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殿様の試写室

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ロイヤル・ナイト
英国王女の秘密の外出
-1-
A ROYAL NIGHT OUT

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(C)GNO Productions Limited


今年90歳を迎えるエリザベス女王。
その在位期間も、
63年7ヶ月のヴィクトリア女王を超え64年。
英国史上最高齢、最長在位の君主となりました。

そんなエリザベスにも若い日々があったのですねえ。
そう、あれは今から71年前。
彼女が19歳だった時のことです。

90年の人生の中でたった一度
ロンドンでお忍びの一夜を過ごしたことがあったのです。

それはまるで『ローマの休日』のようでありました。
あ、ロンドンでのできごとだから「ロンドンの休日」ですね。

『ローマの休日』のようと言いましたが、
その上映は1953年。
エリザベス王女お忍びの一夜より8年後のことです。
『ローマの休日』こそ、エリザベスのこの実話を元に生まれたんじゃないの?
という声もあるほど。

さて、19歳のエリザベスが街へ繰り出したのは
1945年5月8日、ヨーロッパ戦勝記念日でした。
第2次世界大戦が終わり、ロンドン中の市民が
6年間の戦争の終結と戦勝に沸いた日のことです。

ヨーロッパ戦勝記念日
ヨーロッパ戦勝記念日は、第二次世界大戦において連合国がドイツを降伏させたとして、
ヨーロッパにおける勝利を記念する日である。
VEデー(英:Victory in Europe Day)とも呼ばれる日で、1945年5月8日に当たる。(Wikipediaより)

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その夜、英国王女エリザベスは父である国王ジョージ6世のお許しを得て、
やんちゃな妹マーガレットと共に
街へ飛び出し、国民と共に「英国王のスピーチ」に耳を傾け、
終戦を祝ったのでした。
「ああ、お父様はどもらずにちゃんとスピーチできるかしら」
と長女らしい心配に胸を震わせていたことでしょう。

このエリザベスを演じたのはサラ・ガドン。
くるくるウエーブヘアにピンクの頬。
お姫様顔というのは彼女のような顔をいうのでしょうか。
美しい顔立ちながら、愛らしく、気品があって
お人形として手元においておきたいほど。

サラ・ガドン
1987年カナダ・トロント出身。
2011年デヴィッド・クローネンバーグ監督『危険なメソッド』で
キーラ・ナイトレイらと共演し、その存在を知られるように。
奇才クローネンバーグ監督のミューズとして、
『コズモポリス』(‘12)『マップ・トゥ・ザ・スターズ』(‘14)にも出演。
子供時代からのキャリアが花開き、演技力はもちろん
「世界で一番美しい顔ベスト100」に4年連続でランクイン。


監督はジュリアン・ジャロルド。
1960年イギリス・ノーフォーク生まれ。
『ジェイン・オースティン 秘められた恋』(‘07)の監督です。
http://mtonosama.exblog.jp/12057537/
ジェインを演じたのはアン・ハサウェイでした。
彼女もディズニーアニメ『眠れる森の美女』のオーロラ姫みたいなお姫様顔。
ジュリアン・ジャロルド監督、役得ですね。

さあ、歓喜に沸くロンドン。
6年間も続いた戦争が終わるのです。
19歳のエリザベス王女も、16歳のマーガレット王女も
終戦に熱狂する市民と共に過ごしたいと
窮屈なバッキンガム宮殿を飛び出しますよ。

門限は1時。
お付きは2人の近衛兵。
行き先はリッツ・ホテル。
王女たちとしてはそのあたりがちょっと不満ではありましたが・・・

さあ、どんな冒険が王女様達を待ち受けているのでしょうか。

続きは次回まで乞うご期待でございますよ。



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ロイヤル・ナイト
監督/ジュリアン・ジャロルド、脚本/ケヴィン・フッド、美術/ローレンス・ドーマン、衣装/クレア・アンダーソン、音楽/ポール・イングリッシュビー
出演
サラ・ガドン/エリザベス、ベル・パウリー/マーガレット、エミリー・ワトソン/エリザベス王妃、ルパート・エヴェレット/ジョージ6世、ジャック・レイナー/ジャック・ホッジ
6月4日(土)ロードショー
2015年、イギリス、97分、カラー、字幕翻訳/寺尾次郎、配給/ギャガ
http://gaga.ne.jp/royalnight/

by Mtonosama | 2016-05-29 05:25 | 映画 | Comments(4)
とのさまのししゃしつ
走れ、
絶望に追いつかれない速さで


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(C)「走れ、絶望に追いつかれない速さで」製作委員会


『走れ、絶望に追いつかれない速さで』
このタイトルに惹かれました。
150歳はこういうタイトル、好きなんです。

「書を捨てよ、町に出よう」
この寺山修司の書いた本の題名にも踊らされた150歳です。

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監督は1990年生まれの中川龍太郎。
まあ、26歳ですって。

