偉大なるマルグリット
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Marguerite
(C)2015 - FIDELITE FILMS - FRANCE 3 CINEMA - SIRENA FILM - SCOPE PICTURES - JOUROR CINÉMA - CN5 PRODUCTIONS - GABRIEL INC.
1940年代、アメリカにフローレンス・フォスター・ジェンキンスという
音楽とオペラに強い情熱を傾けているお金持ちの女性がいました。
彼女は社交界の人々の前で歌ったり、
レコードを出したり、
1944年、76歳の時には
カーネギー・ホールの舞台にも立ったのだそうです。
でも、なんということでしょう!
彼女はとてつもない音痴だったのです。
ここで今回のお題。
本作『偉大なるマルグリット』が生まれたのは
10年程前、グザヴィエ・ジャノリ監督が
ラジオで「魔笛」の「夜の女王のアリア」を
盛大に音を外して歌っている声を聴いたのがきっかけ。
それがフローレンス・フォスター・ジェンキンスでした。
監督はその声を
「別世界から聞こえてくるような神秘的な声だった」
と表現しています・・・
監督もまたえらいお耳の持主でございます。
監督は彼女に興味を抱き、新聞の切り抜きを読んだり、
レコードも見つけ出したそうです。
そして、レコードで聴いたその声も、それはそれはひどいものでした。
ジャケットには天使の羽をつけ、ティアラを冠った彼女が写っています。
とのにはとても信じられないのですが、
彼女は、自分の歌が普通じゃないということに気づいていなかったのですって。
誰も彼女に「あなたは音痴ですよ」と言い出せなかったんです。
周囲の人間が彼女に真実を告げなかったのは
お金目当てか、偽善者か、
一番良く見積もっても臆病者だったからでしょうね。
ま、それは彼女が大金持ちだったのがいけないのでしょう。
でも、彼女も自分でわからないかなあ。
が、しかし
監督はフローレンスさんの声を聴いたことで
創作意欲に駆られたのですから良しとしましょうか。
この風変わりな趣味を持ったグザヴィエ・ジャノリ監督は
グザヴィエ・ジャノリ監督
1972年生まれのフランスの映画監督、脚本家、映画プロデューサー。
1993年から10本の映画を監督している。
第69回ヴェネツィア国際映画祭のコンペティション部門では
『ある朝突然、スーパースター』が金獅子賞を争った。
フィルモグラフィー
2003年『EAGER BODIES』
セザール賞有望若手男優賞ノミネート
セザール賞有望若手女優賞ノミネート
2005年『情痴 アヴァンチュール』
2006年『THE SINGER』
2009年『IN THE BEGINNING』
2012年『ある朝突然、スーパースター』
2015年『偉大なるマルグリット』
ジャノリ監督はモデルとなった人物を細かく調査するタイプの監督さん。
多くのリサーチを行ってから、架空の話を書きます。
単なるドキュメンタリーや純粋なフィクションでは満足できないのだとか。
実際のできごとについて個人的な解釈を加え、
人間の真理を明らかにしたいということです。
人間の真理といわれても、
とのにはそんなに音程を外しながら
平気で大勢の前で歌うというところがどうしてもわからないのですが、
そのあたりは皆さまの目と耳でぜひお確かめくださいませ。
1920年代のパリ。
ファッションも大金持ちの邸宅のインテリアもお楽しみどころ。
それにしても一体どんなお話でしょうか。
続きは次回まで乞うご期待でございますよ。
続
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☆2016年2月25日に更新しました。いつも応援してくださってありがとうございます☆
偉大なるマルグリット
監督、脚色、脚本/グザヴィエ・ジャノリ、脚本協力/マルシア・ロマーノ、撮影/グリン・スピーカート-SBC、製作総指揮/クリスティーヌ・ドゥ・ジェケル、アルテミオ・ベンキ
出演
カトリーヌ・フロ/マルグリット、アンドレ・マルコン/ジョルジュ・デュモン、ミシェル・フォー/アドス・ベッジーニ、クリスタ・テレ/アゼル、デニス・ムブンガ/マデルポス、シルヴァン・デュエード/リュシアン・ボーモン、オベール・フェノワ/キリル・フォン・プリースト、ソフィア・ルブット/フェリシテ(髭女)、テオ・チョルビ/ディエゴ
2月27日(土)シネスイッチ銀座、YEBISU GARDEN CINEMAほか全国ロードショー
2015年、フランス、129分、日本語字幕/古田由紀子、配給/キノフィルムズ、http://www.grandemarguerite.com/