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殿様の試写室

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ノーマ、世界を変える料理
-2-
NOMA MY PERFECT STORM

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(C)2015 DOCUMENTREE FILMS LTD


さてさて、
このユニークな料理と天才シェフに密着したのがピエール・デュシャン監督です。

ピエール・デュシャン監督
フランス出身。90年代初めからTV業界で活躍。
2007年にショートドキュメンタリー
『Looking North For A Gastronomic Revolution』(‘08)を撮影するため
「ノーマ」を訪れたのがきっかけとなって本作を製作することになる。
本作で第63回サン・セバスチアン国際映画祭キュリナリー・シネマ部門で
TOKYO GOHAN AWARD(最優秀作品賞)を受賞。
第66回ベルリン国際映画祭キュリナリー・シネマ部門にも正式出品。

(ちなみにキュリナリー(culinary)とは台所や料理のことナリー。
いろんなシネマ部門があるものです)

イギリスのブライトンを拠点に活動し、
本作のプロデューサーでもある妻のエタ・トンプソン・デュシャンの間には
カシウス、ルー、ナマステの3人の子どもがいるピエール・デュシャン監督です。

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そして、
この映画の主人公レネ・ゼネピですが、
既にお知らせしたように
自然豊かなマケドニアの自給自足の小さな村で
幼い頃過ごしました。
その体験がデンマーク特有の食材を探求するという
ノーマの方針につながっているのかもしれません。

デンマークの森林の苔
あるいはデンマークの地面を歩きまわる蟻

なんたって苔を材料に盆栽のような料理や、
ほんのり酸っぱい蟻ソースを作ってしまう程ですから。

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このゼネピさん、
地元の料理学校で学んだ後、スペインの「エル・ブリ」、
アメリカの「ザ・フレンチ・ランドリー」など世界の一流店で腕を磨き、
2003年、25歳で「ノーマ」のヘッドシェフ兼創設者の一人となりました。
2012年には「世界で最も影響力のある100人」(タイム誌)に。

食の追求は
地球環境への目配りにも通じていきます。
アートのような料理や
風変わりな食材を使うだけでなく
なんとゴミとして捨てる食材で料理を作る
「トラッシュ・クッキング」プロジェクトや
食に関する研究所「ノルディック・フード・ラボ」設立など
その活動はレストランの枠を飛び出しています。
ま、言ってみれば食の革命家ですか。

店までの足は自転車。
ひげづらにジャージ。
若いスタッフと料理について対等に話し合うゼネピ。
そのスタッフの白衣の腕にはタトゥも。
真っ白なテーブルクロスやシルバーのカトラリーといった
高級レストランにつきものの備品も一切ありません。
2003年の開店当時、食材を北欧のものに限定するという考えには非難も多く、
「クジラの脂身レストラン」と中傷されたことも。
それが
開店から僅か7年で「世界ベストレストラン50」第1位に輝きました。
ところが2013年あってはならない事件が。
なんと「ノーマ」で食事をした63名がノロウィルスによる食中毒になってしまったのです。
「世界ベストレストラン50」ランキングも2位に落ち……

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人類で初めてウニやナマコを食べた人はものすごい勇気の持主だと思いますが、
苔を食べるというのも相当なものです。

日々新しい食材を求め、
「自分が作る料理がレシピとなっていく」と豪語する快男児レネ・ゼネピ。
その探究心は食の未来を変えるものとなっていくかもしれません。

でも、もう少しお手軽なお値段で食べられればいいのに。
だって、苔や蟻って材料費はただじゃない?





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noma
撮影・監督/ピエール・デュシャン、プロデューサー/エタ・トンプソン・デュシャン、エグゼクティブ・プロデューサー/マルテ・ウッセン、リカルド・セバロス、マレーネ・ブレンコー、ミケル・ショネマン、エタ・トンプソン・デュシャン、製作/ドキュメントゥリー・フィルムズ、共同製作/レッドレンタルA/S、グッドローリングフィルムズ、協力/南西ドイツ放送
出演
レネ・レゼピ、ハンネ・レゼピ、アリ・ラミ・レゼピ、クラウス・マイヤー、フェラン・アドリア、トール・ノーレットランダーシュ、ポール・カニンガム、セレン・レデット、アナス・セルマ、フィリップ・ウデ、マット・ゴールディング、アンドレア・ペトリーニ、レオナルド・ソウサ、ローランド・リットマン、セレン・ヴィウフ、ロデリック・スローン、ターゲ・レンネ、ダニエル・ジュスティ、ロシオ・サンチェス、ラース・ウィリアムズ、トーマス・フレベル、レストラン「ノーマ」のチーム
4月29日(金・祝)新宿シネマカリテほか全国順次ロードショー
2015年、イギリス、英語・アルバニア語・デンマーク語・スウェーデン語・フランス語・スペイン語、99分、日本語字幕/高岡佑己子、後援/デンマーク大使館、配給/ロングライド
http://www.noma-movie.com/

by Mtonosama | 2016-04-28 06:13 | 映画 | Comments(12)

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ノーマ、世界を変える料理
-1-
NOMA MY PERFECT STORM

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Photo by Pierre Deschamps (C)2015 DOCUMENTREE FILMS LTD


B級グルマンですらないとのは
この世界一だというデンマークのレストラン
「nomaノーマ」のことを知りませんでした。
まして、
日本で期間限定出店をし、
ニュースなできごとだったということも初耳でした。
いかんなあ。
遅れているなあ。

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Photo by Pierre Deschamps (C)2015 DOCUMENTREE FILMS LTD

昨年1月東京マンダリンオリエンタル東京に
9日から31日まで出店し、
お値段は39,800円(消費税8%、サービス料13%別途)!

定員2000名のところへ
世界中から6万件以上の予約が殺到したとか!

