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殿様の試写室

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ノー・エスケープ
自由への国境
-2-

DESIERTO

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(C)2016 STX Financing, LLC. All Rights Reserved.


いやはや
砂漠といっても砂じゃないんですねぇ。
ごつごつとした岩山が続く赤茶けた大地。
空は青いし、太陽は容赦なく照りつけています。

150歳のとのなど一歩この地に降り立ったら
一瞬にして気化してしまいそうな過酷な荒地です。

登場人物は15人の移民と
正体不明の襲撃者と1匹のセパード犬。
あ、犬だから人物ではありませんけど。

ストーリー
メキシコとアメリカの3,152kmにわたる国境。
そこを1台のトラックが越えようとしている。
幌をかぶせた荷台で膝を抱える移民たち。
“I love you”
おもちゃのクマの機械的な声が響く。
アメリカに先に入国した家族に会うため、
メキシコから不法入国を試みる
モイセスの持ちものだ。

それぞれの想いを胸にした移民たちを乗せたトラックが
国境を越えようとしていた時、
エンジントラブルが発生。
15人の移民たちは
砂漠を徒歩で越えることになってしまった。
国境の有刺鉄線をくぐって抜け、
アメリカ領内に。
遮るものとてない砂漠。
発見されることを警戒しながら
都市部へと向かう移民たち。

しかし、
歩みの速度の差から次第に集団がばらけ、
二つに分かれてしまう。
モイセスを含む遅れたグループが
待ってくれるよう必死に叫んでいたその時―――

突然、銃声が響いた。
胸を押さえて倒れる先頭グループのリーダー。
さらに、二発、三発。
見えない襲撃者は
容赦なく移民たちを撃ち殺していく。

からくも逃げ出した第二グループのモイセス達。
だが、そこは身を隠す場もない砂漠。
摂氏50度。
水も武器も通信手段もない。
息子に「必ず会いに行く」と
約束したモイセスは
なんとしてもこの苦境を生きて
潜り抜けねばならない。

モイセスと行動を共にする女性アデラは
危険な故郷の町から安全なアメリカへ行けと
両親から送り出されている。
彼女もまた戻る場所のない人間だ。

迫りくる襲撃者。
牙をむいて追いかけてくるセパード。

モイセスたちに明日はあるのだろうか……

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アドレナリン噴出!
気づくと、「行け、行け!」「やっちまえ!」
と肩をいからせている自分がいました。

ガエル・ガルシア・ベルナル好きのとのとしては
移民たちに肩入れしすぎて
肩がこってしまった訳ですが、
まるで獲物を狩るように
移民たちを撃ち続ける襲撃者も
捨て置けない存在です。

ボロボロのピックアップトラックの助手席に
犬を乗せ、タトゥを刺した筋肉質の二の腕。
どこか影を感じさせるその横顔は
その昔ならベトナム戦争帰りの
心を病んだ兵士を思わせます。
人になじめず、都市に暮らせず、
犬と二人で砂漠に暮らす謎の男を
ジェフリー・ディーン・モーガンが
好演していました。

単なるサバイバル・エンターテインメントでは
終わらない作品ですよ。
強烈なメキシコ映画です。





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ノー・エスケープ
監督・脚本・編集・製作/ホナス・キュアロン、脚本/マテオ・ガルシア、製作/アルフォンソ・キュアロン、カルロス・キュアロン、アレックス・ガルシア、シャルル・ジリベール、撮影/ダミアン・ガルシア
出演
ガエル・ガルシア・ベルナル/モイセス、ジェフリー・ディーン・モーガン/サム、アロンドラ・イダルゴ/アデラ
5月5日(金)TOHOシネマズシャンテほか全国ロードショー
2015年、メキシコ=フランス、88分、字幕翻訳/松浦美奈、配給/アスミック・エース、http://desierto.asmik-ace.co.jp/

by Mtonosama | 2017-04-28 05:51 | 映画 | Comments(8)

ノー・エスケープ
自由への国境
-1-

DESIERTO

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(C)2016 STX Financing, LLC. All Rights Reserved.