中川龍太郎監督
詩人としても活動し、「詩集 雪に至る都」(‘07)も出版。
やなせたかし主宰「詩とファンタジー」年間優秀賞(‘10)を受賞している。
国内の数々のインディペンデント映画祭で受賞。
『Calling』(‘12)がボストン国際映画祭で最優秀撮影賞受賞。
『雨粒の小さな歴史』(‘12)がニューヨーク市国際映画祭に入選。
東京国際映画祭日本映画スプラッシュ部門では
『愛の小さな歴史』に続き、2年連続の出品を最年少で果たす。

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タイトルに惹かれはしたものの
出演者はよく知らないし、監督もお若いので
とんがってズキンと痛いような映画なのかな、
と覚悟して試写に臨みました。

監督の自伝的な作品ということで
親友の死を受け入れられず、鬱々と日々を送る青年が主人公です。
でも、いまどきの若者らしくきちんとしていて大人しいところが
130年前の若者とは違うのかもしれません。

ストーリー
漣と薫は親友である。
6畳一間の古いアパートに二段ベッドを入れ、二人で暮らしている。
一晩中飲み明かし、
「こんな時タクシーに乗って帰れるようになりてえ~!」
とクダをまく漣に
「走るんだ。絶望に追いつかれない速さで」
とわめく薫。
しみったれた、でも、忘れられない日々。

薫の就職が決まり、明日から大阪勤務という夜、
仲間達は居酒屋で薫の送別会を開く。
そこには薫の恋人理沙子も。
会は盛り上がり、二次会へ行こうとなった時、
薫は「もう大阪へ行く」と言う。

だが、彼の向かった先は日本海だった。
海鳥が飛び、暗い海と空が拡がる崖の上。
ふっと薫は消える――

それから1年。
薫の一周忌が巡ってきた。
薫の兄から受け取った遺品に
彼の中学生時代の同級生・斉木環奈を描いた絵があった。
薫にとって大切な存在であり続けた彼女に
彼の死を知らせようと漣は彼の恋人だった理沙子と共に
斉木環奈のいる日本海に近い町へ向かうのだった……

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ビルの屋上、二人で見る夜明けの東京。
明けゆく空で目にした飛翔体に興奮し、
屋上で鳥のように両腕を拡げて走り回る漣と薫。

先日、当試写室で上映した『ヴィクトリア』のワンシーンを彷彿させる場面でした。
http://mtonosama.exblog.jp/25172701/ http://mtonosama.exblog.jp/25190646/
若さというのは洋の東西を問わず、
いつ若い日々を送ったかも問わず、
つまり、今、若さのさ中にいる人も
130年前に若い日を送った人も
先の見えない不安を
感傷過多の悪ふざけでごまかしているのかもしれません。

そんな日々を共に過ごした薫が死んでしまったのです。
なにもわからないまま、置いてけぼりにされ、
泣くことも、気持の整理もつかず、
大学を中退し、鉄工所で働く漣。

カッコよさとは程遠いところにいる漣を太賀が好演していました。
将来が楽しみな良い俳優です。

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ちょっと、いえ、かなり昔、少年マガジンに
松本零二の「男おいどん」という漫画が掲載されていました。
4畳半の下宿に暮らす大山昇太(のぼった)の日々を描いたもので
万年床や洗濯もしないで押入れに放り込んだままにしてある下着には
サルマタケなどというおぞましいキノコまで生えていました。

本作を観ていて、そんな「男おいどん」をなんとなく思い出してしまいました。
なんか懐かしい青春像なんです。
しかし、それは150歳の身勝手な思い込み。

実は本作、漣や理沙子の魂の復活を
若々しい感性で描き出してもいるロードムービーです。

走れ、絶望に追いつかれない速さで――
良いなあ。若さって。
人間って鳥にもなれるんだなあ。





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走れ、絶望に追いつかれない速さで
監督・脚本/中川龍太郎、製作総指揮/木ノ内輝、プロデューサー/藤村駿、撮影監督・編集/今野康裕
出演
太賀/漣、小林竜樹/薫、黒川芽以/理沙子
6月4日(土)~24日(土)渋谷ユーロスペース、全国順次公開
2015年、日本、カラー、83分

by Mtonosama | 2016-05-26 05:09 | 映画 | Comments(9)

神様メール
-2-
LE TOUT NOUVEAU TESTAMENT

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(C)2015 - Terra Incognita Films/Climax ilms/Apres le deluge/Juliette Films Caviar/ORANGE STUDIO/VOO et Be tv/RTBF/Wallimage


前回上映した『君がくれたグッドライフ』にもベルギーが出てきましたが、
ベルギーって進んでいるっていうか、進み過ぎているっていうか
意外な顔を見せてくれる国ですね。

ヒヒオヤジの
あ、もとい
神様のお住まいはブリュッセルのアパート。
彼はその最上階に家族と暮らし、パソコンで世界を支配して
人間の運命を変えては喜んでいます。
ある日、そんな父親に腹を立てたエアは
父親のパソコンから
全人類に向けて余命を知らせるメールを送ったから大変!