まあ!!
あるところにはあるものでございます。

とのはお腹がいっぱいになれば良いという程度の人間ゆえ
美味しいものを判定する基準としては
ミシュラン位しか知りませんでした。
もちろん
星付きのお店等行ったことはございませんが。

ま、知る人ぞ知るノーマ
知らない人は聞いたこともないノーマ
その天才カリスマオーナーシェフが
今回この映画に登場するレネ・レゼピです。

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(C)2015 DOCUMENTREE FILMS LTD

レネ・レゼピ
1977年コペンハーゲンに生まれた38歳。
イスラム系移民の父とプロテスタントの母を持ち、
幼少期は祖父の故郷マケドニア共和国(旧ユーゴスラヴィア)の農家で育つ。

彼が食にかける熱意と
ユニークな食材やレシピ
イスラム系移民として差別を受けてきた生い立ち
「nomaノーマ」開店当初の苦心
さらに
ノロウィルス中毒事件
そして
今や、ミシュランよりも
若きシェフたちのプロ意識を掻き立てるという世界的な賞、
世界ベストレストラン50(The World’s 50 Best Restaurants)で
4度も1位を獲得したノーマとカリスマシェフ、レネ・レゼピに
ピエール・デュシャン監督が4年間密着して撮影した
ドキュメンタリー映画が本作です。

世界ベストレストラン50(The World’s 50 Best Restaurants)
英国のウィリアム・リード・ビジネス・メディア社が
2002年に設立した世界的なレストラン・アワード。
年に1回、各国の食の専門家や評論家など930余名の評議委員の投票数により、
世界中のレストランの中から選ばれた50店をランキングで発表する。
1位のレストランには年間200万件ものアクセスが集中。
ランキングが料理業界だけではなく
観光を含む国の経済効果にも大きく影響するといわれる。

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Photo by Pierre Deschamps (C)2015 DOCUMENTREE FILMS LTD

ちなみに2015年度の1位はエル・セジェ―ル・デ・カン・ロカ(スペイン)。
ノーマは3位でした。
日本のお店も2店入っていますよ。
8位にNARISAWA
29位に日本料理 龍吟です。

イギリスといえば昔はまずい料理の代表みたいにいわれていたものですが、
まあ、なんとそのイギリスで始まった賞なんですね。
美味しい料理を心底願っていたんでしょう。


さあ、いったいどんなお料理が登場するのでしょう。



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noma
撮影・監督/ピエール・デュシャン、プロデューサー/エタ・トンプソン・デュシャン、エグゼクティブ・プロデューサー/マルテ・ウッセン、リカルド・セバロス、マレーネ・ブレンコー、ミケル・ショネマン、エタ・トンプソン・デュシャン、製作/ドキュメントゥリー・フィルムズ、共同製作/レッドレンタルA/S、グッドローリングフィルムズ、協力/南西ドイツ放送
出演
レネ・レゼピ、ハンネ・レゼピ、アリ・ラミ・レゼピ、クラウス・マイヤー、フェラン・アドリア、トール・ノーレットランダーシュ、ポール・カニンガム、セレン・レデット、アナス・セルマ、フィリップ・ウデ、マット・ゴールディング、アンドレア・ペトリーニ、レオナルド・ソウサ、ローランド・リットマン、セレン・ヴィウフ、ロデリック・スローン、ターゲ・レンネ、ダニエル・ジュスティ、ロシオ・サンチェス、ラース・ウィリアムズ、トーマス・フレベル、レストラン「ノーマ」のチーム
4月29日(金・祝)新宿シネマカリテほか全国順次ロードショー
2015年、イギリス、英語・アルバニア語・デンマーク語・スウェーデン語・フランス語・スペイン語、99分、日本語字幕/高岡佑己子、後援/デンマーク大使館、配給/ロングライド
http://www.noma-movie.com/

by Mtonosama | 2016-04-25 08:17 | 映画 | Comments(2)
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アイヒマン・ショー
~歴史を映した男たち~
-2-
The Eichmann Show

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(C) Feelgood Films 2014 Ltd.


1961年エルサレムで開廷された裁判。
被告はアドルフ・アイヒマン。

アドルフ・アイヒマン
第2次世界大戦下のナチス親衛隊将校で
ナチス政権による「ユダヤ人問題の最終的解決」(ホロコースト)に関与。
数百万の人々を強制収容所へ移送するにあたって指揮的役割を担う。
戦後はアルゼンチンで逃亡生活を送ったが、
1960年イスラエル諜報特務庁(モサド)によってイスラエルに連行された。
1961年4月より人道に対する罪や戦争犯罪の責任などを問われて裁判にかけられ、
同年12月に有罪・死刑判決。翌年6月に絞首刑。(Wikipedia)

1961年、世界は最早戦後ではなくなっていました。
宇宙には世界初の有人宇宙船ヴォストーク1号が飛び、
アメリカはキューバと国交を断絶し、
40代のケネディが第35代大統領に就任し、
ベルリンの壁ができ、
南アフリカ連邦がイギリスから独立。

そんな時代、
ミルトン・フルックマンはアイヒマン裁判のTV放映権を獲得し、
世界中にナチの犯罪を知らしめようとしていたのです。
さあ、TVが大きな力を持っていた60年代。
TV業界人が行なったことを見てみましょう。

ストーリー
第2次世界大戦から15年。
イスラエルへ移送されたアイヒマンはエルサレムの法廷で裁かれることになった。

1961年、革新派の敏腕プロデューサー、ミルトン・フルックマンは
アイヒマンの裁判を世界中にTV中継するという
計画の実現に向けて動いていた。
「ナチスがユダヤ人に何をしたか、TVで世界中に見せる。
これはTV史上において最も重要な事件となる」

その撮影には最高のスタッフを集めなければならなかった。
監督にはドキュメンタリー監督レオ・フルヴィッツを任命。
彼は全米を吹き荒れたマッカーシズムを受け、
10年以上も仕事を干されていたフルヴィッツにとっても
アイヒマン裁判の撮影は大きな賭けである。