メキシコとアメリカの間に存在する砂漠。
決死の覚悟でそこを越える不法移民のことは
いろんな映画で描かれてきました。

身を隠すところもない灼熱の世界、
毒蛇やサソリ、おぞましい生き物に加え、
強制送還への恐怖。
さらに自警団に追われもします。
救いようのない貧困から逃れるためには
それでも越境を試みるしかありません。

その挙句
乾燥しきった荒地に屍体となって
ごみ袋のように横たわるしかないとしても―――

2017年1月25日
メキシコ国境の安全を確保するべく、
物理的な壁をただちに建設、
十分な人員による監視を行い、
不法移民、違法薬物・人身の売買、テロ行為を未然に防ぐ

という大統領令に
ドナルド・J・トランプ第45代アメリカ合衆国大統領が署名しました。

そして―――
メキシコとアメリカ間の全長3,152kmに及ぶ
国境の壁が
現実化へと一歩踏み込んだわけです。

『ノー・エスケープ』はタイムリーな作品であり、
時代とリンクしながら
息を呑み、手に汗を握る
最強のエンターテインメントに仕上がっています。

88分間緊張し続け、
肩がこってしまった150歳です。

監督・脚本・編集・製作を担当したのは
本作が商業映画監督デビューとなる
1981年メキシコ生まれのホナス・キュアロン。
アカデミー賞受賞作『ゼロ・グラビティ』(’13)では
父アルフォンソ・キュアロン監督とともに
脚本を手掛け、
数々の脚本賞を受賞しました。

本作でも父アルフォンソと叔父カルロスが
製作に加わっています。
『ゼロ・グラビティ』も宇宙に投げ出された
2人の宇宙飛行士を描き、
いやが上にも緊迫感を高めた
アドレナリン超増量映画でしたが、
今回はそれ以上かもしれません。

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ホナス・キュアロン監督は
移民の体験談を描き出すため、
準備になんと7年間を費やしていますし、
完璧なロケーションを見つけ出そうと
アメリカのみならず、
スペイン、モロッコ、メキシコと
2年以上かけて砂漠を探し回りました。

カリフォルニア州アンザ・ボレゴ砂漠州立公園
デス・ヴァレー国立公園
ユタ州南部、アリゾナ州、ニューメキシコ州、
スペイン・アルメニア地方・・・

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世界中を回った結果、砂漠について多くを学び、
脚本にはその成果を盛り込むこともできました。
撮影地はバハ・カリフォルニア・スル州の砂漠。
携帯の電波も届かず、気温は38℃を越え、
強烈な日差しを遮る影もない乾ききった荒地です。

自由と富の国アメリカへと不法入国を試みる
主人公モイセスと15人のメキシコ人が登場します。

主人公モイセスは、
『モーターサイクル・ダイアリー』(’03)で
若き日のチェ・ゲバラを演じた
ガエル・ガルシア・ベルナル。
若々しいチェ・ゲバラが印象的な名作でした。

2001年にはアルフォンソ・キュアロン監督の
『天国の口、終わりの楽園。』で
第58回ヴェネチア国際映画祭
マルチェロ・マストロヤンニ賞(最優秀新人俳優賞)を受賞。
名匠たちから引っ張りだこの
メキシコを代表するスターです。

実は彼、ホナス・キュアロン監督が
脚本を書き始めた頃から
出演を熱望。
本作ではエグゼクティブ・プロデューサーにも名を連ねています。

さあ、ドキドキしますね。
一体どんなお話なのでしょう。
続きは次回まで乞うご期待でございますよ。



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ノー・エスケープ
監督・脚本・編集・製作/ホナス・キュアロン、脚本/マテオ・ガルシア、製作/アルフォンソ・キュアロン、カルロス・キュアロン、アレックス・ガルシア、シャルル・ジリベール、撮影/ダミアン・ガルシア
出演
ガエル・ガルシア・ベルナル/モイセス、ジェフリー・ディーン・モーガン/サム、アロンドラ・イダルゴ/アデラ
5月5日(金)TOHOシネマズシャンテほか全国ロードショー
2015年、メキシコ=フランス、88分、字幕翻訳/松浦美奈、配給/アスミック・エース、http://desierto.asmik-ace.co.jp/

by Mtonosama | 2017-04-25 05:40 | 映画 | Comments(2)

ターシャ・テューダー
静かな水の物語
-2-

TASHA TUDOR

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(C)2017 映画「ターシャ・テューダー」製作委員会


ターシャおばあさんを紹介したTV番組は
2005年から4本の番組が制作され、
それ以降も地上波とBSで再放送を繰り返す人気番組になりました。

生誕100周年となる2015年には
彼女の多彩な世界を紹介する展覧会も開催されました。
2年をかけて日本全国を回り、38万人を動員したんですって。

そもそも、
なんでターシャ・テューダーが日本で紹介されることになったのかというと――

今回、企画とプロデュースを担当した鈴木ゆかりさんは
以前、松田光絵監督と一緒に海外のガーデニングを紹介する番組を作っていました。
その中で取材したガーデナーの多くが
「憧れはターシャさんのお庭」と言っていたそうなんです。
それでターシャ・テューダーに取材をお願いしたのが、ことの始まり。