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ストーリー
神様は最初にブリュッセルの街を創った。
そこにキリン、鶏、虎などいろんな種も創るがどれもうまくいかず、
自分に似せて人間を創りだした。
そして、人間同士を戦わせたり、惨事を起こしたり、
人間が不幸に会う姿を見てはパソコンの前でほくそえんでいる。
最近凝っているのは“普遍的な不快の法則”を考案すること。
例えばこんな具合
「スーパーのレジでは必ず隣の列が早く進む」・・・

神様のパソコンは旧式だが、ワンクリックでなんでも瞬時に創造できるのだ。
パソコン部屋は神様が管理し、妻の女神も10歳の娘エアも絶対立ち入り禁止。

ある日、「人間は運命に縛られず生きてほしい」と願ったエアは
神様のパソコンから人々に余命を知らせるメールを送った。
怒り狂った神様だが、
エアの策略によってパソコンがログオフすると手も足も出ない。
兄JCによれば「パパはパソコンが無いと無能なんだよ」

家出を決めたエア。
だが、神様のアパートには玄関がない。
唯一の出口が洗濯機。「化繊洗い40度、脱水速度1200」に設定すると
下界のコインランドリーへの抜け道が開かれるのだ。
JCもかつてここから抜け出したと教えてくれた。

一方、余命メールを受け取った人間達。
着信メールに余命0分とあった男はその瞬間、交通事故でさようなら。
余命60年の男は何をやっても60年は生きるからと高いビルから飛び降りたり。
余命を知らない人間もいた。
携帯を持っていないホームレスのヴィクトールだ。

このヴィクトールと共にエアは大パニックに陥った世界を救う旅に出た。
彼女の起こす小さな奇跡は思いがけず人間の悩みを解決する。
余命12年9ヶ月5日のメールを受け取った会社員のジャン=クロード。
彼は冒険家になりたかった夢を思い出し、北極へ。
余命5年2ヶ月17日の主婦マルティーヌ。
夫との冷めた関係に寂しい日々を送っていたが、なんとゴリラと恋に落ちる。
余命54日の少年ウィリー。
女の子になりたいと思っているが……

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これら6人の使徒が語ることをホームレスのヴィクトールが記録したのが
新・新約聖書というわけです。

ストーリーだけ読むと女神様が活躍しませんが、
それは映画を観てのお楽しみ。
エアはじめママの女神様が大活躍する
女子にとっては実に気持良い映画です。

神様がいなくても(いない方が?)案外世界は順調に回るのかもしれませんね。

荒唐無稽で
綺麗な色彩に満ち、
映画を観た後はハッピーになって笑えてきてしまいますよ。






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神様メール
監督/ジャコ・ヴァン・ドルマル、脚本/トマ・グンズィグ、ジャコ・ヴァン・ドルマル、撮影/クリストフ・ボーカルヌ、プロデューサー/ジャコ・ヴァン・ドルマル、オリヴィエ・ローザン、ダニエル・マルケ
出演
ピリ・グロワーヌ/エア、ブノワ・ポールヴールド/父(神)、カトリーヌ・ドヌーヴ/マルティーヌ、フランソワ・ダミアン/フランソワ、ヨランド・モロー/母(女神)、ローラ・ヴェルリンデン/オーレリー、セルジュ・ラリヴィエール/マルク、ディディエ・ドゥ・ネック/ジャン=クロード、ロマン・ジェラン/ウィリー、マルコ・ロレンツィーニ/ヴィクトール
5月27日(金)TOHOシネマズ シャンテほかロードショー
2015年、フランス、ベルギー、ルクセンブルグ、カラー、115分、日本語字幕/松浦美奈、後援/ベルギー王国大使館、配給/アスミック・エース

by Mtonosama | 2016-05-23 04:37 | 映画 | Comments(8)

神様メール
-1-
LE TOUT NOUVEAU TESTAMENT

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(C)2015 - Terra Incognita Films/Climax ilms/Apres le deluge/Juliette Films Caviar/ORANGE STUDIO/VOO et Be tv/RTBF/Wallimage


ふーん、こんな風に神様を茶化してもいいんだ・・・

まじめなクリスチャンなら目を回しちゃうかもしれない映画です。

主人公エアちゃんのパパは神様で
ママは女神様。
で、おにいちゃんはJCつまりJesus Christ。
イエス・キリスト!