エルサレムに到着したフルヴィッツは現地の撮影チームと
急ピッチで準備を始めた。
フルックマンは裁判を撮影できるよう、
判事たちへの根回しをする。
法廷の壁を改造し、隠しカメラを設置し、
裁判の進行を妨げない工夫をするなどして撮影許可を得た。
だが、フルックマンに対してはナチスシンパからの脅迫など圧力が高まる。

一方、フルヴィッツはアイヒマンをモンスターとしてではなく
一人の人間としての姿をカメラに捉えたいと考えていた。
だが、スタッフの中にはそんな考えに反感を持つ者もいた。

裁判は始まった。
4ヶ月にもわたる裁判の間、映像はすぐさま編集され、
世界37ヶ国で放映された。
衝撃的な証言は世界中の視聴者を驚かせた。
しかし、アイヒマンはどんな証言を聞いても表情を変えることなく
罪状を否認し続けるのだった……

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アウシュヴィッツの体験を語ることのできなかった被害者にとって
この裁判は自分たちの体験を初めて語る場になりました。
そして、世界中の視聴者にとっても被害者の生の声を聞き、
表情を見る初めての機会となりました。

ハンナ・アーレントが裁判で観察したアイヒマンを「悪の凡庸」と表現し、
同胞であるユダヤ人たちからの反発を受けました。

追求されるアイヒマンの表情にはなんの変化もありません。
(アイヒマンは実写フィルムです)
元来、無表情な人間なのでしょうか。
映画の中で、フルヴィッツが
「彼の表情を見逃すな。指先の変化をとらえろ」
などと苛立ちながら指示を飛ばしてもアイヒマンは唇を歪めているだけ。
悪の凡庸というより凡庸そのものです。
凡庸な人間が凡庸ななりに命令を忠実に果たしたのでしょうか。

つい想いはアイヒマンの心理状態に向ってしまいます。
ですが、
証言台に立った112人の証人たちの証言に胸を打たれます。
しかし、それでも表情を変えないアイヒマン。
放映当時も、殺された600万人のユダヤ人の無念さを
あらためて感じた視聴者は多かったことでしょう。

TVはかつての力を失ってしまったかもしれませんが、
媒体力を強固にするのはそれに携わる人の信念と情熱です。

伝えること
忘れないことの大切さを教えてくれた作品でした





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アイヒマン・ショー
監督/ポール・アンドリュー・ウィリアムズ、脚本/サイモン・ブロック、製作/ローレンス・ボウエン、ケン・マーシャル、撮影/カルロス・カタラン
出演
マーティン・フリーマン/ミルトン・フルックマン、アンソニー・ラバリア/レオ・フルヴィッツ、レベッカ・フロント/ミセス・ランドー、ゾラ・ビショップ/エヴァ・フルックマン、アンディ・ナイマン/デイヴィッド・ランダー、ニコラス・ウッドソン/ヤコブ・ジョニロウィッツ、ルベン・ロイド・ヒューズ/アラン・ローザンター、ベン・アディス/ロン・ハンツマン、ディラン・エドワーズ/ロイ・セドウェル、ダスティン・サリンジャー/デイヴィッド・アラド、ソロモン・モーズリー/ペリー・ロディッド、キャロライン・バートリート/ジュディ・ゴールド、エド・バーチ/ミレク・クネーベル、アンナ=ルイーズ・ブロウマン/ジェーン・ダッドリー、ナサニエル・グリード/トミー・フルヴィッツ、バイドタス・マルティナイティス/アドルフ・アイヒマン、イアン・ポーター/NYタイムズ記者、ネル・ムーニー/ NYタイムズジャーナリストの妻
4月23日(土)ロードショー
2015年、イギリス、96分、カラー、日本語字幕/松岡葉子、配給/ポニーキャニオン、http://eichmann-show.jp/

by Mtonosama | 2016-04-22 05:50 | 映画 | Comments(7)

アイヒマン・ショー 
~歴史を映した男たち~

-1-
The Eichmann Show

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(C) Feelgood Films 2014 Ltd.

人生には節目があります。
それは歴史でも同じことでしょう。
昨年は2015年。
第2次世界大戦が終わり70年目の節目でした。

当試写室でも2015年は

2月『パリよ、永遠に』
http://mtonosama.exblog.jp/23698104/ http://mtonosama.exblog.jp/23710377/
6月『沖縄うりずんの雨』
http://mtonosama.exblog.jp/24126569/ http://mtonosama.exblog.jp/24137161/
9月『顔のないヒトラーたち』
http://mtonosama.exblog.jp/24515223/ http://mtonosama.exblog.jp/24522309/ http://mtonosama.exblog.jp/24529108/
10月『母と暮らせば』
http://mtonosama.exblog.jp/24721305/ http://mtonosama.exblog.p/24731180/

を上映いたしました。

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人間という生きものは忘れないと次には進めないものですが、
忘れっぱなしでは、同じ過ちを繰り返すやっかいな存在です。

本作『アイヒマン・ショー ~歴史を映した男たち~』は
強制収容所解放70周年を記念して2015年に制作された作品です。

1961年エルサレムで開かれた裁判。
ナチスの戦犯アイヒマンを裁くこの裁判の
TVドキュメンタリーを制作・放映した人々を描いた物語です。
世界初のこの試みに挑戦する制作チームの勇気、情熱、葛藤を描き出した感動作。

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このTV番組が放映されなければ
世界はユダヤ人に対して行われた恐るべき虐殺を知ることはなかったかもしれません。

そうです。1961年のアイヒマン裁判は
ハンナ・アーレントが傍聴したあの裁判です。
http://mtonosama.exblog.jp/20634449/ http://mtonosama.exblog.jp/20659388/