ターシャさん、OKしてくれて良かったです。

本作では松谷光絵監督が10年にわたって取材してきた彼女の生前の姿と
今回追加で撮影された新たな映像も加わり、
ターシャ・テューダー完全版として楽しむことができます。

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折れそうに細くて小さなおばあさんが
何エーカーもあるバーモント州の荒地を耕し、
人間技とは思えない見事な庭園を造り出したんですからね。

こんなことを言ってはなんですが、
魔法使いみたいに痩せたおばあさんが造ったんですよ。
天地創造ともいえる快挙です。

そして、敢えて不便さを選び取ったようなその暮らしぶり。
自然に寄り添った暮らしとでもいうのでしょうか。

15歳で肖像画家だったおかあさんのアンティークショップを
手伝っていたことからも影響を受けているのでしょうが、
彼女は園芸家という顔の他に
アンティーク収集家でもあります。
映画をご覧になったら調度品や食器もよ~くチェックしてください。
もう、ため息とともに「素敵!」の一言しか出てきません。

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そうそう、サブタイトルの『静かな水の物語」って気になりません?
映画を観て、湖も川も出てこないのに、
なんで?と思っていたのですが、
松谷光絵監督の言葉で納得がいきました。

ターシャさんは普段から「私はスティルウォーター教よ」と言っていたそうです。
Still Water(静かな水)というのは
大きな波に流されることなく静かに前進するというターシャの生き方と
水に映る自分自身をみつめるというありようを象徴する言葉――

明鏡止水っていうことですか。
卓越した人の言葉には東西相通ずるものがあるんですね。

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庭は生き物なんですよね。
こまめに手をかけてあげないと死んでしまいます。
ターシャさんが9年前に亡くなってから庭はどうなったのでしょう。
もしかして再び荒地に戻ってしまったのでしょうか。

ご安心ください。
ターシャの孫夫婦、ウィンズローとエーミーが
庭もターシャが愛した素朴な暮らしも守り続けています。

コーギー犬もチャボも元気です。

どうぞ明鏡止水の境に浸ってください。






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ターシャ・チューダー
監督/松谷光絵、企画・プロデュース/鈴木ゆかり、製作/堀内大示、山田治宗、撮影/高野稔弘
出演
ターシャ・チューダー、セス・チューダー、ウィンズロー・チューダー、エイミー・チューダー、ジェニファー・チューダー・ワイマン、アン・K・ベネデュース、ケイト・フォデアック、メギー、チカホミニー
4月15日(土)角川シネマ有楽町、YEBISU GARDEN CINEMA他全国ロードショー
2017年、105分、日本、カラー、映像提供/NHK、NHKエンタープライズ、http://tasha-movie.jp/

by Mtonosama | 2017-04-22 03:55 | 映画 | Comments(10)

ターシャ・テューダー
静かな水の物語
-1-

TASHA TUDOR

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(C)2017 映画「ターシャ・テューダー」製作委員会


可憐な花々。
気持よさげな緑陰。
美しい紅葉。
真っ白に雪化粧した木々。

素朴ながら心の贅沢を味合わせてくれるリビング。
美味しそうなご馳走を生み出すキッチン。

尻尾も足も短いコーギー犬がつき従い、
立派な鶏冠を持ったチャボのチカホミニーが
我が物顔に寝室を歩き回ります。

ああ、こんなところに滞在したら身も心も綺麗になれそうな気がするわぁ。

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ターシャ・テューダー。
アメリカを代表する絵本作家であり、
これぞスローライフというべき心豊かな日々を送った女性です。

彼女はそっと問いかけます。
「忙しすぎて心が迷子になっていない?」

はい、なってます。
怒鳴らないでゆったり暮らしたいです。

そんな大声の150歳を含め女子垂涎のおばあさんターシャ・テューダー。
その素敵な暮らしを描いたドキュメンタリー映画です。

ターシャ・テューダー

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(C)Richard W Brown

1915年 ボストンの名家に生まれる。
父はライト兄弟と肩を並べる飛行機、ヨット、帆船などの設計・製造技師。
母は肖像画家。
1924年 両親が離婚。
母はニューヨークへ。
ターシャはコネティカット州に住む両親の親友の家族と暮らす。
1930年 寄宿学校を経て、コネティカット州に母が購入した家で
母のアンティークショップ兼ティーハウスを手伝いながら、農業を始める。