このパパ(神様)ときたらパソコンだけがお友達で
面白半分に事故や天災を起こし、
人間たちを困らせ、
妻の女神やエアに威張り散らす陰険なおやじ。

そんな神様が登場するわ、
フィギュアになったJCが妹エアの相談に乗るわ、
もう、ぶっとんでます。

本作はそんな家族を持つエアが巻き起こすファンタスティックなお話。
邦題「神様メール」。
オリジナルタイトルはle tout nouveau testament。
testamentは新約聖書でしょ。
nouveauは新しいですよね。
直訳すれば新・新約聖書?
で、このタイトルのどこをどうすれば神様メールなのか――
よくわかりません。

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旧約聖書と新約聖書があるのは皆さまよくご存じと思います。
この「約」というのは契約の意味でありまして、
神と人間との間に結ばれた契約ということ。
イエス・キリストの誕生以前の契約が記されたのが旧約聖書で、
新約聖書はイエス・キリストが生まれて更新されたものです。
イエスがマナ(パン)を増やしたことや
水の上を歩いたこと、
盲人の目を見えるようにしたなどの奇跡が書かれています。

じゃ、新・新約聖書って?
それが
この映画の見どころでございます。

その前に
ちょっと聖書のお話。
新約聖書にはマタイ、マルコ、ルカ、ヨハネの4つの福音書があります。

(これらの新約聖書の目次を中学の時
♪汽笛一声新橋を♪の節に合わせて覚えさせられました)

福音というのは「良い知らせ」という意味で
イエス・キリストの言葉や奇跡をこの4人の使徒が記したのが福音書です。

神様の娘エアがつくる新・新約聖書は
新しい6人の使徒が語る話を
エアと一緒に旅をする住所不定の老人ヴィクトールが記録したもの。

つまり、6つの福音書から成る映画なんです。
ま、この6つの福音書がなんともほのぼのと、かつ、心豊かになるようなものなんですけどね。

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監督はジャコ・ヴァン・ドルマル。
1957年ベルギー生まれ。
ブリュッセルやパリの専門学校で学んだ後、児童演劇の監督としてスタート。
1980年代前半から短編映画を撮り始める。
長編第1作『トト・ザ・ヒーロー』(‘91)はヨーロッパ映画賞で
主演男優賞、新人監督賞、脚本賞、撮影賞を、
第44回カンヌ国際映画祭でカメラ・ドールを受賞。
1996年『八日目』は第49回カンヌ国際映画祭で
ダニエル・オートゥイユとパスカル・デュケンヌが主演男優賞をW受賞。
2009年『ミスター・ノーボディ』も
ヨーロッパ映画賞観客賞をはじめ、数々の賞に輝く。
オペラ監督としても活躍する。
本作では「余命0分」のメールを見た瞬間、事故に遭うドライバー役で出演。

ドルマル監督、こんな映画をつくって、
もしや教会からおしかりを受けていないだろうか、
と心配になりました。
とのの中学校の宗教の先生なら、
神様をこんなヒヒオヤジに描いたと知ったら卒倒したと思います。

でも、ベルギーでは
教会関係者がこの映画を観賞するように勧めたそうです。
女神さまを描いていたり、死後の世界を考えたりするのは
良いことだと考えたからですって。

なんか面白そうでしょ?

続きは次回まで乞うご期待でございますよ。



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神様メール
監督/ジャコ・ヴァン・ドルマル、脚本/トマ・グンズィグ、ジャコ・ヴァン・ドルマル、撮影/クリストフ・ボーカルヌ、プロデューサー/ジャコ・ヴァン・ドルマル、オリヴィエ・ローザン、ダニエル・マルケ
出演
ピリ・グロワーヌ/エア、ブノワ・ポールヴールド/父(神)、カトリーヌ・ドヌーヴ/マルティーヌ、フランソワ・ダミアン/フランソワ、ヨランド・モロー/母(女神)、ローラ・ヴェルリンデン/オーレリー、セルジュ・ラリヴィエール/マルク、ディディエ・ドゥ・ネック/ジャン=クロード、ロマン・ジェラン/ウィリー、マルコ・ロレンツィーニ/ヴィクトール
5月27日(金)TOHOシネマズ シャンテほかロードショー
2015年、フランス、ベルギー、ルクセンブルグ、カラー、115分、日本語字幕/松浦美奈、後援/ベルギー王国大使館、配給/アスミック・エース

by Mtonosama | 2016-05-20 06:10 | 映画 | Comments(6)

君がくれたグッドライフ
-2-
Tour de Force

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(C)2014 Majestic Filmproduktion GmbH / ZDF


良い映画を作るのに年齢なんて関係ないのと同様、
死について考えるのも高齢者や思春期男女の専売特許じゃありません。
生きるということ自体、死への過渡期なんですから。
生も死も含めて人生です。

と、いきなり重いか。

トロント、ロカルノ映画祭をはじめ、
ヨーロッパからアメリカまで世界各国のフィルム・フェスティバルで上映された
話題作が本作『君がくれたグッドライフ』です。
年に1度、自転車で旅に出ることにしている6人の仲間。
行先は毎回持ち回りで決めます。
今年の行き先を決めるのはハンネスとキキの夫婦ですが・・・