本作は
あのアイヒマン裁判を
TV放映したプロデューサーであるミルトン・フルックマンと
ドキュメンタリー映画製作者レオ・フルヴィッツが
さまざまな苦難や妨害を乗り越えて撮影・放映するに至る過程を描いた
戦後70年を語るもうひとつの実話です。

ミルトン・フルックマン
当時35歳でアイヒマン裁判のTV放映権を獲得。
4ヶ月にわたる撮影期間、毎晩37ヶ国に映像を配給したアメリカのプロデューサー。
裁判前にはリタ・ヘイワースの『サロメ』(‘53)、
ドキュメンタリーシリーズを含む数多くのハリウッド映画に携わった。
その後、彼はその業績により放送界のピューリッツァー賞といわれる
ジョージ・フォスター・ピーボディ賞を受賞。

レオ・フルヴィッツ(1909~91)
ドキュメンタリー『Native Land』(‘42)『Strange Victory』(‘48)で
名声を得たアメリカでも最も有名な映画製作者。
だが、マッカーシー上院議員により10年間ブラックリストに載せられていた。

1963年フランクフルト・アウシュヴィッツ裁判
(これも一人のジャーナリストと若い検事が道を開いた裁判でした)
http://mtonosama.exblog.jp/24515223/ http://mtonosama.exblog.jp/24522309/ http://mtonosama.exblog.jp/24529108/

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この裁判によってドイツ人が自らの罪を知り、ナチの行なった大量虐殺を断罪したように、
フルックマンやフルヴィッツの信念と勇気が
世界中にこの残虐行為を世界に知らしめたのです。
手に汗握る展開の合間に
当時のモノクロ映像が挿入されます。
ミルトン・フルックマンを演じたマーティン・フリーマンが
「収容所の実録シーンを見るのは辛かった。
ものすごく多くのホロコースト映像が用意されていて
中にはこれまで見たこともないものもあった」
と語っています。

忘れないこと
知らせること
伝えること

時に頑なであり、周囲の反感を買うこともあるこうした行動こそ
私たち大人のなすべきことなのではないでしょうか。

あ、熱くなってしまいました。

さあ、どんなお話なのでしょう。
この映画をご覧になるときっと皆さんも熱くなってしまうと思います。



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アイヒマン・ショー
監督/ポール・アンドリュー・ウィリアムズ、脚本/サイモン・ブロック、製作/ローレンス・ボウエン、ケン・マーシャル、撮影/カルロス・カタラン
出演
マーティン・フリーマン/ミルトン・フルックマン、アンソニー・ラバリア/レオ・フルヴィッツ、レベッカ・フロント/ミセス・ランドー、ゾラ・ビショップ/エヴァ・フルックマン、アンディ・ナイマン/デイヴィッド・ランダー、ニコラス・ウッドソン/ヤコブ・ジョニロウィッツ、ルベン・ロイド・ヒューズ/アラン・ローザンター、ベン・アディス/ロン・ハンツマン、ディラン・エドワーズ/ロイ・セドウェル、ダスティン・サリンジャー/デイヴィッド・アラド、ソロモン・モーズリー/ペリー・ロディッド、キャロライン・バートリート/ジュディ・ゴールド、エド・バーチ/ミレク・クネーベル、アンナ=ルイーズ・ブロウマン/ジェーン・ダッドリー、ナサニエル・グリード/トミー・フルヴィッツ、バイドタス・マルティナイティス/アドルフ・アイヒマン、イアン・ポーター/NYタイムズ記者、ネル・ムーニー/ NYタイムズジャーナリストの妻
4月23日(土)ヒューマントラストシネマ有楽町、YEBISU GARDEN CINEMA他にてロードショー
2015年、イギリス、96分、カラー、日本語字幕/松岡葉子、配給/ポニーキャニオン、http://eichmann-show.jp/

by Mtonosama | 2016-04-19 09:49 | 映画 | Comments(2)

三毛猫ひかちゃん
お花見の巻 -39-



あたし、ひかちゃん

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自分でいうのもなんだけどかわいいわねえ。


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飼い主っていつも季節外れなの。
これは3月の終わり。

皇居乾門が通行可能になったというので飼い主はお友達と出かけたんだって。
交通制限と入場規制と荷物検査とボディチェックでひどい目にあった、と
ぶーたれながら帰ってきたわ。



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お留守番させられて拗ねていたあたしだけど



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こんな艶姿で
ボディチェックに傷ついた飼い主を迎えてあげたわよ。



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春はいいわね。
花ニラって目立たない草だけど、
可憐よね。
え?あたしみたい?
フフ、ありがとう。



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これは4月3日よ。
小田急線高座渋谷駅から5~6分も歩いた引地川の千本桜。
千本とは言ってるけど本当は600本位らしいわ。

ここでは交通制限もおまわりさんの規制もなかったって。

あいにくのお天気だったけど
超・熱燗のカップ酒と1本70円の焼き鳥を
桜のトンネルの下をそぞろ歩きながら楽しんだそうよ。

私は花より猫缶だから
一人でお留守番したわ。

ひかり


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by Mtonosama | 2016-04-16 06:02 | 映画 | Comments(12)

オマールの壁
-2-
OMAR


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走るオマール。
その前にそそり立つ高いコンクリート塀。
塀にはロープが下がっていて、オマールはそれを伝い
器用によじ登っていきます。

ストーリー
ヨルダン川西岸地区。
長大な壁が町を分断するパレスチナ人居住区に
オマールは両親、妹弟と共に暮らしている。
彼はイスラエル兵の監視の隙を見ては、
壁をよじ登り、向こう側に住む親友タレクとアムジャドに会いにいく。
3人は“自由の戦士”を目指し、武装組織から銃を入手し、
イスラエル軍への襲撃作戦を練っていた。
オマールはタレクの妹ナディアを恋しており、彼女との結婚を夢見ていた。