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1938年 同じく農業を志望するトマス・L・マクリーディと結婚。
夫の姪を主人公にした絵本「パンプキン・ムーンシャイン」を出版。
1940年 長女ペサニー誕生。
1942年 長男セス誕生。
1945年 「ターシャ・テューダーのマザー・グース」が
アメリカの優れた絵本作家に贈られるコルデコット賞オナーブックに選ばれる。
ニューハンプシャー州に広大な農場付きの古い家を購入。
夫と共に本格的な農業を営みながら、様々な年中行事で子どもたちを楽しませる。
次男トム誕生。
1949年 次女エフナー誕生。
1957年 「ターシャのかずのほん1はいち」が
再びコルデコット賞オナーブックに選ばれる。
一家でイギリスへ行き、1年間滞在。
農業に興味を失った夫と離婚。
子どもたちと農場を続けながら、絵本や絵の仕事で生計を立てる。
1958年 イギリスに残った次男トムが送ってきたコーギーの仔犬に一目ぼれ。
以後コーギーを買い続け、ターシャのトレードマークに。
1971年 児童文学への貢献を評価され、レジャイナ・メダル受賞。
日本訪問。
バーモント州の山中に土地を購入。
18世紀に建てられた友人の家をモデルにした家を長男セスに建ててもらい、
美しい庭を一人で作り上げる。
2008年6月18日92歳で永眠。
自作絵本40数点、挿絵を描いた本40数点など、100点を超す作品を遺す。

以前、BSでターシャのドキュメンタリー番組を観て
「素敵!」と思いました。

本作はその番組制作にかかわった方々が
監督、企画、撮影に参加しています。

さあ、いったいどんな映画でしょうか。
続きは次回まで乞うご期待でございます。



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ターシャ・テューダー
監督/松谷光絵、企画・プロデュース/鈴木ゆかり、製作/堀内大示、山田治宗、撮影/高野稔弘
出演
ターシャ・テューダー、セス・チューダー、ウィンズロー・チューダー、エイミー・チューダー、ジェニファー・チューダー・ワイマン、アン・K・ベネデュース、ケイト・フォデアック、メギー、チカホミニー
4月15日(土)角川シネマ有楽町、YEBISU GARDEN CINEMA他全国ロードショー
2017年、105分、日本、カラー、映像提供/NHK、NHKエンタープライズ、http://tasha-movie.jp/


by Mtonosama | 2017-04-19 09:44 | 映画 | Comments(6)

わすれな草
-2-

Vergiss mein nicht

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(C)Lichtblick Media GmbH


人に歴史あり。
まさにそのことを実感させられる映画です。

常日頃、おばはん、ばばあ等と呼ばれ、
若くなければ、美しくなければ、人にあらず――
みたいな括り方をされている150歳。

でも、おばはんだってその年齢分の人生を生き、
歴史にかかわり、時代を創ってきたんですけどねえ。

本作には政治運動に生き、
奔放な恋もし、
今はアルツハイマーとなって
日々記憶を失っていく一人の老女が描かれています。

でも、決して
昔は良かったのに、認知症になってしまってはねえ、
人生って虚しいねえ、
という映画ではないんですよ。

ストーリー
ダーヴィッドは認知症になった母グレーテルの世話を手伝うために
フランクフルト近郊の実家へ戻ってきた。
父のマルテが長い間グレーテルを介護してきたが、ちょっと疲れてしまったからだ。
ダーヴィッドは母の世話をしながら、昔からの親友のカメラマンと共に
母と過ごす時間を映像に記録する。
理性的だった母も、病によって心の欲するままに暮らしているように見える。
息子のダーヴィッドを夫と思い込み、
父が思わず嫉妬したり。
かつてはそれぞれに恋人を持ち、個人主義的に思えた両親の夫婦関係も
今では手を取り合い、肩を抱き合い、
素直に愛情を表わしあえる関係に変わってきた……

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映画の撮り始めから終盤――
終盤とはつまり母グレーテルの最期につながるのですが、
最初は彼女の目にも力強さが宿り、かつての美貌の片鱗も顔を覗かせています。
でも、次第にその目から力は失せ、動きも緩慢なものになっていきます。

ダーヴィッドが少し目を離せばベッドにもぐりこみ、
運動を促せば、あれこれ屁理屈をこね、
薬を飲むように言えば「あなたが飲んでおいて」と返してきます。
言うことを聞かない子どもみたいなものです。

身体が大きいから抱き上げて無理矢理やらせることができない分、大変なんですが。
でも、グレーテルは伸び伸びと暮らし、
父も息子も抑えつけることはしません。
根底に深い愛があるからなんですね。