さあ、出発します。

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ストーリー
出発の朝、自宅の窓から外を眺めるハンネス――
年に1度仲間たちと出かける自転車旅行は今日で15回目を迎える。
メンバーは妻のキキ、弟のフィン、最近夫婦関係がぎくしゃくしているドミとマライケ、
もう一人は未だ独身のミヒャエル、そして、ハンネスの6人だ。
ハンネスとキキが決めた行き先をべルギーと知って
「なんでベルギーなの?『タンタンの冒険』とチョコレートしかないのに」
と文句をいう面々。

翌日、ハンネスの兄家族の家に立ち寄り、皆で食事。
席上ドミが、ハンネスに「子どもはまだなのか?」と訊ねる。
と、突然泣き崩れるハンネスの母。
そして、ハンネスはキキに促され、
「父親と同じ筋委縮性側索硬化症(ALS)を発症し、余命宣告を受けた」
と打ち明ける。
ベルギーへ行くのは、彼の地では尊厳死が法的に許されているから――というのだ。

家族の中で唯一そのことを知らされていなかった弟フィンは怒り、
母も、命のつきるまで生きてほしいと願う。
だが、父のときのような辛く大変な思いを
家族みんなに負わせたくないというハンネスの意志は固かった。
マライケも旅をやめさせるよう、キキに頼むが、
「ハンネスにはみんなとの旅が大切なの。一緒に来てくれない?」
と応えるキキ。

翌朝、母の車に乗って出かけようとしたハンネスの前に
旅の支度をした仲間たちが立った。
一緒に旅を続けるというのだ。
仲間たちの想いは複雑だったが、
ハンネスの希望を受けとめようと決めたのである。
だが、そこには弟フィンの姿はなかった。

ハンネスは兄と甥に別れを告げ、
母とはベルギーで落ち合うことに決め、自転車に跨った。
街を抜け、山道にさしかかった頃
フィンが追いつく。
「なぜ兄貴は闘わないんだ!?」
と想いをぶつけるフィンだった――

思うようにならない身体を鞭打ちながら
懸命に旅を続けるハンネスの姿に
仲間たちの当初のぎこちなさも薄れていく。

だが、ハンネスの症状は日を経るごとに悪化。
キキと漕ぐタンデムの速度も遅れがちに……

いや、覚悟の死を迎えるハンネスに立ち会う妻や母、友人たちの気持はいかばかりか。
ハンネスの目的地は死。
そして、彼の最期を見届けるために旅をする家族や友人。
これは酷です。

実はとのも少し前に友人から
「私が不治の病になったら一緒にスイスへ行って」
と言われました。スイスも尊厳死ができる国なんです。
「私が死んだら一人で帰ってね」って・・・
もちろん、彼女は不治の病でもなんでもないんですが。

いろいろ考えることの多い映画です。
身近にALSの患者さんを知っているので、
私自身はハンネスに生きることを選んでほしいと思いました。
安楽死、尊厳死は医師の手を借りた自殺だとも思います。

病気治療を経済効率で考える欧米ではありますが、
経済に弱いとのはなかなか付いていけません。

皆さまはどのようにお考えになるでしょうか。





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君がくれたグッドライフ
監督/クリスティアン・チューベルト、脚本/アリアーネ・シュレーダー、脚色/クリスティアン・チューベルト、製作/フロリアン・ガレンベルガー、ベンヤミン・ヘルマン、撮影/ニョ・テ・チャウ
出演
フロリアン・ダーヴィト・フィッツ/ハンネス、ユリア・コーシッツ/キキ、ユルゲン・フォーゲル/ミヒャエル、ミリアム・シュタイン/ザビーネ、フォルカー・ブルッフ/フィン、ヴィクトリア・マイヤー/マライケ、ヨハネス・アルマイヤー/ドミ、ハンネローレ・エルスナー/イレーネ
5月21日(土)ヒューマントラストシネマ有楽町、YEBISU GARDEN CINEMAほかロードショー
2014年、ドイツ、95分、カラー、日本語字幕/吉川美奈子、配給/ショーゲート
http://goodlife-movie.com/

by Mtonosama | 2016-05-16 05:23 | 映画 | Comments(8)

君がくれたグッドライフ
-1-
Tour de Force

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(C)2014 Majestic Filmproduktion GmbH / ZDF


今回、当試写室で上映するのは
深刻なテーマのドイツ映画です。
などというと
「あ、じゃあ観ない」
とおっしゃる方も?