ある日、イスラエル兵の気まぐれで不当な暴行を受け、侮辱されたオマール。
彼はタレクとアムジャドに作戦の決行を持ちかける。
タレクが司令塔、オマールが車の運転、アムジャドが狙撃担当だ。
検問所のイスラエル兵に向けてアムジャドが発砲、一人の兵士が倒れる。
数日後、オマールがイスラエル秘密警察に拘束された。
どれだけひどい拷問を受けても黙秘し続けるオマール。
証拠がなければ3人とも無罪の筈だった。

だが、オマールは罠にはまった。
パレスチナ人の囚人を装い、オマールに接近した男に
「絶対に自白などしない」と言ってしまったのだ。
こっそり録音されたこの発言をイスラエル軍事裁判所は自白とみなし、
懲役90年の刑が科せられる。
更にイスラエル秘密警察のラミ捜査官から
恋人ナディアにも秘密警察の手が伸びると暗示されたオマール。
ラミから提示された、タレクの逮捕に協力せよ、という
交換条件をのんだふりをして釈放される。
何者かから狙撃犯はタレクだという偽情報が伝わっていたのだ・・・

釈放されたオマールはタレクとアムジャドに会い、
イスラエル秘密警察を襲撃する計画を立てる。
作戦は失敗、4人の味方も犠牲になる。
再び拘束されるオマール。
その時、彼はラミの言葉からアムジャドがスパイだったことに気づく。

一方、「裏切者はオマールだ」というアムジャドの嘘を信じたナディアは、
オマールを避けるように……

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アムジャドのスパイ行為をなじるオマールが聞いた言葉は耳を疑うものでした。
秘密警察に「アムジャドがナディアを妊娠させたことを暴露する」と脅された・・・というのです。
(あ、蛇足ですが、イスラムの戒律では婚前交渉はタブーなのです)

えーっ!
オマールは最愛の人ナディアを失ったのみならず、
アムジャドには二重に裏切られていたことになるではありませんか。

そして、観客が目にする思いもかけないラスト。

アラブ世界の映画は政治的に深刻なテーマを抱えていたり、
メッセージ性の高い作品が多かったりします。
観客もまた眉間に皺を寄せて、腕を組みながら鑑賞する
という態度をとらざるを得ません。

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ところが、本作のスリリングな展開といったらどうでしょう。
もちろんパレスチナ人の置かれた状況は悲惨ではありますが、
まず観客に迫ってくるのは
自分がオマールの立場に置かれたら
どうする?どうなる?ということ。
この盛り上げ方、観客の心の掴み方。

そして、あのラストです。
ハニ・アブ・アサドという人、
ドラマツルギーの天才じゃないでしょうか。

監督はこんなことを言っています。

「映画を作る際、リアリティは信憑性ほどには重要ではない
この作品に関してはどのシーンも実態に即していて、現実味がある
偶然が重なるドラマチックな架空の話のように見えるかもしれないが、
実際にドラマ的な効果を狙って物語から逸れるのは一度だけだ
それ以外はすべて今日の占領パレスチナの実態を反映していると思う」


作劇術じゃないって!?
としたらパレスチナが抱える現実ってどれだけ?
だから、素人の俳優4人がこれだけの演技ができるのでしょうか。
彼ら4人は本当に
パレスチナのオマールであり、ナディアであり、タレクであり、アムジャドなんですね。





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オマールの壁
監督・脚本・製作/ハニ・アブ・アサド、撮影/エハブ・アッサル、編集/マーティン・ブリンクラー、イヤス・サルマン
出演
アダム・バクリ、ワリード・ズエイター、リーム・リューバニ、サメール・ビシャラット、エヤド・ホーラーニほか
4月16日(土)より角川シネマ新宿、渋谷アップリンク他ロードショー
2013年、パレスチナ、97分、アラビア語・ヘブライ語、カラー、配給/アップリンク、http://www.uplink.co.jp/omar/

by Mtonosama | 2016-04-13 06:15 | 映画 | Comments(10)

オマールの壁
-1-
OMAR

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「国境に壁をつくればいい」
と或る国の共和党大統領候補が言いました。
確か還暦はとっくに超えていると思いますが、
思い浮かんだ言葉を頭脳によって編集することも濾過することもなく
ペラペラと軽々しく話すおっさんです。

『オマールの壁』
ハニ・アブ・アサド監督がこの映画の舞台に選んだのは
壁によって分断されてしまったパレスチナの町。

イスラエルが今も造り続ける壁は
パレスチナとイスラエルの境界に沿って
建てられている訳ではありません。

壁はパレスチナ人の領地に侵入し、
パレスチナ人の財産を破壊し、
パレスチナ人の土地を接収し、
パレスチナ人の移動を制限する形で建てられています。

あのトランプ候補ですら壁は国境につくると言っているのに、です。

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2005年の『パラダイス・ナウ』で自爆攻撃に向う若者たちを描き
ゴールデングローブ賞外国語映画賞を受賞、
アカデミー賞外国語映画賞にノミネートされたハニ・アブ・アサド監督。

本作では、分離壁によって囲まれたパレスチナの今を生きる若者たちを描き出し
カンヌ国際映画祭を始め、多くの映画祭で賞讃され、
再び、アカデミー賞外国語映画賞にノミネートされました。
スタッフはすべてパレスチナ人、
撮影もすべてパレスチナ、
100%パレスチナの資本によって製作されています。

あ、そうでした。
字幕監修には重信メイさんが当たっています。

当試写室でも上映した『革命の子どもたち』
http://mtonosama.exblog.jp/22421331 http://mtonosama.exblog.jp/22442952/
に登場した日本赤軍・重信房子の一人娘で
ジャーナリストとして活動している方です。