認知症になることを極端に恐れる余り、
そうした老人の存在を否定しようとしていたのではないかと
気づかされてしまいました。
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グレーテル・ジーヴェキング
母グレーテルは1965年に苦学して修士号を取得し、放送局で働いていました。
1966年マルテと結婚。1967年に長女が誕生。
その頃、政治に目覚め、マルテと共に社会主義ドイツ学生連盟に参加しました。
その後も高齢になるまで政治活動を続け、
緑の党、エネルギー転換委員会、女性運動などに関わってきました。
2005年、記憶力の減退が顕著になり、
2008年にはアルツハイマー型認知症と診断されました。

嗚呼、人に歴史あり。

映画の中に挟まれる母グレーテルの若き日々。
とても美しい人です。
図書館をめぐり、60年代の政治運動を調べ、
当時の母の恋人にも取材する息子。
過去と現代が描き込まれ、ある種、暴力的なまでの印象の差異に戸惑います。

そして、介護事情の彼我の違いにも驚かされつつ、
夫マルテの母、つまり、グレーテルの姑が90歳を超えながら矍鑠とし、
グレーテルを施設に入れるよう勧める場面にも複雑な気持ちにさせられました。

150歳のとのも
高齢者も
高齢者予備軍も
グレーテルの子ども世代も
感じるところの多い映画だと思います。







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わすれな草
監督・脚本/ダーヴィッド・ジーヴェキング、撮影/アドリアン・シュテーリ、編集/カトリン・フォークト、
音楽/ジェシカ・デ・ルイジ、製作者/マルティン・ハイスラー、カール=ルートヴィヒ・レッティンガー
4月15日(土)渋谷ユーロスペース他、全国順次ロードショー
2013年、ドイツ、88分、カラー、字幕/渋谷哲也、
配給/ノーム特別協力:ゲーテ・インスティトゥート/東京ドイツ文化センター、http://www.gnome15.com/wasurenagusa/

by Mtonosama | 2017-04-16 05:41 | 映画 | Comments(8)

わすれな草
-1-

Vergiss mein nicht


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(C)Lichtblick Media GmbH


いつか来た道、いずれ行く道
とはよく聞くし、よく言う言葉です。

150歳のとのもいっぱしの年寄りぶって
この言葉を口にしますが、
一つの映画作品の中で
それもドキュメンタリー作品の中で
美しく若かった頃の昔の姿と
人間関係も、それに伴う想い出も、記憶もなくしてしまった
現在の姿を見せられると
自分の人生そのものを揺さぶられるような気持になります。

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アルツハイマーの妻、
彼女を支える夫、そして、その家族。

本作は
記憶を失ったグレーテル・ジーヴェキングの末息子、ダーヴィッドが
父に代わって母を介護し、
時に明晰で、時に夢見るような彼女の日常と、
左翼運動の闘士だった若く美しい母の映像とを
織り交ぜながら作り上げたドキュメンタリー映画です。

穏やかでありながら
いずれ行く道を想わざるを得ない作品といえましょう。

監督は言っています。
「認知症になった母から、父と僕たち子どもが学んだことがある。
愛情を直接示すこと、ふれあいを持つこと、
そして、一緒に寄り添うことが、
家族にとっていかに大切で価値があるかということだ」

ダーヴィッド・ジーヴェキング監督
1977年ヘッセン州フリートゲルク生まれ。
フランクフルト近郊のバート・ホンブルクで育つ。
2000年から2007年ベルリンドイツ映画テレビアカデミー(dffb)で学ぶ。
在学中から映画やテレビの編集、助監督、出演者として活動。
ベルリン映画祭タレントキャンパスに参加し、
いくつかの映画プロジェクトを完成させる。
短編映画『撮り足し』(’00)でヘッセン州若手映画賞を受賞。
セミドキュメンタリー短編映画『アメリカ大使館』(’03)で
3つのドイツ若手映画賞を受賞し、2005年のカンヌ映画祭に招待される。
2007年、卒業制作『セネガル=ドイツ』がミュンヘン映画祭で初上映され、
2010年、劇場デビュー作『ダーヴィッドは空を飛びたい』で注目される。
ベルリン映画祭での初上映後40以上の国際映画祭で上映される。
ヘッセン州映画賞の最優秀ドキュメンタリー映画賞を受賞し、各国で劇場公開。
2012年、劇場映画第2作『わすれな草』は再びヘッセン州映画賞を受賞。
ワールドプレミアは第65回ロカルノ映画祭「批評家週間」で主要賞を獲得。
2013年、同名書籍が出版される。

映画の中では
思い通りにならない母に対して、
一生懸命ではあるけれど、
なんとなくイラッとする様子も伝わってくる
気楽な独身息子に見えましたが、
ドイツ映画界では結構注目を浴びる人物でした。