テーマは尊厳死。
それも、おじいさんやおばあさんではなく
40代の働き盛りのハンネスの身に起こったことなんです。

でも、どうか早々に「観ない」と決めないでくださいませ。

脚本を書いたのは
本作が脚本家デビュー作となったアリアーネ・シュレーダー。

ミュンヘン映画大学の学生だった彼女、
本作の監督でもあるクリスティアン・チューベルト監督の
セミナーに参加しました。
チューベルト先生は
「テーマやアイディアが浮かんだら、とにかくすぐ脚本にしなさい」
と教えたのだそうです。

で、彼女の頭に浮かんだのは
固い友情に結ばれたグループが最期の旅行に出かけるという場面。

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アリアーネはすぐさまそのイメージから
ベルギーへ自転車旅行に行くという脚本を書き始めました。

なぜベルギーへ行くのか?
なぜグループでの自転車旅行なのか?
なぜ尊厳死なのか?
疑問詞だらけになりながらもアリアーネは書きました。

アリアーネ・シュレーダー
1985年、ベルギー、オイペン生まれ。アーヘン工科大学で通信科学と政治科学を専攻。
2007年、ミュンヘンTV・映画大学に入学し、脚本執筆法と劇作法を学ぶ。
在学中からミュンヘンのストリートミュージシャンを描く
『Ich Will Ja Nur Lebendig Ankommen』(‘05)を始め、
様々なドキュメンタリーに携わる。この作品は多くの映画祭に出品。
2009年、インゴルシュタットの国際短編映画祭における“最長20分“部門で
最優秀ドキュメンタリー映画賞を受賞。
本作『君がくれたグッドライフ』が脚本家としてのデビュー作となる。

クリスティアン・チューベルト監督
1973年、ドイツ、ヴュルツブルグ生まれ。脚本家としてキャリアスタート。
2001年、脚本も手がけたコメディ『Lammbock』で映画監督デビュー。
2005年、ファミリー・エンタテインメント作品『The Treasure of The White Falcons』の
脚本と監督を担当し、ハンブルグ映画祭でピープルズ・チョイス賞、
キノフェスト・リューネン映画祭で最優秀チルドレン/ユース映画賞などを受賞。
シカゴ国際映画祭では子どもたちの審査員から賞が贈られ、
ドイツ映画賞にもノミネートされるなど
ドイツ映画の未来を担う監督として注目される。

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若い監督、若い脚本家、若い俳優達、
尊厳死を選んだ主人公ハンネスもまだまだ若い。
死は老弱男女関係なく訪れるもの・・・

テーマは重いのですが、
随所に笑いあり、「なるほど」と頷くところあり、
自分が主人公だったら、
あるいは、その友人だったら、
と自分に置き換えるところもあり、
こんなことをいってはなんですが、なかなか楽しめる映画です。

さあ、いったいどうしてベルギーに旅立つのでしょうかねえ。
続きは次回までお待ちくださいませ。
乞うご期待でございますよ。



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君がくれたグッドライフ
監督/クリスティアン・チューベルト、脚本/アリアーネ・シュレーダー、脚色/クリスティアン・チューベルト、製作/フロリアン・ガレンベルガー、ベンヤミン・ヘルマン、撮影/ニョ・テ・チャウ
出演
フロリアン・ダーヴィト・フィッツ/ハンネス、ユリア・コーシッツ/キキ、ユルゲン・フォーゲル/ミヒャエル、ミリアム・シュタイン/ザビーネ、フォルカー・ブルッフ/フィン、ヴィクトリア・マイヤー/マライケ、ヨハネス・アルマイヤー/ドミ、ハンネローレ・エルスナー/イレーネ
5月21日(土)ヒューマントラストシネマ有楽町、YEBISU GARDEN CINEMAほかロードショー
2014年、ドイツ、95分、カラー、日本語字幕/吉川美奈子、配給/ショーゲート
http://goodlife-movie.com/

by Mtonosama | 2016-05-13 05:16 | 映画 | Comments(14)

三毛猫ひかちゃん 
 -41-


あたし、ひかちゃん。

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知ってた?
猫って窓辺が好きなのよ。



でも、こんな猫さんもいるわ。
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馬鹿と煙は高いところが好き、なんてよくいわれるけど
猫も高いところが好きなの。

ま、あたしはせいぜいのところキャットタワーの上から二段目だけど。

あ、この写真は飼い主の妹が銀座で撮ったの。
この妹、実はあたしの天敵。
だってね、うちへ来るといつもあたしをおさえつけて爪を切るんだもの。
どんなに唸っても怒ってもお構いなしなんだから。



GWの一日、飼い主はチャリで海辺の街から鎌倉へ向かったらしいわ。
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電車で行けばいいのに、って思うでしょ?
江ノ電で行けるのよ。
でも、GWの江ノ電は超・超・超満員なんだって。
で、強風の中、自転車を1時間漕いで出かけたの。


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とうちゃこ~~~!


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出迎えてくれたのはこのひと。
お耳が垂れてて、お鼻も黒くて大きいし、
あたしとちょっと違うわ。
あら、このひとが犬なの?