すみません。話が少し逸れました。

ハニ・アブ・アサド監督
1961年イスラエル・ナザレに生まれる。
イスラエルのパスポートを持つパレスチナ人。
19歳でオランダに移住し航空力学を学び、
卒業後、数年間飛行機のエンジニアとして働く。
1992年、初めての短編『Paper House』を監督。
1998年、『The 14 th Chick』で長編映画デビュー。
2000年ドキュメンタリー『ナザレ』が02年カンヌ国際映画祭・批評家週間に正式招待。
2002年ドキュメンタリー『エルサレム、いつの日か』が03年サンダンス映画祭で上映。
2002年『エルサレムの花嫁』
2005年『パラダイス・ナウ』がパレスチナ映画として初の
アカデミー賞外国語映画賞にノミネートされ、
ゴールデングローブ賞最優秀外国語賞に輝く。
2013年『オマールの壁』がカンヌ国際映画祭ある視点部門で審査員賞を受賞。
更にパレスチナ映画としては2度目のアカデミー賞外国語映画賞にノミネートされる。
最新作は『The Idol』
アメリカの人気オーディション番組『アメリカン・アイドル』の
中東版『アラブ・アイドル』で優勝したパレスチナ人ポップシンガーの実話を描く。

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いろいろ驚くことの多い映画ですが、
とのの驚いたのは主人公がよじのぼる壁の高さとその圧迫感。
高さ8mのその壁が垂直に居住区を分断しているのです。

それを身軽に登っていくオマール。
太い眉と大きな目が印象的なこの青年はじめ、
その恋人、友人を演じた俳優はみな新人なのだそうです。

パレスチナの抱える問題には胸が痛みますが、
青年達が直面する懊悩はパレスチナの問題であるだけではなく、
ある意味グローバルなものであります。

青年たちは「ハムレット」のように悩み、
「ロミオとジュリエット」のような悲恋に泣き、
「走れメロス」のように信頼を大切にします。
それら人として根源的な感情や想いは国や政治制度によって違いはありません。

とのは精悍でありながら美しいオマールにひきこまれました。

さあ、いったいどんなお話でしょう。
続きは次回で。
乞うご期待でございます。



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オマールの壁
監督・脚本・製作/ハニ・アブ・アサド、撮影/エハブ・アッサル、編集/マーティン・ブリンクラー、イヤス・サルマン
出演
アダム・バクリ、ワリード・ズエイター、リーム・リューバニ、サメール・ビシャラット、エヤド・ホーラーニほか
4月16日(土)より角川シネマ新宿、渋谷アップリンク他ロードショー
2013年、パレスチナ、97分、アラビア語・ヘブライ語、カラー、配給/アップリンク、http://www.uplink.co.jp/omar/

by Mtonosama | 2016-04-10 05:29 | 映画 | Comments(0)

グランドフィナーレ
-2-
Youth

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(C)2015 INDIGO FILM, BARBARY FILMS, PATHE PRODUCTION, FRANCE 2 CINEMA, NUMBER 9 FILMS, C - FILMS, FILM4


風景が、雰囲気が、インテリアが、音楽が、そして、映像が、
もうため息が出るほど美しいのです。

作曲家が主人公とあって音楽には力が入っています。
しかし、音楽が際立ち過ぎることはないんですよね。
ミュージカル映画でない限り、音楽がでしゃばらない。
これは基本ですね。

音楽を担当したのはデヴィット・ラング。

デヴィット・ラング
1957年、ロサンゼルス生まれの現代音楽家。
2008年ピュリッツアァー賞(作曲部門)を受賞。
本作で、世界の主要映画祭の音楽賞を席巻、
アカデミー賞主題歌賞にノミネートされる。

さあ、どんなお話でしょうか。

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ストーリー
美しいアルプスのふもとに佇む豪奢なリゾートホテル。
そこでバカンスを送るフレッド・バリンジャーを訪ねて、英国女王の使者が来ていた。
女王からの勲章授与と
女王夫君フィリップ殿下の誕生祝賀コンサートで
彼が作曲した名曲「シンプル・ソング」の指揮を依頼するためだ。
だが、フレッドは「自分は引退の身だから」と名誉ある要請にも耳を傾けない。

母国イギリス・ロンドン、ニューヨーク、ヴェネチアで
24年間にわたって作曲と指揮に全力を注いできたフレッド。
80歳になった今はこのリゾートホテルで過ごしている。
宿泊客は、今も子どもたちのヒーローである元サッカー選手や
ハリウッドスターなどのセレブリティばかり。

そこにはフレッドの60年来の親友である映画監督のミック・ボイルもいた。
現役を続ける彼はスタッフ達と新作の脚本執筆に忙しかった。

一方フレッドは彼の体を気遣う娘のレナが予約した
マッサージや健康診断等の医療メニューをこなす日々。
その合間に親友ミックと昔話に花を咲かせ、悪ふざけをし、病気自慢をするのが楽しみだった。

フレッドが部屋へ戻ると夫のジュリアンと旅に出たはずのレナが部屋で泣いている。
夫に捨てられたというのだ。
ジュリアンはミックの息子である。
フレッドはミックにそのことを告げる。
驚いたミックがジュリアンを呼び出すと、彼は新しい彼女を伴っていた。
だが、レナの持つ品性も知性も美貌もその女にはなかった。

レナを慰めるフレッド。
するとレナは
「音楽がすべてでママのことを顧みたこともないパパに
夫婦の愛情の何がわかるっていうのよ」と・・・

自分には音楽しかないと気づかされたフレッド。
再び訪れた女王の特使に「シンプル・ソング」に秘めた想いを語る。

バカンスは終わる。
ミックが長年いっしょに映画作りをしてきた主演女優ブレンダに出演を断られたのだ。
ミックは去り、フレッドはあることを決意するのだった……

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夏のリゾート地を背景に繰り広げられる人々のさが。
今も子どもたちのヒーローである元サッカー選手というのはマラドーナでしょうか。
肥りすぎて身動きも難しいような巨体です。
ロボット映画に出演し、その役名でしか呼んでもらえないハリウッドスター。
輝くような肢体を誇るミス・ユニバース。
彼女がスパに入ってきた時のフレッドとミックの視線がスケベっぽくて良いです。