そんな彼がこの映画を撮ろうと思ったのは
母の介護が父一人の手には余るようになったため。
彼が手伝い、母の映画を撮るという企画にすれば、
時間も労力も介護のために十分に使えて一石二鳥だと考えたんですね。
しかし、家族の了解を得ることと、
作品が両親にとってプラスになることが撮影の第一条件です。

撮影を開始した時期は
母親が具体性のない事柄を理解できなくなり始めた頃。

カメラを抱えた見知らぬ人が家の中にいるのを見て不思議がる母に
「母さんの映画を撮っているんだよ」と説明しても、
すぐに忘れてしまったそうです。

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アルツハイマー型認知症は、認知症の中で一番多く、男性よりも女性に多く見られ、
脳血管性の認知症などの患者数が横ばいであるのに対して、
増加の傾向があるといいます。

大変だったろうな、と思いつつ、
穏やかで安らかで
時々クスッと笑えるような夫婦や母子の姿によって
つらいテーマも直視することができました。

さあ、いったいどんな映画なんでしょう。
続きは次回まで乞うご期待でございます。



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わすれな草
監督・脚本/ダーヴィッド・ジーヴェキング、撮影/アドリアン・シュテーリ、編集/カトリン・フォークト、音楽/ジェシカ・デ・ルイジ、製作者/マルティン・ハイスラー、カール=ルートヴィヒ・レッティンガー
4月15日(土)渋谷ユーロスペース他、全国順次ロードショー
2013年、ドイツ、88分、カラー、字幕/渋谷哲也、
配給/ノーム特別協力:ゲーテ・インスティトゥート/東京ドイツ文化センター、http://www.gnome15.com/wasurenagusa/

by Mtonosama | 2017-04-13 06:14 | 映画 | Comments(0)

三毛猫ひかちゃん 
-53-


あたし、ひかちゃん。

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いつもながら眼光鋭いあたしよ。


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飼い主ったらね、
試写室にでかけるついでに千鳥ヶ淵へお花見に行ったの。

綺麗ねぇ。
いっぱいボートが出てるけど、これに乗るには2時間半待ちなんだって。
満開の桜をボートから眺めたら、さぞ気持ちが良いでしょうねぇ。


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足元にはこんなお花も咲いていたんだって。
シャガっていうのよ。



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さて、千鳥ヶ淵から鵠沼海岸へ。
4月8日
とうとうシネコヤさんがオープンしたのよ。


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読書スペースもあるの。


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どきどき。
この階段を上がりきると映画館よ。


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ほら、ここよ。


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(C)ALIVE INSIDE LLC 2014

上映していたのは『パーソナル・ソング』。

近年、医学的にも注目されるようになった認知症やアルツハイマー患者への音楽療法を題材に描き、2014年サンダンス国際映画祭ドキュメンタリー部門で観客賞を受賞したドキュメンタリー。特効薬もないままに患者数が爆発的に増え続け、先進諸国で社会問題となっている認知症やアルツハイマー病。アメリカのソーシャルワーカー、ダン・コーエンは、患者が自分の好きな歌(パーソナル・ソング)を聞くことによって、音楽の記憶と一緒に何かを思い出すのではないかと思いつく。早速その療法を実行に移してみると、娘の名前すら思い出せずふさぎこんでばかりいた94歳の認知症男性ヘンリーが、好きな曲を聞いた途端に陽気に歌いはじめ、仕事や家族のことまで饒舌に語りだすという効果が表れた。さらに他の患者たちも、この音楽療法によって劇的な変化を見せるように。人間が失われた記憶を取りもどす奇跡の瞬間をとらえ、新たな治療法の可能性を探っていく。 http://eiga.com/movie/80961/

『レナードの朝』(‘90ベニー・マーシャル監督)の
感動的なワンシーンを思い出したわよ。

そう、これまで無表情だった患者たち。
彼らの顔に花が咲くように
一斉に表情が蘇り、語り始めるあのシーンよ。

数日前『わすれな草』というドイツのドキュメンタリー映画を観てきた飼い主。
39歳の監督が、認知症を患う母親を撮った映画なんだけど、
このお母さんにも音楽療法を受けさせてあげたかったわ。


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あたし?
あたしは自分ばっかりフラフラ出歩いてる飼い主を蹴っ飛ばすために
キャットタワーで特訓中。
テイッ、トーッ!