ビーグル犬のさくらちゃん?
ふーん。


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長かったお休みも終わったわね。
ま、あたしは年中お休みだけど。
お仕事の始まった皆さん、がんばってね。


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じゃ、あたしは寝るわ。

またね。

ひかり


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by Mtonosama | 2016-05-10 05:37 | 映画 | Comments(14)

三毛猫ひかちゃん 
ゴールデンウィークの巻 
-40-



あたし、ひかちゃん。

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今から3年前、飼い主のおうちに初めて来た日のあたし。
不安でいっぱいだったわ。

2週間一緒に暮らしていた兄弟姉妹と別れて
たったひとりで知らない家に来たんだもの。
こころなしか目も潤んでいるでしょ。

2013年6月のことよ。
あれから3年も経ったのね。

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それからまたお引越したわ。
引越して2回目の5月を迎えたの。

そして・・・



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んも~~~、うっさいのよ。
いきなり写すんじゃないわよ。


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ふーっ・・・
これでちょっと落ち着けるかしら。

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良い季節になったわね。
朝練に出てもとても気持がいいわ。

皆さんはどんなお休みを過ごしていらっしゃるのかしら。

ひかり


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by Mtonosama | 2016-05-07 05:54 | 映画 | Comments(12)

ヴィクトリア
-2-
VICTORIA

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(C)MONKEYBOY GMBH 2015


3ヶ月前にマドリッドからベルリンにやってきたばかりの女の子ヴィクトリア。
まだドイツ語も話せない彼女が真夜中のクラブで
調子は良いけれど、どことなく危なげな4人の若者と出会ったところから
お話は展開します。

スキンヘッドありーの
ロン毛ありーの
普通ありーの
いわゆる子ども時代から地元でお友達といった感じの4人グループ。
人は良さそうだけど、かなり強引にヴィクトリアを誘ってきます。

彼女も見知らぬ土地に来たばかりで寂しいのでしょう。
「おいおい、大丈夫かい?」といった観客の心配をよそに
一番普通なゾンネと下手くそな英語で話し始めるのであります。

ま、ここまではよくあるお話。
ワンシーンでもノーカットでも撮れますわね。

どんなお話だと思います?

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ストーリー
深夜の地下クラブ。
若い女性が踊っている。
彼女の名はヴィクトリア。ベルリンで一人暮らしを始めたばかりだ。
踊り疲れて帰ろうとした彼女に地元の若者4人組が声をかけた。
スキンヘッドのボクサー、ロン毛のブリンカー、少し幼げなフース、
そして、おしゃべり好きなゾンネ。
ベルリンのヤンキーといった感じもするが、根は良いヤツなようだ。
ブロークンイングリッシュで意気投合したヴィクトリアと四人組。
コンビニでビールを調達し、古びたビルの屋上へ。
他愛のない話で大笑いして楽しい時間を過ごす5人。

だが、ヴィクトリアは明朝の仕事のため、バイト先のカフェへ仮眠に向かう。
送っていくゾンネ。
店内のピアノ。ゾンネに請われるまましぶしぶ弾き始めたのは
リストの「メフィスト・ワルツ」
プロ級の演奏だ。
「16年以上厳しいレッスンを続けてきながら夢を断ったの・・・」
そんなヴィクトリアを慰めるゾンネ

カフェに迎えにきた仲間と合流したゾンネ。
再会を約束して車で去っていく。
しかし、直ぐに戻ってきた。
なにかトラブルが発生したのだ……

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息もできないし、目も離せない展開です。

クラブで踊り狂っていたヴィクトリアの抱える悩み。
いやあ、いきなりリストですもんね。
このあたりのミスマッチ感にクラクラしつつ
さらに迫る「なんでこーなるの?」という展開に鷲掴みにされました。
ヨーロッパの優等生ドイツが抱えている若者の問題も見えます。

観客は、俳優と一緒に走り、事態の推移に当惑し、
先の読めない展開にため息をつきつつ
臨場感、共走感、焦燥感に共感します。
それはまさに先の見えない中で演技した俳優達
カメラと時間の経緯に身を委ねた監督
そして、ベルリンの街が合体することによって生まれた
奇跡のような140分です。

白々と明けてゆくベルリン
朝を迎えたこの街を背景にしながら
見送るラストシーン。

お疲れさまでした。





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ヴィクトリア
監督/セバスチャン・シッパー、撮影/ストゥルラ・ブラント・グロヴレン、脚本/セバスチャン・シッパー、オリヴィア・ネールガード=ホルム、アイケ・フレデリーケ・シュルツ、音楽/ニルス・フラーム、美術/ウリ・フリードリヒ
出演
ライア・コスタ/ヴィクトリア、フレデリック・ラウ/ゾンネ、フランツ・ロゴウスキー/ボクサー、ブラック・イーイット/ブリンカー、マックス・マウフ/フース
5月7日(土)シアター・イメージフォーラム他全国順次公開
2015年、ドイツ、139分、ドイツ語・英語、カラー、配給/ブロードメディア・スタジオ
http://www.victoria-movie.jp/

by Mtonosama | 2016-05-04 06:26 | 映画 | Comments(14)

