同時に家族の中に連綿と流れ続ける血脈の血。
流される血と流れる血。
血の二面性を考えさせられた映画でした。






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☆2016年3月11日に更新しました。あの日から5年。亡くなった方々のご冥福をお祈り申し上げます。
そして、希望の火が燃え続けますように☆

エスコバル 楽園の掟
監督・脚本/アンドレア・ディ・ステファノ、製作総指揮/ベニチオ・デル・トロ、ジョシュ・ハッチャーソン、モーリッツ・ボーマン、製作/ディミトリ・ラッサム、撮影/ルイ・サンサーンズ
出演
ベニチオ・デル・トロ/パブロ・エスコバル、ジョシュ・ハッチャーソン/ニック、クラウディア・トレイザック/マリア、ブラディ・コーベット/ディラン、カルロス・バルデム/ドラゴ、アナ・ジラルド/アン
2016年3月12日(土)シネマサンシャイン池袋他全国順次公開
2015年、フランス・スペイン・ベルギー・パナマ合作、119分、日本字幕/岩辺いずみ
http://www.movie-escobar.com/

by Mtonosama | 2016-03-11 05:23 | 映画 | Comments(8)

エスコバル 楽園の掟
-1-
Paradise Lost

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(C)2014 Chapter 2 - Orange Studio - Pathe Production - Norsean Plus S.L - Paradise Lost Film A.I.E - Nexus Factory - Umedia - Jouror Developpement


ハリウッド映画って悪役をつくることに一生懸命な気がします。
冷戦時代なら映画の中でもソ連が敵でした。
冷戦が終わるとテロリストや中南米の麻薬王が悪役として登場しました。

今回、当試写室で上映する『エスコバル 楽園の掟』は
パブロ・エスコバルというコロンビアの麻薬王が主人公です。
しかし、ハリウッド映画ではなく
フランス・スペイン・ベルギー・パナマ合作作品。

エスコバルを演じるのはベニチオ・デル・トロです。
とんでもないワルでありながら
光と闇のふたつの顔と
善と悪のふたつの生活を持ち
南米のゴッドファーザーと称され
世界第7位の富豪にまで上り詰めた麻薬王エスコバル。

表では国会議員として慈善事業に携わり、
裏では政府を相手にテロ活動を行い
法務大臣を暗殺。
のみならず1000人もの殺人にも関与したエスコバル。
死後20余年にしてその人生は伝説の領域に入っています。

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パブロ・エスコバル
1949年12月1日、コロンビアに畜産業を営む父と教師の母との間に
3人目の子どもとして生まれる。
1969年、地元メデジンの大学に入学資格を得たが、入学は断念。
1970年代初頭~80年代初頭、コカイン売買に着手。
メデジン市周辺を本拠とするメデジン・カルテルを設立。
ピーク時には毎月70~80トンのコカインをコロンビアより米国に出荷。
世界中のコカイン市場の80%を支配。
1976年3月、当時15歳のマリーア=ビクトリア・ヘナオと結婚。
1982年7月、自由党から国会下院議員補欠に当選するが、
犯罪歴が暴露され資格剥奪。
1984年4月、米国への犯罪者引き渡し協定を推進していた法務大臣を暗殺。
1986年、エスコバルに批判的な「エル・エスペクタドール」の編集長を暗殺。
1989年5月、米誌「フォーブス」はパブロ・エスコバルが
世界第7位の富豪であると認定。
同年8月、麻薬規制強化を主張していた大統領候補を暗殺。
同年10月、大物政治家の暗殺を狙って、航空旅客機を空中爆破。
乗客乗員110名全員が死亡。
1991年6月、5年の服役と米国への引渡忌諱を条件にコロンビア政府と合意し、
個人用刑務所を自ら建設し、収監される。
サッカー場やディスコを完備した「ホテル・エスコバル」と
称される豪華な刑務所。
1992年7月、脱獄。政府に向けてテロ行為再開。
エスコバルにかけられた賞金は50億ペソ(約8億3千万円)。
1992年12月2日、メデジンの隠れ家に潜伏中、
特殊部隊がエスコバルと息子との電話を傍受。
隠れ家を急襲され、射殺される。
44歳だった。

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んまあ、なんという人生でありましょう!