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夏の美しいリゾートホテルにいるのは若くて美しい人ばかりではありません。
どこか俗っぽく、老いも病も、仕事への執着も、俗悪さも
すべてを内包しています。

美しさは
80%の美と15%の俗悪さと5%の醜悪さから
成り立っているのかもしれません。





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グランドフィナーレ
監督・脚本/パオロ・ソレンティーノ、製作/カルロッタ・カロリ、フランチェスコ・チーマ、ニコラ・ジュリアーノ、共同製作/ファビオ・コンヴェルシ、撮影/ルカ・ビガッツィ、美術/ルドヴィカ・フェラーリオ、衣装/カルロ・ボッジョーリ、音楽/デヴィッド・ラング
出演
マイケル・ケイン/フレッド・バリンジャー、ハーヴェイ・カイテル/ミック・ボイル、レイチェル・ワイズ/レナ・バリンジャー、ポール・ダノ/ジミー・トリー、ジェーン・フォンダ/ブレンダ・モレル
4月16日(土)新宿バルト9、シネスイッチ銀座、Bunkamuraル・シネマ、シネ・リーブル池袋ほか全国ロードショー
2015年、イタリア、フランス、スイス、イギリス、124分、字幕翻訳/松岡葉子、配給/ギャガ、http://gaga.ne.jp/grandfinale/

by Mtonosama | 2016-04-07 06:52 | 映画 | Comments(4)

グランドフィナーレ
-1-
Youth

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(C)2015 INDIGO FILM, BARBARY FILMS, PATHE PRODUCTION, FRANCE 2 CINEMA, NUMBER 9 FILMS, C - FILMS, FILM4


ルキノ・ビスコンティもフェデリコ・フェリーニも
はたと膝を打つのではなかろうかと思わせるこの作品。
『グランド・フィナーレ』

タイトルもゴージャスなら設定も登場人物もゴージャス。
150歳にもなるとゴージャスという言葉に弱いんです。

監督は『グレート・ビューティ/追憶のローマ』(‘13)のパオロ・ソレンティーノ。
未だ40代のイタリアの奇才です。

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彼の『グレート・ビューティ/追憶のローマ』は2014年8月当試写室でも上映しました。
http://mtonosama.exblog.jp/22739729/ http://mtonosama.exblog.jp/22761746/
第86回アカデミー賞外国語映画賞を始め、
ゴールデン・グローブ賞外国語映画賞等主要な映画賞に輝いた作品でした。

本作も『グレート・ビューティ/追憶のローマ』同様
「これぞイタリア!」という贅沢な世界観に満ち満ちた作品であります。

そして
『ハンナとその姉妹』(‘86)、『サイダーハウス・ルール』(‘99)で
2度のアカデミー賞助演男優賞に輝くマイケル・ケイン
『ピアノ・レッスン』(‘93)、『グランド・ブダペスト・ホテル』(‘13)等で
特異な妖気を放つ俳優ハーヴェイ・カイテル
更に、ジェーン・フォンダをも迎えた
豪華、絢爛、イタリアの貴族もかくあらん、という作品です。

あ、ちょっと舞い上がり過ぎましたでしょうか。

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いや、しかし、ソレンティーノ監督作品の映像の美しさには毎回ため息がもれます。
心がほどけていく感じとでも言ったらいいでしょうか。
こんな美しいものを観られたら、もう海外旅行なんて行くことはありません。

新作を発表する度にカンヌ国際映画祭コンペティション部門への
正式出品作品となってきたパオロ・ソレンティーノ監督。
『イル・ディーヴォ 魔王と呼ばれた男』(‘08)で審査員賞受賞。
その時に審査委員長だったショーン・ペンからの熱烈な要請で
ペン主演の『きっと ここが帰る場所』が完成したのは有名な話です。

今回ソレンティーノ監督が贈るのは
一度は引退した老作曲家の胸中に溢れる音楽への愛と懊悩を
アルプスのふもとに佇む優雅なリゾートホテルを舞台に描いた作品。

美しいだけではなく
マイケル・ケイン、ハーヴェイ・カイテルの両名優が見せる演技。
もう確実に海外旅行へは行かなくてもよいという気分になってしまいます。

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さて、本作。
ある実話が基になっています。
著名なイタリア人指揮者が英国女王からオーケストラの指揮を依頼されたものの
レパートリーについて折り合いがつかずに断ったという話があったそうで。
それを知って監督はこの作品を創りました。

さあ、楽しみです。
いったいどんなお話でしょうか。
続きは次回まで乞うご期待でございますよ。



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グランドフィナーレ
監督・脚本/パオロ・ソレンティーノ、製作/カルロッタ・カロリ、フランチェスコ・チーマ、ニコラ・ジュリアーノ、共同製作/ファビオ・コンヴェルシ、撮影/ルカ・ビガッツィ、美術/ルドヴィカ・フェラーリオ、衣装/カルロ・ボッジョーリ、音楽/デヴィッド・ラング
出演マイケル・ケイン/フレッド・バリンジャー、ハーヴェイ・カイテル/ミック・ボイル、レイチェル・ワイズ/レナ・バリンジャー、ポール・ダノ/ジミー・トリー、ジェーン・フォンダ/ブレンダ・モレル
4月16日(土)新宿バルト9、シネスイッチ銀座、Bunkamuraル・シネマ、シネ・リーブル池袋ほか全国ロードショー
2015年、イタリア、フランス、スイス、イギリス、124分、字幕翻訳/松岡葉子、配給/ギャガ、http://gaga.ne.jp/grandfinale/

by Mtonosama | 2016-04-04 04:52 | 映画 | Comments(2)