ひかり


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by Mtonosama | 2017-04-12 05:54 | 映画 | Comments(4)

午後8時の訪問者
-2-
La Fille Inconnue

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(C)LES FILMS DU FLEUVE - ARCHIPEL 35 - SAVAGE FILM – FRANCE 2 CINEMA - VOO et Be tv - RTBF (Television belge)


あの時こうしていれば良かった。
あんなことをしなければ良かった。

人生にそんな思いはつきものです。

自分を危険な立場に追い込みながらも
真相をつきとめようとする女医を演じたのはアデル・エネル。
2013年にセザール賞助演女優賞
2014年には同賞主演女優賞を受賞した若手実力派女優です。

とてつもなく美人ではないかもしれませんし、
華奢な体つきでもありません。
しかし、息づまるような迫真の演技には是非ともご注目ください。

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ストーリー
ジェニーは間もなく大病院に好待遇で迎えられる予定の医師。
体調を崩し、入院した高齢の医師の代わりとして
小さな診療所で診察していた。
彼女の許には研修医のジュリアンがいる。
ある日、患者の発作を目の当たりにして
身動きできなくなったジュリアンをジェニーは厳しく責める。
それ以来、彼はジェニーの話を聞こうとしなくなってしまう。

間もなく勤めることになる病院から
歓迎パーティへの誘いの電話を受けていた時、
診療所のドアフォンが鳴る。
午後8時。診療時間は終わっている。
応じようとするジュリアンに「患者に振り回されてはダメ!」としかるジェニー。
ジュリアンは無言で診療所を出ていってしまった。

歓迎パーティではシャンパンがふるまわれ、
上司はジェニーの優秀さを褒めそやし、病院内には彼女の部屋も用意されていた。

翌日、診療所に刑事がやってきて、
近くで身元不明の遺体が発見されたことを告げる。
監視モニターを調べたところ、
昨夜、午後8時にドアフォンを押していた少女が
その遺体の当人だった。
警察は身元不明の遺体は公共墓地に埋葬するしかないという。

罪悪感にうちひしがれたジェニーは少女の写真をスマホで写し、
時間を見つけては名前を訊ねて回った。

あの夜以来連絡が途絶えたジュリアンを訪ね、
少女の写真を見せて名前を知らないか訊いた。

患者たちにも訊ね歩く内、娼婦であるらしいことがわかった。
少しずつ真相に迫り始めた頃、
ジェニーは襲撃され、「この件に近づくな」と脅される……

少女の手がかりを探りながら、
小さな診療所は、貧困や国籍などが原因で大病院には行けない人々にとって
必要とされていることを知ったジェニー。

キャリアアップの寸前で、
先輩医師として研修医ジュリアンの指導的な立場にあると同時に
後輩になめられてはいけないという思いを抱える中で起きた事件。
「そこまでしなくともいいのでは?」
と思える彼女の行動。

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ベルギー版赤ひげとも言いたくなるジェニーを見ながら
若いってこういうことなんだなぁ、
と、150歳は神妙な想いを抱かざるをえませんでした。

今後ジェニーには午後8時のドアフォンに応えていればよかった
という思いがついて回ることでしょう。
そして、
誰しもまた
あの時ああしておけばよかった
という気持ちをお持ちのことと思います。
でも、でもね、
その結果、ジェニーのように少し成長するという可能性も
あるのかもしれませんよね。

それにしても
ダルデンヌ兄弟監督、作品発表ごとに進化していくようですよ。




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午後8時の訪問者
監督・脚本/ジャン=ピエール&リュック・ダルデンヌ、第一助監督/カロリーヌ・タンブール、
撮影/アラン・マルコアン(s.b.c)、製作/ジャン=ピエール&リュック・ダルデンヌ、ドニ・フロイド
出演
アデル・エネル/ジェニー・ダヴァン、オリヴィエ・ボノー/ジュリアン、ジェレミー・レニエ/ブライアンの父、ルカ・ミネラ/ブライアン、クリゼット・コロニル/ブライアンの母、
ナデージェ・エドラオゴ/ネットカフェの受付
4月8日(土)ヒューマントラストシネマ有楽町、新宿武蔵野館ほか全国順次ロードショー
2016年、ベルギー=フランス、106分、カラー、配給/ビターズ・エンド、http://bitters.co.jp/pm8/

by Mtonosama | 2017-04-09 05:47 | 映画 | Comments(6)

午後8時の訪問者
-1-

La Fille Inconnue

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(C)LES FILMS DU FLEUVE - ARCHIPEL 35 - SAVAGE FILM – FRANCE 2 CINEMA - VOO et Be tv - RTBF (Television belge)


『サンドラの週末』から2年、
http://mtonosama.exblog.jp/23970021/ http://mtonosama.exblog.jp/23980790/
ジャン=ピエール&リュック・ダルデンヌ兄弟監督の最新作がやってきました。