でも、悪漢ぶりをいくら並べ立てたって映画にはなりません。
悪を際立たせるには善が、
闇が漆黒の度合いを深めるためには灼熱の太陽が必要なのです。

そんな俳優がいるのでしょうか。
いました。
ベニチオ・デル・トロです。

悪人は悪人面をしているとは限りません。
(デル・トロは悪漢顔というか、個性的な面構えではありますけどね)
最初は優しげに、にこやかに、接近してきます。
という訳で、レジェンドと化した悪役を描くには
デル・トロのような俳優は最高です。

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さらに
生贄となる子羊も必要です。
この子羊がジョシュ・ハッチャーソン。
1992年生まれの若手ですが、非常に良い味を出していました。

監督は俳優出身のアンドレア・ディ・ステファノ。
脚本も担当しています。
ほぼ真実に基づいているそうですよ。

作品中、『俺達に明日はない』でボニーとクライドが壮絶な最期を遂げた
銃痕だらけの車が出てきますが、これエスコバルが本当に自分で買ったのだとか!
おっと、これをばらしてはいけなかった。

さあ、一体どんなお話でしょう。
続きは次回まで乞うご期待でございます。



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エスコバル 楽園の掟
監督・脚本/アンドレア・ディ・ステファノ、製作総指揮/ベニチオ・デル・トロ、ジョシュ・ハッチャーソン、モーリッツ・ボーマン、製作/ディミトリ・ラッサム、撮影/ルイ・サンサーンズ
出演
ベニチオ・デル・トロ/パブロ・エスコバル、ジョシュ・ハッチャーソン/ニック、クラウディア・トレイザック/マリア、ブラディ・コーベット/ディラン、カルロス・バルデム/ドラゴ、アナ・ジラルド/アン
2016年3月12日(土)シネマサンシャイン池袋他全国順次公開
2015年、フランス・スペイン・ベルギー・パナマ合作、119分、日本字幕/岩辺いずみ
http://www.movie-escobar.com/

by Mtonosama | 2016-03-08 06:37 | 映画 | Comments(10)


IRIS APFEL
アイリス・アプフェル!
94歳のニューヨーカー
-2-
IRIS

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(C)IRIS APFEL FILM, LLC.


なんといっても彼女の人気を不動のものにしたのは
2005年の84歳のとき。

アイリスのファッション・コレクションの展覧会が
メトロポリタン美術館で開催されたことです。
彼女のデザインしたものとか、
創作したものとかでなく
彼女のファッション・コレクションの展覧会に
驚異的な人数の観客が押し寄せ、記録的な動員数をたたき出したのです。

そのコレクションは彼女が旅の間に集めた品々。
珍しい織物は衣服に
素朴な工芸品は宝飾品に
アジアの民族衣装はお洒落なファッションに変身しています。
いや、圧巻です。
彼女の並みはずれたファッションセンスは
まさに芸術の世界に属するものだと心の底から思いました。

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センスは一朝一夕にしてはならず。
アイリスの生まれ、生い立ち、
幼い頃から「人とは違うスタイル」を意識する豊かな感性。
それと毎年3ヶ月以上かけて世界中を旅したことが
アイリスをさらに磨きあげたのでしょうか。

映画には60年以上共に生き抜いてきた夫カールが
しじゅう彼女の隣に寄り添っています。

「ハリー・ウィンストンより4ドル程度のアクセサリーに胸が踊るの」

真っ白な髪とトレードマークである大きな丸い黒ぶち眼鏡。
そして何よりも当意即妙で品の良いユーモア。

「自分を美人だと思ったことは一度もない。
私みたいな女は努力して魅力を身につけるの。色々なことを学び個性を磨くのよ」


さて、メトロポリタン美術館で
彼女のコレクションが大評判を呼び、
それはニューヨークを出て全米の各都市を巡回。
84歳のアイリスは自ら「80代の新人」と称しました。
その天性の魅力に惹きつけられた
ファッションデザイナーや「J.Crew」のCEO、
ミュージシャンや映画監督などが本作にも登場して彼女を誉めそやします。

そこにいつも寄り添い、ジョークを言ったり、
彼女を見守るのは100歳の夫カール。

スクリーンで観るアイリスは誰もが羨む幸運で有能な女性です。
あまりに幸せそうな人を見るとついついわが身に引き比べ
チッ!と舌打ちしたくなるもの。

でもね、彼女の人の気をそらさないユーモアと明るい存在感は
そんなひがみ根性は弾き飛ばしてしまいます。

94年も生きていればいろいろあったに決まっています。

「子供は望まなかった。全てを手に入れるのは無理だとわかっていたから、
キャリアと旅行を選んだ」


潔い人生です。

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まだ人生に納得のいかない人に、彼女の一言を。

「人生なんて陰鬱で退屈なもの。
でも、ドレスアップした時には少しだけ楽しみもあるのが人生」


本当にそう。
学校で、会社で、家で、面白くないことがあったら、
っていうか、面白くないことの方が多いかもしれません。
そんな時、いつもの洋服にジャラジャラとアクセサリーをつけて
一人ファッションショーをやるのも良いかもしれません。