さざなみ
-2-
45YEARS

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(C) The Bureau Film Company Limited, Channel Four Television Corporation and The British Film Institute 2014
(C) 45 Years Films Ltd



子どものいない年金生活の夫婦ジェフとケイトが主人公の本作。
牧草地の広がる地方都市の郊外に二人は静かに暮らしています。
絵に描いたように穏やかで平和な老後を送る二人。
土曜日には結婚45周年の祝賀パーティを控えています。

その日は月曜日
早朝いつものように飼い犬の散歩に出かけるケイト。
朝もやの中、「煙が目にしみる」を口ずさみながら帰宅します。
♪Smoke gets in your eyes
彼女がまだ若かった頃、50年代のヒット曲です。

ストーリー

月曜日
週末に結婚45周年祝賀パーティを迎えるジェフとケイト。
だが、これまでの45年間がそうであったように
夜になれば一杯のワインとケイトの料理を楽しみ
「キルケゴールが好きだよ」などと話すジェフの言葉に
軽い茶々を入れるケイト。
静かに過ごす日々。
それはこれからも変わらない筈だった。

ジェフに届いた一通の手紙が、
50年以上前にスイスの雪山で亡くなった
彼の恋人カチャの死体が氷の下でみつかったことを告げるまでは。

火曜日
ジェフはケイトを町に誘う。
ランチをとるため待ち合わせたカフェで
ジェフは地球温暖化の本を読み耽っている。
氷河は猛スピードで溶け、その水は岩盤の下に溜っている。
そして、いつか決壊してすべてを流してしまうという内容の本だ。
恋人カチャも発見されていなければそうやって流されていったのだろうと
憑かれたように語るジェフ。

夜、ダンスホールで初めて会った日のことを話す二人。
リビングで頬を寄せ合い静かにダンスをする。
久々の高揚感からジェフはケイトをベッドに誘う。
深夜、かすかな物音に気付いたケイトは目を覚ます。
ベッドの隣にジェフがいない。
彼はカチャの写真を屋根裏部屋で探していたのだった・・・

水曜日
友人のリナと出かけたケイトは
ジェフが会社のOB会に行きたがっていないことを知らされる。
その日、町で見かけたジェフはひどく疲れた顔をしていた。
家に戻ったジェフはカチャのことをケイトに夢中で話し始める。
ケイトはジェフに問いかける。
「もし彼女が死んでいなければ、彼女と結婚してた?」
ジェフは答える。
「そのつもりだった」・・・

木曜日
いやいや会社のOB会に出かけるジェフ。
ジェフを会社まで送り届けたケイトは躊躇いながらも
屋根裏部屋に続く階段を上がる。

そこには50年以上前の旅の記憶と愛の記録が満ち満ちていた。
スライドを壁に映し出すケイト。
若々しいカチャの笑顔が大きく映し出される・・・

金曜日
目覚めた時、ジェフはいない。
バスで町に入ってくるというメモを残してある。
ピンときたケイトは旅行代理店へ。
「私の夫が来なかったかしら?」
店員は答える。
「スイス行きのお客様ですね」

夕方帰宅したジェフにスイス行きのことを問い詰めるケイト。
氷河の岩盤の下に溜った水が決壊するように45年の日々を押し流していく・・・

土曜日
今日は二人の結婚45周年の祝賀パーティ。
ジェフはケイトにジュエリーのプレゼントを用意していた。
微笑みながらVネックのパーティドレスの胸元にそれをつけるケイト。
美しく上品な彼女。
パーティのクライマックス、ジェフのスピーチ。
ジェフは涙ぐみながら
「君と結婚できたことは僕の人生の最高の選択だった」・・・

♪Smoke gets in your eyes
ダンスタイムが始まった。
だが、ケイトの視線はジェフを離れ、中空に漂う……

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45年も経って何やっているの?と
もし、この夫婦に子どもがいたら言うに違いありません。
実はわたしもそう思いました。

恋人は既にこの世にいないにせよ
アルプスの雪山で20代の姿のままでみつかった彼女のことを
呆けた目つきで語る夫には
わたしがその立場だとしても、もちろん怒りを感じ、
それはしこりとなって残るに違いありません。

でも、45年も経っているんでしょ?

でも・・・
自分だとしたら・・・
本作はそんな風に観客を巻き込んでいく容赦ない映画です。

子どものいない夫婦なら尚更
夫であること、妻であることを演じ続けていかなければ夫婦生活は維持できません。

盤石な存在と見えた氷河も
年月の経過と共に溶けていきます。

氷河の下から現れた20代のままの姿を保つ夫の恋人の遺体は
70代の妻の45年の夫婦生活に小さなさざなみを立てました。
そして、さざなみは次第次第に拡がっていくのです。

コツコツと積み重ねてきた日々を覆される妻の懊悩を
シャーロット・ランプリングが静謐な演技で表現します。

年代によって、男女によって、いろいろに感じ取れる映画だと思いました。
女の目から見れば
「ジェフ、あんたは甘えてるよ」ですけど。
男から見れば
「なにもそんなことで・・・」なんでしょうね。

愛は若死になんです。
愛を和みに、愛を穏やかさに変えるために
夫婦は演技し続けないといけなかったのに。





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☆4月1日に更新しました。まあ、4月ですってよ!☆

さざなみ
脚本・監督/アンドリュー・ヘイ、プロデューサー/トリスタン・ゴーライアー、原作/トリスタン・ゴーライアー“In Another Country”、撮影/ロル・クローリー、BSC
出演
シャーロット・ランプリング/ケイト・マーサー、トム・コートネイ/ジェフ・マーサー、ジェラルディン・ジェームス/リナ、ドリー・ウェルズ/サリー、デヴィッド・シプリー/ジョージ
4月9日(土)よりシネスイッチ銀座他全国順次公開
2015年、イギリス、英語、カラー、95分、配給/彩プロ

by Mtonosama | 2016-04-01 06:23 | 映画 | Comments(10)