この二人としては珍しいサスペンス仕立ての映画です。
しかし、ダルデンヌ兄弟監督のこと。
祖国ベルギー、いや、ヨーロッパが直面する問題を抉り出しつつ、
心を揺らすヒューマンミステリーに仕上げています。

路面から伝わる寒気が心も体も凍てつかせるようなベルギーの冬。
午後8時、診療時間はとっくに過ぎています。
女医のジェニーが勤める診療所のドアフォンが鳴りました。
ジェニーは応じようとするインターンを制します。

翌日、刑事が訪問。
診療所の近くで身元不明のアフリカ系少女の遺体がみつかったというのです。

それはまさに診療所のモニターに映っていた少女でした。
少女は誰なのでしょう?
そして、なぜ死んでしまったのでしょう?
ドアフォンを押して何かを伝えようとしていたのでしょうか?

ジェニーがドアを開けていれば、彼女は死なずにすんだのでしょうか?

自分を責めながらも少女の足跡を辿るジェニー。
そして、いつしか彼女自身危険に巻き込まれていくのですが……

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と、いきなり暴くか。150歳。

いえ、暴きません。暴きませんよ。

いや、しかし、いつまでも枯れることのないダルデンヌ兄弟です。

作品を発表するごとにカンヌ国際映画祭のコンペティション部門に出品され、
2度のパルムドールの他、数々の映画賞を世界中で受けています。
本作も第69回カンヌ国際映画祭で『ロゼッタ』がパルムドールを受賞して以降
7回連続コンペティション部門に出品という快挙を成し遂げました。

ドアフォンを無視したために移民の少女が殺されてしまう…
キャリアアップを捨て真相を探り始める若い女性医師。
彼女の罪悪感と苦悩に寄り添いつつ、
ベルギーに暮らす移民にもまなざしを向けることを忘れないダルデンヌ兄弟。
日常に潜む闇や不条理を
冬の都会の寒々しい風景をバックに浮き上がらせていくんですね。

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今回もいわゆるヨーロッパのヨーロッパらしい場所は登場しません。
寒そうな河沿いの道。
高速道路の高架下。
飾りっ気も何もない殺風景な診療所。
狭いアパート。

ベルギーワッフルもなければ、ベルギービールもありません。
ルネ・マグリットだって全く登場しません。
綺麗でスタイルの良い女優さんも出ません。

でも、ベルギーの映画です。
そして、ヨーロッパが抱える問題をしっかり描き出す作品なんですよね。
あ、綺麗な女優さんが出ないと言いましたが、
ジェニーを演じたアデル・エネルは良かったですよ。
女優は綺麗でスタイルがよくなければいけないって
いったい誰が決めたんですかねえ。

さあ、いったいどんな映画なのでしょう。
続きは次回まで乞うご期待でございます。





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午後8時の訪問者
監督・脚本/ジャン=ピエール&リュック・ダルデンヌ、第一助監督/カロリーヌ・タンブール、
撮影/アラン・マルコアン(s.b.c)、製作/ジャン=ピエール&リュック・ダルデンヌ、ドニ・フロイド
出演
アデル・エネル/ジェニー・ダヴァン、オリヴィエ・ボノー/ジュリアン、
ジェレミー・レニエ/ブライアンの父、ルカ・ミネラ/ブライアン、クリゼット・コロニル/ブライアンの母、
ナデージェ・エドラオゴ/ネットカフェの受付
4月8日(土)ヒューマントラストシネマ有楽町、新宿武蔵野館ほか全国順次ロードショー
2016年、ベルギー=フランス、106分、カラー、配給/ビターズ・エンド、http://bitters.co.jp/pm8/

by Mtonosama | 2017-04-06 05:35 | 映画 | Comments(4)

三毛猫ひかちゃん
-52-


あたし、ひかちゃん。

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あ、あれ何?

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あら~!とうとうできたのね。
シネコヤさん。

本格始動は4月8日ですって!

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ふむふむ。
飼い主の試写室では上映しなかった作品だわ。

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パン屋さんもあるのね。


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そんなこんなで
シネコヤさんのプレオープンを覗いた後、
プラプラお散歩。

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なぜか川のほとりにこんなものが。
暖かい春の日に浮かれてズボンを脱いでそのまま出かけちゃったのね。
って・・・・

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相変わらず写真の下手な飼い主だけど、
湘南の良いとこ撮りよ。
トンビが舞う下には江ノ島の灯台。
左手には片瀬海岸のマンション群。
湘南は東京より開花が遅いのね。
手前の桜が満開になったらきっと見事だと思うわ。

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あたしは身づくろいだわよ。
春ですものね。

ひかり

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by Mtonosama | 2017-04-05 06:23 | 映画 | Comments(7)