この映画、絶対元気が出ます。
アクセサリーの使い方も目から鱗です。

今回、当試写室で紹介した画像だけでは絶対足りません。
ぜひ、映画館へいらしてくださいませ。





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IRIS APFEL
監督/アルバート・メイプルズ、製作/ローラ・コクソン、レベッカ・メイズルズ、ジェニファー・アシュ・ラディック、共同製作/ポール・ラブレース、製作総指揮/ドリーン・スモール、撮影/アルバート・メイプルズ、ネルソン・ウォーカーⅢ、ショーン・ブライス・ウィリアムス
2016年3月5日(土)角川シネマ有楽町ほか全国ロードショー
2015年、アメリカ、英語、80分、日本語字幕翻訳/チオキ真理、配給/KADOKAWA
http://irisapfel-movie.jp/

by Mtonosama | 2016-03-05 06:20 | 映画 | Comments(8)

IRIS APFEL
アイリス・アプフェル!
94歳のニューヨーカー
-1-
IRIS
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(C)IRIS APFEL FILM, LLC.

試写会に行くと思わぬ有名人をお見かけすることがあります。
今回の場合は森英恵さんでした。
あ、お若い方には森泉さん、星さんのおばあちゃまと言った方が
よくわかるかもしれませんね。
森英恵さんは1926年生まれですから今年90歳。
え~っ!
とてもそんなお歳には見えませんでした。

本作『IRIS APFEL』は
90歳代の元気でお洒落でファッション業界の女性が主人公のドキュメンタリー映画。
そのつながりで森英恵さんがいらしていたと思われます。
背中もしゃんと伸びて、歩く姿も美しく
思わずみとれてしまいました。

ところが
このアイリス・アプフェルというお方のあでやかさ。
日本語でいえばアヤメ・リンゴさん。
まあまあ、なんて派手なファッションでしょう!
ニワトリの卵ほどもあるネックレスを何連も身につけ、
おまけにブレスレットも。
歩けば音がするほど飾り物をつけておいでです。

でも、これがちっとも下品ではないんですねえ。
あまりに素敵なので
帰宅後、ありったけのアクセサリーを引っ張り出して真似をしたとのです。
でも
ああ・・・

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アイリス・アプフェル
94歳の彼女。多くの有名デザイナーに尊敬され、
今もニューヨークのカルチャーシーンに影響を与える女性です。
このお方、1950年代からインテリアデザイナーとして活躍。
夫カール・アプフェルと設立したテキスタイル会社が大成功し、
ジャクリーン・ケネディや歴代大統領から
ホワイトハウスの装飾を任されました。
ジャクリーンとはひと悶着あったそうですけどね。
おっと、これはここで言ってはいけなかったでしょうか。

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1921年生まれのアイリス・バレル・アプフェルは
ニューヨーク州クィーンズのアストリアで
弁護士でブティック経営者の母セイディ・バレルと
インテリア装飾家の父サミュエル・バレルの間に
一人娘として生まれた。
ニューヨーク大学で美術史を学んだ後、
「Women’s Wear Daily」誌に就職したが、
雑用係としてのポジションでは将来が無いと退職。
インテリアデザイナーのエリナー・ジョンソンに師事。
1940年代上流階級の顧客を相手に仕事。
その後、自身でインテリアデザイン業を始める。
1948年カール・バテルと結婚。
1950年代初頭、夫妻で「Old World Weavers」社を設立。
アイリスの監修でアンティークの生地を正確に再現、製造。
大成功を収める。
夫妻は毎年世界中を飛び回り、
貴重なテキスタイルデザインを見つけては製造、修復作業に貢献。
アイリスはこの旅を通じて熱心なコレクターになる。
1950年代ニューヨーク社交シーンの常連となり、
その独創的なスタイルが称賛される。

監督はジャン=リュック・ゴダールによって
「最高のアメリカ人カメラマン」と称されたアルバート・メイズルズ。
2015年にはオバマ大統領から名誉勲章を受章したが、
同年膵臓がんのため88歳で亡くなりました。

アイリス・アプフェルさん
いったいどんな女性でしょう。
続きは次回まで乞うご期待でございます。



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IRIS APFEL
監督/アルバート・メイプルズ、製作/ローラ・コクソン、レベッカ・メイズルズ、ジェニファー・アシュ・ラディック、共同製作/ポール・ラブレース、製作総指揮/ドリーン・スモール、撮影/アルバート・メイプルズ、ネルソン・ウォーカーⅢ、ショーン・ブライス・ウィリアムス
2016年3月5日(土)角川シネマ有楽町ほか全国ロードショー
2015年、アメリカ、英語、80分、日本語字幕翻訳/チオキ真理、配給/KADOKAWA
http://irisapfel-movie.jp/

by Mtonosama | 2016-03-02 05:59 | 映画 | Comments(8)