ヴィクトリア
-1-
VICTORIA

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(C)MONKEYBOY GMBH 2015


ドイツ映画ときたら絶対に観ないではいられないとのです。
「ベルリンの街を疾走する全編140分ワンカットの衝撃」
なんて惹句を目にしてしまったら
もう心が騒ぎます。

ベルリン 疾走
これにノックアウトされてしまうんです。
ベルリンを疾走するといったら
『ラン・ローラ・ラン』なんて映画もありました。

それにしても全編ワンカットってすごくないですか!?

『ヴィクトリア』
クレジットを除いた2時間14分という映画の全編が
ワンショット、ノーカットで撮られた作品です。

2014年4月27日午前4時半。
セットとして作られた
クラブ(真ん中のラを上げ気味に発音してくださいね)で
撮影を開始し、その後、2時間14分――
22のロケ地を走り、歩き、自転車や車で駆け回るスタッフと俳優。
150人のエキストラを6人のアシスタントディレクターで管理し、
俳優7人を3つのサウンドクルーが追い、
午前6時54分に撮影終了。

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全編ワンカット、完全リアルタイムです。
現実世界を切り取り、2時間14分の映像世界に落とし込む。
スタッフも俳優たちも
フルマラソンを全力疾走したようなものではないですか!
いや、それ以上でしょう。

まず、ビックリするのは
脚本もなければ
カット割りやら映画のお約束になるような道具立てがないということ。

セバスチャン・シッパー監督は12ページほどの覚書のみで
140分をぶっ通し、早暁のベルリンを撮影しました。

監督は俳優としても活躍する人ですが、
彼が書いた覚書には
シーンとロケーション、登場人物の大まかな動きが記されていただけで、
せりふはドイツ語とブロークン・イングリッシュ。
それも俳優達が即興的に発したもの。

監督は撮影中に起こった予期せぬハプニングもカメラに収めていきます。
なんといっても、140分の現実世界をリアルタイムで切り取っていくのですからね。

でありながら、

クラブでのオープニングから
ウェスティン・グランド・ホテルでのクライマックスに至るまで、
主人公ヴィクトリアとゾンネとの出会い
銀行強盗
手に汗握る逃走
団地内での銃撃戦――
この展開ですよ。
おもしろすぎるではありませんか。

最初、ん、実験映画?
シュールレアリズムでいう自動筆記みたいな撮影?
だったらあんまり面白くないかも・・・
と、正直いって、ちょっと覚悟しました。

ところが、
あぁた、とんでもないですわ。

いやはや映画ってとても間口が広いんですね。
そして
奥行きも深いです。

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ベルリン国際映画祭では
撮影監督ストゥルラ・ブラント・グロヴレンの仕事が讃えられ
銀熊賞(最優秀芸術貢献賞)など3賞を受賞。
ドイツ映画賞でも
作品賞、監督賞、主演女優賞、主演男優賞、撮影賞、作曲賞の6部門を独占。

東京国際映画祭ワールド・フォーカス部門の上映時に
大反響を呼んだというのもなるほど納得です。

本作の他にもノーカット長回し技法をとった作品としては
ヒッチコック監督『ロープ』(‘48)やオーソン・ウェルズ監督『黒い罠』(‘58)があり、
アレハンドロ・G・イニャリトゥ監督の
ワンカットと見せかけた
『バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)』(‘14)も話題になりました。

しかし、一人でベルリンにやってきたスペインの女の子の
ガール・ミーツ・ボーイものと思わせて
とんでもない展開を見せる本作。
現実に流れる時間と映画そのものの展開の時間が同じというのは
あまりにすごい。
映画にはまだまだ未来があると思わせてくれました。

さあ、いったいどんなお話なのでしょう。
続きは次回まで乞うご期待でございますよ。



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ヴィクトリア
監督/セバスチャン・シッパー、撮影/ストゥルラ・ブラント・グロヴレン、脚本/セバスチャン・シッパー、オリヴィア・ネールガード=ホルム、アイケ・フレデリーケ・シュルツ、音楽/ニルス・フラーム、美術/ウリ・フリードリヒ
出演
ライア・コスタ/ヴィクトリア、フレデリック・ラウ/ゾンネ、フランツ・ロゴウスキー/ボクサー、ブラック・イーイット/ブリンカー、マックス・マウフ/フース
5月7日(土)シアター・イメージフォーラム他全国順次公開
2015年、ドイツ、139分、ドイツ語・英語、カラー、配給/ブロードメディア・スタジオ
http://www.victoria-movie.jp/

by Mtonosama | 2016-05-01 06:09 | 映画 | Comments(8)